JPH11883A - ロボット動作の自動教示方法、ロボットの軌跡修正方法および溶接ロボットの制御方法 - Google Patents

ロボット動作の自動教示方法、ロボットの軌跡修正方法および溶接ロボットの制御方法

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JPH11883A
JPH11883A JP15694597A JP15694597A JPH11883A JP H11883 A JPH11883 A JP H11883A JP 15694597 A JP15694597 A JP 15694597A JP 15694597 A JP15694597 A JP 15694597A JP H11883 A JPH11883 A JP H11883A
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robot
work
locus
sensor
welding
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JP15694597A
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Yoshiaki Matsukuma
義明 松隈
Seigo Nishikawa
清吾 西川
Kazuhiko Honda
和彦 本田
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロボット動作の自動教示時にロボットが異常
な動作を行うことを防ぐ。 【解決手段】 作業軌跡の開始点P1 から終了点P2
の方向ベクトルとロボットの移動方向ベクトルのなす角
φi は許容角φL より大きいので、この場合のセンサ検
出データS’i は異常なデータであるとみなし、ロボッ
トがこの検出データ位置へ移動することを禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボット動作の自
動教示方法、ロボットの軌跡修正方法および溶接ロボッ
トの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】教示された作業開始点と作業終了点の間
の作業軌跡を、ロボットに取り付けられたセンサもしく
は固定式センサを用いて検出し、このセンサによって検
出された作業軌跡位置をロボットの動作軌跡としてロボ
ットの自動教示を行う、従来のロボット動作自動教示方
法においては、ロボットの動作の監視は行われていなか
った。従来のロボット動作軌跡修正方法を図11に示
す。図11中、Vtは教示されたロボット動作ベクトル
を表し、Δは軌跡修正量を表し、Vrは軌跡修正後のロ
ボット動作ベクトルを表す。また、Ltは教示されたロ
ボット動作ベクトルの大きさ(移動量)を表し、Lrは
軌跡修正後のロボット動作ベクトルの大きさ(移動量)
を表している。
【0003】従来の方法では、教示されたロボット動作
ベクトルVtに軌跡修正量Δを加えて軌跡修正後のロボ
ットの動作ベクトルVrを求めていた。また、センサを
用いて溶接線などの作業軌跡の位置検出を行い、検出さ
れた位置データへロボットを移動させることによって、
検出された作業軌跡の位置データを新たな教示点として
登録することで、作業軌跡を自動的に教示する方法が提
案されている。また、教示プログラムの再生運転により
動作する溶接ロボットを用いて、溶接線をトラッキング
しながら溶接作業を実行する場合、溶接トーチ進行方向
に関し、溶接トーチよりも先行したセンサを取り付け、
センサからの情報に基づき教示パスを補正しながら溶接
作業を行わせる方法がよく用いられる。
【0004】ところで、溶接ロボットによる溶接作業の
対象となる溶接線上には、溶接線の両側部分を互いに仮
固定するために、複数個の仮付け溶接部が通常形成され
ている。レーザセンサなどのセンサがこのような仮付け
溶接部に遭遇すると正常なセンシングができないため
に、仮付け溶接部を通過する際に迷走あるいは停止に至
るなどのトラブルが発生する。また、センシングの異常
が少ない場合でも、仮付け溶接部を通常の溶接部と同じ
溶接条件で溶接を行った場合、溶け込み不足や過大のビ
ードといった不適正な溶接が実行されてしまうという問
題が発生する。上記問題を解決するために、例えば、特
開平7−766044では、センシング出力が溶接線上
に存在する仮付け溶接部を表現したものであるか否かを
判定するための判定基準をあらかじめ記憶させておき、
