JPH10148216A - 等速自在継手 - Google Patents
等速自在継手Info
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- JPH10148216A JPH10148216A JP30676996A JP30676996A JPH10148216A JP H10148216 A JPH10148216 A JP H10148216A JP 30676996 A JP30676996 A JP 30676996A JP 30676996 A JP30676996 A JP 30676996A JP H10148216 A JPH10148216 A JP H10148216A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 等速自在継手の品質のより一層の向上、製造
工程の簡略化 【解決手段】 外側継手部材1は、中炭素鋼を材料とし
て、(a)熱間圧延の丸棒鋼→(b)丸棒切断→(c)
加熱→(d)亜熱間鍛造(予備成形)→(e)調質処理
→(f)ボンデ処理→(g)冷間鍛造(仕上成形)→
(h)旋削加工→(i)セレーション部転造→(j)熱
処理→(k)研削加工という工程を経て製造される。
工程の簡略化 【解決手段】 外側継手部材1は、中炭素鋼を材料とし
て、(a)熱間圧延の丸棒鋼→(b)丸棒切断→(c)
加熱→(d)亜熱間鍛造(予備成形)→(e)調質処理
→(f)ボンデ処理→(g)冷間鍛造(仕上成形)→
(h)旋削加工→(i)セレーション部転造→(j)熱
処理→(k)研削加工という工程を経て製造される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械において動力伝達用に使用される等速自在継手に関
する。
機械において動力伝達用に使用される等速自在継手に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のプロペラシャフトやド
ライブシャフトの連結用に種々の形式の等速自在継手が
使用されている。等速自在継手には、大別して、外側継
手部材と内側継手部材との間の角度変位のみを許容する
固定型と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動型
があり、前者にはボールフィックスドジョイント、後者
にはダブルオフセットジョイント、トリポードジョイン
ト、クロスグルーブジョイントが含まれる。等速自在継
手のうち、トリポードジョイントはトルク伝達部材とし
て球面ローラを用い、その他はトルク伝達部材としてボ
ールを用いている。
ライブシャフトの連結用に種々の形式の等速自在継手が
使用されている。等速自在継手には、大別して、外側継
手部材と内側継手部材との間の角度変位のみを許容する
固定型と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動型
があり、前者にはボールフィックスドジョイント、後者
にはダブルオフセットジョイント、トリポードジョイン
ト、クロスグルーブジョイントが含まれる。等速自在継
手のうち、トリポードジョイントはトルク伝達部材とし
て球面ローラを用い、その他はトルク伝達部材としてボ
ールを用いている。
【0003】従来、等速自在継手の外側継手部材は、鋼
材料を亜熱間鍛造によってほぼ所定形状に予備成形した
後、マウス部の内周面および案内溝を冷間鍛造(しごき
加工)によって最終形状・寸法に仕上成形していた。
材料を亜熱間鍛造によってほぼ所定形状に予備成形した
後、マウス部の内周面および案内溝を冷間鍛造(しごき
加工)によって最終形状・寸法に仕上成形していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の等速自在継手の
外側継手部材には次のような問題点があった。 (1)亜熱間鍛造後の素材組織はフェライト・パーライ
トであり、硬さ、引張り強さ、伸び等の機械的性質のば
らつきが大きく、安定していない。そのため、その後の
冷間鍛造によって仕上げられるマウス部の内面(内周面
および案内溝)は、素材組織が均一でないこともあっ
