JPH1193768A - 内燃機関用ピストン及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用ピストン及びその製造方法

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JPH1193768A
JPH1193768A JP25802197A JP25802197A JPH1193768A JP H1193768 A JPH1193768 A JP H1193768A JP 25802197 A JP25802197 A JP 25802197A JP 25802197 A JP25802197 A JP 25802197A JP H1193768 A JPH1193768 A JP H1193768A
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piston
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copper
annular recess
silicon
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JP25802197A
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Masato Sasaki
正登 佐々木
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再溶融合金部の脆弱化を防止しつつ、耐摩耗
性の向上を図る。 【解決手段】 ピストン本体1のトップリング溝に対応
する位置に環状凹部10を形成し、この環状凹部内に、
ピストン本体のアルミニウム合金中のシリコン量(1
2.1重量%)よりも少ないシリコン量(0.15重量
%)を含有するアルミニウム合金線材13と無酸素銅線
材12とを組み合わせて巻き付け嵌挿する。その後、環
状凹部周壁と前記両線材とを電子ビーム照射により再溶
融して、冷却後の再溶融合金部の外周にトップリング溝
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関用ピストン及び該ピストンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知にように、近時、自動車用内燃機関
のピストンにあっては、高出力化高性能化の要請に伴い
軽量化を図るべくその材質を鋳鉄に代えてアルミニウム
合金で形成しており、また、シリンダボアの内壁面と対
向する外周面は、ピストンリングが装着される複数のピ
ストンリング溝が形成されている。さらに、このピスト
ンリング溝のうち燃焼室に最も近いトップリング溝は、
特に高温に晒され、かつ燃焼圧力を直接受けるため、ピ
ストンリング(トップリング)との摩耗が激しい。この
ため、トップリング溝とトップリングとの間には、アル
ミ凝着が発生し易くなる。
【0003】そこで、斯かるアルミ凝着を防止する種々
の技術が開発されており、例えば(1)トップリング溝
の表面部に無機繊維集合体を複合させて強化するもの
(特開昭59−201953号公報)や、(2)In−
SituプロセスによるハイブリッドMMC(金属基複
合材料)をピストンへ応用するもの(自動車技術198
9−5.NO891056)、(3)トップリング溝の
表面部にニッケル多孔体を複合させて強化するもの(特
公平3−30708号公報)などがある。また、(4)
トップリング溝の表面部をアルマイト処理層により強化
したり(特開平1−190951号公報)、(5)トッ
プリング溝部分にニレジスト鋳鉄をアルフィン処理して
アルミニウム合金に鋳ぐるんでリング支持部材とするも
のや、更には、(6)アルミニウム合金のピストン本体
のリング溝位置に環状凹部を形成し、その凹部に銅線を
埋め込み電子ビームの熱源によって銅線とアルミニウム
ピストン素材とを溶融合金化するもの(三菱自動車19
88,NO1「テクニカルレビュー」,特開平2−12
5952号)などの多くの改良技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
従来例には、以下のような欠点がある。即ち、(1),
(2),(3)の従来例にあっては、無機繊維材等の材
料上の点からその成形法として高圧凝固法を用いなけれ
ばならない。したがって、製造コストの上昇が余儀なく
されるばかりか、ピストンの形状が制約されてしまう。
【0005】また、(4)の従来例にあっては、アルマ
イト処理層によりピストンリングとの耐凝着性は向上す
るものの、耐摩耗性が不十分になる。
