JPH1184664A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JPH1184664A
JPH1184664A JP23931097A JP23931097A JPH1184664A JP H1184664 A JPH1184664 A JP H1184664A JP 23931097 A JP23931097 A JP 23931097A JP 23931097 A JP23931097 A JP 23931097A JP H1184664 A JPH1184664 A JP H1184664A
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JP
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emulsion layer
silver
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Hajime Sugita
元 杉田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版におい
て、印刷に寄与する最も望ましい銀画像を非常に効率良
く形成することを可能とした平版印刷版を提供する。 【解決手段】支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層
及び物理現像核層を有し、該核層が該乳剤層の上に積層
されている平版印刷版に於て、該乳剤層中もしくは該核
層と該乳剤層の間に、該核層中の物理現像核の表面電荷
と相反する表面電荷を有する平均粒径が約数100nm
以下の無機微粒子を含有することを特徴とする平版印刷
版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法
を応用した平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法によって得られる転写
銀画像を直ちにインキ受理体として利用することが出来
る平版印刷版は、既に特公昭48−30562、特開昭
53−21602、同昭54−103104、同昭56
−9750等に記載され、よく知られている。
【0003】係る平版印刷版の製版法に適した銀錯塩拡
散転写法の代表的な実施法によれば、支持体及びその上
にハレーション防止を兼ねた下塗り層、ハロゲン化銀乳
剤層、物理現像核層からなる感光材料を画像露光し、現
像処理を行うと潜像が形成されているハロゲン化銀は乳
剤中で化学現像銀となる。
【0004】同時に潜像が形成されていないハロゲン化
銀は現像処理液中に含まれるハロゲン化銀錯化剤の作用
で溶解し、感光材料の表面に拡散してくる。溶解し、拡
散してきた銀錯塩が、該乳剤層表面上に存在する物理現
像核の上に現像主薬の還元作用によって、銀画像として
析出する。
【0005】乳剤層中で化学現像銀を形成している部分
は、媒体の親水性により、印刷機上でインキと水を同時
に送られた場合、水を受け付け、水−油反発性からイン
キを寄せ付けないことで印刷物の非画線部となる。ま
た、銀画像の析出した転写銀部分はインキを受容するこ
とで印刷物の画線部となる。
【0006】従って、良い印刷物を得るためには化学現
像銀を形成している非画線部は全くインキを寄せ付け
ず、転写銀が析出している画線部は十分にインキを受け
付けることが必要である。
【0007】同時に、十分にインキを受け付け、耐刷性
のある銀画像を得るためには、物理現像核が乳剤層中に
拡散することなく、乳剤層表面上に局在していることが
必要である。
【0008】もし、上記物理現像核が隣接する乳剤層中
に分布していると、潜像が形成されていないハロゲン化
銀が現像処理液中に含まれるハロゲン化銀錯化剤の作用
で溶解し、感光材料の表面に拡散する前に、該乳剤層中
に分布する物理現像核を中心として現像主薬の還元作用
によって、銀画像を内部に形成してしまい、印刷に寄与
する銀画像を形成しないことがおきる。これは、印刷に
寄与する銀画像を乳剤層表面に充分に形成できないた
め、耐刷性が劣るという好ましくない現象を招く。
【0009】このため、乳剤層を塗布した後、物理現像
核層を塗布するまでの間に、加温工程(35〜40℃で
3日〜10日程度)を設けて、乳剤層の硬膜度(ゼラチ
ンを架橋して、水に対する膨潤度を低下させる)を上げ
ることが、一般的に行われている。これによって、物理
現像核層を乳剤層上に塗布する際、物理現像核の乳剤層
中への拡散を防ぎ、実用的に問題の無い耐刷力を確保す
ることができる。
【0010】しかしながら、製版条件、例えば現像液の
疲労度、温度など、また印刷条件、例えばインキ、印刷
機の種類、印圧、給湿液の条件などによって耐刷力に振
れが生じていた。したがって、いかなる製版条件や印刷
条件においても、安定したより高い耐刷力を持つ印刷版
が望まれていた。
【0011】一方、物理現像核層を塗布する前の加温工
程では、一般に広幅(1000mm以上)、長尺(100
0m以上)のロール物の状態で加温するために、ロール
外側と内側では硬膜度に差が生じ、したがって耐刷力に
振れが生ずる。これを解消するために、ロール内側が充
