JPH11129620A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11129620A
JPH11129620A JP9311318A JP31131897A JPH11129620A JP H11129620 A JPH11129620 A JP H11129620A JP 9311318 A JP9311318 A JP 9311318A JP 31131897 A JP31131897 A JP 31131897A JP H11129620 A JPH11129620 A JP H11129620A
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JP
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recording
optical recording
recording layer
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Pending
Application number
JP9311318A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
Michiaki Shinozuka
道明 篠塚
Masato Harigai
眞人 針谷
Koji Deguchi
浩司 出口
Yoshiyuki Kageyama
喜之 影山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度で、高い繰り返しオーバーライト回数
を持ち、その上高い保存信頼性を有する光記録媒体を提
供すること。 【解決手段】 基板上に第1の誘電体層、記録層、第2
の誘電体層、反射放熱層をその順に積層してなる光記録
媒体の記録層において、記録層の構成元素が主にAg、
In、Sb、Teであって、AgαInβSbγTeδ
Xεで表される一般式においてXの元素がCrであり、
且つ各組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が、1≦α
<10、1<β≦20、35≦γ≦70、20≦δ≦3
5、0<ε≦10で、α+β+γ+δ+ε=100なる
関係があるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体、特に光
ビームを照射することにより記録層材料に相変化を生じ
させ、情報の記録・再生を行い、且つ、書き換えが可能
である相変化型情報記録媒体に関し、光メモリー関連機
器、特に書き換え可能なDVD−RAMメディアに応用
可能なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザビーム照射により情報の記
録・再生及び消去が可能な光記録媒体には、熱を利用し
て磁化の反転を行ない記録消去する光磁気記録方式と、
結晶と非晶質の可逆的相変化を利用し記録消去する相変
化光記録方式がある。後者は単一ビームによるオーバー
ライトが可能であること、CD−ROM、CD−Rメデ
ィアとの互換性の点で有利であることから、書き換え可
能なメディアとして今日、CD−RWメディアとして標
準規格が確立され、世に出ようとしている。そして、相
変化光記録媒体の大容量化の研究が行われ、DVD−R
OMメディアの発売とともに書き換え可能なDVDメデ
ィアとしてDVD−RAMと称されるメディアの開発が
行われている。
【0003】相変化記録媒体の記録層に用いられる材料
には、カルコゲン系のGe−Sb−Te、In−Sb−
Te、Ge−Se−Te、Ge−Te−Bi、Sb−S
e−Te、In−Te−Auがこれまでに調べられてい
るが、Ge−Sb−Teが実用レベルに達している。し
かし、この材料にしても記録感度、消去感度の向上とオ
ーバライト時の消し残りによる消去比の低下等、特性の
向上は望まれる。そこで、オーバライト時の消去比を一
段と向上させることができた材料として、Ag−In−
Sb−Te系がある(特開平4−78031号公報、特
願平8−103832号)。この系において消去比が向
上したのは、消去時に微結晶AgSbTe2とアモルフ
ァスIn−Sbの2相状態になっていることによる。
【0004】また、記録媒体に要求される繰り返し回数
の向上は、上記記録材料だけでは達成できず、この上下
の保護層、更に放熱層を積層することで向上が図られて
いる。これまで、保護層材料としてZnS・SiO
2(特公平7−114031号公報)をはじめ、金属酸
化物、金属硫化物、金属窒化物の単体若しくは混合物が
考えられている。更に、反射放熱層の放熱を良くするこ
とで、オーバーライト繰り返し回数が飛躍的に向上する