トラッキング時に逐次的に獲得されるセンシング出力に
ついて前記判定基準情報に基づいて仮付け溶接部を表現
したものであるか否かの判定を行い、前記センシング出
力が仮付け溶接部を表現していると判定された場合に
は、あらかじめ溶接ロボットの制御装置に記憶されてい
る仮付け溶接部用の制御内容にしたがって制御を行って
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のロボッ
ト動作の自動教示方法では、ロボットの動作の監視が行
われていなかったため、ロボットに取り付けられたセン
サを用いて検出された作業軌跡位置データが誤ったデー
タであった場合、ロボットが異常な方向へ移動してしま
うという問題があった。上述した従来のロボットの軌跡
修正の方法では、教示されたロボット動作ベクトルの大
きさLtと軌跡修正後のロボットの動作ベクトルの大き
さLrが異なるため、軌跡の修正を行うことによってロ
ボットの動作速度が変化するという問題があった。この
ため、アーク溶接やシーリングのように動作速度を一定
とする用途において品質上問題となっていた。
【0006】上述した従来のロボットの自動教示方法で
は、センサによって検出されたデータそのものを教示位
置としていたため教示点として登録されるデータの数が
膨大なものとなっていた。さらに、センサによって検出
されたデータそのものを教示位置として登録した場合、
検出データが作業軌跡の特異点を捕らえることは稀であ
るため、作業軌跡の正確な教示が行えないという問題が
あった。前記特開平7−766044は、仮付け溶接部
に対応する一つの方法であるが、仮付け溶接部は、通
常、ほとんど品質管理されていないため、溶接ビードの
大きさ、形状、表面状態にバラツキが非常に大きく、レ
ーザセンサなどのセンサで仮付け溶接部か否か判定する
ことは容易ではなく、誤判定により、不適正な溶接を実
行してしまうことがあった。
【0007】本発明の第1の目的は、ロボット動作の自
動教示時にロボットが異常な動作を行うことを防ぐこと
ができるロボット動作の自動教示方法を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、作業軌跡上でのロボット
の速度が教示された速度から変化することなく動作軌跡
の修正を行うことができる、ロボットの軌跡修正方法を
提供することにある。本発明の第3の目的は、新たに教
示する位置および姿勢のデータを最小限のものとし、ま
た作業軌跡の正確な教示が行える、ロボット動作の自動
教示方法を提供することにある。本発明の第4の目的
は、センサを用いた溶接線トラッキング方式による溶接
ロボットの制御を行うに当たって作業の障害となる仮付
け溶接部についても、仮付け部の誤判定することなく確
実に問題回避する溶接ロボットの制御方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のロボット
動作の自動教示方法は、作業開始点と作業終了点の間の
作業軌跡を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは
固定式センサを用いて検出し、この検出された作業軌跡
位置へロボットを移動させることより、作業開始点から
作業終了点まで作業軌跡のロボット動作の自動教示を行
う方法において、作業開始点から作業終了点への方向ベ
クトルとセンサによって検出された作業軌跡へ移動しよ
うとするロボットの動作方向ベクトルのなす角があらか
じめ設定しておいた許容角を超えないことを監視する。
本発明の第2のロボット動作の自動教示方法は、作業開
始点と作業終了点の間の作業軌跡を、ロボットに取り付
けられたセンサもしくは固定式センサを用いて検出し、
この検出された作業軌跡位置へロボットを移動させるこ
とより、作業開始点から作業終了点まで作業軌跡のロボ
ット動作の自動教示を行う方法において、センサによっ
て検出された作業軌跡位置と作業終了点との間の距離を
算出し、この距離がロボットの現在値と作業終了点との
間の距離より短いことを監視する。
【0009】ロボットの自動教示を行う際のロボットの
移動方向を監視するようにしたので、センサによって検
出された作業軌跡の検出データが誤ったものであって
も、ロボットが異常な動きをするという危険性を回避で
きる。本発明のロボット軌跡修正方法は、ロボット動作
中に作業軌跡が教示された軌跡から変化した場合、ロボ
ットに取り付けられたセンサもしくは固定センサを用い
て作業軌跡の検出を行い、この検出された作業軌跡デー
