JPH1190495A - 有機性汚泥の超臨界水酸化方法 - Google Patents

有機性汚泥の超臨界水酸化方法

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JPH1190495A JP25979497A JP25979497A JPH1190495A JP H1190495 A JPH1190495 A JP H1190495A JP 25979497 A JP25979497 A JP 25979497A JP 25979497 A JP25979497 A JP 25979497A JP H1190495 A JPH1190495 A JP H1190495A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後段の排ガス処理設備が必要なく、また処理
水を放流することによる周辺環境水の富栄養化を招くこ
とがないように有機性汚泥の処理を行う。 【解決手段】 水の臨界温度以上でかつ臨界圧力以上の
条件で、超臨界水の存在下に、有機性汚泥を酸化処理す
る方法であって、酸化剤と混合した有機性汚泥を600
℃以上の反応温度で酸化処理し、得られた処理流体にリ
ン酸イオンの不溶化剤を添加した後、固液分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥に代表さ
れる有機性廃水の生物処理装置から発生する余剰汚泥等
の有機性汚泥の酸化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に下水汚泥等の有機性汚泥は、水分と
共にたん白質,脂肪及び炭水化物などの有機物を多量に
含むため腐敗し易く、悪臭防止や公衆衛生上の観点から
安定化、無害化、減容化が必要とされている。その代表
的な有機性汚泥である下水汚泥の発生は全国で約800
0万m3 (濃縮汚泥基準:含水率98%)という莫大な
量であり、年々増加の傾向にあり、大都市の多くの下水
処理場においては、埋め立て地の確保が困難であること
から、一般に焼却法を採用して焼却後の灰分のみを埋め
立ている。
【0003】従来行われている有機性汚泥の焼却法とし
ては、汚泥中の有機物の完全分解や悪臭対策として80
0℃前後で行われる方法があるが、この温度域では汚泥
中の窒素成分や硫黄成分が酸化物を形成し、窒素酸化物
・硫黄酸化物となつて排ガス中に同伴されることが問題
となっている。また、焼却後の灰分も多くの場合は、排
ガスに同伴されて出てくる。従って、汚泥焼却の設備に
おいては一般に脱硝設備、脱硫設備及び電気集塵機等の
排ガス処理設備の設置が不可欠となっている。このよう
に排ガス処理設備を設けることが必要であることから、
従来の有機性汚泥の上述の焼却法による設備はコスト
(初期投資・維持管理費)が嵩み、あるいは設置面積が
広く必要になるという問題があって、その改善が望まれ
ている。
【0004】有機性汚泥の焼却処理の他の方法として
は、200〜300℃・2〜10MPaの亜臨界域で焼
却を行う湿式酸化法も知られている。この湿式酸化法
は、汚泥中の有機物を酸素で酸化する方式のものであ
り、化学工場廃液、屎尿処理及び下水汚泥の処理として
数多くの実績を有している。
【0005】しかしながら、この方法では多くの場合有
機物の分解が完全には行われず、その結果として悪臭の
発生や後段にさらに水処理施設が必要になるなどの問題
を招き、その改善が望まれている。
【0006】また、近年注目されている技術として水の
臨界温度・臨界圧力(374℃・22MPa)以上の条
件で酸化処理を行う、いわゆる超臨界水酸化法が提案さ
れている。この超臨界水酸化法は、理論的には有機物の
完全分解が可能であり、しかも有機性汚泥中の炭素成分
・窒素成分はそれぞれ二酸化炭素・窒素ガスのように無
害なガスとして排出させることができる点で極めて優れ
ている。また、硫黄成分は硫酸イオンとして水中に捕捉
することができるため、従来の焼却法で必要とされてい
る後段の排ガス処理施設は不要にできる点でも優れてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に有機性汚泥の処理法として優れている超臨界水酸化法
においても、本発明者等の研究によれば、窒素・リン成
分が難分解性の物質として含まれている場合には、有機
物の分解が完全には行われずに超臨界水酸化処理水中に
