JPH1192435A - ベンゼン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
ベンゼン誘導体およびその製造方法Info
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- JPH1192435A JPH1192435A JP26156897A JP26156897A JPH1192435A JP H1192435 A JPH1192435 A JP H1192435A JP 26156897 A JP26156897 A JP 26156897A JP 26156897 A JP26156897 A JP 26156897A JP H1192435 A JPH1192435 A JP H1192435A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】医薬、ケミカルの分野に対して、また、エンジ
ニアリングプラスチックのモノマーとして有益な多官能
性モノマーの提供。 【解決手段】化学式(I) 【化1】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン)で表されるビニル基を2
つ有するベンゼン誘導体およびその製造方法。
ニアリングプラスチックのモノマーとして有益な多官能
性モノマーの提供。 【解決手段】化学式(I) 【化1】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン)で表されるビニル基を2
つ有するベンゼン誘導体およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なビニル基を
2つ有するベンゼン誘導体およびその製造方法に関す
る。
2つ有するベンゼン誘導体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明によって提供さ
れる多官能性モノマーは、医薬、ケミカルの分野に対し
て、また、エンジニアリングプラスチックのモノマーと
して有益な化合物である。
れる多官能性モノマーは、医薬、ケミカルの分野に対し
て、また、エンジニアリングプラスチックのモノマーと
して有益な化合物である。
【0004】本発明は、医薬、ケミカルの分野に対し
て、また、エンジニアリングプラスチックのモノマーと
して有益な多官能性モノマーを提供することを目的とす
る。
て、また、エンジニアリングプラスチックのモノマーと
して有益な多官能性モノマーを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は次の要旨
からなる。すなわち 1.「化学式(I)
からなる。すなわち 1.「化学式(I)
【化4】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン)で表されるベンゼン誘導
体。」、 2.「化学式(I)のアクリルアミド基の炭素−炭素二
重結合のα水素がメチル基に置換された構造を有するベ
ンゼン誘導体。」 3.「化学式(II)
もしくはアンモニウムイオン)で表されるベンゼン誘導
体。」、 2.「化学式(I)のアクリルアミド基の炭素−炭素二
重結合のα水素がメチル基に置換された構造を有するベ
ンゼン誘導体。」 3.「化学式(II)
【化5】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン)で表されるアミノ基を2
つ有するベンゼン誘導体と、化学式(III)
もしくはアンモニウムイオン)で表されるアミノ基を2
つ有するベンゼン誘導体と、化学式(III)
【化6】 (式中Yはハロゲン原子)で表されるカルボン酸ハロゲ
ン化物とを反応させることを特徴とする、前記1のベン
ゼン誘導体の製造方法。」、 4.「化学式(II)で表されるアミノ基を2つ有するベン
ゼン誘導体と、化学式(III)の炭素−炭素二重結合のα
水素がメチル基に置換されたカルボン酸ハロゲン物とを
反応させることを特徴とする、前記2のベンゼン誘導体
の製造方法。」、 5.「反応が溶媒中で行われるものである、前記いずれ
かのベンゼン誘導体の製造方法。」および 6.「前記製造方法によって得られた反応物をpHが
4.2以上の水溶液に溶解させて、この水溶液のpHを
2以下の酸性にして、沈殿を生じさせ、沈殿を取り出す
ことを特徴とする請求項1記載のビニル基を2つ有する
ベンゼン誘導体の精製方法。」からなる。
ン化物とを反応させることを特徴とする、前記1のベン
ゼン誘導体の製造方法。」、 4.「化学式(II)で表されるアミノ基を2つ有するベン
ゼン誘導体と、化学式(III)の炭素−炭素二重結合のα
水素がメチル基に置換されたカルボン酸ハロゲン物とを
反応させることを特徴とする、前記2のベンゼン誘導体
の製造方法。」、 5.「反応が溶媒中で行われるものである、前記いずれ
かのベンゼン誘導体の製造方法。」および 6.「前記製造方法によって得られた反応物をpHが
4.2以上の水溶液に溶解させて、この水溶液のpHを
2以下の酸性にして、沈殿を生じさせ、沈殿を取り出す
ことを特徴とする請求項1記載のビニル基を2つ有する
