JP5383156B2 - 硫黄含有酸化チタン化合物、硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法、硫黄含有酸化チタン化合物分散液および硫黄含有酸化チタン化合物分散液の製造方法 - Google Patents

硫黄含有酸化チタン化合物、硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法、硫黄含有酸化チタン化合物分散液および硫黄含有酸化チタン化合物分散液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硫黄含有酸化チタン化合物、硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法および硫黄含有酸化チタン化合物分散液に関する。
酸化チタン粉末は、白色顔料として古くから利用されており、近年は化粧品などの紫外線遮蔽材料、光触媒、コンデンサ、サーミスタの構成材料あるいはチタン酸バリウムの原料等電子材料に用いられる焼結材料に広く利用されており、特にここ数年、光触媒としての利用が盛んに試みられ、光触媒反応の用途開発が盛んに行われている。
この酸化チタン光触媒の用途は非常に多岐に亘っており、水の分解による水素の発生、酸化還元反応を利用した有機化合物の合成、排ガス処理、空気清浄、防臭、殺菌、抗菌、水処理、照明機器等の汚れ防止等、数多くの用途開発が行われている。
しかしながら、酸化チタンは可視光付近の波長領域において大きな屈折率を示すため、可視光領域では殆ど光吸収を生じない。屋内での蛍光灯などの下での利用を考えると、蛍光灯のスペクトルはほとんどが400nm以下であるため、光触媒として十分な特性を発現することはできない。そこで可視光領域での触媒活性を発現させることができる、より利用性の高い光触媒の開発が行われている。
このような光触媒として、例えば、本出願人は、酸化チタンの硫黄原子がチタンサイトに導入された硫黄導入酸化チタンに活性金属を含有させた酸化チタン化合物を提案している(特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている酸化チタン化合物は、光照射下で触媒活性を示して一定の抗菌、殺菌、抗カビ性を示すものの、さらに優れた抗菌、殺菌、抗カビ性を示すとともに殺菌速度を向上し得る光触媒が求められるようになっている。
国際公開第08/081957号パンフレット
このような状況下、本発明は、光触媒として用いたときに、優れた抗菌、殺菌、抗カビ性を示すとともに殺菌速度を向上し得る新規な硫黄含有酸化チタン化合物を提供するとともに、該硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法および上記硫黄含有酸化チタン化合物の分散液を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決すべく、本発明者が鋭意検討を行ったところ、抗菌性や殺菌性等を向上させるために、硫黄原子がチタンサイトに導入された硫黄導入酸化チタンに活性金属種を担持した化合物を光触媒として用いても、必ずしも十分な抗菌性や殺菌速度が得られないものの、複数の特定活性金属種を担持することによって、相互作用力を生じて、優れた抗菌、殺菌、抗カビ性を示すとともに殺菌速度を向上し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)チタンサイトの一部に硫黄原子が導入されてなる硫黄含有酸化チタンに、鉄化合物と、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上とを担持してなり、
前記鉄化合物の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して、鉄原子換算量で0.03〜1質量%であり、
前記銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して、銅原子および銀原子換算した場合の総量で1.5〜10質量%である
ことを特徴とする硫黄含有酸化チタン化合物
)銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子導入チタンを構成する全チタン原子に対して、銅原子および銀原子換算した場合の総量で5〜10質量%である上記()に記載の硫黄含有酸化チタン化合物、
)銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子導入チタンを構成する全チタン原子に対して、銅原子および銀原子換算した場合の総量で7〜10質量%である上記()に記載の硫黄含有酸化チタン化合物、
)チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタンと鉄化合物とを、該鉄化合物の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して鉄原子換算量で0.03〜1質量%となるように接触させた後、
銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と、該銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して銅原子および銀原子換算した場合の総量で1.5〜10質量%となるように接触させる
ことを特徴とする上記(1)〜()のいずれか1項に記載の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法、
)チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタンと鉄化合物とを接触させた後、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と接触させ、次いで、得られた接触物をせん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置により処理する上記()に記載の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法、
)上記(1)〜()のいずれかに記載の硫黄含有酸化チタン化合物または請求項4に記載の方法により製造された硫黄含有酸化チタン化合物を溶媒に分散してなることを特徴とする硫黄含有酸化チタン化合物分散液、および
)上記(1)〜()のいずれかに記載の硫黄含有酸化チタン化合物または上記()に記載の方法により製造された硫黄含有酸化チタン化合物を、溶媒に分散した後、せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置により解砕処理することを特徴とする上記()に記載の硫黄含有酸化チタン化合物分散液の製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、硫黄含有酸化チタン化合物が、チタンサイトの一部に硫黄原子が導入されてなる特定構造を有する硫黄含有酸化チタンを担体とし、活性金属種として、鉄化合物と、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種とを担持してなる構成を有することにより、光触媒として使用した場合に、優れた抗菌、殺菌、抗カビ性を示すとともに殺菌速度を向上することができる。
また、本発明によれば、上記硫黄含有酸化チタン化合物を簡便に製造する方法を提供することができ、上記硫黄含有酸化チタン化合物の分散液を提供することができる。
先ず、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物について説明する。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物は、チタンサイトの一部に硫黄原子が導入されてなる硫黄含有酸化チタンに、鉄化合物と、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上とを担持してなることを特徴とするものである。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物は、チタンサイトの一部に硫黄原子が導入されてなる硫黄含有酸化チタンを担体とするものである(以下、硫黄含有酸化チタンを、適宜、硫黄含有酸化チタン担体と呼ぶ)。