て、寸法精度が安定せず、ばらつきが大きい傾向にあっ
た。また、鍛造後の熱処理による変形量とそのばらつき
も大きい傾向にあった。そこで、従来は、外側継手部材
の完成品を多くの寸法ランクに層別し、内側継手部材お
よび保持器との組合せマッチングを行なっていたが、そ
のために、製造工程の複雑化につながっていた。 (2)マウス部の内周面および案内溝は耐摩耗性や耐フ
レーキング性を高めるため、またマウス部と一体成形さ
れる軸部(マウス部と軸部とを別体で製造する場合もあ
る。)はねじり強度を確保するため、熱処理によって所
定の表面硬度や硬化深さを得るようにしているが、素材
組織が均一でないことより、硬化深さのばらつきが大き
い傾向にあった。そのため、硬化深さの管理幅を拡大す
る必要があり、これが深焼きにつながる可能性もあっ
た。特に、軸部のセレーション部は、硬化深さによって
強度が支配されるが、強度向上のため無理に深焼すると
深部まで熱影響が及び、靭性を損ねたり、場合によって
は焼割れの可能性もある。 (3)寸法精度や熱処理状態がばらつくことにより、外
側継手部材ひいては等速自在継手の品質のばらつきにつ
ながる。
外側継手部材には次のような問題点があった。 (1)亜熱間鍛造後の素材組織はフェライト・パーライ
トであり、硬さ、引張り強さ、伸び等の機械的性質のば
らつきが大きく、安定していない。そのため、その後の
冷間鍛造によって仕上げられるマウス部の内面(内周面
および案内溝)は、素材組織が均一でないこともあっ
て、寸法精度が安定せず、ばらつきが大きい傾向にあっ
た。また、鍛造後の熱処理による変形量とそのばらつき
も大きい傾向にあった。そこで、従来は、外側継手部材
の完成品を多くの寸法ランクに層別し、内側継手部材お
よび保持器との組合せマッチングを行なっていたが、そ
のために、製造工程の複雑化につながっていた。 (2)マウス部の内周面および案内溝は耐摩耗性や耐フ
レーキング性を高めるため、またマウス部と一体成形さ
れる軸部(マウス部と軸部とを別体で製造する場合もあ
る。)はねじり強度を確保するため、熱処理によって所
定の表面硬度や硬化深さを得るようにしているが、素材
組織が均一でないことより、硬化深さのばらつきが大き
い傾向にあった。そのため、硬化深さの管理幅を拡大す
る必要があり、これが深焼きにつながる可能性もあっ
た。特に、軸部のセレーション部は、硬化深さによって
強度が支配されるが、強度向上のため無理に深焼すると
深部まで熱影響が及び、靭性を損ねたり、場合によって
は焼割れの可能性もある。 (3)寸法精度や熱処理状態がばらつくことにより、外
側継手部材ひいては等速自在継手の品質のばらつきにつ
ながる。
【0005】本発明は、外側継手部材の寸法精度、熱処
理状態のばらつきをなくし、等速自在継手の品質のより
一層の向上を図ると同時に、その製造工程の簡略化を図
ることを目的とする。
理状態のばらつきをなくし、等速自在継手の品質のより
一層の向上を図ると同時に、その製造工程の簡略化を図
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、亜熱間鍛造後、冷間鍛造前に素材の調
質処理を行なうこととした。調質処理としては、無酸化
調質処理を採用することができる。
め、本発明では、亜熱間鍛造後、冷間鍛造前に素材の調
質処理を行なうこととした。調質処理としては、無酸化
調質処理を採用することができる。
【0007】ここで、「調質処理」とは、焼入れ・高温
焼戻し処理を行なって素材組織をソルバイト(細粒フェ
ライト素地に微細な球状セメンタイトが一様に分散した
組織)のような均一な組織に改質することをいう。ま
た、「無酸化調質処理」とは、上記の調質処理を、素材
表面が酸化・脱炭しないよう所定の雰囲気下(例えば窒
素ガス雰囲気下)で行なうことをいう。
焼戻し処理を行なって素材組織をソルバイト(細粒フェ
ライト素地に微細な球状セメンタイトが一様に分散した
組織)のような均一な組織に改質することをいう。ま
た、「無酸化調質処理」とは、上記の調質処理を、素材
表面が酸化・脱炭しないよう所定の雰囲気下(例えば窒
