JPH1198772A - 電動機固定子の製造方法 - Google Patents

電動機固定子の製造方法

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JPH1198772A
JPH1198772A JP24912297A JP24912297A JPH1198772A JP H1198772 A JPH1198772 A JP H1198772A JP 24912297 A JP24912297 A JP 24912297A JP 24912297 A JP24912297 A JP 24912297A JP H1198772 A JPH1198772 A JP H1198772A
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JP
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winding
core
wound
iron
iron plate
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JP24912297A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Futami
見 俊 彦 二
Yoshiaki Inaba
葉 好 昭 稲
Hiroshi Fukatsu
津 寛 深
Katsumi Fukagawa
川 勝 己 深
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線鉄心と非巻線鉄心とをできるだけ一体の
状態のままで取り扱えるようにする。 【解決手段】 本発明においては、巻線鉄板10及び非
巻線鉄板20を形成する際に、互いに切り離された巻線
鉄板10及び非巻線鉄板20をそのまま押し戻して暫定
的に一体の抜き板10,20となし、この一体の抜き板
10,20を複数枚ずつ「かしめ」によって積層固着し
て、巻線鉄心1及び非巻線鉄心2を暫定的に一体に形成
するようにしている。そして、このように暫定的に一体
に形成された巻線鉄心1及び非巻線鉄心2は、そのまま
歪み取り焼鈍若しくは油焼き加熱が行われ、次の巻線・
組立工程へ輸送される。そして、巻線鉄心1への巻線の
直前に、両鉄心1,2がプレス等によって分割される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の打抜き鉄板
を積層してなる固定子鉄心を複数部分に分割し、この分
割した固定子鉄心の各部分を巻線後に一体化する工程を
備えた電動機固定子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の打抜き鉄板を積層してなる
固定子鉄心を複数部分に分割し、この分割した固定子鉄
心の各部分を巻線後に一体化する工程を備えた電動機固
定子の製造方法としては、例えば図8乃至図10に示す
ような方法がある。この方法においては、まず図8に示
すように、鉄板を所定形状に打ち抜いて巻線鉄板10
(図8(a))及び非巻線鉄板20(図8(b))を形
成し、これらの巻線鉄板10及び非巻線鉄板20を各々
複数枚ずつ積層固着して巻線鉄心1(図8(a))及び
非巻線鉄心2(図8(b))を形成する。
【0003】そして、図9に示すように巻線鉄心2の複
数の巻線突起部12に巻線3を施した後、図10に示す
ように、巻線鉄心1に対して非巻線鉄心2をプレス圧入
し、巻線鉄心1と非巻線鉄心2とを互いの下記切離し面
14,24にて嵌合して一体として固定子鉄心を形成す
る。
【0004】この場合、巻線鉄板10及び非巻線鉄板2
0は、プレス型内で一枚の鉄板を打ち抜くと同時に相互
の切離し面14,24で切り離されて別々に形成され
る。そして、これらの巻線鉄板10及び非巻線鉄板20
は、かしめ等により各々同一枚数ずつ別個に積層固着さ
れ、それぞれ巻線鉄心1及び非巻線鉄心2として別個に
型から取り出される。また、型から取り出された両鉄心
1,2は、各々別個に歪み取り焼鈍や油焼き加熱を行
