JPH1191543A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JPH1191543A
JPH1191543A JP27375197A JP27375197A JPH1191543A JP H1191543 A JPH1191543 A JP H1191543A JP 27375197 A JP27375197 A JP 27375197A JP 27375197 A JP27375197 A JP 27375197A JP H1191543 A JPH1191543 A JP H1191543A
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reservoir
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センタバルブ型マスタシリンダにおいて、入
口ポートを省略し、また、ストッパピンの回動および抜
けを防止する。 【解決手段】 シリンダ本体2内に、セカンダリピスト
ン6を嵌装して加圧室2bと供給室2dとを画成する。リザ
ーバポート14内から、ピン穴18にストッパピン27を挿入
して、セカンダリピストン6の原位置を規定し、開閉ロ
ッド21の当接、離間によってセンタバルブ17を開閉さ
せ、圧室2bと供給室2dとを連通、遮断して、ブレーキ液
容量およびブレーキ液体積の変化を補償する。円筒状の
ストッパピン27の内部およびスリット27a を介してリザ
ーバポート14と供給室2dとを連通させることにより、こ
れらの間を連通させる入口ポートを省略することができ
る。また、ストッパピン27に係止部27b を設け、リザー
バポート14の内周面および接続ノズル23の先端部に当接
させてストッパピン27の回動および抜けを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ブレーキ、油
圧クラッチ等の油圧装置に接続されるマスタシリンダの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の油圧ブレーキ、油圧クラッチ等の
油圧装置に接続されるマスタシリンダには、ピストンの
ストロークの開始にともない、ピストン部に設けられた
センタバルブがリザーバ側に連通する通路を閉鎖するこ
とによって油圧を発生させるようにしたいわゆるセンタ
バルブ型のマスタシリンダがある。
【0003】従来のセンタバルブ型のマスタシリンダの
一例について図7および図8を参照して説明する。図7
および図8に示すように、マスタシリンダ1は、自動車
の油圧ブレーキ装置に接続されるコンベンショナル/セ
ンタバルブ型のタンデムマスタシリンダであり、シリン
ダ本体2内に、後輪側の出力ポート3に連通する加圧室
2aを加圧するプライマリピストン4と、前輪側の出力ポ
ート5に連通する加圧室2bを加圧するセカンダリピスト
ン6とが直列に嵌装されている。プライマリピストン4
とセカンダリピストン6との間には、第1戻しばね7お
よび連結部材8が介装されており、セカンダリピストン
6とシリンダ本体2の底部との間には、第2戻しばね9
が介装されている。
【0004】シリンダ本体2の側壁には、プライマリピ
ストン4に対向する部位に第1リザーバポート10が設け
られている。第1リザーバポート10は、入口ポート11お
よび補償ポート12によってシリンダ本体2内に連通され
ている。入口ポート11は、プライマリピストン4のピス
トンカップ13の背面側の供給室2cに常時開口するように
配置されている。また、補償ポート12は、プライマリピ
ストン4が図7に示す原位置にあるとき、加圧室2aのピ
ストンカップ13の前面側(加圧側)直近に開口するよう
に配置されている。このようにして、プライマリピスト
ン4は、コンベンショナル型のマスタシリンダを構成し
ている。
【0005】シリンダ本体2の側壁には、さらに、セカ
ンダリピストン6に対向する部位に第2リザーバポート
14が設けられている。第2リザーバポート14は、入口ポ
ート15(図8参照)によってシリンダ本体2内に連通さ
れている。入口ポート15は、セカンダリピストン6のピ
ストンカップ16の背面側の供給室2dに常時開口するよう
に配置されている。セカンダリピストン6には、ピスト
ンカップ16によって画成された加圧室2bと供給室2dとの
間を連通、遮断するセンタバルブ17が設けられている。
【0006】シリンダ本体2には、第2リザーバポート
14内の底部からシリンダ本体2の直径方向にピン穴18が
穿設され、このピン穴18に、供給室2dをその直径方向に
横切るストッパピン19が挿入されている。そして、スト
ッパピン19がセカンダリピストン6の中間部に形成され
た長孔20に挿通されてそのストローク範囲を規制してい