分な硬膜度に達するまで長期間加温しなければならず、
生産性を低下させていた。従って物理現像核層塗布前の
加温工程を省略しても耐刷力の問題ない平版印刷版が望
まれている。更に加温工程省略によって乳剤層と核層を
タンデム(連続直列塗布)方式で塗布できるという生産
効率上のメリットが期待できる。
【0012】特開平4−275553には、銀錯塩拡散
転写法を応用した平版印刷版において、コロイダルシリ
カまたはアルミナゾルを物理現像核層の上部に付与して
いる。これは、該印刷版の保水性の向上を図ったもの
で、耐刷性およびインキ受理性には効果がなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銀錯
塩拡散転写法を応用した平版印刷版において、印刷に寄
与する銀画像を非常に効率良くハロゲン化銀乳剤層表面
に形成させ、それによって耐刷力を向上させることであ
る。
【0014】また本発明の他の目的は、物理現像核層塗
布前の加温工程の省略およびタンデム塗布を可能にした
平版印刷版を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核
層を有し、該核層が該乳剤層の上に積層されている平版
印刷版に於て、該乳剤層中もしくは該核層と該乳剤層の
間に、該核層中の物理現像核の表面電荷と相反する表面
電荷を有する平均粒径が100nm以下の無機微粒子を
含有させることで達成される。すなわち、物理現像核の
表面電荷がプラスの場合、前記無機微粒子の表面電荷は
マイナス、反対に物理現像核の表面電荷がマイナスの場
合、無機微粒子の表面電荷はプラスのものを用いる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる無機微粒子と
は、平均粒子径100nm以下のシリカゾル、アルミナ
ゾル、ジルコニウムゾル、チタンゾルなどの水和物コロ
イド溶液で、一般的に水を分散媒とし、水中のイオンを
安定剤として分散されている。これらの表面電荷は、電
気泳動法もしくはζ電位測定により容易に測定できる。
【0017】また、無機微粒子の塗布量は、1m2当り5
g以下で、好ましくは3g以下、更に好ましくは0.1
g〜1.0gが好ましい。0.1g以下では充分な効果
が得られず、3g以上では印刷機の機械的負荷により、
転写銀が摩耗され、画像がかすれてしまう。
【0018】無機微粒子は、例えばシリカゾルでは日産
化学工業株式会社(製品名スノーテックスC、スノーテ
ックスCA、スノーテックスXLほか)、アルミナゾル
では川研ファインケミカル株式会社(製品名アルミナク
リアゾル、アルミゾル10、アルミナゾルSH5ほ
か)、日産化学工業株式会社(製品名アルミナゾル10
0、アルミナゾル200ほか)、ジルコニウムゾルでは
日産化学工業株式会社(製品名ジルコニアゾルNZS−
30A、ジルコニアゾルNZS−30Bほか)チタンゾ
ルでは日産化学工業株式会社(製品名チタニアゾル)が
商品化している。
【0019】無機微粒子は乳剤層に含有させるか、また
は、乳剤層の上に塗布する。好ましくは、乳剤層の上に
塗布することであり、この際無機微粒子の水分散物をノ
ニオン系の界面活性剤とともに塗布することができる。
また、少量(0.5g/m2以下)のバインダー、例えば
ゼラチンや水溶性ポリマー等を使用してもよい。
【0020】ハロゲン化銀乳剤層の表面に物理現像核の
表面電荷と相反する表面電荷を有する前記無機微粒子を
存在させることによって、物理現像核の乳剤層中への拡
散を防止し、よって物理現像核銀を乳剤層表面に形成で
きる。これは乳剤層の硬膜度に関係無く得られる。従っ
て、物理現像核層塗布前の加温の省略または乳剤層と物
理現像核層のタンデム塗布が可能となり、生産効率を大
幅に向上させることができる。
【0021】本発明の平版印刷版に用いられるハロゲン
化銀乳剤層は、ゼラチンを含有しており、また、例えば
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、およびこれらにヨウ化銀を
含むものからなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、
イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル
塩、白金塩等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量は
ハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハ
ロゲン化銀の結晶状態に特に制限はなく、立方体ないし
14面体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でも
よい。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であっ
てもよく、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲で
ある。好ましい例の1つとしては、ロジウム塩もしくは
イリジウム塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散