ベンゼン誘導体の精製方法。」からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の化学式(I)またはα水素
がメチル基で置換された構造を有するベンゼン誘導体
は、重合可能なビニル基を2つ有し、親水性のカルボキ
シル基を有している。このため、ビニル重合により架橋
構造を有し、また親水性基の存在により親水性の樹脂を
得ることができる。さらにアミドを有するため、この官
能基により高い親水性が付与される。この該ベンゼン誘
導体は、一般のビニル重合、すなわち付加重合に従って
重合することができ、例えばラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合などが例示される。具体的手段として
は、熱、光、プラズマ、イオン、放射線、重合開始剤を
使用することで重合することができる。また、ビニル重
合可能な別の化合物に、ベンゼン誘導体を添加すること
で、適度な架橋構造をもつすることができる。
がメチル基で置換された構造を有するベンゼン誘導体
は、重合可能なビニル基を2つ有し、親水性のカルボキ
シル基を有している。このため、ビニル重合により架橋
構造を有し、また親水性基の存在により親水性の樹脂を
得ることができる。さらにアミドを有するため、この官
能基により高い親水性が付与される。この該ベンゼン誘
導体は、一般のビニル重合、すなわち付加重合に従って
重合することができ、例えばラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合などが例示される。具体的手段として
は、熱、光、プラズマ、イオン、放射線、重合開始剤を
使用することで重合することができる。また、ビニル重
合可能な別の化合物に、ベンゼン誘導体を添加すること
で、適度な架橋構造をもつすることができる。
【0007】本発明のビニル基を2つ有するベンゼン誘
導体は、化学式(I)において、官能基Xがプロトンであ
ることが基本の構造となるが、そのカルボキシル基が塩
となっていもよい。塩としては、例えば、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム、メチル
アンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアン
モニウム、テトラメチルアンモニウムなどのアンモニウ
ム塩が例示される。上記塩は、カルボン酸に対し対応す
る塩基性化合物の存在させることによって得ることがで
きる。
導体は、化学式(I)において、官能基Xがプロトンであ
ることが基本の構造となるが、そのカルボキシル基が塩
となっていもよい。塩としては、例えば、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム、メチル
アンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアン
モニウム、テトラメチルアンモニウムなどのアンモニウ
ム塩が例示される。上記塩は、カルボン酸に対し対応す
る塩基性化合物の存在させることによって得ることがで
きる。
【0008】また本発明のビニル基を2つ有するベンゼ
ン誘導体は、2つのアクリルアミド基と1つのカルボキ
シル基が、ベンゼン環上でどのような位置関係にあって
もよい。詳しくは、カルボキシル基がプロトン化された
化合物名で、2,3−ジアクリルアミド安息香酸、2,
4−ジアクリルアミド安息香酸、2,5−ジアクリルア
ミド安息香酸、2,6−ジアクリルアミド安息香酸、
3,4−ジアクリルアミド安息香酸、3,5−ジアクリ
ルアミド安息香酸、2,3−ジメタクリルアミド安息香
酸、2,4−ジメタクリルアミド安息香酸、2,5−ジ
メタクリルアミド安息香酸、2,6−ジメタクリルアミ
ド安息香酸、3,4−ジメタクリルアミド安息香酸、
3,5−ジメタクリルアミド安息香酸のいずれであって
もよい。
ン誘導体は、2つのアクリルアミド基と1つのカルボキ
シル基が、ベンゼン環上でどのような位置関係にあって
もよい。詳しくは、カルボキシル基がプロトン化された
化合物名で、2,3−ジアクリルアミド安息香酸、2,
4−ジアクリルアミド安息香酸、2,5−ジアクリルア
ミド安息香酸、2,6−ジアクリルアミド安息香酸、
3,4−ジアクリルアミド安息香酸、3,5−ジアクリ
ルアミド安息香酸、2,3−ジメタクリルアミド安息香
酸、2,4−ジメタクリルアミド安息香酸、2,5−ジ
メタクリルアミド安息香酸、2,6−ジメタクリルアミ
ド安息香酸、3,4−ジメタクリルアミド安息香酸、
3,5−ジメタクリルアミド安息香酸のいずれであって
もよい。
【0009】次に、本発明の化学式(I)で表されるビニ
ル基を2つ有するベンゼン誘導体の製造方法について述
べる。
ル基を2つ有するベンゼン誘導体の製造方法について述
べる。
【0010】本発明の化学式(I)で表される化合物は、
例えば以下の反応式(A)に挙げる方法により製造でき
る。
例えば以下の反応式(A)に挙げる方法により製造でき
る。
【化7】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中Yはハロゲン原
子。)
もしくはアンモニウムイオン。式中Yはハロゲン原
