JPH1184644A - ポジ型レジスト組成物及びこれを用いたパターンの形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物及びこれを用いたパターンの形成方法

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JPH1184644A
JPH1184644A JP9238452A JP23845297A JPH1184644A JP H1184644 A JPH1184644 A JP H1184644A JP 9238452 A JP9238452 A JP 9238452A JP 23845297 A JP23845297 A JP 23845297A JP H1184644 A JPH1184644 A JP H1184644A
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Wataru Ishii
渡 石井
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FUJI FILM OORIN KK
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ni系基板との密着性が高く、エッチングに
おけるサイドエッチ量が少なく、且つ微細なパターンを
精度よく忠実に基板に形成することが可能なレジスト組
成物及びそれを用いて基板に微細パターンを形成する方
法を提供すること。 【解決手段】(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)キノン
ジアジド化合物、及び(c)特定の有機リン化合物を含
有するポジ型レジスト組成物、及びこのポジ型レジスト
組成物の塗膜を基板上に形成し、露光及び現像により形
成されたレジストパターンをエッチングマスクとして基
板をエッチングして基板上に所定パターンを形成する方
法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上、特にNi
系基板上に微細なパターンを精度よく忠実に形成するこ
とが可能なポジ型レジスト組成物及びこのレジスト組成
物を用いて基板上にパターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の高集積回路素子の製造あるい
は液晶表示素子回路等の製造のフォトファブリケーショ
ン工程には、ネガ型又はポジ型感光性組成物が用いられ
ている。具体的には、この工程では、各種の半導体用ウ
ェーハー、種々の金属膜あるいは導電膜が表面に成膜さ
れたガラス基板・セラミック基板等数多くの種類の基板
が使われ、これら基板の表面にスピン塗布法やローラー
コート、スリットアンドスピン、ワイヤーバーコーター
法あるいはその他の方法により感光性組成物が塗布成膜
される。ポジ型感光性組成物の場合、この塗膜に活性光
線の照射を行い画像形成することで、所望の回路パター
ン画像が形成され、この後、この回路パターン画像をマ
スクとして基板上の金属膜あるいは導電膜のエッチング
加工処理を行い、さらに前記パターン画像の剥離除去処
理を経て、目的の金属膜の微細回路素子パターンが得ら
れる。
【0003】こうした微細パターンの形成のために、ア
ルカリ可溶性のノボラック系樹脂と、ナフトキノンジア
ジド基を感光基とする感光成分を主成分とするポジ型感
光性組成物が主に使用されている。このような組成物
は、設計パターン寸法がサブハーフミクロン以下のの超
微細なものから、数十〜数百μm程度のかなり大きな寸
法幅のものまで、広い範囲に渡る寸法の画像形成に用い
られ、各種基板材料の微細加工を可能としている。ポジ
型感光性組成物は、現像時の膨潤に起因する画像寸法変
化は極めて小さいこと、寸法制御性が比較的容易なこ
と、解像度が高いこと等、ネガ型感光性組成物に勝る性
能を持っている。
【0004】集積回路半導体の回路線幅は集積度の高密
度化とともに細線化の一途を辿り、最先端レベルでは
0.2μm以下の超微細解像度を達成している。一方、
液晶表示素子等の分野でもTFT、カラーSTN関係の
新技術の開発に伴い、パターンの微細化が進展してい
る。従来のTN、STN液晶を利用した素子では、数百
ないし200μm程度の設計寸法であったものが、新技
術の開発で最小設計寸法が50μm以下になっていきて
いる。また、応答性あるいは画像性の良好なTFT表示
素子では1μmないし数μmレベルまで向上し高精細化
が著しい。
【0005】下地基板の微細パターンを形成する上で、
エッチング工程を含むリソグラフィー工程での寸法制御
性は極めて重要である。下地金属膜あるいは導電膜のエ
ッチング加工は現在、半導体分野ではドライエッチング
方式が主流であるが、一方液晶表示素子の分野ではドラ
イ方式も増えてきているものの、未だウェットエッチン
グが主流となっている。設計の素子性能を得るために
は、線幅のコントロールが重要で、特に画像形成におけ