が、メディア特性を総合的に見た場合、繰り返し回数の
み向上しても他の特性が劣るといった問題がある。今
日、相変化型光記録媒体は、DVD−ROMに相当する
大容量のDVD−RAMの開発が期待、要求され、コン
ピュータのデータ用メモリーから一般家庭で使用するビ
デオディスクに使用用途が拡大しており、大容量で高速
記録再生、更なる繰り返し回数の向上、長期保存性と高
い仕様が求められている。これらをすべて満足する媒体
の開発が今後の課題となる。
【0005】相変化型記録媒体は、前述のように、既に
商品化されてパーソナルコンピュータの外部メモリーに
使われている。そして今日、DVD−ROMメディア、
プレーヤーが世に出始め、更に今後大容量で書き換え可
能なDVD−RAMメディアの商品化が期待されてい
る。DVD−RAMメディアは、ROMとの互換性を始
め、大容量(4.7GB)、高速(高線速)記録再生、
繰り返しオーバーライト回数が高いこと等の高い仕様を
要求されている。高線速(現CDの4倍から5倍あるい
はそれ以上)で大容量な仕様が媒体に要求されてくる
と、記録周波数が高くなり、記録消去パワーも高くなる
傾向にある。記録層材料の特性においては、結晶化速度
の向上、融点の低下、熱吸収率の向上等により、低記録
・消去パワーを図ることや、記録マーク長が短くなるこ
とによりマークエッジをシャープにするため、記録スト
ラテジー、層構成により更に冷却、徐冷の制御の正確さ
が要求されてくる。
【0006】一方、繰り返しオーバーライト回数が更に
高いことも要求されている。これまで相変化記録媒体の
繰り返し特性の劣化は、高速で多数回の溶融、冷却を繰
り返すために体積変化に伴う物質流動、更には短時間に
おける急激で大きな温度差による変化を繰り返すため
に、記録層だけでなくその上下に存在する保護層、更に
は反射放熱層までに影響が及び、膜全体が局所的な膜厚
変動を生じたり、局所的にボイドが生じることで回数が
制限される。従って、この場合は記録層のみならず、保
護層材料及び反射放熱層の熱物性を改良する必要があ
る。そのために熱伝導率を高くし、熱膨張係数を低減さ
せ熱応力を抑制するか、あるいは熱応力緩和させる材
料、構成を考える必要がある。更に、保存性も高くする
必要がある。保存特性の向上として窒素添加した例(特
開平4−78031号公報)がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
のような状況に鑑みてなされたものであって、高密度
で、高い繰り返しオーバーライト回数を持ち、その上高
い保存信頼性を有する光記録媒体を提供することを、そ
の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、基板上に第
1の誘電体層、記録層、第2の誘電体層、反射放熱層を
その順に積層してなる光記録媒体において、線速1.2
m/sec〜10m/secの幅広い線速で、しかも繰
り返しオーバーライト回数が1万回以上を可能にする相
変化型光記録媒体の記録層材料組成比及び各元素との関
係をAg−In−Sb−Te系で見出し、本発明に到達
した。
【0009】即ち、本発明によれば、第一に、基板上に
第1の誘電体層、記録層、第2の誘電体層、反射放熱層
をその順に積層してなる光記録媒体の記録層において、
記録層の構成元素が主にAg、In、Sb、Teであっ
て、AgαInβSbγTeδXεで表される一般式に
おいてXの元素がCrであり、且つ各組成比α、β、
γ、δ、ε(原子%)が 1≦α<10 1<β≦20 35≦γ≦70 20≦δ≦35 0<ε≦10 α+β+γ+δ=100 なる関係があることを特徴とする光記録媒体が提供され
る。第二に、上記第一に記載した光記録媒体の記録層に
おいて、更に3≦α+β<15且つγ>55なる関係が
あることを特徴とする光記録媒体が提供される。第三
に、上記第一又は第二に記載した光記録媒体において、
記録層の結晶化温度が150℃以上250℃以下である
ことを特徴とする光記録媒体が提供される。第四に、上
記第一又は第二に記載した光記録媒体において、記録層
の活性化エネルギーが1.5eV以上であることを特徴
とする光記録媒体が提供される。第五に、上記第一又は
第二に記録した光記録媒体において、記録層の融点が6
00℃以下であることを特徴とする光記録媒体が提供さ
れる。第六に、上記第一又は第二に記載した光記録媒体
において、記録層中に主要な元素であるAg、In、S
b及びTeのうちの少なくとも一つの構成元素の窒化物
及び/又は酸化物あるいは窒素単体を含むことを特徴と
する光記録媒体が提供される。第七に、上記第一又は第
二に記載した光記録媒体において、記録層を構成する非
晶質薄膜の吸収係数の絶対値kが、2.3<k<3.5
であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0010】即ち、本発明の光記録媒体は、記録層にお
いてAg−In−Sb−Te系記録材料にCrを添加
し、且つ各元素の組成比を前記範囲にあるものとしたこ
とから、記録再生特性を良好に保ちながら、保存特性
(保存信頼性)を向上させることが可能となる。なお、
保存特性は、記録再生特性とともに重要な特性である。
記憶媒体である以上記録したデータが長期にわたり劣化
しないことが必要不可欠である。
【0011】なお、特開平8−258418号公報に
は、Ge−Te−Se系にCrを添加することで記録感
度や記録再生特性の向上することが、また特開平8−1
27176号公報には、Ge−Sb−Te系にCrを添
加することで繰り返しオーバーライト特性の向上するこ
とが報告されているが、これらは本発明のAg−In−
Sb−Te系とはベースの記録材料が異なり、しかも本
発明の保存信頼性の向上については、全く触れられてい
ない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の光記録媒体は、基板上に第1の誘電体層、
記録層、第2の誘電体層、反射放熱層をその順に積層し
てなる光記録媒体の記録層において、記録層の構成元素
が主にAg、In、Sb、Teであって、AgαInβ
SbγTeδXεで表される一般式においてXの元素が
Crであり、且つ各組成比α、β、γ、δ、ε(原子
%)が 1≦α<10 1<β≦20 35≦γ≦70 20≦δ≦35 0<ε≦10 α+β+γ+δ+ε=100 なる関係があることを特徴とする。
【0013】本発明において、保存信頼性とは一度記録
された又は書き替えられた記録データが、室温で長期に
わたって劣化しないことであるが、記録層組成によって
は十分とは言えない場合がある。Ag、In、Sb及び
Teを含む4元系の相変化型記録材料を主成分として含
有する材料は、記録(アモルファス)感度、消去(結晶
化)感度、及び消去比が極めて良好なため、記録層の材
料として適している。書き換え型DVD(DVD−RA
M)に展開していくために、高線速、高密度、高い繰り
返しオーバーライト回数が要求されるが、組成によって
は特性が良くても保存がもたない可能性がある。この場
合、特性を損ねることなく保存特性を向上させるには、
第5元素の添加が一つの方法となる。記録マークの劣化
は、非晶質状態から結晶状態に転移することによってお
こることから、結晶化に対する活性化エネルギーが高い
ことが必要である。更に、結晶化温度が高いことも要求
される。一方、添加元素により記録層材料の融点、結晶
化温度が大きく変化して記録再生特性が劣化しないこと
が必要である。本発明において、Crを0at%を越え
10at%以下の範囲で添加することで、融点が添加前
と同様600℃以下、結晶化温度が150℃以上250
℃以下にあり、記録パワー、消去パワーが高くなること
はなかった。結晶化温度は150℃以上200℃以下が
好ましく、150℃より低くなると保存性が悪くなり、
250℃を越えると初期化がしにくくなってくる。Cr
添加と併せて窒素添加することで、更に保存及び記録再
生特性が良好となる。窒素を微量含有すると、繰り返し
オーバーライト回数、変調度を向上させる効果がある。
しかし、多量に添加しすぎると、繰り返しオーバーライ
ト回数の減少、結晶化温度の上昇により初期化がしにく
くなる。従って、微量が好ましい。
【0014】Crの添加において、保存特性に特に有効
なのは、活性化エネルギーが約1eV高くなることであ
る。また、結晶化速度がCrの量に比例して遅くなるこ
とでマーク(非晶質)が消え(結晶化)にくくなること
も、保存特性に対し効果がある。更に、非晶質状態の吸
収係数がCrの添加により増加し2.3から3.5の間
にあり、低記録パワーでジッターが低下し記録再生特性
において感度が向上する。Cr添加によりこれら効果が
有効な記録層組成を鋭意検討した結果、Ag、In、S
b、Teの各組成比α、β、γ、δ、(原子%)が 1≦α<10 1<β≦20 35≦γ≦70 20≦δ≦35 であり、α、β、γが 3≦α+β<15且つγ>55 であることがわかった。特に、α、βにおいては、 α+β≦10、γ>58 が好ましい。また、添加するCrの範囲は、2から5a
t%が好ましい。10at%を越えると、結晶化速度が
遅くなり、繰り返しオーバーライト特性が劣化してく
る。更に、結晶化温度が250℃を越え、十分な初期化
(結晶化)ができず、しかも不均一になり、初期特性が
悪くなってしまう。
【0015】本発明で用いる光記録媒体の構成を図1に
示す。1が基板、2が第1の誘電体層、3が記録層、4
が第2の誘電体層、5が反射放熱層であり、6は必要に