タから軌跡修正量を求め、この軌跡修正量と教示された
ロボット動作ベクトルから軌跡修正後のロボット動作ベ
クトルを求める際に、軌跡修正後のロボット動作ベクト
ルの移動量を、教示されたロボット動作ベクトルの移動
量と等しくなるようにする。これにより、作業軌跡上で
ロボットの動作速度が教示された速度から変化しないよ
うに、ロボットの軌跡の修正が行えるようになる。
【0010】本発明のロボット動作の自動教示方法は、
作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡を、ロボットに
取り付けられたセンサもしくは固定式センサを用いて検
出し、この検出された作業軌跡位置へロボットを移動さ
せることによって、作業開始点から作業終了点までの作
業軌跡のロボット動作の自動教示を行うロボット動作の
自動教示方法において、センサによって検出された作業
軌跡位置データを記憶し、この記憶したデータから作業
軌跡の特異点となるコーナの位置および姿勢を算出し、
さらに、この算出した作業軌跡特異点の前後でロボット
の姿勢が滑らかに変化するための位置と姿勢を算出し、
これをロボット教示データとして新たに登録する。本発
明のロボットの自動教示方法は、作業開始点と作業終了
点の間の作業軌跡を、ロボットに取り付けられたセンサ
もしくは固定式センサを用いて検出し、この検出された
作業軌跡位置へロボットを移動させることによって、作
業開始点から作業終了点までの作業軌跡のロボット動作
のプログラムを作成する方法で、センサによって検出さ
れた作業軌跡位置データを記憶し、この記憶したデータ
から作業軌跡の特異点となるコーナの位置を算出する方
法において、ロボットの作業内容に応じて、あらかじめ
設定された値に基づいて、前記の記憶したセンサデータ
からロボット動作プログラムに新規登録するための位置
データを算出する。
【0011】作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡
を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
ンサを用いて検出し、この検出された作業軌跡位置へロ
ボットを移動させることによって、作業開始点から作業
終了点までの作業軌跡のロボット動作プログラムを作成
する方法で、センサによって検出された作業軌跡位置デ
ータを記憶し、この記憶したデータから作業軌跡の特異
点となるコーナの位置を算出する方法において、ロボッ
トに取り付けられたツールの機構と能力に応じて、あら
かじめ設定された値に基づいて、前記の記憶したセンサ
データからロボット動作プログラムに新規登録するため
の位置データを算出する。センサによって検出された作
業軌跡位置データを記憶し、この記憶したデータから作
業軌跡の特異点となる位置および姿勢を算出し、さら
に、この算出された作業軌跡特異点の前後でロボットが
滑らかな姿勢変更を行うための位置および姿勢を算出
し、この算出された位置および姿勢のみをロボットの教
示データとして新たに登録するので、教示されたデータ
は膨大なものになることもなく、また、作業軌跡の特異
点を捕らえたデータで教示されるため正確な作業軌跡の
教示を行うことができる。
【0012】さらに、ロボットの作業内容あるいはロボ
ットに取り付けられたツールの機構と能力に応じて、あ
らかじめ設定された値に基づいて教示点の算出を行うの
で、この設定値を変えることで、細かい教示作業から大
まかな教示作業まで自由に行うことができる。本発明の
溶接ロボットの制御方法は、溶接トーチ位置に対して溶
接トーチ進行方向側の近傍領域の目標位置センシングを
行うセンサ手段を溶接ロボットに搭載し、溶接ロボット
およびセンサ手段に接続されたロボット制御装置を用い
て溶接ロボットの教示プログラム再生運転時に逐次的に
獲得されるセンサ手段のセンシング出力に基づき溶接ロ
ボット位置を補正しつつ溶接線トラッキングを行う溶接
ロボットの制御方法において、ロボット制御装置に、仮
付け溶接部が存在する可能性のある範囲をあらかじめ記
憶させておき、トラッキング時に、前記記憶させた範囲
内で、センサ手段が異常を検出した場合には、仮付け溶
接部と判定し、ロボット制御装置に記憶されている仮付
け溶接部用の制御方法にしたがって制御することによっ
て上記問題点を解決するものであり、また、「溶接を実
行する溶接トーチの先端と溶接トーチの先端の進行方向
に位置するセンサの検出範囲の距離を仮付け溶接部の長
さより長くする」ことにより、センサ手段は仮付け溶接
