JPH11197515A - 光触媒活性を有する機能材料 - Google Patents

光触媒活性を有する機能材料

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JPH11197515A
JPH11197515A JP10001788A JP178898A JPH11197515A JP H11197515 A JPH11197515 A JP H11197515A JP 10001788 A JP10001788 A JP 10001788A JP 178898 A JP178898 A JP 178898A JP H11197515 A JPH11197515 A JP H11197515A
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JP
Japan
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coating
additive
optical semiconductor
photocatalytic activity
porous
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10001788A
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English (en)
Inventor
Satoshi Tamaki
聡史 玉木
Takashi Osugi
高志 大杉
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP10001788A priority Critical patent/JPH11197515A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強い光触媒活性を有し、且つ、有機材料と共
に用いた際、有機材料の劣化が極めて起こりにくい光触
媒活性を有する機能材料を提供する。 【解決手段】 光半導体(例、アナターゼ型酸化チタ
ン)が多孔性被覆部(例、シリカ)により被覆されてな
る光触媒活性を有する機能材料であって、該多孔性被覆
部は、添加剤(例、ポリエチレングリコール)を含む被
覆部から添加剤を除去することにより形成されたもので
あり、その細孔直径0.4〜50nmの細孔容積和が、
細孔直径0.4〜103 nmの細孔容積和に対して50
%以上であるような多孔性を有しており、該多孔性被覆
部の膜厚が1〜400nmであることを特徴とする光触
媒活性を有する機能材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光半導体が多孔性
被覆部により被覆されてなる光触媒活性を有する機能材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光半導体、主に酸化チタン等の光
触媒作用を利用した、抗菌、防カビ、脱臭、防汚、有害
物質分解などの機能を有する材料が、数多く提案されて
いる。これらの光触媒作用を利用した材料は、光エネル
ギーを用いた触媒作用により、抗菌、脱臭などの効果を
発現するため、環境に悪影響を及ぼさず、効果の持続性
の点でも注目されている。
【0003】しかしながら、一般に光半導体は微粉末で
あるため、抗菌等に応用しようとする場合には、該粉末
の固定化が必要である。そこで、光半導体粉末を各種基
材に担持させて利用する試みがなされている。それらの
中でも、光半導体を有機ポリマー等の基材構成成分中に
分散させて用いる方法が最も簡便であるが、長期の間に
基材構成成分が劣化するという問題がある。これは、光
触媒作用により発生するラジカルが原因と考えられる。
【0004】そこで、光半導体表面を多孔質の無機物で
被覆することにより、基材の劣化を抑制する方法が知ら
れている(特開平9−31335号公報)。しかしなが
ら、この方法を用いても、有機ポリマー等の基材構成成
分の劣化を十分には抑制できないという問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するものであり、その目的は、強い光触媒活性
を有し、且つ、有機材料と共に用いた際、有機材料の劣
化が極めて起こりにくい光触媒活性を有する機能材料を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、光半導体を
多孔性物質により被覆する際に、添加剤を混入すること
により、被覆層の細孔直径などを好適化した。更に、被
覆層の膜厚をも好適化することにより、光触媒活性を有
し、有機ポリマーと共に用いた際に、ラジカルによる基
材の劣化が、極めて抑制される機能材料を得た。
【0007】すなわち、本発明の光触媒活性を有する機
能材料は、光半導体が多孔性被覆部により被覆されてな
る材料であって、該多孔性被覆部は、添加剤を含む被覆
部から添加剤を除去することにより形成されたものであ
り、その細孔直径0.4〜50nmの細孔容積和が、細
孔直径0.4〜103 nmの細孔容積和に対して50%
以上であるような多孔性を有しており、該多孔性被覆部
の膜厚が1〜400nmであることを特徴とする。
【0008】通常、光半導体を有機ポリマー中に分散さ
せ、屋外暴露を行うと、バインダーである有機ポリマー
の劣化が起こり、変色、チョーキングなどが認められ
る。この原因としては、バインダーが、光半導体と直
接接触して酸化還元反応が起こる、光半導体に接触し
た水などから生成するラジカルと、光半導体近傍にある
バインダーが反応すること、などが考えられる。
【0009】これに対して、光半導体表面を他の物質で
被覆することにより、バインダーとの接触を防ぐと共
に、短寿命であるラジカルを被覆物質部で消滅させ、バ
インダーの劣化を抑制しようとする技術がある。
【0010】しかしながら他の物質で被覆する場合、多
孔性でない物質で光半導体を完全にコーティングする
と、ラジカル以外の光触媒作用に関与すると考えられ
る、例えば過酸化水素なども被覆層により封じ込めら
れ、外界に作用できないために、光触媒活性が大幅に低
下する。
【0011】また、多孔性物質で被覆する場合でも、細
孔直径0.4〜50nmの細孔容積和が、細孔直径0.
