JPH1193964A - 等速自在継手 - Google Patents
等速自在継手Info
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- JPH1193964A JPH1193964A JP26034097A JP26034097A JPH1193964A JP H1193964 A JPH1193964 A JP H1193964A JP 26034097 A JP26034097 A JP 26034097A JP 26034097 A JP26034097 A JP 26034097A JP H1193964 A JPH1193964 A JP H1193964A
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- JP
- Japan
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- joint member
- diameter surface
- constant velocity
- velocity universal
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- Pending
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D3/00—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
- F16D3/16—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
- F16D3/20—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
- F16D3/22—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts
- F16D3/223—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts
- F16D3/226—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts the groove centre-lines in each coupling part lying on a cylinder co-axial with the respective coupling part
- F16D3/227—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts the groove centre-lines in each coupling part lying on a cylinder co-axial with the respective coupling part the joints being telescopic
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D3/00—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
- F16D3/16—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
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- F16D2003/22303—Details of ball cages
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2250/00—Manufacturing; Assembly
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【解決課題】 保持器における材料コストの低減し、加
工工程の簡略化 【解決手段】 保持器４は、外側継手部材１の内径面１
ａに接触案内される球面状の外径面４ａと、内側継手部
材２の外径面２ａに接触案内される球面状の内径面４ｂ
と、トルク伝達ボール３を収容する複数のポケット４ｃ
とを備えた環体である。外径面４ａの球面中心と内径面
４ｂの球面中心とは、それぞれ、ポケット４ｃの中心に
対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされてい
る。保持器４は、炭素鋼を素材とし、所定形状に加工し
た後、熱処理としてオーステンパー処理を施し、さらに
必要に応じて、外径面４ａおよび内径面４ｂに精度確保
のための加工（研削加工等）を施して仕上げられる。