子。)
【0011】すなわち、化学式(II)で表されるジアミノ
安息香酸のアミノ基に化学式(III)で表されるカルボン
酸ハロゲン化物を反応させることにより、化学式(I)で
表されるベンゼン誘導体が得られる。
安息香酸のアミノ基に化学式(III)で表されるカルボン
酸ハロゲン化物を反応させることにより、化学式(I)で
表されるベンゼン誘導体が得られる。
【0012】上記反応は通常は溶媒の存在下で行われ、
使用される溶媒としては、下記する反応終了後の精製工
程の都合上、水と容易に混和しないこと、また出発原料
である化学式(II)、化学式(III)のいずれとも容易に反
応しなければ特に制限はなく、例えばジクロロメタン、
ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ヘキサン、
シクロヘキサンなどの炭化水素があげられる。
使用される溶媒としては、下記する反応終了後の精製工
程の都合上、水と容易に混和しないこと、また出発原料
である化学式(II)、化学式(III)のいずれとも容易に反
応しなければ特に制限はなく、例えばジクロロメタン、
ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ヘキサン、
シクロヘキサンなどの炭化水素があげられる。
【0013】また、反応の際の化学式(II)と化学式(II
I)の仕込み比は、化学式(II)に対して化学式(III)がモ
ル比で1〜10当量が望ましく、さらには反応式(A)に
おいて反応が理想的に進行するとすると、化学式(II)に
対して化学式(III)がモル比で2当量必要であること
と、反応終了後の精製工程の行い易さから、化学式(II)
に対して化学式(III)がモル比で1.5〜3当量がより
望ましい。
I)の仕込み比は、化学式(II)に対して化学式(III)がモ
ル比で1〜10当量が望ましく、さらには反応式(A)に
おいて反応が理想的に進行するとすると、化学式(II)に
対して化学式(III)がモル比で2当量必要であること
と、反応終了後の精製工程の行い易さから、化学式(II)
に対して化学式(III)がモル比で1.5〜3当量がより
望ましい。
【0014】また、反応の際の化学式(II)と化学式(II
I)の仕込み比は、化学式(II)に対して化学式(III)がモ
ル比で1〜10当量が望ましく、さらには1.5〜3当
量がより望ましい。反応式(A)において反応が理想的に
進行するとすると、化学式(II)に対して化学式(III)が
モル比で2当量必要であることから、仕込み比が大きす
ぎてもまた小さすぎても、反応終了後の精製工程を効率
よく行いにくくなる傾向があるからである。
I)の仕込み比は、化学式(II)に対して化学式(III)がモ
ル比で1〜10当量が望ましく、さらには1.5〜3当
量がより望ましい。反応式(A)において反応が理想的に
進行するとすると、化学式(II)に対して化学式(III)が
モル比で2当量必要であることから、仕込み比が大きす
ぎてもまた小さすぎても、反応終了後の精製工程を効率
よく行いにくくなる傾向があるからである。
【0015】また、反応温度は反応に用いる溶媒の融点
よりも5℃高い温度から95℃の間であることが望まし
く、さらには反応が発熱反応であることから、反応温度
は低温であることが望ましく、反応に用いる溶媒の融点
よりも5℃高い温度から25℃の間であることがより望
ましい。また、反応温度は反応に用いる溶媒の融点より
も5℃高い温度から95℃の間であることが望ましく、
さらには5℃高い温度から25℃の間であることがより
望ましい。反応が発熱反応であることから、反応温度が
高すぎると反応が進行しにくくなる傾向があるからであ
る。また反応時間は、化学式(II)と化学式(III)を溶媒
に添加し終わってから1分以上24時間未満であること
が望ましく、さらには反応時間があまり短すぎても反応
が終了せず、あまり長すぎても反応生成物が分解するた
め、収率を向上させるためには、5分以上6時間未満で
あることがより望ましい。また反応時間は、化学式(II)
と化学式(III)を溶媒に添加し終わってから1分以上2
4時間未満であることが望ましく、さらには5分以上6
時間未満であることがより望ましい。反応時間が短い場
合は反応が終了していない傾向があり、また反応時間が
長い場合は反応生成物が分解し始める傾向があるからで
ある。
よりも5℃高い温度から95℃の間であることが望まし
く、さらには反応が発熱反応であることから、反応温度
は低温であることが望ましく、反応に用いる溶媒の融点
よりも5℃高い温度から25℃の間であることがより望
ましい。また、反応温度は反応に用いる溶媒の融点より
も5℃高い温度から95℃の間であることが望ましく、
さらには5℃高い温度から25℃の間であることがより
望ましい。反応が発熱反応であることから、反応温度が
高すぎると反応が進行しにくくなる傾向があるからであ
る。また反応時間は、化学式(II)と化学式(III)を溶媒
に添加し終わってから1分以上24時間未満であること
が望ましく、さらには反応時間があまり短すぎても反応
が終了せず、あまり長すぎても反応生成物が分解するた
め、収率を向上させるためには、5分以上6時間未満で
