JPS601226Y2 - 排気過給式２サイクルエンジン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は排気過給式２サイクルエンジンに関するもので
ある。

近年、自動車の４サイクルエンジンでは、燃費向上を目
的とした出力改善のために、排気ターボ過給が行われる
ようになっている。

しかしながら、混合気が吸気ポートを通じてクランク室
に吸入され、ピストン下降時のポンプ作動により掃気通
路を通じて混合気が燃焼室に供給される２サイクルエン
ジンにおいては、排気通路からの新気の吹き抜けを防止
するために、排気管の絞り部からの反射波（正圧）を利
用しているので、前述した排気ターボ過給をそのまま適
用するのが困難であった。

これは、過給機を、前記反射波の生成を妨げない位置に
設置する必要があるからである。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、排気管の尾
部と消音器との間に、ターボ過給機のタービン部を配設
することにより、前記排気管の本来の機能を損ねること
なく、前記タービン部に充分なエネルギーを供給でき、
極めて効率よく排気過給を行うことができる排気過給式
２サイクルエンジンを提供することを目的とする。

以下、本考案の構成を、実施例について、図面に沿って
説明する。

第１図において、１は２サイクルエンジンの排気管で、
ピストン２により開閉される排気ポート３に接続されて
いる。

この排気管１は、排気ポート３側より、排気ガスの流れ
方向Ａに向って通路面積が増大す番首部４と、通路面積
が略一定の膨張部５と、排気ガスの流れ方向Ａに向って
通路面積が減少する絞り部′６と、通路面積がほぼ一定
である尾部７と、消音器８と、消音器尾管９とが順に連
接されている。

上記各部４，５，６，７は、次のような機能を有する。

（１）首部４・・・・・・流れ方向Ａに向って通路面積
が漸増する末広がり管形状になっているた め、排気ポート３の部分に大きな負 圧を発生せしめ、それによって燃焼 ガスの排出を促す。

（１１）膨張部５・・・通路面積がほぼ一定になってい
るため、排気ガスの整流を行うととも に、首部４と絞り部６とを滑らかに 連結する。

（１１０絞り部６・・・流れ方向Ａに向って通路面積が
漸減している先細り管形状であるため、 掃気工程後半において、排気ポート ３から流出する新気を押戻す正圧を 発生する。

（ｌｖ）尾部７・・・・・・絞り部６を消音器８に連結
する。

１０は吸気管で、ピストン２により開閉される吸気ポー
ト１１に接続されている。

１２は吸気消音器で、その下流側にベンチュリ１３が形
成されている。

１４はスロットル弁、１５はノズルである。

１６はターボ過給機て、そのタービン部１７が排気舎１
の尾部７に、コンプレッサ部１８が吸気管１０のスロッ
トル弁１４の下流側にそれぞれ配設されている。

なお、１９はシリンダヘッド、２０は点火栓、２１はク
ランクケース、２２はコネクチングロッド、２３は掃気
ポートである。

上部のように構成すれば、タービン部１７を、首部４、
膨張部５、絞り部６に配設した場合のように貴排気ガス
の流れに対して大きな抵抗となって排気管１の各部の正
常な作用を阻害することもなく、また、消音器８、消音
器尾管、、？に配設した場合のように、排気ガスのエネ
ルギの消耗が激しく、タービン部１７を効率よく駆動で
きないという不夛合も牛せず、排気ガスの淳れ！、；よ
ってタービン部１７が効率よ＜蛇動され、コンプレッサ
部１８に七効釆的に過給か行われ１↑。

冬、コンプレッサ部１８において排気ガスの子ネビレギ
ーが消耗されるｔめ７．−、消音効果もあり、徊音籟８
．は構造簡単小型めもので良く、消音器自体のコストダ
ウンがはかれる。

上記実施例は、気化器型の２サイクルエンジンの例であ
るが、このほか、第２図に示されるように、燃料噴射型
の２サイクルエンジンにも適用することができる。

ここで、３１は燃料噴射ノズルで、図示しない燃料噴射
ポンプに接続されている。

また、このノズル３１は、一点鎖線て示すように、燃焼
室３２に臨ませることもできる。

なお、第１図に示すものと、同様の構成要素については
同一の符号を用い、その詳細な説明を省略する。

以上のように構成したから、本考案は、排気管の各部の
正常作用を妨げることなく、ターボ過給機に充分なエネ
ルギを供給でき、極めて効率良く排気過給を行うことが
できるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は気化器型の２サイクルエンジンに適用した例の
全体構成図１．第２図番、ま燃料噴射型の２サイクルエ
ンジンに適用し、た例の全体構成図である。 １・・・・・・排気管、？・↑・・・・ｒ′、スト了、
３・・・・・・排気ポート、４・・・・・・首部、５・
・・・・・膨張部、６・・・・・・絞り部、７・・・・
・・尾部１．．８・・・・・・消、音響、９・・・・・
・消音器尾管、１６・・・・・・ターボ過給機、１７・
・・・・・タービン部、１８・・・・・・コンプレッサ
部、３１・・デ・・・・燃料噴射ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストンにより開閉される排気ポートに接続された排気
   管は、排気ガスの流れ方向に向って通路面積が増大する
   首部と、通路面積が略一定の膨張部と、排気ガスの流れ
   方向に向って通路面積が減少する絞り部と、通路面積が
   略一定である尾部と、消音器とが順に連接させてなり、
   該排気管の尾部と消音器諒：の間に、ターボ過給器のタ
   ービン部を配設したことを特徴とする排気過給式２サイ
   クルエンジン。