応じて5の上に設けられる有機環境保護層(UV硬化樹
脂層)である。
【0016】本発明において、第1及び第2の誘電体層
(保護層)2及び4としては、SiOx、ZnO、Sn
2、Al23、TiO2、In23、MgO、Zr
2、Ta25等の金属酸化物、Si34、AlN、T
iN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、TaS4、等
の硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、Z
rC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で
保護層として用いることができるし、また混合物として
用いることもできる。例えば混合物としては、ZnSと
SiOx,Ta25とSiOxが挙げられる。これら材
料物性は、熱伝導率、比熱、熱膨張係数、屈折率及び基
板材料あるいは記録層材料との密着性等があり、融点が
高く、熱伝導率が高く、熱膨張係数が小さく、密着性が
良いといったことが要求される。特に第2の誘電体層
は、繰り返しオーバーライト特性を左右する。
【0017】誘電体からなる保護層は更に膜厚が重要で
あるが、第1の誘電体層2の膜厚は50〜250nmの
範囲として、75nm〜200nmが好ましい。50n
mより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低
下、畜熱効果の低下となり好ましくない。一方、250
nmより厚くなると、スパッタ方法等による膜作製過程
において、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが発生
したり、記録時の感度の低下をもたらすので好ましくな
い。第2の誘導体層4の膜厚は10nm〜100nmの
範囲とし、15nm〜50nmが好ましい。第2の誘電
体層の場合、10nmより薄いと、基本的に耐熱性が低
下し好ましくない。100nmを越えると、記録感度の
低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下によ
り繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
【0018】反射放熱層5としては、Al、Au、C
u、Ag、Cr、Sn、Zn、In、Pd、Zr、F
e、Co、Ni、Si、Ge、Sb、Ta、W、Ti、
Pb等の金属を中心とした材料の単体、あるいは合金、
混合物を用いることができる。必要に応じて、異なる金
属、合金又は混合物を複数積層しても良い。この層は、
熱を効率的に逃がすことが重要であり、膜厚は30nm
〜250nmとする。好ましくは50nm〜150nm
が良い。膜厚が厚すぎると、放熱効率が良すぎて感度が
悪くなり、薄すぎると、感度は良いが繰り返しオーバー
ライト特性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高
く、高融点で保護層材料との密着性が良いこと等が要求
される。
【0019】上記で述べた材料、構成による光記録媒体
は、波長が635nmの半導体レーザーでNA0.6
か、あるいは650nmの半導体レーザーでNA0.6
のピックアップを用い記録再生する。記録方法はPul
se Width Modulationで変調コード
がEFMあるいはEFM+[8/16RLL(2,1
0)]方式で記録する。パルスは、先頭パルスとその後
のマルチパルス部に分かれる。マルチパルス部は、加
熱、冷却を繰り返し行う。各パワーの関係は、加熱(記
録)パワー>消去パワー>冷却パワーとなっていて、冷
却パワーは読み出しパワー程度まで下げる。線速は、
3.5m/sec〜6.5m/sec、読み出しパワー
は1mW以下で行う。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0021】実施例1〜10及び比較例1〜4 基板厚0.6mm、トラックピッチ1.48μm、溝幅
0.68μm、溝深さ60nmのポリカーボネート基板
を用い、高温で脱水処理した後スパッタにより成膜し
た。第1の誘電体層(第1の保護層)として、ZnS・
SiO2ターゲットを用い膜厚170nmの厚さにつけ
た。次に、所定の組成比のAgInSbTeCrターゲ
ットをアルゴンガス圧3×10-3torr、RFパワー
300mWでスパッタし膜厚18nmつけ記録層とし
た。更に、その上に第2の誘電体層(第2の保護層)と
して第1の誘電体層と同様ZnS・SiO2を厚さ20
nmつけた。更に、その上にAlTi合金膜を反射放熱
層として厚さ120nmつけた。その上に紫外線硬化型
樹脂膜を保護膜としてつけ、媒体とした。成膜後の記録
層は非晶質であり、結晶化させるための初期化を施し
