JPH1188659A - 画像形成システム - Google Patents

画像形成システム

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JPH1188659A
JPH1188659A JP9242831A JP24283197A JPH1188659A JP H1188659 A JPH1188659 A JP H1188659A JP 9242831 A JP9242831 A JP 9242831A JP 24283197 A JP24283197 A JP 24283197A JP H1188659 A JPH1188659 A JP H1188659A
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Hidekazu Sekizawa
秀和 関沢
Tadashi Yamamoto
直史 山本
Haruko Kawakami
晴子 川上
Hidekazu Sakagami
英一 坂上
Atsushi Tabata
淳 田畑
Hiroki Sugano
浩樹 菅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オリジナル原稿と実質的に同一な原稿を得るこ
とが可能な画像形成システムを提供すること。 【解決手段】ファイルを格納する格納手段(PC1〜
3)と、格納されたファイルにアクセスするためのアク
セス情報を付加して、このファイルに基づき形成される
画像を出力する第1画像出力手段(PC1〜3、2、9
1)と、この第1画像出力手段により出力された画像を
光学的に読取り画像データを出力する読取手段(1)
と、この読取手段から出力される画像データの中からア
クセス情報を抽出する抽出手段(36d)と、抽出され
たアクセス情報を基に、前記ファイル格納手段に格納さ
れているファイルを読出し、このファイルに基づき形成
される画像を出力する第2画像出力手段(PC1〜3、
2、91)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原稿画像を読取
り、読取った画像データに基づく画像を形成する画像形
成システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ(以下パソコン
と略記する)などの普及に伴い、複写機により複写され
る原稿の多くが、パソコン内のメモリ又はネットワーク
上に存在するケースが増えている。また、このような状
況の下、電子メ−ル等の電子情報による情報伝達の機会
が増えているのも事実である。一方で、依然として、ペ
ーパーによる情報伝達の機会は多く、これに伴い、複写
の機会も増加している。
【0003】ところが、ペーパーに出力された原稿に基
づき複写された原稿は、どうしても画質劣化を逃れな
い。特に、カラー画像では記録特質上、性質の異なる中
間調画像及び文字画像が混在するため、これら中間調画
像及び文字画像の忠実な再現は困難であった。
【0004】特開平8−331362では、このような
画質劣化を防ぐ目的で、記録特性上性質の異なる画像領
域を識別するための像域識別信号なるものを目視で識別
し難い状態で複写画像に付加し、この像域識別信号によ
り画質劣化を軽減する方法が提案されている。しかし、
この方法でも、やはりカラー画像の画質劣化は免れな
い。特に、2度3度と複写を重ねると大幅な画質劣化を
来すことになる。
【0005】さらに、この特開平8−331362で
は、複写対象となる原稿画像から読取った画像データを
所定のファイル名(例えば原稿識別番号)でファイルサ
ーバなどに記憶するとともに、この読取った画像データ
に基づき形成される画像に原稿識別番号を目視で識別し
難い状態で付加する方法が提案されている。つまり、複
写対象となる原稿が、原稿識別番号が付加された原稿の
場合には、この原稿に付加された原稿識別番号を読取
り、この読取られた原稿識別番号から、この原稿識別番
号に対応する画像データを読出し、この読出された画像
データに基づき画像が形成される。この方法によれば、
原稿識別番号が付加されている原稿に基づく複写では、
画質劣化は略無くなる。しかし、原稿識別番号を付加す
る段階(最初の段階)における画質劣化の問題が、依然
として残ることになる。
【0006】さらに、この特開平8−331362で
は、テキストデータ又は記述言語データを複写物に埋め
込み、この埋め込まれた情報に基づき画像データを展開
して忠実に再現する方法も提案されている。しかし、テ
キストデータ又は記述言語データはかなりの情報量にな
るため、目視にて識別し難い状態で付加するのは困難で
ある。大量の情報を記録するものとして、2次元バーコ
ードなるものが知られているが、2次元バーコードでは
原稿上に不自然なパターンが見えるため正式な書類とし
て通用しない。しかも、テキストデータ又は記述言語デ
ータを付加する段階(最初の段階)における画質劣化の
問題が、依然として残る。
【0007】特開平7−28928では、可視光領域以
外の波長領域の光吸収特性を用いた記録方式を利用し
て、原稿画像に関する情報を原稿に記録する方法が提案
されている。しかし、このような記録方式により情報を
記録するための特別な記録装置、及びこのような記録方
式により記録された情報を読取るたための特別な読取装
置が必要となり、コスト面で不都合が生じるという問題
があった。しかも、最初の段階における画質劣化の問題
が、依然として残る。
【0008】特開平7−30696では、イメージデー
タ中にデジタル情報をコード化して埋め込む画像情報負
荷装置が提案されている。つまり、バーコードに類した
読み取り易いコード情報を同一紙面に記録し、このコー
ド情報を基にイメージ情報と重畳してイメージ出力する
ものである。また、類似のものとして、このようなコー
ド情報を書面の第1ページに記録して、この第1ページ
を読取ることにより、画像ファイルデータから元画像デ
ータを取り寄せ、プリント出力する装置も知られてい
る。この装置では目に見える状態でコード情報が記録さ
れており、正式な書類としては通用しない。また、本体
の原稿以外に、コード情報が記録された特別な書面が必
要となり、管理が複雑となり、使い勝手が良くない。
【0009】また、コード情報が手書により追加できる
ため、通常の複写以外の制御も可能となるなどの利点が
あるが、悪用される可能性もある。そのため、実際の運
営では、例えば、原稿作成者の意に反してオリジナルと
同一な複写物が氾濫するなどの不都合が生じる。
【0010】また、情報の電子化が進んでも、書類を回
覧する機会は依然として多い。この場合、回覧書類に対
して、回覧済を示すチェック、承認印、又はサインなど
の情報が付加されることがある。このような回覧書類を
複写する場合、オリジナルの回覧書類の複写で用が足さ
れることもあるが、付加情報が付加された回覧書類の複
写が要求されることもある。上記したような従来例は、
このような要求に答えられないという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の複写機では、複写感覚の手軽さで、オリジナル原稿と
同レベルの画質(オリジナル原稿と比べて遜色の無い)
の原稿が再現できないという問題があった。特に、オリ
ジナル原稿が、カラーの場合に、この問題は顕著に現れ
る。
【0012】また、従来の複写機では、原稿提供者の意
志に反したオリジナル原稿に近い画質の原稿の氾濫を防
止できないという問題があった。また、従来の複写機で
は、オリジナル原稿に近い画質の原稿が再現できるとし
ても、オリジナル原稿に何らかの情報が付加された場
合、付加された情報を含んだオリジナル原稿に近い画質
の原稿の再現が困難であった。
【0013】さらに、従来の複写機では、オリジナルの
回覧書類が電子化されて保存されている場合、このオリ
ジナルの回覧書類と付加情報が付加された回覧書類とを
関連づけて管理することができないという問題もあっ
た。
【0014】この発明の目的は、上記したような事情に
鑑み成されたものであって、以下に示す画像形成システ
ムを提供することにある。 (1)複写感覚の手軽さで、オリジナル原稿と実質的に
同一な原稿を得ることが可能な画像形成システム。
【0015】(2)オリジナル原稿作成者の意志に反し
た、オリジナル原稿と実質的に同一な原稿の氾濫を防止
することが可能な画像形成システム。 (3)オリジナル原稿と実質的に同一な原稿であって、
オリジナル原稿に追記された情報が反映された原稿を得
ることが可能な画像形成システム。
【0016】(4)オリジナルの回覧書類が電子化され
て保存されている場合、このオリジナルの回覧書類と付
加情報が付加された回覧書類とを関連づけて管理するこ
とが可能な画像形成システム。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、この発明の画像形成システムは、以下
のように構成されている。 (1)この発明の画像形成システムは、ファイルを格納
するファイル格納手段と、このファイル格納手段に格納
されたファイルにアクセスするためのアクセス情報を付
加して、このファイルに基づき形成される画像を出力す
る第1の画像出力手段と、この第1の画像出力手段によ
り出力された画像を光学的に読取り、画像データを出力
する読取手段と、この読取手段から出力される画像デー
