JPH1192946A - 金属酸化物膜の形成方法 - Google Patents

金属酸化物膜の形成方法

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JPH1192946A
JPH1192946A JP9273796A JP27379697A JPH1192946A JP H1192946 A JPH1192946 A JP H1192946A JP 9273796 A JP9273796 A JP 9273796A JP 27379697 A JP27379697 A JP 27379697A JP H1192946 A JPH1192946 A JP H1192946A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光触媒作用のあるTiO2 粒子を含有する膜
を用い、環境浄化や排水処理をするに当たり、光触媒活
性を低下させることなく硬く基体と付着性の良い無機質
の膜を経済的に形成する。 【構成】 TiO2 粒子と、塗布熱分解後の焼成により
ZrO2 を生じる脂肪族モノカルボン酸Zr、有機溶
剤、及び有機物からなる金属酸化物膜前駆体を基体に塗
布乾燥後、350℃以上の温度で熱分解後に焼成してT
iO2 粒子とZrO2 粒子からなる膜を形成する第一工
程と、加熱乾燥、或いは熱分解後に焼成することによ
り、TiO2 を主体とする薄膜を形成するTiO2 前駆
体を塗り重ね、150℃以上の温度に加熱、或いは35
0℃以上の温度で熱分解後に焼成する第二工程からなる
ことを特徴とする金属酸化物膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の悪臭や有
害物質の分解除去、あるいは排水処理分野における水の
浄化などに用いる光触媒作用のある金属酸化物膜の形成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiO2 は、紫外線を照射すると光励起
して強い還元作用を持つ電子と、強い酸化作用を持つ正
孔が生成し、接触している物質を酸化還元作用により分
解する光触媒作用を有している。その作用を利用して水
中に溶解している環境汚染物質や、空気中の有害物質を
分解除去する環境浄化の研究が盛んに行われている。
【0003】実際に光触媒物質であるTiO2 を、排気
ガス中の窒素酸化物等の有害物質や、トイレやタバコの
悪臭ガス、油分等の有機物の分解除去、或いは病院の無
菌室に於ける殺菌等の目的に使用する場合、何らかの方
法で酸化チタンを基体に担持させることが必要である。
【0004】その公知の担持方法である有機物をバイン
ダーとする固定化方法は、簡単であるが、使用中にTi
2 がバインダーである有機物を分解するため長期間光
触媒機能を維持することは困難である。
【0005】またTiのアルコキシドを用いるゾルゲル
法は、600℃以上の高温に加熱する必要があり、さら
に1回の塗布熱分解で形成出来る膜厚が0.1〜0.3
μmと薄いため、充分な光触媒機能を期待する場合には
5回以上、塗布熱分解を繰り返えし、0.5μm以上の
膜厚を確保しなければならない。
【0006】シリカ系やアルミナ系等のアルカリ塩を加
水分解して用いる方法は、TiO2粒子の表面がバイン
ダーによって被覆され、触媒活性が低下するなどの問題
がある。
【0007】また基体表面に形成されたエポキシ樹脂
層、又はアクリル樹脂層上にケイ酸エステルにTiO2
を分散した塗料を塗布し、400℃以下で加熱乾燥する
方法により形成したTiO2 粒子含有シリカ膜は、樹脂
層との付着性が良くないため長期間の実用性に問題があ
る。
【0008】また、水中に溶解している有機溶剤、農
薬、界面活性剤、及び染料等の環境汚染物質の分解除去
は、処理を必要とする水に、光触媒であるTiO2 の一
定量を分散して光を照射する簡単な方法で行うことが出
来る。しかし最終的にはTiO2 の回収が必要であり、
その回収において処理水とTiO2 との分離が困難なた
め、連続して水処理を出来ない等の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光触媒作用
を有するTiO2 粒子を含有する膜を用いて環境浄化や
排水処理をするに当たり、触媒活性を低下させることな
く硬くて基体と付着性の良い、実質的に有機物を含まな
い無機質の膜、すなわちTiO2 の光触媒作用で劣化し