硫黄含有酸化チタン担体は、硫黄含有酸化チタン担体を構成する全酸化チタンに対して0.02〜0.1質量%の硫黄原子を含むものであることが好ましく、0.03〜0.1質量%の硫黄原子を含むものであることがより好ましい。担体中の硫黄含有量が、上記範囲内にあることにより、硫黄含有酸化チタン化合物の可視光領域における光触媒活性を高めることができる。
硫黄含有酸化チタン担体は、比表面積が、60〜120m/gであることが好ましく、65〜105m/gであることがより好ましく、80〜100m/gであることがさらに好ましい。また、硫黄含有酸化チタン担体は、X線回折分析におけるアナターゼの(101)ピークの半値幅が2θ=0.72°〜0.90°であり、かつ結晶構造がアナターゼ主体であることが好ましい。
硫黄含有酸化チタン担体の比表面積およびX線回折分析におけるアナターゼの(101)ピークの半値幅が上記範囲内にあることにより、硫黄含有酸化チタン化合物の可視光領域における光触媒活性を高めることができる。
硫黄含有酸化チタンのチタンサイトの一部が、硫黄原子に置換されていることの確認は、X線光電子分光法(XPS)分析により行なうこができる。硫黄含有酸化チタンのチタンサイトの一部が硫黄原子に置換されている場合、S4+に由来する169eV付近の特性ピークが見られる。一方、硫黄含有酸化チタンのチタンサイトの一部が硫黄原子に置換された構造ではなく、酸素原子の一部が硫黄原子で置換された構造を有するものも知られている。その場合は、S2−に由来する160eV付近の特性ピークが見られ、169eV付近には特性ピークは見られない。また、硫黄含有酸化チタンが、酸化チタン中の原子の一部が硫黄原子で交換された化合物ではなく、単なる酸化チタンと硫黄との混合物である場合は、169eV付近及び160eV付近のいずれにも特性ピークは見られない。
硫黄含有酸化チタン担体の製法は、後述するとおりである。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物においては、硫黄含有酸化チタン担体に対して、鉄化合物と、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上が担持されてなる。
鉄化合物としては、鉄の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機金属塩、あるいは有機金属化合物が挙げられる。具体的には、FeCl、FeCl、FeSO、Fe(SO、Fe(NO、FeI、FeI、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸アンモニウム鉄、硫化鉄、リン酸鉄、蓚酸アンモニウム鉄、酸化鉄などが挙げられる。
また、鉄化合物の担持する際に中和工程を経る場合等は、一部が水酸化物となった鉄中和物、水酸化物または酸化物に変化するため、これら鉄の水酸化物または酸化物が、鉄化合物の一部として硫黄含有酸化チタン担体の表面に担持される。
銅化合物としては、銅の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機金属塩、あるいは有機金属化合物等を挙げることができる。具体的には、CuCl、CuCl、CuSO、CuI、硝酸銅、シュウ酸銅、硫化銅、リン酸銅、塩化アンモニウム銅、水酸化銅、酸化銅などが挙げられる。
銀化合物としては、銀の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機金属塩、あるいは有機金属化合物等が挙げられる。具体的には、AgCl、AgI、酢酸銀、硝酸銀、酸化銀などが挙げられる。
銅化合物も、鉄化合物と同様に、中和工程を経る場合等は、銅の水酸化物または酸化物が、銅化合物の一部として硫黄含有酸化チタン担体の表面に担持される。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物において、鉄化合物の担持量は、硫黄含有酸化チタン担体を構成する全チタン原子に対して、鉄原子換算量で0.03〜1質量%が好ましく、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種の担持量は、硫黄含有酸化チタン担体を構成する全チタン原子に対して銅原子および鉄原子換算した場合の総量で1.5〜10質量%が好ましい。
鉄化合物の担持量は、硫黄含有酸化チタン担体を構成する全チタン原子に対して、鉄原子換算量で0.3〜0.7質量%であることがより好ましく、0.4〜0.6質量%であることがさらに好ましい。
また、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種の担持量は、硫黄含有酸化チタン担体を構成する全チタン原子に対して銅原子および鉄原子換算した場合の総量で3〜10質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることがさらに好ましく、7〜10質量%であることが特に好ましい。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物において、チタンサイトの一部に硫黄原子が導入されてなる硫黄含有酸化チタンを担体とし、鉄化合物と、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上とを、上記特定量担持することにより、相互作用力を生じて、光触媒として使用したときに、優れた抗菌性、殺菌性、抗カビ性を示すとともに、殺菌速度を向上し得るという効果を得ることができる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の比表面積は、60〜120m/gであることが好ましく、65〜105m/gであることがより好ましく、80〜100m/gであることがさらに好ましい。硫黄含有酸化チタン化合物の比表面積が上記範囲内にあることにより、硫黄含有酸化チタン化合物の可視光領域での光触媒活性を高めることができる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の結晶構造は、X線回折分析によるとアナターゼを主体とする相であることが好ましい。本明細書において、結晶構造の主体がアナターゼ型であるとは、ASTM D 3720−84に準拠する方法により、下記の式で定義されるルチル化率を算出した場合に、1%以下であることを意味する。
ルチル化率(質量%)=100−100/(1+1.2×Ir/Id)
(ただし、Ir:X線回折パターンにおけるルチル型結晶酸化チタンの最強干渉線(面指数110)のピーク面積、Id:X線回折パターンにおけるアナターゼ型酸化チタン粉末の最強干渉線(面指数101)のピーク面積である。)
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物は、ブルッカイトを含んでいても構わない。この場合、X線回折パターンにおける「アナターゼ型結晶酸化チタンの101ピーク面積、並びにブルッカイト型結晶酸化チタンの面指数120及び面指数111のピーク面積の合計」に対する「ブルッカイト型結晶酸化チタンの面指数121のピーク面積」の比が、10%以下であることが好ましい。
結晶構造の主体がアナターゼ型であることにより、硫黄含有酸化チタン化合物の可視光領域における光触媒活性を高めることができる。
次に、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法について説明する。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法は、チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタンと鉄化合物とを接触させた後、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と接触させることを特徴とするものである。
先ず、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の担体となる、チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタン(硫黄含有酸化チタン担体)を作製する方法について説明する。
本発明の方法により得られる硫黄含有酸化チタン化合物を構成する硫黄含有酸化チタン担体は、種々の方法により作製することができ、具体的には、
