JPH1186341A - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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- JPH1186341A JPH1186341A JP9261113A JP26111397A JPH1186341A JP H1186341 A JPH1186341 A JP H1186341A JP 9261113 A JP9261113 A JP 9261113A JP 26111397 A JP26111397 A JP 26111397A JP H1186341 A JPH1186341 A JP H1186341A
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- Japan
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- recording medium
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 高線速、高繰り返しオーバーライト回数を可
能にするための保護層、記録層材料を有する相変化型光
記録媒体とその作製法で、保護層材料及び反射放熱層の
熱物性を改良するために熱伝導率を高くし、熱膨張係数
を低減し、熱応力を抑制又は緩和する材料、構成を特定
なものに選定して高線速、DOW回数が向上でき、記録
層は、記録材料のAg,In,Sb,Teの各原子組成
比を特定なものにすること以外に、必要に応じて第5の
元素Auを添加し、相変化型光記録媒体の記録層材料の
特性を満足させる高密度なリライタブル光記録媒体。 【解決手段】 基板と基板上に第1の保護層、記録層、
第2の保護層、反射放熱層、有機保護層の順に積層され
た光記録媒体において、第1、第2の保護層がZnS・
SiOxの層と高融点、高熱伝導率、低線膨張率をもつ
高機械特性材料であるSiC、MgOのいずれかの層と
の交互積層からなる光記録媒体。
能にするための保護層、記録層材料を有する相変化型光
記録媒体とその作製法で、保護層材料及び反射放熱層の
熱物性を改良するために熱伝導率を高くし、熱膨張係数
を低減し、熱応力を抑制又は緩和する材料、構成を特定
なものに選定して高線速、DOW回数が向上でき、記録
層は、記録材料のAg,In,Sb,Teの各原子組成
比を特定なものにすること以外に、必要に応じて第5の
元素Auを添加し、相変化型光記録媒体の記録層材料の
特性を満足させる高密度なリライタブル光記録媒体。 【解決手段】 基板と基板上に第1の保護層、記録層、
第2の保護層、反射放熱層、有機保護層の順に積層され
た光記録媒体において、第1、第2の保護層がZnS・
SiOxの層と高融点、高熱伝導率、低線膨張率をもつ
高機械特性材料であるSiC、MgOのいずれかの層と
の交互積層からなる光記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DVD(登録商
標)−RAM、画像ファイル用メモリーに使用できる光
メモリー、相変化型メモリーに関するものである。
標)−RAM、画像ファイル用メモリーに使用できる光
メモリー、相変化型メモリーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザビーム照射により情報の記
録・再生および消去可能な光記録媒体には、熱を利用し
て磁化の反転を行ない記録消去する光磁気記録方式に用
いるものと、結晶と非晶質の可逆的相変化を利用した記
録消去可能な相変化光記録方式に用いるものとがある。
後者は単一ビームによるオーバーライトが前者に比べて
しやすく、しかもCD−ROM、CD−Rとの互換性の
点で有利である。このような背景により相変化光記録媒
体も今や実用化されており、なおも大容量化に向けて研
究開発が進んでいる。
録・再生および消去可能な光記録媒体には、熱を利用し
て磁化の反転を行ない記録消去する光磁気記録方式に用
いるものと、結晶と非晶質の可逆的相変化を利用した記
録消去可能な相変化光記録方式に用いるものとがある。
後者は単一ビームによるオーバーライトが前者に比べて
しやすく、しかもCD−ROM、CD−Rとの互換性の
点で有利である。このような背景により相変化光記録媒
体も今や実用化されており、なおも大容量化に向けて研
究開発が進んでいる。
【0003】相変化記録媒体の記録層に用いられる材料
はカルコゲン系のGe−Sb−Te、In−Sb−T
e、Ge−Se−Te、Ge−Te−Bi、Sb−Se
−Te、In−Te−Auがこれまでに発表されてお
り、Ge−Sb−Teは実用レベルに達している。
はカルコゲン系のGe−Sb−Te、In−Sb−T
e、Ge−Se−Te、Ge−Te−Bi、Sb−Se
−Te、In−Te−Auがこれまでに発表されてお
り、Ge−Sb−Teは実用レベルに達している。
【0004】しかし、この材料にしても記録感度、消去
感度の向上とオーバーライト時の消し残りによる消去比
の低下等、特性の向上が望まれる。そこで、オーバーラ
イト時の消去比を一段と向上させることができた材料と
して、Ag−In−Sb−Te系がある。(特開平4−
78031号公報、特願開8−1103832号明細
書)。この系において消去比が向上したのは、消去時に
微結晶AgSbTe2とアモルファスIn−Sbの二相
状態になっていることによる。
感度の向上とオーバーライト時の消し残りによる消去比
の低下等、特性の向上が望まれる。そこで、オーバーラ
イト時の消去比を一段と向上させることができた材料と
して、Ag−In−Sb−Te系がある。(特開平4−
78031号公報、特願開8−1103832号明細
書)。この系において消去比が向上したのは、消去時に
微結晶AgSbTe2とアモルファスIn−Sbの二相
状態になっていることによる。
【0005】また、記録媒体に要求される繰り返し回数
の向上は上記記録材料だけでは達成できず、この上下の
保護層、さらに放熱層を積層することで向上が図れられ
ていおり、これまで保護層材料としてZnS・SiO2
(特公平7−114031号公報)をはじめ、金属酸化
物、金属硫化物、金属窒化物の単体もしくは混合物が提