る。また、センタバルブ17は、通常は閉弁しており、セ
カンダリピストン6が図7に示すその原位置まで後退
し、長孔20の端部がストッパピン19に当接してセンタバ
ルブ17の開閉ロッド21を押圧することにより、センタバ
ルブ17が開弁するようになっている。このようにして、
セカンダリピストン6は、センタバルブ型のマスタシリ
ンダを構成している。
【0007】第1リザーバポート10および第2リザーバ
ポート14には、リザーバ22の接続ノズル23がリテーナ24
を介して嵌合されている(第1リザーバポート10側のみ
図示する)。ここで、リザーバ23の接続ノズル23の先端
縁部とピン穴18とが重なるように配置されており、接続
ノズル23をストッパピン19の抜け止めとしている。出力
ポート3には、液圧制御弁(図示せず)を介して後輪ブ
レーキのホィールシリンダ(図示せず)が接続され、接
続5には、前輪ブレーキのホィールシリンダ(図示せ
ず)が接続される。また、プライマリピストン4の一端
部の連結穴25には、ブレーキペダルに連結された倍力装
置(図示せず)のプッシュロッドが連結される。
【0008】このように構成されたマスタシリンダ1の
作用について次に説明する。
【0009】ブレーキペダルを操作して、倍力装置のプ
ッシュロッドによってプライマリピストン4およびセカ
ンダリピストン6を移動させる、プライマリピストン4
は、そのストロークの開始によってピストンカップ13が
補償ポート12を遮断し、加圧室2aを加圧して出力ポート
3から液圧制御弁を介して後輪ブレーキのホィールシリ
ンダへ加圧ブレーキ液を供給して後輪ブレーキを作動さ
せる。同時に、セカンダリピストン4は、そのストロー
クの開始によって開閉ロッド21がストッパピン19から離
間してセンタバルブ17が閉じ、加圧室2bを加圧して出力
ポート5から前輪ブレーキのホィールシリンダへ加圧ブ
レーキ液を供給して前輪ブレーキを作動させる。
【0010】ブレーキペダルの操作を解除すると、戻し
ばね7,9によって、プライマリピストン4およびセカ
ンダリピストン6が原位置に復帰し、プライマリピスト
ン4側では、加圧室2aが入力ポート11および補償ポート
12を介してリザーバ22に連通されてブレーキ液の過不足
が補償され、また、セカンダリピストン6側では、開閉
ロッド21がストッパピン19に押圧されてセンタバルブ17
が開弁し、加圧室2bが供給室2dを介してリザーバ22に連
通されてブレーキ液の過不足が補償される。これによ
り、ブレーキシューまたはブレーキパッドの摩耗による
ブレーキ液容量の変化および温度によるブレーキ液の体
積変化を吸収することができる。
【0011】なお、上記と同様のストッパピンを有する
センタバルブ型のマスタシリンダは、特開昭55-102762
号公報にも記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のセンタバルブ型のマスタシリンダ1では、次のよう
な問題がある。シリンダ本体2のセカンダリピストン6
側の側壁には、ピン穴18および入口ポート15の2つ開口
が設けられているので、セカンダリピストン6の組付時
に、これらの開口の縁部によってピストンカップ16が損
傷を受けやすい。また、リザーバ22の接続ノズル23の先
端縁部をピン19の抜け止めとするため、ピン孔18を接続
ノズル23の先端縁部と重なるように配置する必要がある
ので、ストッパピン19のレイアウトの自由度が制約され
る。
【0013】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、ピストン組付時のピストンカップの損傷を防止
するとともに、ストッパピンのレイアウトの自由度を大
きくすることができるセンタバルブ型のマスタシリンダ
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、リザーバの接続ノズルが嵌合されるリ
ザーバポートおよび油圧装置が接続される出力ポートを
有するシリンダ本体と、該シリンダ本体に摺動可能に嵌
装されて前記シリンダ本体内を前記出力ポートに連通す
る加圧室と前記リザーバポートに連通する供給室とに画
成するピストンと、前記ピストンに設けられ前記加圧室
と前記供給室とを連通、遮断するセンタバルブと、前記
シリンダ本体内の供給室を横切るように設けられて前記
ピストンの原位置を規定するとともに、前記ピストンが
原位置にあるとき前記センタバルブを開弁させ、前記ピ
ストンがストロークを開始したとき前記センタバルブを
閉弁させるストッパピンとを備えたマスタシリンダであ
って、前記ストッパピンは、前記リザーバポート内に設
けられたピン穴から前記供給室内に挿入され、また、前
記リザーバポートと前記供給室とを連通させる作動油通