あることがより望ましい。また反応時間は、化学式(II)
と化学式(III)を溶媒に添加し終わってから1分以上2
4時間未満であることが望ましく、さらには5分以上6
時間未満であることがより望ましい。反応時間が短い場
合は反応が終了していない傾向があり、また反応時間が
長い場合は反応生成物が分解し始める傾向があるからで
ある。
【0016】また、化学式(I)の水素がメチル基に置換
されたベンゼン誘導体の場合、化学式(III)に示される
構造のα炭素がメチル基に置換されたカルボン酸ハロゲ
ン化物を使用することにより、上に説明した方法と同様
に製造することができる。
されたベンゼン誘導体の場合、化学式(III)に示される
構造のα炭素がメチル基に置換されたカルボン酸ハロゲ
ン化物を使用することにより、上に説明した方法と同様
に製造することができる。
【0017】次に、本発明の化学式(I)で表されるビニ
ル基を2つ有するベンゼン誘導体の精製方法について述
べる。
ル基を2つ有するベンゼン誘導体の精製方法について述
べる。
【0018】反応式(A)で表される反応において、化学
式(I)で表されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体
のほかの主な不純物として、反応が途中までしか進行し
ていない、以下の化学式(IV)で表されるビニル基を1つ
しか有しないベンゼン誘導体が考えられる。
式(I)で表されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体
のほかの主な不純物として、反応が途中までしか進行し
ていない、以下の化学式(IV)で表されるビニル基を1つ
しか有しないベンゼン誘導体が考えられる。
【化8】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン) そこで、化学式(I)で表される化合物の純度を高めるた
めの精製方法として、上に示した反応方法の後、得られ
た反応生成物(生成物は不純物を含む)を以下の方法で
精製する方法があげられる。
もしくはアンモニウムイオン) そこで、化学式(I)で表される化合物の純度を高めるた
めの精製方法として、上に示した反応方法の後、得られ
た反応生成物(生成物は不純物を含む)を以下の方法で
精製する方法があげられる。
【0019】すなわち不純物として原料および所望の化
合物を含有する反応生成物をpHが4.2以上の水溶液
に溶解させて、この水溶液のpHを2以下の酸性にし
て、沈殿を生じさせ、沈殿と水溶液とを分離し、沈殿を
目的物として使用することである。
合物を含有する反応生成物をpHが4.2以上の水溶液
に溶解させて、この水溶液のpHを2以下の酸性にし
て、沈殿を生じさせ、沈殿と水溶液とを分離し、沈殿を
目的物として使用することである。
【0020】反応生成物中で、化学式(I)の化合物はp
Hが4.2以上の水溶液においてその多くが可溶とな
り、さらにpHが高くなるにつれて、可溶な割合は高く
なっていく。ただし、このpHが4.2以上の水溶液に
は、所望でない化学式(IV)で表される化合物も分子内に
カルボキシル基を有しているために、化学式(I)で表さ
れる化合物と同じく可溶となる。よって、pHが4.2
以上の水溶液に溶解させる段階では、pHが4.2以上
の水溶液に不溶な不純物のみが除去され、化学式(IV)で
表される化合物は除去されにくい。
Hが4.2以上の水溶液においてその多くが可溶とな
り、さらにpHが高くなるにつれて、可溶な割合は高く
なっていく。ただし、このpHが4.2以上の水溶液に
は、所望でない化学式(IV)で表される化合物も分子内に
カルボキシル基を有しているために、化学式(I)で表さ
れる化合物と同じく可溶となる。よって、pHが4.2
以上の水溶液に溶解させる段階では、pHが4.2以上
の水溶液に不溶な不純物のみが除去され、化学式(IV)で
表される化合物は除去されにくい。
【0021】また、化学式(IV)で表される化合物は分子
内にアミノ基を有するが、一方化学式(I)で表される化
合物は分子内にアミノ基を有しない。第二段階として水
溶液のpHを2以下とすることにより、化学式(I)で表
される化合物はそのほとんどが不溶となりために沈殿
し、一方化学式(IV)で表される化合物の多くは水溶液に
溶解したままとなると考えられる。よって化学式(I)で
表される化合物と化学式(IV)で表される化合物とを、精
製の第二段階である水溶液のpHを2以下にする段階で
効率よく分離することができ、化学式(I)で表される化
合物を高純度で得ることができる。
内にアミノ基を有するが、一方化学式(I)で表される化
合物は分子内にアミノ基を有しない。第二段階として水
溶液のpHを2以下とすることにより、化学式(I)で表
される化合物はそのほとんどが不溶となりために沈殿
し、一方化学式(IV)で表される化合物の多くは水溶液に
溶解したままとなると考えられる。よって化学式(I)で
表される化合物と化学式(IV)で表される化合物とを、精
製の第二段階である水溶液のpHを2以下にする段階で
効率よく分離することができ、化学式(I)で表される化
合物を高純度で得ることができる。
【0022】この精製方法の第一段階では上記したよう