案されている。さらに、反射放熱層の放熱をよくするこ
とで、オーバーライト繰り返し回数は飛躍的に向上する
が、メディア特性を総合的にみた場合、繰り返しのみ向
上しても他の特性が劣るといった問題がある。
の向上は上記記録材料だけでは達成できず、この上下の
保護層、さらに放熱層を積層することで向上が図れられ
ていおり、これまで保護層材料としてZnS・SiO2
(特公平7−114031号公報)をはじめ、金属酸化
物、金属硫化物、金属窒化物の単体もしくは混合物が提
案されている。さらに、反射放熱層の放熱をよくするこ
とで、オーバーライト繰り返し回数は飛躍的に向上する
が、メディア特性を総合的にみた場合、繰り返しのみ向
上しても他の特性が劣るといった問題がある。
【0006】今日、相変化型光記録媒体は、DVD−R
OMから大容量リライタブルDVDの開発が期待、要求
され、コンピュータのデータ用メモリから一般家庭で使
用するビデオディスクに使用用途が拡大しており、大容
量で高速記録再生、さらなる繰り返し回数の向上、長期
保存性と高い仕様が求められている。これらをすべて満
足する媒体はなく、したがってそのような記録媒体の出
現が望まれる。
OMから大容量リライタブルDVDの開発が期待、要求
され、コンピュータのデータ用メモリから一般家庭で使
用するビデオディスクに使用用途が拡大しており、大容
量で高速記録再生、さらなる繰り返し回数の向上、長期
保存性と高い仕様が求められている。これらをすべて満
足する媒体はなく、したがってそのような記録媒体の出
現が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記現状に鑑み今後期待が大きい、大容量かつ繰り
返し特性が良好な書き換え可能な相変化型光記録媒体を
提供すること、特に、高線速、高繰り返しオーバーライ
ト回数を可能にするための保護層、記録層材料を有する
相変化型光記録媒体とその作製法を提供することを目的
とするものであり、保護層材料及び反射放熱層の熱物性
を改良するために熱伝導率を高くし、熱膨張係数を低減
させ、熱応力を抑制するか、あるいは熱応力を緩和させ
る材料、構成を特定なものに選定することにより、高線
速、DOW回数が向上でき、さらに、所望により記録層
については、記録材料のAg,In,Sb,Teの各原
子組成比を特定なものにすること以外に、必要に応じて
第5の元素Auを添加することにより相変化型光記録媒
体の記録層材料の上記特性を満足するようにすることに
より、高密度なリライタブルDVD用光記録媒体を提供
することを目的とする。
は、上記現状に鑑み今後期待が大きい、大容量かつ繰り
返し特性が良好な書き換え可能な相変化型光記録媒体を
提供すること、特に、高線速、高繰り返しオーバーライ
ト回数を可能にするための保護層、記録層材料を有する
相変化型光記録媒体とその作製法を提供することを目的
とするものであり、保護層材料及び反射放熱層の熱物性
を改良するために熱伝導率を高くし、熱膨張係数を低減
させ、熱応力を抑制するか、あるいは熱応力を緩和させ
る材料、構成を特定なものに選定することにより、高線
速、DOW回数が向上でき、さらに、所望により記録層
については、記録材料のAg,In,Sb,Teの各原
子組成比を特定なものにすること以外に、必要に応じて
第5の元素Auを添加することにより相変化型光記録媒
体の記録層材料の上記特性を満足するようにすることに
より、高密度なリライタブルDVD用光記録媒体を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「基板と基板上に第1の保護層、記録層、第2の
保護層、反射放熱層、有機保護層の順に積層された光記
録媒体において、第1、第2の保護層がZnS・SiO
xの層と高融点、高熱伝導率、低線膨張率をもつ高機械
特性材料であるSiC、MgOのいずれか一つの層との
交互積層からなることを特徴とする光記録媒体」、
(2)「前記第1、第2の保護層の各層の膜厚比が、Z
nS・SiOx層:高機械特性層=1:1〜3:1であ
ることを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒
体」、(3)「前記第2の誘電体保護層が、誘電体層に
Cu、Cr、Si微粒子を分散させたものであることを
特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」(4)
「前記微粒子の粒子サイズが3nm以上10nm未満で
あることを特徴とする前記第(3)項に記載の光記録媒
体」、(5)「前記微粒子が、誘電体層と金属層を交互
積層し、初期化時及び記録時の熱により金属を凝集さ
せ、微粒子化させた金属微粒子であることを特徴とする
前記第(3)項又は(4)項のいずれかに記載の光記録
媒体」及び(6)「前記記録層がAg、In、Sb、T
e、Auからなり、該Ag、In、Sb、Te、Auそ
れぞれの組成比a、b、c、d、e(原子%)が、1<
a<5、7≦b≦20、35≦c<70、20≦d≦3
5、1≦e<5、a+b+c+d+e=100、である
ことを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」
により達成され、また、(7)「記録再生時の線速が
2.4m/sec〜10m/secであることを特徴と
する、前記第(1)項乃至(6)項のうちのいずれかに
記載の光記録媒体を用いる光記録方法」により達成され
る。
(1)「基板と基板上に第1の保護層、記録層、第2の
保護層、反射放熱層、有機保護層の順に積層された光記
録媒体において、第1、第2の保護層がZnS・SiO
xの層と高融点、高熱伝導率、低線膨張率をもつ高機械
特性材料であるSiC、MgOのいずれか一つの層との
交互積層からなることを特徴とする光記録媒体」、
(2)「前記第1、第2の保護層の各層の膜厚比が、Z
nS・SiOx層:高機械特性層=1:1〜3:1であ
ることを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒
体」、(3)「前記第2の誘電体保護層が、誘電体層に
Cu、Cr、Si微粒子を分散させたものであることを
特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」(4)