4〜103 nmの細孔容積和に対して、50%未満の場
合、短寿命種であるラジカルは、細孔直径の大きい細孔
を容易に通過しうるため、バインダーの劣化を抑制し難
い。また、細孔直径0.4nm以上で50nm以下の細
孔容積和が、細孔直径0.4nm以上で103 nm以下
の細孔容積和に対して、50%以上存在している場合で
も、被覆膜厚が400nmより厚すぎた場合、光触媒活
性が低下する。また逆に、被覆膜厚が1nmより薄すぎ
た場合、バインダーと光半導体の接触や、ラジカルの抑
制が不十分となる。また、添加剤の除去により多孔を形
成すると、孔数の増加や、おそらく貫通孔増加の要因と
なるため、光触媒活性の発現に好適である。
【0012】以下に本発明を詳細に述べる。
【0013】光半導体 本発明に用いられる光半導体は光触媒活性を有するもの
であれば特に限定されず、例えば、酸化亜鉛、二酸化チ
タン(以下酸化チタンという)、酸化タングステン、チ
タン酸ストロンチウム、酸化第二鉄などの金属酸化物;
硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化鉛、セレン化亜鉛、セ
レン化カドミウムなどの金属カルコゲナイド;シリコ
ン、ゲルマニウムなどの第IV属元素;ガリウム−リ
ン、ガリウム−ヒ素、インジウム−リンなどのIII−
V属化合物;ポリアセチレン、ホリピロール、ポリチオ
フェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾールなどの
有機半導体などが挙げられる。
【0014】上記光半導体のうち、実用的な面からは酸
化チタン、酸化タングステンなどの金属酸化物が好まし
い。中でも、酸化チタンは入手が容易であるため利用し
やすく、アモルファス、ルチル型、アナターゼ型などの
いずれの種類のものも使用可能である。抗菌や窒素酸化
物の除去の目的で使用する場合は、アナターゼ型酸化チ
タンが活性が最も優れているので好ましい。また、一般
に白色顔料として使用される酸化チタンは、多くの場
合、表面がアルミナやシリカで完全にコーティングされ
ているため光触媒作用が低く好ましくない。また、上記
光半導体は単独でも二種類以上が併用されてもよい。
【0015】多孔性被覆部 本発明において、多孔性被覆部は、添加剤を含む被覆部
から、添加剤を除去することにより形成される。添加剤
の除去後に多孔を形成する物質としては、光半導体と直
接接触しても、その光触媒作用によって容易に劣化され
ない材料であれば特に限定されるものではなく、例え
ば、シリカ、アルミナなどの無機物やフッ素樹脂等の有
機物を用いることができる。もっとも、光触媒反応に必
要な光の透過率等を考慮すると、光透過率に優れたシリ
カなどのガラス状物質が特に好ましい。
【0016】上記添加剤は、上記の様な多孔を形成する
物質と共に、光半導体を被覆することが可能であれば特
に限定されない。しかしながら、被覆層を形成した後の
添加剤の除去操作、例えば焼成、溶解、イオン交換など
を行う前に、多孔を形成する物質と分離する場合には、
本発明において必要とされる多孔性が得られないので好
ましくない。
【0017】本発明で用いられる添加剤の例としては、
ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニルなどの有機高
分子;ゾルゲル法のバルク体形成で使用される乾燥制御
剤、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド;水溶性ま
たは、油溶性の塩類などが挙げられる。
【0018】これらの添加剤は、光半導体の被覆時に添
加され、多孔を形成する物質と分子間相互作用などを行
い、光半導体の被覆部を形成する。そして被覆部が形成
された後、焼成、溶解、イオン交換などの方法により除
去される。これにより、孔数の増加や、おそらく貫通孔
の増加がおこり、本発明に好適な多孔性を有する多孔性
被覆部を形成することができる。これらの添加剤の分子
量を変化させることにより多孔部の細孔直径を、また添
加量を変化させることにより、孔数や本発明に好適な直
径を有する細孔の全細孔容積に対する割合等を制御する
ことができる。
【0019】添加剤の分子量としては、30〜3000
0が好ましく、中でも40〜4000が好ましい。この
範囲外の低分子量では、添加剤の効果があまり認められ