部の後の溶接線の位置を、仮付け溶接部を通過する溶接
が始まる前に検出することが可能となるため、「ロボッ
ト制御装置に記憶されている仮付け溶接部用の制御内容
が、仮付け溶接部のロボットの軌跡を、仮付け溶接部の
前に検出した位置と、仮付け溶接部の後に検出した位置
を用いて直線もしくは円弧で補間し、かつ必要に応じて
溶接速度およびワイヤエクステンション長さを変更す
る」ことにより上記技術課題を解決したものである。
【0013】本発明は、ビードの大きさ、形状、および
表面状態のバラツキが非常に大きい仮付け部を確実に判
定し、また、仮付け部の前後の溶接線の位置を検出する
ことにより、確実な補間されたロボット軌跡を生成する
ことを特徴とする。本発明は、仮付けの溶接作業が、作
業者または自動機によってなされるが、仮付け溶接部の
位置はワークによってほぼ決まっており、仮付け溶接部
が存在する可能性がある領域をあらかじめ制御装置に設
定することが、実作業上、特に問題なく可能であり、ま
た、仮付け溶接部は、通常、10mm〜20mmの長さ
であるため溶接トーチ先端とセンサ手段で検出する領域
との距離を仮付け溶接部の長さより長くすることがシス
テム上問題になることが特にないことによる。また、仮
付け溶接を行うワークの溶接線の形状を直線、円弧など
で補間することは実作業上特に問題なく、また、複雑な
形状のワークの場合は、あらかじめ仮付け溶接が存在す
るワークの、仮付け溶接がない状態の形状を溶接ロボッ
ト制御装置に記憶させておき、仮付け溶接部を通過する
ときは、前記記憶された仮付け溶接がない状態のワーク
状態にしたがって制御を行う。
【0014】仮付け溶接作業を行う場合、作業図面また
は作業手順に仮付け溶接部の位置は記されている。作業
者または自動機は前記の手順にしたがって仮付け溶接を
行うが、仮付け溶接そのものが正確さを要求する作業で
はないため、仮付け溶接の位置は数mmから数10mm
のバラツキを伴う。このため、溶接ロボット制御装置に
は、この仮付けのバラツキ以上の大きさの領域を仮付け
が存在する可能性のある領域として記憶させる。溶接ロ
ボットによる溶接実行時においては、前記領域に入る前
は、溶接ロボットに支持されたレーザセンサなどのセン
サ手段による通常の溶接トラッキングを実行する。仮付
け溶接部が存在する可能性のある領域に入ると、センサ
手段が正常な検出を行っている間は、センサ手段の検出
した位置にしたがってセンシングを行うが、センサ手段
が正常な検出を行わなくなった場合は、仮付け溶接部を
センサ手段が通過している状態と判定し、アラームを出
したり、作業を停止したりせずに未検出状態として溶接
作業を継続する。溶接トーチ先端が仮付け溶接部を通過
する前に、センサ手段は仮付け溶接部を通過し、正常な
検出を再開する。センサ手段は、検出が行えなかった部
分の前後の正常な検出位置より、検出が行えなかった部
分を補間し、溶接ロボットの制御を継続する。
【0015】溶接トーチが仮付け溶接部を通過すると
き、例えば、ビードの盛り上がりが問題となるワークの
場合、溶接ロボットは溶接速度を上げ、また、溶け込み
を重視するワークの場合は、ワイヤエクステンションを
短くし、溶接速度を遅くして溶け込みを確保する。この
ように、ワークの要求に応じて、溶接速度およびワイヤ
エクステンションを変化させる。本発明の考え方は、全
てをセンサで検出するので、あらかじめ、作業者が設定
できる領域は設定しておき、この範囲のみ検出を行うこ
とに特徴がある。この考え方は、当然、他の溶接線の特
別な状態、例えば、隙間が常に存在する可能性がある領
域には、隙間が存在する可能性のある領域の設定などに
も活用が可能であり、応用範囲の広い考え方である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施
形態(請求項1に対応)を示す図である。P1 は作業軌
跡の開始点(教示位置)、P2 は作業軌跡の終了点(教
示位置)を表す。また、Si はセンサによる作業軌跡の
検出データである。φL は、角度判定に用いるあらかじ
め設定された許容角度を表す。φi は、作業軌跡の開始
点P1 から終了点P2 への方向ベクトルと、ロボットの
移動方向ベクトルのなす角を表す。図の例では、φi
許容角φL よりも小さく、この場合のセンサ検出データ
i は正しい検出データとみなす、これに対してφi
は許容角φL より大きいのでこの場合のセンサ検出デー
タSi ’は異常なデータであるとみなし、ロボットがこ
の検出データ位置へ移動することを禁止する。