「前記微粒子の粒子サイズが3nm以上10nm未満で
あることを特徴とする前記第(3)項に記載の光記録媒
体」、(5)「前記微粒子が、誘電体層と金属層を交互
積層し、初期化時及び記録時の熱により金属を凝集さ
せ、微粒子化させた金属微粒子であることを特徴とする
前記第(3)項又は(4)項のいずれかに記載の光記録
媒体」及び(6)「前記記録層がAg、In、Sb、T
e、Auからなり、該Ag、In、Sb、Te、Auそ
れぞれの組成比a、b、c、d、e(原子%)が、1<
a<5、7≦b≦20、35≦c<70、20≦d≦3
5、1≦e<5、a+b+c+d+e=100、である
ことを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」
により達成され、また、(7)「記録再生時の線速が
2.4m/sec〜10m/secであることを特徴と
する、前記第(1)項乃至(6)項のうちのいずれかに
記載の光記録媒体を用いる光記録方法」により達成され
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。相変化型
記録媒体はすでに商品化され、パーソナルコンピュータ
の外部メモリに使われており、そして今日、DVD−R
OMメディア、プレーヤーが市場に出ようとしている。
さらにこの後、大容量でリライタブルDVDメディアの
製品化に向けて開発が行なわれているが、リライタブル
DVDメディアは、ROMとの互換性をはじめ、大容量
(4.7GB)、高速(高線速)記録再生、繰り返しオ
ーバーライト回数が高いこと等の高い仕様を要求されて
いる。基板の溝信号特性、ドライブにおける短波長でし
かも高パワー、高NA仕様といったメディア以外の課題
はもちろんあるが、本発明により先に説明したように、
高線速、高繰り返しオーバーライト回数を可能にするた
め保護層、記録層材料とその作製が提供される。
記録媒体はすでに商品化され、パーソナルコンピュータ
の外部メモリに使われており、そして今日、DVD−R
OMメディア、プレーヤーが市場に出ようとしている。
さらにこの後、大容量でリライタブルDVDメディアの
製品化に向けて開発が行なわれているが、リライタブル
DVDメディアは、ROMとの互換性をはじめ、大容量
(4.7GB)、高速(高線速)記録再生、繰り返しオ
ーバーライト回数が高いこと等の高い仕様を要求されて
いる。基板の溝信号特性、ドライブにおける短波長でし
かも高パワー、高NA仕様といったメディア以外の課題
はもちろんあるが、本発明により先に説明したように、
高線速、高繰り返しオーバーライト回数を可能にするた
め保護層、記録層材料とその作製が提供される。
【0010】高線速(現CDの4倍から5倍あるいはそ
れ以上)に対応させるために最適な記録、消去パワーを
増加させること、および、記録マーク形状においてマー
ク端の前後がぼやけ、ジッターが悪くなる等の問題は、
記録時のパルスストラテジー等の調整によりある程度は
改善できるが限界がある。そのため本発明においては、
記録層材料の結晶化速度の向上、融点の低下、保存性の
向上(これについては結晶化速度が高過ぎると悪くなる
傾向にある。)、熱吸収率の向上等、記録層材料の特性
を改善するものである。即ち、本発明は、Ag、In、
Sb、Teからなる記録材料に関し、必要ならば各原子
組成比を変えること以外に、第5の元素を添加すること
で上記特性を満足できるようにする。すでに、上記4元
系材料に窒素添加し保存性を向上させた例(特開平4−
78031号公報)がある。
れ以上)に対応させるために最適な記録、消去パワーを
増加させること、および、記録マーク形状においてマー
ク端の前後がぼやけ、ジッターが悪くなる等の問題は、
記録時のパルスストラテジー等の調整によりある程度は
改善できるが限界がある。そのため本発明においては、
記録層材料の結晶化速度の向上、融点の低下、保存性の
向上(これについては結晶化速度が高過ぎると悪くなる
傾向にある。)、熱吸収率の向上等、記録層材料の特性
を改善するものである。即ち、本発明は、Ag、In、
Sb、Teからなる記録材料に関し、必要ならば各原子
組成比を変えること以外に、第5の元素を添加すること
で上記特性を満足できるようにする。すでに、上記4元
系材料に窒素添加し保存性を向上させた例(特開平4−
78031号公報)がある。
【0011】一方、繰り返しダイレクトオーバーライト
(以下の文ではDOWと記述)回数は、相変化型光記録
媒体の場合は光磁気記録媒体に比べ少ない。その理由と
して、高速で多数回の溶融、冷却を繰り返すために体積
変化に伴う物質流動、さらには短時間における急激で大
きな温度差による変化を繰り返すために、記録層だけで
なくその上下に存在する保護層、さらには反射放熱層ま
でに影響が及び、膜全体が局所的な膜厚変動を生じた
り、局所的にボイドが生じることで回数が制限されるこ
とが挙げられる。したがって本発明により、その場合、
記録層のみならず、保護層材料及び反射放熱層の熱物性
が改良される。熱伝導率を高くし、熱膨張係数を低減さ
せ、熱応力を抑制するか、あるいは熱応力を緩和させる
材料、構成が採用される。
(以下の文ではDOWと記述)回数は、相変化型光記録
媒体の場合は光磁気記録媒体に比べ少ない。その理由と
して、高速で多数回の溶融、冷却を繰り返すために体積
変化に伴う物質流動、さらには短時間における急激で大
きな温度差による変化を繰り返すために、記録層だけで
なくその上下に存在する保護層、さらには反射放熱層ま
でに影響が及び、膜全体が局所的な膜厚変動を生じた
り、局所的にボイドが生じることで回数が制限されるこ
とが挙げられる。したがって本発明により、その場合、
記録層のみならず、保護層材料及び反射放熱層の熱物性
が改良される。熱伝導率を高くし、熱膨張係数を低減さ
せ、熱応力を抑制するか、あるいは熱応力を緩和させる
材料、構成が採用される。
【0012】そのため、本発明においては、保護層材料
と記録層材料とについて検討され、さらに、組成、構
造、作製方法についても詳細な検討がなされた。以下、
本発明の内容をさらに詳細に説明する。基板上に第1の
保護層、記録層、第2の保護層、反射放熱層、有機保護
