JPH1192896A - 耐熱アルミニウム合金導線の製造方法 - Google Patents
耐熱アルミニウム合金導線の製造方法Info
- Publication number
- JPH1192896A JPH1192896A JP25834197A JP25834197A JPH1192896A JP H1192896 A JPH1192896 A JP H1192896A JP 25834197 A JP25834197 A JP 25834197A JP 25834197 A JP25834197 A JP 25834197A JP H1192896 A JPH1192896 A JP H1192896A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum alloy
- heat
- wire
- resistant aluminum
- strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の耐熱アルミニウム合金と同程度の耐熱
性及び導電率を有し、強度を高力アルミニウム合金と同
等以上に向上させた耐熱アルミニウム合金導線の製造方
法を提供する。 【解決手段】 0.29〜1.0重量%のZr、0.0
3〜0.4重量%のSi、0.08〜0.8重量%のF
e、0.004〜0.1重量%のTiを含有し、残部が
Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶
製した後、5℃/sec以上の冷却速度で鋳造し、45
0〜580℃の温度から5℃/sec以上の冷却速度で
冷却しつつ200℃以下の仕上がり温度になるまで70
%以上の減面率の加工を加え、次いで300〜500℃
で6〜250時間熱処理した後、60%以上の加工率で
冷間加工を施して耐熱アルミニウム合金導線を作る。
性及び導電率を有し、強度を高力アルミニウム合金と同
等以上に向上させた耐熱アルミニウム合金導線の製造方
法を提供する。 【解決手段】 0.29〜1.0重量%のZr、0.0
3〜0.4重量%のSi、0.08〜0.8重量%のF
e、0.004〜0.1重量%のTiを含有し、残部が
Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶
製した後、5℃/sec以上の冷却速度で鋳造し、45
0〜580℃の温度から5℃/sec以上の冷却速度で
冷却しつつ200℃以下の仕上がり温度になるまで70
%以上の減面率の加工を加え、次いで300〜500℃
で6〜250時間熱処理した後、60%以上の加工率で
冷間加工を施して耐熱アルミニウム合金導線を作る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、導電性,耐熱性
及び機械的強度に優れた耐熱アルミニウム合金導線の製
造方法に関する。
及び機械的強度に優れた耐熱アルミニウム合金導線の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力需要の増大から、送電容量を高める
べく、電気用アルミニウム(Al)に微量のジルコニウ
ム(Zr)を添加した耐熱アルミニウム合金が実用化さ
れている。送電容量が増大すると電線温度が上昇するた
め、この様な耐熱アルミニウム合金導線が要求される。
べく、電気用アルミニウム(Al)に微量のジルコニウ
ム(Zr)を添加した耐熱アルミニウム合金が実用化さ
れている。送電容量が増大すると電線温度が上昇するた
め、この様な耐熱アルミニウム合金導線が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の耐熱ア
ルミニウム合金は、耐熱性を有するものの、引張強度は
通常の電気用アルミニウムと同等であり、山岳地のよう
に高強度電線が要求される場合には架線することができ
ない。これに対して本出願人は、先に、強度を高力アル
ミニウム合金と同等以上に向上させた耐熱アルミニウム
合金導線の製造方法を提案している(特開昭64−36
751号公報参照)。
ルミニウム合金は、耐熱性を有するものの、引張強度は
通常の電気用アルミニウムと同等であり、山岳地のよう
に高強度電線が要求される場合には架線することができ
ない。これに対して本出願人は、先に、強度を高力アル
ミニウム合金と同等以上に向上させた耐熱アルミニウム
合金導線の製造方法を提案している(特開昭64−36
751号公報参照)。
【0004】この発明は、上記先願発明とは組成及び熱
処理条件を異ならせて、従来の耐熱アルミニウム合金と
同程度の耐熱性及び導電率を有し、強度を高力アルミニ
ウム合金と同等以上に向上させた耐熱アルミニウム合金
導線の製造方法を提供することを目的としている。
処理条件を異ならせて、従来の耐熱アルミニウム合金と
同程度の耐熱性及び導電率を有し、強度を高力アルミニ
ウム合金と同等以上に向上させた耐熱アルミニウム合金