【0017】図2は本発明の第2の実施形態(請求項2
に対応)を表してる。Pr はロボットの現在位置、P2
は作業軌跡の終了点(教示位置)を表す。また、Si
センサによる作業軌跡の検出データである。Li は、作
業軌跡の終了点からセンサ検出データ位置の間の距離を
表す。図の例の場合、ロボットは作業開始点にありセン
サ検出点Si へ移動しようとしている。このとき、距離
i は距離Li-1 より短くなるので、センサ検出点S i
は正しいデータとみなす。これに対して、距離Li ’は
距離Li-1 より長くなるので、センサ検出点Si ’は異
常なデータであるとみなし、ロボットが検出点Si ’へ
移動することを禁止する。図3は本発明の第3の実施形
態(請求項3に対応)を示したものである。図3中、T
t は教示軌跡であり、P1 は教示軌跡の開始点、P2
終点である。Q1〜Qn は教示軌跡の補間点である。ま
た、Tr は実際の作業軌跡を表す。
【0018】いま、ロボットが教示位置Pにあって、補
間点Qi に移動しようとしているとき、センサからの軌
跡の位置データSが得られている場合、ロボット現在位
置Pからセンサ検出点Sへのベクトルを求め、このベク
トルの長さL2 が補間点間の移動量L1 と等しくなるよ
うな点S’を求める。求めたS’と移動目標点Qとの差
から軌跡修正量ΔLを求める。この操作を、全てのセン
サデータについて行い、各補間点における軌跡修正量を
求める。図4は本発明の第4の実施形態(請求項4〜6
に対応)で、センサ検出データから作業軌跡の特異点を
算出する方法を示したものである。P1 は作業軌跡の開
始点(教示点)、P2 は作業軌跡の終了点(教示点)で
ある。また、S1 〜Sn はセンサによる作業軌跡位置検
出データである。
【0019】Si からSi+1 へのベクトルVi ,Si+1
からSi+2 へのベクトルVi+1 、およびSi+2 からS
i+3 へのベクトルVi+2 を求める。ベクトルVi とベク
トルVi+1 のなす角φi 、ベクトルVi とベクトルV
i+2のなす角φi+1 を求め、φi とφi+1 の回転の方向
が等しく、かつφi+1 があらかじめ設定された値(判定
角)よりも大きい場合は、Si+1 とSi+2 の間に作業軌
跡の特異点があるものとみなし、Si とSi+1 の作る直
線とSi+2とSi+3の作る直線の交点として作業軌跡の特
異点Pti を求める。さらに、Si とSi+1 の作る線に
対するロボットの姿勢から、Si+2 とSi+3の作る直線
に対するロボットの姿勢へ、特異点Pti の近傍でのロ
ボットの姿勢が滑らかに変化するように、特異点でのロ
ボットの姿勢がPti-1 とPti+1 との中間姿勢となる
ように特異点Pti から等距離Li にある点Pti-1
Pti+ 1 を、特異点Pti と共に新たな教示点として登
録する(図5)。
【0020】このときの作業軌跡特異点Pti の前点の
姿勢の算出方法を図6に基づいて説明する。まず、前点
Pti-1 の位置に原点をもち、Y軸方向単位ベクトルY
fが作業軌跡進行方向、すなわちPti-1 からPti
向かう方向であり、ロボットが設置されている環境の絶
対座標(以下、ワールド座標と呼ぶ)の垂直方向(図6
では,refpと示す)単位ベクトルと前記Yfとの外
積ベクトルをX軸方向単位ベクトルXfととる。このX
fとYfとで右手系をなすように、Z軸方向の単位ベク
トルZfをとる座標系を考え、これを教示点Pti-1
の基本フレーム座標とする。この基本フレーム座標に対
して、ロボットがもつツールの姿勢を、あらかじめ設定
されていた値にしたがい決定する。この姿勢決定の方法
を表す形式は多種であるが、例えば、ロール、ピッチ、
ヨー角で指定できる。
【0021】作業軌跡特異点の後点Pti+1 での姿勢
は、前点と同様の方法で決定できる。また、ベクトルP
i 〜Pti-1 とベクトルPti+1 〜Pti の外積方向
単位ベクトルをKとし、また、ベクトルPti 〜Pt
i-1 とベクトルPti+1 〜Pt i のなす角をφとする
と、作業軌跡特異点Pti における姿勢は、Kの回りに
前点の姿勢をφ/2だけ回転させることによって決定す
る。以上の操作を繰り返すことによって、センサによっ
て検出された作業軌跡データから必要最小限の新たな教
示位置および姿勢を算出し、登録する。図5は、図4で
示すデータ群から必要なデータを算出して自動教示され
た位置および姿勢Pti の例を表している。センサによ
って検出された作業軌跡データから教示位置を算出する