ない膜を、簡単な方法で形成しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、TiO2 粒子
と、熱分解後の焼成によりZrO2 を生じる脂肪族モノ
カルボン酸Zr、溶剤、及び有機物からなる金属酸化物
膜前駆体を基体に塗布乾燥し、350℃以上の温度で熱
分解後に焼成して形成した、TiO2 粒子とZrO2
子からなる多孔質な膜の上へ、物理強度の優れたTiO
2 薄膜を形成することにより、表面が主としてTiO2
粒子で覆われた、硬くて基体との付着性に優れた無機質
の膜を形成出来ることを見い出したものである。
【0011】すなわち、本発明は、TiO2 粒子と塗布
熱分解後の焼成によりZrO2 を生じる脂肪族モノカル
ボン酸Zr、有機溶剤、及び有機物からなる金属酸化物
膜前駆体を基体に塗布乾燥後、350℃以上の温度で熱
分解後に焼成してTiO2 粒子と、ZrO2 粒子からな
る膜を形成する第一工程と、その工程で形成したTiO
2 粒子とZrO2 粒子からなる膜の上へ、塗布後の加熱
乾燥、或いは熱分解後の焼成により、TiO2 を主体と
する薄膜を形成するTiO2 前駆体溶液を塗り重ね、1
50℃以上の温度で加熱乾燥、或いは350℃以上の温
度で熱分解後に焼成する第二工程からなることを特徴と
する金属酸化物膜の形成方法である。本発明において
は、前記二つの工程を繰り返すことにより、膜厚は自由
に調整が可能である。またそれら二つの工程で形成した
膜は、TiO2 主体の無機質膜であるため、光触媒作用
が優れているがその機能による劣化がない。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第一工程に用いるTiO
2 粒子と、脂肪族モノカルボン酸Zr、有機溶剤、有機
物からなる金属酸化物前駆体に用いる脂肪族モノカルボ
ン酸Zrは、熱分解後の焼成によりZrO2 を生じ、そ
のZrO2 がTiO2 粒子同志、及びTiO2 粒子と基
体のバインダーとして機能する。その量が多すぎるとT
iO2粒子を覆い光触媒機能を阻害することになり、逆
に少ない場合はバインダーとしての機能が全くなくな
る。従ってTiO2 粒子に対する脂肪族モノカルボン酸
Zrの割合は、ZrO2 換算でTiO2 1重量部に対
し、0.15〜2.5重量部の範囲が適している。なお
本発明において脂肪族モノカルボン酸ZrのZrO2
算とは、脂肪族モノカルボン酸Zr中のZr含有量を基
準とし、脂肪族モノカルボン酸Zrを熱分解して焼成し
た場合、脂肪族モノカルボン酸Zr中のZrがすべて酸
化されてZrO2 に変化したものとみなした。
【0013】TiO2 粒子に対する脂肪族モノカルボン
酸Zrの割合が、ZrO2 換算でTiO2 1重量部に対
し0.15重量部未満の場合は、塗布熱分解後の焼成に
より生じるZrO2 のバインダー効果が少なく、その上
へ次に述べる金属アルコキシドの加水分解液からなるT
iO2 前駆体を塗布乾燥、或いは熱分解後に焼成してT
iO2 を主体とした膜を形成しても、実用的な硬度を有
する膜は形成されづらい。
【0014】逆にTiO2 1重量部に対し2.5重量部
を超える場合は、塗布乾燥後の熱分解と焼成より生じる
ZrO2 の量が多く、形成した膜表面のTiO2 粒子の
割合が少なくなり光触媒活が低下するため好ましくな
い。
【0015】脂肪族モノカルボン酸Zrの種類として
は、水や有機溶剤に溶解するものであれば特に制限は無
いが、炭素数1〜12の飽和モノカルボン酸例えば、セ
カノイック酸(エクソン社商品名)、ネオデカン酸、ネ
オヘプタン酸、ネオノナン酸、N−ヘプタノイック酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、原油精製時の副産物である
ナフテン酸、或いは松脂等、1種類単独或いは複数種混
合した脂肪族モノカルボン酸と、Zrからなる脂肪族モ
ノカルボン酸Zrが好ましい。また脂肪族モノカルボン
酸Zrは、有機溶剤の溶液として用いることが必要であ
る。その溶剤として脂肪族モノカルボン酸Zrが溶解す
るものであれば特に制限はないが、炭素数6以上の脂肪
族モノカルボン酸からなるZr塩は、ミネラルターペン
やキシレン等の脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素
系溶剤好ましく、炭素数5以下の脂肪族モノカルボン酸
からなるZr塩の場合は、水や炭素数1〜4のアルコー
ルを用いることも可能である。また未反応の脂肪族モノ
カルボン酸を溶剤とすることも出来、さらに溶剤は1種