た。
【0022】記録は、波長λ=635nm、NA0.6
で行い、記録方式はパルス変調法を用い、変調方式はE
FM+[8/16(2,10)RLL]変調方式で行っ
た。記録再生時の線速は、3.5m/sとした。記録パ
ワー/消去パワーの比を約2〜2.2にし、ボトムパワ
ーを再生パワーと同じかそれより低くし記録した。記録
パワーを最大15mWまでかけた。再生はλ=650n
m,NA0.6で行った。線密度は0.31μm/bi
tとし、グルーブに記録した。各記録層組成に対し記録
再生を行い、data to dataジッターを測定
した。ジッターσ/Tw(Yw:ウィンドウ幅)が最小
となる最適記録パワーで記録した後、80℃、85%R
Hの高温高湿条件で試験を行った。ジッターの増加、m
odultionの減少がない試験時間を各組成ごと表
1に示す。図2は、実施例1、2の場合のジッターの記
録パワー依存性を示す。図3は繰り返しオーバーライト
特性を示す。これらから、Cr添加により記録再生特性
を劣化させずに保存寿命が長くなり、保存特性を高める
ことが可能になり、同時に低記録パワーでのジッターが
低下し、感度が向上していた。ただし、Crを11at
%添加した実施例10では、保存寿命はのびているが図
2に示す様に初期ジッターが悪い。また、DSC法によ
り結晶化温度を昇温速度10℃/minで測定し、その
結果から活性化エネルギーを求めた。また、融点を熱分
析から求めた。融点はCr添加量に対しほとんど変化な
い。即ち、感度を悪くすることがない。一方、活性化エ
ネルギーは添加量に比例して増加している。
【0023】
【表1】
【0024】実施例11〜15 基板厚0.6mm、トラックピッチ1.48μm、溝幅
0.74μm、溝深さ65nmのポリカーボネート基板
を用い、高温で脱水処理した後スパッタにより成膜し
た。第1の誘導体層として、ZnS・SiO2ターゲッ
トを用い膜厚170nmの厚さにつけた。次に、所定の
組成比のAgInSbTeCrターゲットをガス圧3×
10-3torr、RFパワー300mWでスパッタす
る。このときArガスと窒素ガスをそれぞれ0.5sc
cm、1sccm流し、Ar+N2の混合ガスとした。
膜厚を18nmにし記録層とした。更に、その上に第2
の誘導体層として第1の誘電体層と同様ZnS・SiO
2を厚さ20nmつけた。更に、その上にAlTi合金
膜を反射放熱層として厚さ120nmつけた。その上に
紫外線硬化型樹脂膜を保護膜としてつけ媒体とした。
【0025】記録再生条件は、波長635nm、NA
0.6で記録し、650nm、NA0.6で再生する。
記録方式はパルス変調法を用い、変調方式はEFM+
[8/16(2,10)RLL]変調方式で行った。記
録パワー/消去パワーの比を約2〜2.2にし、再生パ
ワーを1mW、ボトムパワーを再生パワーと同じかそれ
より低くし、グルーブに記録した。線密度0.31μm
/bitとし、オーバーライトも同様の条件で行った。
ジッターはdata to dataによるジッターを
測定した。線速はCLVで記録再生とも3.5m/se
cで行った。表2に窒素が添加された場合の保存特性を
示す。微量ながら窒素を添加することにより、更に保存
特性を向上させることが可能となる。
【0026】
【表2】
【0027】実施例16〜20 実施例1〜15と同様の方法で、ガラス基板を用い記録
層のみを作製した後、波長633nmのエリプソメータ
により吸収係数を測定した。その結果を表3に示す。表
3に示される様にCrの添加量を増加させるにつれ吸収
係数の絶対値(測定値は負)が増加し、特にCr 3a
t%で増加量が大きくなる。図2に示される実施例1及
び2の記録媒体の記録再生特性は、表3のそれぞれ実施
例17及び18で使用した記録層のものであり、低記録
パワーでのジッターが小さくなっていた。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】請求項1の光記録媒体は、基板上に第1
の誘電体層、記録層、第2の誘電体層、反射放熱層をそ
の順に積層してなる光記録媒体の記録層において、記録
層の構成元素が主にAg、In、Sb、Teであって、
AgαInβSbγTeδXεで表される一般式におい
てXの元素がCrであり、且つ各組成比α、β、γ、
δ、ε(原子%)が 1≦α<10 1<β≦20 35≦γ≦70 20≦δ≦35 0<ε≦10 α+β+γ+δ+ε=100 なる組成条件にしたことから、記録再生特性を良好に保
ちながら、更に保存特性に優れたものとなり、DVD−
RAMに十分適応できるものとなる。
【0030】請求項2の光記録媒体は、請求項1の記録
層組成の条件に、更に3≦α+β<15且つγ>55と
いう条件を付加したことから、高密度記録、繰り返しオ