工工程の簡略化 【解決手段】 保持器４は、外側継手部材１の内径面１
ａに接触案内される球面状の外径面４ａと、内側継手部
材２の外径面２ａに接触案内される球面状の内径面４ｂ
と、トルク伝達ボール３を収容する複数のポケット４ｃ
とを備えた環体である。外径面４ａの球面中心と内径面
４ｂの球面中心とは、それぞれ、ポケット４ｃの中心に
対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされてい
る。保持器４は、炭素鋼を素材とし、所定形状に加工し
た後、熱処理としてオーステンパー処理を施し、さらに
必要に応じて、外径面４ａおよび内径面４ｂに精度確保
のための加工（研削加工等）を施して仕上げられる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械において、動力伝達用に使用される等速自在継手に
関する。
機械において、動力伝達用に使用される等速自在継手に
関する。
【０００２】
【従来の技術】等速自在継手には、大別して、２軸間の
角度変位のみを許容する固定型と、角度変位および軸方
向変位を許容する摺動型とがあり、それぞれ使用条件、
用途等に応じて機種選択される。固定型としてはツェッ
パー型等速自在継手、摺動型としてはダブルオフセット
型等速自在継手が代表的であり、いずれもトルク伝達部
材としてボールを用い、これを保持器のポケットに収容
している。
角度変位のみを許容する固定型と、角度変位および軸方
向変位を許容する摺動型とがあり、それぞれ使用条件、
用途等に応じて機種選択される。固定型としてはツェッ
パー型等速自在継手、摺動型としてはダブルオフセット
型等速自在継手が代表的であり、いずれもトルク伝達部
材としてボールを用い、これを保持器のポケットに収容
している。
【０００３】例えばダブルオフセット型等速自在継手で
は、外径面の球面中心と内径面の球面中心とが、それぞ
れ、ポケット中心から軸方向に等距離だけ反対側にオフ
セットされた構成の保持器が使用される。この種の継手
が作動角をとりつつ回転トルクを伝達する際、保持器
は、内側継手部材の傾きに応じてボールトラック上を移
動するトルク伝達ボールの位置まで回転し、トルク伝達
ボールを作動角の角度２等分面内に保持する。これによ
り、継手の等速性が確保される。また、外側継手部材と
内側継手部材とが軸方向に相対移動すると、保持器の外
径面と外側継手部材の内径面との間で滑りが生じ、円滑
な軸方向移動（プランジング）を可能にする。
は、外径面の球面中心と内径面の球面中心とが、それぞ
れ、ポケット中心から軸方向に等距離だけ反対側にオフ
セットされた構成の保持器が使用される。この種の継手
が作動角をとりつつ回転トルクを伝達する際、保持器
は、内側継手部材の傾きに応じてボールトラック上を移
動するトルク伝達ボールの位置まで回転し、トルク伝達
ボールを作動角の角度２等分面内に保持する。これによ
り、継手の等速性が確保される。また、外側継手部材と
内側継手部材とが軸方向に相対移動すると、保持器の外
径面と外側継手部材の内径面との間で滑りが生じ、円滑
な軸方向移動（プランジング）を可能にする。
【０００４】従来、上記のような等速自在継手の保持器
は、クロム鋼を素材として、所定形状に加工した後、強
度、耐久性、耐摩耗を確保するため浸炭処理を施し、さ
らに、精度を必要とする部分（外径面、内径面等）を研
削加工により所定の寸法に仕上げていた。
は、クロム鋼を素材として、所定形状に加工した後、強
度、耐久性、耐摩耗を確保するため浸炭処理を施し、さ
らに、精度を必要とする部分（外径面、内径面等）を研
削加工により所定の寸法に仕上げていた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来の等速自在継手の
保持器には、以下のような改良すべき点があった。
保持器には、以下のような改良すべき点があった。
【０００６】 浸炭処理で熱処理されるため、熱処理
変形が大きく、また、寸法のばらつきも安定しない。そ
のため、熱処理後、研削による仕上げ加工を行なう必要
があった。
変形が大きく、また、寸法のばらつきも安定しない。そ
のため、熱処理後、研削による仕上げ加工を行なう必要
があった。
【０００７】 ポケットの軸方向両側ポケット面は、
トルク伝達ボールの位置を制御する関係上、所要の精度
が必要とされるが、加工工程の簡略化を図るため、熱処
理後の研削加工を省略する場合が多い。その場合、熱処
理変形が大きいと、不良品とされ、そのために不良率が
大きかった。
トルク伝達ボールの位置を制御する関係上、所要の精度
が必要とされるが、加工工程の簡略化を図るため、熱処
理後の研削加工を省略する場合が多い。その場合、熱処
理変形が大きいと、不良品とされ、そのために不良率が
大きかった。
【０００８】 従来保持器は、材料の強度や耐久性、