類単独、或いは複数種混合して用いることも可能であ
る。
【0016】それら脂肪族モノカルボン酸Zrの製法に
制限はなく、Zrアルコキシドに炭素数1〜12の飽和
モノカルボン酸を混合して作製した脂肪族モノカルボン
酸Zrの有機溶剤溶液なども用いることが可能である。
【0017】TiO2 粒子と脂肪族モノカルボン酸Zr
の有機溶剤溶液、及びその他有機物からなる金属酸化物
前駆体の製法としては、単にTiO2 粒子を脂肪族モノ
カルボン酸Zr有機溶剤溶液に分散するのみで良いが、
分散性の悪いTiO2 粒子や、粒径の大きなTiO2
用いる場合は、非イオン系の分散剤を添加し、さらに塗
料などの製法における常法で分散することが出来る。さ
らに脂肪族モノカルボン酸Zrの有機溶剤溶液を作製過
程でTiO2 を分散さることも可能である。また、使用
可能な溶剤は脂肪族モノカルボン酸Zrや分散剤や増粘
剤等の添加剤が溶解するものは制限無く用いることが出
来る。
【0018】本発明において塗布方法に特に制限はな
く、ハケ塗り、スプレー、ディッピング、スピンコー
ト、スクリーン印刷、ロールコートなどいずれの方法で
も可能であるが、均一な膜を形成させる目的で、塗布方
法に適した粘度に調整する目的でエチルセルロースやア
クリル樹脂などの増粘剤を添加することが好ましい。
【0019】本発明の金属酸化物膜を形成する基体とし
ては、金属酸化物前駆体の熱分解に耐えられる材質のも
のであれば、特に制限は無いが、例えばガラス板、繊維
状ガラス、球状のセラミックス、シリカゲルなどが上げ
られる。
【0020】第一工程で形成するTiO2 粒子とZrO
2 粒子からなる膜の膜厚は、100μm以下であれば自
由に調整可能であるが、0.5〜10μmの膜厚が有れ
ば所望の光触媒機能を得られるため、その範囲の膜厚が
得られるよう塗布することが好ましい。
【0021】本発明の第一工程において均一な膜を形成
するため、塗布後、室温〜100℃で2〜30分間乾燥
後、熱分解して焼成を行うことが好ましく、例えば室温
の場合は10〜30分、100℃の場合は2分以上乾燥
した後に熱分解を行うことが好ましい。また熱分解と焼
成は、1分間当たり50℃以下の昇温速度で、好ましく
は10〜30℃で350℃以上に加熱して熱分解後、設
定した350℃以上の温度を2分以上保持して焼成する
ことが好ましい。1分間当たり50℃以上の速度で昇温
すると不均一な膜になるため好ましくない。また350
℃以下の熱分解では有機物の残留が多くなるため好まし
くない。また焼成後の冷却に関しては特に制限はない。
【0022】本発明は第一工程で形成したTiO2 粒子
とZrO2 粒子からなる膜の上へ、第二工程でTiO2
薄膜前駆体を塗布して加熱乾燥、又は熱分解と焼成をす
ることを特徴としているが、そのTiO2 薄膜前駆体と
しては、Tiと炭素数1〜4のアルコールからなるTi
アルコキシドの加水分解液、Ti、Zr或いはSiと炭
素数1〜4のアルコールからなるTi、Zrや、Siア
ルコキシドの加水分解液にTiO2 粒子を分散させたも
の、或いは特許登録番号1824875や182862
5による方法で作られた、結晶性酸化チタンゾル(以下
結晶性チタンゾルとする)を用いることができる。
【0023】それらのTiO2 薄膜前駆体を、第一工程
で形成したTiO2 粒子とZrO2粒子からなる膜の上
へ、ハケ塗り、スプレー、ディッピング、スピンコー
ト、スクリーン印刷、ロールコートなど塗布した場合、
塗布したTiO2 薄膜前駆体がTiO2 粒子とZrO2
粒子からなる膜の内部へ浸透し、その状態で後150℃
以上の温度で加熱乾燥することにより、浸透していたT
iO2 粒子、或いは加熱乾燥により生成したTiO2
子が、第一工程で形成した膜中のTiO2 粒子とZrO
2 粒子のバインダー機能を発揮して膜全体の硬度を上げ
ることが出来る。
【0024】第二工程でTiアルコキシドを加水分解し
たTiO2 前駆体を用いる場合、形成した膜の物理強度
や光触媒機能を得るためには、500℃以上の温度で1
0分以上焼成することが好ましい。また何れのTiO2
前駆体を用いる場合でも、塗布、熱分解、及び焼成回数
を増やし、より高温で焼成することにより形成した膜全
体の硬度を向上させることが出来る。またTiアルコキ
シドを加水分解したTiO2 薄膜前駆体、及びSi又は
Zrのアルコキシドの加水分解物にTiO2 の微粒子を
分散させたTiO2 薄膜前駆体、及び結晶性チタンゾル
のいずれもTiO2 を主体とした膜を形成するため、光
触媒活性は低下しない。