素ガス雰囲気下)で行なうことをいう。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を摺動型等速自在継
手としてのダブルオフセット型等速自在継手に適用した
場合の実施形態について説明する。
手としてのダブルオフセット型等速自在継手に適用した
場合の実施形態について説明する。
【0009】図1に示す等速自在継手は、円筒状の内周
面1aに複数(例えば6本)の直線状の案内溝1bを軸
方向に形成したマウス部1Aを有する外側継手部材1
と、球面状の外周面2aに複数(例えば6本)の直線状
の案内溝2bを軸方向に形成した内側継手部材2と、外
側継手部材1の案内溝1bと内側継手部材2の案内溝2
bとが協働して形成されるボールトラックに配された複
数(例えば6個)のトルク伝達ボール3と、トルク伝達
ボール3を保持する保持器4とで構成される。保持器4
の外周面4aの球面中心と内周面4bの球面中心とが、
それぞれ、ポケット中心に対して軸方向に等距離だけ反
対側にオフセットされているので、ダブルオフセット型
と呼ばれている。
面1aに複数(例えば6本)の直線状の案内溝1bを軸
方向に形成したマウス部1Aを有する外側継手部材1
と、球面状の外周面2aに複数(例えば6本)の直線状
の案内溝2bを軸方向に形成した内側継手部材2と、外
側継手部材1の案内溝1bと内側継手部材2の案内溝2
bとが協働して形成されるボールトラックに配された複
数(例えば6個)のトルク伝達ボール3と、トルク伝達
ボール3を保持する保持器4とで構成される。保持器4
の外周面4aの球面中心と内周面4bの球面中心とが、
それぞれ、ポケット中心に対して軸方向に等距離だけ反
対側にオフセットされているので、ダブルオフセット型
と呼ばれている。
【0010】この種の等速自在継手が作動角をとりつつ
回転トルクを伝達する際、保持器4は、内側継手部材2
の傾きに応じてボールトラック上を移動するトルク伝達
ボール3の位置まで回転し、トルク伝達ボール3を作動
角の角度2等分面内に保持する。また、外側継手部材1
と内側継手部材2とが軸方向に相対移動すると、保持器
4の外周面4aと外側継手部材1の内周面1aとの間で
滑りが生じ、円滑な軸方向移動(プランジング)を可能
にする。
回転トルクを伝達する際、保持器4は、内側継手部材2
の傾きに応じてボールトラック上を移動するトルク伝達
ボール3の位置まで回転し、トルク伝達ボール3を作動
角の角度2等分面内に保持する。また、外側継手部材1
と内側継手部材2とが軸方向に相対移動すると、保持器
4の外周面4aと外側継手部材1の内周面1aとの間で
滑りが生じ、円滑な軸方向移動(プランジング)を可能
にする。
【0011】図2は、外側継手部材1を示している。外
側継手部材1はカップ状のマウス部1Aと軸部1Bとを
一体成形したもので、マウス部1Aの内面には、保持器
4の外周面4aと接触する内周面1aと、トルク伝達ボ
ール3と接触する案内溝1bとが形成され、軸部1Bの
軸端部分にはセレーション部(又はスプライン部)1c
が形成される。この外側継手部材1は、例えば、中炭素
鋼を材料として、次に示す(a)〜(k)の製造工程を
経て製造されたものである。
側継手部材1はカップ状のマウス部1Aと軸部1Bとを
一体成形したもので、マウス部1Aの内面には、保持器
4の外周面4aと接触する内周面1aと、トルク伝達ボ
ール3と接触する案内溝1bとが形成され、軸部1Bの
軸端部分にはセレーション部(又はスプライン部)1c
が形成される。この外側継手部材1は、例えば、中炭素
鋼を材料として、次に示す(a)〜(k)の製造工程を
経て製造されたものである。
【0012】(a)熱間圧延の丸棒鋼→(b)丸棒切断
→(c)加熱→(d)亜熱間鍛造(予備成形)→(e)
調質処理→(f)ボンデ処理→(g)冷間鍛造(仕上成
形)→(h)旋削加工→(i)セレーション部転造→
(j)熱処理→(k)研削加工 外側継手部材1を成形する鋼材料としては、例えば含有
炭素量0.45%〜0.58%の中炭素鋼(S48C、
S50C、S53C、S55C等)の熱間圧延材を用い
ることができる。そして、この中炭素鋼の熱間圧延材か
ら(d)亜熱間鍛造によってマウス部1Aおよび軸部1
Bをほぼ図2に示す形状に成形する。
→(c)加熱→(d)亜熱間鍛造(予備成形)→(e)