導線の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る耐熱アル
ミニウム合金導線の製造方法は、0.29〜1.0重量
%のZr、0.03〜0.4重量%のSi、0.08〜
0.8重量%のFe、0.004〜0.1重量%のTi
を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアル
ミニウム合金を溶製した後、5℃/sec以上の冷却速
度で冷却しながら鋳造し、450〜580℃の温度から
5℃/sec以上の冷却速度で冷却しながら200℃以
下の仕上がり温度になるまで70%以上の減面率の加工
を加え、次いで300〜500℃で6〜250時間熱処
理した後、60%以上の加工率で冷間加工を施すことを
特徴とする。この発明はまた、前記冷間加工を施した後
更に、200〜450℃で1〜100時間の熱処理を施
すことを特徴とする。
ミニウム合金導線の製造方法は、0.29〜1.0重量
%のZr、0.03〜0.4重量%のSi、0.08〜
0.8重量%のFe、0.004〜0.1重量%のTi
を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアル
ミニウム合金を溶製した後、5℃/sec以上の冷却速
度で冷却しながら鋳造し、450〜580℃の温度から
5℃/sec以上の冷却速度で冷却しながら200℃以
下の仕上がり温度になるまで70%以上の減面率の加工
を加え、次いで300〜500℃で6〜250時間熱処
理した後、60%以上の加工率で冷間加工を施すことを
特徴とする。この発明はまた、前記冷間加工を施した後
更に、200〜450℃で1〜100時間の熱処理を施
すことを特徴とする。
【0006】この発明における各添加成分の添加理由及
び組成限定理由は、次の通りである。以下の説明におい
て、組成の重量%は、単に%で表す。Zr Zrは、Al合金の耐熱性を向上させる成分である。A
l−Zr合金におけるZrの固溶限は0.28%であ
り、この固溶限を越えるZrを添加してZrを強制固溶
させ、AlとZrの化合物をAl3Zrの形で微細析出
させることにより、耐熱性を高め同時に強度を向上させ
ることができる。Zr含有量が0.29%未満では後述
する熱処理を施しても、十分な強度と耐熱性を確保する
析出物が得られない。また、Zr含有量が1.0%を越
えると、溶湯の温度が高くなりすぎて、鋳造が困難にな
るのに加え、線材としたときの導電率が低下してしま
う。
び組成限定理由は、次の通りである。以下の説明におい
て、組成の重量%は、単に%で表す。Zr Zrは、Al合金の耐熱性を向上させる成分である。A
l−Zr合金におけるZrの固溶限は0.28%であ
り、この固溶限を越えるZrを添加してZrを強制固溶
させ、AlとZrの化合物をAl3Zrの形で微細析出
させることにより、耐熱性を高め同時に強度を向上させ
ることができる。Zr含有量が0.29%未満では後述
する熱処理を施しても、十分な強度と耐熱性を確保する
析出物が得られない。また、Zr含有量が1.0%を越
えると、溶湯の温度が高くなりすぎて、鋳造が困難にな
るのに加え、線材としたときの導電率が低下してしま
う。
【0007】Si Si(シリコン)は、Zrの析出の核となってZr析出
を促進させると共に、線材の強度を高める成分である。
Siの含有量が0.03%未満ではZr析出のための核
が不足してZr析出の効果が得られない。Si含有量が
0.4%を越えると脆化がおこって加工困難になり、ま
た線材の導電率も低下する。
を促進させると共に、線材の強度を高める成分である。
Siの含有量が0.03%未満ではZr析出のための核
が不足してZr析出の効果が得られない。Si含有量が
0.4%を越えると脆化がおこって加工困難になり、ま
た線材の導電率も低下する。
【0008】Fe Fe(鉄)は、Al合金の強度及び耐熱性向上のために
添加される。Fe含有量が0.08%未満では、所望の
強度及び耐熱性が得られず、また0.8%を越えると、
加熱後にAl合金の脆化が生じると共に、導電率も低下
してしまう。
添加される。Fe含有量が0.08%未満では、所望の
強度及び耐熱性が得られず、また0.8%を越えると、
加熱後にAl合金の脆化が生じると共に、導電率も低下
してしまう。
【0009】Ti Ti(チタン)は、Al溶製中に添加すると、不可避的
不純物と化合して結晶の核となり、鋳造組織を微細化す
る効果がある。より具体的には、組織の均一性や鋳造時
の表面性を良好にし、表面欠陥等に起因する後工程の圧
延や伸線中の断線を低減する効果があり、これにより生
産性が向上する。しかし、Tiの含有量が0.004%
より少ない場合は上述の微細化効果が得られず、また
0.1%を越えるとマトリクスのAl中に固溶して導電
率を低下させる。
不純物と化合して結晶の核となり、鋳造組織を微細化す
る効果がある。より具体的には、組織の均一性や鋳造時
