JPS5813076Y2 - ２弁式直接噴射式内燃機関の吸気管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２弁式直接噴射式内燃機関において、燃焼に必
要な最適スワール比を保持するような形状を有する吸気
慣性管を設けた２弁式直接噴射式内燃機関の吸気管に関
するものである。

従来、第１図及び第２図の従来例における２弁式直接噴
射式内燃機関の吸気管においては、ヘリカリな吸気ポー
ト２が排気ポート５とは異なり、吸気弁４と吸気ポート
２の入口部に対して非対称に形成されているため、吸気
慣性管１の入口部の円形断面を有する位置Ａで一様に吸
入された矢印Ｆで示す吸気流れは、単純な中心線の曲率
Ｒで代表される曲管部の長円形断面を有する位置Ｂにく
ると、吸気流れＦの慣性力により、第１図の左側の内面
壁に押し付けられ、シリンダヘッド６内の吸気ポート２
内の矩形断面を有する位置りでは、吸気流れＦが左側に
片寄って流入する。

このため、シリンダ３に流入した場合のスワールＳは弱
くなり最適値よりずれ、吸入空気量が増加していても燃
焼不良を起こし、その機関の高出力化が得られないとい
う欠点がある。

ここで吸気慣性管１内の吸気流れＦの流入分布を、シリ
ンダヘッド６人口の矩形断面を有する位置Ｃ及び吸気ポ
ート２内の位置りにおいても、吸気慣性管１の人口部の
位置Ａにおける流入分布と同様の均一流れとすることが
望まれている。

そこで本考案は前記従来の欠点を解消するため、吸気慣
性管内の吸気流入分布を吸気ポートの断面においても均
一流れとせしめ、吸気がシリンダ内に流入する際のスワ
ール値を最適値に保持せしめることにより、良好な燃焼
を行なわしめ、機関の高出力化を得ることを目的とした
ものである。

即ち本考案はシリンダヘッド側面に対し傾斜して装設さ
れた吸気慣性管において、その吸気ポート人口側管路内
のシリンダヘッドに隣接した側に凸壁部を形成し、且つ
該凸壁部の反対側に凹壁部及び該凹壁部の吸気ポート側
に連接したフラット壁面部を形成することにより構成さ
れる。

以下第３図から第７図迄を参照して本考案の実施例を説
明するか゛第１図及び第２図の従来例と同じ部品は同じ
部品番号で示している。

第３図及び第４図に示す本考案の実施例においては、２
弁式直接噴射式内燃機関の各気筒用の吸気慣性管１をシ
リンダヘッド６の吸気ポート２の人口に対してＯｏから
２０°の傾斜角度α１にて吸気流れＦを流入させるよう
に装設しており、その吸気慣性管１の吸気ポート２の人
口に装設するフランジ７における断面を矩形断面とし、
吸気慣性管１は位置Ｂの円形断面から、位置Ｃの矩形断
面に逐次円形から角形断面に変形せしめている。

そこで位置Ｂから位置Ｃにおける吸気慣性管１のシリン
ダヘッド６に隣接した側を角度α２の凸壁部１ａに形成
し、凸壁部１ａからフランジ７の内側を曲率Ｒ３の湾曲
面で連続して吸気ポート２の内面と合致させている。

一方この凸壁部１ａに対応するように、吸気慣性管１の
シリンダヘッド６と隣接していない側の内面に第３図で
曲率Ｒ１とＲ２で示す連続湾曲面からなる凹壁部１ｂを
形威し、曲率Ｒ２の湾曲面はフランジ７の内側に設けた
フラット壁面部１Ｃに合致せしめている。

なお、吸気慣性管１の入口部の位置Ａから位置Ｂにかけ
ての断面積Ａｂは、ピストン速度をＶｐ（Ｍ／Ｓ）、ピ
ストン面積をＡｐとすれば、下記の式から得られる。

上記のように吸気慣性管１内に凸壁部１ａ及び凹壁部１
ｂを形成することにより、吸気流れＦを位置Ｂから位置
Ｃにかけて凸壁部１ａで左側に押しつけ、その後曲率Ｒ
１，Ｒ２の湾曲面を有する凹壁部１ｂ及びフラット壁面
部１Ｃでその吸気流れＦを押しつけ、吸気流れＦの一部
を反射させて位置Ｃから位置りの吸気ポート２の断面内
に至るまでに吸気流れＦを一様に均一な流れにするもの
である。

即ち、角度α１をもった吸気流れＦの流入方向を吸気慣
性管１のシリンダヘッド６への取付面部である位置Ｃ附
近にて整流せしめ、燃焼に必要な最適スワール比を保持
せしめる。

次に第５図、第６図、第７図では本考案の吸気慣性管１
を多気筒の内燃機関８を装設した外観配置図を示してお
り、内燃機関８の側部に燃料ポンプ９或はその高圧管路
を装着している場合、本考案の吸気慣性管１の曲率Ｒ１
の外形のくぼみ部分が燃料ポンプ９等の配置上好都合に
なっている。

なお本実施例では吸気慣性管１が内燃機関８の出力軸側
に傾斜した状態で装設されているが、その傾斜の方向に
ついては本実施例の反対側でも良く、またシリンダヘッ
ド側面に対し上又は下方向から傾斜させる場合も有効で
あり、その傾斜方向については、特に拘束されるもので
はない。

また、吸気慣性管１に形成する凸壁部１ａ及び凹壁部１
ｂの形状も特に限定するものではなく、吸気ポート２内
の吸気流れＦが均一になるような作用をする形状であれ
ば、いかなる形状のものでも有効である。

従って本考案の吸気管を適用した２弁式直接噴射式内燃
機関においては、吸気慣性効果により吸入空気量を増加
させると共にシリンダヘッドの吸入ポート断面内で均一
な吸気流れが得られ、シリンダ内に流入の際、燃焼に必
要な最適スワール比を保持されるので、内燃機関の低燃
費を保ちながら高出力化がはかれるという効果がある。

特に本考案の吸気慣性管の形状は燃料ポンプ又は燃料噴
射管等の集合都合等に制限を受ける時、その配置上大変
有利な形状である。

なお本考案は２弁式直接噴射式内燃機関全般に対して有
効である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の内燃機関の吸気管要部のそれ
ぞれ、平断面図及び第１図のＩ−Ｉ側断面図、第３図及
び第４図は本考案の実施例における内燃機関の吸気管要
部のそれぞれ平断面図及び第３図のＩ−Ｉ側断面図、第
５図、第６図及び第７図は本考案の吸気管を装設した内
燃機関のそれぞれ、外観平面図、外観側面図及び外観背
面図である。 １・・・・・・吸気慣性管、２・・・・・・吸気ポート
、１ａ・・・・・・凸壁部、１ｂ・・・・・・凹壁部、
１Ｃ・・・・・・フラット壁面部、６・・・・・・シリ
ンダヘッド、８・・・・・・内燃機関、９・・・・・・
燃料ポンプ、Ｆ・・・・・・吸気流れ、Ｓ・・・・・・
スワール、α１・・・・・・傾斜角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘッド側面に対し傾斜して装設された吸気慣性
   管において、その吸気ポート人口側管路内のシリンダヘ
   ッドに隣接した側に凸壁部を形成し、且つ該凸壁部の反
   対側に凹壁部及び該凹壁部の吸気ポート側に連接したフ
   ラット壁面部を形成してなる２弁式直接噴射式内燃焼関
   の吸気管。