JPS58142907A - 粒状ないし粉末状の含窒素フエノ−ル・アルデヒド系共重合樹脂及びその製造法 - Google Patents

粒状ないし粉末状の含窒素フエノ−ル・アルデヒド系共重合樹脂及びその製造法

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JPS58142907A
JPS58142907A JP2429582A JP2429582A JPS58142907A JP S58142907 A JPS58142907 A JP S58142907A JP 2429582 A JP2429582 A JP 2429582A JP 2429582 A JP2429582 A JP 2429582A JP S58142907 A JPS58142907 A JP S58142907A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な粒状ないし粉末状の含窒素フェノール・
アルデヒド系共重合樹脂及びその製造法に関する。さら
に詳細には、本発明は保存安定性及び流れ特性が良好で
且つ反応性を有し、成形材料として好適な新規な粒状な
いし粉末状の含窒素フェノール・アルデヒド系共重合樹
脂、及びその新規な製造方法に関する。
従来、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の代表的なも
のとしてノボラック樹脂とレゾール樹脂とが知られてい
る。ノボラック樹脂は、通常、フェノール対ホルムアル
デヒドのモル比が例えば1対0.7〜0.9となるよう
なフェノール過剰の条件下で、例えばシュウ酸の如き酸
触媒の存在下(通常フェノールに対して0.2〜2重量
%)でフェノールとホルマリンとを反応させることによ
って製造される。かような方法で得られるノボラック樹
脂は、フェノールが主としてメチレン基によって結合さ
れた3〜5量体が主成分をなし、遊離メチロール基を殆
んど含有せず、従ってそれ自体では自己架橋性を有せず
、熱可塑性を有する。
そこでノボラック樹脂は、例えばヘキサメチレンテトラ
ミン(ヘキサミン)の如きそれ目体ホルムアルデヒド発
生剤であると共に有機塩基(触媒)発生剤でもある架橋
剤と加熱下で反応させるか、又は例えば固体酸触媒とパ
ラホルムアルデヒド等と混合し、加熱反応させることに
よって、酸化樹脂とすることができる。
しかしながら、ノボラック樹脂を成形材料として使用す
ると、前者の場合へキサミンの分解によって発生するア
ンモニアにより成形品が発泡したり、ヘキサミンの未分
解物や副生する有機塩基が成形品中に残存し、そのため
に成形品の物性が変化ないし劣化したり、硬化反応に長
時間要する等の欠点があり、さらに後者の場合はパラホ
ルムアルデヒドや酸触媒と接触する部分のみが過剰に架
橋反応が進行し、全体として均一な架橋構造が形成され
にくく、且つ酸触媒やパラホルムアルデヒドが残存し経
時的に物性が変質したり、或は硬化時にそれらの分解に
よる発泡等の弊害も起る。また残存するヘキサミン、酸
触媒、パラホルムアルデヒド等は、該ノボラック樹脂を
他の樹脂と混合、併用する場合、他の樹脂を劣化する等
の欠点があるばかりでなく、ノボラック樹脂はフェノー
ル過剰の反応によって得られるために遊離フェノールを
比較的多量(例えば約05〜2重量%)含有するという
欠点もある。
また、比較的近年に至って、ノボラック樹脂を高温下で
加熱して可成り縮合度の大きなものを得、これを精製し
て低縮合物を分離、除去してフェノール基が7〜10個
メチレン基で結合された比較的高縮合体を得、これを加
熱溶融紡糸してノボラック樹脂線維を形成し、これを塩
酸・ホルムアルデヒド混合水溶液中に浸漬して、室温か
ら徐々に加温して長時間かけて該繊維の外部から硬化反
応を進行させることにより硬化ノボラック樹脂繊維を製
造する方法が提案された(特公昭48−11284号)
しかしながら、硬化ノボラック樹脂繊維は上記の製造法
から明らかなように高縮合ノボラック樹脂の形成に余分
な工程を会費とし、さらにこれを繊維とすることなく粉
砕して外部から硬化処理を施しても硬化反応を内部にま
で均一に進行させることは殆んど不可能であり、他方硬
化処理した該線維を裁断又は粉砕したものは高価なもの
となるばかりでなく、流れ特性のよい粒状又は粉末状の
ものとすることはできない。
また、従来公知のレゾール樹脂は、例えば水酸化ナトリ
ウム、アンモニア又は有機アミンの如き塩基性触媒(フ
ェノールに対して約0.2〜2重量%)の存在下でフェ
ノール対ホルムアルデヒドのモル比が1対1〜2の如き
ホルムアルデヒド過剰の条件下で反応することによって
製造される。かくして得られるレゾール樹脂は、比較的
多量の遊離メチロール基を有するフェノールの1〜3量
体が主成分をなし、反応性が極めて大であるために通常
固形分60%以下の水又はメタノール溶液として冷蔵庫
中で保存されるが、その保存期間は精々3〜4ケ月程度
である。かかるレゾール樹脂を成形、硬化する場合は、
水又はアルコールを除去し、必要により酸触媒の存在下
で、加熱する。この硬化反応速度が極めて大であり、ゲ
ル化は例えば150℃で数10秒以内で起る。
樹上から明らかなように、レゾール樹脂は極めて反応性
が大であるために粒状又は粉末状の安定な固形物とする
ことはできず、またその硬化物は三次元構造が高度に進
行しているために極めて硬く、これを微小な粒状ないし
粉末状の成形材料とすることは非常に困難である(特公
昭53−12958号)。
また、フェノール、ホルマリン、および尿素等の混合物
を先ずアルカリ性触媒の存在下で反応させて変性レゾー
ル樹脂を作り、次いで、酸性触媒に切り換えて該変性レ
ゾール樹脂を更に縮合せしめ、熱硬化性レゾール・ノボ
ラック型石炭酸樹脂を製造する方法が知られている(特
公昭32−993号)。
この方法は、上記の如く反応触媒を反応の途中でアルカ
リ性から酸性に変更する必要がありこのタイミング等反
応操作の制御が困難であるが、同公報の記載によればこ
の方法により得られる樹脂は粉砕し易い点に特長を有し
ているという。
また近年にいたって、フェノール類とホルムアルデヒド
とを触媒としての少くとも含窒素系化合物の存在下で反
応させて得られる縮合物に親水性高分子化合物を添加し
、反応させて粒状ないし粉末状樹脂を製造する方法が発
表されているが(特公昭53−42077号)、この方
法で得られる樹脂の非ゲル化物は約5〜6%という多量
の遊離フェノールを含有し(同実施例1〜4)、そのゲ
ル化物(同実施例5)は極めて硬い非反応性樹脂となる
ばかりでなく、該樹脂は触媒として用いた含窒素化合物
や親水性高分子化合物を含有するために得られる成形品
の性能が低下する欠点がある。
さらに、フェノールとホルムアルデヒドを塩基性水溶液
中で反応させて得られるプレポリマーを保賎コロイドと
混合し、酸性下で不活性固形ビーズ状に凝固させる方法
も公知であるが(特公昭51−13491号)、これは
所謂レゾール樹脂硬化物に相当し、反応性を有せず、そ
の上塩類や酸、その他保護コロイドを含有するために、
得ら゛れる成形品の性能が低下する欠点がある。
そこで、本発明の第1の目的は、本発明者等が先に提案
した(特願昭56−60613号)窒素を実質的に含ま
ない粒状ないし粉末状フェノール・ホルムアルデヒド系
樹脂よりも、例えば一層微粒状で流れ特性あるいは耐熱
性等が一層改善された含窒素フェノール・アルデヒド系
共重合樹脂を提供することにある。
本発明の第2目的は、保存安定性が大で、流れ特性も良
好であり、しかもそれ自体で又は他の樹脂と混合して、
成形、加熱した場合に反応性を有する特にそれ自体を加
熱した場合に自己硬化型樹脂を与えるような反応性を有
する粒状ないし粉末状の含窒素フェノール、アルデヒド
系重合樹脂を提供することにある。
本発明め第3目的は、極めて微細な粒状ないし粉末状固
形物であり、従って流れ特性が良好であり、例えば射出
成形の微小ノズルをも円滑に通過することができ且つ反
応性フィラーとして使用し得る含窒素フェノール・アル
デヒド系共重合樹脂を提供することにある。
本発明の第4目的は、例えば100℃の如き加熱下で熱
融着性および反応性を有し、それ故高温処理に耐えられ
ない基材のバインダーとして好適に使用し得る粒状ない
し粉末状の含窒素フェノール・アルデヒド系共重合樹脂
を提供することにある。
本発明の第5目的は、遊離フェノール含有量が500p
pm以下というように少量であり、従って取扱いが安全
且つ容易で、しかも公害の問題のない粒状ないし粉末の
含窒素フェノール・アルデヒド系共重合棚側を提供する
ことにある。
本発明の第6目的は、常温貯蔵安定性が良好であるばか
りでなく、それ自体で又は例えば他の樹脂と共用して耐
熱性、耐水性、耐アルカリ性、耐アーク性、断熱性、機
械的特性及び/又は電気的特性が優れた成形体が形成す
ることができる粒状ないし粉末の含窒素フェノール・ア
ルデヒド系共重合樹脂を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記第1乃至第6目的で述べた各
種の利点を有する新規な粒状ないし粉末状の含窒素フェ
ノール、アルデヒド系樹脂を製造する新規な工業的製法
を提供することにある。
本発明のさらに他の目的及び利点は以下の説明から明ら
かとなるであろう。
本発明によれば、上記の目的及び利点は、フェノール類
、少くとも2個の活性水素を有する含窒素化合物および
アルデヒドとの縮合物から成る粒状ないし粉末状の含窒
素共重合樹脂であって、(A)該粒状ないし粉末状樹脂
は粒径0.1〜100ミクロンの球状一次粒子およびそ
の二次凝集物を含有し、 (B)少くとも全体の50重量%は150タイラーメッ
シュ篩を通過し得る大きさであり、(C)該樹脂は液体
クロマトグラフィーによる測定値として遊離フェノール
含有量が500ppm以下であり、 (D)該樹脂のKBr錠剤法による赤外線吸収スペクト
ルにおいて、 1450〜1500m−1(芳香族二重結合に帰属する
吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収強度をD1450
〜1■■■、そして960〜102Ocm−1(メチロ
ール基に帰属する吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収
強度をD■■■〜1020、で表わした場合、 D■■■〜1020/D1480〜1508=0.1〜
2.0であり、且つ (E)該樹脂約1Ogを、実質的に無水のメタノール5
00ml中で、加熱還流した場合に、下記式 式中、W0は使用した該樹脂の重量(g)、W1は加熱
還流後に残存した樹脂 の重量(g)、 Sは該樹脂のメタノール溶解度 (重量%)を示す、 で表わされるメタノール溶解度が20重量%を超える、 ことを特徴とする粒状ないし粉末状の含窒素フェノール
・アルデヒド系共重合樹脂によって達成される。