層の順に積層した光記録媒体において、線速3.5m/
sec〜9.8m/secの高線速で、しかもDOW回
数が10万回を満たす相変化型光記録媒体を可能にする
ために、記録層材料であるAgaInbSbcTed
(ここでa、b、c、dは原子組成比(%)を表わす)
に第5の元素を添加し、かつ第1、第2の保護層を低熱
膨張係数、高熱伝導率の材料を屈折率2付近で2W/m
・K以上の材料と交互積層するか、微粒子状にして分散
させた構造にする。これによって、記録層で融点降下、
保存性向上、比熱低下、結晶化速度を損ねず、高線速、
高繰り返しDOW回数を向上できる。さらに、繰り返し
DOW回数を飛躍的に増加させるために、保護層を熱変
形しにくい材料、構造とし、これら記録層と保護層を組
み合わせることで上記本発明の目的を達成できる。
と記録層材料とについて検討され、さらに、組成、構
造、作製方法についても詳細な検討がなされた。以下、
本発明の内容をさらに詳細に説明する。基板上に第1の
保護層、記録層、第2の保護層、反射放熱層、有機保護
層の順に積層した光記録媒体において、線速3.5m/
sec〜9.8m/secの高線速で、しかもDOW回
数が10万回を満たす相変化型光記録媒体を可能にする
ために、記録層材料であるAgaInbSbcTed
(ここでa、b、c、dは原子組成比(%)を表わす)
に第5の元素を添加し、かつ第1、第2の保護層を低熱
膨張係数、高熱伝導率の材料を屈折率2付近で2W/m
・K以上の材料と交互積層するか、微粒子状にして分散
させた構造にする。これによって、記録層で融点降下、
保存性向上、比熱低下、結晶化速度を損ねず、高線速、
高繰り返しDOW回数を向上できる。さらに、繰り返し
DOW回数を飛躍的に増加させるために、保護層を熱変
形しにくい材料、構造とし、これら記録層と保護層を組
み合わせることで上記本発明の目的を達成できる。
【0013】まず保護層について説明する。第1、第2
の保護層としては、これまでZnS・SiOxをはじ
め、AlN、ZnO、ZnS、SiN、TaOx等、透
明かつ高融点で耐環境性、熱伝導率に優れた金属酸化
物、金属硫化物、金属窒化物あるいはこれらの混合物が
提案されている。このうち特に、ZnS:SiOx=8
0:20〜20:80の割合の混合物が優れており、繰
り返し、高温高湿化でも劣化しにくい。しかしながら、
本発明においては、今後さらに高い繰り返しDOW回数
が要求され、10万回以上が必要になろうとしている現
実を考慮した。すなわち、保護層、反射放熱層の膜厚を
変えることである程度改善できるが、パワーマージン等
他の特性まで考えると限界がある。
の保護層としては、これまでZnS・SiOxをはじ
め、AlN、ZnO、ZnS、SiN、TaOx等、透
明かつ高融点で耐環境性、熱伝導率に優れた金属酸化
物、金属硫化物、金属窒化物あるいはこれらの混合物が
提案されている。このうち特に、ZnS:SiOx=8
0:20〜20:80の割合の混合物が優れており、繰
り返し、高温高湿化でも劣化しにくい。しかしながら、
本発明においては、今後さらに高い繰り返しDOW回数
が要求され、10万回以上が必要になろうとしている現
実を考慮した。すなわち、保護層、反射放熱層の膜厚を
変えることである程度改善できるが、パワーマージン等
他の特性まで考えると限界がある。
【0014】そこで本発明においては、ZnS・SiO
xとさらに熱伝導率が高く、低熱膨張率、高融点材料と
してMgO、SiC、BeOを用いる。MgO、Si
C、BeOなどは特に高融点(2000℃以上)、高熱
伝導率(30W/m・K以上)で比熱も小さいので、Z
nS・SiOxとMgO、SiC、BeOのうち、いず
れか一つの材料を交互に積層することにより、DOW回
数を重ねるごとに起こる熱変形が起こりにくく、記録層
との剥離もなくなる。
xとさらに熱伝導率が高く、低熱膨張率、高融点材料と
してMgO、SiC、BeOを用いる。MgO、Si
C、BeOなどは特に高融点(2000℃以上)、高熱
伝導率(30W/m・K以上)で比熱も小さいので、Z
nS・SiOxとMgO、SiC、BeOのうち、いず
れか一つの材料を交互に積層することにより、DOW回
数を重ねるごとに起こる熱変形が起こりにくく、記録層
との剥離もなくなる。
【0015】交互積層方法はスパッタリングで作製する
場合、ターゲットを2つ使用し、同時に放電によりスパ
ッタを行なう。基板は自公転し、各ターゲット上を通過
するごとに交互に積層できる。ただし、膜厚によって
は、基板とターゲット間のシャッターを各ターゲットご
とに交互に開閉しながら積層する。ZnS・SiOxの
ZnSとSiOxのモル比は、85:15で、xが約2
付近のターゲットを用いる。一方、例えばMgOをもう
一つのターゲットとして選んだ場合、各層の膜厚比が
(ZnS・SiOx):(MgO)=1:1〜2:1に
する。特に、この交互積層膜は第2の保護層のみか、あ
るいは第1、第2の両保護層に用いる。この交互積層の
周期は2周期以上がよい。膜厚が30nmで2周期の場
合、各厚さが7.5nm/7.5nm〜10nm/5n
mになる。BeO、SiCの場合も同様である。ただ
し、SiCの場合は膜はSiCとSiの混合となってい
る。
場合、ターゲットを2つ使用し、同時に放電によりスパ
ッタを行なう。基板は自公転し、各ターゲット上を通過
するごとに交互に積層できる。ただし、膜厚によって
は、基板とターゲット間のシャッターを各ターゲットご
とに交互に開閉しながら積層する。ZnS・SiOxの
ZnSとSiOxのモル比は、85:15で、xが約2
付近のターゲットを用いる。一方、例えばMgOをもう
一つのターゲットとして選んだ場合、各層の膜厚比が
(ZnS・SiOx):(MgO)=1:1〜2:1に
する。特に、この交互積層膜は第2の保護層のみか、あ
るいは第1、第2の両保護層に用いる。この交互積層の
周期は2周期以上がよい。膜厚が30nmで2周期の場
合、各厚さが7.5nm/7.5nm〜10nm/5n
mになる。BeO、SiCの場合も同様である。ただ
し、SiCの場合は膜はSiCとSiの混合となってい
る。
【0016】本発明において、保護層の機械特性を高め
るもう一つの方法は、保護の熱物性では限界であり、変
形が避けられない場合に応力を吸収し緩和させることで