タの中からアクセス情報を抽出する抽出手段と、この抽
出手段により抽出されたアクセス情報を基に、前記ファ
イル格納手段に格納されているファイルを読出し、この
ファイルに基づき形成される画像を出力する第2の画像
出力手段とを備えている。
【0018】(2)この発明の画像形成システムは、フ
ァイルを格納するファイル格納手段と、このファイル格
納手段に格納されたファイルにアクセスするための、フ
ァイルの格納先を示すアドレス情報、ファイル名を示す
ファイル名情報、及びパスワードを示すパスワード情報
を含むアクセス情報を付加して、このファイルに基づき
形成される画像を出力する第1の画像出力手段と、この
第1の画像出力手段により出力された画像を光学的に読
取り、画像データを出力する読取手段と、この読取手段
から出力される画像データの中からアクセス情報を抽出
する抽出手段と、この抽出手段により抽出されたアクセ
ス情報を基に、前記ファイル格納手段に格納されている
ファイルを読出し、このファイルに基づき形成される画
像を出力する第2の画像出力手段と、識別情報の登録を
受付け、この受付けられた識別情報を登録する識別情報
登録手段と、識別情報の入力を受付ける識別情報入力受
付手段と、前記抽出手段により抽出されたアクセス情報
に含まれるパスワード情報の画質劣化度を評価し、この
評価の結果に基づく判断により、前記ファイル格納手段
に格納されているファイルの読出が許可され、且つ前記
識別情報登録手段に登録された識別情報と、前記識別情
報入力受付手段により受付けられた識別情報とが一致し
た場合に限り、前記前第2の画像形成手段による画像の
出力を実行させる制御手段とを備えている。
【0019】(3)この発明の画像形成システムは、フ
ァイルを格納するファイル格納手段と、このファイル格
納手段に格納されたファイルにアクセスするためのアク
セス情報を付加して、このファイルに基づき形成される
画像を出力する第1の画像出力手段と、この第1の画像
出力手段により出力された画像を光学的に読取り、画像
データを出力する読取手段と、この読取手段から出力さ
れる画像データを記憶する画像データ記憶手段と、この
画像データ記憶手段に記憶された画像データの中からア
クセス情報を抽出する抽出手段と、この抽出手段により
抽出されたアクセス情報を基に、前記ファイル格納手段
に格納されているファイルを読出し、このファイルに基
づき形成される画像データを前記画像データ記憶手段に
記憶されている画像データ上に重ね書きし、この重ね書
きの結果得られる画像データに基づき形成される画像を
出力する第2の画像出力手段とを備えている。
【0020】(4)この発明の画像形成システムは、フ
ァイルを格納するファイル格納手段と、このファイル格
納手段に格納されたファイルにアクセスするためのアク
セス情報を付加して、このファイルに基づき形成される
画像を出力する第1の画像出力手段と、この第1の画像
出力手段により出力された画像を光学的に読取り、画像
データを出力する読取手段と、この読取手段から出力さ
れる画像データを記憶する画像データ記憶手段と、この
画像データ記憶手段に記憶された画像データの中からア
クセス情報を抽出する抽出手段と、この抽出手段により
抽出されたアクセス情報を基に、前記ファイル格納手段
に格納されているファイルを読出し、このファイルに基
づき形成される画像データを前記画像データ記憶手段に
記憶されている画像データ上に重ね書きし、この重ね書
きの結果得られる画像データに基づき形成される画像を
出力する第2の画像出力手段と、前記画像データ記憶手
段に記憶された画像データと、この画像データから抽出
されたアクセス情報を基に読出されたファイルに基づき
形成される画像データとを比較して、両画像データ間の
差に相当する画像データを、このファイルに関連づけて
記憶させる制御手段を備えている。
【0021】上記手段を講じた結果、次のような作用が
生じる。 (1)この発明の画像形成システムによれば、第1の画
像出力手段により出力されるオリジナル原稿と実質的に
同一な原稿が、第2の画像出力手段により出力される。
つまり、オリジナル原稿を基にして、このオリジナル原
稿と実質的に同一な原稿が得られる。
【0022】(2)この発明の画像形成システムによれ
ば、所定の条件(抽出されたパスワードの画質劣化度、
IDの一致など)が満たされたときに限り、第2の画像
形成装置により画像が出力される。これにより、ファイ
ルに基づく画像形成処理におけるセキュリティが確保さ
れる。
【0023】(3)この発明の画像形成システムによれ
ば、第1の画像出力手段から出力されるオリジナル原稿
と実質的に同一な原稿であって、このオリジナル原稿に
追記された情報が反映された原稿が、第2の画像出力手
段から出力される。つまり、情報が追記されたオリジナ
ル原稿を基にして、このオリジナル原稿と実質的に同一
な原稿であって、オリジナル原稿に追記された情報が反
映された原稿が得られる。 (4)この発明の画像形成システムによれば、オリジナ
ル原稿とこのオリジナル原稿に追記された情報とが関連
して管理される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施
の一形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図で
ある。この画像形成装置は、複写機としての複写機能及
びプリンタとしてのプリンタ機能を有している。
【0025】図1に示すように、画像形成装置は、読取
手段としてのスキャナ部1と画像形成手段としてのプリ
ンタ部2とから構成されている。原稿の画像を読取るス
キャナ部1は、その上部に原稿台カバー3を有し、閉じ
た状態にある原稿台カバー3に対向され、原稿Dがセッ
トされる透明なガラスからなる原稿台4を有している。
原稿台4の下方には、原稿台4に載置された原稿Dを照
明する露光ランプ5、露光ランプ5からの光を原稿Dに
集光させるためのリフレクター6、および原稿Dからの
反射光を図中左方向に折曲げる第1ミラー7などが配設
されている。なお、これらの露光ランプ5、リフレクタ
ー6、および第1ミラー7は、第1キャリッジ8に固設
されている。第1キャリッジ8は、図示しない歯付きベ
ルト等を介して図示しないパルスモータに接続され、パ
ルスモータの駆動力が伝達されて原稿台4に沿って平行
に移動されるようになっている。
【0026】第1キャリッジ8に対して図中左側、すな
わち第1ミラー7により反射された反射光が案内される
方向には、図示しない駆動機構たとえば歯付きベルトな
らびにDCモータなどを介して原稿台4と平行に移動可
能に設けられた第2キャリッジ9が配設されている。第
2キャリッジ9には、第1ミラー7により案内される原
稿Dからの反射光を下方に折曲げる第2ミラー11、お
よび第2ミラー11からの反射光を図中右方に折り曲げ
る第3ミラー12が互いに直角に配置されている。第2
キャリッジ9は、第1キャリッジ8に従動されるととも
に、第1キャリッジ8に対して1/2の速度で原稿台4
に沿って平行に移動されるようになっている。
【0027】第2キャリッジ9を介して折返された光の
光軸を含む面内には、第2キャリッジ9からの反射光を
所定の倍率で結像させる結像レンズ13が配置され、結
像レンズ13を通過した光の光軸と略直交する面内に
は、結像レンズ13により集束性が与えられた反射光を
電気信号すなわち画像データに変換するCCDイメージ
センサ(光電変換素子)15が配置されている。
【0028】しかして、露光ランプ5からの光をリフレ
クター6により原稿台4上の原稿Dに集光させると、原
稿Dからの反射光が、第1ミラー7、第2ミラー11、
第3ミラー12、および結像レンズ13を介してCCD
イメージセンサ15に入射され、ここで画像データに変
換される。
【0029】プリンタ部2は、周知の減色混合法に基づ
いて、各色成分毎に色分解された画像、即ち、イエロー
(黄、以下、yと示す) 、マゼンタ (赤の一種、以下、
mと示す) 、シアン (青みがかった紫、以下、cと示
す) およびブラック (黒、以下、kと示す) の4色の画
像をそれぞれ形成する第1乃至第4の画像形成部10
y、10m、10c、10kを有している。
【0030】各画像形成部10y、10m、10c、1
0kの下方には、各画像形成部により形成された各色毎
の画像を図中矢印a方向に搬送する搬送ベルト21を含
む搬送機構20が配設されている。搬送ベルト21は、
図示しないベルトモータにより矢印a方向に回転される
駆動ローラ91と駆動ローラ91から所定距離離間され
た従動ローラ92との間に巻回されて張設され、矢印a
方向に一定速度で無端走行される。なお、各画像形成部
10y、10m、10c、10kは、搬送ベルト21の
搬送方向に沿って直列に配置されている。
【0031】各画像形成部10y、10m、10c、1
0kは、それぞれ、搬送ベルト21と接する位置で外周
面が同一の方向に回転可能に形成された像担持体として
の感光体ドラム61y、61m、61c、61kを含ん
でいる。各感光体ドラムには、各感光体ドラムを所定の
周速度で回転させるための図示しないドラムモータがそ
れぞれ接続されている。
【0032】それぞれの感光体ドラム61y、61m、
61c、61kの軸線は、搬送ベルト21により画像が
搬送される方向と直交するよう配置され、各感光体ドラ
ムの軸線が互いに等間隔に配置される。なお、以下の説