もしくは多分散結晶がある。
【0022】ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時
または塗布される時に種々な方法で増感することが出来
る。例えばチオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によ
って、または金化合物、例えばロダン金、塩化金によっ
て、またはこれらの両者の併用など当該技術分野におい
て良く知られた方法で化学的に増感することが好まし
い。ハロゲン化銀乳剤はまた、例えばシアニン、メロシ
アニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも
増感または減感され得る。その増感または減感され得る
波長域に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンク
ロ増感、ヘリウムーネオンレーザー用増感、アルゴンレ
ーザー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感も
なし得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得
る。
【0023】本発明の平版印刷版の物理現像核層は、物
理現像核としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウ
ム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、
金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫
化物、多硫化物、セレン化合物またはそれらの混合物、
混晶等を用いることが出来る。物理現像核層には、親水
性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラチ
ン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロ
ース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニル
イミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニル
アルコール等の親水性高分子またはそのオリゴマーを含
むことが出来、その含有量は0.5g/m2以下であるこ
とが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬を
含んでいても良い。
【0024】本発明の平版印刷版の下塗り層は、基本的
にゼラチンを含有し、ハレーション防止の目的でカーボ
ンブラック等の顔料、染料等を含み得るし、また耐刷力
向上のために平均粒径2〜10μmのマット剤(例えば
シリカ粉末)を含み得る。さらに現像主薬などの写真用
添加物も含むことが出来る。また下塗り層は特開昭48
−5503、同昭48−100203、同昭49−16
507に記載のようなものであっても良い。
【0025】本発明の平版印刷版の下塗り層、乳剤層、
物理現像核層はゼラチン硬膜剤を含有しても良く、ゼラ
チン硬膜剤としては、例えばクロムミョウバンのような
無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデ
ヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素
やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル
酸、2,3−ジヒドロキシ1,4−ジオキサンのような
アルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S
−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ
トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジ
ビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリア
クロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環である
エチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に2個以上有す
る化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等
の種々の化合物の1種もしくは2種以上を用いることが
出来る。
【0026】硬膜剤は全ての層に添加することも出来、
幾つかまたは1層にのみ添加することも可能である。拡
散性の硬膜剤は2層または3層同時塗布の場合、何れか
1層にのみ添加することが可能である。添加方法は塗液
製造時に添加したり、塗布直前にインラインで直前添加
することもできる。
【0027】下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像
核層等の各塗布層には、塗布助剤として、アニオン、カ