ある。その方法としては、保護層に上記で用いたZnS
・SiOx、SiOx、MgO、AlO、TaO等の酸
化物系、硫化物系、または窒化物系の材料に対して、高
融点で、これらの材料と固溶しない金属の微粒子を分散
させた金属微粒子分散誘電体層を作製する。特に、これ
に適した金属としてCr、Cu、半導体ではSiがよ
い。これらの元素をある大きさの微粒子として分散させ
るには、次に示す用法で行なう。スパッタリングにより
膜を作製する場合、保護層材と微粒子材の各ターゲット
を電極に取り付ける。基板は自公転させながら、2つの
ターゲットを同時にスパッタさせる。このとき微粒子材
の膜厚は、基板とターゲットの間に設けられたシャッタ
ーを作動させ、誘電体膜間に約2〜5nmの微粒子材の
薄膜をつける。こうして、記録層上下に保護層を設け、
さらに反射放熱層としてAl、AuあるいはAl−T
i、Al−Cr等の金属、合金膜を基板上に順次積層
し、最後に有機保護膜をつけ、媒体とする。
るもう一つの方法は、保護の熱物性では限界であり、変
形が避けられない場合に応力を吸収し緩和させることで
ある。その方法としては、保護層に上記で用いたZnS
・SiOx、SiOx、MgO、AlO、TaO等の酸
化物系、硫化物系、または窒化物系の材料に対して、高
融点で、これらの材料と固溶しない金属の微粒子を分散
させた金属微粒子分散誘電体層を作製する。特に、これ
に適した金属としてCr、Cu、半導体ではSiがよ
い。これらの元素をある大きさの微粒子として分散させ
るには、次に示す用法で行なう。スパッタリングにより
膜を作製する場合、保護層材と微粒子材の各ターゲット
を電極に取り付ける。基板は自公転させながら、2つの
ターゲットを同時にスパッタさせる。このとき微粒子材
の膜厚は、基板とターゲットの間に設けられたシャッタ
ーを作動させ、誘電体膜間に約2〜5nmの微粒子材の
薄膜をつける。こうして、記録層上下に保護層を設け、
さらに反射放熱層としてAl、AuあるいはAl−T
i、Al−Cr等の金属、合金膜を基板上に順次積層
し、最後に有機保護膜をつけ、媒体とする。
【0017】次に媒体を大口径レーザーにより初期化す
る。初期化により記録層を非晶質相から結晶相に相変化
せるわけであるが、このとき記録層周辺の温度は結晶化
温度またはそれ以上に上げる必要があるが、約620K
〜670K近くまで上昇する。この場合、先に積層した
金属または半導体超薄膜が、この熱により凝集し微粒子
を形成する。このとき、微粒子の径は温度が高く、高温
アニール時間が長いほど大きくなる傾向にある。膜が高
温になるのは初期化工程以外に記録過程がある。このと
きさらに温度が融点まであがり、約850K近くにな
る。
る。初期化により記録層を非晶質相から結晶相に相変化
せるわけであるが、このとき記録層周辺の温度は結晶化
温度またはそれ以上に上げる必要があるが、約620K
〜670K近くまで上昇する。この場合、先に積層した
金属または半導体超薄膜が、この熱により凝集し微粒子
を形成する。このとき、微粒子の径は温度が高く、高温
アニール時間が長いほど大きくなる傾向にある。膜が高
温になるのは初期化工程以外に記録過程がある。このと
きさらに温度が融点まであがり、約850K近くにな
る。
【0018】しかしながら、高温状態になるのは瞬時
(数10nsecオーダ)なのでより大きくなることは
ない。したがって、微粒子の粒径は高々膜厚の2〜3倍
程度である。この微粒子化させる材料はCu、Cr、S
i等が好ましく、これらはデバイ温度が高く比熱が小さ
い。熱による応力を微粒子により緩和させるには歪みエ
ネルギーを吸収する能力が高いほどよい。線速がより速
くなると記録・消去パワーを高くしていく必要がある
が、保護層は熱伝導が高すぎると繰り返し回数が増加し
てもパワーマージンが狭くなるなど、蓄熱は必要であ
る。したがって、応力緩和を図れる構造にすることが必
要となる。一方、反射放熱層はより高い放熱性を要求さ
れる。また、これら酸化物、炭化物あるいは微粒子構造
の保護膜材料において、第1、第2の保護層両方に必ず
用いる必要はなく、主に第2の保護層に用いる。
(数10nsecオーダ)なのでより大きくなることは
ない。したがって、微粒子の粒径は高々膜厚の2〜3倍
程度である。この微粒子化させる材料はCu、Cr、S
i等が好ましく、これらはデバイ温度が高く比熱が小さ
い。熱による応力を微粒子により緩和させるには歪みエ
ネルギーを吸収する能力が高いほどよい。線速がより速
くなると記録・消去パワーを高くしていく必要がある
が、保護層は熱伝導が高すぎると繰り返し回数が増加し
てもパワーマージンが狭くなるなど、蓄熱は必要であ
る。したがって、応力緩和を図れる構造にすることが必
要となる。一方、反射放熱層はより高い放熱性を要求さ
れる。また、これら酸化物、炭化物あるいは微粒子構造
の保護膜材料において、第1、第2の保護層両方に必ず
用いる必要はなく、主に第2の保護層に用いる。
【0019】本発明において、高線速、高DOW回数を
達成させるためには上記保護層だけではなく、記録材料
においてもさらなる特性の改善が望まれる。高線速の場
合、特に結晶化速度が速い方がよく、それには原子半径
が大きい元素で、しかもガラス転移点(Tg)と融点
(Tm)の比、Tg/Tmが小さい方がよい。しかし、
記録データの保存性を考えると結晶化速度が速すぎると
悪くなる。本発明に用いるAg、In、Sb、Teの4
元素からなる記録材料においては、Ag、Sb量が多い
と結晶化速度が速い。しかし、Sb量が多いと劣化が速
い。したがって、第5の元素を添加することにより他の
特性を犠牲にせず保存、結晶化速度を高くし、しかも繰
り返し特性を悪くする物資流動による局所的体積変化を
抑制させるため、比熱が小さく、粘性が高く、融点が低
いという要求を満たすためにはAuが適している。Au
は、Ag、Sbに比べ結晶化速度が速く、しかも保存性
がよい。特にAuを、Sb量を減らし、その減らした量
だけ添加するのが好ましい。さらに、Auは粘性が他の
4つの元素より高く、Ag、Sbよりデバイ温度が低い
ため、融点を降下できる。
達成させるためには上記保護層だけではなく、記録材料
においてもさらなる特性の改善が望まれる。高線速の場
合、特に結晶化速度が速い方がよく、それには原子半径