【0025】本発明の第二工程で用いるTiO2 薄膜前
駆体の原料物質として使用するTi、Zr、及びSiな
どのアルコキシドは、それら金属のアルコールエステル
であれば組成や製法によって特に制限はない。また金属
アルコキシドのアルコール成分も特に制限されないが、
金属アルコキシドの加水分解性や分解して生成するアル
コールの蒸発のし易さなどの観点から炭素数1〜4のも
の、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノールなどが好ましく、それらの溶剤は、T
i、Si又はZrアルコキシドに対する溶解性の観点か
ら該金属アルコキシドの合成時に使用したものと同じア
ルコールが好ましい。
【0026】本発明における金属アルコキシドの加水分
解方法には特に制限はなく、金属アルコキシドに水を添
加する方法、水の中に金属アルコキシドを添加する方法
の何れの方法でも差し支えない。またこれらの加水分解
の方法において金属アルコキシドは、溶剤に溶解した状
態で用いることが好ましい。
【0027】また水に代えて水とアルコールの混合液を
用いてもよく、水又は水/アルコール混合液は溶媒と混
合した状態で使用してもよい。さらにこれらの水又は水
/アルコール混合液は、金属アルコキシドの加水分解性
を促進するため、予め酸性物質或いはアルカリ性物質で
酸性、或いはアルカリ性に調整しておいてもよい。
【0028】Si又はZrのアルコキシドの加水分解物
にTiO2 の微粒子を分散させたTiO2 薄膜前駆体の
作製方法には、アルコキシドの加水分解物に超微粒子の
粉末、或いは超微粒子のゾルを分散させる方法、アルコ
キシドの加水分解の際に、超微粒子のゾルを用いてアル
コキシドを加水分解して作る方法などがあるが、特に制
限はない。
【0029】第二工程におけるTiO2 薄膜前駆体の塗
布方法に特に制限はなく、ハケ塗り、スプレー、ディッ
ピング、スピンコート、ロールコートなどいずれの方法
でも可能であるが、一度に過剰に塗布した場合、焼成後
の膜の硬度は上がるが、形成した膜の表面に粉状のTi
2 を生じるため、塗布直後に立て掛けたとき垂れを生
じない程度に塗布することが好ましい。
【0030】
【実施例】
(実施例1)表1による配合でオクチル酸Zr12%
(Zrを12%含有したターペン液)に、TiO2 (石
原テクノ(株)ST−001)を撹拌して分散して第一
工程で用いる金属酸化物前駆体とした。また第二工程の
TiO2 前駆体としてST−K03(Siアルコキシド
にTiO2 微粒子を分散したもので石原テクノ(株)
製)を用い、次の条件でガラス板にTiO2 膜を形成し
て鉛筆硬度を確認した。その結果は、表1のとおりZr
2 /TiO2 比0.15以上のものは、良好であっ
た。またNo.4の第一工程後と第二工程後の表面と断
面の状態を、SEM(加速電圧10kv)で観察したと
ころ、ポーラスで嵩高い膜であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【0033】(実施例2)実施例1の第二工程で用いた
TiO2 前駆体ST−K03(石原テクノ(株)製)
を、水溶性チタン化合物とアンモニュウム化合物とを反
応させゲルを生成後、100℃以上の温度で熱処理し、
酸を添加して作成されたTiO2 前駆体CA62(多木
化学(株)製)に変え、さらに第二工程の塗布後の熱分
解焼成条件を(工程表)の第一工程と同じにし、その他
は実施例1と同じ条件で試験した結果は、表1の結果と
同じであった。
【0034】(実施例3)実施例1の第二工程で用いた
TiO2 前駆体ST−K03(石原テクノ(株)製)
を、Tiアルコキシドの加水分解液に変え、さらに第二
工程の焼成温度を550℃に変更し、その他は実施例1
と同じ条件で試験した結果は、表1の結果と同じであっ
た。
【0035】(実施例4)表2のNo.4、7、8は実
施例1と同じ要領で膜を形成し、No.9はオクチル酸
Zr12%4.17重量部と、ZrO2 1.5重量部か
らなる金属酸化物前駆体を用い、実施例1の(工程表)
の第一工程のみによる膜を形成して試験片とした。表2
の下記の試験条件で食用青1号の分解性を試験した。そ
の結果は表2のとおりNo.4、7、8は食用青色1号
が分解し無色透明になったが、比較例であるNo.9
(TiO2 を含まない膜)、及びNo.10(ブラン
ク)の水溶液の色は、目視で室内の冷暗所保存原液と同
じ色であった。
【0036】
【表2】