残存し、この超臨界水酸化処理水を直接放流すれば、放
流水に含まれる有機物・窒素・リン成分によって湖沼や
海洋の富栄養化を引き起こすおそれがある。
【0008】周知の如く、一般環境に排出される処理水
については窒素及びリンに対して排水規制があり、例え
ば、富栄養化防止条例による琵琶湖への排水基準では、
新設下水道処理場に係る排水基準は生物学的酸素要求量
(BOD)20mg/リットル,全窒素(TN)15m
g/リットル,全リン(TP)0.5mg/リットルと
定められている。
【0009】このため、有機性汚泥の焼却処理に超臨界
水酸化処理法を用いる場合にも、このような排水規制を
満足する技術の開発が必要である。
【0010】本発明は、以上のような観点から、後段の
排ガス処理設備が必要なく、また処理水を放流すること
による周辺環境水の富栄養化を招くことがないように有
機性汚泥の処理を行うことができる超臨界水酸化の処理
方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0011】また本発明の別の目的は、超臨界水酸化処
理の条件を明確にすることにより、有機性汚泥を超臨界
水酸化処理した処理流体中から有機体炭素・窒素・リン
成分を除去する操作を容易かつ確実に行うことができる
ようにするところにある。
【0012】本発明の更に別の目的は、有機性汚泥を超
臨界水酸化処理して、その処理流体(処理水)中に含ま
れる主にリン成分の除去を安定に行うことができるよう
にするところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は上記した
特許請求の範囲の各請求項に記載した発明により達成さ
れる。
【0014】本願請求項1の有機性汚泥の超臨界水酸化
方法の発明は、水の臨界温度以上でかつ臨界圧力以上の
条件で、超臨界水の存在下に、有機性汚泥を酸化処理す
る方法であって、酸化剤と混合した有機性汚泥を600
℃以上の反応温度で酸化処理し、得られた処理流体にリ
ン酸イオンの不溶化剤を添加した後、固液分離すること
を特徴とする。
【0015】上記構成において、超臨界水酸化処理を6
00℃以上、好ましくは600〜680℃の温度で行う
のは、水の臨界温度374℃以上で行われる超臨界水酸
化処理を例えば550°C前後の一般な温度で行うと、
有機性汚泥中の難分解性物質に含まれる有機物・窒素・
リン成分の完全分解が行われず超臨界水酸化処理水中に
残存し、このような分解不十分な物質を含む超臨界水酸
化処理水を直接放流すれば周辺環境水の富栄養化を引き
起こす虞れがあるのに対し、600℃以上の温度超臨界
水酸化処理を行うことで、有機性汚泥を完全分解するこ
とができ、併せてリン酸イオンを不溶化することによっ
て富栄養化の原因となる成分の放流を防止できるからで
ある。
【0016】有機物のうちの主に有機体炭素は、反応温
度550℃以上では、完全分解し、全て二酸化炭素とな
るが、550℃より低い反応温度では完全分解されず、
処理水中にT0C成分として若干残存する。また窒素成
分は、反応温度600℃以上では完全分解し全て窒素ガ
スとなるが、600℃より低い温度では完全分解され
ず、処理水中にアンモニア性窒素として大量に残存す
る。これらの理由により、処理水の放流による富栄養化
の問題を解消するために、超臨界水酸化処理の反応温度
は600℃以上で行うことが必須とされる。
【0017】またリン成分は、有機性汚泥の超臨界水酸
化によりリン酸イオンになる。このリン酸イオンはアル
カリ金属以外の金属と不溶性の塩を容易に形成し、固形
物として分離でき、、有機性汚泥中にはももともとアル
カリ金属以外の金属を含まれているのが通常であるた
め、リン酸イオンは有機性汚泥中のアルカリ金属以外の
金属(Ca,Mg,Fe,Al等)と不溶体を形成し、
固形物として除去される。しかし、これらの金属が有機
性汚泥中に大過剰に存在することはまれであるためリン
酸イオンの一部は処理水中に残存する。このため処理水
の放流によるリン成分の富栄養化の問題を解消するリン
酸イオンの不溶化及び固液分離処理が本発明においては
必須とされる。
【0018】リン酸イオンの不溶化剤としては、リン酸
と結合して不溶体を形成する例えばカルシウム(C
a)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、アルミニウ
ム(Al)等の水酸化物、塩化物、硫酸塩等の凝集剤を
