JP2002133718A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2002133718A
JP2002133718A JP2000331568A JP2000331568A JP2002133718A JP 2002133718 A JP2002133718 A JP 2002133718A JP 2000331568 A JP2000331568 A JP 2000331568A JP 2000331568 A JP2000331568 A JP 2000331568A JP 2002133718 A JP2002133718 A JP 2002133718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording medium
protective layer
optical recording
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000331568A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
Masato Harigai
眞人 針谷
Kazunori Ito
和典 伊藤
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Takashi Shibakuchi
孝 芝口
Eiko Suzuki
栄子 鈴木
Hiroko Tashiro
浩子 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000331568A priority Critical patent/JP2002133718A/ja
Publication of JP2002133718A publication Critical patent/JP2002133718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度かつ高速記録において、初回記録時の
媒体特性を保ち、繰り返し記録した後も十分な特性を確
保することができる優れた相変化型記録媒体の提供。 【解決手段】 (1)基板上に少なくとも非晶質相と結
晶相との間で可逆的相変化をする記録層を有し、該記録
層上に上部保護層を有する光記録媒体であって、該上部
保護層が、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Nbから選
ばれた2種以上の元素を含む窒化物、および/または、
In、Al、Si、Ta、Ti、Sn、Mg、Znから
選ばれた2種以上の元素を含む酸化物からなることを特
徴とする光記録媒体。 (2) さらに緩衝層を有し、該緩衝層が、Al、S
i、Ta、Ti、Zr、Nbから選ばれる2種以上の元
素を含む窒化物、および/または、In、Al、Si、
Ta、Ti、Sn、Mg、Zn、Zr、Ni、Yから選
ばれる2種以上の元素を含む酸化物からなることを特徴
とする(1)記載の光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度かつ高速記
録が可能な相変化型光記録媒体、更には書き換え可能な
相変化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非晶質相、結晶相間の可逆的相変化を利
用した相変化型記録媒体は、書き換え可能な光記録媒体
として、主にファイルのバックアップなどに用いられて
いる。近年、画像情報が益々大容量になり、しかも高速
に情報を処理するための情報関連機器の発達により、光
記録媒体においても大容量の情報を高速に記録再生する
ことが要求されている。従来の相変化型光記録媒体は、
透明基板上に誘電体からなる下部保護層、記録層、上部
保護層、反射層の順に積層し、さらにこの上に紫外線硬
化型樹脂などの有機保護層を耐環境層として設けてい
る。保護層材料としてはZnSとSiOの混合物が主
流であって、ZnS:SiO=50:50〜90:1
0(モル%)程度であり、80:20付近のものがよく
用いられている。また膜厚は、記録層の耐環境保護性を
保ち、製膜時の熱応力緩和による基板からの剥離をなく
すため、25〜250nmの範囲とされる。反射層材料
は、反射率が高く熱伝導率も高いAg、Au、Al等が
用いられている。さらに記録層には、Ag−In−Sb
−Te系合金が高密度記録に最適な材料として用いられ
ている。
【0003】これまで、これらの材料および構成におい
て、レーザー光波長の短波長化や高開口数(NA)のレ
ンズの使用により高密度記録が可能になっているが、よ
り高密度かつ高速な記録再生への対応、および書き換え
可能な媒体に要求される繰り返し記録特性については未
だ十分でない。また、記録層に用いるAg−In−Sb
−Te系合金の組成の最適化、あるいは他の元素の添加
や膜厚の最適化などにより媒体特性が改良を行なわれて
きたが、これだけでは限界がある。記録層以外に保護層
についても考慮し、従来の構成において記録層と保護層
の間に層を増やし特性を改善、向上させる方法も知られ
ており、例えば、特開平11−115315号公報に
は、Ge、Sb、Te系合金からなる記録層の上下にG
eN窒化物層を設けることにより、高い繰り返し回数で
記録した場合の特性の劣化を従来に比べて低く抑えられ
ることが開示されているが、Ge、Sb、Te系合金以
外の相変化記録材料については十分検討されていない。
また、これまで保護層として使用されてきたZnSとS
iOの混合物では耐環境性に問題があって、特性の向
上に有効なAgあるいはAg合金を反射放熱層に用いる