チオンまたはベタイン界面活性剤のいくつかを含んでい
ても良いし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防
止剤等を含むことが出来る。
【0028】本発明の平版印刷版で用いられる支持体と
しては、例えばセルロースナイトレートフィルム、セル
ロースアセテートフィルム、セルロースアセテートブチ
レートフィルム、セルロースアセテートプロピオネート
フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、その他
これらの積層物等がある。さらには、バライタまたはα
−オレフィンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンブテンコポリマー等の炭素数2〜10個
のα−オレフィンのポリマーを塗布またはラミネートし
た紙、表面処理を行ったアルミニウム板等を挙げること
が出来る。
【0029】本発明の平版印刷版で使用する現像液に
は、アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、
保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶解剤、例えば
チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカ
プト安息香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、特開昭47−2620
1に記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン
類、カテコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、
現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニ
ウム化合物等を含むことが出来る。さらに現像処理液に
は、米国特許第3,776,728号に記載の如き表面
銀層のインキ乗りを良くする化合物等を使用することが
出来る。
【0030】本発明の平版印刷版の表面銀層は、任意の
公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ないしは受容性
を増強せしめ得る。このような処理液としては、例えば
特公昭48−29723、米国特許第3,721,55
9号等に記載されている。印刷方法、あるいは使用する
不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた方法による
ことが出来る。以下に本発明を実施例により説明する
が、勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。
【0031】
【実施例】
【0032】実施例1
【0033】135g/m2両面ポリエチレン被覆紙の片
面に平均粒径5μmのシリカ粉末を含有するゼラチンバ
インダーからなるカール防止層を設け、反対側の面をコ
ロナ放電後、カーボンブラック、および平均粒径3.5
μmのシリカ粉末を含有するゼラチンバインダーからな
る下塗り層(ゼラチン3.5g/m2、現像主薬としてハ
イドロキノン0.3g/m2を含む)と、その上に1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン0.1g/m2を有するオル
ソ増感された高感度塩化銀乳剤(ゼラチン0.8g/m2
を含む)を硝酸銀として1.0g/m2になるように、2
層同時塗布を行った。
【0034】硬膜剤としては、ホルマリンを下塗り層に
120mg/m2含有し、乳剤層には1、3−ビス(ヒド
ロキシメチル)−2−イミダゾリジノンを43mg/m2
含有させた。乾燥後、広幅(1500mm)長尺(300
0m)のロール状のままで40℃7日加温した後、下記
の硫化パラジウムを物理現像核に持つ塗布液を塗布、乾
燥し、本発明の比較Aとなる平版印刷版を作成した。さ
らに、特開平4−275553実施例に従い、物理現像
核層の上に表1のアルミナゾル10またはスノーテック
スCを各0.1g/m2になるように塗布し、比較B、Cの
印刷版を作成した。
【0035】<物理現像核液> A液 塩化パラジウム 5g 塩酸 40ml 水 1000ml B液 硫化ソーダ 86g 水 1000ml A液とB液とを攪拌しながら混合し、30分後に純粋製
造用に作られたイオン交換樹脂の入ったカラムの中を通
し、更にポリマー、ハイドロキノン及び活性剤を加えて
塗液とした。 ポリマー 10g 水 18,000ml ハイドロキノン 540g 10%サポニン 20ml ポリマーとしては特開昭54−103104に記載のポ
リマーNo.8を使用した。
【0036】また、前記比較と同様に下塗り層と乳剤層
を2層同時塗布し、乾燥後40℃7日間加温し、下記の
無機微粒子塗液D〜Mを8ml/m2になるように塗布し、
乾燥後比較A〜Cと同一の核液塗布を行って、試料D1
〜M3を作成した。表1に無機微粒子塗液D〜Mの詳細を
記す。
【0037】本実施例において、物理現像核である硫化
パラジウムおよび無機微粒子の表面電荷は、各々の液を