にpHを4.2以上にすることが望ましいが、pHが高
ければ高くなるほど化学式(I)で表される化合物の溶解
性が高くなる一方あまりpHが高くなると化学式(I)で
表される化合物の分子内のアミド結合が加水分解される
傾向があるため、化学式(I)で表される化合物の収率を
上げるためにはpHを7〜13の範囲にすることがより
望ましい。また、この精製方法の第二段階では上記した
ようにpHを2以下にするが、あまりpHが低くなると
化学式(I)で表される化合物の分子内のアミド結合が加
水分解される傾向があるため、化学式(I)で表される化
合物の収率を上げるためにはpHを1〜2の範囲にする
ことがより望ましい。
にpHを4.2以上にすることが望ましいが、pHが高
ければ高くなるほど化学式(I)で表される化合物の溶解
性が高くなる一方あまりpHが高くなると化学式(I)で
表される化合物の分子内のアミド結合が加水分解される
傾向があるため、化学式(I)で表される化合物の収率を
上げるためにはpHを7〜13の範囲にすることがより
望ましい。また、この精製方法の第二段階では上記した
ようにpHを2以下にするが、あまりpHが低くなると
化学式(I)で表される化合物の分子内のアミド結合が加
水分解される傾向があるため、化学式(I)で表される化
合物の収率を上げるためにはpHを1〜2の範囲にする
ことがより望ましい。
【0023】また化学式(I)のα水素がメチル基に置
換されたベンゼン誘導体を精製する場合にも、化学式
(I)で表されるベンゼン誘導体の精製について上に説
明した方法と同じ方法で精製することができる。
換されたベンゼン誘導体を精製する場合にも、化学式
(I)で表されるベンゼン誘導体の精製について上に説
明した方法と同じ方法で精製することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0025】実施例1 3,5−ジアクリルアミド安息香酸(化学式(V))の製
造
造
【化9】 ジクロロメタン50ml中に3,5−ジアミノ安息香酸
(50mmol、7.6g)とトリエチルアミン(10
0mmol、10.1g)を加え、0℃で塩化アクリロ
イル(100mmol、9.0g)を滴下し、同温度で
2時間攪拌した。この溶液に1規定水酸化ナトリウム水
溶液を50ml加えて攪拌した後水層を分離した。この
水層に1規定塩酸水溶液を50ml加え、生じた沈殿の
みを取り出し、真空乾燥して3,5−ジアクリルアミド
安息香酸9.3gを得た。この化合物の分析値を次に示
す。
(50mmol、7.6g)とトリエチルアミン(10
0mmol、10.1g)を加え、0℃で塩化アクリロ
イル(100mmol、9.0g)を滴下し、同温度で
2時間攪拌した。この溶液に1規定水酸化ナトリウム水
溶液を50ml加えて攪拌した後水層を分離した。この
水層に1規定塩酸水溶液を50ml加え、生じた沈殿の
みを取り出し、真空乾燥して3,5−ジアクリルアミド
安息香酸9.3gを得た。この化合物の分析値を次に示
す。
【0026】1H−NMR(ジメチルスルホキシド−
d6、270MHz)δppm:5.83(s、1
H)、5.86(d、J=9.9Hz、2H)、6.3
6(d、J=17.1Hz、2H)、6.55(dd、
J=9.9Hz、16.8Hz、2H)、8.10
(d、J=1.0Hz、2H)、8.44(d、J=
1.3Hz、1H)、10.47(s、2H) IR(neat):796、879、980、106
7、1233、1304、1417、1454、155
6、1607、1672、1697、3088、327
7cm-1。
d6、270MHz)δppm:5.83(s、1
H)、5.86(d、J=9.9Hz、2H)、6.3
6(d、J=17.1Hz、2H)、6.55(dd、
J=9.9Hz、16.8Hz、2H)、8.10
(d、J=1.0Hz、2H)、8.44(d、J=
1.3Hz、1H)、10.47(s、2H) IR(neat):796、879、980、106
7、1233、1304、1417、1454、155
6、1607、1672、1697、3088、327
7cm-1。
【0027】実施例2 実施例1の方法によって合成した3,5−ジアクリルア
ミド安息香酸10mgを、各種水溶液1mlに溶解し、
その溶解性を調べた。この結果を次の表に示す。
ミド安息香酸10mgを、各種水溶液1mlに溶解し、
その溶解性を調べた。この結果を次の表に示す。
【0028】
【表1】 (但し溶解性において、○は溶解したことを、×は溶解
しなかったことを示す。)
しなかったことを示す。)
【0029】
【発明の効果】本発明の多官能モノマーは親水性基を持
ち、且つ2つの2重結合を持つため、医薬、ケミカルの
分野の原料として、また、エンジニアリングプラスチッ
クの原料となるモノマーとして有益な多官能性モノマー
となる。さらに本発明の製造方法および精製方法によれ
ば、本発明の多官能モノマーを高い収率で、また高純度
で得ることができる。
ち、且つ2つの2重結合を持つため、医薬、ケミカルの
分野の原料として、また、エンジニアリングプラスチッ
クの原料となるモノマーとして有益な多官能性モノマー
となる。さらに本発明の製造方法および精製方法によれ
ば、本発明の多官能モノマーを高い収率で、また高純度