るレジストパターン線幅の制御とエッチングにおける加
工寸法制御の2つがポイントとなる。別な言い方をすれ
ば、設計線幅の微細化に伴う高解像レジストパターンを
用いたエッチング加工においては、高解像度と同時に基
板へのレジストの密着性が、加工の制御精度を向上させ
る上で重要な要因である。微細化が進展するほど、有機
レジストで形成された極微小パターンと下地金属基板界
面での密着性は重要となる。とりわけウェットエッチン
グ法においては、このエッチング加工時の密着性が最も
大きな影響をおよぼし、基板加工技術の精度を支配す
る。
【0006】加工精度の向上のため、密着性の向上の手
法として、従来、ポジ型レジストではHMDSと呼ばれ
るシリコン化合物の蒸気に基板を曝す前処理を行い、基
板表面の性質を変える技術が一般的に採用されてきた。
しかしながらこの方法も万能ではあり得ず、半導体分野
では未だに十分満足させ得る状況にはない。一方、液晶
表示素子関連でも技術の進展により、新しい下地金属材
料が使われ、多種類の基板に対応できる密着性の良好な
レジストが要求されている。この分野でも半導体分野同
様に、エッチング加工時の密着性の向上は重要課題の一
つである。
【0007】液晶表示パネルには、従来ITO、Ta、
Mo、Cr、SiNx、p−Si等を例として多くの配
線金属膜、導電膜、ブラックマトリクス(BM)用膜が
使われている。液晶表示パネルの低コスト化のための技
術課題として、例えば、低コストのBM材料の開発があ
る。BM材料は、これまでCr、Cr−CrOxが主に
使用されているが、コスト面で課題が大きい上、環境問
題でも好ましからざる問題を抱えている。このため最近
になり非Cr化、脱Cr化のため新たな金属膜として、
Ni、Ni−NiOx、Ni−Cu、Ni−W等のNi
系金属膜を用いる技術が実用化されようとしている。こ
れらの膜は光学濃度、反射率等の特性も優れて従来のC
r並性能を有しており、今後Crに変わり主流となって
ゆくことが予想されている。
【0008】ところが従来の金属膜、導電膜のエッチン
グにおいて密着性の点で有効であったレジストを、新た
に出現してきたNi系金属膜のエッチングに適用したと
ころ、従来基板とは異なり密着性が不足し、充分に目的
を達成できないことが判明した。このためNi系新BM
用基板に対してより良好な密着性を有するレジストを開
発する必要に迫られている。密着性を向上させようとす
るレジスト側からの試みは常々行われており、その歴史
はレジスト構成成分の最適化処方の検討と密着向上のた
めの添加剤技術の開発に集約される。例えば、特開平2
−84654号公報では、キノンジアジド/フェノール
樹脂の2元系から成るポジレジストに尿素化合物、チオ
尿素化合物及びアリールアミン化合物の少なくとも1種
類の化合物を添加することで、各種基板とりわけITO
基板に対する密着性を向上させることができることが開
示されている。また、特開平2−141754号公報で
は、キノンジアジド/ノボラック系からなるレジスト母
体に特定のチアゾール化合物を添加することで、ネガ型
にもポジ型にもなりうる組成物を提供することができる
ことが開示されている。しかしながら、ここでは開示さ
れた組成物を用いた平版印刷法を提供するにとどまり、
基板への密着性に関しては、この添加剤がどのような効
果を発現するのかについては何等触れられていない。上
記公報に開示されている組成物では、ハロゲン、アルキ
ル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基を置換基とし
て有する特定のチアゾール化合物が添加剤として適切で
あるとしている。また、特開平5−181281号公報
では、有機リン酸化合物を添加することで基板密着性が
向上することを開示している。該公報では、ノボラック
−ナフトキノンジアジド系のポジ型レジスト組成物、及
びノボラック−メラミン系架橋剤−光酸発生剤の系から
なるネガ型レジスト組成物のいずれに添加しても、密着
性向上の効果があるとしている。該公報では、様々な基
板への適用性の可能性を指摘しているが、Ni系基板に
関してはなんらの情報も示唆していない。また,特開平
7−36180号公報では、アルカリ可溶性樹脂とキノ
ンジアジド感光物とからなる感光性組成物に、レジスト
の保存安定性を目的として、特定の亜リン酸エステル化
合物を少量添加するポジレジスト組成物が開示されてい
る。しかしながら亜リン酸エステル化合物の添加が安定
性以外の密着性向上という効果があるかどうかについて
はなんらの示唆言及もない。また、本願出願人による特
開平9−15852号では、ポジ型レジストに特定の有
機リン化合物と特定のアミン化合物を同時に添加するこ
とにより金属基板密着性が向上することを開示してい
る。しかし、これらをNi系基板に適用したところ、必
ずしも期待した効果は得られず一層の密着性改良が必要
であることが判った。
【0009】当業界にあってはいかなる基板に関して
も、良好な密着性向上効果をもたらすような万能の添加