(担体製法1)原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物を焼成する方法、
(担体製法2)チタンアルコキシドなどのチタン塩とチオ尿素類などの硫黄化合物とを混合焼成する方法(例えば、特開2004−143032公報に記載の方法)、
(担体製法3)硫酸チタンアンモニウムを焼成する方法、
(担体製法4)チオ尿素類などの硫黄化合物を含むチタン塩水溶液を、中和または加水分解し、次いで、得られた中和物または加水分解物を焼成する方法、
(担体製法5)物理的気相蒸着法、スパッタリング法、化学的気相蒸着法などにより作製する方法
などを挙げることができる。
このように、硫黄含有酸化チタン担体の製法としては、種々の方法を挙げることができるが、以下、上記担体製法1について詳説するものとする。
上記担体製法1においては、先ず、原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物を作製する。
担体製法1において、原料酸化チタンとしては、例えば、チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により得られる酸化チタンや、チタン塩の加水分解により得られる酸化チタンを挙げることができる。また、原料酸化チタンとしては、上記チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により得られる酸化チタンや、チタン塩の加水分解により得られる酸化チタンを、更に加熱処理して得られる酸化チタンを挙げることができる。
上記原料酸化チタンを、チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により製造する場合や、チタン塩の加水分解により製造する場合、中和条件(pH、中和温度、アルカリ化合物の添加速度など)、加水分解条件(pH、加水分解速度、加水分解温度など)、スラリーからの固形物の分離、あるいは、固形物を得るために必要に応じて実施する洗浄、乾燥などの操作条件を種々選択することにより、所望の原料酸化チタンを製造することができる。
また、チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により得られる酸化チタン、又はチタン塩の加水分解により得られる酸化チタンを、更に加熱処理することにより原料酸化チタンを製造する場合、加熱処理する際の加熱処理温度、加熱処理時間等の加熱処理条件を種々選択することにより、所望の原料酸化チタンを製造することができる。
上記加水分解/アルカリ中和処理において、チタン塩のアルカリ中和を行う方法としては、チタン塩を水に溶解させた水溶液を調製し、この水溶液を撹拌しながら、アルカリを混合して、上記チタン塩とアルカリとを接触させる方法が挙げられ、更に具体的には、例えば、
(i)チタン塩の水溶液に対して、アルカリの水溶液を滴下し、両者を接触させる方法、
(ii)アルカリの水溶液に対して、チタン塩の水溶液を滴下し、両者を接触させる方法、
(iii)反応容器にpHを調整した水を入れておき、その中に、チタン塩の水溶液とアルカリの水溶液とを滴下し、両者を接触させる方法、
を挙げることができる。
上記加水分解/アルカリ中和処理に用いられるアルカリとしては、特に制限されず、例えば、アンモニア、アンモニア水等を挙げることができる。これらのうち、アンモニア又はアンモニア水を用いた場合には、硫黄含有酸化チタン中にアルカリ由来の金属成分が含有されないことから、得られる硫黄有酸化チタン化合物の可視光領域における光触媒活性の制御上好ましい。
上記(i)〜(iii)の中和方法において、中和温度は、10〜80℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。中和温度が10℃未満だと中和反応が起こり難くなり、また、80℃を超えると、平均粒径が小さく且つ比表面積が大きいアルカリ中和物が得られ難くなる。
原料酸化チタンとしては、比表面積が200〜400m/gであり、X線回折分析におけるアナターゼの(101)ピークの半値幅が2θ=1.0〜2.0°であり、且つ結晶構造がアナターゼ主体である原料酸化チタンが好ましい。
原料酸化チタンは、例えば、四塩化チタン水溶液に、アルカリ化合物を20℃〜80℃で添加し中和することによって得られた酸化チタンを加熱処理することによって製造することができる。上記加熱処理温度は、100〜350℃が好ましい。加熱処理温度が、上記範囲内にあることにより、比表面積が200〜400m/gであり、且つアナターゼの(101)ピークの半値幅が2θ=1.0〜2.0°である加熱処理物を得易くなる。一方、加熱処理温度が100℃未満であると、加熱処理物の比表面積が400m/gより大きくなり易くなり、アナターゼの(101)ピークの半値幅が2θ=2.0°より大きくなり易い。また、加熱処理温度が350℃を超えると、加熱処理物の比表面積が200m/gより小さくなり易く、あるいは、アナターゼの(101)ピークの半値幅が2θ=1.0°より狭くなり易い。原料酸化チタンの比表面積及びX線回折分析によるアナターゼの(101)ピークの半値幅が上記範囲にあることが、可視光での光触媒活性が高い硫黄含有酸化チタンが得られる点で好ましい。また、加熱処理時間は、1〜24時間が好ましい。また、加熱処理する際の雰囲気は特に制限されず、空気中、酸素ガス中のような酸化性雰囲気下;窒素ガス中、アルゴンガス中のような不活性雰囲気下;真空下等を挙げることができ、経済的には、空気中が有利である。
担体製法1において、原料酸化チタンと反応させる硫黄化合物としては、熱により分解し、その分解過程でSOガスやSOガスを生じ得る、分子中に硫黄原子を有する化合物であれば特に制限されず、常温で固体または液体である化合物が好ましく、含硫黄有機化合物、含硫黄無機化合物、金属硫化物、硫黄などを挙げることができ、例えば、チオ尿素、チオ尿素の誘導体、硫酸塩などを挙げることができる。これらのうち、特に、チオ尿素が、400〜500℃で完全に分解し、硫黄含有酸化チタン中に残存しないため好ましい。
担体製法1において、原料酸化チタンと硫黄化合物とを混合する方法は、特に制限されないが、原料酸化チタンに硫黄化合物を溶解させた溶液を添加し十分混合した後、溶媒を蒸発させる方法、原料酸化チタンと硫黄化合物とを乾式で混合する方法、原料酸化チタンと硫黄化合物を分散媒中で混合する方法などを挙げることができ、これらの混合方法のうち、原料酸化チタンと硫黄化合物とを乾式で混合する方法が、操作性の点から好ましい。
原料酸化チタンに対する硫黄化合物の混合量は、原料酸化チタンをTiO換算したときの100質量部に対して、硫黄原子換算で5〜150質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましく、20〜40質量部であることがさらに好ましい。
TiO換算したときの原料酸化チタン100質量部に対して、硫黄化合物の混合量が硫黄原子換算で5〜150質量部であることにより、硫黄含有量が0.02〜0.3質量%である硫黄含有酸化チタンを製造し易くなる。
一方、TiO換算したときの原料酸化チタン100質量部に対して、硫黄化合物の混合量が硫黄原子換算で5〜150質量部の範囲から外れると、0.02〜0.3質量%である硫黄含有酸化チタンを製造し難くなる。
原料酸化チタンと該硫黄化合物との混合物を焼成する方法としては、焼成用容器に、原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物を投入し蓋をする。その際、完全開放だと、硫黄化合物から発生するガスの滞留が起こらないため、若干の隙間を開けることが好ましい。上記混合物を焼成する際には、熱により硫黄化合物が分解して、その分解過程でSOガスやSOガスが発生し、これらのガス中の硫黄が、原料酸化チタン中に取り込まれ、そして、原料酸化チタン中のチタン原子の一部が硫黄原子で置換されると考えられる。そのため、担体製法1においては、硫黄化合物の分解により生じるSOガスやSOガスを雰囲気に滞留させつつ、原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物の焼成を行うことが好ましい。