【0006】また、(5)の従来例は、最も古くから行
われている技術であり、耐摩耗性や耐凝着性は確保でき
るものの、鋳鉄製であるため、重量の増加が余儀なくさ
れる。
【0007】さらに、(6)の手法によって得られる銅
を含有したアルミ合金の合金化層において、その合金層
中の銅の含有量は銅線の量によってかわるが、その銅の
含有量には上限値がある。すなわち、銅量がある限界を
超えると溶融合金化した合金部に割れが入る。したがっ
て、銅の増加量と共に耐摩耗性が向上することがわかっ
ていても大量に添加することができなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の各従来
例における実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記
載の発明は、少なくともシリコンを含むアルミニウム合
金からなるピストン本体の外周に複数のピストンリング
溝が形成されてなる内燃機関用ピストンにおいて、前記
ピストン本体のピストンリング溝の少なくともトップリ
ング溝に対応する位置に環状凹部を形成し、この環状凹
部内に、アルミニウム合金材と銅材とを組み合わせて嵌
合し、該両部材と前記環状凹部周壁とを高エネルギー密
度の熱源により再溶融すると共に、該再溶融部の外周に
前記ピストンリング溝を形成したことを特徴としてい
る。
【0009】請求項2記載の発明は、前記アルミニウム
合金材と銅材とを線材で形成したことを特徴としてい
る。
【0010】請求項3記載の発明は、前記アルミニウム
合金材を線材で形成する一方、銅材を管材で形成して両
者を複合するか、あるいは前記アルミニウム合金材を管
材で形成する一方、銅材を線材で形成して両者を複合し
たことを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、前記アルミニウム
合金材と銅材とを溶解して合金材を鋳造し、該鋳造合金
材を前記環状凹部に嵌合したことを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明は、少なくともシリコ
ンを含むアルミニウム合金からなるピストン本体の外周
に複数のピストンリング溝が形成されてなる内燃機関用
ピストンの製造方法において、前記ピストン本体となる
ピストン母材の少なくともトップリング溝に対応する位
置に環状凹部を形成する第1工程と、この環状凹部内
に、アルミニウム合金材と銅材とを組み合わせて嵌合す
る第2工程と、該両部材と環状凹部周壁とを高エネルギ
ー密度の熱源により再溶融して再溶融部を形成する第3
工程と、該再溶融部の外周にピストンリング溝を形成す
る第4工程とから構成したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】前記構成の本発明によれば、銅材
だけではなくアルミニウム合金材を複合材として用いた
ため、ピストンリング溝に対応した位置に形成された再
溶融合金部内にピストン本体から混入されるシリコン量
を少なく抑制することができるため、再溶融合金部内に
銅を大量に含有させることができる。すなわち、本発明
は、再溶融合金部内のシリコン含有量を少なく抑制する
ことによって脆弱化を防止して再溶融合金部に割れを起
こすことなく銅をより多く含有させて耐摩耗性を向上さ
せることができることを見い出した。
【0014】具体的に説明すれば、再溶融合金部中の銅
とシリコン量による再溶融合金化部の割れ発生領域を求
めた結果、図10のようになることがわかった。
【0015】例えば、アルミニウムに12重量%のシリ
コンと1重量%の銅を含むJISAC8Aのピストン素
材の場合、従来の銅線だけで銅を合金化した場合、図1
0の直線Aに示すように銅の増量とともにシリコンの重
量%はやや減少していく。そして、銅が約37重量%に
達すると脆弱化が進んで再溶融合金部に割れが発生し、
これ以上の銅の添加ができなくなる。
【0016】そこで、銅と、ピストン素材中のシリコン
量よりも少ないシリコン量を含むあるいはシリコン量が
零のアルミ合金線材とを溶融合金化することによって、
成形できた合金部中のシリコン量を従来例(6)のよう
に銅ワイヤーのみを合金化させた場合と比べて十分に低
くすることができる。これは、アルミニウム合金線材の
アルミニウム成分がピストン本体から再溶融合金部への
シリコンの移動混入量を少なく抑制するからである。
【0017】したがって、図10から明らかなように、
シリコンの含有量が減った分、銅量を増加することが可
能となり、例えば再溶融合金部中のシリコン量を3%に
なるようにすると、銅量は約45%まで添加しても割れ
の発生は無い。
【0018】しかし、実際は割れ発生限界領域に近い銅