い、パレットやコンベア等によって巻線・組立工程に輸
送される。そして、上述したように、巻線鉄心1への巻
線後に、プレス圧入によって両鉄心1,2が一体化され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
電動機固定子の製造方法には、以下のような問題点があ
る。すなわち、まず巻線鉄板10及び非巻線鉄板20
は、巻線鉄板10と非巻線鉄板20との相互の切離し面
14,24で切り離された状態で形成されているので、
強度的に非常に弱くなる。このため、型からの取り出し
やパレット詰め時の取り扱い、及び輸送によって変形し
やすくなるので、型からの取り出し部の受けやシュート
等に特別な対策を要し、取り扱い工数が増加するととも
にクッション材等の余分な部材が必要となる。
【0006】また、最終的には一体となる両鉄心1,2
が、巻線鉄心1への巻線の工程まで分割された状態にあ
るため、保管や輸送等に要するスペースと取り扱いの手
間が倍増する。特に、歪み取り焼鈍や油焼き加熱の工程
においては、両鉄心1,2が一体の場合に比べ、単位時
間当たりの処理数が数分の一まで低下して、大幅な効率
の低下とコストの増大を招いている。また、パレット詰
めによる輸送においては、パレット数が増して輸送回数
が大幅に増大している。
【0007】更に、一旦分割された両鉄心1,2同士
を、再度一致するように組み合わせて嵌合させるような
管理は、非常に困難である。このため、例えば左右2列
式のプレス型で打ち抜いた場合に、右列の鉄心1又は2
と左列の鉄心2又は1とが組み合わされたり、長期間保
管後に組み立てられる場合に、打ち抜きの時期が異なる
鉄心1,2同士が組み合わされて嵌合されることがあり
得る。
【0008】この場合、プレス型の左右によって鉄心
1,2の寸法が微妙に異なり、また型の研磨直後から再
研磨直前までの間の状態変化によって型の寸法が異なっ
てくる。このため、互いに寸法の一致しない鉄心1,2
同士を組み合わせて嵌合することになり、嵌合のクリア
ランスが変動するので、嵌合力過大による嵌合不良や変
形が発生しやすくなる。
【0009】次に、巻線後の巻線鉄心1に対して非巻線
鉄心2をプレス圧入によって嵌合させる場合、その圧入
力は非巻線鉄心2の積層方向の厚さ(積厚)にほぼ比例
する。このため、非巻線鉄心2の積厚が大きくなると、
圧入力が大きくなり、強力な圧入装置が必要となって設
備が大がかりとなってしまう。
【0010】また、圧入力が大きくなると、鉄心1,2
が変形しやすくなり、各部の寸法精度が悪化する。そし
て、この寸法精度が基準を越えて悪化した場合は、治具
による修正加工等が必要となって、工数が増加してしま
う。
【0011】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、巻線鉄心と非巻線鉄心とをできるだけ一
体の状態のままで取り扱うことのできるような電動機固
定子の製造方法を提供するとともに、巻線後の両鉄心の
嵌合に要する圧入力を低減できるような電動機固定子の
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、一枚の鉄
板を所定形状に打ち抜くと同時に相互の切離し面で切り
離して形成される巻線鉄板及び非巻線鉄板を、各々複数
枚ずつ積層固着して巻線鉄心及び非巻線鉄心を形成し、
前記巻線鉄心への巻線後に、前記巻線鉄心及び非巻線鉄
心を互いの前記前記巻線鉄板及び非巻線鉄板の切離し面
にて嵌合して一体とする電動機固定子の製造方法であっ
て、前記巻線鉄板及び非巻線鉄板を形成する際に、互い
に切り離された巻線鉄板及び非巻線鉄板をそのまま押し
戻して暫定的に一体の抜き板となし、この一体の抜き板
を複数枚ずつ積層固着して前記巻線鉄心及び非巻線鉄心
を暫定的に一体に形成することを特徴とする電動機固定
子の製造方法である。
【0013】この第1の手段によれば、巻線鉄心及び非
巻線鉄心が暫定的に一体に形成されるので、両鉄心が初
めから分割された状態で形成される場合に比べ、両鉄心