剤は存在せず、それぞれの添加剤に最適の基板が存在し
ていると一般的には理解されている。即ち、前述の如く
特定の金属基板に対して高い密着効果をもたらす添加剤
であっても、種類が異なるとその効果は全く得られない
という、容易には予想できない状況にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Ni
系基板との密着性が高く、エッチングにおけるサイドエ
ッチ量が少なく、且つ微細なパターンを精度よく忠実に
基板に形成することが可能なレジスト組成物及びそれを
用いて基板に微細パターンを形成する方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、アルカリ可溶性樹脂
と、感光基としてナフトキノンジアジド基を分子内に有
する感光性化合物の2成分を主要成分とするポジ型レジ
スト組成物において、密着助剤として下記式に示される
リン含有化合物を添加することにより、特にNi系金属
基板に関し、エッチング時の密着性が向上することを見
いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によ
れば、(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)キノンジアジ
ド化合物、及び(c)下記式(I)〜(VIII)で表される化
合物群から選択される少なくとも1種のリン化合物、を
含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物が提供
される。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】ここで、X1、X3、X4、X5及びX6は、
同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル
基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し;X2は、
炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ
基、炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフェニル基、
又は炭素数7〜10の置換もしくは未置換のベンジル基
を示し;X7、X8及びX9は、同一又は異なって、炭素
数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、
アミノ基、炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフェニ
ル基、炭素数7〜10の置換もしくは未置換のベンジル
基、又は炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフェノキ
シ基を示し;X10、X11、及びX13は、同一又は異なっ
て、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコ
キシ基、アミノ基、又は炭素数6〜9の置換もしくは未
置換のフェニル基を示す。
【0015】さらに、本発明によれば、上記ポジ型レジ
スト組成物の塗膜を基板上に形成し、露光及び現像によ
り形成されたレジストパターンをエッチングマスクとし
て基板をエッチングすることを特徴とする基板上に所定
パターンを形成する方法が提供される。
【0016】本発明の上記ポジ型レジスト組成物及び基
板上に所定パターンを形成する方法により本発明の上記
目的が達成される。前記公報のいずれにも、最近新たに
出てきたNi系金属膜を有する基板との密着性について
は全く記載も示唆もされていない。従って、本発明の、
上記の特定リン化合物を含有するレジスト組成物と、基
板、特にNi系基板との密着性が向上する事実を、当業
者が予測することは困難である。上記事実の理由及び密
着向上のメカニズムについては今のところよく判ってい
ない。いずれにせよ、本発明によりこれまでの知見では
考えられなかった予想外の有利な利点がもたらされたの
である。以下本発明を詳述するが、それにより本発明の
他の目的、利点及び効果が明らかとなるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のポジ型レジスト組成物に
用いられる(a)アルカリ可溶性樹脂として、フェノー
ル樹脂、ビニルフェノール樹脂、N−(ヒドロキシフェ
ニル)マレイミド共重合体樹脂、スチレン/無水マレイ
ン酸共重合体樹脂、カルボキシル基、スルホニル基、あ
るいはホスホン酸基等を含有する(メタ)アクリル酸樹
脂等を挙げることができるが、これらに制限されるもの
ではない。
【0018】アルカリ可溶性のフェノール樹脂として
は、例えば、”SyntheticResin in
Coatings”(H.P.Press著 Noye
sDevelopment Corporation.