量を添加した場合では、割れの発生は無いが再溶融合金
部が非常に脆くなっており、合金化の後のむ熱処理での
割れ発生や、再溶融合金部への機械的負荷により該再溶
融合金部が欠け、破壊や摩耗量の増大につながる。
【0019】したがって実用上、銅量の最大値は割れ発
生限界銅量−10重量%が好ましい。また、耐摩耗性は
銅量が支配的で、シリコン量の寄与は小さい。したがっ
て、割れを発生させることなく銅量を増大させると耐摩
耗性が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて詳
述する。図1〜図2は本発明に係る内燃機関用ピストン
の断面図を示し、このピストンは、ピストン本体1がア
ルミニウム合金製(JIS AC8A−T6)で略円筒
状に形成され、燃焼室に臨む冠部2と、該冠部2の下部
に有するリングランド部3の外周面に形成された3つの
ピストンリング溝4,5,6と、該各トップ,セカン
ド,オイルリング溝4〜6に嵌着されるピストンリング
7,8,9とを備えている。
【0021】前記複数のピストンリング溝4,5,6の
うち、トップリング溝4は次のようにして形成される。
【0022】まず、図3A,B及び図4に示すように、
ピストン本体1のトップリング溝4を形成すべき冠部2
の外周に深さ6mm,幅6mmの環状凹部10を形成し(第
1工程)、この環状凹部10内に、図4にも示すように
直径1.6mmのJIS C1020の無酸素銅線12と
直径1.5mmJIS A1070アルミニウムワイヤー
13との複合線材11を巻き付けて嵌挿する(第2工
程)。
【0023】ここで、前記ピストン本体1は、以下の表
1に示すようなAl(アルミニウム)をべースとして、
Si(シリコン)、Fe(鉄),Cu(銅),Ni(ニ
ッケル),Mn(マンガン),Mg(マグネシウム),
Zn(亜鉛),Ti(チタン)が夫々所定量含有されて
形成されている。
【0024】
【表1】
【0025】また、アルミニウムワイヤー13は、以下
の表2に示すように、Ni(ニッケル)を抜いた以外は
ピストン本体1と同一の成分から形成されており、Si
(シリコン)含有量が0.15重量%であって、ピスト
ン本体1のSi(シリコン)量は12.1重量%よりも
十分に少ない。
【0026】
【表2】
【0027】次ぎに、図3Cに示すように、真空雰囲気
中で電子ビーム14を照射して複合線材11及びその近
傍のピストン本体1のアルミニウム合金母材つまり環状
凹部10周壁を局部的に溶融し、ピストン本体1のアル
ミニウム合金中に複合線材11のアルミニウム合金と銅
を溶融拡散させてアルミニウム合金−銅の再溶融合金部
15を形成する(第3工程)。
【0028】前記電子ビーム14の照射は、ピストン本
体1を緩速度で回転させつつ実施される。したがって、
電子ビーム14照射後、つまり、電子ビーム14が通過
した後、再溶融合金部15はアルミニウム合金の母材に
よって急速に冷却され、アルミニウムと銅の金属間化合
物が微細に生成される。また、電子ビーム14はエネル
ギー密度が高いため、再溶融部分にはSi(シリコン)
等の成分が均一に分散され、均質な再溶融合金部15が
得られる。
【0029】その後、図3Dに示すように、再溶融合金
部15部分にトップリング溝4を形成する(第4工
程)。
【0030】そして、前記再溶融合金部15の合金層内
の銅とSi(シリコン)の含有量は表3に示すように銅
が35重量%で、シリコンが3重量%となり、銅のみを
添加した従来例(6)などの場合に比較して、シリコン
含有量を十分に少なくできる。
【0031】
【表3】
【0032】すなわち、ピストン本体1の素材中のシリ
コン含有量は本実施例と従来例では同じく12.1重量
%(表1参照)であるすると、本実施例では複合線材1
1中にシリコン含有量が0.15重量%のアルミニウム
合金線材が存在するため、前述の再溶融時には再溶融合
金部15内ではピストン本体1内のシリコンが希釈化さ
れて、約3重量%となる。これは、ピストン本体1内の
シリコン(Si)は、複合線材11のアルミニウム合金
ワイヤー13のアルミニウム成分等によって再溶融合金
部15への混入が少なく抑制されるため、3重量%に抑
えることができるのである。これに対し、従来例(6)
では単に銅線材のみをピストン本体のアルミニウム合金
と溶融させるだけであるため、ピストン本体側のシリコ
ン移動混入が十分に抑制できず、再溶融合金部内のシリ
コン含有量は約9.5重量%あるいは7.8重量%となっ
て比較的多くなってしまう。
【0033】一方、再溶融合金部の銅とシリコンの相対
的な含有量による該合金部の割れ限界値は、前述の図7
に示すように、シリコン含有量が少ないほど小さくなる