が互いに切離し面同士で支え合って強度が強くなる。
【0014】第2の手段は、第1の手段において、暫定
的に一体に形成された巻線鉄心及び非巻線鉄心を、その
まま歪み取り焼鈍若しくは油焼き加熱し、又は輸送する
工程を含むものである。
【0015】この第2の手段によれば、第1の手段にお
いて、両鉄心が分割されている場合に比べ、これらの工
程における両鉄心の占める空間容積が半減する。このた
め、歪み取り焼鈍若しくは油焼き加熱の単位時間当たり
の処理数を増やして効率の向上とコストの低減を図るこ
とができるとともに、1度に輸送できる個数が増加する
ため、輸送コストを低減させることができる。また、そ
の他の取り扱いにおいても、その取り扱い効率を向上さ
せることができる。
【0016】第3の手段は、第1又は第2の手段におい
て、前記暫定的に一体に形成された巻線鉄心及び非巻線
鉄心を、前記巻線鉄心への巻線の直前に、互いの前記巻
線鉄板及び非巻線鉄板の切離し面において分割するもの
である。
【0017】この第3の手段によれば、第1又は第2の
手段において、分割された両鉄心同士を再度一致するよ
うに組み合わせて嵌合させる管理が容易にできるように
なる。このため、両鉄心の嵌合のクリアランスが常に一
定となって嵌合力が安定するので、嵌合不良や変形の発
生が起こりにくくなる。
【0018】第4の手段は、一枚の鉄板を所定形状に打
ち抜くと同時に相互の切離し面で切り離して形成される
巻線鉄板及び非巻線鉄板を、各々複数枚ずつ積層固着し
て巻線鉄心及び非巻線鉄心を形成し、前記巻線鉄心への
巻線後に、前記巻線鉄心及び非巻線鉄心を互いの前記巻
線鉄板及び非巻線鉄板の切離し面にて嵌合して一体とす
る電動機固定子の製造方法であって、前記非巻線鉄心を
積層方向に複数に分割した形態の複数の非巻線鉄心部材
を形成し、これらの非巻線鉄心部材を、巻線後の前記巻
線鉄心に対して積層方向に順次嵌入して一体とすること
を特徴とする電動機固定子の製造方法である。
【0019】この第4の手段によれば、両鉄心の圧入嵌
合に要する圧入力は、圧入された部分の積厚にほぼ比例
して直線的に増加して行くので、非巻線鉄板を積層方向
に複数に分割した形態の非巻線鉄心部材を順次圧入する
ことにより、非巻線鉄心を一度に圧入する場合に比べ、
分割数に比例して最大圧入力を減少させることができ
る。この場合、初めの非巻線鉄心部材は、巻線鉄心に対
して完全に挿入された後も巻線鉄心の反対側の端部に達
するまで巻線鉄心上を移動して行くが、その間も上記最
大圧入力と同等の圧入力で移動させることが可能であ
る。
【0020】第5の手段は、第4の手段において、前記
巻線鉄心を積層方向に2分割した形態の一対の巻線鉄心
部材を形成するとともに、この一対の巻線鉄心部材を、
各々の前記巻線鉄板のだれ面側が互いに積層方向の反対
側を向くように組合わせて再度一体化して巻線鉄心を形
成し、この巻線鉄心への巻線後に、前記複数の非巻線鉄
心部材を前記巻線鉄心の両端から嵌入して一体とするも
のである。
【0021】この第5の手段によれば、第4の手段にお
いて、非巻線鉄心部材を巻線鉄心の反対側の端部に達す
るまで移動させる必要がないため、両者の切離し面部分
における擦れによる鉄粉の発生を減少させることができ
る。また、非巻線鉄心部材を巻線鉄心の両端から同時に
嵌入させることが可能となり、その場合は、非巻線鉄心
部材を順次嵌入させる場合に比べて工数を減らすことが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図7は本発明によ
る電動機固定子の製造方法の実施の形態を示す図であ
る。なお、図1乃至図7に示す本発明の実施の形態にお
いて、図8乃至図10に示す従来例と同一の構成部分に
は同一符号を付して説明する。
【0023】[第1の実施形態]まず、図1乃至図3に
より本発明の第1の実施形態について説明する。図1に
は、本実施形態において(後述する巻線の前に)暫定的
に一体に形成された巻線鉄心1及び非巻線鉄心2が示さ
れている。図1において、巻線鉄心1は多数の巻線鉄板
10を積層してなり、各巻線鉄板10は、略リング状の