ず、高分子量では、被覆部形成時に添加剤を使用するこ
とが困難となる場合が多い。また、添加剤の分子量、添
加量によって形成される多孔質の性状(孔径、孔数等)
が異なり、ラジカルの消滅に必要な膜厚も異なる為、添
加剤の添加量を一概に決定することはできない。
【0020】また、その他の添加剤の例として、多孔を
形成する物質と直接反応して被覆部を形成し、例えば焼
成、溶解、イオン交換などの方法により、添加剤分子の
一部が除去されるもの、または添加剤のみで被覆部を形
成し、例えば焼成、溶解、イオン交換などの方法によ
り、添加剤分子の一部が除去され、多孔性被覆部を形成
するものを挙げることができる。これらの例として、3
官能アルコキシドを挙げることができる。金属アルコキ
シドを用いて、ゾル−ゲル法により光半導体を被覆する
際に、これらを添加することにより、金属アルコキシド
と3官能アルコキシドは反応し、光半導体被覆部を形成
する。また3官能アルコキシドのみでも、被覆部を形成
することができる。被覆部形成後に焼成を行うことで、
本発明に好適な多孔性を有する多孔性被覆部を形成する
ことができる。このような添加剤の場合、焼成、溶解、
イオン交換などにより、多孔部から除去される原子団ま
たは分子、イオンなどの分子量、原子量を変化させるこ
とにより多孔部の細孔直径を、また、その添加量を変化
させることにより、適切な細孔直径を有する細孔の全細
孔容積に対する割合を制御することができる。
【0021】このような添加剤においては、除去される
原子団または分子、イオンなどの分子量、原子量は、3
0〜30000が好ましく、中でも特に分子量40〜4
000が好ましい。この範囲外の低分子量では、添加剤
の効果があまり認められず、高分子量では、被覆部形成
時にこのような原子団などを含む添加剤を使用すること
が、困難となる場合が多い。また、添加剤の分子量、添
加量によって形成される多孔質の性状(孔径、孔数等)
が異なり、ラジカルの消滅に必要な膜厚も異なる為、添
加剤の添加量を一概に決定することはできない。
【0022】上記の添加剤は、単独あるいは2種類以上
を併用してもよい。
【0023】光半導体の被覆方法としては、光半導体を
他の物質で被覆する公知の方法でよく、被覆を行う際
に、上記の添加剤を加えればよい。また、光半導体を多
孔質シリカにより被覆する方法としては、公知の方法で
よいが、例えばゾル−ゲル法によれば、反応溶液中に例
えばポリエチレングリコールを添加する、または、3官
能アルコキシドを用いることにより、光半導体の表面に
多孔質シリカを被覆することができる。
【0024】また一般に利用される、マイクロカプセル
の製造法を利用し、その工程中に、上記の添加剤を加え
ることで、マイクロカプセル状の本発明の機能材料を得
ることができる。このようなマイクロカプセルの形成方
法としては、例えば特公昭54−6251号公報に記載
されているような公知のマイクロカプセル形成方法を挙
げることができる。また、公知の方法に多相乳濁液の調
製法を組み合わせることでも可能である。
【0025】本発明における細孔直径とは、ガス吸着の
定容法による測定を、細孔直径1〜103 nmの場合、
BJH法で解析したものを指し、細孔直径1nm以下の
場合、Horvath−Kawazoe法、MP法、t
−プロット法で解析したものを指す。また、細孔容積お
よびその割合は、吸着側のデータから、細孔直径に対し
て、積算吸着細孔容積をプロットし、これから、細孔直
径0.4〜50nmの細孔容積和V50を求め、細孔直径
0.4〜103 nmの細孔容積和Vに対する割合を、
(V50/V)×100(%)で算出する。
【0026】本発明においては、上記の方法で被覆部を
形成するが、本発明では同時に多孔性被覆部の膜厚を制
御する必要がある。その方法としては、公知の方法でよ
い。その例を挙げると、光半導体が粉体状で、ゾルゲル
法により被覆を行う場合には、反応で使用する粉体量を
調節することにより可能である。また光半導体が薄膜状
であれば、ディップコーティング、スプレーコーティン
グなどでの塗布量を調節することにより可能である。
【0027】なお、本発明における被覆膜厚は、添加剤
除去後の被覆膜厚を指す。測定方法としては、通常の方
法でよく、例えば触針式膜厚測定装置や、エリプソメー
ター、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡などで測定
することができる。
【0028】本発明の機能材料の形状については特に限
定されるものではなく、光半導体が、例えば粉体、薄膜
のみならず、光半導体が、有機材料、無機材料上にコー
ティングなどにより固定されている場合でも、本発明記
載の被覆を行い、本発明品とすることができる。
【0029】導電性物質 本発明で用いられる光半導体は、以下に述べるような導
電性物質と共に使用されることによってその触媒効果が
向上する。導電性物質の添加方法としては、例えば、酸
化チタンの製造工程において構造中に酸化鉄成分を含有
させておくような、光半導体の一部として担持させる方
法や、光半導体に化学的または物理的に担持させる方法
等が挙げられる。更に簡便な方法としては光半導体と同
時に導電性物質を添加する方法が挙げられ、特に上記の
多孔性物質中に、両者を同時に存在させることにより、
光半導体上に担持させた場合と同等の効果を得ることが
できる。
【0030】上記導電性物質としては、一般に導電性を
付与するために用いられるものであれば、特に限定され
ず、例えば、カーボン粉末(繊維)、金属粉末(繊維)
でよい。具体例としては、カーボンブラック、銀、銅、
金、鉄、アルミニウム、ニッケル、白金、パラジウム、
酸化錫、酸化インジウム等が挙げられる。また、非導電
体を核材として表面に導電体をコーティングしたもので
もよい。具体例としては、銀メッキ微粒子、アルミニウ
ムコーティング微粒子、酸化錫で表面がコートされた硫
酸バリウム微粒子などが挙げられる。
【0031】上記導電性物質のうち、実用的な面から
は、入手が容易で比較的安価な酸化錫微粒子や酸化錫で
表面がコートされた硫酸バリウム微粒子などが好まし
い。また、酸化アンチモンが0.1〜20重量%添加さ
れた酸化錫微粒子は、高い導電性を示すため、好適に用
いられる。
【0032】上記導電性物質の光半導体に対する添加量
は、光半導体100重量部に対して0.01〜100重
量部が好ましく、導電性物質を光半導体に含有させたり
表面に担持する等の両者を接触させるための特別な工程
を経ることなく添加される場合は1〜100重量部が好
ましい。0.01重量部より少なくなると導電性物質添
加の効果が認めにくくなり、100重量部より多くなっ
ても更に効果が大きくなるわけではないが、光触媒効果
を阻害するものではなく、光半導体の担体として用いる
場合等では添加量が大きくなっても構わない。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を以下に述べる。 実施例1 脱脂洗浄済みの平滑なカバーガラス(厚さ0.14mm
×横幅24mm×縦幅55mm)に、光触媒活性を有す
る無機コーティング剤(ST−K03、石原産業社製)
300mlをディップコート法により塗布し、180℃
にて30分間焼成して、光触媒活性を有する薄膜を作成
した。次に以下のようにしてコーティング液を調製し
た。エタノール369g、テトラエトキシシラン208
g、添加剤としてポリエチレングリコール600(和光
純薬社製)1.6g、アルコキシドの加水分解反応の触
媒として0.1%塩酸72gを加え、室温で3時間攪拌
する。
【0034】上記薄膜を基材として、コーティング液を
ディップコート法により塗布し、450℃で1時間焼成
した。これにより、光半導体表面を多孔性物質により被
覆した、本発明の光触媒活性を有する機能材料を得た。
【0035】実施例2 エタノール369g、テトラエトキシシラン208g、
添加剤としてポリエチレングリコール600(和光純薬
社製)72g、アルコキシドの加水分解反応の触媒とし
て0.1%塩酸72gを加え、室温で3時間攪拌してコ
ーティング液を調製した。このコーティング液を実施例
1のコーティング液の代わりに用いた他は、実施例1と
同様に操作して、本発明の光触媒活性を有する機能材料
を得た。
【0036】実施例3 エタノール369g、テトラエトキシシラン208g、
添加剤としてポリエチレングリコール600(和光純薬
社製)650g、アルコキシドの加水分解反応の触媒と
して0.1%塩酸72gを加え、室温で3時間攪拌して
コーティング液を調製した。このコーティング液を実施
例1のコーティング液の代わりに用いた他は、実施例1
と同様に操作して、本発明の光触媒活性を有する機能材
料を得た。