の表面性を良好にし、表面欠陥等に起因する後工程の圧
延や伸線中の断線を低減する効果があり、これにより生
産性が向上する。しかし、Tiの含有量が0.004%
より少ない場合は上述の微細化効果が得られず、また
0.1%を越えるとマトリクスのAl中に固溶して導電
率を低下させる。
【0010】次に、上述の組成を有するAl合金から導
線を製造する条件について説明する。先ず、鋳造時の冷
却速度を5℃/sec以上としたのは、固溶限を越えて
添加したZrを強制固溶させるためである。冷却速度が
これ未満では固溶限を越える部分のZrが鋳造中に析出
してしまう。
線を製造する条件について説明する。先ず、鋳造時の冷
却速度を5℃/sec以上としたのは、固溶限を越えて
添加したZrを強制固溶させるためである。冷却速度が
これ未満では固溶限を越える部分のZrが鋳造中に析出
してしまう。
【0011】圧延時おいては、5℃/secの冷却速度
で冷却しながら、450〜580℃の温度から加工を開
始し、Al合金を200℃以下になるまで70%以上の
減面率で加工する。圧延開始温度が450℃未満では鋳
塊が硬くて加工が困難であり、割れが入ることもある。
圧延開始温度が580℃を越えると、高温割れをおこし
易い。圧延終了温度が200℃を越える場合には、冷却
による効果が弱いため、Zrの強制固溶が十分になされ
ない。また、圧延における減面率が70%未満では、最
終線材とした場合の強度が不足する。
で冷却しながら、450〜580℃の温度から加工を開
始し、Al合金を200℃以下になるまで70%以上の
減面率で加工する。圧延開始温度が450℃未満では鋳
塊が硬くて加工が困難であり、割れが入ることもある。
圧延開始温度が580℃を越えると、高温割れをおこし
易い。圧延終了温度が200℃を越える場合には、冷却
による効果が弱いため、Zrの強制固溶が十分になされ
ない。また、圧延における減面率が70%未満では、最
終線材とした場合の強度が不足する。
【0012】その後、圧延線材を300〜500℃の温
度で6〜250時間熱処理することにより、Zrは微細
なAl3Zrとして分散析出し、これによりAl合金の
強度,耐熱性及び導電率が向上する。熱処理温度が30
0℃未満では、Zrの析出が十分ではなく、所望の強
度,導電率及び耐熱性が得られず、熱処理温度が500
℃を越えると、再結晶化が始まり析出物が粗大となって
強度が低下すると共に、高価なZrの浪費となる。上記
熱処理温度範囲でも、熱処理時間が6時間未満ではZr
の析出が十分行われず、また250時間を越えると強度
低下が大きくなる。この熱処理のより好ましい条件は、
400〜500℃の温度で30〜50時間である。この
熱処理の後、60%以上の減面率の冷間加工を加える
が、これはAl合金の強度を上昇させるためであり、減
面率が60%未満では加工硬化が不足し、十分な強度が
得られない。
度で6〜250時間熱処理することにより、Zrは微細
なAl3Zrとして分散析出し、これによりAl合金の
強度,耐熱性及び導電率が向上する。熱処理温度が30
0℃未満では、Zrの析出が十分ではなく、所望の強
度,導電率及び耐熱性が得られず、熱処理温度が500
℃を越えると、再結晶化が始まり析出物が粗大となって
強度が低下すると共に、高価なZrの浪費となる。上記
熱処理温度範囲でも、熱処理時間が6時間未満ではZr
の析出が十分行われず、また250時間を越えると強度
低下が大きくなる。この熱処理のより好ましい条件は、
400〜500℃の温度で30〜50時間である。この
熱処理の後、60%以上の減面率の冷間加工を加える
が、これはAl合金の強度を上昇させるためであり、減
面率が60%未満では加工硬化が不足し、十分な強度が
得られない。
【0013】以上の冷間伸線処理により、仕上がり線と
して所望の性能を満足する特性が得られるが、更に冷間
伸線後、200〜450℃で1〜100時間の熱処理を
線材に加えると、導電率及び耐熱性が一層改善された導
電線が得られる。この場合、熱処理温度が200℃未満
では特性改善は認められない。また熱処理温度が450
℃を越えると、軟化が著しくなるという不都合が生じ
る。上記温度範囲でも、処理時間1時間未満では十分な
特性改善は認められず、また100時間を越えると軟化
が無視できなくなる。この熱処理のより好ましい条件
は、350〜400℃で5〜10時間である。
して所望の性能を満足する特性が得られるが、更に冷間
伸線後、200〜450℃で1〜100時間の熱処理を
線材に加えると、導電率及び耐熱性が一層改善された導
電線が得られる。この場合、熱処理温度が200℃未満
では特性改善は認められない。また熱処理温度が450
℃を越えると、軟化が著しくなるという不都合が生じ
る。上記温度範囲でも、処理時間1時間未満では十分な
特性改善は認められず、また100時間を越えると軟化
が無視できなくなる。この熱処理のより好ましい条件