本発明によれば、上記目的および利点は、上記樹脂が更
に、KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルにおいて
、 1280〜1360cm−1(炭素−窒素結合に帰属す
る吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収強度をD12■
■〜1360 で表わした場合、 D1280〜■■■■/D14■0〜1■00=0.1
5〜3.0である、ことによって、有利に達成される。
本発明者等の研究によれば、本発明の上記の新規な粒状
ないし粉末状の含窒素共重合樹脂は、(1)、下記組成
、 塩酸(HCl)濃度が3〜28重量%、ホルムアルデヒ
ド(HCHO)濃度が3〜25重量%、 ホルムアルデヒド以外のアルデヒドの濃度が0〜10重
量に、且つ 塩酸とホルムアルデヒドの合計濃度が10〜40重量%
、 である塩酸・ホルムアルデヒド浴に、 (2)、フェノール類と少くとも2個の活性水素を有す
る含窒素化合物とを、下記式 で表わされる浴比が少くとも8となるように維持して、
接触させ、且つ (3)、この接触を、フェノール類が該浴と接触した後
白濁を生成し、然る後粒状ないし粉末状の固形物が形成
されるように行い、1つこの接触の間、反応系内の温度
を45℃以下に維持する、ことによって達成されること
が明らかとされた。
以下本発明の方法について先ず詳細に説明する。
〔本発明の方法〕
本発明の方法によれば、上記のとおり、(1)、下記組
成、 イ)、塩酸(HCl)濃度が3〜28重量%、ロ)、ホ
ルムアルデヒド(HCHO)濃度が3〜25重量%およ
びホルムアルデヒド以外のアルデヒドの濃度が0〜10
重量%、且つ ハ)、塩酸とホルムアルデヒドの合計濃度が10〜40
重量%、 である塩酸−ホルムアルデヒド浴に、 (2)、フェノール類と少くとも2個の活性水素を有す
る含窒素化合物とを、下記式(I)、で表わされる浴比
が少くとも8となるように維持し、反応系内の温度を4
5℃以下に維持して接触させる。
上記(l)の塩酸−ホルムアルデヒド浴の組成としては
、上記イ)、ロ)、ハ)の3条件の他に、さらに条件=
1として、 が少くとも2、殊に2.5以上、就中3以上となるよう
にすることが好適である。上記条件=1のモル比の上限
は特に限定されないが、20以下、特に15以下が好適
であり、これ以上に上記モル比を増加することは経済的
に得策でなく、他方該モル比が2.5以下、殊に2以下
となると、反応速度が低下し、均一且つ微細な粒状ない
し粉末状樹脂が得られにくくなる。上記モル比の殊に好
適な範囲は4〜15である。上記モル比を2以上、殊に
2.5以上とすることは、前記(2)の浴比が比較的低
い場合、例えば浴比が8〜10の場合に殊に有効である
本発明においては、上記(1)の浴組成の塩酸−ホルム
アルデヒド浴を浴比がフェノール類と含窒素化合物との
合計重量に対して8以上、好ましくは10以上となるよ
うに維持して、該浴にフェノール類と含窒素化合物とを
接触させる。本発明の重要な特徴は、かように塩酸(H
Cl)濃度が可成り高濃度でしかもフェノール類と含窒
素化合物とに対してホルムアルデヒドを過剰に含有する
塩酸−ホルムアルデヒド水溶液の浴を、浴比が8以上、
好ましくは10以上という大きな比率でフェノール類お
よび含窒素化合物と接触させることにある。
すなわち、更に説明すると、本発明方法は上記の如く塩
酸とホルムアルデヒドのそれぞれの濃度が3重量%以上
であり、浴比が8以上という条件下で行なわれるので、
フェノール類と含窒素化合物との合計重量に対する塩酸
及びホルムアルデヒドの重量比率はいずれも少くとも2
4重量%となる。また、本発明方法は上記の如く塩酸と
ホルムアルデヒドとの合計濃度が10重量%以上で行な
われるので、フェノール類と含窒素化合物との合計重量
に対する塩酸とホルムアルデヒドの合計重量は80重量
%以上となる。かような反応条件は既述のとおり従来公
知のノボラック樹脂およびレゾール樹脂製造の反応条件
とは根本的に異っている。
本発明で用いる塩酸−ホルムアルデヒド浴の塩酸(HC
l)濃度は8〜25重量%、殊に12〜22重量%が好
適であり、該浴のホルムアルデヒド(HCHO)濃度は
5〜20重量%、殊に7〜15重量%が好適であり、さ
らに該浴の塩酸とホルムアルデヒドの合計濃度は15〜
35重量%、殊に20〜32重量%が好適である。
塩酸−ホルムアルデヒド浴にフェノール類と含窒素化合
物とを接触させる際の前記式(I)で表  1わされる
浴比は、10以上、殊に15〜40とすることが好まし
い。
本発明の方法においては、以上述べた塩酸−ホルムアル
デヒド浴にフェノール類と含窒素化合物とを接触させ、
且つこの接触を、フェノール類が該浴と接触した後白濁
が生成し、しかる後粒状ないし粉末状の固形物が形成さ
れるように行う。該塩酸−ホルムアルデヒド浴とフェノ
ール類および含窒素化合物との接触は、該塩酸−ホルム
アルデヒド浴中にフェノール類と含窒素化合物とを一緒
に添加するか又は含窒素化合物を添加したのちフェノ−
ルを添加して最初に透明溶液を形成し、次いで白濁を生
成させ、しかる後粒状ないし粉末状の固形物が形成され
るように行うことが好適である。
この際、該浴にフェノール類を添加して白濁を生成する
前の段階においては、該浴を撹拌して添加したフェノー
ル類と含窒素化合物とが該浴となるべく均一な透明溶液
を形成するようにし、また白濁が生成した時点以降固形
物が形成されるまでの期間はフェノール類と含窒素化合
物との割合や反応条件によっては該浴(反応液)に例え
ば撹拌の如き機械的剪断力を与えないようにすることが
好ましい。
添加するフェノール類は、フェノール類そのもDでもよ
いが、フェノールをホルマリン、塩酸水溶液或は水等で
希釈したものでもよい。
特に、ホルムアルデヒド濃度が44重量%以下、好まし
くは3〜44重量%、さらに好ましくは20〜40重量
%のホルマリン溶液でフェノール類または、フェノール
類と含窒素化合物とを希釈して用いるのが好ましい。希
釈された溶液中における濃度(希釈濃度)はフェノール
類や含窒素化合物の種類と組成によって大きく異なるが
通常は10〜95重量%である。フェノール類のみを希
釈する場合には希釈濃度を70〜90重量%とするのが
特に好ましく、またフェノール類と含窒素化合物とを希
釈する場合にはこれらの合計の希釈濃度を25〜70重
量%とするのが特に好ましい。
しかしこの場合、この希釈溶液を塩酸−ホルムアルデヒ
ド浴に添加した後の該浴組成が前記イ)、ロ)、ハ)、
好ましくは前記イ)、ロ)、ハ)及び二)の条件を満足
するように制御する必要がある。
また、フェノール類又は、フェノール類と含窒素化合物
(又はそれらの希釈溶液)を添加する際の、塩酸−ホル
ムアルデヒド浴の温度又は予め含窒素化合物を溶解せし
めた塩酸−ホルムアルデヒド浴の温度は、40℃以下、
好ましくは5〜35℃、特に好ましくは10〜30℃の
温度が好適である。
以下本発明の実施態様について説明する。
〔態様1〕 この態様1は、該塩酸−ホルムアルデヒド浴の温度を4
0℃以下に保ち、この浴に融点以上の温度にあるフェノ
ール類に含窒素化合物を溶解した溶液又はこれらの反応
原料の希釈溶液を添加して透明溶液を形成し、次いでこ
の透明溶液に白濁を生成させ、次いで粒状ないし粉末状
の含窒素フェノール・アルデヒド系共重合樹脂を形成す
る方法である。
この態様1の場合、該塩酸−ホルムアルデヒド浴にフェ
ノール類と含窒素化合物とをそのまま又はその希釈溶液
として添加して先ず均一溶液を形成することが特に有利
であり、かかる均一溶液から白濁を生成させ、次いで微
小固形物が生成するように制御することによって、平均
粒径が極めて小さな粒状ないし粉末状の固形物を形成す
ることができる。
また、塩酸−ホルムアルデヒド浴にフェノール類および
含窒素化合物をそのまま又はその希釈溶液として添加し
て均一溶液を形成するには撹拌することが好ましいが、
この撹拌は白濁が生成する前に、或は白濁が生成し始め
たらなるべく速やかに停止するのが好ましい。何んとな
れば、白濁が生成した後もなお撹拌を続けると、白濁し
た粒子が集合して餅状となることが多く、微細粒子の収
得率がそれだけ減少するからである。
芒らに、該フェノール類と含窒素化合物とをそのまま又
はその希釈溶液として添加する際の塩酸−ホルムアルデ
ヒド浴の温度が10℃以下、殊に5℃以下の低温であっ
て、しかもかかる多量の浴中に添加すべきフェノール類
と含窒素化合物、又はその希釈溶液を一挙に添加した場
合、撹拌を継続することによって均一溶液を形成するこ
とは可能であるが、該浴温が低ければ低め程フェノール
類と含窒素化合物とアルデヒドとの反応速度が小となる
から、白濁が生成する迄に長時間を要し、さらに生じた
白濁が生長して安定した粒状ないし粉末状の固形物とな
るに要する時間もそれに伴って長時間となる。従って、
白濁が一旦生成した後撹拌を停止すると、白濁が安定な
粒子に生長する前に該浴の底部に沈降し、このように沈
降し集積した状態でフェノール類、含窒素化合物および
アルデヒドの縮合反応が進行するために餅状又は板状の
塊状固形物が生成し、従ってそれだけ所望の粒状ないし
粉末状製品の収得量が低下する。
以上の理由により、塩酸−ホルムアルデヒド浴の温度を
5〜35℃、殊に10〜30℃に保持し、かかる温度の
浴にフェノール類と含窒素化合物、又はその希釈溶液を
添加し、しかも所望の粒状ないし粉末状製品が生成する
まで反応系内の温度を45℃以下に維持することが好ま
しい。反応系の外温を35℃以下、特に5〜25℃とす
ることによって、反応系内の温度を45℃以下に維持す
ることが容易となる。かくすることにより、パッチ式で
、所望量のフェノール類と含窒素化合物とを該浴に一挙
に添加し、均一溶液を形成し、次いで白濁を生成させ、
次いでこれを微細な粒状ないし粉末状固形物に円滑に生
長せしめることが可能となる。なお、本発明の上記塩酸
−ホルムアルデヒド浴とフェノール類および含窒素化合
物との反応は比較的温和な発熱反応であるから、上記の
如く反応を導くことにより、特別外部熱源による加熱を
行わなくとも、所望の反応を白濁の沈降、堆積を伴うこ
となく行うことができる。
上記態様lの方法において最初に白濁が生成すると、経
時的に該白濁は乳白色に変わり、通常該浴の反応液全体
が可成り濃厚な乳白色となり、さらにその後フェノール
類と含窒素化合物との組成によって、白色ないしピンク
色となる。
上記態様1の方法に従って、5〜35℃、殊に10〜3
5℃の温度に保持した塩酸−ホルムアルデヒド浴にフェ
ノール類と含窒素化合物、又はその希釈溶液を添加して
、先ず均一溶液を形成し、次いで白濁を生成させたもの
は、特別外部熱源による加熱を行うことなく粒状ないし
粉末状の微細固形物に導いてもよいし、或は外部熱源に
よる加熱を行って所望の上記微細固形物に導いてもよい
該浴に白濁が生成した後、これを昇温又は昇温すること
なく該白濁を浴中に保持すると、乳白色に変り、次いで