用いることができる。この不溶化剤の添加により形成さ
れた不溶体は、沈澱装置や濾過装置等の固液分離装置で
固液分離される。
【0019】なお上記リン酸イオンの不溶化剤の添加
は、超臨界水酸化の処理を行う前に添加することも可能
であるが、この不溶化剤自体が超臨界水酸化されること
が考えられるので、酸化処理後に添加する場合に比べて
添加量が多く必要となる。また不溶化剤は上記で例示し
たような成分のものである場合が多く、スケールの発生
原因となり易いので、上記発明のように酸化処理の後に
添加することがよいが、反応器の後段から固液分離器の
間であれば添加位置は特に限定されるものではない。
【0020】上記発明において被処理原料として用いる
有機性汚泥としては、通常の下水処理場から排出される
下水汚泥や各種の有機性廃水の生物処理装置から排出さ
れる余剰汚泥等が包含される。
【0021】上記の発明において用いられる酸化剤とし
ては、空気、酸素富化ガス等の他、過酸化水素水等の液
体酸化剤を用いることもできる。超臨界水は有機性汚泥
に例えば85〜95%程度含まれている水が超臨界雰囲
気下で超臨界水となるので別途に注入することは省略す
ることができる。また、有機性汚泥に硫黄等の酸を生成
する成分が含まれている場合にも、これと反応して塩を
生成する成分が一般に該有機性汚泥に含まれているので
中和剤の添加も特に要しない場合が多い。
【0022】上記方法を実施するために用いられる装置
としては、所定径のパイプを数十mないし100m以上
に延設した管状反応器の一端側から有機性汚泥及び酸化
剤を吹き込んで超臨界水酸化反応を行わせ、他端側から
超臨界水酸化処理後の生成流体を排出する方式、あるい
は縦筒型のベッセル型と称される反応器の上部中央から
有機性汚泥及び酸化剤を吹き込で超臨界水酸化反応を行
わせ、水及び二酸化炭素等のガス成分からなる生成流体
を上部から排出する方式など種々の型の装置を用いるこ
とができるが、管状反応器が好ましく採用される。超臨
界水酸化処理の反応は、水の臨界圧以上一般的には22
〜50MPa、好ましくは22〜25MPaで、一般的
には1〜10分、好ましくは1〜2分程度の時間で行わ
れる。
【0023】請求項3の発明は、上記リン酸イオンの不
溶化剤の添加を、超臨界水酸化処理後の処理流体を気液
分離し、減圧した後の処理水に対して行うことを特徴と
する。
【0024】この発明によれば、減圧後に不溶化剤の添
加を行うので、添加操作を常圧下で容易に行うことがで
きる。
【0025】請求項4の発明は、上記の各発明におい
て、固液分離前の処理水に含まれる全リン濃度を連続又
は間欠的に測定し、この測定値に基づいてリン酸イオン
の不溶化剤の添加量を制御することを特徴とする。
【0026】全リン濃度の測定は、例えばモリブデンブ
ルー吸光光度法(JIS法)、ICP発光分析法等によ
り行うことができる。凝集剤の添加量制御は、例えば、
凝集剤の種類により予め全リン濃度に対する必要量を算
出しておき、全リン濃度測定値と処理水量から凝集剤の
添加量の最適値を決定することができ、固液分離工程の
後段で測定してフィードバック制御するか、あるいは固
液分離工程の前段で測定してフィードフォワード制御す
ることが好ましい。
【0027】この発明によれば、凝集剤の添加量を最適
に制御できて、凝集剤の無駄をなくすことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は、本発明の方法を実施するための装置の構成概要
一例を示したものである。この図1において1は管状反
応器であり、必要に応じて図示しない位置の予熱器で一
次予熱された有機性汚泥と、酸化剤(例えば空気)とが
その始端側から吹き込まれる。本例のこの管状反応器1
は、その始端側の所定範囲に熱交換器2が設けられてい
て、反応器1の終端部から排出管3に排出された超臨界
水酸化処理後の処理流体を該熱交換器2に通すことで、
上記により吹き込まれた有機性汚泥が自燃する温度以上
に予熱されるように設けられている。
【0029】上記のようにして吹き込まれた有機性汚泥
は、予熱された後、管状反応器1の内部で反応温度60
0℃以上で超臨界水酸化処理され、処理流体は終端部か
ら排出管3に排出されて、熱交換器2を通って例えば1
00℃程度に冷却された後、自然空冷等で更に温度が低
下されて気液分離器4に導かれ、気体と、液体・固体混
合物に分離される。気液分離された二酸化炭素,窒素ガ
ス等の気体は、気液分離器4の上部から引き抜かれ、減