ことができないため、他の保護層材料を開発する必要が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度かつ
高速記録において、初回記録時の媒体特性を保ち、繰り
返し記録した後も十分な特性を確保することができる優
れた相変化型記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次の1)〜
12)の発明によって解決される。 1) 少なくとも基板上に非晶質相と結晶相との間で可
逆的相変化をする記録層を有し、該記録層上に上部保護
層を有する光記録媒体であって、該上部保護層が、A
l、Si、Ta、Ti、Zr、Nbから選ばれた2種以
上の元素を含む窒化物、および/または、In、Al、
Si、Ta、Ti、Sn、Mg、Znから選ばれた2種
以上の元素を含む酸化物からなることを特徴とする光記
録媒体。 2) 上部保護層が、必ずSiOを含有し、その含有
量が該保護層材料全体の50モル%未満(ただし、零で
はない)であることを特徴とする1)記載の光記録媒
体。 3) 上部保護層の膜厚が、5〜25nmであることを
特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。 4) 更に緩衝層を有し、該緩衝層が、Al、Si、T
a、Ti、Zr、Nbから選ばれる2種以上の元素を含
む窒化物、および/または、In、Al、Si、Ta、
Ti、Sn、Mg、Zn、Zr、Ni、Yから選ばれる
2種以上の元素を含む酸化物からなることを特徴とする
1)〜3)のいずれかに記載の光記録媒体。 5) 緩衝層の膜厚が、3〜15nmであることを特徴
とする1)〜4)のいずれかに記載の光記録媒体。 6) 緩衝層が、記録層と上部保護層との間に設けられ
ていることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の
光記録媒体。 7) 緩衝層が、さらに記録層と下部保護層との間にも
設けられていることを特徴とする6)記載の光記録媒
体。 8) 上部保護層が緩衝層を兼ねることを特徴とする
1)〜3)のいずれかに記載の光記録媒体。 9) 保護層と緩衝層の膜厚の合計が10〜25nmで
あることを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載の光
記録媒体。 10) 記録層が、結晶状態においてNaCl型結晶構
造を有し、組成式がAgαInβSbγTeδ(ただ
し、α、β、γ、δは原子%であり、0<α<10、0
<β<20、50<γ<75、15<δ<35である)
で表される材料からなることを特徴とする1)〜9)の
いずれかに記載の光記録媒体。 11) 透明基板上に下部保護層、相変化記録層、上部
保護層、反射層がこの順に積層された光記録媒体であっ
て、反射層がAg合金からなることを特徴とする1)〜
10)のいずれかに記載の光記録媒体。 12) 1)〜11)のいずれかに記載の光記録媒体に
対して、記録線速度15m/s以下で記録することを特
徴とする光記録媒体の記録方法。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。本発明
は、Ag、In、Sb、Teを主な構成元素とする記録
層材料を用いた相変化型光記録媒体について、高密度か
つ高速記録において繰り返し記録した後も十分な特性を
確保するため、これまで十分検討されていなかった保護
層、緩衝層および記録層の材料組成などを検討したもの
である。通常の相変化型光記録媒体は、ポリカーボネー
ト製でスパイラル状のトラックがトラックピッチ0.8
μm以下で形成された基板を用い、その上に、下部保護
層、記録層、上部保護層、反射層を順に積層して作製す
る。反射層にはAl、Ag、Au、またはそれらの合金
が好ましく用いられる。中でも保護層よりも熱伝導率が
高い上に、他のものよりも熱伝導率の高いAu、Agが
好ましいが、Auは高価であり生産コストが高くなって
しまうので、Al、Agまたはそれらの合金を用いるこ
とが多い。
【0007】記録層には、組成式がAgαInβSbγ
Teδ(ただし、α、β、γ、δは原子%であり、0<
α<10、0<β<20、50<γ<75、15<δ<
35である)で表される相変化記録材料を用いる。この
材料は、結晶状態においてNaCl型の面心立方格子を
形成する。しかし、TeとAg、In、Sbとは異なる
サイトを占有しており、Teサイトには空孔が存在して
いるため、格子に存在するNaとClの位置に相当する
サイトの原子比がNaCl型のように50:50ではな
く、70:30に近い割合になっている。共晶組成付近
のものが、繰り返し記録特性に優れ、更に、これら元素
の濃度比により結晶化速度をコントロールできるので好
ましい。特にAg、In元素を含有するものは、記録時
の結晶相から非晶質相への相変化、消去時の非晶質相か
ら結晶相への相変化がいずれも高速に制御できる。従っ
て、記録時には微小マークの形成が容易であるため高密
度化が可能となり、オーバーライト時の消去において
は、消し残りがなく消去特性に優れる。また、Ag、I
nの組成比は記録線速に応じて定めることができる。こ
のように、上記Ag、In、Sb、Te系合金からなる
相変化記録材料は、高密度かつ高速記録に適し、しかも
繰り返しオーバーライト特性が優れている。高い線速に
対応するために、In、Sb組成量を増やす。特にSb
は、線速3.5m/s以上で記録する場合、50〜75
at%にするのが好ましい。これよりも多いと高温環境
下において記録データが消えてしまう。少なすぎると速
い線速に対応できなくなる。また、Sb組成量を増やし
すぎず、速い線速に対応するためにInを添加する。し