上記混合物の焼成温度は、200〜800℃であることが好ましく、300〜600℃であることがより好ましく、400〜500℃であることがさらに好ましい。原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物を焼成する際の焼成温度が200〜800℃の範囲内にあることにより、得られる硫黄含有酸化チタンの可視光領域での光触媒活性が向上する。
原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物を焼成する時間は、1〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましく、2〜5時間がさらに好ましい。
原料酸化チタンと硫黄化合物との混合物を焼成する際の雰囲気は、特に制限されず、空気、酸素ガスなどの酸化性雰囲気下、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性雰囲気下、真空下などを挙げることができる。
次いで、得られた硫黄含有酸化チタンを、アルカリ水溶液と接触させることが好ましい。アルカリ水溶液と接触させる程度は、アルカリ水溶液と接触させることによる重量減量が、硫黄含有酸化チタンを熱重量分析(測定条件 測定範囲:室温〜1000℃、昇温速度:5℃/分、雰囲気:空気中)したときの600℃〜1000℃間の質量減量で1.0質量%以下となる程度であることが好ましい。
アルカリ水溶液と接触させることにより、得られる硫黄含有酸化チタン化合物の可視光領域での光触媒活性を向上することができ、また、水や有機溶媒中での分散性を向上することができる。
硫黄含有酸化チタンとアルカリ水溶液とを接触する方法としては、硫黄含有酸化チタンにアルカリ水溶液を接触させた後の、アルカリ水溶液のpHが6〜8となるまで、アルカリ水溶液を接触させる方法や、硫黄含有酸化チタンを水に懸濁させた後、懸濁液のpHが6〜8となるまでアルカリを添加し接触させる方法を挙げることができる。
硫黄含有酸化チタンと接触させるアルカリ水溶液としては、例えば、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などが挙げられる。また、アルカリとしては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられ、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などが挙げることができ、これらのうち、アンモニア水が好ましい。その後、必要に応じて固液分離を行い、乾燥することにより、光触媒活性や分散性が向上した硫黄含有酸化チタン担体を得ることができる。
硫黄含有酸化チタンのチタンサイトの一部が、硫黄原子に置換されていることの確認は、上述したように、X線光電子分光法(XPS)分析により行うこができる。
本発明の方法においては、硫黄含有酸化チタン担体と鉄化合物とを接触させることにより、硫黄含有酸化チタン担体に鉄化合物を担持する。
鉄化合物としては、溶媒に均一に溶解するものであれば特に制限されず、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機金属塩、あるいは有機金属化合物が挙げられる。具体的には、FeCl、FeCl、FeSO、Fe(SO、Fe(NO、FeI、FeI、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸アンモニウム鉄、硫化鉄、リン酸鉄、蓚酸アンモニウム鉄などが挙げられる。また、鉄化合物を溶解する溶媒は、水、アルコールの他、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエンなどの有機溶媒が挙げられる。
鉄化合物の担持量は、硫黄含有酸化チタン担体を構成するチタン原子100質量部に対して、鉄原子換算で、0.03〜1質量部であることが好ましく、0.3〜0.7質量部であることがより好ましい。
硫黄含有酸化チタン担体と鉄化合物とを接触させ、担持する方法は、特に制限されず、例えば、
(鉄化合物担持法1)鉄化合物が溶解した液中に硫黄含有酸化チタン担体を分散させた後、溶媒を除去し乾燥する方法、
(鉄化合物担持法2)硫黄含有酸化チタン担体の流動層中に鉄化合物が溶解したスラリーを噴霧し、乾燥する方法、
(鉄化合物担持法3)鉄化合物が溶解した液中に硫黄含有酸化チタン担体を分散させた後、アンモニア水などのアルカリで中和し、溶媒を除去する方法、
(鉄化合物担持法4)鉄化合物が溶解した液中に硫黄含有酸化チタン担体を分散させた後、NaBHなどの還元剤で還元後、溶媒を除去、乾燥する方法、
(鉄化合物担持法5)硫黄含有酸化チタン担体の流動層に、鉄化合物を気相蒸着法により担持する方法
などが挙げられる。
以下、鉄化合物担持法3、すなわち、鉄化合物が溶解した液中に硫黄含有酸化チタン担体を分散させた後、アンモニア水などのアルカリで中和し、溶媒を除去する方法について詳説する。
鉄化合物担持法3においては、鉄化合物が均一に溶解したスラリー液中に、硫黄含有酸化チタン担体を投入し、攪拌、分散させる。
撹拌混合する際の撹拌混合温度は、20〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
硫黄含有酸化チタン担体を分散させた状態で、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリで中和を行う。添加されたアルカリにより、鉄化合物は中和され、一部が水酸化物となった鉄中和物、水酸化物または酸化物に変化すると共に、生成した水酸化物または酸化物が、硫黄含有酸化チタン担体の表面に付着する。
その後、必要に応じて、ろ過、遠心分離等の手段で溶媒と分離を行った後、乾燥を行う。乾燥温度は、通常90〜150℃であり、雰囲気は、空気中、酸素ガス中のような酸化性雰囲気下;窒素ガス中、アルゴンガス中のような不活性ガス雰囲気下;真空下等が挙げられる。なお、乾燥工程は、省略してもかまわない。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の製法においては、硫黄含有酸化チタン担体と鉄化合物とを接触させた後、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と接触させ、担持させる。
銅化合物としては、溶媒に均一に溶解するものであれば特に制限されず、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機金属塩、あるいは有機金属化合物等を挙げることができる。具体的には、CuCl、CuCl、CuSO、CuI、硝酸銅、シュウ酸銅、硫化銅、リン酸銅、塩化アンモニウム銅などが挙げられる。
銅化合物を接触させ、担持する方法としては、上記鉄化合物担持法1〜5と同様の方法のほか、光還元法、すなわち、銅化合物水溶液に硫黄含有酸化チタン担体を分散させた後、紫外線を照射する方法も挙げることができ、その後、濾過、水洗、乾燥を行って金属担持粉体を得ることができる。
銀化合物としては、溶媒に均一に溶解するものであれば特に制限されず、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機金属塩、あるいは有機金属化合物等が挙げられる。具体的には、AgCl、AgI、酢酸銀、硝酸銀などが挙げられる。
銀化合物または金属銀を接触させ、担持する方法としては、中和工程を伴う鉄化合物担持法3と同様の方法を除けば、銅化合物を担持する方法と同様の方法を挙げることができる。
銅化合物、銀化合物および金属銀の担持量は、硫黄含有酸化チタン担体を構成するチタン原子100質量部に対して銅原子および銀原子換算した場合の総量で、1.5〜10質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましく、5〜10質量部であることがさらに好ましく、7〜10質量部であることが特に好ましい。
硫黄含有酸化チタン担体に担持される鉄化合物の担持量が、硫黄含有酸化チタン担体を構成するチタン原子100質量部に対して、鉄原子換算で、0.03〜1質量部であるとともに、銅化合物、銀化合物および金属銀の担持量が、硫黄含有酸化チタン担体を構成するチタン原子100質量部に対して銅原子および銀原子換算した場合の総量で、1.5〜10質量部であることにより、得られる硫黄含有酸化チタン化合物の抗菌性、殺菌性、抗カビ性、殺菌速度を向上させることができる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法においては、チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタンと鉄化合物とを接触させた後、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と接触させ、次いで、得られた接触物をせん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置により処理することが好ましい。
せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置としては、具体的には、ジェットミル、ビーズミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、流星型ボールミル、サンドミル、三本ロールミル等の解砕装置を挙げることができる。せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置による処理は、硫黄含有酸化チタン化合物を水や有機溶媒等の溶媒に分散した状態で行い、その後溶媒を分離してもよいし、乾式のまま処理してもよい。
せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置、攪拌式の解砕装置により処理することにより、抗菌性、殺菌性、抗カビ性、殺菌速度をより向上することができる。
次に、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液について説明する。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液は、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物を溶媒に分散してなることを特徴とするものである。
本発明の硫黄含有酸化チタン分散液において、硫黄含有酸化チタン化合物の含有量は、その用途に応じて適宜調整されるが、1〜60質量%であることが好ましく、硫黄含有酸化チタン化合物の分散性や経済性の面から、2〜20質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液は、分散剤を含んでもよく、分散剤の含有量は、分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物に対して0.2〜20質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜0.5質量%であることがさらに好ましい。分散剤の含有量が0.2質量%未満であると、硫黄含有酸化チタン化合物の分散性の向上効果が得られ難くなり、また、20質量%を超えると、硫黄含有酸化チタンの特性が低下し易くなる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液において、分散溶媒としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert-ブタノールなどのアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類や、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類などの有機溶媒を挙げることができる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液が、分散剤を含む場合、分散剤としては、カルボキシル基含有高分子分散剤、アミン系分散剤、ジアルキルスルホコハク酸塩、アミノ基を含むシラン化合物、アミノ基を含むシラン化合物と酸の反応物、アミノ基を含むシラン化合物の加水分解物と酸の反応物などが挙げられる。
カルボキシル基含有高分子分散剤としては、ポリカルボン酸及びその塩の少なくとも1種の分散剤が好ましい。例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、アミン系分散剤としては、アルキルアミン、ポリアミン、アミノシラン化合物、およびポリカルボン酸のアミン塩のうち少なくとも1種の分散剤が好ましい。例えば、ポリエステル酸、脂肪酸、脂肪酸アミド、ポリカルボン酸、アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびこれらの誘導体等をアミン化したもの、ポリアミノ酸、ポリペプチド、ポリアミン類、およびアミン単位を有する共重合体(コポリマー)(例えばポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等のポリアミン類など)などが挙げられる。
また、ジアルキルスルホコハク酸塩は、次式:
(式中、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、NH、アルキルアミン、アルカノールアミンなどの四級アンモニウム基などを表す。R、Rは、同一または異なってよく、炭素数5〜15のアルキル基又はフェニル基を示す。)で表されるものが挙げられる。代表例としては、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジドデシルスルホコハク酸ナトリウム、ビストリデシルスルホコハク酸ナトリウムなどがある。
また、アミノシランとしては、下記一般式(1)
Si(OR (1)
(式中、Rは、アミノ基を有する炭化水素基を示し、Rは、炭素数が1〜8の炭化水素基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。)で示されるものが好ましい。
上記一般式(1)中、Rは、アミノ基、すなわち、第一級アミノ基、第二級アミノ基又は第三級アミノ基を有する炭化水素基である。そして、Rに係るアミノ基は、酸により中和される基である。Rに係るアミノ基が、第二級アミノ基又は第三級アミノ基の場合、その第二級アミノ基又は第三級アミノ基の窒素原子に結合する基としては、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキル基、芳香族基などが挙げられる。Rに係るアミノ基は、1種であっても、2種以上であってもよく、また、1つのR中に、1個のアミノ基を有していてもよく、2個以上のアミノ基を有していてもよい。また、Rに係るアミノ基が、Rに係る炭化水素基に結合している位置は、特に制限されない。
に係る炭化水素基としては、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキル基、芳香族基などが挙げられる。また、Rは、酸素原子又はRに係る該アミノ基の窒素原子以外の窒素原子を有している炭化水素基であっても、Rに係る該アミノ基の窒素原子以外には、窒素原子又は酸素原子を有さない炭化水素基であってもよい。Rに係る炭化水素基が、Rに係るアミノ基の窒素原子以外の窒素原子又は酸素原子を有している場合、Rに係る炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、脂環式、芳香族環式等の炭化水素鎖中に、例えば、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、アミド結合等、あるいは、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、水酸基等を有する基である。
一般式(1)中、Rは炭素数が1〜8の炭化水素基であり、例えば、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキル基、芳香族基等が挙げられる。また、各R(各−OR基)は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中に含まれる3つのRは、いずれも酸素原子を介して(−OR基として)、一般式(1)で表わされるアミノシラン化合物のSi原子に結合している。
そして、上記一般式(1)で表わされるアミノシラン化合物のうち、下記一般式(2):
(式中、R及びRは、水素原子又は1個以上の酸素原子又は窒素原子を有してもよい炭化水素基を示し、R及びRは、同一であっても異なってもよく、Rは、炭素数1〜8の二価の有機基を示し、R、R及びR10は、炭素数が1〜8の炭化水素基を示し、R、R及びR10は同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされるアミノシラン化合物が、酸化チタンの分散性が良好となる点で好ましい。