が大きい元素で、しかもガラス転移点(Tg)と融点
(Tm)の比、Tg/Tmが小さい方がよい。しかし、
記録データの保存性を考えると結晶化速度が速すぎると
悪くなる。本発明に用いるAg、In、Sb、Teの4
元素からなる記録材料においては、Ag、Sb量が多い
と結晶化速度が速い。しかし、Sb量が多いと劣化が速
い。したがって、第5の元素を添加することにより他の
特性を犠牲にせず保存、結晶化速度を高くし、しかも繰
り返し特性を悪くする物資流動による局所的体積変化を
抑制させるため、比熱が小さく、粘性が高く、融点が低
いという要求を満たすためにはAuが適している。Au
は、Ag、Sbに比べ結晶化速度が速く、しかも保存性
がよい。特にAuを、Sb量を減らし、その減らした量
だけ添加するのが好ましい。さらに、Auは粘性が他の
4つの元素より高く、Ag、Sbよりデバイ温度が低い
ため、融点を降下できる。
【0020】本発明においては以上のことから、Aga
InbSbcTed系記録材料(ここでa、b、c、d
はそれぞれ原子の組成比(%)を表わす)において、各
原子比が、1<a<5、7≦b≦20、35≦c<7
0、20≦d≦35、なる組成に対し、1≦Au<5、
を添加させ、a+b+c+d+e=100、となる関係
を満たす5元系材料とする。線速においては、DVD−
ROMにおける線速3.5m/secからより速い線速
に対応するため、基板上に上記保護層と記録層及び反射
放熱層、有機保護層からなる光記録媒体において、使用
可能な線速は2.4m/sec〜10m/secであ
る。
InbSbcTed系記録材料(ここでa、b、c、d
はそれぞれ原子の組成比(%)を表わす)において、各
原子比が、1<a<5、7≦b≦20、35≦c<7
0、20≦d≦35、なる組成に対し、1≦Au<5、
を添加させ、a+b+c+d+e=100、となる関係
を満たす5元系材料とする。線速においては、DVD−
ROMにおける線速3.5m/secからより速い線速
に対応するため、基板上に上記保護層と記録層及び反射
放熱層、有機保護層からなる光記録媒体において、使用
可能な線速は2.4m/sec〜10m/secであ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに具体的
に説明する。実施例1〜6 厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmのPC基
板上に以下の条件で保護層、記録層を作製した。ここで
は、まず第1の保護層はすべてZnS・SiO2とし
た。ZnS・SiOxは、Arガスを導入し、圧力5m
mHg・torr、RFパワー1kWで厚さ160nm
に作製した。次に記録層としてAg:In:Sb:Te
=3.6:10.5:59:26.9の原子比のターゲ
ットを用い、背圧9×10-7m・torrとし、Ar導
入ガス圧を3mmHg・torrとした。RFパワー3
00Wで厚さ18nmにした。次に第2の保護層とし
て、ZnS・SiOxとMgOあるいはZnS・SiO
xとSiCの積層膜を作製する。ZnS・SiOxは第
1の保護層と同様、ZnS:SiOx=85:15の比
とし、MgOあるいはSiCの各々について、各膜厚比
と周期数を表1のようになるようスパッタした。最後
に、Al−Ti合金膜をDCパワー1kW、Arガス圧
1mmHg・torrで130nmの厚さにし、紫外線
硬化膜を3μmの厚さにつけ媒体とした。その後、ホッ
トメルト接着剤で媒体を貼り合わせ1.2μm厚とし
た。初期化した後、この媒体の評価条件は、λ=635
nm、NA0.6の光源、記録パワーを7mW〜15m
W、消去パワーを3.5mW〜7.5mW、ボトムパワ
ーを1mWのPWM方法によりオーバーライトした。記
録変調方法は、EFM、RLL(2、10)で行ない、
マーク長0.6μmとした。記録パワーその他の条件が
最適となる条件において、DOW回数をウィンドウ幅で
割ったジッター値が14%以下をDOW回数とした。そ
の結果、最もよいもので9万回を達成することができ
た。
に説明する。実施例1〜6 厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmのPC基
板上に以下の条件で保護層、記録層を作製した。ここで
は、まず第1の保護層はすべてZnS・SiO2とし
た。ZnS・SiOxは、Arガスを導入し、圧力5m
mHg・torr、RFパワー1kWで厚さ160nm
に作製した。次に記録層としてAg:In:Sb:Te
=3.6:10.5:59:26.9の原子比のターゲ
ットを用い、背圧9×10-7m・torrとし、Ar導
入ガス圧を3mmHg・torrとした。RFパワー3
00Wで厚さ18nmにした。次に第2の保護層とし
て、ZnS・SiOxとMgOあるいはZnS・SiO
xとSiCの積層膜を作製する。ZnS・SiOxは第
1の保護層と同様、ZnS:SiOx=85:15の比
とし、MgOあるいはSiCの各々について、各膜厚比
と周期数を表1のようになるようスパッタした。最後
に、Al−Ti合金膜をDCパワー1kW、Arガス圧
1mmHg・torrで130nmの厚さにし、紫外線
硬化膜を3μmの厚さにつけ媒体とした。その後、ホッ
トメルト接着剤で媒体を貼り合わせ1.2μm厚とし
た。初期化した後、この媒体の評価条件は、λ=635
nm、NA0.6の光源、記録パワーを7mW〜15m
W、消去パワーを3.5mW〜7.5mW、ボトムパワ
ーを1mWのPWM方法によりオーバーライトした。記
録変調方法は、EFM、RLL(2、10)で行ない、
マーク長0.6μmとした。記録パワーその他の条件が
最適となる条件において、DOW回数をウィンドウ幅で
割ったジッター値が14%以下をDOW回数とした。そ
の結果、最もよいもので9万回を達成することができ
た。
【0022】実施例7〜12 厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmのPC基
板上に以下の条件で作製した。ここでは、まず第1の保
護層はすべてZnS・SiO2とした。ZnS・SiO
xは、Arガスを導入し、圧力5mmHg・torr、
RFパワー1kWで厚さ160nmに作製した。次に記
録層としてAg:In:Sb:Te=3.6:10.