明においては、各感光体ドラムの軸線方向を主走査方向
(第2の方向)とし、感光体ドラムが回転される方向す
なわち搬送ベルト21の回転方向(図中矢印a方向)を
副走査方向(第1の方向)とする。
【0033】各感光体ドラム61y、61m、61c、
61kの周囲には、主走査方向に延出された帯電装置6
2y、62m、62c、62k、除電装置63y、63
m、63c、63k、主走査方向に同様に延出された現
像ローラ64y、64m、64c、64k、下撹拌ロー
ラ67y、67m、67c、67k、上撹拌ローラ68
y、68m、68c、68k、主走査方向に同様に延出
された転写装置93y、93m、93c、93k、主走
査方向に同様に延出されたクリーニングブレード65
y、65m、65c、65k、および排トナー回収スク
リュー66y、66m、66c、66kが、それぞれ、
対応する感光体ドラムの回転方向に沿って順に配置され
ている。
【0034】なお、各転写装置は、対応する感光体ドラ
ムとの間で搬送ベルト21を狭持する位置、すなわち搬
送ベルト21の内側に配設されている。また、後述する
露光装置による露光ポイントは、それぞれ帯電装置と現
像ローラとの間の感光体ドラムの外周面上に形成され
る。
【0035】搬送機構20の下方には、各画像形成部1
0y、10m、10c、10kにより形成された画像を
転写する被画像形成媒体としての記録紙Pを複数枚収容
した用紙カセット22a及び22bが配置されている。
【0036】用紙カセット22a及び22bの一端部で
あって、従動ローラ92に近接する側には、用紙カセッ
ト22a及び22bに収容されている記録紙Pを (最上
部から) 1枚ずつ取り出すピックアップローラ23a及
び23bが配置されている。ピックアップローラ23a
及び23bと従動ローラ92との間には、用紙カセット
22a及び22bから取り出された記録紙Pの先端と画
像形成部10yの感光体ドラム61yに形成されたyト
ナー像の先端とを整合させるためのレジストローラ24
が配置されている。なお、他の感光体ドラム11y、1
1m、11cに形成されたトナー像(m、c、k)は、
搬送ベルト21上を搬送される記録紙Pの搬送タイミン
グに合せて各転写位置に供給される。
【0037】レジストローラ24と第1の画像形成部1
0yとの間であって、従動ローラ92の近傍、実質的
に、搬送ベルト21を挟んで従動ローラ92の外周上に
は、レジストローラ24を介して所定のタイミングで搬
送される記録紙Pに、所定の静電吸着力を提供する吸着
ローラ26が配置されている。なお、吸着ローラ26の
軸線と従動ローラ92の軸線は、互いに平行に配置され
る。
【0038】搬送ベルト21の一端であって、駆動ロー
ラ91の近傍、実質的に、搬送ベルト21を挟んで駆動
ローラ91の外周上には、搬送ベルト21上に形成され
た画像の位置を検知するための位置ずれセンサ96が、
駆動ローラ91から所定距離離間して配置されている。
位置ずれセンサ96は、透過型あるいは反射型の光セン
サにより構成される。
【0039】駆動ローラ91の外周上であって位置ずれ
センサ96の下流側の搬送ベルト21上には、搬送ベル
ト21上に付着したトナーあるいは記録紙Pの紙かすな
どを除去する搬送ベルトクリーニング装置95が配置さ
れている。
【0040】搬送ベルト21を介して搬送された記録紙
Pが駆動ローラ91から離脱されてさらに搬送される方
向には、記録紙Pを所定温度に加熱することにより記録
紙Pに転写されたトナー像を溶融し、トナー像を記録紙
Pに定着させる定着装置80が配置されている。定着器
80は、ヒー卜ロ一ラ対81、オイル塗付ローラ82、
83、ウェブ巻き取りローラ84、ウェブローラ85、
ウェブ押し付けローラ86とから構成されている。記録
紙P上に形成されたトナーを記録紙に定着させ、排紙ロ
ーラ対87により排出される。
【0041】各感光体ドラムの外周面上にそれぞれ色分
解された静電潜像を形成する露光装置50は、後述する
画像処理部にて色分解された各色毎の画像データ(y、
m、c、k)に基づいて発光制御される半導体レーザ6
0を有している。半導体レーザ60の光路上には、レー
ザービームを反射、走査するポリゴンモータ54に回転
されるポリゴンミラー51、およびポリゴンミラー51
を介して反射されたレーザービームの焦点を補正して結
像させるためのfθレンズ52、53が順に設けられて
いる。
【0042】fθレンズ53と各感光体ドラム61y、
61m、61c、61kとの間には、fθレンズ53を
通過された各色毎のレーザービームを各感光体ドラムの
露光位置に向けて折り曲げる第1の折り返しミラー55
(y、m、c、k)、および、第1の折り返しミラー5
5y、55m、55cにより折り曲げられたレーザービ
ームを更に折り曲げる第2および第3の折り返しミラー
56(y、m、c)、57(y、m、c)が配置されて
いる。なお、黒用のレーザービームは、第1の折り返し
ミラー55kにより折り返された後、他のミラーを経由
せずに感光体ドラム61kに案内される。
【0043】続いて、図2を参照して、図1に示す画像
形成装置の各機能及びこの画像形成装置を含むネットワ
ークの概略について説明する。図2は、画像形成装置の
各機能及びこの画像形成装置を含むネットワークの概略
を示すブロック図である。
【0044】図2に示すように、画像形成装置には外部
インターフェース200が設けられている。この外部イ
ンターフェース200を介して、画像形成装置とプリン
タサーバとしてのパーソナルコンピュータPC3とが接
続されている。また、このパーソナルコンピュータPC
3はネットワークに接続されており、さらにこのネット
ワークには複数のパーソナルコンピュータPC1及びP
C2などが接続されている。これらパーソナルコンピュ
ータPC1及びPC2で作成されたファイルは、ネット
ワーク及びパーソナルコンピュータPC3を介して、画
像形成装置によりプリントアウトすることができる。
【0045】パーソナルコンピュータPC1は、図4
(a)に示すように、CPU211、メモり212、表
示部213、及びキーボード214などで構成されてい
る。CPU211は、パーソナルコンピュータPC1全
体の制御を司るものである。メモリ212は、各種プロ
グラムなどのデータを記憶するものである。表示部21
3は、各種情報を表示するものである。キーボード21
4は、各種入力を受付けるものである。
【0046】同様に、パーソナルコンピュータPC2
は、図4(b)に示すように、CPU221、メモり2
22、表示部223、及びキーボード224などで構成
されている。CPU221は、パーソナルコンピュータ
PC2全体の制御を司るものである。メモリ222は、
各種プログラムなどのデータを記憶するものである。表
示部223は、各種情報を表示するものである。キーボ
ード224は、各種入力を受付けるものである。
【0047】同様に、パーソナルコンピュータPC3
は、図4(c)に示すように、CPU231、メモり2
32、表示部233、及びキーボード234などで構成
されている。CPU231は、パーソナルコンピュータ
PC3全体の制御を司るものである。メモリ232は、
各種プログラムなどのデータを記憶するものである。表
示部233は、各種情報を表示するものである。キーボ
ード234は、各種入力を受付けるものである。
【0048】再び、図2に示す画像形成装置の説明に戻
る。図2に示す像形成装置は、主制御部30内のメイン
CPU31、スキャナ部1のスキャナCPU100、及
びプリンタ部2のプリンタCPU110の3つのCPU
で構成される。
【0049】メインCPU31は、プリンタCPU11
0と共有RAM35を介して双方向通信を行うものであ
り、メインCPU31は動作指示をだし、プリンタCP
U110は状態ステータスを返すようになっている。プ
リンタCPU110とスキャナCPU100はシリアル
通信を行い、プリンタCPU110は動作指示をだし、
スキャナCPU100は状態ステータスを返すようにな
っている。
【0050】操作パネル40はメインCPU31に接続
され、全体を制御するパネルCPU41、液晶表示器4
2、及びプリントキー43とから構成されている。液晶
表示部42は、タッチパネル42aを有しており入力部
として機能する。
【0051】主制御部30は、メインCPU31、RO
M32、RAM33、NVM34、共有RAM35、画
像処理部36、ページメモリ制御部37、ページメモリ
38、およびプリンタフォントROM121によって構
成されている。
【0052】メインCPU31は、主制御部30の全体
を制御するものである。ROM32は、制御プログラム
などが記憶されている。RAM33は、一時的にデータ
を記憶するものである。
【0053】NVM(持久ランダムアクセスメモリ:no
nvolatile RAM)34は、バッテリ(図示しない)に
バックアップされた不揮発性のメモリであり、電源を切
った時NVM34上のデータを保持するようになってい
る。
【0054】共有RAM35は、メインCPU31とプ
リンタCPU110との間で、双方向通信を行うために
用いるものである。ページメモリ制御部37は、ページ
メモリ38に画像データを記憶したり、読出したりする
ものである。ページメモリ38は、複数ページ分の画像
データを記憶できる領域を有し、スキャナ部1からの画
像データを圧縮したデータを1ページ分ごとに記憶可能