耐摩耗性という面から、十分すぎる性能をもっており、
材料および加工工程の両面から再検討の余地がある。
耐摩耗性という面から、十分すぎる性能をもっており、
材料および加工工程の両面から再検討の余地がある。
【０００９】本発明は、等速自在継手の保持器における
材料コストの低減、加工工程の簡略化を図り、等速自在
継手のコストダウンを達成することその目的とする。
材料コストの低減、加工工程の簡略化を図り、等速自在
継手のコストダウンを達成することその目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、保持器の材質を炭素鋼とすると共に、熱
処理としてオーステンパー処理を採用した。
め、本発明は、保持器の材質を炭素鋼とすると共に、熱
処理としてオーステンパー処理を採用した。
【００１１】「炭素鋼」は、ＪＩＳに規定された機械構
造用炭素鋼（Ｓ１０Ｃ〜Ｓ５８Ｃ）の中から適宜選択し
たものを用いることができる。
造用炭素鋼（Ｓ１０Ｃ〜Ｓ５８Ｃ）の中から適宜選択し
たものを用いることができる。
【００１２】「オーステンパー処理」は、鋼のＳ曲線を
利用した一種の焼入れ法で、オーステナイト領域まで加
熱した鋼を、ベイナイト生成温度（Ｓ曲線の鼻の部分よ
り下の温度範囲）に保持した塩浴あるいは鉛−ビスマス
浴中に焼入れ、ここで組織が完全にベイナイトに変化す
るまで保持し、浴から取出して室温に冷却する熱処理法
である。熱浴における保持温度が高ければ、羽毛状組織
の上部ベイナイトが生成され、保持温度が低ければ、針
状組織の下部ベイナイトが生成される。
利用した一種の焼入れ法で、オーステナイト領域まで加
熱した鋼を、ベイナイト生成温度（Ｓ曲線の鼻の部分よ
り下の温度範囲）に保持した塩浴あるいは鉛−ビスマス
浴中に焼入れ、ここで組織が完全にベイナイトに変化す
るまで保持し、浴から取出して室温に冷却する熱処理法
である。熱浴における保持温度が高ければ、羽毛状組織
の上部ベイナイトが生成され、保持温度が低ければ、針
状組織の下部ベイナイトが生成される。
【００１３】オーステンパー処理は、浸炭等の熱処理に
比べて、処理品の熱処理変形が少ない。また、焼入れ・
焼戻しの二重の熱処理操作が一度で済むので、熱処理に
要する総時間が短い。さらに、オーステンパー処理を施
すことによって、炭素鋼の組織がベイナイトに変態し、
じん性に優れた材料となる。
比べて、処理品の熱処理変形が少ない。また、焼入れ・
焼戻しの二重の熱処理操作が一度で済むので、熱処理に
要する総時間が短い。さらに、オーステンパー処理を施
すことによって、炭素鋼の組織がベイナイトに変態し、
じん性に優れた材料となる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。
従って説明する。
【００１５】図１は、この実施形態に係わる摺動型等速
自在継手としてのダブルオフセット型等速自在継手を示
している。この等速自在継手は、円筒状の内径面１ａに
複数（例えば６本）の直線状の案内溝１ｂを軸方向に形
成した外側継手部材１と、球面状の外径面２ａに複数
（例えば６本）の直線状の案内溝２ｂを軸方向に形成し
た内側継手部材２と、外側継手部材１の案内溝１ｂと内
側継手部材２の案内溝２ｂとが協働して形成されるボー
ルトラックに配された複数（例えば６個）のトルク伝達
ボール３と、トルク伝達ボール３を保持する保持器４と
で構成される。
自在継手としてのダブルオフセット型等速自在継手を示
している。この等速自在継手は、円筒状の内径面１ａに
複数（例えば６本）の直線状の案内溝１ｂを軸方向に形
成した外側継手部材１と、球面状の外径面２ａに複数
（例えば６本）の直線状の案内溝２ｂを軸方向に形成し
た内側継手部材２と、外側継手部材１の案内溝１ｂと内
側継手部材２の案内溝２ｂとが協働して形成されるボー
ルトラックに配された複数（例えば６個）のトルク伝達
ボール３と、トルク伝達ボール３を保持する保持器４と
で構成される。
【００１６】図２に拡大して示すように、保持器４は、
外側継手部材１の内径面１ａに接触案内される球面状の
外径面４ａと、内側継手部材２の外径面２ａに接触案内
される球面状の内径面４ｂと、トルク伝達ボール３を収
容する複数（例えば６個）のポケット４ｃとを備えた環
体である。ポケット４ｃの円周方向両側には柱部４ｄが
あり、軸方向一方側には内側継手部材２を組入れるため
の入り口部４ｅがある。外径面４ａの球面中心と内径面
４ｂの球面中心とは、それぞれ、ポケット４ｃの中心に
対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされてい
る。
外側継手部材１の内径面１ａに接触案内される球面状の
外径面４ａと、内側継手部材２の外径面２ａに接触案内
される球面状の内径面４ｂと、トルク伝達ボール３を収