粒状ないし粉末状固形物に移行することは前述したとお
りであり、この段階の或る時点で発熱反応が実質的に停
止する。かかる発熱反応が停止した時点では該粒状ない
し粉末状固形物は安定な状態となるから、この状態に達
したならば該浴を再び撹拌してもよいし、或は該浴を濾
過して粒状ないし粉末状の固形物を分離し、次いでこの
分離した固形物を別個の塩酸−ホルムアルデヒド浴、好
ましくは前記イ)、ロ)及びハ)の条件を満足する別個
の塩酸−ホルムアルデヒド浴(第二浴という)に投入し
、所望の反応を完結させてもよい。この第二浴の組成は
、フェノール類と含窒素化合物、又はその希釈液を最初
に投入する第一の塩酸−ホルムアルデヒド浴(第一浴と
いう)よりも、アルデヒド濃度及び/又は塩酸濃度が低
くてもよく、さらに第二浴に投入される粒状ないし粉末
状の固形分は最早遊離フェノールを極めて少量しか含有
していないか又は実質的に含有していないから、投入さ
れる固形物に対する第二浴の浴比は第一浴の場合のよう
に8以上である必要はなく、それ以下の適当な比であっ
てよい。
この第1の態様に従って例えば選択された濃度の塩酸−
ホルムアルデヒド浴を15〜35℃に保ち、特定の量的
割合にあるフェノール類と含窒素化合物との希釈溶液を
添加する場合は、白濁した初期の縮合物が沈降して反応
容器等に付着する前に極めて短時間で粒状ないし粉末状
にまで生長し、熱的にも安定である微細な粒状ないし粉
末状の固形物となる。従ってこの場合には、白濁時に撹
拌等の剪断力を加えて何んらさしつかえない。
前記態様1の方法において、白濁が生成した後45℃以
下の温度で所望の反応を完了した粒状ないし粉末状固形
物は、硬化反応がそれ程充分に進行していないから、一
般に後述する1OO℃熱融着試験において熱融着性を示
すものとなる。
〔態様2〕 この態様2は、予め含窒素化合物を溶解せしめた該塩酸
−ホルムアルデヒド浴の温度を40℃以下、好ましくは
5〜35℃、特に好ましくは10〜30℃に保ち、この
浴に融点以上の温度にあるフェノール類又は融点以上の
温度にあるフェノール類に含窒素化合物を溶解した溶液
、あるいはフェノール類又はこれらの反応原料の前記希
釈溶液、好ましくはフェノール類の前記希釈溶液を添加
し、しかも所望の粒状ないし粉末状製品が生成するまで
反応系内の温度を45℃以下に維持することにより有利
に行なわれる。上記操作以外は態様1とほぼ同様であり
、予め加えた含窒素化合物が系中のアルデヒドを重縮合
する傾向があるので含窒素化合物を溶解せしめたのちフ
ェノール類をあまり時間をおかずに添加するのが望まし
い。
本発明で用いるフェノール類としては、例えば、フェノ
ール、メタクレゾール、o−クレゾール、p−クレゾー
ル、ビス−フェノールA、o−、m−又はp−C2〜C
4アルキルフェノール、p−フェニルフェノール、キシ
レノール、レゾルシン又はハイドロキノンが挙げられる
。また、これらのフェノール類を主成分と含有する例え
ばカシューナット殻液等も本発明におけるフェノール類
として同様に用いることができる。
本発明においては、これらのうち、好ましくはフェノー
ル、メタクレゾール又はフェノールとフェノール以外の
上記フェノール類との混合物が用いられる。
フェノールとフェノール以外の上記フェノール類との混
合物は、好ましくはフェノールを50重量%以上、特に
65重量%以上含有する。
特に、含窒素化合物あるいはアルデヒド類との反応性が
良好でありそれ故本発明の樹脂の生産性が高い理由によ
り、フェノール、メタクレゾール又はフェノールとレゾ
ルシンとの混合物が好適に用いられる。
本発明において用いられる含窒素化合物としては、少く
とも2個の活性水素を分子内に有する化合物、好ましく
は分子内に、活性水素を有するアミノ基、了ミド基、チ
オアミド基、ウレイン基、及びチオウレイン基より成る
群から選ばれる基を少くとも1個有する化合物が用いら
れる。
かかる含窒素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素
、尿素もしくはチオ尿素のメチロール誘導体、アニリン
、メラミン、グアニジン、グアナミン、ジシアンジアミ
ド、脂肪酸アミド、ポリアミド、トルイジン、シアヌー
ル酸又はこれらの機能的誘導体が挙げられる。これらは
1種又は2種以上で用いることができる。
これらのうち、尿素、チオ尿素及びこれらのメチロール
誘導体、例えば、N,N−ジメチロール尿素、N、N´
−ジメチロール尿素、N,N−ジメチロールチオ尿素、
アニリン、メラミン、グアニジン、グアナミン又はジシ
アンジアミドが好ましく用いられる。これらの含窒素化
合物は、フェノール類あるいはアルデヒド類との反応性
が良好でありまた微細な且つ比較的形状の揃った粒状な
いし粉末状樹脂を与える。
特に尿素は、原料として取扱い易く、且つ品質の優れた
白色の微細な粒状ないし粉末状の樹脂を与えるので本発
明において特に好適に使用される。
本発明における塩酸−ホルムアルデヒド浴のホルムアル
デヒド供給源としては、例えば、ホルマリン、トリチオ
キサン、テトラオキサン又はパラホルムアルデヒドが好
適に用いられる。
本発明における塩酸−ホルムアルデヒド浴は、上記の如
きホルムアルデヒド供給源の他に、更にホルムアルデヒ
ド以外のアルデヒドを10重量%までの量で含有するこ
とができる。
かかるホルムアルデヒド以外のアルデヒドとしては、例
えば、炭素数2〜4の一官能性脂肪族アルデヒド、グリ
オキザール、フルフラール又はベンズアルデヒドが好適
に用いられる。上記一官能性の脂肪族アルデヒドとして
は、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
n−ブチルアルデヒド、iso−ブチルアルデヒド等が
あげられる。かかるアルデヒドは、1種又は2種以上で
使用することができる。
ホルムアルデヒド以外のかかるアルデヒドは、含窒素化
合物を用いる本発明の反応が一般に含窒素化合物を用い
ない場合の反応に比して著しく速かに進行するため、反
応速度を緩慢にし反応を制御し易くするために使用され
ることが多い。
ホルム了ルデヒド以外のかかるアルデヒトは、本発明の
樹脂を形成するマトリックス中に含有せしめることもで
きる。このような樹脂はしばしば例えばゴムに対する親
和性に優れていたり、耐油性、電気特性により優れてい
ることが多い。
本発明方法において最も好ましい態様は、アルデヒドが
実質的にホルムアルデヒドであり、フェノール類が実質
的にフェノールであり、そして含窒素化合物が実質的に
尿素である場合である。
本発明方法において、フェノール類と含窒素化合物とは
、含窒素化合物がフェノール類と含窒素化合物との合計
重量に対し好ましくは5〜75重量%、より好ましくは
15〜65重量%、特に好ましくは25〜55重量%と
なるように使用される。
含窒素化合物を上記の如く5〜75重量%で使用する場
合には、耐熱性、断熱性、耐水性、耐アルカリ性、耐ア
ーク性、機械的特性等の諸性質にすぐれた粒状ないし粉
末状樹脂が得られる。該含窒素化合物が5重量%未満で
は粒状ないし粉末状の窒素を実質的に含まないフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂に比して上記したような諸特
性の向上効果が小さい含窒素共重合樹脂を与える傾向が
あり、又80重量%を越えて多い場合には、粒状ないし
粉末状の共重合樹脂の生成にあづからない過剰の含窒素
化合物が該塩酸−ホルムアルデヒド浴中に残存したり、
塊状物の生成が増加するようになるので望ましいとは云
えない。
以上の如くして該浴中に生成し、所望の反応が完了した
粒状ないし粉末状の含窒素フェノール・アルデヒド系共
重合樹脂の固形物は、該塩酸−ホルムアルデヒド浴から
分離し、これを水洗し、好ましくは付着する塩酸をアル
カリ水溶液で中和し更に水洗することによって所望の製
品とすることができる。
かくして、本発明方法によれば、使用したフェノール類
と含窒素化合物との合計重量を遥かに超える重量で本発
明の含窒素樹脂を製造し得る利点がある。
上記のアルカリ水溶液としては、例えばアルカリ金属水
溶液、殊にアンモニアの水溶液が好ましい。アンモニア
の濃度は0.1〜5重量%、特に0.3〜3重量%が適
当である。前記アルカリ水溶液による中和は50℃以下
、好ましくは10〜40℃の温度で行うのが有利である
上記の水洗処理又はその後更に中和、水洗処理した粒状
ないし粉末状固形物は脱水し、そのまま最終用途に用い
てもよいし、或はこれを常法に従って熱融着温度よりも
低い温度例えば40〜50℃で乾燥した後最終用途に供
することができる。
また、乾燥の前又は後で、任意の粉砕機で軽度に粉砕処
理して製品とすることもできる。
〔本発明の粒状ないし粉末状樹脂〕
本発明によれば、かくして、フェノール類、含窒素化合
物類およびアルデヒドとの組合物から成る粒状ないし粉
末状樹脂であって、 (A)該粒状ないし粉末状樹脂は粒径0.1〜100ミ
クロンの球状一次粒子およびその二次凝集物を含有し、 (B)少くとも全体の50重量%は150タイラーメッ
シュ篩を通過し得る大きさであり、(C)該樹脂は液体
クロマトグラフィーによる測定値として遊離フェノール
含有量が500ppm以下であり、 (D)該樹脂のKBr錠剤法による赤外線吸収スペクト
ルにおいて、 1450〜1500cm−1(芳香族二重結合に帰属す
る吸収ピーク)の範囲 の酸も大きな吸収強度をD14■0〜 1500、そして960〜1020cm−1(メチロー
ル基圧帰棒する吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収強
度をD980〜1020、 で表わした場合、 D980〜D1020/D1450〜18OO=0.1
〜2.0 であり、 好ましくは更に、 1280〜1360m−1(炭素−窒 素結合に帰属する吸収ピーク)の範囲 の最も大きな吸収強度をD1280〜1360で表わし
た場合、 D1280〜1360/D1480〜1500=0.1
5〜3.0であり、且つ (E)該樹脂的10gを、実質的に無水のメタノール5
00ml中で、加熱還流した場合に、下記式 で表わされるメタノール溶解度が20重量%を超える、 ことを特徴とする粒状ないし粉末状の含窒素フェノール
・アルデヒド系共重合樹脂が得られる。
本発明の上記粒状ないし粉末状含窒素フェノール・アル
デヒド樹脂(以下本発明製品という)の前記(A)〜(
D)の特定において、 (A)の球状一次粒子およびその二次凝集物の粒径が0
.1〜100ミクロンであるという特定、(B)の少な
くとも全体の50重量%が150タイラーメッシュを通
過しうる大きさであるという特定、 (C)の遊離フェノール含有量が500ppm以下であ
るという特定、 (D)のD960〜1020/D1450〜1800=
0.1〜2.0好ましくは更に D1280〜1360/1450〜1500=0.15
〜30という特定、 (E)、該樹脂約10gを、実質的に無水のメタノール