5:59:26.9の原子比のターゲットを用い、背圧
9x10-7m・torrとし、Ar導入ガス圧を3m・
torrとした。RFパワー300Wで厚さ18nmに
した。次に第2の保護層として、ZnS・SiOxとC
u、CrあるいはSi微粒子分散を作製する。ZnS・
SiOxは第1の保護層と同様、ZnS:SiOx=8
5:15の比とし、Cu、Cr、Siの各々について、
ZnS:SiOxで挟むように、ZnS・SiOx/C
uの順に積層し、各膜厚を表1のようになるようスパッ
タした。Cr、Siの場合も同様に行なった。最後に、
Al−Ti合金膜をDCパワー1kW、Arガス圧1m
mHg・torrで130nmの厚さにし、紫外線硬化
膜を3μmの厚さにつけ媒体とした。
板上に以下の条件で作製した。ここでは、まず第1の保
護層はすべてZnS・SiO2とした。ZnS・SiO
xは、Arガスを導入し、圧力5mmHg・torr、
RFパワー1kWで厚さ160nmに作製した。次に記
録層としてAg:In:Sb:Te=3.6:10.
5:59:26.9の原子比のターゲットを用い、背圧
9x10-7m・torrとし、Ar導入ガス圧を3m・
torrとした。RFパワー300Wで厚さ18nmに
した。次に第2の保護層として、ZnS・SiOxとC
u、CrあるいはSi微粒子分散を作製する。ZnS・
SiOxは第1の保護層と同様、ZnS:SiOx=8
5:15の比とし、Cu、Cr、Siの各々について、
ZnS:SiOxで挟むように、ZnS・SiOx/C
uの順に積層し、各膜厚を表1のようになるようスパッ
タした。Cr、Siの場合も同様に行なった。最後に、
Al−Ti合金膜をDCパワー1kW、Arガス圧1m
mHg・torrで130nmの厚さにし、紫外線硬化
膜を3μmの厚さにつけ媒体とした。
【0023】その後、ホットメルト接着剤で媒体を貼り
合わせ1.2μm厚とした。次に950mW、線速3.
5m/sec、送り速度30μm/rの条件で初期化を
行なった。さらに必要に応じて初期化回数を増加した。
この時、表2のような粒径の微粒子が分散していた。こ
の媒体の評価条件は、λ=635nm、NA0.6の光
源、記録パワーを7mW〜15mW、消去パワーを3.
5mW〜7.5mW、ボトムパワーを1mWのPWM方
法によりオーバーライトした。記録変調方法は、EF
M、RLL(2、10)で行ない、マーク長0.6μm
とした。記録パワーその他の条件が最適となる条件にお
いてDOW回数を評価し、ウィンドウ幅で割ったジッタ
ー値が14%以下となる値での回数を繰り返し回数とし
た。その結果、最もよいもので10万回を越えることが
できた。
合わせ1.2μm厚とした。次に950mW、線速3.
5m/sec、送り速度30μm/rの条件で初期化を
行なった。さらに必要に応じて初期化回数を増加した。
この時、表2のような粒径の微粒子が分散していた。こ
の媒体の評価条件は、λ=635nm、NA0.6の光
源、記録パワーを7mW〜15mW、消去パワーを3.
5mW〜7.5mW、ボトムパワーを1mWのPWM方
法によりオーバーライトした。記録変調方法は、EF
M、RLL(2、10)で行ない、マーク長0.6μm
とした。記録パワーその他の条件が最適となる条件にお
いてDOW回数を評価し、ウィンドウ幅で割ったジッタ
ー値が14%以下となる値での回数を繰り返し回数とし
た。その結果、最もよいもので10万回を越えることが
できた。
【0024】実施例13〜18 厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmのPC基
板上に、以下の条件で作製した。ここでは、まず第1の
保護層はすべてZnS・SiO2とした。ZnS・Si
Oxは、Arガスを導入し、圧力5mmHg・tor
r、RFパワー1kWで厚さ160nmに作製した。次
に記録層としてAg、In、Sb、TeにAuを添加し
たターゲットを用い、背圧9×10-7torrとし、A
r導入ガス圧を3mmHg・torrとした。RFパワ
ー300Wで厚さ18nmにした。ここで、Auの組成
を表3のような原子比にした。次に第2の保護層とし
て、ZnS・SiOxあるいは実施例2のZnS・Si
Ox/MgO、ZnS・SiOx/SiCを23nmつ
けた。最後に、Al−Ti合金膜をDCパワー1kW、
Arガス圧1mmHg・torrで130nmの厚さに
し、紫外線硬化膜を3μmの厚さにつけ媒体とした。
板上に、以下の条件で作製した。ここでは、まず第1の
保護層はすべてZnS・SiO2とした。ZnS・Si
Oxは、Arガスを導入し、圧力5mmHg・tor
r、RFパワー1kWで厚さ160nmに作製した。次
に記録層としてAg、In、Sb、TeにAuを添加し
たターゲットを用い、背圧9×10-7torrとし、A
r導入ガス圧を3mmHg・torrとした。RFパワ
ー300Wで厚さ18nmにした。ここで、Auの組成
を表3のような原子比にした。次に第2の保護層とし
て、ZnS・SiOxあるいは実施例2のZnS・Si
Ox/MgO、ZnS・SiOx/SiCを23nmつ
けた。最後に、Al−Ti合金膜をDCパワー1kW、
Arガス圧1mmHg・torrで130nmの厚さに
し、紫外線硬化膜を3μmの厚さにつけ媒体とした。
【0025】その後、ホットメルト接着剤で媒体を貼り
合わせ1.2μm厚とした。初期化した後、この媒体の
評価条件は、λ=635nm、NA0.6の光源、記録
パワーを7mW〜15mW、消去パワーを3.5mW〜
7.5mW、ボトムパワーを1mWのPWM方法により
オーバーライトした。記録変調方法は、EFM、RLL
(2、10)で行ない、マーク長0.6μmとした。記
録パワーその他の条件が最適となる条件においてDOW
回数を評価し、ウィンドウ幅で割ったジッター値が14
%以下をDOW回数とした。線速は7m/secであっ
た。その結果、DOW回数が10万回を越え、しかも保
存が80℃、85%RHにおいて、2000時間を越え
る。比較例のように、これまで窒素を入れることにより
保存を改善したが、今回Auを添加することにより、保
存および繰り返しともに改善できた。
合わせ1.2μm厚とした。初期化した後、この媒体の
評価条件は、λ=635nm、NA0.6の光源、記録
パワーを7mW〜15mW、消去パワーを3.5mW〜
7.5mW、ボトムパワーを1mWのPWM方法により
オーバーライトした。記録変調方法は、EFM、RLL
(2、10)で行ない、マーク長0.6μmとした。記
録パワーその他の条件が最適となる条件においてDOW
回数を評価し、ウィンドウ幅で割ったジッター値が14
%以下をDOW回数とした。線速は7m/secであっ
た。その結果、DOW回数が10万回を越え、しかも保
存が80℃、85%RHにおいて、2000時間を越え
