JPS5810867Y2 - ピボツトヒンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はピボットヒンジに自動閉扉機構を着脱できるよ
うにした着脱自在式ドアクローザにおけるピボツヒンジ
の改良に関する。

この種のドアクローザとして本考案者は第１図に示すよ
うなドアクローザを提案（本考案と同時出願）した。

図において、扉の上部枢支部において持出量ピボットヒ
ンジ１に対してその下側に自動閉扉機構２を着脱自在に
したものである。

ピボットヒンジ１は大きく分けて扉枠側の座板１１及び
ピボット軸１２と扉側の座板２１とから成る。

座板１１はその取付片１１１が扉枠１０にねし止め固定
され、中央に形成された通孔１１２にピボット軸１２が
回転不能に且つ止めねじ１３によって脱落しないように
嵌着されている。

すなわち、通孔１１２及びピボット軸１２の断面形状が
略半円形状にされている。

座板２１はその取付片２１１が扉２０にねし止め固定さ
れ、中央に形成された通孔２１２に軸受２２を介してピ
ボット軸１２が挿通されて扉２０と共に軸１２を中心に
回動する。

なお、扉の下部は単なるピボットヒンジで枢支される。

一方、自動閉扉機構については、座板２１の持出部外周
面に設けた突起と円筒ケース３０の上部内壁に設けた縦
溝とが嵌合されていることにより、座板２１と共に回動
する円筒ケース３０とピボット軸１２によって回転が阻
止されている固定座４０とに、固着されたコイルスプリ
ング３１による閉扉機構と、円筒ケース３０に固着した
シリンダ５０内に構成された油圧式調速機構とに大別さ
れる。

コイルスプリング３１の一端は、円筒ケース３０の底部
に止めピン３２によって固定されたスプリング座３３の
縦溝３３１に嵌入され、他端が固定座４０の縦溝４０１
に嵌入されている。

これによって、円筒ケース３０の回動、すなわち扉２０
の回動に伴なってスプリング３１がねじられるとその復
元力にもとづく閉扉力が得られる。

シリンダ５０は、その底部が円筒ケース３０の底部にピ
ン３２によって固定された底蓋３４に溶接固定され、上
部にはシリンダヘッド５１が嵌合されている。

更に、シリンダヘッド５１には、その中心通孔へ固定座
４０により回転が阻止されているダンパシャフト４１が
圧入され、これによってシリンダ５０内の緩衝油５２を
封入している。

シリンダ５０の下部内壁にはねじ部５０１が形成されて
、ピストンねじ５３が螺合され、このピストンねじ５３
の内壁にはスプライン等によりダンパシャフト４１が嵌
入されている。

これによって、シリンダ５０が回動するとピストンねじ
５３が上動あるいは下動する。

なお、ピストンねじ５３の上部内壁には、スプラインの
他にシリンダ５０の上部空間とピストンねじ５３の内部
空間とを連通して緩衝油５２の移動を自由にする縦溝（
図示省略）が形成されている。

一方、円筒ケース３０は、保持板６０の外周に設けた突
起が円筒ケース３０の上部内壁に設けた横溝３０２に嵌
合されていることによって座板２１と共に回動可能に保
持されている。

固定座４０は、その中心通孔にスプラインが形成されて
上部側ヘビポット軸１２の下部に形成されたスプライン
が嵌入されると共に、下部側ヘダンパシャフト４１の上
部に形成されたスプラインが嵌入され、これによって固
定座４０及びダンパシャフト４１は回動が阻止されてい
る。

３５はワッシャで、止め輪３６と共に自動閉扉機構を逆
さにしても内部の要素が脱落しないようにしている。

３７はボールベアリングである。

さて、ピストンねじ５３とシリンダ５０との関係を、開
扉によってシリンダ５０が回動した時ピストンねじ５３
が上動し、閉扉の場合にはピストンねじ５３は下動する
ように設定している。

そして、ピストンねじ５３の底部隔壁５３１にはチェッ
クバルブ５３２を設けてピストンねじ５３内の緩衝油５
２の下部方向への移動のみが容易且つ多めの流量になる
ようにし、更に隔壁５３１の中央には通孔５３３を設け
てこのストローク長にわたって勾配を持つ調速枠５４を
摺動自在に挿通させることにより、ピストンねじ５３の
下動時通孔５３３を通してわずかに緩衝油５２が上部方
向へ移動できるようにしている。