適宜希釈し、これらをCoulter社製 DELSA
400sxによりζ電位測定することで得た。硫化パラ
ジウムの表面電荷の測定は、前記物理現像核液におい
て、ポリマー及び界面活性剤を加えずに、調整した液を
そのまま測定した。無機微粒子類は、純水で適宜希釈し
た液を測定した。その結果、硫化パラジウムはマイナス
の表面電荷を示した。用いた無機微粒子の表面電荷は表
1に示す。
【0038】 <無機微粒子塗液> 水 40ml 無機微粒子(表1中のD〜M) 1、10、30g ノニオン系界面活性剤 0.04g 水を加えて80mlとする。
【0039】
【表1】
【0040】これらの平版印刷版をそれぞれ画像反転機
構を有する製版カメラで画像露光を行い、下記の銀錯塩
拡散転写用現像液を用いて30℃20秒間現像処理を行
った。
【0041】 <銀錯塩拡散転写用現像液> 水酸化カリウム 8g 水酸化ナトリウム 24g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−アミノエチル−アミノエタノール 10g 2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.2g 水を加えて1000mlとする。pHは13.4に調整。
【0042】現像処理後、各平版印刷版を2本の絞りロ
ーラー間に通し、余分の現像液を除去し、直ちに下記組
成を有する中和液で25℃20秒間処理し、絞りローラ
ーで余分の液を除去し、乾燥した。
【0043】 <中和液> リン酸 1.2g 第一リン酸ナトリウム 25g 無水亜硫酸ナトリウム 2.5g エチレングリコール 5g 2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.1g ジエタノールアミン 5g 水を加えて1000mlとする。pHは6に調整。
【0044】以上の操作により作成した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し、給湿液にOD30(三菱製紙
社製給湿液)を使用し、印刷を行った。
【0045】印刷機は、RYOBI3200CD(RY
OBI社製オフセット印刷機の商標)を使用し、非画線
部の地汚れおよび転写銀画線部の欠落による画線部のか
すれが生じて印刷に供せなかった時の印刷枚数で、次の
評価基準により判定した。 A 20,000枚以上 B 15,000〜20,000枚 C 10,000〜15,000枚 D 5,000〜10,000枚 E 5,000枚以下
【0046】さらに、上記耐刷力の評価で、インキ乗り
の評価も同時に行った。インキ乗りの評価は印刷開始後
から十分にインキ濃度か得られた印刷物が得られるまで
に必要とした印刷用紙の枚数で、以下の評価基準で判定
した。 A 10枚以下 B 10〜20枚 C 20枚以上 これらの結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】上記結果から、本発明は乳剤層表面上に非
常に効率良く銀画像を形成し、よって安定した耐刷性が
確保でき、さらにインキ乗りに悪影響しないことが確認
された。
【0049】実施例2
【0050】実施例1において、2層同時塗布後の加温
をせずに比較および本発明を塗布し、所定のサイズ(幅
610mm×60m巻)の製品ロールサイズに裁断した
後、40℃4日間加温して比較A'〜C'および試料D'1〜
M'3を作成した。実施例1と同様にして、評価した。こ
れらの結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】上記結果から、本発明の物理現像核の表面
電荷と反対の表面電荷を有する無機微粒子層を設けた平
版印刷版は、乳剤層表面上に非常に効率よく銀画像を形
成し、よって耐刷性に優れ、且つ、インキ乗りに悪影響
しないことが確認された。さらに、物理現像核層塗布前
の加温を省略しても高い耐刷力を得ることができ生産性
効率向上が図られる。
【0053】
【発明の効果】実施例の結果から明らかな様に本発明の
実施態様は、印刷に寄与する銀画像を非常に効率良くハ
ロゲン化銀乳剤層表面に形成し、よって耐刷性に優れ、
且つ、インキ乗り速度を損なわない、銀錯塩拡散転写法
を応用した平版印刷版を提供することができる。さらに
特筆すべき点は、本発明により物理現像核層の塗布前の
加温工程が削除でき、物理現像核層のタンデム塗布(連
続直列塗布)が可能となり、生産効率が大幅に向上し
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤
    層及び物理現像核層を有し、該核層が該乳剤層の上に積
    層されている平版印刷版に於て、該乳剤層中もしくは該
    核層と該乳剤層の間に、該核層中の物理現像核の表面電
    荷と相反する表面電荷を有する平均粒径が100nm以
    下の無機微粒子を含有することを特徴とする平版印刷
    版。
  2. 【請求項2】 前記物理現像核が硫化パラジウムであ
    り、前記無機微粒子がアルミナゾルである請求項1に記
    載の平版印刷版。
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