る。比較例のように、これまで窒素を入れることにより
保存を改善したが、今回Auを添加することにより、保
存および繰り返しともに改善できた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明により、保護層材料及び反射放熱層の
熱物性を改良するために熱伝導率を高くし、熱膨張係数
を低減させ、熱応力を抑制するか、あるいは熱応力を緩
和させる材料、構成を上記のように選定することによ
り、高線速、DOW回数が向上でき、さらに、記録層に
ついては、記録材料のAg,In,Sb,Teの各原子
組成比を上記のようにすること以外に、必要に応じて第
5の元素Auを添加することにより相変化型光記録媒体
の記録層材料の上記特性を満足するようにすることによ
り、高密度なリライタブルDVD用光記録媒体が提供さ
れるという極めて優れた効果が発揮される。
なように、本発明により、保護層材料及び反射放熱層の
熱物性を改良するために熱伝導率を高くし、熱膨張係数
を低減させ、熱応力を抑制するか、あるいは熱応力を緩
和させる材料、構成を上記のように選定することによ
り、高線速、DOW回数が向上でき、さらに、記録層に
ついては、記録材料のAg,In,Sb,Teの各原子
組成比を上記のようにすること以外に、必要に応じて第
5の元素Auを添加することにより相変化型光記録媒体
の記録層材料の上記特性を満足するようにすることによ
り、高密度なリライタブルDVD用光記録媒体が提供さ
れるという極めて優れた効果が発揮される。
Claims (7)
- 【請求項1】 基板と基板上に第1の保護層、記録層、
第2の保護層、反射放熱層、有機保護層の順に積層され
た光記録媒体において、第1、第2の保護層がZnS・
SiOxの層と高融点、高熱伝導率、低線膨張率をもつ
高機械特性材料であるSiC、MgOのいずれか一つの
層との交互積層からなることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 前記第1、第2の保護層の各層の膜厚比
が、ZnS・SiOx層:高機械特性層=1:1〜3:
1であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
体。 - 【請求項3】 前記第2の誘電体保護層が、誘電体層に
Cu、Cr、Si微粒子を分散させたものであることを
特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項4】 前記微粒子の粒子サイズが3nm以上1
0nm未満であることを特徴とする請求項3に記載の光
記録媒体。 - 【請求項5】 前記微粒子が、誘電体層と金属層を交互
積層し、初期化時及び記録時の熱により金属を凝集さ
せ、微粒子化させた金属微粒子であることを特徴とする
請求項3又は請求項4のいずれかに記載の光記録媒体。 - 【請求項6】 前記記録層がAg、In、Sb、Te、
Auからなり、該Ag、In、Sb、Te、Auそれぞ
れの組成比a、b、c、d、e(原子%)が、1<a<
5、7≦b≦20、35≦c<70、20≦d≦35、
1≦e<5、a+b+c+d+e=100、であること
を特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項7】 記録再生時の線速が2.4m/sec〜
10m/secであることを特徴とする、請求項1乃至
請求項6のうちのいずれかに記載の光記録媒体を用いる
光記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9261113A JPH1186341A (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9261113A JPH1186341A (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 光記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1186341A true JPH1186341A (ja) | 1999-03-30 |
Family
ID=17357278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9261113A Pending JPH1186341A (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1186341A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100444711B1 (ko) * | 2000-11-15 | 2004-08-16 | 샤프 가부시키가이샤 | 광정보 기록 매체 |
US6846611B2 (en) * | 2001-02-28 | 2005-01-25 | Ricoh Company, Ltd. | Phase-change optical recording medium |
US7440380B2 (en) | 2000-03-03 | 2008-10-21 | Ricoh Company, Ltd. | Optical information recording medium and recording apparatus |
-
1997
- 1997-09-10 JP JP9261113A patent/JPH1186341A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7440380B2 (en) | 2000-03-03 | 2008-10-21 | Ricoh Company, Ltd. | Optical information recording medium and recording apparatus |
US7539098B2 (en) | 2000-03-03 | 2009-05-26 | Ricoh Company, Ltd. | Optical information recording medium and recording apparatus |
KR100444711B1 (ko) * | 2000-11-15 | 2004-08-16 | 샤프 가부시키가이샤 | 광정보 기록 매체 |
US6846611B2 (en) * | 2001-02-28 | 2005-01-25 | Ricoh Company, Ltd. | Phase-change optical recording medium |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050310 |