調質処理→(f)ボンデ処理→(g)冷間鍛造(仕上成
形)→(h)旋削加工→(i)セレーション部転造→
(j)熱処理→(k)研削加工 外側継手部材1を成形する鋼材料としては、例えば含有
炭素量0.45%〜0.58%の中炭素鋼(S48C、
S50C、S53C、S55C等)の熱間圧延材を用い
ることができる。そして、この中炭素鋼の熱間圧延材か
ら(d)亜熱間鍛造によってマウス部1Aおよび軸部1
Bをほぼ図2に示す形状に成形する。
【0013】前述したように、亜熱間鍛造後の素材組織
はフェライト・パーライトであり、均一化されていな
い。従来は、この状態で冷間鍛造を行なっていたのであ
るが、この実施形態では、熱間鍛造後の素材組織を均一
化すると同時に、材料歪みの除去と機械的性質の改善を
図るため、(f)ボンデ処理および(g)冷間鍛造の前
に、(e)素材の調質処理を行なう工程を付加してい
る。(e)調質処理は、焼入れ・高温焼戻し処理を行な
って素材組織をソルバイト(細粒フェライト素地に微細
な球状セメンタイトが一様に分散した組織)のような均
一な組織に改質する処理である。この実施形態では、素
材表面が酸化・脱炭しないよう所定の雰囲気下(例えば
窒素ガス雰囲気下)で調質処理を行なった(無酸化調質
処理)。(e)調質処理は、例えば、焼入れ温度800
〜900°C、焼戻し温度450〜650°Cで行なう
と良い。また、調質後の素材硬度(焼戻し温度と関係す
る)は、その後の冷間鍛造が可能なようにHRC18
(HB220)〜HRC33(HB311)で規定する
と良い。
はフェライト・パーライトであり、均一化されていな
い。従来は、この状態で冷間鍛造を行なっていたのであ
るが、この実施形態では、熱間鍛造後の素材組織を均一
化すると同時に、材料歪みの除去と機械的性質の改善を
図るため、(f)ボンデ処理および(g)冷間鍛造の前
に、(e)素材の調質処理を行なう工程を付加してい
る。(e)調質処理は、焼入れ・高温焼戻し処理を行な
って素材組織をソルバイト(細粒フェライト素地に微細
な球状セメンタイトが一様に分散した組織)のような均
一な組織に改質する処理である。この実施形態では、素
材表面が酸化・脱炭しないよう所定の雰囲気下(例えば
窒素ガス雰囲気下)で調質処理を行なった(無酸化調質
処理)。(e)調質処理は、例えば、焼入れ温度800
〜900°C、焼戻し温度450〜650°Cで行なう
と良い。また、調質後の素材硬度(焼戻し温度と関係す
る)は、その後の冷間鍛造が可能なようにHRC18
(HB220)〜HRC33(HB311)で規定する
と良い。
【0014】(e)調質処理を行なった素材は、亜熱間
鍛造後の素材(板状の炭化物を含むフェライト・パーラ
イト組織)に比べ、炭化物が球状化され、組織が均一化
されているため、破断延性、降伏強度、靭性等の機械的
性質に優れている。このような均一化組織の素材に対し
て冷間鍛造を行なうことによって、マウス部1Aの形状
・寸法を精度良く仕上げることができる。また、その後
の(j)熱処理における硬化深さの管理幅を従来よりも
小さくすることができ、特に軸部1Bの深焼による靭性
低下等の心配を解消することができる。さらに、(j)
熱処理によるマウス部1Aの変形と歪みが抑制されるの
で、精度が一層向上する。
鍛造後の素材(板状の炭化物を含むフェライト・パーラ
イト組織)に比べ、炭化物が球状化され、組織が均一化
されているため、破断延性、降伏強度、靭性等の機械的
性質に優れている。このような均一化組織の素材に対し
て冷間鍛造を行なうことによって、マウス部1Aの形状
・寸法を精度良く仕上げることができる。また、その後
の(j)熱処理における硬化深さの管理幅を従来よりも
小さくすることができ、特に軸部1Bの深焼による靭性
低下等の心配を解消することができる。さらに、(j)
熱処理によるマウス部1Aの変形と歪みが抑制されるの
で、精度が一層向上する。
【0015】上記製造工程において、(f)ボンデ処理
(ボンデライト処理)は、マウス部1Aや軸部1Bの表
面に不溶性のリン酸マンガンやリン酸亜鉛を含むリン酸
塩被膜を生成する処理である。(g)冷間鍛造は、しご
き加工によってマウス部1Aを成形する加工である。マ