ための判定値の決定方法としては、例えば、ロボットに
溶接作業を行わせる場合で、ロボットに取り付けられた
センサを用いてリアルタイムトラッキングを行いながら
溶接作業を行う際には、設定値を大きくすることによっ
て大まかな教示結果を得ることができる。
【0022】あるいは、同じ溶接作業を行わせる場合で
も、リアルタイムトラッキングを行わない際には、設定
値を小さくすることで細かい教示結果を得ることができ
る。次に、本発明の第5の実施形態(請求項7〜9に対
応)を、トラッキングを行うロボット溶接作業の代表的
な事例として重ね継ぎ手溶接をレーザセンサを用いて溶
接を実行するケースについて説明する。図7は重ね継ぎ
手溶接部をレーザセンサを用いてセンシングしながら溶
接作業を実行する様子を表した見取り図である。溶接ロ
ボットアーム本体部1は、レーザセンサ2と溶接トーチ
3を保持している。レーザセンサ2はレーザセンサ走査
ビーム4でワークの形状を認識している。通常、レーザ
センサ走査ビーム4で溶接線5を検出する。仮付け溶接
部6a、6c、6bが、溶接の始端部、終端部、中央部
にそれぞれ設定されている。符号7aおよび7bは仮付
け溶接部がある領域を示し、この実施形態の場合は、中
央部に設定されている仮付け溶接部6bがある領域を示
している。
【0023】レーザセンサ走査ビーム4と溶接線トーチ
3の先端部の間の距離は仮付け溶接部6a、6b、6c
の長さより長い。図8は通常のレーザ走査線軌跡を示し
ている。この場合、レーザ走査線軌跡8aと8bの交点
の位置が溶接線として検出される。図9は仮付け溶接部
のレーザ走査線軌跡を示している。この場合、レーザ走
査線軌跡8aと8bの交点の部分には仮付け溶接部9が
存在しているため、溶接線としての検出は行うことがで
きない。また、この仮付け溶接部9は非常にバラツキが
大きく仮付けとしての検出を行うことは容易ではない。
図10は仮付け溶接部における動作の流れ図である。セ
ンシング実行中領域7a〜7bにレーザセンサ走査ビー
ム4が存在しない場合(ステップ11)は、通常のセン
シングを実行するが、領域7a〜7bの範囲の中にレー
ザセンサ走査ビーム4が存在する場合は、センサの検出
が異常でも異常と判定せず、仮付け溶接部と認識する。
検出が異常な場合は、当面、先読みで蓄えられた検出デ
ータで溶接トーチ3の制御は実行する(ステップ1
2)。溶接トーチ先端が仮付け溶接部に到達する前にレ
ーザセンサ走査ビーム4は仮付け溶接部を通過し、溶接
線の検出を再度開始する(ステップ13)。仮付け溶接
部6の溶接トーチ3の制御は、仮付けの前の溶接の位置
と仮付け溶接部を通過して再度検出した位置とを用いて
補間によって行う(ステップ15)。前記補間は、直線
補間が指定されている場合は直線補間、円弧補間が指定
されている場合は円弧補間を実行する。形状が制御装置
にあらかじめ記憶されている場合は、記憶された形状に
基づいて補間を実行する。
【0024】仮付け溶接部の溶接条件は、盛上がり問題
となる場合は、速度を上げて溶接を実行し、溶け込みが
問題となる場合は、溶接速度を下げて、ワイヤエクステ
ンションを短くして対応する(ステップ16)。本実施
形態においては、速度を上げて対応している。レーザセ
ンサ走査ビーム4が7a〜7bの範囲を出ると、通常の
センシング動作に戻る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は下記のよ
うな効果がある。 1)請求項1と2の発明は、ロボットの移動方向を監視
するようにしたので、ロボットの自動教示時にロボット
が異常な動作を行うことを防ぐことができる。 2)請求項3の発明は、ロボット動作中の動作軌跡をセ
ンサによって検出された作業軌跡データに基づいて修正
する際に、作業軌跡上でのロボットの速度が教示された
速度から変化することなく動作軌跡の修正を行うことが
できる。このため、アーク溶接作業のようにロボットの
速度が溶接結果に影響を及ぼすような作業をロボットで
行う場合でも、動作軌跡の修正を行っても溶接速度が一
定となるため溶接結果に悪影響を及ぼすことがない。
【0026】3)請求項4〜6の発明は、新たに教示す
る位置および姿勢を最小限のものとすることができ、ま
た、作業軌跡の特異点を新たな教示位置として登録する
ため作業軌跡の正確な教示が行える。 4)請求項7〜9の発明は、仮付け溶接部が存在するワ
ークにおいて、仮付け溶接部を確実に判定し、仮付け溶
接部に惑わされることなく確実な溶接トーチの軌跡を描
くことができる。また、仮付け溶接部が判定された場合