は、350〜400℃で5〜10時間である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の方法により種々
の条件で製造した実施例のAl合金導線の特性データを
比較例と共に説明する。下記実験データはいずれも、連
続鋳造圧延法によるものであるが、棹を圧延する方法に
よっても同様の特性を得ることができる。
の条件で製造した実施例のAl合金導線の特性データを
比較例と共に説明する。下記実験データはいずれも、連
続鋳造圧延法によるものであるが、棹を圧延する方法に
よっても同様の特性を得ることができる。
【0015】各元素(Zr,Si,Fe,Ti)の添加
量と特性との関係 下記表1に示す組成の合金を溶解し、15℃/secの
冷却速度で鋳造し、鋳塊の温度が520℃となった時か
ら、15℃/secの冷却速度で圧延を開始し、加工度
90%、仕上がり温度170℃の条件で9.5mm径の
荒引線を作製した。得られた荒引線を380℃,48時
間の条件で熱処理した後、連続伸線機により冷間加工し
て2.8mm径の線材とした。表1に各試料の線材の特
性を示す。
量と特性との関係 下記表1に示す組成の合金を溶解し、15℃/secの
冷却速度で鋳造し、鋳塊の温度が520℃となった時か
ら、15℃/secの冷却速度で圧延を開始し、加工度
90%、仕上がり温度170℃の条件で9.5mm径の
荒引線を作製した。得られた荒引線を380℃,48時
間の条件で熱処理した後、連続伸線機により冷間加工し
て2.8mm径の線材とした。表1に各試料の線材の特
性を示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1中、耐熱性は、得られた線材を420
℃で1時間加熱した後の引張強さを、加熱前のそれに対
する比(残存率%)で表したものである。実施例のAl
合金は、比較例のものに比べて、引張強さ、導電率及び
耐熱性のいずれにおいても優れている。比較例17,1
8,21,22は鋳造困難であった。
℃で1時間加熱した後の引張強さを、加熱前のそれに対
する比(残存率%)で表したものである。実施例のAl
合金は、比較例のものに比べて、引張強さ、導電率及び
耐熱性のいずれにおいても優れている。比較例17,1
8,21,22は鋳造困難であった。
【0018】鋳造及び圧延時の冷却速度と特性の関係 表1のデータは、いずれの組成系においても鋳造時の冷
却速度を15℃/sec一定とした場合のものである
が、表1の試料No.13のAl合金を、いくつかの冷
却速度により鋳造及び圧延したときの特性を下記表2に
示す。
却速度を15℃/sec一定とした場合のものである
が、表1の試料No.13のAl合金を、いくつかの冷
却速度により鋳造及び圧延したときの特性を下記表2に
示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示すように、鋳造時及び圧延時の冷
却速度を5℃/sec未満とすると、強度及び耐熱性が
十分ではない。これは、強制固溶されるZrの量が少な
いためである。
却速度を5℃/sec未満とすると、強度及び耐熱性が
十分ではない。これは、強制固溶されるZrの量が少な
いためである。
【0021】圧延終了温度と特性の関係 表1の試料No.3の組成のAl合金を冷却速度15℃
/secで鋳造及び圧延し、圧延終了温度を種々変化さ
せて直径9.5mmの荒引線を試作した。圧延終了温度
は冷却液の量により調整した。得られた荒引線を380
℃で48時間熱処理した後、冷間伸線により直径2.8
mmの線材とした。得られた線材の特性を表3に示す。
/secで鋳造及び圧延し、圧延終了温度を種々変化さ
せて直径9.5mmの荒引線を試作した。圧延終了温度
は冷却液の量により調整した。得られた荒引線を380
℃で48時間熱処理した後、冷間伸線により直径2.8
mmの線材とした。得られた線材の特性を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3の結果から、圧延終了温度(仕上がり
温度)が200℃を越えると、強度及び耐熱性が十分で
なくなる。これはやはり、強制固溶されるZr量が少な
くなる結果である。
温度)が200℃を越えると、強度及び耐熱性が十分で
なくなる。これはやはり、強制固溶されるZr量が少な
くなる結果である。
【0024】荒引線径に至るまでの圧延時の減面率と特
性の関係 表1の試料No.13のAl合金を、圧延時の減面率を
種々変化させて、15℃/secの冷却速度で鋳造及び
圧延し、圧延終了温度を170℃として、直径9.5m
mの荒引線を試作した。更にその荒引線を380℃で4
8時間熱処理した後、連続伸線機により冷間伸線し、直
径2.8mmの線材とした。その線材の特性を下記表4
に示す。
性の関係 表1の試料No.13のAl合金を、圧延時の減面率を
種々変化させて、15℃/secの冷却速度で鋳造及び
圧延し、圧延終了温度を170℃として、直径9.5m
mの荒引線を試作した。更にその荒引線を380℃で4