路と、前記リザーバポートの内周面に当接して前記スト
ッパピンの回動を規制するとともに前記リザーバの接続
ノズルの先端部に当接して前記ストッパピンの抜け止め
を行う係止部とを有していることを特徴とする。
【0015】このように構成したことにより、シリンダ
本体のリザーバポートと供給室とがストッパピンの作動
油通路によって連通される。また、係止部がリザーバポ
ートの内周面に当接してストッパピンの回動を規制し、
さらに、リザーバポートに嵌合されたリザーバの接続ノ
ズルの先端部に当接してストッパピンの抜けを防止す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態は、図7
および図8に示す従来例に対して、セカンダリピストン
側のストッパピンおよび入口ポートの構造が異なる以外
は概略同様の構成であるから、以下、図7および図8に
示すものと同様の部分には同一の番号を付して異なる部
分についてのみ詳細に説明する。
【0017】図1および図2に示すように、本実施形態
のマスタシリンダ26では、上記従来例において、第2リ
ザーバポート14をシリンダ本体2内に連通させる入口ポ
ート15が省略されている。また、第2リザーバポート14
からシリンダ本体2の直径方向に穿設されたピン穴18に
は、上記従来例のストッパピン19の代わりに、ストッパ
ピン27が挿入されて供給室2dをその直径方向に横切って
いる。
【0018】図3に示すように、ストッパピン27は、円
筒状部材の側壁の一部にその軸方向に沿って延びるスリ
ット27a (作動油通路)が形成され、また、一端部にそ
の径方向に沿って外方へ延びる係止部27b が形成されて
いる。図4に示すように、係止部27b の径方向外方への
突出長さLは、ストッパピン27がピン穴18に挿入された
状態で、第2リザーバポート14の直径方向に沿って、第
2リザーバポート14の内周面付近まで達する長さとなっ
ており、係止部27b の先端部が第2リザーバポート14の
内周面に当接することにより、ストッパピン27の回動範
囲が角度θに規制されるようになって。また、係止部27
b の先端部付近が第2リザーバポート14に取付けられた
リザーバ22の接続ノズル23の先端縁部に当接することに
より、ストッパピン27がピン穴18から抜けないようにな
っている。
【0019】このように構成したことにより、ストッパ
ピン27は、第2リザーバポート14内からピン穴18に挿入
することにより、供給室2dを横切るように装着すること
ができる。そして、第2リザーバポート14は、ピン穴18
に挿入されたストッパピン27の内部およびスリット27a
を介して、シリンダ本体2内の供給室2dに常時連通され
る。これにより、上記従来例と同様に、加圧室2bとリザ
ーバ22との間で供給室2dおよびセンタバルブ17を介して
ブレーキ液の授受を行うことができ、ブレーキシューま
たはブレーキパッドの摩耗によるブレーキ液容量の変化
および温度によるブレーキ液の体積変化を吸収すること
ができる。
【0020】そして、上記従来の入口ポート15を省略し
てシリンダ本体2内のセカンダリピストン6側の開口を
ピン穴18のみとしたので、セカンダリピストン6の組付
時にピストンカップ16を損傷しにくくすることができ
る。
【0021】また、係止部27b によってストッパピン27
の回り止めを行っているので、ストッパピン27が回動し
てセンタバルブ17の開閉ロッド21がストッパピン27のス
リット27a に当接することがなく、開閉ロッド21を確実
にストッパピン27の側壁に当接させてセンタバルブ17を
開閉することができる。さらに、係止部27b は、第2リ
ザーバポート14の内周面付近まで延ばされているので、
ピン穴18の位置にかかわらず、係止部を第2リザーバポ
ート14に取付けられたリザーバ22の接続ノズル23の先端
縁部に当接させることができる。これにより、ピン穴18
を接続ノズル23の先端縁部と重なるように配置する必要
がなくなり、ストッパピン27のレイアウトの自由度を大
きくすることができる。
【0022】本実施形態に用いられるストッパピンは、
図3に示すものの他、例えば図5に示すように、円柱状
部材の側壁に軸方向に沿って溝28a (作動油通路)を形
成し、一端部に図3のものと同様の係止部を28b を形成
したストッパピン28として、溝28a によって第2リザー
バポート14とシリンダ本体2内の供給室2dとを常時連通
させるブレーキ液通路を形成するようにすることもでき
る。
【0023】また、例えば図6に示すように、円筒状部
材の側壁に貫通孔29a (作動油通路)を穿設し、一端部
に図3のものと同様の係止部を29b を形成したストッパ
ピン29として、円筒状部材の内部および貫通孔29a によ
って第2リザーバポート14とシリンダ本体2内の供給室