【0037】実施例4 コーティング液として、2液(I液、II液)を攪拌混
合することにより調製したものを用いた。すなわち、I
液は、エタノール323g、テトラエトキシシラン16
7g、アルコキシドの加水分解反応の触媒として0.6
重量%硝酸72gを加え、室温で3時間攪拌して調製し
た。II液は、エタノール46g、添加剤の3官能アル
コキシドのモノメチルトリメトキシシラン27gを攪拌
混合して調製した。そしてI液、II液を一昼夜攪拌混
合し、コーティング液とした。このコーティング液を実
施例1のコーティング液の代わりに用いた他は、実施例
1と同様に操作して、本発明の光触媒活性を有する機能
材料を得た。
【0038】実施例5 エタノール18.4g、添加剤のヘキシルトリメトキシ
シラン10.3g、0.6重量%硝酸3.6gを攪拌
し、室温で2時間反応させた。反応後、アンモニア水
で、pH7となるように中和した。次に、エタノール9
12.2g、ポリエチレングリコール1000(和光純
薬社製)22.4gにアナターゼ型酸化チタン(ST−
41、一次粒径200nm、石原産業社製)1.2gを
懸濁した液中に、上記溶液を添加し、更にテトラエトキ
シシラン10.4gを加えた。この反応液に対して、エ
タノール912.2g、5%アンモニア水360gを混
合攪拌した溶液を加え、室温で8時間攪拌して反応させ
た。
【0039】反応後、遠心分離で粉体を回収、洗浄し
た。その後、600℃で1時間焼成後、粉砕し、酸化チ
タン表面がシリカにより被覆されたマイクロカプセル状
の本発明の光触媒活性を有する機能材料を得た。
【0040】さらに上記の本発明機能材料1.0g、一
液乾燥型アクリル塗料(アクリディックA−166、大
日本インキ化学工業社製)3.3g、トルエン−ブタノ
ール混合溶媒10gを混合し、塗料組成物を得た。上記
塗料組成物を、平滑なアルミ亜鉛合金鋼板(厚さ0.4
mm×横幅20cm×縦幅20cm)に、スプレーコー
ティングにより塗布し、塗膜を形成した。
【0041】比較例1 コーティング液の調製に際して、添加剤であるポリエチ
レングリコール600を使用しなかったこと以外は、実
施例1と同様にしてコーティング液を調製した。このコ
ーティング液を実施例1のコーティング液の代わりに用
いた他は、実施例1と同様に操作して、光半導体を使用
した材料を得た。
【0042】比較例2 光半導体表面を多孔性物質により被覆したものの、被覆
膜厚を420nmとしたこと以外は、実施例1と同様に
操作して、光半導体表面を多孔性物質により被覆した材
料を得た。
【0043】比較例3 アナターゼ型酸化チタン(ST−41、一次粒径200
nm、石原産業社製)1.0g、一液乾燥型アクリル塗
料(アクリディックA−166、大日本インキ化学工業
社製)3.3g、トルエン−ブタノール混合溶媒10g
を混合し、塗料組成物を得た。上記塗料組成物を、平滑
なアルミ亜鉛合金鋼板(厚さ0.4mm×横幅20cm
×縦幅20cm)に、スプレーコーティングにより塗布
し、塗膜を形成した。
【0044】性能試験 上記の実施例および比較例で得た機能材料または塗膜を
試験試料として、多孔性評価、多孔性被覆部の膜厚測
定、ならびに、抗細菌性および抗真菌性の抗菌性試験を
以下のようにして行った。また、促進耐候性試験を行っ
た後の機能材料または塗膜についても、同様の多孔性評
価、多孔性被覆部の膜厚測定および抗菌性試験を行っ
た。
【0045】多孔性評価 比較例3を除く各試験試料について、ガス吸着の定容法
による測定を、BJH法及びHorvath−Kawa
zoe法で解析した。細孔容積およびその割合は、吸着
側のデータから、細孔直径に対して、積算吸着細孔容積
をプロットし、これから、細孔直径0.4〜50nmの
細孔容積和V50を求め、細孔直径0.4〜103 nmの
細孔容積和Vに対する割合を、(V50/V)×100
(%)で算出し、以下の評価基準で評価した。 ○:上記の割合が50%以上のもの ×:上記の割合が50%未満のもの この評価結果を表1に示した。
【0046】被覆膜厚 被覆膜厚は、実施例1〜4、比較例1、2のように試料
が薄膜状の場合には、触針式膜厚測定装置で、また、実
施例5のように粉体状の場合には、透過型電子顕微鏡で
測定した。その測定結果を表1に示した。なお、比較例
3は、光半導体を被覆していないので、多孔性および被
覆膜厚のデータは無い。