で得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】化学式(I) 【化1】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン)で表されるベンゼン誘導
体。 - 【請求項2】化学式(II) 【化2】 (式中Xはプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン)で表されるアミノ基を2
つ有するベンゼン誘導体と、化学式(III) 【化3】 (式中Yはハロゲン原子)で表されるカルボン酸ハロゲ
ン化物とを反応させることを特徴とする、請求項1記載
のベンゼン誘導体の製造方法。 - 【請求項3】反応が溶媒中で行われるものである、請求
項2記載のベンゼン誘導体の製造方法。 - 【請求項4】請求項2または3の製造方法によって得ら
れた反応物をpHが4.2以上の水溶液に溶解させて、
この水溶液のpHを2以下の酸性にして、沈殿を生じさ
せ、沈殿を取り出すことを特徴とする請求項1記載のビ
ニル基を2つ有するベンゼン誘導体の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26156897A JPH1192435A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | ベンゼン誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26156897A JPH1192435A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | ベンゼン誘導体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192435A true JPH1192435A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17363726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26156897A Pending JPH1192435A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | ベンゼン誘導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1192435A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003038164A3 (de) * | 2001-11-02 | 2003-09-12 | Chemiefaser Lenzing Ag | Verfahren zur behandlung von lösungsmittelgesponnenen cellulosischen fasern |
US11351520B2 (en) | 2019-11-11 | 2022-06-07 | King Fahd University Of Petroleum And Minerals | Crosslinked resin, synthesis thereof, and use for removing organic dyes |
-
1997
- 1997-09-26 JP JP26156897A patent/JPH1192435A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003038164A3 (de) * | 2001-11-02 | 2003-09-12 | Chemiefaser Lenzing Ag | Verfahren zur behandlung von lösungsmittelgesponnenen cellulosischen fasern |
AT413824B (de) * | 2001-11-02 | 2006-06-15 | Chemiefaser Lenzing Ag | Verfahren zur behandlung von lösungsmittelgesponnenen cellulosischen fasern |
US11351520B2 (en) | 2019-11-11 | 2022-06-07 | King Fahd University Of Petroleum And Minerals | Crosslinked resin, synthesis thereof, and use for removing organic dyes |
US11618006B2 (en) | 2019-11-11 | 2023-04-04 | King Fahd University Of Petroleum And Minerals | Method for removing a pollutant from aqueous solution with a crosslinked polymer |
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