かし、多すぎると再生時の信号劣化、繰り返し記録特性
の劣化になる。従って、0〜10at%程度の添加が良
いが、好ましくは3〜7at%が良い。Teは、多く添
加すると速い線速に対応できなくなるが少なすぎると非
晶質相が形成されにくくなる。15〜35at%が良い
が、好ましくは18〜25at%がよい。Ag量は、多
すぎると速い線速に対応できなくなるため、10at%
未満、好ましくは5at%が良い。
【0008】高線速記録の場合、線速度が半径位置に依
存しないCLV方式と、内周から外周へ向け連続的に変
わるCAV方式があるが、本発明は両方の方式に対応で
きる。さらにデータ保存の耐環境性を向上させるために
他の元素を添加しても良い。記録層の膜厚は、10〜2
5nmが好ましい。繰り返し記録特性については、記録
層組成を最適化することにより一層高い線速、例えば1
0m/sを越える線速に対しても優れた特性を示すよう
にすることができるが、繰り返し記録回数が高くなるに
つれて記録膜の劣化が顕著になる。特に、高線速かつ高
密度になると非晶質相、結晶相間の相変化を高速に行う
ため、記録膜、保護膜への熱衝撃が大きい。また、高速
な液相、固相変化に伴う密度変化により保護層と記録層
の界面において膜の剥離が発生し易く、記録領域におい
ては温度勾配による局所的な組成変化が起こり易い。そ
のため繰り返し記録回数が増加するにつれ、ジッターの
増加等がより顕著となる。
【0009】このような問題に対処するため、記録材料
や組成比の選択だけでなく、保護層および/または緩衝
層による特性の改善についても検討した。従来AlN、
SiNなどの単元素の窒化物を上部保護層、下部保護層
に用いることは考えられていたが、これらの材料はZn
S・SiOよりも熱伝導率が高くて放熱性が良いなど
の利点があるものの、熱伝導率が高すぎることによる感
度低下あるいは密着性が良くないこと、熱応力が大きい
こと等の理由で、保護層をこれらの材料に置き換えるま
でには至っていなかった。保護層および/または緩衝層
に要求される条件としては、熱伝導率がZnS・SiO
に比べて高いこと、熱履歴による構造変化が少ないこ
と、記録層との密着性が良いこと、記録層材料と反応し
にくい材料であること、熱応力による変形が少ないこと
などが挙げられる。また消去時に記録層の結晶化が容易
に起こることも必要である。
【0010】そこで、このような条件を満足する保護層
および/または緩衝層材料を探索した結果、保護層材料
としては、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Nbから選
ばれる2種以上の元素を含む窒化物、あるいは、In、
Al、Si、Ta、Ti、Sn、Mg、Znから選ばれ
る2種以上の元素を含む酸化物が好ましく、緩衝層材料
としては、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Nb、Hf
から選ばれる2種以上の元素を含む窒化物、あるいは、
In、Al、Si、Ta、Ti、Sn、Mg、Zn、N
i、Zr、Yから選ばれる2種以上の元素を含む酸化物
が好ましいことが分かった。
【0011】このような窒化物の具体例としては、Al
−Si−N、Al−Ti−N、Al−Ta−N、Al−
Si−Ta−N、Zr−Al−N,Al−Si−Ti−
N、Si−Ta−Nなどが挙げられ、酸化物の具体例と
しては、Al−Si−O、Al−In−O、Al−Zn
−O、Si−Ta−O、Si−Ti−O、In−Mg−
O、In−Al−Sn−O、Al−Si−Ta−Oなど
が挙げられる。これら多元の窒化物、酸化物を保護層
(特に上部保護層)および/または緩衝層の材料として
用いると、熱伝導率が比較的高い材料である上に、密着
性の向上効果、熱応力の減少効果を奏するため、繰り返
し記録回数の増加に伴い起ってくる記録層の体積変化、
上部保護層と記録層の剥離、元素の相互拡散などによる
特性の劣化を抑制することができる。
【0012】また、上記のうちの酸化物を用いる場合に
は、量産に際して次のような成膜上の利点がある。即
ち、Si−Al−O膜を作製する場合、通常はSi−A
lターゲットを用い、高周波(RF)スパッタにより酸
素ガスを導入しながら該酸化物薄膜を作製するが、Al
を添加していることにより直流スパッタが可能となり成
膜速度を速くすることができる。さらに、上記窒化物と
酸化物は混合物として用いても良く、その例としては、
AlN・SiO、TaN・SiO、TaN・Al
、TaN・Al ・SiO等が挙げられる。
【0013】上記窒化物および/または酸化物からなる
材料は、屈折率1.5〜2.2で、吸収係数が小さく透
明であるものが好ましい。また、これらの材料は上部保
護層にも下部保護層にも用いることができるが、上部保
護層に用いるときの膜厚は5〜25nmが好ましい。上
部保護層の膜厚が厚すぎると、即ち25nmを越える
と、記録膜の温度は上がるが放熱が悪くなるため非晶質
相が形成され難くなり、繰り返し記録特性などが悪くな
るので好ましくない。また、5nmよりも薄くなると記
録膜の温度が上がり難くなるため、非晶質相、結晶相ど
ちらも形成され難くなるので好ましくない。さらに上部
保護層のうち、特にSiOを含むものは、SiO
その物性として比較的熱伝導率が低く内部応力及び熱応
力が小さいという性質を有するので上部保護層として好
適である。TaN、AlNなどの単体では応力が大きい
ためSiOを添加するが、多すぎると、これら単体の
性質が損なわれるし、少な過ぎても添加の効果がない。
従って、SiOの含有量は、保護層材料全体の50モ
ル%未満(ただし、零ではない)とし、好ましくは10
〜30モル%である。
【0014】上部保護層材料として上記のものを用いる