【0037】 試験条件 供試試験片 *ガラス基体(60mm×150×2)に120mm×50の供試膜を形成。 浸漬液 *食用青色1号4ppm水溶液400ml。 浸漬条件 *供試膜の浸漬面積:100mm×50。 屋外暴露条件 *供試膜を南に向け、14日屋外静置。
【0038】(実施例5)実施例4と同じ条件で作製し
た5cm角の試験片を用い、フイルム密着法で抗菌性を
試験した結果は、表3のとおりであった。
【0039】
【表3】
【0040】試験条件 接種生菌数:1×105 接種用菌液の調整 普通ブイヨン培地を減菌精製水で500倍に希釈したも
のに、試験菌を普通寒天培地に移植して35℃で20時
間培養したものを、均一に分散させて、菌数を2.0×
105 〜1.0×106 に調整したものを接種用菌液と
した。 試験片の調整 全面をエタノールで軽く拭いて乾燥したものを、試験片
とした。 被覆フイルムの調整 ストマッカー用減菌ポリ袋を45mm×45の大きさに
裁断したものを被覆フイルムとした。 試験操作 試験片を減菌シャーレに入れ、接種用菌液0.5mlを
滴下して被覆フイルムで覆い、蛍光灯500ルックス照
射下、温度35℃、関係湿度95%のデシケータ中で2
4時間保存した後、生菌数の測定を行った。シャーレに
ガラス板を入れ菌液を滴下したものを、試験片と同様に
保存したものを対照とした。 生菌数の測定 フイルムに付着している菌を、SCDLP培地9.5m
lを注いで充分洗い出した後、この洗い出した液1ml
中の生菌数を、標準寒天培地段階希釈法により測定し
た。
【0041】
【発明の効果】本発明は、TiO2 粒子と、熱分解後の
焼成によりZrO2 を生じる脂肪族モノカルボン酸Z
r、溶剤、及び有機物からなる金属酸化物膜前駆体を基
体に塗布乾燥後、350℃以上の温度で熱分解後に焼成
して形成した、TiO2 粒子とZrO2 粒子からなる多
孔質な膜の上へ、物理強度の優れたTiO2 薄膜を形成
することにより、表面が主としてTiO2 粒子で覆われ
た、硬くて基体との付着性に優れた無機質の膜を経済的
に形成出来ること見い出したものである。実質的に有機
物を含まないため、TiO2 の光触媒活性による皮膜の
劣化はない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiO2 粒子と、塗布熱分解後の焼成に
    よりZrO2 を生じる脂肪族モノカルボン酸Zr、有機
    溶剤、及び有機物からなる金属酸化物膜前駆体を基体に
    塗布乾燥後、350℃以上の温度で熱分解後に焼成して
    TiO2 粒子とZrO2 粒子からなる膜を形成する第一
    工程と、加熱乾燥、或いは熱分解後に焼成することによ
    り、TiO2 を主体とする薄膜を形成するTiO2 前駆
    体を塗り重ね、150℃以上の温度に加熱、或いは35
    0℃以上の温度で熱分解後に焼成する第二工程からなる
    ことを特徴とする金属酸化物膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の第一工程における金属酸
    化物前駆体を塗布熱分解後に焼成して形成する、TiO
    2 粒子とZrO2 粒子からなる膜中のTiO2 とZrO
    2 の比が、TiO2 1重量部に対しZrO2 が0.15
    〜2.5重量部である金属酸化物膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の第二工程で用いるTiO
    2 前駆体が、Tiと炭素数1〜4のアルコールからなる
    Tiアルコキシドの加水分解液である請求項1記載の金
    属酸化物膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の第二工程で用いるTiO
    2 前駆体が、Ti、Zr或いはSiと炭素数1〜4のア
    ルコールからなる、Ti、Zr或いはSiアルコキシド
    の加水分解液に、TiO2 粒子を分散させたものである
    請求項1記載の金属酸化物膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の第二工程で用いるTiO
    2 前駆体が、水溶性チタン化合物とアンモニュウム化合
    物とを反応させゲルを生成後、100℃以上の温度で熱
    処理し、酸を添加する方法で形成したものである請求項
    1記載の金属酸化物膜の形成方法。
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