は、ロボットの溶接速度、ワイヤエクステンション長さ
を変更できるため、仮付け溶接部においても不適切な溶
接ビードが形成されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す図である。
【図5】第4の実施形態で、新たに教示された位置デー
タを示す図である。
【図6】第4の実施形態での姿勢決定方法の説明図であ
る。
【図7】本発明の第5の実施形態の説明図、重ね継ぎ手
溶接部をレーザセンサを用いてセンシングしながら溶接
作業を実行する様子を示している。
【図8】通常のレーザ走査線軌跡を示す図である。
【図9】仮付け溶接部のレーザ走査線軌跡を示す図であ
る。
【図10】仮付け溶接部の動作を示す流れ図である。
【図11】従来の軌跡修正方法を示す図である。
【符号の説明】
1 作業軌跡の開始点(教示位置) P2 作業軌跡の終了点(教示位置) Pr ロボットの現在位置 Si センサによる作業軌跡検出データ φi 作業軌跡開始点から終了点へのベクトルとロボ
ット移動方向ベクトルのなす角度 φL 判定許容角度 Li 作業軌跡終了点とセンサ検出データとの間の距
離 Ti 教示された作業軌跡 Tr 実際の作業軌跡 Q1 〜Qn 教示された作業軌跡の補間点 S センサによって検出された実際の作業軌跡位置 S’ Sより求めた修正量演算のためのデータ ΔL S’およびQi より求まった軌跡修正量 T 溶接用トーチ先端 Pt 新たに登録された教示点 Li 作業軌跡特異点Pt から姿勢変更のための教
示位置Pti-1 ,Pti+1 までの距離 refp ワールド座標での垂直方向 Xf,Yf,Zf 教示位置に設定した基本フレーム
座標の座標軸 φ 作業軌跡特異点前後での姿勢変化量 1 溶接ロボットアーム本体部 2 レーザセンサ 3 溶接トーチ 4 レーザセンサ走査ビーム 5 溶接線 6a,6b,6c,9 仮付け溶接部 7a,7b 仮付け溶接部がある領域 8a,8b レーザ走査線軌跡 11〜16 ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/127 509 B23K 9/127 509B 509F G05B 19/18 G05B 19/18 X

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡
    を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
    ンサを用いて検出し、この検出された作業軌跡位置へロ
    ボットを移動させることより、作業開始点から作業終了
    点まで作業軌跡のロボット動作の自動教示を行う方法に
    おいて、 作業開始点から作業終了点への方向ベクトルとセンサに
    よって検出された作業軌跡へ移動しようとするロボット
    の動作方向ベクトルのなす角があらかじめ設定しておい
    た許容角を超えないことを監視することを特徴とするロ
    ボット動作の自動教示方法。
  2. 【請求項2】 作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡
    を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
    ンサを用いて検出し、この検出された作業軌跡位置へロ
    ボットを移動させることより、作業開始点から作業終了
    点まで作業軌跡のロボット動作の自動教示を行う方法に
    おいて、 センサによって検出された作業軌跡位置と作業終了点と
    の間の距離を算出し、この距離がロボットの現在値と作
    業終了点との間の距離より短いことを監視することを特
    徴とするロボット動作の自動教示方法。
  3. 【請求項3】 ロボットの軌跡修正方法において、ロボ
    ット動作中に作業軌跡が教示された軌跡から変化した場
    合、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
    ンサを用いて作業軌跡の検出を行い、この検出された作
    業軌跡データから軌跡修正量を求め、この軌跡修正量と
    教示されたロボット動作ベクトルから軌跡修正後のロボ
    ット動作ベクトルを求める際に、軌跡修正後のロボット
    動作ベクトルの移動量を、教示されたロボット動作ベク
    トルの移動量と等しくなるようにすることを特徴とする
    ロボットの軌跡修正方法。