連結部16と、この連結部16の外周側から等間隔で放
射状に延びる6本の巻線突起部12とを有している。
【0024】また、巻線鉄心1を取り囲む非巻線鉄心2
は、巻線鉄心1の巻線鉄板10と同数の非巻線鉄板20
を積層してなり、各非巻線鉄板20は略リング状をなし
ている。そして、巻線鉄板10の6本の巻線突起部12
の先端部側面には、各々後述する切離し面(嵌合部)1
4が形成され、これらの切離し面14に対応して、非巻
線鉄板20の内周側にも6ヶ所の切欠状の切離し面(嵌
合部)24が形成されている。
【0025】以下、このような巻線鉄心1及び非巻線鉄
心2の製造工程について、図2を参照して説明する。図
2(a)〜(e)には、プレス型によって一枚の鉄板を
所定形状に打ち抜いて巻線鉄板10及び非巻線鉄板20
を形成する工程が順次示されている。まず、図2(a)
において、円形の内周打ち抜きを行って、上記巻線鉄板
10の連結部16の内周側を形成する。次に図2(b)
において、6ヶ所のスロット打ち抜きを行って、巻線鉄
板10の連結部16の外周側と、上記6本の巻線突起部
12の胴体部分とを形成する。
【0026】次に図2(c)において、巻線鉄板10と
非巻線鉄板20とを相互の上記切離し面14,24で一
旦切り離すともに、そのまま(同一のステーションにお
いて)押し戻して再度一体化する。次に、図2(d)に
おいて、巻線鉄板10及び非巻線鉄板20にそれぞれ複
数のかしめ突起5を形成する「かしめ突起出し」が行わ
れる。
【0027】次に、図2(e)において、一体化された
巻線鉄板10及び非巻線鉄板20を、非巻線鉄板20の
外周において打ち抜き、この打ち抜かれた一体の巻線鉄
板10及び非巻線鉄板20を複数枚ずつ型内で積層固着
して、上記巻線鉄心1及び非巻線鉄心2を一体に形成
し、これを型の下部から取り出す。この場合、複数の鉄
板10,20の積層固着は、型内において巻線鉄板10
及び非巻線鉄板20の各かしめ突起5を「かしめ」るこ
とにより行われる。なお、当該積層固着は、このような
「かしめ」による他、溶接等によって行ってもよい。
【0028】すなわち、本実施形態においては、巻線鉄
板10及び非巻線鉄板20を形成する際に、互いに切り
離された巻線鉄板10及び非巻線鉄板20をそのまま押
し戻して暫定的に一体の抜き板10,20となし、この
一体の抜き板10,20を複数枚ずつ積層固着して、巻
線鉄心1及び非巻線鉄心2を暫定的に一体に形成するよ
うにしている。そして、このように暫定的に一体に形成
された巻線鉄心1及び非巻線鉄心2は、そのまま歪み取
り焼鈍若しくは油焼き加熱が行われ、次の巻線・組立工
程へ輸送される。
【0029】次に、図3により上記巻線・組立工程につ
いて説明する。図3において、まず一体に形成された巻
線鉄心1及び非巻線鉄心2(素材)が巻線・組立工程の
ラインに投入されると(巻線鉄心1への巻線の直前
に)、両鉄心1,2がプレス等によって分割される。こ
の場合、両鉄心1,2の分割は、互いの鉄板10,20
の切離し面14,24において行われる。
【0030】次に、分割された巻線鉄心1の各巻線突起
部12に対して巻線3が施され、巻線後に再度、巻線鉄
心1及び非巻線鉄心2を互いの切離し面(嵌合部)1
4,24にて圧入嵌合して一体とする。最後に、結線や
口出し線7の取付等の仕上げがなされて、電動機固定子
が完成する。
【0031】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用について説明する。本実施形態によれば、巻線鉄
心1及び非巻線鉄心2が暫定的に一体に形成されるの
で、両鉄心1,2が初めから分割された状態で形成され
る場合に比べ、両鉄心1,2が互いに切離し面(嵌合
部)14,24同士で支え合って強度が強くなる。この
ため、型からの取り出しやパレット詰め時の取り扱い、
及び輸送による両鉄心1,2の変形が起こりにくくなる
ので、その取り扱いが容易になるとともにクッション材
等の余分な部材を節約する事ができる。
【0032】また、暫定的に一体に形成された両鉄心