ことにより、ZnS・SiOからなる保護層に対して
は用いることができないAg合金を反射層として使用で
きるようになるので、実用上極めて有用である。ただ
し、Ag合金はAg以外の添加元素の量があまり多い
と、Agの高熱伝導率が低くなってしまうし、少なすぎ
ると耐環境性が悪くなるので、添加元素の量としては5
wt%程度とする。また、添加元素としてはPd、C
u、Ni、Ti等が挙げられる。
【0015】緩衝層は、保護層と記録層の間の熱衝撃を
緩和し、記録層の体積変化を抑制しさらに元素の相互拡
散を防ぐために記録層(特に膜厚の薄い記録層)と上部
保護層との間に設けるとよい。さらに必要に応じて記録
層と下部保護層との間にも設けることができる。また、
上部保護層あるいは下部保護層を緩衝層兼用とすること
もできる。緩衝層の膜厚は、上記の機能からみて保護層
よりも厚くする必要はないが、あまり薄いと膜が均一に
形成されず島状になってしまって効果がなくなるので3
〜15nm程度にすることが好ましい。また、上部保護
層と緩衝層を両方設ける場合の総膜厚は10〜25nm
とする。周辺環境に対する保護効果と蓄熱効果を考慮す
るとこの範囲が好ましい。
【0016】以上説明した本発明の相変化型書き換え可
能光記録媒体は、波長が400〜800nmの範囲で記
録再生が可能であり、大容量光ファイルあるいはデジタ
ルビデオディスクなどとして用いることができる。記録
の仕方は、基板の溝部のみに記録する場合と、溝部及び
溝間のトラックの双方に記録する場合とがある。更に記
録密度を上げるためには対物レンズの開口数を0.6以
上にすればよく、密度および容量を上げるために基板の
トラックピッチを狭くする方法もある。ピッチは0.8
μm以下とすることが好ましく、溝の深さは15〜60
nmが好ましい。15nm未満になると安定なトラッキ
ングができなくなるので好ましくない。記録は、複数の
レーザーパルスを発生させ、幅を変調させて照射し、急
冷、除冷を制御して行う。記録マークは非晶質相、マー
ク間は結晶相とする。レーザーパワーは、記録、消去、
再生及びマーク形成に必要な再生パワー以下あるいは再
生パワーと同じ程度のパワーに設定し、記録周波数は1
5MHz以上とする。記録再生線速度は、CLVあるい
はCAVで最大15m/sとする。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0018】実施例1〜33、比較例1〜2 溝ピッチ0.75μm、溝幅0.3μm、溝深さ35n
m、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板を用い、
この上にスパッタリング方式により各層を積層した。下
部保護層には、ZnS:SiO=80:20(モル
%)を使用し、膜厚を75nmとした。記録層には、A
g:In:Sb:Te=1:5:68:26(原子%)
および1:7:66:26(原子%)を使用し、いずれ
も膜厚20nmとした。上部保護層には、表1〜3の実
施例および比較例に示した材料を使用し、反射層にはA
l合金を用いて厚さ120nmとした。表3の各実施例
の上部保護層は、SiOを含む3種類の材料の組成比
を変化させた場合であり、成分比を表わす数値は重量%
である。金属と酸化物の混合物ターゲットを用いて窒素
ガスを導入し、酸化物と窒化物の混合物としたり、金属
と窒化物の混合ターゲットを用い、酸素導入しながら酸
化物と窒化物の混合物とした。膜厚は5nmとした。反
射層上に紫外線硬化樹脂を塗布し、膜のない基板を貼合
わせて厚さ1.2mmの光記録媒体とした。LD(レー
ザーダイオード)を用い所定の条件で初期化した。記録
再生は波長655nm、対物レンズの開口数が0.6の
ピックアップヘッドを用いて、CLV方式により線速度
7m/s、記録周波数52.5MHz、PWMにより記
録を行った。記録データの変調方式は(8,16)変調
により最適パワーで記録し、反射率およびジッターを測
定した。表1〜3に、1回記録に対する繰り返し記録1
万回後の反射率変化率(初期比A)およびジッター変化
率(初期比B)を示した。比較例1、2は従来の構成の
場合である。表1〜3から、実施例の光記録媒体が比較
例のものに比べて、反射率変化率およびジッター変化率
共に優れていることが分かる。また、70℃、85%R
H、500時間の環境試験後の反射率変化率およびジッ
ター変化率を調べたところ、本実施例はこれら全てにお
いて変化が見られず良好であった。表4には、反射層と
してAl合金ではなくAg合金を用いた実施例を示す。
表4中の各実施例の上部保護層は、3種類の材料を混合
したものであり、成分比を表わす数値は重量%である。
反射層の膜厚はAl合金の場合と同じ120nmであ
る。記録線速度8.5m/s、記録周波数63.5MH
zで記録し、70℃、85%RH、500時間の環境試
験後の反射率変化率およびジッター変化率を調べたとこ
ろ、これら全てにおいて変化が見られず良好であった。
【0019】実施例34〜60、比較例3〜4 緩衝層を、表5、6に示した材料を用いて記録層の上に
設け、その上に、ZnS:SiO=80:20(モル
%)からなる膜厚15nmの上部保護層を設けた点を除
き、実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、反射率
変化率(初期比A)およびジッター変化率(初期比B)
を測定した。結果を表5、6に示す。比較例3、4は、
ZnS:SiOのみを用いた従来の構成の場合であ
る。表5、6から、実施例の光記録媒体が比較例のもの
に比べて、反射率変化率およびジッター変化率共に優れ
ていることが分かる。また、実施例1と同様に、70
℃、85%RH、500時間の環境試験後の反射率変化