500ml中で、加熱還流した場合に、下記で表わされ
るメタノール溶解度が20重量%を超えるという特定、 はいずれも後述する測定法に基づくものである。
本発明製品の第1の特徴は、従来公知のノボラック型樹
脂の硬化製品又はレゾール型樹脂の硬化製品を粉砕する
ことは極めて困難であるがそれを強いて粉砕したもの、
或は従来公知の硬化ノボラック樹脂線維を粉砕したもの
等とは全く異って、前記(A)に特定するとおりそれら
の殆んどが球状一次粒子およびその二次凝集物で、粒径
が0.1〜100ミクロンのもの、好ましくは0.1〜
50ミクロンのものからなることであって、この事実は
添付図面第1A、B図乃至第5A、B図として示す走査
型電子顕微鏡写真に明瞭に示されている。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂製品は、上記第1〜5図
に示すとおり、通常その少くとも30%、好ましくは少
くとも50%が粒径0.1〜100ミクロン、さらに好
ましくは0.1〜50ミクロンの球状一次粒子およびそ
の二次凝集物から成る。この30%又は50%という表
示は、後記の粒径測定法において定義するとおり、倍率
が100〜1000倍の光学顕微鏡又は500〜500
0倍の走査型電子顕微鏡の1つの視野における全体の粒
子(二次凝集物を含む)の数の30%又は50%という
意味である。本発明製品の特に好ましいものは、該粒状
ないし粉末状樹脂の70乃至実質的に100%が粒径0
.1〜100ミクロンの球状一次粒子およびその二次凝
集物から成るものである。
特に好ましいものは、上記定義による顕微鏡写真の視野
の粒子の数(5つの視野の平均値として)の少くとも3
0%、特に少くとも50%が0.1〜50ミクロン、よ
り好ましくは0.1〜20ミクロンの範囲の球状一次粒
子およびその二次凝集物から成る。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂製品の各粒子が以上のよ
うに極めて粒径の小さな球状一次粒子およびその二次凝
集物から成る理由は、本発明製品の前記製法で述べたと
おり、本発明方法によれば塩酸−ホルムアルデヒド浴中
にフェノール類と含窒素化合物(又はその希釈溶液)を
添加して少くとも部分的に均一溶液を形成し、次いで白
濁を生成させ、この極めて微小な白濁粒子を安定で且つ
硬化反応が或る程度進んだ粒状ないし粉末状微小粒子に
生長させるためであると考えられる。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂製品は、以上のとおり、
上記の球状一次粒子およびその二次凝集物の微小粒子が
中心となって形成されたものであるから、前記(B)で
特定したとおり極めて微小であって、全体の少くとも5
0重量%、好ましくは70重量%、特に好ましくは全体
の少くとも80重量%は150タイラーメッシュの篩を
通過する。このような篩を通過するという表示は、本発
明の粒状ないし粉末状製品を核部で篩う操作において、
本発明の粒状ないし粉末状樹脂は、それらの平均粒径が
小さいもの程、むしろ互いに凝集し合っているので、該
粒状ないし粉末状製品を軽く手でもみほぐすとか、はけ
様のもので篩目上の粒子を軽く押したり、ならしたりす
るとか、或は手で軽く叩く等の該粒子(二次凝集物を含
む)を強制的に破壊するようなものでない力が加わるこ
とを同等排除するものではない。
本発明の粒状ないし粉末状製品はさらに、前記(C)で
特定されているとおり、液体クロマトグラフィーによる
測定値として遊離フェノール含有量が500ppm以下
であり、好適な製品は該遊離フェノール含有量が250
ppm以下、就中100ppm以下である。本発明製品
がかように遊離フェノール含有量が極めて少量である理
由もまた前記本発明製品の製法で述べたとおり、塩酸−
ホルムアルデヒド浴中にフェノール類と含窒素化合物を
そのまま又はその希釈溶液として添加し、少くとも部分
的に均一溶液を形成した後、極めて微小な白濁を生成さ
せ、これを安定な微小粒子に生長させるために、添加し
たフェノール類、特に本発明製品の形成に関与するフェ
ノール類の実質的に全部又は殆んど全部が大過剰に存在
するアルデヒドと反応するためと考えられる。前記特公
昭53−42077号に開示された方法により得られる
粒状ないし粉末状製品は0,3〜約6重量%という極め
て多量の遊離フェノール類を含有するのに対して、本発
明の粒状ないし粉末状製品の遊離フェノール類含有量は
極めて少量であり、この事実はこの種粒状ないし粉末状
製品にとって重要な利点であると共に、極めて驚くべき
ことである。
さらに、本発明の粒状ないし粉末状製品は前記(D)で
特定されているとおり、赤外線吸収スペクトルにおいて
、 D960〜1030/D14■■〜1800=0.1〜
2.0好ましくは、更に D1280〜1360/D1410〜1300=0.1
5〜3.0という特性を有する。
また、本発明製品の好ましいものは、 D960〜1020/D1450〜1800=0.15
〜0.6好ましくは、更に D1280〜1360/D1480〜1500=0.2
〜1.5という特性を有し、特に好ましいものは、D9
80〜1029/D1480〜1500=0.2〜0.
4好ましくは、更に D1260〜1360/D1450〜1500=0.3
〜1.0という特性を有する。
また、本発明製品は、更に、 KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルにおいて、1
580〜1650cm−1の範囲の最も大きな吸収強度
をD1580〜1650で表わした場合、D1580〜
1650/D1400〜1500=0.3〜3.0(好
ましくは0.75〜2.0、特に好ましくは1.0〜1
.5) である、赤外線吸収スペクトルにおける特徴を有してい
る。
一般に、三次元架橋構造を有する物質の各種官能基の帰
属を赤外線吸収スペクトルで確定することは難しい。す
なわち赤外線吸収スペクトル図におけるピークが大きく
シフトすることが多いからである。
しかしながら、フェノール・アルデヒド樹脂や種々の含
窒素化合物の赤外線吸収スペクトルから、本発明におけ
る赤外線吸収スペクトルにおける上記吸収は、 960〜1020cm−1の吸収はメチロール基に帰属
するピークであり、1280〜1360cm−1の吸収
は炭素窒素結合に帰属するピークであり、そして145
0〜1500cm−1の吸収は芳香族二重結合に帰属す
るピークであると決められた。
また、1580〜1650cm−1の吸収の帰属は明確
にし難いが、この吸収の強度を用いた上記比率D158
0〜1650cm−1/D1450〜1500の値は、
窒素を含有しないフェノール・ホルムアルデヒド系樹脂
におけるその比率を明確に区別し得る値を示すため、本
発明の樹脂を特定するために同様に特徴的な吸収として
認識できる。
本発明製品を特定するための1つのパラメーターである
、赤外線吸収スペクトルにおける上記の如き吸収強度の
比、例えばD960〜1020/D1450〜1500
=0.1〜2,0という範囲は本発明製品がかなりの程
度の量でメチロール基を含有しており、しかもそのメチ
ロール基の含量もある程度の範囲で調整し得るものであ
る、というような構造と結びついた特性値を表わしてい
ると理解できる。
さらに、本発明の粒状ないし粉末状樹脂製品は、前記(
E)で特定されているとおり、メタノール溶解度が20
重量%を超え、その好適なものはメタノール溶解度が3
0重量%以上、就中40重量%以上という特性を有して
いる。この特性は、本発明製品はメタノールに可溶性の
比較的低分子量の縮合物を多量に含有している事実を示
す。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂製品は以上述べた(A)
乃至(E)の特性を有することを特徴とする。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂は、粒径0.1〜100
ミクロン、好ましくは0.1〜50ミクロンの球状一次
粒子およびその二次凝集物を含有し(前記(A)の条件
)好ましいものはこれらを少くとも30に含有し且つ少
くともその50重量%、好ましくは少くとも70重量%
が150タイラーメッシュ篩を通過し得る大きさを有す
る(前記(B)の条件)ため、非常に微細で流動性が極
めて良好であって、例えば他の樹脂と比較的多量に混合
することができ、また他の樹脂にフィラーとして混合し
て例えば射出成形材料として用いた場合にもそのノズル
を詰まらせることなく円滑に押出すことが可能である。
また、本発明製品は、少くともその多くのものが極めて
微小な球状の一次粒子を基本構成要素とするため、これ
をフィラーとして含有せしめた硬化成形物は機械的に優
れた特性、特に圧縮に対し強い抵抗性を示す。本発明の
粒状ないし粉末状樹脂製品は常温では極めて安定で、し
かもそれ自体相当量のメチロール基を含有するから加熱
した状態では反応性を有し、それ自体で或は例えばレゾ
ール樹脂又はその他の樹脂或はゴム等の成形材料と混合
して、成形し、加熱硬化した場合に反応性を発揮し、後
記参考例に示すとおり、物理的、機械的特性のみならず
、断熱性、耐熱性その他電気的特性、特に耐熱性が極め
て優れた成形物を形成することができる。
例えば従来公知のレゾール樹脂の硬化物、硬化ノボラッ
ク繊維、ノボラック樹脂に例えば10重量%のヘキサミ
ンを混合して熱硬化させた熱不融性硬化物は、耐熱性特
に酸化性雰囲気例えば空気中で酸化されて酸化分解され
易く、例えばその粉末状物を200℃の空気中に置いた
場合に、粉末状物の内部がやがて自然着火するに至るほ
どまでに発熱し分解するが、−力木発明製品は恐らく窒
素を含有するためと思われるが極めて酸化され難く、従
って例えば上記と同じ温度雰囲気に長時間置いても粉末
状製品の内部温度が雰囲気温度を超えるようなことは少
なく、非常に耐熱性が艮い。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂はさらに遊離フェノール
含有量が500ppm以下、好ましくは250ppm以
下、就中1100pp以下と極めて少ない(前記(C)
の条件)。フェノール含有量がこのように極めて少ない
ため、本発明の粒状ないし粉末樹脂はその取扱いが極め
て容易であり且つ安全である。また、そのため例えばア
スベスト紙や合成縁維紙或はその他のノン・ウーブン・
ファプリークの製造のためのバインダー等として抄紙又
は製造時に使用しても、その製品は勿論のこと、廃液又
は処理中に生じる遊離フェノール量は極めて小さく公害
等の問題を起すこともない。
また、遊離フェノールを殆んど含有しないため、他の樹
脂と混合、成形した際にフェノールに起因する副反応等
を起すことがないだけでなく、遊離フェノールに起因す