に形成されている。
【0055】プリンタフォントROM121には、プリ
ントデータに対応するフォントデータが記憶されてい
る。ネットワークコントローラとしてのパーソナルコン
ピュータPC3は、ネットワークを介して受信したプリ
ントデータをこのプリントデータに付加されている解像
度を示すデータに応じた解像度でプリンタフォントRO
M121に記憶されているフォントデータを用いて画像
データに展開する役割を担うものである。
【0056】スキャナ部1は、スキャナ部1の全体を制
御するスキャナCPU100、制御プログラム等が記憶
されているROM101、データ記憶用のRAM10
2、CCDイメージセンサ15を駆動するCCDドライ
バ103、露光ランプ5およびミラー7、11、12等
を移動するモータの回転を制御するスキャンモータドラ
イバ104、CCDイメージセンサ15からのアナログ
信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路とCC
Dイメージセンサ15のばらつきあるいは周囲の温度変
化などに起因するCCDイメージセンサ15からの出力
信号に対するスレッショルドレベルの変動を補正するた
めのシェーディング補正回路とシェーディング補正回路
からのシェーディング補正されたディジタル信号を一旦
記憶するラインメモリからなる画像補正部105によっ
て構成されている。
【0057】プリンタ部2は、プリンタ部2の全体を制
御するプリンタCPU110、制御プログラム等が記憶
されているROM111、データ記憶用のRAM11
2、半導体レーザ60による発光をオン/オフするレー
ザドライバ113、露光装置50のポリゴンモータ54
の回転を制御するポリゴンモータドライバ114、搬送
機構20による用紙Pの搬送を制御する紙搬送部11
5、帯電装置62y、62m、62c、62k、現像ロ
ーラ64y、64m、64c、64k、転写装置93
y、93m、93c、93kを用いて帯電、現像、転写
を行う現像プロセス部116、定着器80を制御する定
着制御部117、およびオプション部118によって構
成されている。
【0058】また、画像処理部36、ページメモリ3
8、画像補正部105、レーザドライバ113は、画像
データバス120によって接続されている。続いて、図
3を参照して、画像処理部36に含まれる機能の概略に
ついて説明する。図3は、画像処理部36を説明するた
めのブロック図である。
【0059】図3に示すように、画像処理部36には、
色変換部36a、画質制御回路36b、階調処理回路3
6c、アクセス情報抽出回路36d、及び圧縮伸張回路
36eなどが設けられている。
【0060】スキャナ部1から送信されるRGB画像デ
ータは、色変換部36aに入力される。色変換部36a
は、RGB画像データをYMCK画像データに変換して
出力する。
【0061】色変換部36aから出力されるYMCK画
像データは、画質制御回路36bに入力される。画質制
御回路36bは、YMCK画像データから文字領域及び
中間調領域を検出し、夫々の領域に対して夫々の領域に
応じた処理を施す。例えば、文字領域に対してはエッジ
強調処理を施し、中間調領域にはモアレ抑制処理を施
す。つまり、画質制御回路36bからは文字領域及び中
間調領域に応じた処理が施されたYMCK画像データが
出力される。
【0062】画質制御回路36bから出力されるYMC
K画像データは、階調処理回路36cに入力される。階
調処理回路36cは、文字領域及び中間調領域夫々に相
応しいを階調処理を施す。つまり、階調処理回路36c
からは階調処理が施されたYMCK画像データが出力さ
れる。
【0063】階調処理回路36cから出力されるYMC
K画像データは、プリンタ部2に入力される。そして、
プリンタ部2では、このYMCK画像データに基づき画
像形成処理が行われる。
【0064】アクセス情報抽出回路36dは、色変換回
路36aから出力されるYMCK画像データから、後述
するアクセス情報を抽出する回路である。この回路によ
るアクセス情報の抽出は後に詳しく説明する。圧縮伸張
回路36eは、画像データの圧縮及び伸張を行う回路で
ある。
【0065】続いて、上記説明した画像形成装置を利用
した各種プリントアウト及び各種コピーについて説明す
る。その際、必要に応じて図5〜図12に示すフローチ
ャートを参照して説明する。図5は、PC1からの指示
に基づき画像形成装置によりプリントアウトを実行する
際のPC1における処理を説明するフローチャートであ
る。図6は、PC1からの指示に基づき画像形成装置に
よりプリントアウトを実行する際のPC3における処理
を説明するフローチャートである。図7は、PC1から
の指示に基づき画像形成装置によりプリントアウトを実
行する際の画像形成装置における処理を説明するフロー
チャートである。図8は、画像形成装置におけるコピー
処理を説明するフローチャートである。図9は、オリジ
ナルコピーモードを説明するためのフローチャートであ
る。図10は、追加情報対応コピーモードを説明するた
めのフローチャートである。図11は、追記情報ファイ
リングモードを説明するためのフローチャートである。
図12は、セキュリティレベルに応じたアクセス許可判
定処理を説明するためのフローチャートである。
【0066】まず、図5のフローチャートを参照して、
PC1からの指示に基づき画像形成装置によりプリント
アウトを実行する際のPC1における処理を説明する。
なお、このPC1における各処理は、このPC1のCP
U211により実行されるものとする。
【0067】この発明の画像形成装置では、ID(識別
情報)を登録しておくことによりセキュリティを高める
ことができる。ここでは、IDの登録手順のみを説明
し、このIDによるセキュリティについては後に詳しく
説明するものとする。IDは、PC1で受付けられ、こ
のPC1からPC3を介して画像形成装置に登録され
る。具体的に明すると、キーボード214を介して、I
D登録画面を表示すべく指示が受付けられると(ST1
0、YES)、このID登録画面を表示すべく指示に従
い、表示部213にID登録画面が表示される(ST1
2)。このとき、キーボード214を介してIDが入力
されると、入力されたIDがこのPC1からPC3を介
して画像形成装置のRAM33に登録される(ST1
4)。勿論、IDが既に登録されている場合、又はID
登録が不要な場合には、このID登録処理を実行する必
要はない。
【0068】続いて、PC1にインストールされている
アプリケーションによりに作成されたファイル(文書フ
ァイル、画像ファイルなど)のプリントアウトについて
説明する。キーボードを介して、PC1において作成さ
れたファイルのプリントアウトが指示されると(ST1
6、YES)、このプリントアウトの指示に従い表示部
213にプリントモード選択画面が表示される(ST1
8)。このプリントモード選択画面には、ノーマルプリ
ントモードとアクセス情報付きプリントモードとが表示
されており、キーボード214によりこれらモードのう
ちの一方が選択可能となっている。
【0069】ノーマルプリントモードとは、プリント対
象のファイルに基づき形成される画像をプリントアウト
するモードである。つまり、このノーマルプリントモー
ドは、従来のプリントアウトと同じである。一方、アク
セス情報付きプリントモードとは、プリント対象のファ
イルに基づき形成される画像、及びこのプリント対処の
ファイルにアクセスするためのアクセス情報をプリント
アウトするモードである。このアクセス情報付きプリン
トモードに関しては、この後、さらに詳しく説明する。
【0070】プリントモード選択画面においてノーマル
プリントモードが選択されると(ST20、NO)(S
T22、YES)、PC1からPC3へ、プリント対象
のファイルを含むプリント情報が送信される(ST2
4)。その後、PC1において、PC3から送信される
プリントアウト完了の応答が受信されると(ST3
4)、PC1にインストールされているプリンタドライ
バによりプリント管理ファイルが更新される(ST3
6)。プリント管理ファイルには、プリントアウトされ
たファイル名、プリントアウトが実行された日時、及び
プリントアウトが実行された画像形成装置の機体番号な
どの情報が記録される。なお、PC1においてプリント
アウト完了の応答が受信されない場合、又はPC1にお
いてプリントアウトエラーの応答が受信された場合に
は、表示部213にプリントアウトエラーの表示がなさ
れる(ST38)。
【0071】プリントモード選択画面においてアクセス
情報付きプリントモードが選択されると(ST20、Y
ES)、表示部213にアクセス情報設定画面が表示さ
れる(ST26)。このアクセス情報設定画面では、キ
ーボード214を介して入力されるアクセス情報、つま
りプリント対象のファイルの保存先(アドレス情報)、
プリント対象のファイルのファイル名(ファイル名情
報)、パスワード(パスワード情報)等の設定が受付け
られる。そして、プリント対象のファイルは、このアク
セス情報設定画面で設定された保存先に、同じくこのア
クセス情報設定画面で設定されたファイル名で保存され
る。なお、パスワードの設定は任意であり、このパスワ
ードについては後に詳しく説明するものとする。
【0072】アクセス情報の設定が完了すると(ST2
8、YES)、設定されたアクセス情報に含まれるファ