ウス部1Aの内面(内周面1aおよび案内溝1b)は、
(g)冷間鍛造によって最終形状・寸法に仕上げられ
る。(h)旋削加工は、図2に破線で示した部分(全
周)、すなわち、マウス部1Aの開口側端部の内周(止
め輪溝の周辺部)・端面・外周(ブーツ装着部の周辺
部)、および、マウス部1Aの底側端部の外周から軸部
1Bの軸端面にかけて行なう。その後、軸部1Bのセレ
ーション部1cを(i)転造によって成形し、(j)熱
処理を行なう。(j)熱処理としては例えば高周波焼入
を採用することができ、図2にクロスハッチングで示し
た部分(全周)、すなわち、マウス部1Aの内周面1a
および案内溝1b、マウス部1Aと軸部1Bとの境界領
域から軸部1Bのセレーション部1cにかけて行なう。
(k)研削加工は、図2に二点鎖線で示した部分(全
周)、すなわち、マウス部1Aと軸部1Bとの境界領域
から軸部1Bの外周一部(軸受などが装着される部分)
にかけて行なう。
(ボンデライト処理)は、マウス部1Aや軸部1Bの表
面に不溶性のリン酸マンガンやリン酸亜鉛を含むリン酸
塩被膜を生成する処理である。(g)冷間鍛造は、しご
き加工によってマウス部1Aを成形する加工である。マ
ウス部1Aの内面(内周面1aおよび案内溝1b)は、
(g)冷間鍛造によって最終形状・寸法に仕上げられ
る。(h)旋削加工は、図2に破線で示した部分(全
周)、すなわち、マウス部1Aの開口側端部の内周(止
め輪溝の周辺部)・端面・外周(ブーツ装着部の周辺
部)、および、マウス部1Aの底側端部の外周から軸部
1Bの軸端面にかけて行なう。その後、軸部1Bのセレ
ーション部1cを(i)転造によって成形し、(j)熱
処理を行なう。(j)熱処理としては例えば高周波焼入
を採用することができ、図2にクロスハッチングで示し
た部分(全周)、すなわち、マウス部1Aの内周面1a
および案内溝1b、マウス部1Aと軸部1Bとの境界領
域から軸部1Bのセレーション部1cにかけて行なう。
(k)研削加工は、図2に二点鎖線で示した部分(全
周)、すなわち、マウス部1Aと軸部1Bとの境界領域
から軸部1Bの外周一部(軸受などが装着される部分)
にかけて行なう。
【0016】以上、本発明をダブルオフセット型等速自
在継手に適用した場合の実施形態について説明したが、
本発明はボールフィックスドジョイント、トリポードジ
ョイント、クロスグルーブジョイント等、特にそれらの
外側継手部材にも同様に適用可能である。
在継手に適用した場合の実施形態について説明したが、
本発明はボールフィックスドジョイント、トリポードジ
ョイント、クロスグルーブジョイント等、特にそれらの
外側継手部材にも同様に適用可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明は以下に示す効果を有する。 (1)亜熱間鍛造後、調質処理によって素材組織を均一
化した状態で冷間鍛造を行なうので、鍛造成形後のマウ
ス部の内面の寸法精度が向上する。 (2)調質処理によって素材組織が均一化されるので、
熱処理後の寸法変化、歪み、および硬化深さのばらつき
が抑制される。 (3)マウス部の寸法精度が向上することにより、内側
継手部材および保持器とのマッチングの組合せ数が減少
し、製造工程が簡略化する。 (4)熱処理における硬化深さの管理幅を従来より小さ
くすることができるので、熱処理時間の短縮につながる
と同時に、深焼きの心配も解消することができる。ま
た、硬化深さのばらつきが抑制されることにより、強
度、耐久性に対する信頼性が向上する。 (5)素材のコア部の組織が均一化されことにより、外
側継手部材の強度、耐久性の向上につながる。 (6)以上により、等速自在継手の品質のより一層の向
上、および、製造工程の簡略化を図ることができる。
化した状態で冷間鍛造を行なうので、鍛造成形後のマウ
ス部の内面の寸法精度が向上する。 (2)調質処理によって素材組織が均一化されるので、
熱処理後の寸法変化、歪み、および硬化深さのばらつき
が抑制される。 (3)マウス部の寸法精度が向上することにより、内側
継手部材および保持器とのマッチングの組合せ数が減少
し、製造工程が簡略化する。 (4)熱処理における硬化深さの管理幅を従来より小さ