る成形物の物性低下を起すこともない。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂は、前記の本発明の製造
方法に従って硬化反応がそれ程充分に進行していないも
のとして得ることができる。その結果、本発明の粒状な
いし粉末状樹脂には、熱的には、後に記載した加熱融着
測定法に従って100℃の温度で5分間加圧した場合に
実質的に溶融又は融着して塊状ないし板状体となる。
本発明の粒状ないし粉末状樹脂は、多くのものが、少く
とも1重量%好ましくは2〜30重量%の窒素を含有す
ることも明らかとされている。
また、該粒状ないし粉末状樹脂は後に記載する試験方法
に従ってメタノールに対する溶解性を測定すると、メタ
ノール溶解性が20重量%を超え、好ましくは30重量
%以上を示す。
また、本発明の粒状ないし粉末状樹脂は、前述した本発
明の製造方法から明らかなとおり、耐熱性にすぐれてお
り親水性高分子化合物等は実質的に含有しない。
このために、本発明の粒状ないし粉末状製品をそれ自体
で又は他の樹脂又はゴム等と混合して、例えば成形し、
加熱、硬化した場合に、成形物の物性を低下したり、劣
化させることは少ない。
本発明の粒状ないし粉末状の含窒素フェノールアルデヒ
ド系樹脂製品は以上述べたとおり、極めて微細で、保存
安定性及び流れ特性特に流れ特性が良好であり、遊離フ
ェノール含量が極めて少なく、しかも或る程度のメチロ
ール基と窒素とを含有するのでそれ自体で又は他の樹脂
又はゴム類と混合して、成形、加熱した場合に反応性を
有するのみならず、耐熱性の優れた製品を与えるという
優れた特徴を有している 以下本発明の実施例について説明する。
1、0.l〜100μ粒子の測定法 1つの試料から約0.1gのサンプルをサンプリングす
る。このようなサンプリングを1つの試料について異な
る場所から5回行なう。
サンプリングした各約0.1gのサンプルの各1部を、
それぞれ顕微鏡観祭用スライドグラス上に載せる。スラ
イドグラス上に載せたサンプルは観察を容易とするため
、できるだけ粒子同志が重なり合わないように拡げる。
顕微鏡観察は、光学顕微鏡下視野に粒状ないし粉末状物
および/またはその二次凝集吻が10〜50個程度存在
する箇処について行うようにする。
通常倍率102〜103倍で観察するのが望ましい。
光学顕微鏡下視野に存在する全ての粒子の大きさを光学
顕微鏡下視野中のメジャーにより読みとり記載する。
0.1〜100μの粒子の含有率(%)は次式にて求め
られる。
N0:顕微鏡下視野で寸法を絖みとった粒子の全個数 N1:N0のうち0.1〜100μの寸法を有する粒子
の個数 1つの試料についての5つのサングルの結果の平均値と
して0.1〜100μの粒子の含有率を表わす。
2、150タイラーメッシュ篩通過量 乾燥試料を、必要により十分に手で軽くもみほぐしたの
ち、その約10gを精秤し、5分間で少量ずつ150タ
イラーメッシュの篩振とう機(篩の寸法1200mmφ
、振とう条件1200RPM)に投入し、試料投入後更
に10分間振とうさせる。
150タイラーメッシュ通過量は次式にて求める。
ω0:投入量(g) ω1:150タイラーメッシュ篩を通過せずに篩上に残
存した量(g) 3、フリーフェノール含量の定量 150タイラーメッシュ通過の試料的10gを■秤し、
100%のメタノール190g中で30分間還流下に加
熱処理する。ガラスフィルター(No.m)で濾過した
ろ液を、高速液体クロマトグラフィー(米国、ウォータ
ーズ社製60004)にかけろ液中のフェノール含量を
定量し、別個に作成した検量線から該試料中のフリーフ
ェノール装置を求めた。
高速液体クロマトグラフイーの操作条件は次のとおりで
ある。
装   置:米国ウォーターズ社製6000Aカラム担
体:μ−BondpakC18力 ラ ム:径1/6イ
ンチ×長さ1フィートカラム温度:室 温 溶 離 液:メタノール/水(3/7.容積比)流  
 速:0.5ml/分 ディテクター:UV(254mm)、Range0.0
1(1mV) ろ液中のフェノール含量は、予め作成した検量線(フェ
ノール含量とフェノールに基づくピークの高さとの関係
)から求めた。
4、赤外線吸収スペクトルの測定および吸収強度の求め
方 株式会社日立製作所製の赤外線分光光度計(225型)
を用い、通常のKBr錠剤法により調製した測定用試料
について赤外線吸収スペクトルを測定した。
特定波長における吸収強度は次のようにして求めた。測
定した赤外線吸収スペクトル図における。
吸収強度を求めようとするピークにベースラインを引く
。そのピークの也点の透過率をtpで表わし、その波長
におけるベースラインの透過率tbで表わすと、その時
定波長における吸収強度Dは下記式で与えられる。
従って、例えば、960〜1020cm−1の吸収強度
と1450〜1500cm−1のピークの吸収強度との
比は、上記式で求めたそれぞれの吸収強度の比(D96
0〜1020/D145O〜1500)として与えられ
る。
5、耐熱試験 300メッシュの金網からなる5cm角の容器に試料を
夫々25g詰め込み200℃の通風乾燥器内に8時間静
置した。熱電対温度針にて、各試料の中心部温度を測定
し、最高到達温度で示した。
6、光の反射率の測定(反射スペクトル法)日立製作所
(株)製557形2波長分光光度計を用い、試料の波長
500mμにおける光の反射率(%)を、副白板の反射
率を100%として測定した。
7、100℃における熱融着性 100タイラーメッシュ通過の試料約5gを2枚の0.
2mm厚ステンレス板の間に挿入したものを準備し、こ
れを予め100℃に加温した熱ブレス機((株)神藤金
属工業所製、単動圧縮成型機)で5分間、初圧50kg
でブレスした。プレスを解放したのち、2枚のステンレ
ス板の間から熱ブレスされた試料を取り出した。取り出
した試料が溶融または融着により明らかに固着して平板
を形成しているものを試料が融着性を有していると判定
し、熱プレス前後でほとんど差異がみられないものを試
料が不融性を有すると判定した。
8、メタノール溶解度 試料約100%を精秤しくその精秤重量をW0、とする
)、100%のメタノール約500ml中で30分間還
流下に加熱処理する。ガラスフィルター(No.3)で
濾過し、更にフィルター残試料をフィルター上で約10
0mlのメタノールで洗浄し、次いでフィルター残試料
を70℃の温度で2時間乾燥した(その精秤重量をWl
lとする)。次式にてメタノール溶解度を求めた。メタ
ノール溶解度が小さいほど耐アルコール性は良好である
9、嵩密度 100mlの指標のところですり切になっている100
mlのメスシリンダーに、メスシリンダーのふち上方2
cmのところから、150タイラーメッシュ通過の試料
を注ぎ込む。次式によって嵩密度を求める。
嵩密度(g/ml)= W:100ml当りの重量(g) 実施例1 (1)2lのセパラプルフラスコに、塩酸とホルムアル
デヒドの各種組成(第1表に記載)からなる25℃の混
合水溶液を各々1.5kg入れ、各々の混合水溶液を撹
拌しながら98重量%のフェノール(残り2重量%は水
)、尿素および37重量%のホルマリン並びに水を用い
て調整した、20重量%のフェノール、2O重量%の尿
素および14.6重量%のホルムアルデヒドとを含む混
合水溶液(25℃)を各々125g添加した。添加して
15秒間撹拌した後、6O分間静置した。60分間の静
置している間、各々のセパラプルフラスコ内の内容物は
、あるものは透明な状態のままであり(第1表のRun
No.1および20)、又あるものは透明から白濁に移
り白濁のままであり(第1表のRunNo.3、9およ
び18)、又あるものは透明状態から白濁して白色の沈
降物を与えた(第1表のRunNo.2、4〜8.10
〜17および19)。
この白色沈降物には、顕微鏡を観察すると既に球状物、
球状物の凝集体および少量の粉状吻がみられた。
これらの実験において、60分間の静置の間に、各々の
反応系内の温度は発熱によって徐々に昇温し(ピーク時
の温度31.5℃〜37.5℃)、その後再び降下した
。更に、各々の反応系内90分間靜置した後、反応生成
物を取り出して水洗し、次いで22℃の0.5重量%の
アンモニア水溶液中でゆっくり撹拌しながら3時間処理
し、再度水洗、脱水した後、40℃の温度で5時間乾燥
した。かくして得た各種組成の塩酸とホルムアルデヒド
からなる混合水溶液から得られた反応生成物の性質を第
2表に記載した。
(2)一方、比較のため以下の実験を行った。
1lのセパラプルフラスコに、蒸留したフェノール28
2gと37重量%のホルマリン369gおよび16重量
%のアンモニア水150gを入れ、撹拌しながら室温か
ら70Cにまで60分間で昇温し、さらに70〜72℃
の温度で90分間撹拌・加熱した。次いで放冷し、20
0gのメタノールを少量ずつ加えながら40mmHgの
減圧下に共沸蒸留により脱水を行ない溶剤としてメタノ
ールを700g加えて黄褐色透明のレゾール樹脂溶液を
取り出した。液体クロマトグフイーにより定量したフリ
ーフェノール含量は3.4重量%であった。
かくして得たレゾール樹脂の一部を減圧下に脱溶媒する
と、激しく発泡してゲル化した。このゲル化物を更に窒
素ガス下、160℃の温度で60分間熱硬化し、得られ
た硬化発泡体を粉砕して、150タイラーメッシュの篩
を通過した粉末を少量得た。この場合、熱硬化レゾール
樹脂は極めて硬く、各種の粉砕機やボールミルあるいは
螢光X線用の振動ミルを用いても150メッシュパスの
粉末を得るのは非常に困難であった、かくして得た熱硬
化レゾール樹脂粉末を上述したのと同一条件で、0.5
重量%のアンモニア水溶液で処理し、水洗し、次いで乾
燥した。かくして優良試料の性質を第2表にRunNo
.21として記載した。
次に、1lのセパラプルフラスコに、フェノール390
g、37重量%のホルマリン370g、シュウ酸1.5
gおよび水390gを入れ、撹拌しながら60分間で9
0℃にまで昇温し、90〜92℃の温度で60分間撹拌
・加熱した。次に35重量%の塩酸1.0gを加え、更
に90〜92℃の温度で60分間撹拌、加熱した。次い
で、水を500g加えて冷却し、サイホンにより水を除
き、30mHgの減圧下に加熱して、100℃の温度で
3時間、更に昇温して180℃の温度で3時間減圧、加
熱した。得られたノボラック樹脂は冷却すると黄褐色の
固体として得られた。このものは軟化温度が78〜80
℃であり、液体クロマトグラフィーにより定量したフリ
ーフェノール含量が0.76重量%のものであった。又
、メタノール溶解度は100重量%であった。
上記のノボラック樹脂を粉砕して、ヘキサメチレンテト
ラミン15重量%を混合し、混合物を窒素ガス中、16
0℃の温度で120分間熱硬化、次いで、ポールミルで
粉砕して150タイラーメッシュの篩を通過せしめた。
かくして得た粉末は。
上述したのと同一の条件で、0.5重量%のアンモニア
水溶液で処理し、水洗し、次いで乾燥した。
かくして得た試料の性質をRunNo.22として第2
表に記載した。