1,2に、そのまま歪み取り焼鈍若しくは油焼き加熱が
行われるとともに、次の巻線・組立工程への輸送が行わ
れるので、両鉄心1,2が分割されている場合に比べ、
これらの工程における両鉄心1,2の占める空間容積が
半減する。このため、歪み取り焼鈍若しくは油焼き加熱
を行う際、収納容器(バスケット)に入る個数が増大す
るので、単位時間当たりの処理数を増やして効率の向上
とコストの低減を図ることができる。また、パレット詰
めによる輸送では、パレットに入る個数が増加するた
め、輸送コストを低減させることができる。また、その
他の取り扱いにおいても、その取り扱い効率を向上させ
ることができる。
【0033】更に、暫定的に一体に形成された両鉄心
1,2を巻線の直前で分割するようにしたので、分割さ
れた両鉄心1,2同士を再度一致するように組み合わせ
て嵌合させる管理が容易にできるようになる。このた
め、両鉄心1,2の嵌合のクリアランスが常に一定とな
って嵌合力が安定するので、嵌合不良や変形の発生が起
こりにくくなる。
【0034】[第2の実施形態]次に、図4及び図5に
より本発明の第2の実施形態について説明する。なお、
図4及び図5に示す本実施形態において、図1及び図3
に示す上記第1の実施形態と同一の構成部分には同一符
号を付し、詳細な説明は省略する。
【0035】本実施形態におけるプレス抜き後の巻線鉄
板10及び非巻線鉄板20の積層は、上記第1の実施形
態とは異なり、従来と同様にそれぞれ別個に行われる。
すなわち、図4に示すように、本実施形態においては、
複数枚の巻線鉄板10を積層固着して巻線鉄心1を形成
するとともに、非巻線鉄板20を巻線鉄板10の半分の
枚数ずつ積層固着して、図1に示す非巻線鉄心2を積層
方向に2分割した形態の一対の非巻線鉄心部材2A,2
Bを形成する。そして、これらの非巻線鉄心部材2A,
2Bを、巻線3を施した巻線鉄心1に対して積層方向に
順次(図4では2B、2Aの順に)嵌入して一体とし、
最終的に非巻線鉄心2A,2Bとして巻線鉄心1と嵌合
固着させる。
【0036】この場合、図5に示すように、巻線鉄心1
における巻線鉄板10のだれ面(プレス型による打ち抜
きで「だれ」が生ずる方の面(「かえり」が生ずる方と
は反対の面))18側と、非巻線鉄心部材2A,2Bの
だれ面28側とが向かい合うような向きで、非巻線鉄心
部材2A,2Bの嵌入が行われる。
【0037】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用について説明する。両鉄心1,2の圧入嵌合に要
する圧入力は、圧入された部分の積厚にほぼ比例して直
線的に増加して行くので、本実施形態のように非巻線鉄
板2を積層方向に2分割した形態の非巻線鉄心部材2
A,2Bを順次圧入するようにすれば、非巻線鉄心2を
一度に圧入する場合に比べ、最大圧入力をほぼ2分の1
にすることができる。
【0038】この場合、初めの非巻線鉄心部材2Bは、
巻線鉄心1に対して完全に挿入された後も巻線鉄心1の
反対側の端部(図4の実線で示す位置)に達するまで巻
線鉄心1上を移動されるが、その間も上記最大圧入力と
同等の圧入力で移動させることが可能である。
【0039】従って、本実施形態によれば、非巻線鉄心
2を一度に圧入する場合に比べて圧入能力の小さい簡便
な装置で圧入することができる。また、圧入による巻線
鉄心1及び非巻線鉄心2A,2Bの変形が生じにくくな
るので、両鉄心1、2A,2Bの寸法精度を高く保つこ
とができる。また、このことにより、寸法精度改善のた
めの修正加工等が不要となって、余分な工数の発生を回
避することができる。
【0040】なお、本実施形態において、非巻線鉄心2
を積層方向に2分割した形態の一対の非巻線鉄心部材2
A,2Bを圧入する場合について説明したが、非巻線鉄
板2を積層方向にn分割(nは3以上の自然数)した形
態のn個の非巻線鉄心部材を順次圧入するようにしても
よい。この場合は、非巻線鉄心2を一度に圧入する場合
に比べ、最大圧入力をほぼn分の1にすることができる
が、圧入作業の回数もn回に増加するため、圧入力と圧