圧弁5を通して排ガスとして系外に排出される。
【0030】他方、気液分離された液体(処理水)・固
体混合物は、気液分離器4の下部から排出され、減圧弁
6で減圧された後、配管7で固液分離器8に送られる途
中で凝集剤(リン酸イオンの不溶化剤)が添加される。
固液分離器8では不溶体として凝集したリン酸成分(リ
ン酸アルミニウム等)を処理灰(固体)として分離し、
分離された処理水は系外に排出される。
【0031】なお、上記の気液分離器,減圧弁,固液分
離器の構成順序は、本例では図示の通りとしているが、
これに限定されるものではなく、例えば、減圧弁を通し
てから気液分離器に導入し、固液分離器を介して排出す
ることも可能であるし、固液分離を介してから気液分離
を行い、減圧弁を通すことも可能である。
【0032】以上の処理によって、有機性汚泥に含まれ
ていた有機炭素及び窒素は二酸化炭素,窒素ガスにまで
完全に分解されて排出され、またリン成分は固体(処理
灰)として分離され、処理水から除去することができ
る。これにより有機性汚泥の酸化処理によって生ずる処
理水の放流により周辺環境水の富栄養化を引き起こすと
いう問題が防止でき、また排ガス処理設備も不要とでき
る。
【0033】なお本例の構成では、固液分離器8からの
排出配管9で排出される処理水中のリン濃度をリン濃度
検出器10で測定し、この測定値の情報により制御装置
11を稼働させて添加する凝集剤の量を最適値にフィー
ドバック制御するようにしている。これにより、凝集剤
の無駄のない添加を行うことができる。なおこの制御
は、凝集剤添加位置の前段における処理水中のリン濃度
を測定し、フィードフォワードで制御することも可能で
ある。
【0034】実施形態2 図2に示した本例は、管状反応器1の始端側の一定長さ
範囲と終端側の一定長さ範囲にそれぞれ熱交換器21,
22を設け、これらの間で熱媒体を循環系路23,23
を通し循環させることで、反応器1の始端側において吹
き込まれた有機性汚泥の予熱を行うと共に、終端側にお
いて酸化処理で生成した処理流体の冷却を行うようにし
たことを特徴とするが、他の構成は実施形態1と同じで
ある。
【0035】本例によっても、上記実施形態1と同様
に、有機性汚泥に含まれていた有機炭素及び窒素は二酸
化炭素,窒素ガスにまで完全に分解されて排出され、ま
たリン成分は固体(処理灰)として分離され、処理水か
ら除去することができる。これにより有機性汚泥の酸化
処理によって生ずる処理水の放流により周辺環境水の富
栄養化を引き起こすという問題が防止でき、また排ガス
処理設備も不要とでき、また熱媒体を循環させる構成と
したことにより、直接的な熱交換に比較して接触部での
コロージョンを軽減することができるという利点も得ら
れる。
【0036】参考例1 図3は、図1で示した実施形態1の装置の構成と比べ
て、凝集剤の添加を行わない点を除いて同じである。
【0037】この構成の装置で、実施形態1と同じ条件
で有機性汚泥の超臨界水酸化処理を行った場合、有機炭
素・窒素の完全分解はできて排ガスとしてそのまま排出
することは可能であるが、処理水中にリン成分が残留す
ることがあり、処理水の直接放流を行うと、周辺環境水
の富栄養化を引き起こす虞れがある。
【0038】
【実施例】
実施例1 実施形態1の装置を用いて、以下の条件で有機性汚泥の
超臨界水酸化処理を行った。
【0039】(試験条件) 管状反応器:内径6.8mm、長さ18m 有機性汚泥 下水汚泥(汚泥濃度10重量%) 全有機体炭素:4% 全窒素 :0.5% 全リン :0.2% 汚泥供給量 :30ml/min 酸化剤 :空気 超臨界水酸化処理 反応温度:650℃ 圧力 :25MPa 凝集剤(不溶化剤) ポリ塩化アルミニウム(PAC),濃度10%asAl
23 添加量:0.05リットル/kgDS その試験の結果を下記表1に示した。この表1の結果か
ら分かるように、反応温度約650℃で超臨界水酸化処
理を行い、凝集剤を添加することにより、処理水中の有
機体炭素・全窒素・全リンは全て良好に除去され、処理
水は直接放流できる水質となった。
【0040】
【表1】
【0041】比較例1 図3の装置を用いて、以下の条件で有機性汚泥の超臨界
水酸化処理を行った。(試験条件) 管状反応器:実施例1と同じ 有機性汚泥:実施例1と同じ 酸化剤 :空気 超臨界水酸化処理 反応温度:550℃ 圧力 :25MPa その結果を上記表1に示した。この表1の結果から、反