くすることができるので、熱処理時間の短縮につながる
と同時に、深焼きの心配も解消することができる。ま
た、硬化深さのばらつきが抑制されることにより、強
度、耐久性に対する信頼性が向上する。 (5)素材のコア部の組織が均一化されことにより、外
側継手部材の強度、耐久性の向上につながる。 (6)以上により、等速自在継手の品質のより一層の向
上、および、製造工程の簡略化を図ることができる。
【図1】実施形態に係わるダブルオフセット型等速自在
継手を示す断面図である。
継手を示す断面図である。
【図2】外側継手部材を示す断面図である。
1 外側継手部材 1A マウス部 1a 内周面 1b 案内溝 2 内側継手部材 3 トルク伝達ボール 9
Claims (6)
- 【請求項1】 内周面に複数の案内溝を形成したマウス
部を有する外側継手部材と、外側継手部材のマウス部に
組み入れられた内側継手部材と、外側継手部材の案内溝
と内側継手部材との間に介在する複数のトルク伝達部材
とを含み、外側継手部材と内側継手部材とが相対的な角
度変位、又は、角度変位および軸方向変位をとることが
できる等速自在継手において、 前記外側継手部材が、鋼材料から亜熱間鍛造によってほ
ぼ所定形状に予備成形された後、調質処理を経て、前記
マウス部の内周面および案内溝を冷間鍛造によって最終
形状および寸法に仕上成形された等速自在継手。 - 【請求項2】 前記調質処理が無酸化調質処理である請
求項1記載の等速自在継手。 - 【請求項3】 内周面に複数の案内溝を形成したマウス
部を有し、鋼材料から亜熱間鍛造によってほぼ所定形状
に予備成形された後、調質処理を経て、前記マウス部の
内周面および案内溝を冷間鍛造によって最終形状および
寸法に仕上成形された等速自在継手の外側継手部材。 - 【請求項4】 前記調質処理が無酸化調質処理である請
求項3記載の等速自在継手の外側継手部材。 - 【請求項5】 内周面に複数の案内溝を形成したマウス
部を有する等速自在継手の外側継手部材の製造方法であ
って、 鋼材料から亜熱間鍛造によってほぼ所定形状に予備成形
し、さらに調質処理を行なった後、前記マウス部の内周
面および案内溝を冷間鍛造によって最終形状および寸法
に仕上成形する等速自在継手の外側継手部材の製造方
法。 - 【請求項6】 前記調質処理が無酸化調質処理である請
求項5記載の等速自在継手の外側継手部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30676996A JPH10148216A (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | 等速自在継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30676996A JPH10148216A (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | 等速自在継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10148216A true JPH10148216A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17961072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30676996A Withdrawn JPH10148216A (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | 等速自在継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10148216A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6749517B2 (en) | 2000-08-22 | 2004-06-15 | Nsk Ltd. | Wheel drive unit |
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