が、前記従来例(6)ではシリコン含有量が9.5ある
いは7.8重量%となるため、割れ発生領域は銅含有量
が約37〜34重量%が限界値となる。これに対して本
実施例では、シリコン含有量を約3重量%に抑えること
ができるため、銅を割れの限界値である約45重量%ま
で含有させることができる。
【0034】したがって、本実施例ではシリコン含有量
を少なく抑えることができることにより、銅の含有量を
多くすることが可能になるため、トップリング溝4周面
の脆弱化を防止しつつ耐摩耗性を一段と向上させること
ができる。
【0035】また、本発明の第2実施例として、図5に
示すように第1実施例と同じ深さ,幅の環状凹部10内
に、直径6mm,肉厚0.35mmの銅管12と第1実施例
と同一成分の直径5.3mmのアルミニウム線材13との
複合材11を巻き付けて嵌挿し、その後第1実施例と同
様に電子ビームを照射して再溶融合金部を形成する。
【0036】さらに、第3実施例としては、図6に示す
ように同じ環状凹部10内に、第1実施例と同様な成分
のアルミニウム合金59重量%,銅41重量%のアルミ
ニウム銅合金を鋳造によって形成された複合材11を充
填し、その後電子ビームを照射して再溶融合金部を形成
する。
【0037】第4実施例としては、複合材11を、図7
に示すように直径6mm,肉厚0.35mmの銅管12内
に、第1実施例に示すアルミニウム線材と同一成分のア
ルミニウム合金材13にて構成し、この複合材11を環
状凹部10内に巻装固定し、その後、電子ビームを照射
して再溶融合金部を形成するようにしたものである。
【0038】第5実施例としては、図8に示すように環
状凹部10の底面中央位置に小巾な第2の環状凹部10
aを予め形成しておき、この第2の環状凹部10a内に
直径約3mmの銅材12を嵌挿して巻き付け、その後、直
径約6mmのアルミニウム合金材13を環状凹部10内に
嵌挿して巻き付ける。これによって、複合材11を構成
した。その後、前述と同様に電子ビームを照射して再溶
融合金部を形成するようにしたものである。
【0039】第6実施例としては、図9A,Bに示すよ
うに基本的に第5実施例と同様、複合材11である銅材
12とアルミニウム合金材13を第2環状凹部10aと
環状凹部10に別々に巻き付けるが、環状凹部10の巾
が約8mm程度に設定され、第2環状凹部10aの深さが
第5実施例のものよりも浅く設定されている。また、ア
ルミニウム合金材13の直線も約8mmに設定されてい
る。そして、銅材12とアルミニウム合金材13を巻き
付けた後には、図9Bに示すように環状凹部10からは
み出ているアルミニウム合金材13の外周部13aを押
し潰して変形させて、第2環状凹部10a内の隙間10
bと銅材12とアルミニウム合金材13との間の隙間1
0aを減少させる。その後、前述と同様に電子ビームを
照射して再溶融合金部を形成するようにしたものであ
る。
【0040】第5,第6実施例は、銅材12とアルミニ
ウム合金材13を夫々別個に各環状凹部10,10a内
に巻き付けるようにしたため、前記他の実施例の場合よ
りも作業が容易であり、作業能率が向上した。
【0041】これら、第2〜第6の実施例によっても第
1実施例と同様な成分の再溶融合金部を形成することが
できる。
【0042】次に、前記実施例の再溶融合金部15と従
来例の再溶融合金部の摩耗試験結果について説明する。
【0043】耐摩耗性の評価方法は、図11示す装置を
用いて行った。即ち、図外のモータで回転する回転台5
0上にピストンリング7を固定して、この上部にヒータ
51の下端に固定されたテストピース52を押し付けて
摩耗させる。このテストピース52は、ピストン本体1
のリング溝から切り出したアルミニウム合金部材(再溶
融合金部)である。この方法における温度,潤滑状態等
の試験条件は実際のエンジンのピストンと相関性のある
ものとした。評価は、試験後の摩耗深さで行った。
【0044】この試験結果は、表3に示すように第1〜
第3実施例のものは約5μmの摩耗量となったのに対
し、前記従来例1,2にあっては、52μm,115μ
mの大きな摩耗量となり、特に本実施例と同じ銅含有量
とした従来例2では試験途中で微少な割れが発生して、
試験の継続が不可能になった。
【0045】この試験結果から明らかなように、本実施
例では、シリコン量を減少させることが可能になったこ
とから割れの限界値が高くなり、その分、銅の含有量を
多くすることができるため、耐摩耗性が従来例のものに
比較して十分に高くなることが明らかである。
【0046】本発明は、前記各実施例に限定されるもの
ではなく、アルミニウム合金材と銅材との複合材の成形