2dとを常時連通させるブレーキ液通路を形成するように
することもできる。
【0024】本実施形態のストッパピンは、これらの
他、第2リザーバポート14とシリンダ本体2内の供給室
2dとを常時連通させるブレーキ液通路を形成することが
でき、回動および脱落を防止する係止部を有するもので
あれば、その他の形状のものとすることもできる。
【0025】なお、本実施形態では、一例としてコンベ
ンショナル/センタバルブ結合型タンデムマスタシリン
ダのセカンダリピストン側に構成されたセンタバルブ型
のマスタシリンダに関連して説明したが、本発明は、こ
れに限らずストッパピンを有するセンタバルブ型のマス
タシリンダであれば、この他のものにも同様に適用する
ことができる。また、ブレーキマスタシリンダに限らず
クラッチマスタシリンダ等のその他の油圧装置のマスタ
シリンダにも同様に適用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、センタ
バルブ型のマスタシリンダにおいて、リザーバポート内
に設けられたピン穴から供給室内に挿入されるストッパ
ピンに、作動油通路および係止部を設けたことにより、
シリンダ本体のリザーバポートと供給室とがストッパピ
ンの作動油通路によって連通される。また、係止部がリ
ザーバポートの内周面に当接してストッパピンの回動を
規制し、さらに、リザーバポートに嵌合されたリザーバ
の接続ノズルの先端部に当接してストッパピンの抜を防
止する。その結果、従来の入口ポートを省略して、シリ
ンダ本体内のセカンダリピストン側の開口をピン穴のみ
とすることができ、セカンダリピストンの組付時にピス
トンカップを損傷しにくくすることができる。また、係
止部によってストッパピンの抜けおよび回動を防止する
ことができるので、ピン穴をリザーバの接続ノズルの先
端縁部と重なるように配置する必要がなくなり、ストッ
パピンのレイアウトの自由度を大きくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るタンデムマスタシリ
ンダのセンタバルブ型マスタシリンダを構成するセカン
ダリピストン部の縦断面図である。
【図2】図1のマスタシリンダのセカンダリピストン部
を示す平面図である。
【図3】図1の装置のストッパピンの斜視図である。
【図4】図1の装置のストッパピンの係止部によるスト
ッパピンの回動範囲を示す図である。
【図5】図1の装置に適用されるストッパピンの変形例
を示す斜視図である。
【図6】図1の装置に適用されるストッパピンの他の変
形例を示す斜視図である。
【図7】従来のコンベンショナル/センタバルブ結合型
タンデムマスタシリンダの縦断面図である。
【図8】図7のマスタシリンダのセカンダリピストン部
を示す平面図である。
【符号の説明】
2 シリンダ本体 2b 加圧室 2d 供給室 5 出力ポート 6 セカンダリピストン(ピストン) 14 第2リザーバポート(リザーバポート) 17 センタバルブ 18 ピン穴 22 リザーバ 23 接続ノズル 26 マスタシリンダ 27,28,29 ストッパピン 27a スリット(作動油通路) 27b,28b,29b 係止部 28a 溝(作動油通路) 29a 貫通孔(作動油通路)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リザーバの接続ノズルが嵌合されるリザ
    ーバポートおよび油圧装置が接続される出力ポートを有
    するシリンダ本体と、該シリンダ本体に摺動可能に嵌装
    されて前記シリンダ本体内を前記出力ポートに連通する
    加圧室と前記リザーバポートに連通する供給室とに画成
    するピストンと、前記ピストンに設けられ前記加圧室と
    前記供給室とを連通、遮断するセンタバルブと、前記シ
    リンダ本体内の供給室を横切るように設けられて前記ピ
    ストンの原位置を規定するとともに、前記ピストンが原
    位置にあるとき前記センタバルブを開弁させ、前記ピス
    トンがストロークを開始したとき前記センタバルブを閉
    弁させるストッパピンとを備えたマスタシリンダであっ
    て、 前記ストッパピンは、前記リザーバポート内に設けられ
    たピン穴から前記供給室内に挿入され、また、前記リザ
    ーバポートと前記供給室とを連通させる作動油通路と、
    前記リザーバポートの内周面に当接して前記ストッパピ
    ンの回動を規制するとともに前記リザーバの接続ノズル
    の先端部に当接して前記ストッパピンの抜け止めを行う
    係止部とを有していることを特徴とするマスタシリン
    ダ。
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