この時の油圧力により閉扉速度を減速することができ、
しかも調速枠５４の勾配によりピストンねじ５３の下動
に伴なって油の移動量が少なくなるので漸時低速にする
ことができる。

ところで、この自動閉扉機構は座板２１上に同心状に設
けられた保持板６０と円筒ケース３０の上部内壁との嵌
合構造により着脱が簡単にできる（これについては説明
は省略する）ようにされており、自動閉扉機構を取外し
たピボットヒンジ部１だけの図を第２図に示す。

第２図にように、自動閉扉機構が無い状態で扉２０の開
閉を行なう場合があり、この時座板１１が露出状態にあ
ると、止めねじ１３は容易に取外すことができ、ピボッ
ト軸１２を抜くことにより扉２０も外すことができるの
で防犯上好ましくない。

本考案はこのような不都合を解消すべく扉が開状態にな
ければピボット軸の抜取りが出来ないようにしたもので
ある。

すなわち、第２図を参照して、ピボット軸１２は座板１
１の外周面から螺入される止めねじ１３で抜けが阻止さ
れているので、座板１１の外周面を化粧カバー１４で被
ってしまえば止めねじ１３の抜取りはできない。

更に、化粧カバー１４も扉２０が閉止している時は取外
しできないようにしており、以下にこのことを説明する
。

第３図は化粧カバー１４の一例を示し、第４図は扉が閉
止状態にある時のピボットヒンジ部の平面図、第５図は
同じく扉が開状態にある時のピボットヒンジ部の平面図
である。

化粧カバー１４は下端にフランジ１４１を有し座板１１
の下面縁部と外周面とを被う。

座板１１への取付けはピボット軸１２の嵌着後、ピボッ
ト軸の外周に形成した溝１２１ヘフランジ１４１を差込
むようにしてフランジ１４１に設けたねじ用穴１４２を
通して座板１１の下面へねし止めされる。

このねじ止め位置は、扉２０が閉止している時扉側座板
２１と重なり合う位置にあり、扉２０がある程度開かれ
た時座板２１との重なりが無くなる位置にされる。

これによって、第４図に示すように、扉２０が閉止して
いる時には座板２１がじゃまになって化粧カバー１４の
ねじ１５を外すことは出来ない。

しかし、第５図に示すように、扉２０がある程度開かれ
れば座板２１は扉２０と共に回動して化粧カバー１４の
ねし止め位置と重ならない部分ができるので、ねじ止め
位置直下に十分なスペースができてねじ１５を外すこと
ができる。

このように、自動閉扉機構が無い状態で使用されても、
扉２０がロックされ閉止している限りピボット軸１２を
外して扉２０を外すというようなことはできない。

また、化粧カバー１４の取付けは扉２０の吊込工事後で
良いので、化粧カバー１４の汚れに気をつかいながら工
事を行なうというような必要性が無い。

なお、ピボットヒンジ部に着脱自在にされる自動閉扉機
構及び着脱構造は第１図に示したものに限らず、他のこ
れまでのもの全般に及び、単なるピボットヒンジとして
使用される場合にも適用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は着脱自在式ドアクローザの縦断面構造図、第２
図はそのうちのピボットヒンジ部の断面図、第３図は化
粧カバーの斜視図、第４図及び第５図はそれぞれ扉が閉
止状態及び開状態にある時のピボットヒンジ部の平面図
。 図中、１はピボットヒンジ部、２は自動閉扉機構、１０
は扉枠、１１は扉枠側座板、１２はピボット軸、１３は
止めねじ、１４は化粧カバー、２０は扉、２１は扉側座
板、２２は軸受、３０は円筒ケース、３１はコイルスプ
リング、４０は固定座、４１はダンパシャフト、５０は
シリンダ、５２は緩衝油、５３はピストンねし、５４は
調速枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉枠に取付けられた持出型座板の中央通孔に回転不能に
   挿入したピボット軸を該座板の持出部外周から螺入した
   ねじで係止した扉枠側座板と、扉に取付けられた座板の
   中央通孔に前記ピボット軸が嵌入されて前記ピボット軸
   に対して回動不能にされた扉側座板とから戊るピボット
   ヒンジにおいて、前記扉枠側座板の持出部外周面及び下
   面を被うことができる化粧カバーを、前記扉枠側座板の
   下面であって、扉閉止時には前記扉側座板と重なり合い
   扉開時に前記扉側座板との重なりが無くなる位置にねし
   止め固定したことを特徴とするピボットヒンジ。