【0047】抗細菌性能評価法 滅菌シャーレ中に、試験試料を入れ、この上に試験菌液
〔Heart Infusion Broth培地(以
下BHI培地、DIFCO社製、25g/l)を生理食
塩水で100倍希釈したものの中に、試験菌がE.Co
liの場合、1×107 CFU/mlに、Microc
occus sp.の場合、1×108CFU/mlに
なるように調製したもの〕を分注して蓋をした。シャー
レを密封して、蛍光灯点灯下で、30℃で1日間培養し
た後、培養後の試験菌の生菌数を通常のコロニーカウン
ト法により測定した。その測定結果を表1に示した。な
お、試験菌は、E.Coli(IFO 12734)お
よびMicrococcus sp.(浴室より分離し
た菌株)とした。
【0048】抗真菌性能評価法 予めポテトデキストロース寒天培地(以下PDA培地、
日水製薬社製)上で培養したカビ(Cladospor
ium(IFO 6348))、酵母(Rhodoto
rula(IFO 1125))について白金耳を用い
て菌体をかきとり、0.05%Tween80添加生理
食塩水中に入れ、分散および攪拌後、ガラスフィルター
を用いて濾過を行った。得られた濾液を10000rp
m、15分間遠心操作して、上澄み液を除去して沈殿物
(胞子)を得た。これにポテトデキストロース液体培地
(以下PDB培地、DIFCO社製)を適量加えて胞子
懸濁液を調製した。
【0049】PDA培地をオートクレーブ滅菌後、寒天
が固まらないように45℃にてインキュベートし、これ
に上記の胞子懸濁液をPDA培地の1/10量加えて攪
拌した。滅菌シャーレに試験試料を入れ、これに上記の
胞子懸濁液入PDA培地を50μlずつ滴下し、固化さ
せた。シャーレを密封して、蛍光灯点灯下で30℃にて
3〜5日培養した後、目視にて菌の生育を判定し、以下
の評価基準で評価した。 ○ 試験菌の生育が認められない × 試験菌の生育が認められる その結果を表1に示した。
【0050】耐侯性 JIS−A1415に規定される、サンシャインカーボ
ンアーク灯を用いる試験装置を用い、促進耐候性試験を
100時間行った後の試験試料を用いて、蛍光灯照射下
で、その抗細菌性および抗真菌性について上記と同様に
して評価し、評価結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の構成は、上記の通りであり、本
発明によれば、強い光触媒活性を有し、且つ、有機材料
と共に用いた際、有機材料の劣化が極めて起こりにくい
光触媒活性を有する機能材料が提供される。光半導体
は、抗菌、脱臭、防汚、有害物質除去など幅広い分野で
の応用が期待されている。そのため、本発明のように有
機材料をバインダーとした場合においても、バインダー
の劣化の起こらない機能材料は、極めて有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光半導体が多孔性被覆部により被覆され
    てなる光触媒活性を有する機能材料であって、 該多孔性被覆部は、添加剤を含む被覆部から添加剤を除
    去することにより形成されたものであり、その細孔直径
    0.4〜50nmの細孔容積和が、細孔直径0.4〜1
    3 nmの細孔容積和に対して50%以上であるような
    多孔性を有しており、 該多孔性被覆部の膜厚が1〜400nmであることを特
    徴とする光触媒活性を有する機能材料。
JP10001788A 1998-01-07 1998-01-07 光触媒活性を有する機能材料 Withdrawn JPH11197515A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008043848A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Kansai Paint Co Ltd 光半導体微粒子
JP2008279406A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Daicel Chem Ind Ltd 多孔性シリカ被膜被覆酸化チタン光触媒、および多孔性シリカ被膜被覆酸化チタン光触媒を用いた有機化合物の酸化方法
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