応温度約550℃で超臨界水酸化処理を行い、凝集剤添
加を行わなかったところ、処理水中の全窒素は319m
g/リットルと非常に高い値を示し、処理水全リンにつ
いても10mg/リットル以上であり、窒素・リンにつ
いて排水基準を満たさない水質であった。
【0042】比較例2 超臨界水酸化の反応を約650℃で行なった他は、比較
例1と同じ条件で有機性汚泥の超臨界水酸化処理を行っ
た。
【0043】その結果は、処理水中の有機体炭素・全窒
素は実施例1と同様に良好に除去されたが、処理水の水
質はリンについては排水基準を満たさないものであっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明による方法により有機性汚泥の処
理をすることにより、従来法と比較して以下の効果が奏
される。
【0045】(1)有機性汚泥を超臨界水酸化処理を所
定の条件で行い、かつリン成分除去のための不溶化剤を
添加することによって、スケールの形成を抑制しなが
ら、処理水中から有機体炭素・窒素・リン成分を確実に
除去することができる。したがって処理水を直接放流す
ることが可能となる。
【0046】(2)超臨界水酸化処理装置に、リン成分
除去のための凝集剤添加手段を設けるだけで、有機体炭
素・窒素・リン成分が除去でき、従来の排ガス設備が不
要で設備コスト、ランニングコストが安価とでき、設備
面積も小さくできる。
【0047】(3)酸化処理した処理水の減圧後にリン
成分除去のための不溶化剤を添加する方法によれば、不
溶化剤の添加操作を常圧下で容易に行うことができる。
【0048】(4)全リン濃度を測定して凝集剤添加量
を最適値に制御する方法によれば、安定したリン除去を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するのに用いる実施形態1の
超臨界水酸化処理装置の構成概要を示した図。
【図2】本発明方法を実施するのに用いる実施形態2の
超臨界水酸化処理装置の構成概要を示した図。
【図3】リン除去操作を行わない参考例1の超臨界水酸
化処理装置の構成概要を示した図。
【符号の説明】
1・・・管状反応器、2・・・熱交換器、3・・・排出
管、4・・・気液分離器、5・・・減圧弁、6・・・減
圧弁、7・・・配管、8・・・固液分離器、9・・・排
出管、10・・・リン濃度検出器、11・・・制御装
置、21,22・・・熱交換器、23・・・循環系路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴垣 裕志 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内 (72)発明者 鈴木 明 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内 (72)発明者 大信 正紀 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の臨界温度以上でかつ臨界圧力以上の
    条件で、超臨界水の存在下に、有機性汚泥を酸化処理す
    る方法であって、酸化剤と混合した有機性汚泥を600
    ℃以上の反応温度で酸化処理し、得られた処理流体にリ
    ン酸イオンの不溶化剤を添加した後、固液分離すること
    を特徴とする有機性汚泥の超臨界水酸化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、有機性汚泥を600
    〜680℃の温度で超臨界水酸化処理することを特徴と
    する有機性汚泥の超臨界水酸化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、リン酸イオン
    の不溶化剤の添加を、超臨界水酸化処理後の処理流体を
    気液分離し、減圧した後の処理水に対して行うことを特
    徴とする有機性汚泥の超臨界水酸化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    固液分離前の処理水に含まれる全リン濃度を連続又は間
    欠的に測定し、この測定値に基づいてリン酸イオンの不
    溶化剤の添加量を制御することを特徴とする有機性汚泥
    の超臨界水酸化方法。
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