JPS588896Y2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、低負荷用および高負荷用の２系統の吸気系を
有するエンジンの吸気装置、とくに低負荷用吸気通路の
作動室に対する設定構造に関する。

従来ｌこおいて、この種のデュアルインタクションマニ
ホールドでは第１図に示すように、シリンダ１に対して
接線方向から吸気を流入させるようにした、いわゆるダ
イレクショナルポート的構造の吸気ポート２に対して、
半径方向の外側に低負荷用吸気通路３を、また高負荷用
吸気通路４をその内側に開口させ、吸気ポート２を傘形
弁よりなる吸気弁（図示せず）で開閉する方式が多く用
いられている。

この種の方式は、低負荷時において吸気流速を早め燃料
の霧化、気化の促進を図ることができるとともにシリン
ダの作動室６の外周部に低負荷用吸気通路３からの混合
気を一方向に大きくスワールさせながら偏在させること
ができるためｌこ外周部に臨ませた点火プラグ（図示せ
ず）によって外周部に偏在する混合気を確実に着火させ
ることができるので、低負荷時における着火ミスの防止
および希薄燃焼による排気ガスの浄化性能の向上を図る
ことができる利点がある。

しかしながら、上記の型式の吸気装置では、吸気弁（傘
形弁）の弁頭によって混合気の一部が、上記スワールの
方向ａとは反対方向すにも分流されるために、スワール
が弱められその結果、実際にはさほど有効なスワールが
生成されず、したがって、その目的とする作用効果が充
分に得られない問題があった。

本考案は、か＼る従来の問題に鑑みてなされたものであ
って、生成すべきスワールを弱める方向に吸入混合気が
分流されない開口領域を設定し、この領域内に低負荷用
吸気通路を臨ませ、よって有効なスワールを生成せしめ
て、低負荷時における燃焼性の向上ならびに希薄燃焼に
よる排気ガスの浄化性能の向上を図ることができるエン
ジンの吸気装置を提供することを目的とするものである
。

上記の開口領域は、吸気弁の構造及び吸気通路の設定構
造にもよるが、基本的にはその領域から作動室内に吸入
された混合気が、少くともスワールの方向に対して逆向
きのベクトル成分を持たない領域であり、吸気ポート開
口部をシリンダの軸線と吸気ポート開口部の中心とを含
む平面によって二分したときに、スワール方向の片側領
域であればよい。

以下より具体的に図示の実施例Ｏこついて、本考案を詳
細に説明する。

第２図において、１０はシリンダヘッド１１とシリンダ
ブロック１２とで構成するエンジンケーシング、１２ａ
はシリンダ、１３はピストン、１４はエンジンケーシン
グ１０内面とピストンヘッドとで画成される作動室、１
５は作動室１４の上部を画成するシリンダヘッド１１の
傾斜した内壁面１１ａに開口する低負荷用吸気通路１７
および高負荷用吸気通路１８からなる吸気ポート、１６
は該吸気ポート１５を所要のタイミングで開閉する傘形
弁よりなる吸気弁で、これら低負荷用および高負荷用吸
気通路１７．１８は低負荷用気化器１９、高負荷用気化
器２０が夫々上流に設定された吸気マニホールド２１の
低負荷用、高負荷用吸気通路２２．２３に連結されてお
り、夫々一連の低負荷用吸気通路１７．２２および高負
荷用吸気通路１８．２３を構成している。

上記低負荷用吸気通路１７は、吸気ポート１５を開閉す
る吸気弁１６の片側、即ち、第４図に斜線で示すように
、吸気ポート１５の作動室１４に対する開口部をシリン
ダ１２ａの軸線Ｏと吸気ポート１５の開口部の中心Ｃと
を含む平面Ａによって部分したときの混合気の吸気方向
側、すなわちスワール方向側（スワール上流側）の領域
Ｘ内に開口させるようにし、吸気弁１６が、吸気ポート
１５を開いたとき、低負荷用吸気通路１７から作動室１
４に吸入される混合気を吸気弁１６の弁頭片側の彎曲面
１６ａに沿って混合気の流れを乱すことなく案内するよ
うにする。