更に、上記ノボラック樹脂を孔径0.36mmφ、孔数
120の紡糸口金を用いて、136〜138℃の温度で
溶融紡糸を行なった。得られた平均繊度21デニールの
紡出糸を塩酸濃度18重量%とホルムアルデヒド濃度1
8重量%からなる混合水溶液に20〜21Cの温度で6
0分間浸漬し、次いで97℃の温度にまで5時間を要し
て昇温し、97〜98Cの温度で10時間保持した。か
くして得た硬化)lラック繊維を上述したのと同一の条
件で水洗後0.5重量%のアンモニア水溶液で処理し、
水洗し、次いで乾燥した、このものをポールミルで粉砕
し友、150タイラーメッシュの篩に1&過したものの
性質をRunNo.23として第2表に記載した。
(3)第1表には使用した塩酸、ホルムアルデヒドおよ
び塩酸とホルムアルデヒドの合計濃度、フェノールと尿
素との合計重量に対する塩酸−ホルムアルデヒド溶液の
重量の割合およびホルムアルデヒド(モル)対フェノー
ル(モル)と尿素、(モル)との合計のモル比を示した
。また、第2表には得られた試料の顕微鏡観察による0
.1〜50μおよび0.1〜100μの粒子の含有率、
得られた試料を150タイラーメッシュの篩にかけた場
合の篩通過量(150メッシュパス)および得られた試
料の赤外吸収スペクトル法による960〜1020cm
−11280〜1360cm−1および1580〜16
50cm−1における吸収強度の1450〜1500c
m−1の吸収強度に対する吸収波長強度比(IR強度比
)を示した。
第1表におけるRunNo.1、2、6、17および2
0の実験では、セパラプルフラスコの底に粘着性の樹脂
や硬く大きな塊状物又は板状物が多く生成した。
また、RunNo.1、2および20の実験では、使用
した25gのフェノールと25gの尿素とから固形物が
49gより少い量で得られたにすぎなかった。
RunNo.1、2、3、6、17および2Oについて
第2表に記載した0.1〜50μおよび0.1〜100
μ粒子の含有率(%)および150メッシュパス(重量
%)の数値は、粘着性樹脂、塊状物及び板状物を含めた
全固形物に対する粒状ないし粉末状物についての値であ
る。しかしながら、これらの実験において生成した固形
物の内の粒状ないし粉末状物のみの中の0.1〜50μ
および0.1〜100μ粒子の含有率(%)および15
0メッシュパス(重量%)それぞれ第2表にカッコで閉
じて示した値であった。
又、I.R強度比およびメタノール浴解度およびフリー
フェノール含有量は生成した粒状ないし粉末状物につい
ての測定値である。
第2表に記載した結果をも含めた上記実験事実から、R
unNo.1、2、3、6、17および20は製造方法
としては推奨できない、しかしながら、それらの製造方
法であっても生成された粒状ないし粉末状物に限ってみ
ればこれらの粒状ないし粉末状物は本発明の粒状ないし
粉末状物に充分に包含される特性を有している。
(3)また、添付図面の1A図には上記RunNo.1
2で得られた粒状ないし粉末状物の走査型電子顕微鏡写
真(倍率1000倍)を示した。
添付画面の第1B図には、上記RunNo.12まで得
られた粒状ないし粉氷状物の走査型電子顕微鏡写真(倍
率3000倍)を示した。
また、添付図面の第4図には、RunNo.12で得ら
れた粒状ないし粉末状物の赤外線吸収スペクトル図を示
した。また、同第4図には赤外線吸収スペクトル図から
吸収強度Dを求める際に必要とされる、tpおよびtb
の求め方を図解した。あるピークにベースラインを引き
、その波長においてtpおよびtbが図解したようにし
て求められる。
実施例2 室温が21〜22℃の室内で20lの反応容器6個の夫
々に、18重量%の塩酸と11重量%のホルムアルデヒ
ドからなる混合水溶液を10kg入れた。それぞれのフ
ラスコに、23℃の温度で撹拌しながら、フェノール3
0重量%、尿素20重量%およびホルムアルデヒド11
重量%からなる混合水溶液を各々3.34kg、266
kg、1.60kg、1.06kg、O.74kgおよ
び0.45kg加えた。この場合の浴比は各々7.0、
8.5、13.5、20.0。
38.0および45.0であった。いずれの場合も該混
合水溶液を投入後更に撹拌し続けていると、10〜60
秒間で急激に白濁した。白濁と同時に撹拌を中止し、そ
のまま3時間靜置した。内温が徐々に上昇し、白濁して
から30分後にはいずれにも白色のスラリー状あるいは
樹脂状物の生成がみられた。次いで各々の内容物を撹拌
しながら水洗した。この場合、浴比7.0の系は撹拌棒
に樹脂状の硬化物が大量に溶着し、撹拌が非常に困難と
なった。
次いで内容物を0.3重量%のアンモニア水溶液中、3
0℃の温度でゆっくり撹拌しながら2時間処理し、水洗
後脱水した。得られた粒状ないし粉状物または塊状物を
手で軽くもみはごし40℃の温度で3時間乾燥した、乾
燥後の水分はいずれも0.5重量%以下であった。内容
物は反応の浴比が小さい方から順にRunNo.31、
32、33、34.35および36とする。
第3表には、反応開始から白濁して3時間後までの間の
反応系内の最高到達温度、反応生成物の収率、顕微鏡観
察による球状一欠粒子の有無、反応生成物に占める15
0タイラーメッシュ通過分の含有率、150メッシュパ
ス品の嵩密度、反応生成物の100℃での熱融着性、メ
タノール溶解度およびフリーフェノール含有量を示した
第3表において、RunNo.21、22および23(
第1表参照比較例)の遊離フェノール含有量はいずれも
加熱硬化する前のレゾール樹脂とノボラック樹脂につい
て測定した値で( )内に示した。
第3表においてRunNo.31の実験では、フラスコ
の底に生成した固形物全体の約80%に達する粘着樹脂
および塊状物が生成した。粒状ないし粉末状物は生成し
た固形物全体の約20%にすぎなかったが、そのうちの
約85%は1OOメッシュの篩を通過した。なお、Ru
nNo.31における球状一次粒子の有無が少いとある
のは、粒状ないし粉末状物の固形物に占める割合が約2
O%と小さいことによる。従って、RunNo.31の
方法は製造方法としては推奨できないが、生成した粒状
ないし粉末状物は本発明の粒状ないし粉末状物に包含さ
れる。なおRunNo.31〜36の粒状ないし粉末状
物は全て、そのほぼ全量が0.1〜100μの粒径のも
のであった。
実施例3 2lのセパラプルフラスコに入れた20重量%の塩酸と
8重量%のホルムアルデヒドからなる24℃の混合水溶
液1250gを撹拌しながら、37重量%のホルマリン
で20〜80重量%に希釈したフェノール類と含窒素化
合物との溶液を、フェノール類と含窒素化合物との合計
量が5Ogになるように調整して該浴に加えた。該溶液
の添加と同時に白濁し、瞬時に白色又はピンク色あるい
は茶色に変色したものもあり、該溶液を投入後10秒間
で撹拌を停止した。撹拌停止後90分間装置し、再び3
0分間撹拌した後、各々の反応生成物を水洗し、次いで
0.5重量%のアンモニア水溶液中、25℃の温度で5
時間処理し、水洗、脱水後40℃の温度で6時間乾燥し
た。
第4表には使用したフェノール類と含窒素化合物の種類
と割合、用いたフェノール類と含窒素化合物との前記ホ
ルマリンによる希釈溶液の濃度。
この希釈溶液添加60分後の反応生成物の色、反応生成
物の使用したフェノール類と含窒素化合物との合計量に
対する収率、反応生成物中に占める0.1〜50μ粒子
の含有率、反応生成物の150メッシュパス量960〜
102Ocm−1の赤外吸収スペクトル強度比およびメ
タノール溶解度を示した。
第2A図および第2B図にはRunNo.40の走査電
子顕微鏡写真(それぞれ1000倍および3000倍)
を示した。
また、第3A図および第3B図には、RunNo.50
の走査型電子顕微鏡写真(それぞれ1000倍および3
000倍)を示した。
実施例4 6個の1lのセパラプルフラスコ夫々に、18重量%の
塩酸と9重量%のホルムアルデヒドとを含む18℃の混
合水溶液1,000を入れた。
室温は15℃あった。これらの夫々を撹拌しながら、先
ず尿素15gを溶解し、次いでフェノール80重量%と
ホルムアルデヒド5重量%とを含む混合希釈液25gを
各々に一度に投入した。いずれの場合も、希釈液を投入
後10秒間で撹拌を停止して静止したが、夫々撹拌停止
後18〜19秒で急激に白濁し、乳白色の生成物が観察
された。
夫々の液温は18Cから徐々に上り、希釈液投入後5〜
7分間で31〜32℃のピークに達し、再び降下した、
希釈液を投入後、0.5時間(RunNo.61)、1
時間(RunNo.62)、3時間(RunNo.63
)、6時間(RunNo.64)、24時間(RunN
o.65)、72時間(RunNo.66)室温下に放
置後、内容物を水洗し、0.75重量%のアンモニア水
中、15〜17℃の温度で3時間処理後、水洗、次いで
脱水し、40℃の温度で6時間乾燥した。
第5表には、得られた乾燥試料の150タイラーメッシ
ュ篩通過率、960〜1020cm−1のI.R強度比
、メタノール溶解量、フリーフェノール含量を示した。
尚、RunNo.61〜RunNO.66の試料はいず
れも熱融着試験において、100℃、5分で融着した。
2lのセパラプルフラスコ7個に15重量%の塩酸、5
重量%の塩化亜鉛、5重量%のホルムアルデヒドおよび
5重量%のアセトアルデヒドからなる2O℃の混合水溶
液の各々1.5kgを入れた。
セパラプルフラスコを氷水又は水又は温水に浸漬して、
上記混合水溶液の内温を2°〜3℃(RunNo.71
 )、7°〜8℃(RunNo.72)、13〜14℃
(RunNo.73)、27〜28℃(RunNo.7
4)、および32〜33℃(RunNo.75)に調整
した。
次いで、各々の該混合水溶液を撹拌しながら、これらの
それぞれにフェノール、レゾルシンおよび尿素の各10
gを37重量%のホルマリン60gに溶解せしめた18
℃の希釈溶液を一度に投入し、撹拌を停止して5時間静
置した。撹拌停止30分後にセパラプルフラスコの冷却
水や温水等は除去した。上記方法で生成した各々の内容
物を水洗し1次いで0.1重量%の水酸化ナトリウム水
浴液中、20℃の温度で1時間処理し、更に1重量%の
アンモニア水中、25℃の温度で2時間処理し、再度水
洗した後に水洗・脱水した。かくして得た反応生成物を
手で軽くもみほどし、45℃の温度で5時間乾燥した。
第6表には1反応系内の最高到達温度、得られた生成物
のメタノール溶解度、フリーフェノールの含有量および
150メッシュパス量を示した。
実施例6 撹拌棒の付いた1000lの反応容器に、18.5重量
%の塩酸と8.5重量%のホルムアルデヒドからなる2
2.5℃の混合水溶液を800kg入れ、該混合水溶液
を撹拌しながら20℃の20重量%フェノールと10重
量%のハイドロキノンおよび20重量%の尿素からなる
混合水溶液を40kg投入した。
該混合水溶液を全量投入して20秒間撹拌した後、撹拌
を停止して2時間静置した。反応容器内では該混合水溶