イルの保存先に、同じく設定されたアクセス情報に含ま
れるファイル名で、プリント対象のファイルが保存され
る(ST30)。そして、PC1からPC3へ、プリン
ト対象のファイル、及びこのファイルへアクセスするた
めのアクセス情報(アクセス情報設定画面で設定された
アクセス情報)を含むプリント情報が送信される(ST
32)。その後、PC1において、PC3から送信され
るプリントアウト完了の応答が受信されると(ST3
4)、PC1にインストールされているプリンタドライ
バによりプリント管理ファイルが更新される(ST3
6)。プリント管理ファイルには、アクセス情報、プリ
ントアウトが実行された日時、及びプリントアウトが実
行された画像形成装置の機体番号など情報が記録され
る。なお、PC1においてプリントアウト完了の応答が
受信されない場合、又はPC1においてプリントアウト
エラーの応答が受信された場合には、表示部213にプ
リントアウトエラーの表示がなされる(ST38)。
【0073】次に、図6のフローチャートを参照して、
PC1からの指示に基づき画像形成装置によりプリント
アウトを実行する際のPC3における処理を説明する。
なお、このPC3における各処理は、このPC3のCP
U231により実行されるものとする。
【0074】PC3において、外部(例えばPC1)か
ら送信されるプリント情報が受信されると(ST40、
YES)、この受信されたプリント情報がPC3のメモ
リ232に記憶される(ST42)。さらに、この受信
されたプリント情報にアクセス情報が含まれているか否
かがチェックされる。この受信されたプリント情報にア
クセス情報が含まれていなければ(ST44、NO)、
このプリント情報に含まれたプリント対象のファイルに
基づきイメージ画像データが生成される(ST48)。
勿論、このとき生成されるイメージ画像データには、ア
クセス情報は含まれていない。
【0075】受信されたプリント情報にアクセス情報が
含まれていれば(ST44、YES)、画像形成装置に
セットされている記録紙(コピー用紙など)の周辺領域
が白か否かがチェックされる。周辺領域が白以外の色の
記録紙を画像形成装置にセットする場合には、予めこの
ような記録紙がセットされたことを、画像形成装置の操
作パネル40(厳密にはタッチパネル42a)から入力
しておく必要がある。操作パネル40から入力された記
録紙に関する情報はPC3に送信され、記録紙の周辺領
域の色チェックに利用される。
【0076】画像形成装置にセットされている記録紙の
周辺領域が白の場合には(記録紙が一般的なコピー用紙
の場合には)(ST46、YES)、プリント情報に含
まれたプリント対象のファイルとアクセス情報とに基づ
き、イメージ画像データが生成される(ST50)。こ
のとき、生成されるイメージ画像データには、アクセス
情報が含まれている。このイメージ画像データに基づき
形成される画像、つまりプリントアウト結果に関しては
後に詳しく説明する。また、後に説明するプリントアウ
ト結果が得られるようにST50ではイメージ画像デー
タが生成されるものとする。
【0077】画像形成装置にセットされている記録紙の
周辺領域が白以外の色の場合には(ST46、NO)、
アクセス情報が特開平7−123244に開示されてい
るような輝度色差方式に従い変換される。そして、プリ
ント情報に含まれているプリント対象のファイルと輝度
色差方式に従い変換されたアクセス情報とに基づき、イ
メージ画像データが生成される(ST52)。
【0078】ST48、ST50、ST52で生成され
たイメージ画像データは、PC3から画像形成装置へ送
信される(ST54)。その後、PC3において、画像
形成装置から送信されるプリントアウト完了の応答が受
信されると(ST56)、このプリントアウト完了の応
答がPC1へ送信され(ST58)、PC3のプリント
管理ファイルが更新される(ST60)。このプリント
管理ファイルには、アクセス情報、プリントアウトが実
行された日時、及びプリントアウトが実行された画像形
成装置の機体番号など情報が記録される。なお、PC3
においてプリントアウト完了の応答が受信されない場
合、又はPC3においてプリントアウトエラーの応答が
受信された場合には、表示部233にプリントアウトエ
ラーの表示がなされる(ST62)。
【0079】次に、図7のフローチャートを参照して、
PC1からの指示に基づき画像形成装置によりプリント
アウトを実行する際の画像形成装置における処理を説明
する。なお、この画像形成装置における各処理は、この
画像形成装置のメインCPU91により実行されるもの
とする。
【0080】画像形成装置において、プリンタサーバと
してのPC3から送信されるイメージ画像データが受信
されると(ST70、YES)、この受信されたイメー
ジ画像データに基づきプリントアウトが実行される(S
T72)。
【0081】ここで、PC3から送信されるイメージ画
像データに基づき形成される画像、つまりプリントアウ
ト結果について説明する。特に、ST50で生成された
イメージ画像データに基づき形成される画像について説
明する。例えば、アクセス情報は、黄色のパターンとし
て、図13に示すように用紙の周辺領域aに記録され
る。つまり、プリント対象のファイルに相当する画像が
出力される画像領域bの外側に記録される。さらに、こ
のアクセス情報は、単に、用紙の周辺領域aに記録され
るだけでない。具体的に説明すると、アクセス情報は、
用紙の4辺近傍、即ち用紙の4辺に沿って用紙の周辺領
域aに記録される。従って、アクセス情報は、少なくと
も用紙の4カ所に記録されることになる。そして、これ
ら4カ所に記録されるアクセス情報は、全て異なる方向
で記録されるものである。これにより、任意の方向にセ
ットされた原稿からアクセス情報を読取ることが可能と
なる。なお、アクセス情報の読取に関しては、後に詳し
く説明する。
【0082】ここで、カラー画像の出力に関して簡単に
説明する。カラー画像の出力時には、特開平4−294
682に開示されているように、画像形成装置の機体を
特定するための機体番号が黄色のドットパターンで記録
される。この黄色のドットパターンは原稿全面に記録さ
れる。これは、法律で複写が禁止されているものが複写
され、その犯罪行為が判明した場合に、この犯罪行為が
なされた画像形成装置を特定するためである。この発明
の画像形成装置では、機体番号及びアクセス情報ともに
同じ黄色パターンで印字するので、両パターンが重なっ
て識別し難くなるのを防止するために、アクセス情報は
周辺領域aに、機体番号は画像領域bに出力される。
【0083】この実施形態では、アクセス情報が目視で
ほとんど認知することができないように、例えば、アク
セス情報の印字率がほぼ1/1000程度以下に設定さ
れるものとする。また、アクセス情報の記録パターン
は、600dpiからなる記録系で、3種類のドットサ
イズ幅からなっている。すなわち、1ドット幅(最小画
素単位)、2ドット幅、3ドット幅で記録される。アド
レス情報及びファイル名情報は、2ドット幅及び3ドッ
ト幅のパターンでコード化される。パスワード情報は、
1ドット幅のパターンでコード化される。
【0084】1ドット幅のパターンで記録されたパスワ
ード情報をスキャナ部1で読取ると、位相(センサーの
位置関係)により読取りレベルが変化する。従って、コ
ピーを重ねた世代コピーではパスワード情報を示すパタ
ーンが極端に劣化する。つまり、世代コピーでは、パス
ワードの読取りが困難となる。そこで、この画質劣化度
(誤り率)を評価し、劣化の度合からオリジナルコピー
か否かが判断される。これは後に説明するが、ファイル
作成者の意向に反したプリントファイルからのプリント
アウトを抑制するための手段として使われる。
【0085】ここでは、パスワードを周辺領域aに記録
する場合について説明したが、パスワードを周辺領域a
及び画像領域bに記録するようにしてもよい。パスワー
ドを画像領域bに記録することにより、著作権を強く主
張することが可能となる。
【0086】このように、周辺領域aには、目視ではほ
とんど確認できない状態でアクセス情報が記録され、画
像領域bには、プリント対象のファイルから得られる画
像データに相当する画像が形成される。このようにする
と、アクセス情報が付加されプリントアウトされた原稿
は、見た目には、アクセス情報が付加されていない通常
にプリントアウトされた原稿と同一の画質となり、通常
の書類として取り扱うことが可能となる。
【0087】次に、図8のフローチャートを参照して、
画像形成装置におけるコピー処理を説明する。なお、こ
の画像形成装置における各処理は、この画像形成装置の
メインCPU91により実行されるものとする。
【0088】ここでは、アクセス情報が記録された原稿
(以下、アクセス情報付き原稿と称する)からコピーを
得る処理について説明する。この発明の画像形成装置で
は、オリジナル原稿の作成者の意志に反するオリジナル
コピーを防止することが可能である。このことを実現す
るため、この画像形成装置には、セキュリティレベル1
〜4を設定することができる。なお、このセキュリティ
レベル1〜4に関しては、後に詳しく説明する。ここで
は、セキュリティレベルの設定手順のみを説明する。
【0089】画像形成装置の操作パネル40を介して、
セキュリティレベル設定画面を表示すべく指示が受付け