およびジッターを調べたところ、これら全てにおいて変
化が見られず良好であった。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、高密度かつ高線速度で
記録が可能であり、しかも繰り返し記録しても特性が劣
化せず、耐環境性にも優れた信頼性の高い相変化型光記
録媒体を提供できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538E 7/0045 7/0045 Z (72)発明者 伊藤 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小名木 伸晃 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 芝口 孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 栄子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田代 浩子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5D029 JA01 LA14 LA16 LB07 MA13 5D090 AA01 BB05 CC01 HH03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板上に非晶質相と結晶相と
    の間で可逆的相変化をする記録層を有し、該記録層上に
    上部保護層を有する光記録媒体であって、該上部保護層
    が、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Nbから選ばれた
    2種以上の元素を含む窒化物、および/または、In、
    Al、Si、Ta、Ti、Sn、Mg、Znから選ばれ
    た2種以上の元素を含む酸化物からなることを特徴とす
    る光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上部保護層が、必ずSiOを含有し、
    その含有量が該保護層材料全体の50モル%未満(ただ
    し、零ではない)であることを特徴とする請求項1記載
    の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 上部保護層の膜厚が、5〜25nmであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 さらに緩衝層を有し、該緩衝層が、A
    l、Si、Ta、Ti、Zr、Nbから選ばれる2種以
    上の元素を含む窒化物、および/または、In、Al、
    Si、Ta、Ti、Sn、Mg、Zn、Zr、Ni、Y
    から選ばれる2種以上の元素を含む酸化物からなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 緩衝層の膜厚が、3〜15nmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録
    媒体。
  6. 【請求項6】 緩衝層が、記録層と上部保護層との間に
    設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 緩衝層が、さらに記録層と下部保護層と
    の間にも設けられていることを特徴とする請求項6記載
    の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 上部保護層が緩衝層を兼ねることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 保護層と緩衝層の膜厚の合計が10〜2
    5nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 記録層が、結晶状態においてNaCl
    型結晶構造を有し、組成式が、AgαInβSbγTe
    δ(ただし、α、β、γ、δは原子%であり、0<α<
    10、0<β<20、50<γ<75、15<δ<35
    である)で表される材料からなることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 透明基板上に下部保護層、相変化記録
    層、上部保護層、反射層がこの順に積層された光記録媒
    体であって、反射層がAg合金からなることを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    記録媒体に対して、記録線速度15m/s(秒)以下で
    記録することを特徴とする光記録媒体の記録方法。
JP2000331568A 2000-10-30 2000-10-30 光記録媒体 Pending JP2002133718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000331568A JP2002133718A (ja) 2000-10-30 2000-10-30 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000331568A JP2002133718A (ja) 2000-10-30 2000-10-30 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002133718A true JP2002133718A (ja) 2002-05-10

Family