上記一般式(2)中、R及びRは、水素原子、又は1個以上の酸素原子又は窒素原子を有してもよい炭化水素基である。つまり、R及びRの両方が水素原子の場合、一般式(2)で表わされるアミノシラン化合物は、第一級のアミノ基を有するアミノシラン化合物であり、R及びRのいずれか一方が水素原子で、他方が基中に1個以上の酸素原子又は窒素原子を有してもよい炭化水素基の場合、上記一般式(2)で表わされるアミノシラン化合物は、第二級のアミノ基を有するアミノシラン化合物であり、R及びRの両方が基中に1個以上の酸素原子又は窒素原子を有してもよい炭化水素基の場合、上記一般式(2)で表わされるアミノシラン化合物は、第三級のアミノ基を有するアミノシラン化合物である。
1個以上の酸素原子又は窒素原子を有してもよい炭化水素基のうち、酸素原子又は窒素原子を有さない基としては、酸化チタンの分散性が高くなる点で、炭素数が1〜3の直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキル基が好ましく、そのうち、炭素数が1〜3の直鎖アルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
また、1個以上の酸素原子又は窒素原子を有してもよい炭化水素基のうち、酸素原子または窒素原子を有する基としては、直鎖、分岐鎖、脂環式、芳香族環式等の炭化水素鎖中に、例えば、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、アミド結合等、あるいは、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、水酸基等を有する基が好ましく、第一級アミノ基、第二級アミノ基又は第三級アミノ基を有する炭素数が1〜3の炭化水素基がより好ましい。
上記一般式(2)中、Rは、炭素数1〜8の二価の有機基であり、例えば、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキレン基、アルキル基を有してもよいフェニレン基等である。
上記一般式(2)中、R、R及びR10は、炭素数が1〜8の炭化水素基であり、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基を挙げることができる。また、R、R及びR10は、同一であっても異なってもよい。
上記一般式(2)で表わされるアミノシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、市販製品としては、信越化学工業株式会社製品KBM−903、KBE−903、KBM−603、KBE−603等が挙げられる。これらのうち、3−アミノプロピルトリメトキシシランが、保存安定性、酸化チタン分散液を用いて得られる酸化チタン膜の硬化性に優れる点で好ましい。
アミノ基を含むシラン化合物と酸の反応物を得る場合、上記一般式(1)や一般式(2)で示されるアミノシランと反応する酸としては、硫黄含有酸化チタン化合物の分散性が高くなる点で、硝酸、塩酸、ホウ酸及び1価のカルボン酸から選ばれる少なくとも一種以上の酸であることが好ましい。1価のカルボン酸とは、化合物中に1個のカルボキシル基を有する化合物である。例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、ピバリン酸、トリメチル酢酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、チグリン酸、4−ペンテン酸、trans−2−ペンテン酸、シクロブタンカルボン酸、安息香酸などが挙げられる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液の製造方法においては、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物と、溶媒と、必要に応じて分散剤とを所定の割合で混合する。より高い分散性を得るために、混合液を調製後、湿式解砕処理を行ってもよい。この湿式解砕処理を行うため装置としては、本発明の金属担持硫黄含有酸化チタン分散液中の金属担持硫黄含有酸化チタンの凝集を緩和することができるものであれば、特に制限されず、せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置、攪拌式の解砕装置などの公知の湿式解砕装置が挙げられる。具体的には、ジェットミル、ビーズミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、流星型ボールミル、サンドミル、三本ロールミル等の解砕装置が挙げられる。
本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液は、例えば、繊維材料、建築材料、自動車材料等の各種材料に光触媒体を形成することを容易にし、これらの材料に高い光触媒活性を付与することを可能にする。本発明の光触媒分散体により光触媒活性が付与された各種材料は、大気中のNOxを分解したり、居住空間や作業空間での悪臭物質(例えば、煙草臭)、アルデヒド等を分解することができ、特に、細菌(例えば、放射菌)、藻類、黴類等の増殖を抑制することができることから、抗菌性、殺菌性、抗カビ性が要求される各種材料に適用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
(1)硫黄含有酸化チタンの調製
以下の方法により、担体となる硫黄含有酸化チタンを作製した。
攪拌機を備えた貯槽中に、出発液として、四塩化チタン水溶液(チタン濃度:5.9質量%)でpH4に調整した1250mL、60℃の酸性水溶液を用意した。
上記貯槽中に、攪拌機により攪拌しながら、四塩化チタン水溶液(チタン濃度:5.9質量%)とアンモニア水溶液(アンモニア濃度:5.6質量%)とを、中和当量になるように、それぞれ、添加速度が5.55g/分および5.47g/分となるように、連続して添加し、反応させることにより、原料酸化チタン含有スラリーを生成した。このとき、添加、反応時間は5時間とし、四塩化チタン水溶液およびアンモニア水溶液を添加した反応液の温度が60℃を維持するように調整した。
本実施例で用いた四塩化チタン水溶液(チタン濃度:5.9質量%)とアンモニア水溶液(アンモニア濃度:5.6質量%)とを、中和当量になるように添加した液のpHは4であるため、添加、反応中の原料酸化チタン含有スラリーのpHは、pH4で推移した。
次いで、上記スラリーを濾過して得られた原料酸化チタンを、原料酸化チタン量に対して6倍量の純水で希釈し、洗浄する操作を3回繰り返した。上記濾過、洗浄後の原料酸化チタンケーキをテフロン(登録商標)製バットに入れ、卓上乾燥機にて110℃、16時間乾燥処理を行うことにより、原料酸化チタン粉末を得た。
上記原料酸化チタン粉末に、乳鉢で粉砕したチオ尿素を添加、混合することにより、原料酸化チタンとチオ尿素との混合物を得た。このとき、チオ尿素の添加量は、チオ尿素を構成する硫黄原子の質量が、TiO換算した原料酸化チタン粉末100質量部に対して、40質量部となるように調整した。
上記混合物を焼成炉にて、400℃で2.5時間焼成し、得られた焼成物をボールミルにて粉砕することにより、硫黄含有酸化チタン粉末を得た。
得られた硫黄含有酸化チタンを構成する硫黄分の含有量を酸素気流中燃焼−赤外線吸収法(測定装置:株式会社堀場製作所製 EMIA−520)で測定したところ、0.03質量%であった。
また、得られた硫黄含有酸化チタンをX線光電子分光法(XPS)で分析したところ、S4+に由来する169eV付近の特性ピークが観察されたことから、酸化チタンを構成するチタンサイトの一部に硫黄原子が導入されていることが分かる。
得られた硫黄含有酸化チタン粉末の比表面積は85m/g、結晶構造はアナターゼ型、アナターゼの(101)ピークの半値幅が2θ=0.77°であった。
なお、上記硫黄含有酸化チタン粉末の比表面積、結晶構造、アナターゼのピークの半値幅は以下の方法により決定したものである。
<結晶型測定、半値幅の測定方法>
下記の装置を用い、以下の条件にて、得られた酸化チタン粉末の結晶型を測定した。
回折装置 RINT/Ultima+(株式会社リガク製)
X線管球 Cu
管電圧・管電流 40kV、20mA
スリット DS-SS:1度、RS:0.3mm
スキャンスピード 5°/min.