入回数との兼ね合いで最適の分割数nを選定する必要が
ある。
【0041】[第3の実施形態]次に、図6及び図7に
より本発明の第3の実施形態について説明する。なお、
図6及び図7に示す本実施形態において、図4及び図5
に示す上記第2の実施形態と同一の構成部分には同一符
号を付し、詳細な説明は省略する。
【0042】図6及び図7に示すように、本実施形態に
おいては、上記第2の実施形態と同様に一対の非巻線鉄
心部材2A,2Bを形成するとともに、巻線鉄板10を
複数枚ずつ積層固着して、図1に示す巻線鉄心1を積層
方向に2分割した形態の一対の巻線鉄心部材1A,1B
を形成する。そして、これらの巻線鉄心部材1A,1B
を、各々の巻線鉄板10のだれ面18側が互いに積層方
向の反対側を向くように組合わせて再度一体化して巻線
鉄心1′を形成する。
【0043】そして、この巻線鉄心1′に巻線3を施し
た後、一対の非巻線鉄心部材2A,2Bを、巻線鉄心
1′の両端からそれぞれ嵌入して一体とし、最終的に非
巻線鉄心2A,2Bとして巻線鉄心1′と嵌合固着させ
る。この場合、図7に示すように、巻線鉄心1′におけ
る各巻線鉄心部材1A,1Bの巻線鉄板10のだれ面1
8側と、各非巻線鉄心部材2A,2Bのだれ面28側と
が向かい合うような向きで、非巻線鉄心部材2A,2B
の嵌入が行われる。
【0044】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用について説明する。本実施形態によれば、上記第
2の実施形態と同様の作用を奏するとともに、上記第2
の実施形態のように非巻線鉄心部材2A,2Bを巻線鉄
心1′の反対側の端部に達するまで移動させる必要がな
いため、両者1′、2A,2Bの切離し面14,24部
分における擦れによる鉄粉の発生を減少させることがで
きる。また、非巻線鉄心部材2A,2Bを巻線鉄心1′
の両端から同時に嵌入させることが可能となり、その場
合は、上記第2の実施形態のように非巻線鉄心部材2
A,2Bを順次嵌入させる場合に比べて工数を減らすこ
とができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、巻線鉄心
及び非巻線鉄心が暫定的に一体に形成されるので、両鉄
心が初めから分割された状態で形成される場合に比べ、
両鉄心が互いに切離し面同士で支え合って強度が強くな
る。このため、型からの取り出しや輸送による両鉄心の
変形が起こりにくくなるので、その取り扱いが容易にな
る。
【0046】請求項4記載の発明によれば、両鉄心の圧
入嵌合に要する圧入力は、圧入された部分の積厚にほぼ
比例して直線的に増加して行くので、非巻線鉄板を積層
方向に複数に分割した形態の非巻線鉄心部材を順次圧入
することにより、非巻線鉄心を一度に圧入する場合に比
べ、分割数に比例して最大圧入力を減少させることがで
きる。このため、非巻線鉄心を一度に圧入する場合に比
べて圧入能力の小さい簡便な装置で圧入することができ
る。また、圧入による巻線鉄心及び非巻線鉄心の変形が
生じにくくなるので、両鉄心の寸法精度を高く保つこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動機固定子の製造方法の第1の
実施形態における、暫定的に一体に形成された巻線鉄心
及び非巻線鉄心を示す斜視図。
【図2】図1に示す巻線鉄心及び非巻線鉄心の製造工程
を工程順に示す模式図。
【図3】本発明による電動機固定子の製造方法の第1の
実施形態において、図1に示す状態から電動機固定子が
完成するまでの工程を工程順に示す模式図。
【図4】本発明による電動機固定子の製造方法の第2の
実施形態を示す斜視図。
【図5】図4に示す非巻線鉄心部材と巻線鉄心との関係
を拡大して示す縦断面図。
【図6】本発明による電動機固定子の製造方法の第3の
実施形態を示す斜視図。
【図7】図6に示す非巻線鉄心部材と巻線鉄心との関係
を拡大して示す縦断面図。
【図8】(a)は、従来の電動機固定子の製造方法にお
ける巻線鉄心を示す斜視図、(b)は、同じく非巻線鉄
心を示す斜視図。