ID=18807895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000331568A Pending JP2002133718A (ja) 2000-10-30 2000-10-30 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002133718A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004022812A1 (ja) * 2002-09-09 2004-03-18 Nikko Materials Co., Ltd. スパッタリングターゲット及び光記録媒体
WO2004022813A1 (ja) * 2002-09-09 2004-03-18 Nikko Materials Co., Ltd. スパッタリングターゲット及び光記録媒体
US7169533B2 (en) 2001-03-19 2007-01-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, method for manufacturing the same and recording/reproduction method
US7439007B2 (en) * 2002-12-20 2008-10-21 Ricoh Company, Ltd. Phase change information recording medium having multiple layers and recording and playback method for the medium
JP2013144821A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Mitsubishi Materials Corp 酸化物スパッタリングターゲット及び光記録媒体用保護膜

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7169533B2 (en) 2001-03-19 2007-01-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, method for manufacturing the same and recording/reproduction method
WO2004022812A1 (ja) * 2002-09-09 2004-03-18 Nikko Materials Co., Ltd. スパッタリングターゲット及び光記録媒体
WO2004022813A1 (ja) * 2002-09-09 2004-03-18 Nikko Materials Co., Ltd. スパッタリングターゲット及び光記録媒体
CN100439557C (zh) * 2002-09-09 2008-12-03 日矿金属株式会社 溅射靶及光记录介质
CN100445418C (zh) * 2002-09-09 2008-12-24 日矿金属株式会社 溅射靶及光记录介质
US7439007B2 (en) * 2002-12-20 2008-10-21 Ricoh Company, Ltd. Phase change information recording medium having multiple layers and recording and playback method for the medium
JP2013144821A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Mitsubishi Materials Corp 酸化物スパッタリングターゲット及び光記録媒体用保護膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003034081A (ja) 相変化型光情報記録媒体
WO1999030908A1 (fr) Element d'enregistrement inscriptible une fois de donnees optiques
JP2002133718A (ja) 光記録媒体
JP2002509633A (ja) リライタブル光情報媒体
JP2003211849A (ja) 光記録媒体
JP3651824B2 (ja) 光記録媒体
JP4104128B2 (ja) 光記録媒体
JP3885051B2 (ja) 相変化型光記録媒体
JP2006212880A (ja) 相変化型光記録媒体
JP3664403B2 (ja) 相変化型光記録媒体
JP2006247855A (ja) 多層相変化型光記録媒体
JP2967948B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2967949B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP4019135B2 (ja) 光記録媒体及びその記録方法
JP2005193663A (ja) 光記録媒体
JP2002260281A (ja) 光記録媒体
JP3955007B2 (ja) 相変化型光記録媒体
JP2002096560A (ja) 光記録媒体
JP2006031803A (ja) 光記録媒体
JP2004181742A (ja) 相変化型光記録媒体
JP2002190138A (ja) 光記録媒体
JP2002301869A (ja) 光記録媒体
JPH11129620A (ja) 光記録媒体
JP2003288737A (ja) 光情報記録媒体
JP2006079791A (ja) 相変化型光記録媒体