容する複数（例えば６個）のポケット４ｃとを備えた環
体である。ポケット４ｃの円周方向両側には柱部４ｄが
あり、軸方向一方側には内側継手部材２を組入れるため
の入り口部４ｅがある。外径面４ａの球面中心と内径面
４ｂの球面中心とは、それぞれ、ポケット４ｃの中心に
対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされてい
る。
【００１７】この継手が作動角θをとりつつ回転トルク
を伝達する際、保持器４は、内側継手部材２の傾きに応
じてボールトラック上を移動するトルク伝達ボール３の
位置まで回転し、トルク伝達ボール３を作動角θの角度
２等分面（θ／２）に保持する。これにより、継手の等
速性が確保される。また、外側継手部材１と内側継手部
材２とが軸方向に相対移動すると、保持器４の外径面４
ａと外側継手部材１の内径面１ａとの間で滑りが生じ、
円滑な軸方向移動（プランジング）を可能にする。
を伝達する際、保持器４は、内側継手部材２の傾きに応
じてボールトラック上を移動するトルク伝達ボール３の
位置まで回転し、トルク伝達ボール３を作動角θの角度
２等分面（θ／２）に保持する。これにより、継手の等
速性が確保される。また、外側継手部材１と内側継手部
材２とが軸方向に相対移動すると、保持器４の外径面４
ａと外側継手部材１の内径面１ａとの間で滑りが生じ、
円滑な軸方向移動（プランジング）を可能にする。
【００１８】保持器４は、炭素鋼を素材とし、図２に示
すような形状に加工した後、強度、耐久性、耐摩耗を確
保するため、熱処理としてのオーステンパー処理を施
し、さらに必要に応じて、外径面４ａおよび内径面４ｂ
に精度確保のための加工（研削加工等）を施して仕上げ
られる。例えば、炭素鋼としてＳ５３ｃ材を用い、オー
ステンパー処理の条件を（加熱炉において８８０°Ｃ×
１．５時間加熱）→（塩浴炉において３０５°Ｃ×２時
間保持）とすることができる。この処理条件によれば、
処理後の組織は下部ベイナイトになる。
すような形状に加工した後、強度、耐久性、耐摩耗を確
保するため、熱処理としてのオーステンパー処理を施
し、さらに必要に応じて、外径面４ａおよび内径面４ｂ
に精度確保のための加工（研削加工等）を施して仕上げ
られる。例えば、炭素鋼としてＳ５３ｃ材を用い、オー
ステンパー処理の条件を（加熱炉において８８０°Ｃ×
１．５時間加熱）→（塩浴炉において３０５°Ｃ×２時
間保持）とすることができる。この処理条件によれば、
処理後の組織は下部ベイナイトになる。
【００１９】保持器４の素材として、従来のクロム鋼に
代えて炭素鋼を使用することにより、材料コストを従来
より低減することができる。また、保持器４の熱処理と
して、従来の浸炭処理に代えてオーステンパー処理を採
用することにより、熱処理変形が従来より少なくなるの
で、熱処理後の精度確保のための加工（研削加工等）を
簡略化し又は省略することができる。例えば、ポケット
４ｃの軸方向両側ポケット面４ｃ１の熱処理後の研削加
工を省略することができ、その場合でも、熱処理変形が
少ないので、従来に比べて不良率は小さい。また、外径
面４ａおよび内径面４ｂの熱処理後の研削加工を、外側
継手部材１および内側継手部材２と接触する領域に限定
して行ったり、場合によっては省略することもできる。
さらに、オーステンパー処理を施すことにより、炭素鋼
の組織がベイナイトになるので、じん性に優れた材料と
なり、良好な耐久性が得られる。
代えて炭素鋼を使用することにより、材料コストを従来
より低減することができる。また、保持器４の熱処理と
して、従来の浸炭処理に代えてオーステンパー処理を採
用することにより、熱処理変形が従来より少なくなるの
で、熱処理後の精度確保のための加工（研削加工等）を
簡略化し又は省略することができる。例えば、ポケット
４ｃの軸方向両側ポケット面４ｃ１の熱処理後の研削加
工を省略することができ、その場合でも、熱処理変形が
少ないので、従来に比べて不良率は小さい。また、外径
面４ａおよび内径面４ｂの熱処理後の研削加工を、外側
継手部材１および内側継手部材２と接触する領域に限定
して行ったり、場合によっては省略することもできる。
さらに、オーステンパー処理を施すことにより、炭素鋼
の組織がベイナイトになるので、じん性に優れた材料と
なり、良好な耐久性が得られる。
【００２０】尚、本発明は、上述したダブルオフセット
型等速自在継手に限らず、ツェッパー型等速自在継手
（ボールフィックスドジョイント）にも同様に適用可能
である。すなわち、球面状の内径面に複数の曲線状の案
内溝を軸方向に形成した外側継手部材と、球面状の外径
面に複数の曲線状の案内溝を軸方向に形成した内側継手
部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝
とが協働して形成される複数のボールトラックにそれぞ
れ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保
持する保持器とを備え、ボールトラックが軸方向の一方
に向かって楔状に開いた等速自在継手において、保持器
を、オーステンパー処理を施した炭素鋼で形成すること
ができる。
型等速自在継手に限らず、ツェッパー型等速自在継手
（ボールフィックスドジョイント）にも同様に適用可能
である。すなわち、球面状の内径面に複数の曲線状の案
内溝を軸方向に形成した外側継手部材と、球面状の外径
面に複数の曲線状の案内溝を軸方向に形成した内側継手
部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝
とが協働して形成される複数のボールトラックにそれぞ
れ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保
持する保持器とを備え、ボールトラックが軸方向の一方
に向かって楔状に開いた等速自在継手において、保持器
を、オーステンパー処理を施した炭素鋼で形成すること
ができる。
【００２１】
【実施例】図２に示す形状の保持器について、炭素鋼の
オーステンパー処理品（実施例品）とクロム鋼の浸炭処
理品（従来品）の熱処理変形量を測定した。実施例品の
材質はＪＩＳ機械構造用炭素鋼Ｓ１５Ｃ、Ｓ３５Ｃ、Ｓ
５３Ｃの３種類とし、それぞれ、８７０℃で２５分間加
熱した後、３５０°Ｃの塩浴に入れて４０分間保持した
（オーステンパー処理）。従来品の材質はＪＩＳクロム
鋼ＳＣｒ４１５の１種類とし、浸炭処理を施した。試験
品は上記の４種類についてそれぞれ１０個づつ製作し、
各試験品の外径寸法、内径寸法、ポケットの軸方向寸法
を熱処理前と熱処理後にそれぞれ測定し、その寸法差を
熱処理変形量とした。その測定結果を図３〜図５に示
す。
オーステンパー処理品（実施例品）とクロム鋼の浸炭処
理品（従来品）の熱処理変形量を測定した。実施例品の
材質はＪＩＳ機械構造用炭素鋼Ｓ１５Ｃ、Ｓ３５Ｃ、Ｓ
５３Ｃの３種類とし、それぞれ、８７０℃で２５分間加
熱した後、３５０°Ｃの塩浴に入れて４０分間保持した
（オーステンパー処理）。従来品の材質はＪＩＳクロム
鋼ＳＣｒ４１５の１種類とし、浸炭処理を施した。試験
品は上記の４種類についてそれぞれ１０個づつ製作し、
各試験品の外径寸法、内径寸法、ポケットの軸方向寸法
を熱処理前と熱処理後にそれぞれ測定し、その寸法差を
熱処理変形量とした。その測定結果を図３〜図５に示
す。
【００２２】測定結果から明らかなように、実施例品の
熱処理変形量は、従来品に比べて、外径で１／２程度、
内径で１／５〜１／１０程度、ポケットの軸方向寸法で
１／５程度に縮小することが確認された。また、耐久性
試験を行ったところ、実施例品は良好な耐久性を示し、
特にＳ５３Ｃのオーステンパー処理品では従来品と同程
度の耐久性が得られることが確認された。
熱処理変形量は、従来品に比べて、外径で１／２程度、
内径で１／５〜１／１０程度、ポケットの軸方向寸法で
１／５程度に縮小することが確認された。また、耐久性
試験を行ったところ、実施例品は良好な耐久性を示し、
特にＳ５３Ｃのオーステンパー処理品では従来品と同程
度の耐久性が得られることが確認された。
【００２３】
【発明の効果】本発明は、以下に示す効果を有する。
【００２４】（１）保持器の素材として、従来のクロム
鋼に代えて炭素鋼を使用しているので、材料コストが従
来より低減する。
鋼に代えて炭素鋼を使用しているので、材料コストが従
来より低減する。
【００２５】（２）保持器の熱処理として、従来の浸炭
処理に代えてオーステンパー処理を採用しているので、
熱処理変形が従来より少なくなる。そのため、熱処理後
の精度確保のための加工（研削加工等）を簡略化し又は
省略することができる。
処理に代えてオーステンパー処理を採用しているので、
熱処理変形が従来より少なくなる。そのため、熱処理後
の精度確保のための加工（研削加工等）を簡略化し又は
省略することができる。
【００２６】（３）熱処理変形が少ないので、従来に比
べて不良率が低減する。
べて不良率が低減する。
【００２７】（４）オーステンパー処理を施すことによ
り、炭素鋼の組織がベイナイトになるので、じん性に優
れた材料となり、良好な耐久性が得られる。
り、炭素鋼の組織がベイナイトになるので、じん性に優
れた材料となり、良好な耐久性が得られる。
【００２８】（５）熱処理に要する総時間を従来より短
縮することが可能である。
縮することが可能である。
【００２９】（６）以上により、保持器のコスト低減、
ひいては等速自在継手のコスト低減を達成することがで
きる。
ひいては等速自在継手のコスト低減を達成することがで
きる。
【図１】本発明の実施形態に係わる等速自在継手を示す
縦断面図である。