8時間熱処理した後、連続伸線機により冷間伸線し、直
径2.8mmの線材とした。その線材の特性を下記表4
に示す。
【0025】
【表4】
【0026】表4から、圧延時の減面率が70%未満で
は強度及び耐熱性が低い。これは、減面率が低いと圧延
時に転位が入りにくく、その結果Al3Zrを微細に分
散析出させることができないためである。
は強度及び耐熱性が低い。これは、減面率が低いと圧延
時に転位が入りにくく、その結果Al3Zrを微細に分
散析出させることができないためである。
【0027】荒引線の熱処理条件と特性の関係 表1の試料No.13のAl合金を、15℃/secの
冷却速度で鋳造及び圧延し、圧延終了温度を170℃と
して、直径9.5mmの荒引線を試作した。得られた荒
引線を、温度及び時間を種々異ならせて熱処理し、その
後連続伸線機により冷間伸線して、直径2.8mmの線
材とした。下記表5はその線材の特性である。
冷却速度で鋳造及び圧延し、圧延終了温度を170℃と
して、直径9.5mmの荒引線を試作した。得られた荒
引線を、温度及び時間を種々異ならせて熱処理し、その
後連続伸線機により冷間伸線して、直径2.8mmの線
材とした。下記表5はその線材の特性である。
【0028】
【表5】
【0029】表5に示すように、熱処理温度が300℃
未満では、Zrの析出が不十分であり、引張強度、導電
率及び耐熱性が低い。熱処理温度が500℃を越える
と、再結晶化が始まり、強度低下が見られる。300〜
500℃の温度範囲であっても、熱処理時間が6時間未
満では引張強度、導電率及び耐熱性が十分ではなく、ま
た250時間を越えるとやはり強度低下が認められる。
特に熱処理温度が高い場合、粗大な析出物が多く認めら
れ、軟化が著しいことが確認された。
未満では、Zrの析出が不十分であり、引張強度、導電
率及び耐熱性が低い。熱処理温度が500℃を越える
と、再結晶化が始まり、強度低下が見られる。300〜
500℃の温度範囲であっても、熱処理時間が6時間未
満では引張強度、導電率及び耐熱性が十分ではなく、ま
た250時間を越えるとやはり強度低下が認められる。
特に熱処理温度が高い場合、粗大な析出物が多く認めら
れ、軟化が著しいことが確認された。
【0030】素線段階での熱処理条件と特性の関係 表5において、直径9.5mmの荒引線段階で380
℃,12時間の熱処理を行った試料(表5に*印で示
す)に対し、冷間加工した直径2.8mmの素線段階で
更に種々の条件で熱処理を行った。その結果の特性を下
記表6に示す。
℃,12時間の熱処理を行った試料(表5に*印で示
す)に対し、冷間加工した直径2.8mmの素線段階で
更に種々の条件で熱処理を行った。その結果の特性を下
記表6に示す。
【0031】
【表6】
【0032】表6から、200〜450℃の熱処理温度
で導電率及び耐熱性向上等の効果が認められる。ただ
し、上記温度範囲でも、熱処理時間1時間未満では効果
が十分ではなく、また100時間を越えると強度低下が
認められる。
で導電率及び耐熱性向上等の効果が認められる。ただ
し、上記温度範囲でも、熱処理時間1時間未満では効果
が十分ではなく、また100時間を越えると強度低下が
認められる。
【0033】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、組
成、及び鋳造時や圧延時の条件を最適化することによ
り、高強度且つ高導電率で耐熱性に優れた高力耐熱Al
合金導線を得ることができる。この様な高力耐熱Al合
金導線を用いることにより、送電容量を高めることが可
能であり、この発明は電力需要の増大に応える上で実益
が大きい。
成、及び鋳造時や圧延時の条件を最適化することによ
り、高強度且つ高導電率で耐熱性に優れた高力耐熱Al
合金導線を得ることができる。この様な高力耐熱Al合
金導線を用いることにより、送電容量を高めることが可
能であり、この発明は電力需要の増大に応える上で実益
が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 681 C22F 1/00 681 683 683 685 685Z 686 686A 691 691B 691C 692 692A 694 694A 694B
Claims (2)
- 【請求項1】 0.29〜1.0重量%のZr、0.0
3〜0.4重量%のSi、0.08〜0.8重量%のF
e、0.004〜0.1重量%のTiを含有し、残部が
Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶
製した後、5℃/sec以上の冷却速度で冷却しながら
鋳造し、450〜580℃の温度から5℃/sec以上
の冷却速度で冷却しながら200℃以下の仕上がり温度
になるまで70%以上の減面率の加工を加え、次いで3
00〜500℃で6〜250時間熱処理した後、60%
以上の加工率で冷間加工を施すことを特徴とする耐熱ア