  4. 【請求項4】 作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡
    を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
    ンサを用いて検出し、この検出された作業軌跡位置へロ
    ボットを移動させることによって、作業開始点から作業
    終了点までの作業軌跡のロボット動作の自動教示を行う
    方法において、 センサによって検出された作業軌跡位置データを記憶
    し、この記憶したデータから作業軌跡の特異点となるコ
    ーナの位置および姿勢を算出し、さらに、この算出した
    作業軌跡特異点の前後でロボットの姿勢が滑らかに変化
    するための位置と姿勢を算出し、これをロボットの教示
    データとして新たに登録することを特徴とするロボット
    動作の自動教示方法。
  5. 【請求項5】 作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡
    を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
    ンサを用いて検出し、この検出された作業軌跡位置へロ
    ボットを移動させることによって、作業開始点から作業
    終了点までの作業軌跡のロボット動作の自動教示を行う
    方法において、 センサによって検出された作業軌跡位置データを記憶
    し、この記憶したデータから作業軌跡の特異点となるコ
    ーナの位置を算出し、ロボットの作業内容に応じて、あ
    らかじめ設定された値に基づいて、前記の記憶したセン
    サデータからロボット動作プログラムに新規登録するた
    めの位置データを算出することを特徴とするロボット動
    作の自動教示方法。
  6. 【請求項6】 作業開始点と作業終了点の間の作業軌跡
    を、ロボットに取り付けられたセンサもしくは固定式セ
    ンサを用いて検出し、この検出された作業軌跡位置へロ
    ボットを移動させることによって、作業開始点から作業
    終了点までの作業軌跡のロボット動作の自動教示を行う
    方法において、 センサによって検出された作業軌跡位置データを記憶
    し、この記憶したデータから作業軌跡の特異点となるコ
    ーナの位置を算出し、ロボットに取り付けたツールの機
    構と能力に応じて、あらかじめ設定された値に基づい
    て、前記の記憶したセンサデータからロボット動作プロ
    グラムに新規登録するための位置データを算出すること
    を特徴とするロボット動作の自動教示方法。
  7. 【請求項7】 溶接トーチ位置に対して溶接トーチ進行
    方向側の近傍領域の目標位置センシングを行うセンサ手
    段を溶接ロボットに搭載し、前記溶接ロボットおよび前
    記センサ手段に接続されたロボット制御装置を用いて前
    記溶接ロボットの教示プログラム再生運転時に逐次的に
    獲得される前記センサ手段のセンシング出力に基づき前
    記溶接ロボット位置を補正しつつ溶接線トラッキングを
    行う溶接ロボットの制御方法において、 前記ロボット制御装置に、仮付け溶接部が存在する可能
    性のある範囲をあらかじめ記憶させておき、前記トラッ
    キング時に、前記記憶させた範囲内で、前記センサ手段
    が異常を検出した場合には、仮付け溶接部と判定し、前
    記ロボット制御装置に記憶されている仮付け溶接部用の
    制御方法にしたがって溶接ロボットを制御することを特
    徴とする溶接ロボットの制御方法。
  8. 【請求項8】 溶接を実行する溶接トーチの先端と前記
    溶接トーチ先端の進行方向に位置するセンサの検出範囲
    の距離が前記仮付け溶接部の長さより長い請求項7に記
    載の溶接ロボットの制御方法。
  9. 【請求項9】 前記ロボット制御装置にあらかじめ記憶
    されている仮付け溶接部用の制御内容が、仮付け溶接部
    のロボットの軌跡を、仮付け溶接部の前に検出した位置
    と、仮付け溶接部の後に検出した位置を用いて直線もし
    くは円弧で補間し、かつ、必要に応じて溶接速度および
    ワイヤエクステンション長さを変更するものである、請
    求項7に記載の溶接ロボットの制御方法。
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