測定範囲 20°〜40°
モノクロメータ グラファイト
測定間隔 0.02度
計数方法 定時計数法
得られたアナターゼ型酸化チタンの(101)面の回折ピークより、その半価幅を求め、結晶型を特定した。ルチル化率は上述した式により求め、20%以下のものをアナターゼ型として評価した。
<比表面積>
BET法により測定した。前処理の脱気条件は110℃、30分とした。
(2)活性金属担持処理
塩化鉄(III)・六水和物(特級)(和光純薬工業(株)製)0.45gを純水300gに溶解した後、(1)で得た硫黄含有酸化チタン30gをこの溶解液中に添加し、1時間攪拌することにより、分散処理を行った(上記塩化鉄(III)・六水和物量は、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、鉄原子換算で0.5質量%に相当する量である)。
その後、攪拌を継続しながら、攪拌液中に、5.6%アンモニア水(28%アンモニア水を純水で5倍に希釈したもの)を添加して、pH7になるまで中和処理を行った後、ろ過処理を行った。このろ過処理物を、ろ過処理物の10倍量に相当する純水300g中に添加して、1時間攪拌、洗浄処理を行った。このろ過および純水による洗浄処理操作をさらに3回繰り返すことにより、鉄化合物を担持した硫黄含有酸化チタンの水分散液を得た。
この水分散液に塩化銅(II)・二水和物(特級)(関東化学(株)製)1.44gを加えた後、30分間攪拌を行い、5.6%アンモニア水(28%アンモニア水を純水で5倍に希釈したもの)を添加しながら、pH6〜6.5となるように調整した(上記塩化銅(II)・二水和物量は、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銅原子換算で3.0質量%に相当する量である)。
その後、鉄化合物を担持した際と同様に、ろ過および純水による洗浄処理を4回繰り返した。純水添加後、攪拌液中のpHが6〜6.5から外れる場合には、5.6%アンモニア水(28%アンモニア水を純水で5倍に希釈したもの)を添加しながら、pH6〜6.5となるように調整した。
次いで、得られた水溶液をろ過した後、卓上乾燥機で110℃、16時間乾燥することにより、鉄化合物および銅化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を得た。
上記鉄化合物および銅化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、試験菌(黄色ぶどう球菌)の生育数を評価する抗菌性能試験、カビの発育を抑制するために必要なサンプル量を評価する最小発育阻止濃度(MIC)を、以下に示す方法により測定した。結果を表1〜表3に示す。
<抗菌性能試験方法>
試験菌(黄色ぶどう球菌)を普通寒天培地に接種し、35℃、24時間培養した後、生理食塩水を用いて、菌数が10/mLとなるように作成したものを試験菌液とした。
精製水を用いて、検体(硫黄含有酸化チタン化合物)濃度10mg/mLになるように作製したものを試験試料液とした。この試験試料液10mLをL字試験管にそれぞれ入れた後、上記試験菌液1mLを接種し、25℃、照度1700〜1800Luxの光照射化と遮光下で、振とう培養し、所定の培養時間の生菌数を、希釈培養法を用いて測定した。また、生理食塩水をブランク(コントロール)試料として、同様に試験を行った。
<最小発育阻止濃度(MIC)測定方法>
検体(硫黄含有酸化チタン化合物)の最高濃度を10質量%とする2倍希釈系列10段階を、無機塩寒天培地を用いて作製した。
また、試験カビをポテトデキストロース寒天培地に接種し、25℃、7日間培養後、0.05質量% Tween80液を用いて、胞子液が10/mLになるように作製したものを試験胞子液とした。
上記培地に上記試験胞子液をそれぞれ0.1mLずつ塗抹接種し、25℃、1600〜1800Luxの蛍光灯下で7日間培養した。
培養後、試験カビの発育有無を肉眼で観察し、試験カビの発育の無かった検体濃度のうち最小検体濃度をMICとした。
(実施例2)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で5.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例1(2)において、塩化銅(II)・二水和物の添加量を、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銅原子換算で5.0質量%に相当する量にした以外は、実施例1と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で5.0質量%を担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記鉄化合物および銅化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1、表2に示す。
(実施例3)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例1(2)において、塩化銅(II)・二水和物の添加量を、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銅原子換算で7.0質量%に相当する量にした以外は、実施例1と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記硫黄含有酸化チタンにおける結晶型の同定方法と同様の方法により、本実施例で得られた硫黄含有酸化チタン化合物表面に担持されている銅化合物の同定を行ったところ、CuCl・3Cu(OH)であった。なお、鉄の構造は、量が少なかったため検出下限以下であった。
本実施例で得られた硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例1と同様の方法で測定した。抗菌性能試験においては、黄色ぶどう球菌に代えて大腸菌を用いた抗菌試験も同様に行った。結果を表1、表2に示す。
(実施例4)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で10質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例1(2)において、塩化銅(II)・二水和物の添加量を、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銅原子換算で10質量%に相当する量にした以外は、実施例1と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で10質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記鉄化合物および銅化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例1と同様の方法で測定した。抗菌性能試験においては、黄色ぶどう球菌に代えて大腸菌を用いた抗菌試験も同様に行った。結果を表1、表2に示す。
(比較例1)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例1(2)において、塩化銅(II)・二水和物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記鉄化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1、表2に示す。
(比較例2)(銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例1(2)において、塩化鉄(III)・六水和物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記銅化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
表1〜表2の結果から明らかなように、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物は、光触媒として用いたときに、優れた抗菌、殺菌性を示すとともに殺菌速度を向上し得るものであることが分かる。
(実施例5)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物のエタノール分散液製造例)
実施例3で得られた、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物30gとエタノール270gを混合し、乳化・分散機(商品名;T.K.ホモミクサ−(特殊機化工業(株)製))でさらに分散させた。
その後、得られたスラリーを、ジスコニアビース(径;φ50μm)((株)ニッカトー製)を備えたビーズミル(商品名:MINICER,NETZSH社製)に投入し、周速8m/hにて3時間分散処理を行った。
得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3〜表4に示す。
なお、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)の測定においては、検体(硫黄含有二酸化チタン化合物)濃度を調整する際に、硫黄含有酸化チタン化合物分散液を乾燥させ粉末状の硫黄含有酸化チタン化合物とした上で、所望濃度に調整した。
また、本実施例で得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、カビの数を評価する抗カビ試験を以下の方法で行った。結果を表5に示す。
<抗カビ試験方法>
試験カビ(カビ種:クロカビ)をポテトデキストロース寒天培地(ニッスイ)に接種し、25℃、1週間培養した後、0.05% Tween80溶液を用いて、胞子数が10/mLになるように作製したものを試験胞子液とした。また、試験試料液として、硫黄含有酸化チタン化合物分散液を乾燥させ粉末状の硫黄含有酸化チタン化合物とした上で、精製水を用いて検体(硫黄含有酸化チタン化合物)濃度を10mg/mlに調整したものを作製した。
上記試験試料液10mLをL字試験管にそれぞれ入れた後、上記試験胞子液0.1mLを接種し、25℃、照度1700〜1800Luxの光照射下と遮光下で、振とう培養し、所定の培養時間後の生菌数を、希釈培養法を用いて測定した。
また、生理食塩水をブランク(コントロール)試料とし、同様に試験を行った。
また、得られた分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物の粒度分布(平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(nm)))を以下の条件により測定した。結果を表3に示す。
<粒度分布測定条件>
粒度分布測定装置 FPAR−1000(大塚電子(株)製)
超音波分散 トミー工業株式会社製UD−200で出力80Wにて30秒間分散。
(実施例6)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物のアミノトリメトキシシランを用いた分散液製造例)
実施例3で得られた、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物75.9gと水300g、分散剤として酢酸で中性にしたアミノトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBP90、3−アミノプロピルトリメトキシシラン加水分解物32.8質量%含有物(溶媒:水))22.3gを混合し、乳化・分散機(商品名;T.K.ホモミクサ−(特殊機化工業(株)製))でさらに分散させた。
その後、得られたスラリーを、ジスコニアビース(径;φ50μm)((株)ニッカトー製)を備えたビーズミル(商品名:MINICER,NETZSH社製)に投入し、周速8m/hにて3時間分散処理を行った。
得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例5と同様の方法で測定した。結果を表3〜表4に示す。
また、得られた分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物の粒度分布(平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(nm)))を実施例5と同様の方法により測定した。結果を表3に示す。
(実施例7)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物のポリエチレンイミンを用いた分散液製造例)
分散剤として、酢酸で中性にしたアミノトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBP90、3−アミノプロピルトリメトキシシラン加水分解物32.8質量%含有物(溶媒:水))22.3gに代えてポリエチレンイミン4.2gを用いた以外は、実施例6と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で7質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の分散液を得た。