ルミニウム合金導線の製造方法。 - 【請求項2】 前記冷間加工を施した後更に、200〜
450℃で1〜100時間の熱処理を施すことを特徴と
する請求項1記載の耐熱アルミニウム合金導線の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25834197A JPH1192896A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 耐熱アルミニウム合金導線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25834197A JPH1192896A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 耐熱アルミニウム合金導線の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192896A true JPH1192896A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17318904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25834197A Pending JPH1192896A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 耐熱アルミニウム合金導線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1192896A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10796821B1 (en) | 2019-06-03 | 2020-10-06 | Mi-Song Ku | Method of manufacturing polygonal shaped Al alloy wire |
-
1997
- 1997-09-24 JP JP25834197A patent/JPH1192896A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10796821B1 (en) | 2019-06-03 | 2020-10-06 | Mi-Song Ku | Method of manufacturing polygonal shaped Al alloy wire |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4279203B2 (ja) | 自動車の導電線用アルミニウム合金 | |
JP2001254160A (ja) | アルミニウム合金線の製造方法およびアルミニウム合金 | |
JPS607701B2 (ja) | 高導電耐熱アルミニウム合金の製造法 | |
JP2582073B2 (ja) | 導電用高力耐熱アルミニウム合金の製造方法 | |
JPH0125822B2 (ja) | ||
JP4144184B2 (ja) | 導電用耐熱Al合金線材の製造方法 | |
JP4144188B2 (ja) | 導電用耐熱アルミニウム合金線の製造方法 | |
JPH1192896A (ja) | 耐熱アルミニウム合金導線の製造方法 | |
JPS6123852B2 (ja) | ||
JPH11350058A (ja) | 成形性及び焼き付け硬化性に優れるアルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP2001131719A (ja) | 導電用耐熱Al合金線材及びその製造方法 | |
JP2835041B2 (ja) | 耐熱アルミニウム合金導電線の製造方法 | |
JPH1192897A (ja) | 耐熱アルミニウム合金導線の製造方法 | |
JP2001254132A (ja) | 導電用耐熱性アルミニウム合金及び合金線の製造方法 | |
JPH042664B2 (ja) | ||
JP2835042B2 (ja) | 耐熱アルミニウム合金導電線の製造方法 | |
JPH0152468B2 (ja) | ||
JPH11209856A (ja) | 導電用耐熱アルミニウム合金線の製造方法 | |
JPS6143424B2 (ja) | ||
JP2628235B2 (ja) | 導電用高耐熱性アルミニウム合金線の製造方法 | |
JP3403763B2 (ja) | 導電用高耐熱性アルミニウム合金線の製造方法 | |
JP3227072B2 (ja) | 導電用アルミニウム合金線の製造方法 | |
JP2869859B2 (ja) | 高強度導電性Cr含有銅合金とその製造方法 | |
JPS607702B2 (ja) | 導電用耐熱アルミニウム合金の製造法 | |
JPH06158246A (ja) | 導電用高耐熱性アルミニウム合金線の製造方法 |