液を全量投入後35秒後に急激な白濁がみられ、次第に
白色の粒状物が生成すると共に内温が徐々に35.5℃
に迄上昇し、再び降下した。次いで、反応生成物の生成
した混合水溶液の系を再度撹拌しながら反応容器の底部
に取り付けたパルプを開いて内容物を取り出し、ノーメ
ックスの不繊布を用いて1反応生成物と該塩酸とホルム
アルデヒドからなる混合水溶液とを分離した。
かくして優良反応生成物を水洗、脱水した後18℃の0
.5重量%アンモニア水溶液に一昼夜浸漬した後再び水
洗、脱水して含水率が15重量%の反応生成物29.9
kg得た。
上記方法で得た反応生成物の20kgを40℃の温度で
3時間乾燥して試料1.7kgを得た(RunNo.7
6)。
第7表には、かくして得た乾燥試料の顕微鏡観察による
0.1〜50μと0.1〜100μ粒子の含有率、15
0タイラーメッシュの篩にかけた場合の通過量(150
メッシュパス)およびメタノール溶解度を示した。
参考例1 実施例1のRunNo。12の生成物、実施例3のRu
nNo.40、RunNo.47およびRunNo.5
0の生成物、実施例4のRunNo.66の生成物、実
施例6のRunNo.76の生成物、実施例1のRun
No.21で得たレゾール樹脂を風乾して脱溶媒後に粉
砕したもの、およびRunNo.22で得たノボラック
樹脂を粉砕して15重量%のへキナメチレンテトラミン
を配合したものの各々を用いて、予めプレス績の間で1
20〜150℃の温度に加温した金型を用いて50〜2
00kg/cm2の加圧下に5〜3O分間処理して、寸
法が幅13mm、厚み4.5〜4.8mm、長さ100
mmの試験片を各々5個作成した。
第8表には上記方法における成形性と得られた試験片を
JIS−K−691に準じて測定した曲げ強度を示した
参考例2 ニトリルゴム(ハイカー0R25;日本ゼオン)100
重量部1亜鉛華5重量部;ステアリン酸1.5重量部;
アリタックス(Alitax、商品名、ベンゾチアジル
2硫化物を主成分とする)1.25重量部;パインター
ル3重量部;パラフィックス(Parafiux、商品
名)3重量部;いおう2重量部およびカーボンブラック
40重量部からなるニトリルジム配合品300gを、ト
リクロルエチレン300gと溶剤混合したもの(Run
No.89):上記ニトリルゴム配合品150gとRu
nNo.35で得た試料5Ogとをトリクロルエチレン
300gに溶液混合したもの(RunNo.90)を準
備しこれらを一昼夜風乾した後50℃の温度で60分間
乾燥した。得られたものの一定量を予め140℃に加熱
した金型を用いて150kg/cm2の加圧下に30分
間、更に1〜2kg/cm2の加圧下30分間処理し1
寸法が10cm角で厚み1.Omm(RunNo.89
)と1.1mm(RunNo.90)のシートを作成し
た。
第9表には、上記方法で得た2種類のシートの成型性、
厚み、硬度、引張強度および伸度、150℃の空気中で
24時間処理した後の引張強度保持率、圧縮永久ひずみ
および絶縁抵抗を示した。
なお、硬度、強度および伸度はJIS−K−6301の
方法に準じ、圧縮永久ひずみはASTM−D390−4
0−Tに準じ、絶縁抵抗はASTM−D257に準じて
測定した。
参考例3 アスベスト50重量部と実施例4のRunNo.63で
得た生成物5O重量部を水に撹拌分散せしめた。
得られた固形分濃度0.30重重%のスラリーから、P
、S、S式シートマシーン(東洋製機(株)製)を用い
て抄造し、次いで、120℃の温度で3分間、5kg/
cm2の加圧下に熱プレスして、目付125g/m2、
厚み0.35mmのシートを得た。この場合、使用した
原料の量と得られたシートの重量から求めた歩留りは9
7%であった。又、抄造後の廃液をガラスフィルターで
ろ過した。廃水中のフェノール類は4−アミノ−アンチ
ピリン法で測定したところ0.01ppm以下であった
第10表には上記方法で得たシートの引張強度。
マッチの炎を当てた場合の燃焼性、およびシートを空気
中200℃の温度で24時間処理した後の引張強度を示
した。
参考例4 成型用の12−ナイロン(固有粘度0.99、融点17
7℃)85重量部と実施例6のRunNo.76で得た
試料15重量部を250℃の温度で溶融混合し、予め1
50℃に加熱した金型に流し込んで1〜2kg/cm2
の加圧下に15分間保持し、寸法2X5X12mmの試
料を得た(RunNo.91)。
同様に12−ナイロンのみから得たものを対照品(Ru
nNo.92)とした。
第11表には、2種類の試料の吸水率(ASTM−D5
70−59Tに準じて測定)、200℃の熱板の上に5
分間保持した場合の状態および試料にマッチの炎を5秒
間当てた場合の形状変化を示した。
【図面の簡単な説明】
添付図面の第1A図〜第3A図は、本発明の粒状ないし
粉末状物の走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍)で
ある。 添付図面の第1B図〜第3B図は、本開明の粒状物の走
査型電子顕微鏡写真(倍率3000倍)である。 第4図は本発明の粒状ないし粉末状物の赤外線吸収スペ
クトル図である。なお、第4図中にはそのピークの特定
波長における吸収強度を求める方法も図解してある。ま
た、第1A図〜第3A図および第1B図〜第3B図の写
真中、スケールの最小目盛は5μである。 手続補正書(方式) 昭和57年6月8日 特許庁に′i 〜1 出 春 樹   殿1、事件の表
示 uf41J57年特?1N+ St 4.2 e s号
共#合懐脂及びその製造法 事−関係  特許1人 3補正をする渚 住 所  束鎮41ツ田区感田五丁目174#4号4代
 理 人〒107 5 補正命令の]1イ・1   昭和57年 5 月2
5日(発送日)明細書第115真下から5行〜第416
員7行目の「添付図面の第1A図〜第3A図は、・・・
・・・・・・(中略)・・・・・・・・・スケールの最
小目盛は5μである。」を。 r添付、図面の1IIA図および第1B図は、いずれも
実施例1のR%%ム11!で得られた本発明の粒状ない
し粉末状樹脂の走査型篭手顕微鏡写真である。 同t11!A図および第2EvAFi、いずれも実施例
30Rssム40で得られ九本発明の粒状ないし粉末状
樹脂の走査型電子顕微鏡写真である。 同第sA図および1[3B図は、いずれも実施例30R
%5jiSOで得られ九本発明め粒状ないし粉末状樹脂
の走査型電子顕微鏡写真である。 同第4図Fi、 *雄側1 tDRs*A 12 テ得
うtL*本発明の粒状ないし粉末状樹脂の赤外線吸収ス
ペクトル図である。 なお、第1A図、第8A図および第3A図の写真の倍率
はいずれも1000倍であや、第1B図。 !2B図および第3B図の写真の倍率はいずれも300
0倍でおる。第1A図、第1B図、第1!A1、第2B
図、第3A図および第3B図の写真中の右下−Joみの
スケールの長さはbμの長さを示している。 また、第4図中には、そのピークの特定波長における吸
収強度を求める方法も図解しである。1と訂正する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、フェノール類、少くとも2個の活性水素を有する含
    窒素化合物およびアルデヒドとの縮合物から成る粒状な
    いし粉末状樹脂であって、(A)該粒状ないし粉末状樹
    脂は粒径0.1〜100ミクロンの球状一次粒子および
    その二次凝集物を含有し、 (B)少くとも全体の50重量%は150タイラーメッ
    シュ篩を通過し得る大きさであり、(C)該樹脂は液体
    クロマトグラフィーによる測定値として遊離フェノール
    含有量が500ppm以下であり、 (D)該樹脂のKBr錠剤法による赤外線吸収スペクト
    ルにおいて、 1450〜1500cm−1(芳香族二重結合に帰属す
    る吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収強度をD145
    0〜1800、そして960〜1020cm−1(メチ
    ロール基に帰属する吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸
    収強度をD■■0〜1020、で表わした場合、 D■■■〜1020/D14■■〜1500=0.1〜
    2.0であり、且つ (E)該樹脂的10gを、実質的に無水のメタノール5
    00ml中で、加熱還流した場合に、下記式 式中、W0は使用した該樹脂の重量(g)、W1は加熱
    還流後に残存した樹脂の重 量(g)、 Sは該樹脂のメタノール溶解度(重量 %)を示す、 で表わされるメタノール溶解度が20重量%を超える、 ことを特徴とする粒状ないし粉末状の含窒素フェノール
    アルデヒド系共重合樹脂。 2、KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルにおいて
    、 1280〜1360cm−1(炭素−窒素結合に帰属す
    る吸収ピーク)の範囲 の最も大きな吸収強度をD1260〜1360で表わし
    た場合、 D1860〜1380/D1450〜1500=0.1
    5〜3.0である、 特許請求の範囲第1項に記載の樹脂。 3、フェノール類がフェノール、メタクレゾール又はフ
    ェノールとフェノール以外の他のフェノール類との混合
    物である特許請求の範囲第1項に記載のの樹脂。 4、フェノール以外の他のフェノール類がo−クレゾー
    ル、m−クレゾール、p−クレゾール、ビス−フェノー
    ルA、o−。m−又はp−C2〜C4アルキルフェノー
    ル、p−フェニルフェノール、キシレノール、ハイドロ
    キノン又はレゾルシンである、特許請求の範囲第3項に
    記載の樹脂。 5、上記含窒素化合物が活性水素を有するアミノ基、ア
    ミド基、チオアきド基、ウレイン基、及びチオウレイン
    基より成る群から選ばれる基を少くとも1個有する、特
    許請求の範囲第1項に記載の樹脂。 6、上記含窒素化合物が尿素、チオ尿紮及びこれらのメ
    チロール誘導体、了ニリン、メラミン、ダアエジン、ダ
    アナ電ン又はジシアンジアミドである狩許縛求の範囲第
    5項に記載の樹脂。 7、上記アルデヒドが実質的にホルムアルデヒドである
    特許請求の範囲第1項に記載の樹脂。 8、上記アルデヒドがホルムアルデヒドであ抄、フェノ
    ール類がフェノールであり、そして含窒素化合物が尿素
    である、特許請求の範囲第1項〜第7墳のいずれかに記
    載の樹脂。 9、該粒状ないし粉末状樹脂はその少くとも30%が粒
    径0.1〜100ミクロンの球状一次粒子およびその二
    次凝集物から成る特許請求の範囲に 第1i載の樹脂。 10、該粒状ないし粉末状樹脂はその少くとも50イ以
    上が粒径0.1〜100ミクロンの球状一次粒子および
    その二次凝集物から成る特許請求の範囲第1項に記載の