縦断面図である。
【図２】保持器の拡大断面図である。
【図３】熱変形量の測定結果を示す図である。
【図４】熱変形量の測定結果を示す図である。
【図５】熱変形量の測定結果を示す図である。
１ 外側継手部材 １ａ 内径面 １ｂ 案内溝 ２ 内側継手部材 ２ａ 外径面 ２ｂ 案内溝 ３ トルク伝達ボール ４ 保持器
Claims (2)
- 【請求項１】 内径面に複数の案内溝を軸方向に形成し
た外側継手部材と、外径面に複数の案内溝を軸方向に形
成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継
手部材の案内溝とが協働して形成される複数のボールト
ラックにそれぞれ配されたトルク伝達ボールと、トルク
伝達ボールを保持する保持器とを備えた等速自在継手に
おいて、 前記保持器が、オーステンパー処理を施した炭素鋼で形
成されていることを特徴とする等速自在継手。 - 【請求項２】 外側継手部材の内径面に接触案内される
球面状の外径面と、内側継手部材の外径面に接触案内さ
れる球面状の内径面と、トルク伝達ボールを収容する複
数のポケットとを備え、オーステンパー処理を施した炭
素鋼で形成されていることを特徴とする等速自在継手の
保持器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26034097A JPH1193964A (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 等速自在継手 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26034097A JPH1193964A (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 等速自在継手 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1193964A true JPH1193964A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17346633
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26034097A Pending JPH1193964A (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 等速自在継手 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1193964A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006226412A (ja) * | 2005-02-17 | 2006-08-31 | Ntn Corp | 等速自在継手並びに等速自在継手用ケージ及びその製造方法 |
| JP2007071394A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Gkn Driveline Bruneck Ag | 等速ジョイントのためのケージおよびケージの製作方法 |
| WO2009030575A1 (de) * | 2007-09-04 | 2009-03-12 | Ex-Cell-O Gmbh | Fertigungsverfahren für einen kugelkäfig eines gelenks |
| WO2014021428A1 (ja) * | 2012-08-03 | 2014-02-06 | Ntn株式会社 | 等速自在継手用保持器およびこれを組み込んだ固定式等速自在継手、並びにこの固定式等速自在継手を組み込んだドライブシャフト |
-
1997
- 1997-09-25 JP JP26034097A patent/JPH1193964A/ja active Pending
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| US9816565B2 (en) | 2012-08-03 | 2017-11-14 | Ntn Corporation | Cage for constant velocity universal joint, fixed type constant velocity universal joint incorporating same, and drive shaft incorporating said fixed type constant velocity universal joint |
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