ーバーライト特性の向上が図られ、更に保存性が向上す
るという効果が加わる。
【0031】請求項3〜5及び7の光記録媒体は、結晶
化温度が150℃以上250℃以下であること、活性化
エネルギーが1.5eV以上であること、融点が600
℃以下であること、又は非晶質薄膜のCr添加による吸
収係数の絶対値kが2.3<k<3.5であることで、
記録再生特性がより良好で、しかも保存特性を更に向上
させることが可能となる。
【0032】請求項6の光記録媒体は、Ag、In、S
b、Teのうち少なくとも一つの構成元素の窒化物及び
/又は酸化物あるいは窒素単体を含む記録層としたこと
で、更に保存特性が向上するという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例を示す模式断面図で
ある。
【図2】実施例1、2、10及び比較例1におけるジッ
ター記録パワー依存性を示すグラフである。
【図3】実施例1、2及び比較例1における繰り返しオ
ーバーライト特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の誘電体層(第1の保護層) 3 記録層 4 第2の誘電体層(第2の保護層) 5 反射放熱層 6 有機環境保護層(UV硬化樹脂層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 浩司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 影山 喜之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1の誘電体層、記録層、第2
    の誘電体層、反射放熱層をその順に積層してなる光記録
    媒体の記録層において、記録層の構成元素が主にAg、
    In、Sb、Teであって、AgαInβSbγTeδ
    Xεで表される一般式においてXの元素がCrであり、
    且つ各組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が 1≦α<10 1<β≦20 35≦γ≦70 20≦δ≦35 0<ε≦10 α+β+γ+δ+ε=100 なる関係があることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光記録媒体の記録層にお
    いて、更に3≦α+β<15且つγ>55なる関係があ
    ることを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光記録媒体におい
    て、記録層の結晶化温度が150℃以上250℃以下で
    あることを特徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の光記録媒体におい
    て、記録層の活性化エネルギーが1.5eV以上である
    ことを特徴とする光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の光記録媒体におい
    て、記録層の融点が600℃以下であることを特徴とす
    る光記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の光記録媒体におい
    て、記録層中に主要な元素であるAg、In、Sb及び
    Teのうちの少なくとも一つの構成元素の窒化物及び/
    又は酸化物あるいは窒素単体を含むことを特徴とする光
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の光記録媒体におい
    て、記録層を構成する非晶質薄膜の吸収係数の絶対値k
    が、2.3<k<3.5であることを特徴とする光記録
    媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1326133C (zh) * 2002-03-20 2007-07-11 松下电器产业株式会社 光学信息记录介质及其制造方法
US7482109B2 (en) 2001-02-01 2009-01-27 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium

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US7482109B2 (en) 2001-02-01 2009-01-27 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium
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