られると(ST80、YES)、このセキュリティレベ
ル設定画像を表示すべく指示に従い液晶表示部42にセ
キュリティレベル設定画面が表示される(ST82)。
このとき、液晶表示部42のタッチパネル42aを介し
て設定されるセキュリティレベルがRAM33に設定さ
れる(ST84)。勿論、セキュリティレベルが既に設
定されている場合、又はセキュリティレベルの設定が不
要な場合には、このセキュリティレベルの設定処理を実
行する必要はない。
【0090】続いて、コピーモードの選択が必要とされ
る。このコピーモードの選択は、液晶表示部42に表示
されるコピーモード選択画面を介して行われる。コピー
モード選択画面には、ノーマルコピーモードを指定する
ノーマルコピーモード指定キーとオリジナルコピーモー
ドを指定するオリジナルコピーモード指定キーとが表示
される。ノーマルコピーモード指定キーが押下される
と、この後、ノーマルコピーが実行される。オリジナル
コピー指定キーが押下されると、この後、オリジナルコ
ピーが実行される。
【0091】ノーマルコピーモードとは、原稿画像から
読取られた画像データに基づき画像を形成するモードで
ある。つまり、このノーマルコピーモードは、従来のコ
ピーと同じである。一方、オリジナルコピーモードと
は、原稿画像から読取られたアクセス情報に基づきファ
イルを検索し、この検索されたファイルから得られる画
像データに基づき画像を形成するモードである。
【0092】ノーマルコピーモード指定キーによりノー
マルコピーモードが指定され(ST86、NO)(ST
88、YES)、プリントキーの押下によりコピー開始
の指示が下されると(ST90、YES)、ノーマルコ
ピーが実行される(ST92)。つまり、原稿画像から
読取られた画像データに基づき画像が形成される。
【0093】オリジナルコピーモード指定キーによりオ
リジナルコピーが指定されると(ST86、YES)、
液晶表示部42に追記コピーモードを指定する追記コピ
ーモード指定キーが表示される。ここで、追記コピーモ
ード指定キーにより追記コピーモードが指定されずに
(ST94、NO)、プリントキーが押下されると(S
T96、YES)、オリジナルコピーが実行される(S
T98)。追記コピーモード指定キーにより追記コピー
モードが指定され(ST94、YES)、プリントキー
が押下されると(ST100、YES)、追記コピーが
実行される(ST102)。ST98で実行されるオリ
ジナルコピー、及びST102で実行される追記コピー
に関しては、この後詳しく説明する。
【0094】追記コピーが実行された後、液晶表示部4
2に追記情報ファイリングモードを指定する追記情報フ
ァイリングモード指定キーが表示される。ここで、追記
情報ファイリングモード指定キーにより追記情報ファイ
リングモードが指定されると(ST104)、追記情報
ファイリングモードが実行される(ST106)。な
お、この追記情報ファイリングモードに関しては、この
後詳しく説明する。
【0095】次に、図9のフローチャートを参照して、
オリジナルコピーモードを説明する。まず、スキャナ部
1により、原稿台4の所定位置にセットされた原稿画像
が読取られる(ST110)。この原稿の読取に伴い獲
得された画像データからアクセス情報が抽出される(S
T112)。
【0096】アクセス情報が抽出できない場合には(S
T114、NO)、エラーメッセージが液晶表示部42
に表示される(ST130)。アクセス情報の抽出が完
了すると(ST114、YES)、抽出されたアクセス
情報が解析される(ST116)。そして、予め設定さ
れたセキュリティレベルに応じたアクセス許可判定処理
が実行される(ST118)。このセキュリティレベル
に応じたアクセス許可判定処理に関しては後に詳しく説
明するものとし、ここでは詳細の説明は省略する。
【0097】アクセス許可判定処理により、アクセスが
許可されない場合(ST120、NO)、エラーメッセ
ージが液晶表示部42に表示される(ST130)。ア
クセス許可判定処理によりアクセスが許可される場合
(ST120、YES)、アクセス情報に基づいたファ
イル検索の指示がプリンタサーバ(PC3)に向けて出
力される(ST122)。
【0098】ファイル検索にあたり、画像形成装置から
PC3に対して、解析されたアクセス情報が送信され
る。PC3では、この送信されたアクセス情報に基づき
ファイルの検索が実行される。PC3において、目的と
するファイルが見つからない場合は、アクセス情報がP
C1へ送信され、PC1において目的とするファイルの
検索が実行される。目的のファイルが見つかれば、この
ファイルとこのファイルのアクセス情報とから生成され
るイメージ画像データが、画像形成装置へ送信される。
画像形成装置側において、イメージ画像データが受信さ
れると(ST124、YES)、この受信されたイメー
ジ画像データに基づき画像形成処理が実行される(ST
126)。画像形成装置側において、イメージ画像デー
タが受信されない場合には(ST124、NO)、液晶
表示部にエラーメッセージが表示される(ST13
0)。なお、ST126の画像形成処理が実行された場
合、この画像形成処理に伴いPC1乃至PC3のプリン
ト管理ファイルが更新される。
【0099】ここで説明したオリジナルコピーモードに
より、オリジナルと同レベルの画質の原稿を得ることが
可能となる。また、このオリジナルコピーにより得られ
る原稿を基に、再度オリジナルコピーを実行した場合で
も、得られる原稿はオリジナルと同レベルの画質とな
る。従って、このオリジナルコピーモードにより、常に
オリジナルと同レベルの画質の原稿を得ることが可能と
なる。
【0100】ここで、上記説明したアクセス情報の抽出
に関してより詳しく説明する。アクセス情報の抽出は、
上記説明したようにアクセス情報抽出回路36dにより
実現される。原稿に記録された状態のアクセス情報は、
図13に示すように異なる太さの線の組み合わせで構成
されている。また、アクセス情報は、第1の方向(主走
査方向)に対して線の太さが変化し、第2の方向(副走
査方向)に対しては同じ位置に並ぶような配置としてと
なっている。
【0101】アクセス情報抽出回路36dは1ラインバ
ッファを有しており、このラインバッファで副走査方向
に加算平均処理を行うことにより、正確なアクセス情報
の検出を実現可能としている。つまり、ノイズの影響を
受けずに、アクセス情報の検出が可能となる。このよう
にして、線の太さで表現されたアクセス情報が、意味の
有るアクセス情報に変換される。
【0102】さて、このとき副走査方向の平均ライン数
を変えて線幅でコード化されている信号を評価する。す
ると、2画素幅、3画素幅のデータでは数ラインの平均
処理を行えば値の変化はない。ところが、1画素幅のデ
ータでは2画素幅及び3画素幅のデータに比較して、倍
以上の平均処理を行うことでほぼ同程度の安定な信号と
なる。これはオリジナルプリントモードにより出力され
た原稿(図13に示す原稿)が入力されたときのことで
ある。一方、このオリジナルプリントモードにより出力
された原稿に基づき複写された複写原稿では、この1画
素幅の画点は読取りセンサとの相対位置によりインフェ
ーズもしくはアウトフェーズの状態が確率的に発生し、
全面均一に忠実に再現することは不可能となる。そのた
め、一部部再現される部分もあるが、大方は再現されな
い。従って、複写原稿からの複数ラインの平均処理を行
ってもなかなか安定した信号が得られない。このノイズ
レベルを評価することで、複写物かどうかの判断が可能
となる。具体的にはメインCPU91よりアクセス情報
抽出回路36dからの信号で、副走査の平均処理回数の
異なる信号を得て、線幅1画素の誤りブロック数がカウ
ントされる。誤りブロックに関しては、例えば最も簡単
な方法としてはパリティチェックなどの方式で誤りが検
出される。誤り率が一定レベルを越えた場合には、世代
コピーされたもとの判断される。誤り率が一定レベル以
下であれば、多数決法等により1画素幅のデータからパ
スワード情報が得られる。なお、このアクセス情報の検
出は、プリスキャン時に行うようにしてもよい。
【0103】次に、図10のフローチャートを参照し
て、追記コピーモードを説明する。既に説明したオリジ
ナルコピーモードにより得られる原稿に対して、何らか
の情報が追記されるとする。例えば、オリジナルコピー
モードにより得られる原稿が回覧であり、この回覧には
印鑑や各種情報が追記されるとする。この場合、追記を
受けた追記原稿をオリジナルコピーモードでコピーする
と、追記情報の無いオリジナル原稿が得られてしまう。
そこで、この追記コピーモードにより、このような問題
を解決する。
【0104】まず、スキャナ部1により、原稿台4の所
定位置にセットされた原稿画像が読取られる(ST14
0)。この原稿の読取に伴い獲得された画像データは、
色変換部36a、画質制御回路36b、階調処理回路3
6cによりYMCK画像データに変換される。さらに、
このYMCK画像データは、圧縮伸張部36eにより圧
縮され、ページメモリ38に保存される(ST14
2)。
【0105】一方、スキャナ部1により獲得された画像
データからアクセス情報が抽出される(ST144)。
アクセス情報が抽出できない場合には(ST146、N
O)、エラーメッセージが液晶表示部42に表示される
(ST162)。アクセス情報の抽出が完了すると(S