【図9】図8(a)に示す巻線鉄心に巻線を施した状態
を示す斜視図。
【図10】図8(b)に示す非巻線鉄心と図9に示す巻
線後の巻線鉄心とを一体化して電動機固定子を完成した
状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1,1′ 巻線鉄心 1A,1B 巻線鉄心部材 2 非巻線鉄心 2A,2B 非巻線鉄心部材 3 巻線 10 巻線鉄板 12 巻線突起部 14 切離し面 16 連結部 18 だれ面 20 非巻線鉄板 24 切離し面 28 だれ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深 川 勝 己 静岡県富士市蓼原336 株式会社東芝富士 工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一枚の鉄板を所定形状に打ち抜くと同時に
    相互の切離し面で切り離して形成される巻線鉄板及び非
    巻線鉄板を、各々複数枚ずつ積層固着して巻線鉄心及び
    非巻線鉄心を形成し、前記巻線鉄心への巻線後に、前記
    巻線鉄心及び非巻線鉄心を互いの前記前記巻線鉄板及び
    非巻線鉄板の切離し面にて嵌合して一体とする電動機固
    定子の製造方法であって、 前記巻線鉄板及び非巻線鉄板を形成する際に、互いに切
    り離された巻線鉄板及び非巻線鉄板をそのまま押し戻し
    て暫定的に一体の抜き板となし、 この一体の抜き板を複数枚ずつ積層固着して前記巻線鉄
    心及び非巻線鉄心を暫定的に一体に形成することを特徴
    とする電動機固定子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記暫定的に一体に形成された巻線鉄心及
    び非巻線鉄心を、そのまま歪み取り焼鈍若しくは油焼き
    加熱し、又は輸送する工程を含むことを特徴とする請求
    項1記載の電動機固定子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記暫定的に一体に形成された巻線鉄心及
    び非巻線鉄心を、前記巻線鉄心への巻線の直前に、互い
    の前記巻線鉄板及び非巻線鉄板の切離し面において分割
    することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機固定
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】一枚の鉄板を所定形状に打ち抜くと同時に
    相互の切離し面で切り離して形成される巻線鉄板及び非
    巻線鉄板を、各々複数枚ずつ積層固着して巻線鉄心及び
    非巻線鉄心を形成し、前記巻線鉄心への巻線後に、前記
    巻線鉄心及び非巻線鉄心を互いの前記巻線鉄板及び非巻
    線鉄板の切離し面にて嵌合して一体とする電動機固定子
    の製造方法であって、 前記非巻線鉄心を積層方向に複数に分割した形態の複数
    の非巻線鉄心部材を形成し、 これらの非巻線鉄心部材を、巻線後の前記巻線鉄心に対
    して積層方向に順次嵌入して一体とすることを特徴とす
    る電動機固定子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記巻線鉄心を積層方向に2分割した形態
    の一対の巻線鉄心部材を形成するとともに、この一対の
    巻線鉄心部材を、各々の前記巻線鉄板のだれ面側が互い
    に積層方向の反対側を向くように組合わせて再度一体化
    して巻線鉄心を形成し、 この巻線鉄心への巻線後に、前記複数の非巻線鉄心部材
    を前記巻線鉄心の両端から嵌入して一体とすることを特
    徴とする請求項4記載の電動機固定子の製造方法。
JP24912297A 1997-09-12 1997-09-12 電動機固定子の製造方法 Withdrawn JPH1198772A (ja)

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