この場合低負荷用吸気通路１７から吸気ポート１５の開
口部の一定領域Ｘを通して作動室１４内に吸入される混
合気は、低負荷用吸気通路１７に沿った流れが、大きく
変換されることなく、しかも、吸気弁１６弁頭の片側の
彎曲面１６ａと吸気ポート１５の開口部の壁面との間で
一定程度絞り込まれるため流速を早めて、作動室１４内
に流入し、作動室１４の外周部に強力なスワールＳを生
成する。

上記の如く、吸入行程において強力なスワールＳを生成
した混合気は、圧縮行程においてもそのスワールによっ
て作動室１４の外周に混合気が偏在することになり、作
動室１４の外周面に臨ませた点火プラグ（図示せず）に
よって、ピストン１３が圧縮上死点付近に達したときに
点火され、混合気は確実に着火して良好な燃焼を行う。

また、高負荷用気化器２０のスロットル弁２０ａが開か
れる高負荷時には吸気通路１７゜１８を通る混合気は吸
気弁１６の全周囲から流入するので、吸入効率を阻害す
ることなく、高出力を発生することができる。

上記実施例では、低負荷用吸気通路１７および高負荷用
吸気通路１８をシリンダヘッド１１内において相互に独
立に形成するようにしたが、第３図に示すように、シリ
ンダヘッド１１内（こ設けてなる吸気ポート３０内にパ
イプ３１を嵌込んで吸気マニホールド２１の低負荷用吸
気通路２２と吸気ポート１５の開口部の所定領域Ｘとを
連結することにより、低負荷用吸気通路を形成するよう
にしてもよい。

また、第５図に示すように、作動室１４に対して、吸気
通路１７．１８と排気通路４０を互違いの方向から開口
させるようにしたいわゆるクロスフロ一方式のものでは
、吸気通路１７．１８が途中で曲げられており、シリン
ダ１２ａの軸線Ｏと吸気ポート１５の開口部の中心Ｃと
を含む平面Ａと、吸気の流入方向りに対して直交する方
向の吸気ポート１５の開口部の中心線ＢＢとが一致せず
に、所定の角度をもって交叉するため、部分された領域
のうち、上記中心線ＢＢで切り取られる部分は生成すべ
きスワールに有効に作用しないから、好ましくは図に示
すように平面Ａで部分される領域のシリンダ半径方向外
側の一部を除く斜線領域Ｙに、低負荷用吸気通路１７の
開口位置を設定することが好ましい。

なお低負荷用吸気通路は上記領域Ｘ、Ｙ内に開口するも
のであればよく、領域Ｘ、Ｙ全てを開口面積とする必要
はなく、適宜な開口面積を選定すればよい。

以上詳述したことから明らかなように１本考案は、デュ
アルインダクションマニホールド形式において、低負荷
用吸気通路を、シリンダ軸線および吸気ポート開口部中
心とを含む平面によって部分される開口部の片側でかつ
スワール方向側に開口させ、低負荷時には、混合気を、
生成すべきスワール方向にのみ吸入しうるようにしたか
ら、強力なスワールを生成することができ、それだけ燃
焼速度を増加させることができるので可燃混合気のリー
ン限界を著しく向上させることができ、また高負荷時の
出力を損うこともないから低負荷から高負荷にわたって
安定した燃焼が行なえ、の低減、低公害化を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

燃費 第１図は従来のデュアルインダクションマニホールドを
示す要部平面説明図、第２図は本考案に係るエンジンの
吸気装置の要部垂直断面図、第３図は他の実施例を示す
要部垂直断面図、第４図及び第５図は、本考案に係る低
負荷用吸気通路の開口領域を示す各平面説明図である。 １５・・・・・・吸気ポート、１６・・・・・・吸気弁
、１７・・・・・・低負荷用吸気通路、１８・・・・・
・高負荷用吸気通路、Ｘ、Ｙ・・・・・・好ましい開口
領域。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）吸気弁近傍で合流する低負荷用および高負荷用吸
   気通路を有し、低負荷用吸気通路からの吸気にスワール
   を生成するようにしたエンジンの吸気装置において、シ
   リンダ軸線および吸気ポート開口部の中心点を含む平面
   で二分される吸気ポート開口部の片側で、かつ上記スワ
   ール方向側の領域内にのみ上記低負荷用吸気通路を開口
   したことを特徴とするエンジンの吸気装置。
2. （２）上記領域内のシリンダ半径方向外側の一部領域を
   除いた領域内に低負荷用吸気通路を開口したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第（１）項記載のエンジ
   ンの吸気装置。