得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例5と同様の方法で測定した。結果を表3〜表4に示す。
また、得られた分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物の粒度分布(平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(nm)))を実施例5と同様の方法により測定した。結果を表3に示す。
(実施例8)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物のエタノール分散液製造例)
硫黄含有酸化チタン化合物として、実施例1で得られた鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を用いた以外は、実施例5と同様にして硫黄含有酸化チタン化合物のエタノール分散液を得た。
得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験および最小発育阻止濃度(MIC)を、実施例5と同様の方法で測定した。結果を表3〜表4に示す。
また、本実施例で得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、カビの数を評価する抗カビ試験を実施例5と同様の方法で行った。結果を表5に示す。
また、得られた分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物の粒度分布(平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(nm)))を実施例5と同様の方法により測定した。結果を表3に示す。
また、生理食塩水をブランク(コントロール)試料とし、同様に試験を行った。結果を表3に示す。
(実施例9)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物のエタノールおよびジアルキルスルホコハク酸塩を用いた分散液製造例)
硫黄含有酸化チタン化合物として、実施例1で得られた鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を用いるとともに、分散液として、エタノール270gとジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム1.2gの混合液を用い、ビーズミルによる分散時間を3時間としたこと以外は、実施例5と同様にして硫黄含有酸化チタン化合物のエタノール分散液を得た。
得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験を、実施例5と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
また、得られた分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物の粒度分布(平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(nm)))を実施例5と同様の方法により測定した。結果を表3に示す。
(実施例10)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物のアミノトリメトキシシランを用いた分散液製造例)
硫黄含有酸化チタン化合物として、実施例1で得られた鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銅化合物を銅原子換算で3質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を用いた以外は、実施例6と同様にして硫黄含有酸化チタン化合物の分散液を得た。
得られた硫黄含有酸化チタン化合物分散液を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験を、実施例5と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
また、得られた分散液中の硫黄含有酸化チタン化合物の粒度分布(平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(nm)))を実施例5と同様の方法により測定した。結果を表3に示す。
表3〜表5の結果から明らかなように、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物分散液は、光触媒として用いたときに、優れた抗菌、殺菌、抗カビ性を示すとともに殺菌速度を向上し得るものであることが分かる。
また、表3の実施例5〜実施例7の結果と表1の実施例3の結果、表3の実施例8〜実施例10の結果と表1の実施例1の結果とをそれぞれ対比することにより、分散液状にすると、抗菌性、殺菌性、および殺菌速度を向上し得ることが分かる。
さらに、表2の実施例1の結果と表4の実施例8の結果とを対比することによっても、分散液状にすると、抗菌性、殺菌性、および殺菌速度を向上し得ることが分かる。
(実施例11)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銀化合物を銀原子換算で3.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例1(2)において、塩化銅(II)・二水和物1.44gに代えて、硝酸銀(特級)(関東化学(株)製)0.85gを鉄化合物を担持した硫黄含有酸化チタンの水分散液に加えた後、60分間攪拌を行い、次いで、水素化ホウ素ナトリウム1.89g(銀の担持モル量の10倍相当量)を添加した(上記硝酸銀量は、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銀原子換算で3.0質量%に相当する量である)。
その後、実施例1(2)と同様にしてろ過、洗浄を4回繰り返した後、卓上乾燥機で110℃、16時間乾燥することにより、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銀化合物を銀原子換算で3.0質量%担持した硫黄含有酸化チタン化合物を得た。
上記鉄化合物および銀化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験を、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表6に示す。
(実施例12)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銀化合物を銀原子換算で5.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例11において、硝酸銀の添加量を、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銀原子換算で5.0質量%に相当する量にした以外は、実施例11と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銀化合物を銀原子換算で5.0質量%を担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記鉄化合物および銀化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの、抗菌性能試験を、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表6に示す。
(実施例13)(鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銀化合物を銀原子換算で7.0質量%担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物の製造例)
実施例11において、硝酸銀の添加量を、硫黄含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対し、銀原子換算で7.0質量%に相当する量にした以外は、実施例11と同様にして、鉄化合物を鉄原子換算で0.5質量%、銀化合物を銀原子換算で7.0質量%を担持してなる硫黄含有酸化チタン化合物を作製した。
上記鉄化合物および銀化合物を担持した硫黄含有酸化チタン化合物を光触媒として用いたときの抗菌性能試験を、実施例1と同様の方法で実施した。結果を表6に示す。
表6の結果からも、本発明の硫黄含有酸化チタン化合物は、光触媒として用いたときに、優れた抗菌、殺菌性を示すとともに殺菌速度を向上し得るものであることが分かる。
本発明によれば、光触媒として使用した場合に、優れた抗菌、殺菌、抗カビ性を示すとともに殺菌速度を向上し得る新規な硫黄含有酸化チタン化合物を提供するとともに、該硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法および上記硫黄含有酸化チタン化合物の分散液を提供することができる。

Claims (7)

  1. チタンサイトの一部に硫黄原子が導入されてなる硫黄含有酸化チタンに、鉄化合物と、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上とを担持してなり、
    前記鉄化合物の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して、鉄原子換算量で0.03〜1質量%であり、
    前記銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して、銅原子および銀原子換算した場合の総量で1.5〜10質量%である
    ことを特徴とする硫黄含有酸化チタン化合物
  2. 銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子導入チタンを構成する全チタン原子に対して、銅原子および銀原子換算した場合の総量で5〜10質量%である請求項に記載の硫黄含有酸化チタン化合物。
  3. 銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子導入チタンを構成する全チタン原子に対して、銅原子および銀原子換算した場合の総量で7〜10質量%である請求項に記載の硫黄含有酸化チタン化合物。
  4. チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタンと鉄化合物とを、該鉄化合物の担持量が前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して鉄原子換算量で0.03〜1質量%となるように接触させた後、
    銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と、該銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる1種以上の担持量が、前記硫黄原子含有酸化チタンを構成する全チタン原子に対して銅原子および銀原子換算した場合の総量で1.5〜10質量%となるように接触させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法。
  5. チタンサイトの一部に硫黄が導入されてなる硫黄含有酸化チタンと鉄化合物とを接触させた後、銅化合物、銀化合物および金属銀から選ばれる少なくとも1種と接触させ、次いで、得られた接触物をせん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置により処理する請求項に記載の硫黄含有酸化チタン化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の硫黄含有酸化チタン化合物または請求項4に記載の方法により製造された硫黄含有酸化チタン化合物を溶媒に分散してなることを特徴とする硫黄含有酸化チタン化合物分散液。
  7. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の硫黄含有酸化チタン化合物または請求項に記載の方法により製造された硫黄含有酸化チタン化合物を、溶媒に分散した後、せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置または攪拌式の解砕装置により解砕処理することを特徴とする請求項に記載の硫黄含有酸化チタン化合物分散液の製造方法。
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