    樹脂。 11、  該粒状ないし粉末状樹脂はその70〜100
    %が粒径0.1〜100jクロンの球状一次粒子および
    その二次凝集物から成る特許請求の範囲第1義賊の樹脂
    。 12、少くとも全体の70重量%が150タイラーメッ
    シュの篩を通過しうる大きさである特許請求の範囲第1
    −11項のいずれかに記載の樹脂。 13、少くとも全体の80重當%が150タイラーメッ
    シュの篩を通過しうる大きさである特許請求の範囲第1
    〜11墳のいずれかに記載の樹脂。 14、該樹脂は液体クロマトグラフィーによる測定値と
    して遊離フェノール含有量が250ppm以下である特
    許請求の範囲第1〜13項のいずれかに記載の樹脂。 15、該樹脂は液体クロマトグラフィーによる測定値と
    して遊離フェノール含有量が1100pp以下である特
    lI!Flll求の範囲第1〜13項のいずれかに記載
    の樹脂。 16、該樹脂は、KBr錠剤法による赤外線吸収スペク
    トルにおいて、 D1280〜1489/D14■■〜180■が0.3
    〜1.0である特許請求の範囲第2〜15項のいずれか
    に記載の樹脂。 17、該樹脂KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトル
    において、 D1280〜1360/D1480〜1■■■が0.3
    〜1.0である特許請求の範囲第2〜15項のいずれか
    に記載の樹脂。 18、該樹脂は、KBr錠剤法による赤外線吸収スペク
    トルにおいて、 D880〜1080/D1480〜1■■■が0.15
    〜0.6である特許請求の範囲第1〜17項のいずれか
    に記載の樹脂。 19、該樹脂は、KBr錠剤法による赤外吸収スペクト
    ルにおいて、 D■■■〜1020/D14■■〜1800が0.2〜
    0.4である特許請求の範囲第1〜17墳のいずれかに
    記載の樹脂。 20、該樹脂は、フェノール核を30〜80重量%含有
    する特許請求の範囲第1〜第19項のいずれかに記載の
    樹脂。 21、該樹脂は、フェノール核を45〜70重量%含有
    する特許請求の範囲第1〜第20項のいずれかに記載の
    樹脂。 22、該樹脂は、窒素を少くとも1重量%含有する、特
    許請求の範囲第1〜21項のいずれかに記載の樹脂。 23、該樹脂は窒素を2〜30重量%含有する、特許請
    求の範囲第1〜22項のいずれかに記載の樹脂。 24、該樹脂は、メタノール溶解度が30重量%以上で
    ある特許請求の範囲第1〜23項のいずれかに記載の樹
    脂。 25、該樹脂は、メタノール溶解度が40重量%以上で
    ある特許請求の範囲第1〜24項のいずれかに記載の樹
    脂。 26、該樹脂は、本文に記載した加熱融着測定法に従っ
    て100℃の温度に5分間保持した場合に、実質的に溶
    融又は融着する特許請求の範囲第1〜24瑣のいずれか
    に記載の樹脂。 27、(1)、下記組成、 塩酸(HCl)濃度が3〜28重量%、ホルムアルデヒ
    ド(HCHO)濃度が 3〜25重量%、 ホルムアルデヒド以外のアルデヒド の濃度が0〜10重量%、且つ 塩酸とホルムアルデヒドの合計濃度 が10〜40重量%、 である塩酸−ホルムアルデヒド浴に、 (2)、フェノール類と少くとも2個の活性水素を有す
    る含窒素化合物とを、 下記式 で表わされる浴比が少くとも8とな るように維持して、接触させ、且つ (3)、この接触を、フェノール類が該浴と接触した後
    白濁を生成し、然る後 粒状ないし粉末状の固形物が形成さ れるように行い、且つこの接触の間、 反応系内の温度を45℃以下に維持 する、 ことを特徴とする粒状ないし粉末状の含窒素フェノール
    ・アルデヒド系共重合樹脂の製造法。 28、上記含窒素化合物を、フェノール類と該含窒素化
    合物との合計重量に対し5〜75重量%用いる、特許請
    求の範囲第27項に記載の方法。 29、上記含窒素化合物を、フェノール類と該含窒素化
    合物との合計重量に対し15〜65重量%用いる、特許
    請求の範囲第27又は28項に記載の方法。 30、上記含窒素化合物を、フェノール類と該含窒素化
    合物との合計重量に対し25〜55重量%用いる、特許
    請求の範囲第27〜29項のいずれかに記載の方法。 31、塩酸−ホルムアルデヒド浴の塩酸濃度が8〜25
    重量%である特許請求の範囲第27項に記載の方法。 32、塩酸−ホルムアルデヒド浴の塩酸濃度が12〜2
    2重量%である特許請求の範囲第27項に記載の方法。 33、塩酸−ホルムアルデヒド浴のホルムアルデヒド濃
    度が5〜20重量%である特許請求の範囲第27〜32
    項のいずれかに記載の方法。 34、塩酸−ホルムアルデヒド浴のホルムアルデヒド濃
    度が7〜15重量%である特許請求の範囲第27〜32
    項のいずれかに記載の方法。 35、塩酸−ホルムアルデヒド浴中の塩酸とホルムアル
    デヒドの合計濃度が15〜35重量にである特許請求の
    範囲第27〜34項のいずれかに記載の方法。 36、塩酸−ホルムアルデヒド洛中の塩酸とホルムアル
    デヒドの合計濃度が20〜32重量%である特許請求の
    範囲第27〜35項のいずれかに記載の方法。 37、前記浴比を10以上となるように維持する特許請
    求の範囲第27〜36項のいずれかに記載の方法。 38、前記浴比を15〜40に維持する特許請求の範囲
    第27〜36項のいずれかに記載の方法。 39、上記塩酸−ホルムアルデヒド浴のホルムアルデヒ
    ドがホルマリン、トリオキサン、テトラオキサン又はパ
    ラホルムアルデヒドから供給される、特許請求の範囲第
    27項に記載の方法。 40、上記塩酸−ホルムアルデヒドのホルムアルデヒド
    以外のアルデヒドが炭素数2〜4の一官能性脂肪族アル
    デヒド、グリオキザール、フルフラール又はベンズアル
    デヒドである、特許請求の範囲第27項に記載の方法。 41、フェノール類フェノール、メタクレゾール、又は
    フェノールとフェノール以外の他のフェノール類との混
    合物である、特許請求の範囲第27項に記載の方法。 42、フェノール以外の他のフェノール類がo−クレゾ
    ール、m−クレゾール、p−クレゾール、ビス−フェノ
    ールA、o−、m−又はp−C2〜C4アルキルフェノ
    ール、p−フェニルフェノール、キシレノール、ハイド
    ロキノン又はレゾルシンである、特許請求の範囲第41
    項に記載の方法。 43、上記含窒素化合物が活性水素を有するアミノ基、
    アミド基、チオアミド基、ウレイン基、及びチオウレイ
    ン基より成る群から選ばれる基を少くとも1個有する、
    特許請求の範囲第27項に記載の方法。 44、上記含窒素化合物が尿素、チオ尿素及びこれらの
    メチロール誘導体、了ニリン、メラミン、グアニジン、
    グアナミン又はジシアンジアミドである特許請求の範囲
    第43項に記載の方法。 45、上記塩酸−ホルムアルデヒド浴に含まれるアルデ
    ヒドが実質的にホルムアルデヒドであリ、且つフェノー
    ル類が実質的にフェノールであり、そして上記含窒素化
    合物が実質的に尿素である、特許請求の範囲第27〜4
    4項のいずれかに記載の方法。 46、該塩酸−ホルムアルデヒド浴中に、フェノール類
    と少くとも2個の活性水素を有する含窒素化合物とを添
    加して最初に透明溶液を形成し、次いで白濁を生成させ
    、しかる後少くとも粒状ないし粉末状の固形物が形成さ
    れるように、該塩酸−ホルムアルデヒド浴とフェノール
    類および上記含輩素化合物との接触を行う特許請求の範
    囲第27項に記載の方法。 47、該塩酸−ホルムアルデヒド浴中に上記含窒素化合
    物を溶解し、次いで、フェノール類を添加して最初に透
    明溶液を形成し、次いで白濁を生成させ、しかる後少く
    とも粒状ないし粉末状の固形物が形成されるように、該
    塩酸−ホルムアルデヒド浴とフェノール類および該含窒
    素化合物との接触を行う特許請求の範囲第27項に記載
    の方法。 48、該塩酸−ホルムアルデヒド浴中にフェノール類と
    上記含窒素化合物とを添加して白濁が生成する前の段階
    において、該浴を撹拌して均一透明溶液を形成させる特
    許請求の範囲第27又は47項に記載の方法。 49、該塩酸−ホルムアルデヒド浴中にフェノール類と
    上記含窒素化合物とを添加して白濁が生成した時点以降
    固形物が形成されるまでの期間、該浴に機械的剪断力を
    与えない特許請求の範囲第27、46、47又は48項
    に記載の方法。 50、フェノール類、又は上記含窒素化合物とフェノー
    ル類とを一緒に、水又はホルムアルデヒド濃度が44重
    量%以下の水性溶液で希釈し、この希釈溶液を該塩酸−
    ホルムアルデヒド浴に添加した場合にこの浴の組成が特
    許請求の範囲第27、31又は32項に記載の浴組成を
    維持するように制御しながら、該フェノール類の希釈溶
    液、又は上記含窒素化合物と該フェノール類との希釈溶
    液を前記塩酸−ホルムアルデヒド浴中に添加する特許請
    求の範囲第27〜51項のいずれかに記載の方法。 51、フェノール類および含窒素化合物と接触させる前
    の塩酸−ホルムアルデヒド浴の温度を5〜35℃の間の
    温度とする、特許請求の範囲第27項に記載の方法。 52、フェノール類および含窒素化合物と接触させる前
    の塩酸−ホルムアルデヒド浴の温度を10〜30℃の間
    の温度とする、特許請求の範囲第27項又は51項に記
    載の方法。 53、特許請求の範囲第27項〜第52項に記載の方法
    で得られた粒状ないし粉末状の含窒素フェノール・アル
    デヒド系共重合樹脂の固形物を該塩酸−ホルムアルデヒ
    ド浴から分離し、これを水洗し、付着する塩酸をアルカ
    リ水溶液で中和し更に水洗する特許請求の範囲第27項
    〜第52項に記載の方法。 54、該アルカリ水溶液としてアンモニア水を使う特許
    請求の範囲第53項に記載の方法。 55、上記アルカリ水溶液のアルカリ金属水酸化物又は
    アンモニアの濃度が0.1〜5重量%、好ましくは0.
    3〜3重量%である特許請求の範囲第53項に記載の方
    法。 56、前記アルカリ水溶液による中和を50℃以下、好
    ましくは10〜40℃の温度で行う特許請求の範囲第5
    3項に記載の方法。
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