T146、YES)、抽出されたアクセス情報が解析さ
れる(ST148)。そして、予め設定されたセキュリ
ティレベルに応じたアクセス許可判定処理が実行される
(ST150)。このセキュリティレベルに応じたアク
セス許可判定処理に関しては後に詳しく説明するものと
し、ここでは詳細の説明は省略する。
【0106】アクセス許可判定処理により、アクセスが
許可されない場合(ST152、NO)、エラーメッセ
ージが液晶表示部42に表示される(ST162)。ア
クセス許可判定処理によりアクセスが許可される場合
(ST152、YES)、アクセス情報に基づいたファ
イル検索の指示がプリンタサーバ(PC3)に向けて出
力される(ST154)。
【0107】ファイル検索にあたり、画像形成装置から
PC3に対して、解析されたアクセス情報が送信され
る。PC3では、この送信されたアクセス情報に基づき
ファイルの検索が実行される。PC3において、目的と
するファイルが見つからない場合は、アクセス情報がP
C1へ送信され、PC1において目的とするファイルの
検索が実行される。目的のファイルが見つかれば、この
ファイルとこのファイルのアクセス情報とから生成され
る画像データが、画像形成装置へ送信される。画像形成
装置側では、画像データが受信されると(ST156、
YES)、この受信された画像データが、圧縮伸張部3
6eにより圧縮される。この圧縮された画像データは、
ST142でページメモリ38に保存された画像データ
上に重ね書き記録される(ST158)。
【0108】ST158の重ね書き記録により生成され
た画像データは、圧縮伸張部36eにより伸張処理さ
れ、この伸張処理された画像データに基づき画像形成処
理が実行される(ST160)。また、送信したアクセ
ス情報に対応した画像データが受信されない場合には
(ST156、NO)、液晶表示部にエラーメッセージ
が表示される(ST162)。なお、ST160の画像
形成処理が実行された場合、この画像形成処理に伴いP
C3乃至PC1のプリント管理ファイルが更新される。
【0109】この追記コピーモードにより、オリジナル
と同レベルの画質を有し、且つ追記情報が加えられた原
稿を得ることが可能となる。次に、図11のフローチャ
ートを参照して、追記情報ファイリングモードを説明す
る。この追記情報ファイリングモードは、追記情報をオ
リジナルファイルに関連づけて保存するモードである。
【0110】まず、スキャナ部1により、原稿台4の所
定位置にセットされた原稿画像が読取られる(ST17
0)。この原稿の読取に伴い獲得された画像データは、
色変換部36a、画質制御回路36b、階調処理回路3
6cによりYMCK画像データに変換される。さらに、
このYMCK画像データは、圧縮伸張部36eにより圧
縮され、ページメモリ38に保存される(ST17
2)。
【0111】一方、スキャナ部1により獲得された画像
データからアクセス情報が抽出される(ST174)。
アクセス情報が抽出できない場合には(S176、N
O)、エラーメッセージが液晶表示部42に表示される
(ST198)。アクセス情報の抽出が完了すると(S
T176、YES)、抽出されたアクセス情報が解析さ
れる(ST178)。そして、予め設定されたセキュリ
ティレベルに応じたアクセス許可判定処理が実行される
(ST180)。このセキュリティレベルに応じたアク
セス許可判定処理に関しては後に詳しく説明するものと
し、ここでは詳細の説明は省略する。
【0112】アクセス許可判定処理により、アクセスが
許可されない場合(ST182、NO)、エラーメッセ
ージが液晶表示部42に表示される(ST198)。ア
クセス許可判定処理によりアクセスが許可される場合
(ST182、YES)、アクセス情報に基づいたファ
イル検索の指示がプリンタサーバ(PC3)に向けて出
力される(ST184)。
【0113】ファイル検索にあたり、画像形成装置から
PC3に対して、解析されたアクセス情報が送信され
る。PC3では、この送信されたアクセス情報に基づき
ファイルの検索が実行される。PC3において、目的と
するファイルが見つからない場合は、アクセス情報がP
C1へ送信され、PC1において目的とするファイルの
検索が実行される。目的のファイルが見つかれば、この
ファイルとこのファイルのアクセス情報とから生成され
る画像データが、画像形成装置へ送信される。画像形成
装置側では、画像データが受信されると(ST186、
YES)、この受信された画像データは、圧縮伸張部3
6eに送られる(ST188)。この圧縮伸張部36e
に送られた画像データと、ST172でページメモリ3
8に保存された画像データとが比較され、差分値が算出
される(ST190)。そして、この算出された差分値
に相当する差分値画像データに対して孤立点除去処理が
施される(ST192)。さらに、この孤立点除去処理
が施された差分値画像データに対して、圧縮処理が施さ
れる(ST194)。この圧縮処理が施された差分値画
像データは、ST178で解析されたアクセス情報が示
すファイルの関連情報としてPC1乃至PC3に保存さ
れる(ST196)。また、差分値画像データの存在
は、プリント管理ファイルに記録される。
【0114】この追記情報ファイリングモードにより、
オリジナルファイルに関連づけて、極めて小容量で追記
情報を管理することが可能となる。また、この追記情報
ファイリングモードにより、オリジナルファイルに関連
づけられた画像データの関連を容易に解除することがで
きないように、関連づけの解除をパスワードでガードす
るようにしてもよい。
【0115】次に、図12のフローチャートを参照し
て、セキュリティレベルに応じたアクセス許可判定処理
を説明する。画像形成装置にセキュリティレベル1が設
定されている場合には(ST200)、アドレス情報、
ファイル名情報、パスワード情報、及びIDが確認され
ることを条件に、アクセスが許可される。具体的に説明
すると、獲得されたアクセス情報の中から、アドレス情
報及びファイル名情報が解析でき(ST202、YE
S)、パスワードの画質劣化度(誤り率)が所定値以下
である(ST204、YES)必要がある。さらに、I
Dの要求(ST210)に対して入力されるIDが既に
登録されているIDと一致する必要がある(ST21
2、YES)。セキュリティレベル1では、これら条件
が満たされたときに限り、アクセスが許可される(ST
214)。
【0116】なお、パスワードの画質劣化度の評価は、
原稿がオリジナルのものか否かを判断するためのもので
ある。つまり、この評価の結果、画質劣化度が所定値以
下である場合には原稿はオリジナルであると判断され、
画質劣化度が所定値を越える場合には原稿は世代コピー
されたものであると判断される。因みに、ここで言うオ
リジナルとは、オリジナルプリントモードにより得られ
る原稿又はオリジナルコピーモードにより得られる原稿
のことである。一方の世代コピーとは、ノーマルコピー
モードにより得られる原稿のことである。
【0117】画像形成装置にセキュリティレベル2が設
定されている場合には(ST206、YES)、アドレ
ス情報、ファイル名情報、及びIDが確認されることを
条件に、アクセスが許可される。具体的に説明すると、
獲得されたアクセス情報の中から、アドレス情報及びフ
ァイル名情報が解析できる必要がある(ST208、Y
ES)。さらに、IDの要求(ST210)に対して入
力されるIDが既に登録されているIDと一致する必要
がある(ST212、YES)。セキュリティレベル2
では、これら条件が満たされたときに限り、アクセスが
許可される(ST214)。
【0118】画像形成装置にセキュリティレベル3が設
定されている場合には(ST216、YES)、アドレ
ス情報、ファイル名情報、及びパスワード情報が確認さ
れることを条件に、アクセスが許可される。具体的に説
明すると、獲得されたアクセス情報の中から、アドレス
情報及びファイル名情報が解析でき(ST218、YE
S)、パスワードの画質劣化度(誤り率)が所定値以下
である必要がある(ST220、YES)。セキュリテ
ィレベル3では、これら条件が満たされたときに限り、
アクセスが許可される(ST228)。
【0119】画像形成装置にセキュリティレベル4が設
定されている場合には(ST222、YES)、アドレ
ス情報、及びファイル名情報が確認されることを条件
に、アクセスが許可される。具体的に説明すると、獲得
されたアクセス情報の中から、アドレス情報及びファイ
ル名情報が解析できる必要がある(ST224、YE
S)。セキュリティレベル4では、これら条件が満たさ
れたときに限り、アクセスが許可される(ST22
8)。
【0120】このセキュリティレベルに応じたアクセス
許可判定処理により、優れたセキュリティを提供するこ
とが可能となる。従って、オリジナルファイルの所有者
の意志に反したオリジナルコピーを防止することが可能
となる。
【0121】
【発明の効果】この発明によれば下記の画像形成システ
ムを提供できる。 (1)複写感覚の手軽さで、オリジナル原稿と実質的に
同一な原稿を得ることが可能な画像形成システム。
【0122】(2)オリジナル原稿作成者の意志に反し
た、オリジナル原稿と実質的に同一な原稿の氾濫を防止
することが可能な画像形成システム。 (3)オリジナル原稿と実質的に同一な原稿であって、
オリジナル原稿に追記された情報が反映された原稿を得