をいろいろな手法で成形することが可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、ピストン本体の環状凹部に嵌挿される複合材を
銅のほかに、アルミニウム合金材をも一緒に組み合わせ
たため、高エネルギー源で溶融された再溶融合金部のシ
リコン含有量を十分に少なくすることができるため強度
を確保しながら、銅の含有量を増加することができるの
で耐摩耗性の大巾な向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に供されるピストンの要部断
面図。
【図2】ピストンの縦断面図。
【図3】A〜Dはピストンの製造工程を示す要部拡大
図。
【図4】第1実施例の要部拡大断面図。
【図5】第2の実施例の要部拡大断面図。
【図6】第3の実施例の要部拡大断面図。
【図7】第4の実施例を示す要部拡大断面図。
【図8】第5の実施例を示す要部拡大断面図。
【図9】A,Bは第6実施例による製造工程の一部を示
す要部断面図。
【図10】シリコンと銅の相対的な含有量による割れ限
界領域を示す特性図。
【図11】耐摩耗性のテスト装置を示す概略図。
【符号の説明】
1…ピストン本体 2…冠部 3…リングランド部 4…トップリング溝 7…トップリング 10…環状凹部 11…複合線材 12…銅線(銅管) 13…アルミニウムワイヤー(アルミニウム線材) 14…電子ビーム 15…再溶融合金部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシリコンを含むアルミニウム
    合金からなるピストン本体の外周に複数のピストンリン
    グ溝が形成されてなる内燃機関用ピストンにおいて、 前記ピストン本体のピストンリング溝の少なくともトッ
    プリング溝に対応する位置に環状凹部を形成し、この環
    状凹部内に、アルミニウム合金材と銅材とを組み合わせ
    て嵌合し、該両部材と前記環状凹部周壁とを高エネルギ
    ー密度の熱源により再溶融すると共に、該再溶融部の外
    周に前記ピストンリング溝を形成したことを特徴とする
    内燃機関用ピストン。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム合金材と銅材とを線材
    で形成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用
    ピストン。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム合金材を線材で形成す
    る一方、銅材を管材で形成して両者を複合するか、ある
    いは前記アルミニウム合金材を管材で形成する一方、銅
    材を線材で形成して両者を複合したことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関用ピストン。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金材と銅材とを溶解
    して合金材を鋳造し、該鋳造合金材を前記環状凹部に嵌
    合したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピス
    トン。
  5. 【請求項5】 少なくともシリコンを含むアルミニウム
    合金からなるピストン本体の外周に複数のピストンリン
    グ溝が形成されてなる内燃機関用ピストンの製造方法に
    おいて、 前記ピストン本体となるピストン母材の少なくともトッ
    プリング溝に対応する位置に環状凹部を形成する第1工
    程と、この環状凹部内に、アルミニウム合金材と銅材と
    を組み合わせて嵌合する第2工程と、該両部材と前記環
    状凹部周壁とを高エネルギー密度の熱源により再溶融し
    て再溶融部を形成する第3工程と、該再溶融部の外周に
    ピストンリング溝を形成する第4工程とから構成したこ
    とを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
JP25802197A 1997-09-24 1997-09-24 内燃機関用ピストン及びその製造方法 Pending JPH1193768A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113042983A (zh) * 2021-03-23 2021-06-29 中国兵器科学研究院宁波分院 一种铝活塞环槽的高能束熔覆强化制备工艺

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