ることが可能な画像形成システム。 (4)オリジナル原稿とこのオリジナル原稿に追記され
た情報とを関連して管理することが可能な画像形成シス
テム。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係る画像形成装置の
概略構成を示す断面図である。
【図2】画像形成装置の各機能及びこの画像形成装置を
含むネットワークの概略を示すブロック図である。
【図3】画像処理部を説明するためのブロック図であ
る。
【図4】PC1、PC2、及びPC3の概略構成を示す
ブロック図である。
【図5】PC1からの指示に基づき画像形成装置により
プリントアウトを実行する際のPC1における処理を説
明するフローチャートである。
【図6】PC1からの指示に基づき画像形成装置により
プリントアウトを実行する際のPC3における処理を説
明するフローチャートである。
【図7】PC1からの指示に基づき画像形成装置により
プリントアウトを実行する際の画像形成装置における処
理を説明するフローチャートである。
【図8】画像形成装置におけるコピー処理を説明するフ
ローチャートである。
【図9】オリジナルコピーモードを説明するためのフロ
ーチャートである。
【図10】追加情報対応コピーモードを説明するための
フローチャートである。
【図11】追記情報ファイリングモードを説明するため
のフローチャートである。
【図12】セキュリティレベルに応じたアクセス許可判
定処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】アクセス情報が記録された原稿の概略を示す
図。
【符号の説明】
1…スキャナ部 2…プリンタ部 30…主制御部 36…画像処理部 36a…色変換回路 36b…画質制御回路 36c…階調処理回路 36d…アクセス情報抽出回路 36e…圧縮伸張回路 38…ページメモリ 40…操作パネル 91…メインCPU
フロントページの続き (72)発明者 坂上 英一 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 田畑 淳 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 菅野 浩樹 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ファイルを格納するファイル格納手段と、 このファイル格納手段に格納されたファイルにアクセス
    するためのアクセス情報を付加して、このファイルに基
    づき形成される画像を出力する第1の画像出力手段と、 この第1の画像出力手段により出力された画像を光学的
    に読取り、画像データを出力する読取手段と、 この読取手段から出力される画像データの中からアクセ
    ス情報を抽出する抽出手段と、 この抽出手段により抽出されたアクセス情報を基に、前
    記ファイル格納手段に格納されているファイルを読出
    し、このファイルに基づき形成される画像を出力する第
    2の画像出力手段と、 を備えたことを特徴とする画像形成システム。
  2. 【請求項2】ファイルを格納するファイル格納手段と、 このファイル格納手段に格納されたファイルにアクセス
    するためのアクセス情報を付加して、このファイルに基
    づき形成される画像を出力する第1の画像出力手段と、 この第1の画像出力手段により出力された画像を光学的
    に読取り、画像データを出力する読取手段と、 この読取手段から出力される画像データを記憶する画像
    データ記憶手段と、 この画像データ記憶手段に記憶された画像データの中か
    らアクセス情報を抽出する抽出手段と、 この抽出手段により抽出されたアクセス情報を基に、前
    記ファイル格納手段に格納されているファイルを読出
    し、このファイルに基づき形成される画像データを前記
    画像データ記憶手段に記憶されている画像データ上に重
    ね書きし、この重ね書きの結果得られる画像データに基
    づき形成される画像を出力する第2の画像出力手段と、 を備えたことを特徴とする画像形成システム。
  3. 【請求項3】前記第1の画像出力手段が、前記アクセス
    情報を目視で認識困難な状態で出力することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の画像形成システム。
  4. 【請求項4】前記第1の画像出力手段が、前記アクセス
    情報を所定の印字率で出力することを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の画像形成システム。
  5. 【請求項5】前記第1の画像出力手段が、前記アクセス
    情報を用紙の4辺近傍に出力することを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の画像形成システム。
  6. 【請求項6】前記第2の画像出力手段が、前記抽出手段
    により抽出されたアクセス情報を基に、前記ファイル格
    納手段に格納されているファイルを読出し、このファイ
    ルにアクセスするためのアクセス情報を付加して、この
    ファイルに基づき形成される画像を出力することを特徴
    とする請求項1に記載の画像形成システム。
  7. 【請求項7】前記第2の画像出力手段が、前記抽出手段
    により抽出されたアクセス情報を基に、前記ファイル格
    納手段に格納されているファイルを読出し、このファイ
    ルに基づき形成される画像データを前記画像データ記憶
    手段に記憶されている画像データ上に重ね書きし、この
    ファイルにアクセスするためのアクセス情報を付加し
    て、この重ね書きの結果得られる画像データを出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
  8. 【請求項8】前記画像データ記憶手段に記憶された画像
    データと、この画像データから抽出されたアクセス情報
    を基に読出されたファイルに基づき形成される画像デー
    タとを比較して、両画像データ間の差に相当する画像デ
    ータを、このファイルに関連づけて記憶させる制御手段
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成シ
    ステム。
  9. 【請求項9】前記アクセス情報が、ファイルの格納先を
    示すアドレス情報、及びファイル名を示すファイル名情
    報を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の画像形成システム。
  10. 【請求項10】前記アクセス情報が、ファイルの格納先
    を示すアドレス情報、ファイル名を示すファイル名情
    報、及びパスワードを示すパスワード情報を含むことを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成シス
    テム。
  11. 【請求項11】前記第1の画像出力手段が、前記アクセ
    ス情報に含まれる前記パスワード情報を最小画素単位で
    出力することを特徴とする請求項10記載の画像形成シ
    ステム。
  12. 【請求項12】前記抽出手段により抽出されたアクセス
    情報に含まれるパスワード情報の画質劣化度を評価し、
    この評価の結果に基づく判断から、前記ファイル格納手
    段に格納されているファイルの読出が許可された場合に
    限り、前記第2の画像形成手段による画像の出力を実行
    させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項10に
    記載の画像形成システム。
  13. 【請求項13】識別情報の登録を受付け、この受付けら
    れた識別情報を登録する識別情報登録手段と、 識別情報の入力を受付ける識別情報入力受付手段と、 前記識別情報登録手段に登録された識別情報と、前記識
    別情報入力受付手段により受付けられた識別情報とが一
    致した場合に限り、前記前第2の画像形成手段による画
    像の出力を実行させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の画像形成システム。
  14. 【請求項14】識別情報の登録を受付け、この受付けら
    れた識別情報を登録する識別情報登録手段と、 識別情報の入力を受付ける識別情報入力受付手段と、 前記抽出手段により抽出されたアクセス情報に含まれる
    パスワード情報の画質劣化度を評価し、この評価の結果
    に基づく判断により、前記ファイル格納手段に格納され
    ているファイルの読出が許可され、且つ前記識別情報登
    録手段に登録された識別情報と、前記識別情報入力受付
    手段により受付けられた識別情報とが一致した場合に限
    り、前記前第2の画像形成手段による画像の出力を実行
    させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成
    システム。
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