1965,Pear River NY)の第5章に
記載された、フェノール/アルデヒド縮合体であるノボ
ラックあるいはレゾール樹脂等がある。ノボラック樹脂
はフェノール、p−クロルフェノール等のフェノール
類、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール
等のクレゾール類、あるいは2,3−ジメチルフェノー
ル、2,4−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフ
ェノール、3,5−ジメチルフェノール等のキシレノー
ル類を単独もしくは2種類以上を組み合わせたもの1モ
ルに対し、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、
アセトアルデヒドあるいはフルフラール等のアルデヒド
1〜0.6モルとを、酸触媒の存在下で付加重合させて
得られる。酸触媒には一般的に塩酸、硫酸、蟻酸、蓚酸
又は酢酸等が使われる。こうして得られる分子量が10
00〜50000のノボラック樹脂はアルカリ可溶性を
示し、本発明において好ましく使用することができる。
【0019】本発明のポジ型レジスト組成物に用いられ
る(b)キノンジアジド化合物は、キノンジアジド基、
好ましくはナフトキノンジアジド基を感光基として分子
内に含有する化合物である。(b)キノンジアジド化合
物は、周知の如く、露光によりジアジド基が分解し、さ
らに水と反応してカルボキシル基に変化し、露光域のレ
ジスト組成物がアルカリ現像液に可溶性となる。また、
非露光域では、溶解阻止剤としても機能する。(b)キ
ノンジアジド化合物は、典型的にはフェノール性水酸基
を有する化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5
(及び/又は−4)−スルホニルクロライドとを反応さ
せて、エステル化反応物として得られる。
【0020】フェノール性水酸基を有する化合物として
は、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン2,4,4'−
トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノン、2,2,'4,4'−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3',4',5'−ヘキ
サヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾ
フェノン類;ポリヒドロキシフェニルアルキルケトン
類;ビス(ポリヒドロキシフェニル)アルカン類;ポリ
ヒドロキシ安息香酸エステル類;ビス(ポリヒドロキシ
ベンゾイル)アルカン類;ビス(ポリヒドロキシベンゾ
イル)アリール類等のポリヒドロキシ化合物を挙げるこ
とができる。また、ポリヒドロキシ化合物の別の例とし
て、特開昭64−76047号公報に記載されているポ
リヒドロキシスピロビインダン化合物、特開平1−18
9644号公報記載のトリフェニルメタン系のポリヒド
ロキシ化合物等を挙げることができる。この他に特開平
4−274243号に記載されたもの等を挙げることが
できる。もちろんここに例示されたものに制限されず、
公知の数多くのものが使用できる。
【0021】これらポリヒドロキシ化合物と上記1,2
−ナフトキノンジアジド−5(及び/又は−4)−スル
ホニルクロライドとのエステル化反応物は、完全置換体
であっても、部分置換体の混合物であってもよく、いず
れも(b)キノンジアジド化合物として使用できる。
【0022】目標性能を得るためには、これらの(b)
キノンジアジド化合物は、単独で用いてもよいし、2種
類以上を組み合わせて用いてもよい。(b)キノンジア
ジド化合物は、(a)アルカリ可溶性樹脂100重量部
に対し、好ましくは5〜100重量部の範囲で用いられ
るが、より好ましくは5〜60重量部程度である。使用
量が5重量部に満たないときは、溶解阻止効果が十分に
得られないため、現像時、未露光域での膜減りが大きく
なり、残膜率の低下を引き起こし、良好な画像が得られ
ない。一方、100重量部を越えると、レジスト組成物
が完全に溶媒に溶解しないか、溶解しても(b)キノン
ジアジド化合物が再結晶する等の不安定要因が大きくな
る危険性があり、本来の性能を維持する上で好ましくな
い。
【0023】(a)アルカリ可溶性樹脂と(b)キノン
ジアジド化合物物との最適な組み合わせ及び(b)キノ
ンジアジド化合物の適性添加量は、実験的に決定するこ
とができる。
【0024】本発明のレジスト組成物に含有される
(c)前記式(I)〜(VIII)で表される化合物群から選択
される少なくとも1種のリン化合物(以下、「(c)リ
ン化合物」とも言う)は、エッチング時のレジストと基
板との密着向上剤として作用する。
【0025】(c)前記式(I)〜(VI)のX1〜X13は、以
下の通りである。 (1)X1、X3、X4、X5及びX6は、同一又は異なっ
て、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数
1〜3のアルコキシ基を示す。好ましい具体例として、
水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ
基を挙げることができる。
【0026】X2は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素
数1〜3のアルコキシ基、炭素数6〜9の置換もしくは
未置換のフェニル基、又は炭素数7〜10の置換もしく
は未置換のベンジル基を示す。置換フェニル基及び置換
ベンジル基の置換基としては、炭素数1〜3のアルキル
基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を挙げることができ
る。
【0027】X7、X8及びX9は、同一又は異なって、
炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ
基、アミノ基、炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフ
ェニル基、炭素数7〜10の置換もしくは未置換のベン
ジル基、又は炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフェ
ノキシ基を示す。置換フェニル基、置換ベンジル基、置
換フェノキシ基の置換基としては、炭素数1〜3のアル
キル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を挙げることが
できる。
【0028】X10、X11、及びX13は、同一又は異なっ
て、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコ
キシ基、アミノ基、又は炭素数6〜9の置換もしくは未
置換のフェニル基を示す。置換フェニル基の置換基とし
ては、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のア
ルコキシ基を挙げることができる。
【0029】式(I)で示される具体例としては、1-Triph
enyl phosphor anilidene-2-propanone, Methyl (tri
phenylphosphor anilidene) acetate, Ethyl (triphen
ylphosphor anilidene) acetate, Ethyl 2-(tripheny
lphosphor anilidene) propionate, t-butyl (triphen
yl phosphor anilidene) acetate, Benzyl (triphenyl
phosphor anilidene) acetate等があり、式(II)の具体
例としては、2-triphenyl phosphor anilidene propion
aldehyde,2-(triphenyl phospjor anilidene) butyl a
ldehyde等が挙げられる。式(III)の具体例としては、N-me
thoxy-N-methyl-2-(triphenylphosphor anilidene) ac
etamide等がある。式(IV)の具体例としては、Diethyl-4-
amino benzyl phosphonate, Triphenyl phosphine oxi
de, Ethyl diphenyl phosphine oxide, Methyl diphe
nyl phosphine oxide, Triphenyl phosphate等がある。
式(V)の具体例としては、Diphenylphosphonic acid, Di
hexadecyl phosphate,Bis(4-methoxyphenyl) phosphin
ic acid等がある。式(VI)の具体例としては、Diphenyl p
hosphor amidate, Diethyl phosphoramidate 等を挙げ
られる。これらに加えて、Triphenyl phosphine sulfide
〔式 (VII)〕, Diethyl(2-amino-2-thioxoethyl) pho
sphonate〔式(VIII)〕も(c)リン化合物として有効で
ある。
【0030】(c)リン化合物は、該組成物を構成する
アルカリ可溶性樹脂と感光物の固形分総量に対して、通
常0.001〜10重量%程度の範囲内の量が有効であ
り、さらに好ましくは0.005〜5重量%の範囲が適
正である。先に例示した化合物は、一般的にその様々な
物性が常に同じレベルにあるとは限らないが、最適な添
加量は概ねここに述べた範囲内であれば期待通りの効果
を得ることが出来る。添加量が、0.001重量%未満
であると期待した効果が発現しにくくなり、添加の意味
が薄れる。一方、10重量%を越えて添加した場合は、
効果はあるが添加量に見合うだけの密着性向上ではなか
ったり、感度、残膜率、解像度等のリソグラフィー性能
が低下したりする。また溶解性の点で問題が発生しやす
くなり、例えば溶解時に溶けにくかったり、レジスト組
成物を溶液として保存中、溶液中で析出再結晶したり、
析出がないまでも経時によりレジスト中の0.5μm以
下の液中パーティクル数が増加する等、不安定要因が増
大する傾向がある。
【0031】本発明のレジスト組成物の各成分の最適量
決定の作業は、処方化技術の基本であり、当業界に携わ
るものにとって特殊技術を要するものではない。
【0032】また、本発明のレジスト組成物は、溶液状
にして基板上に塗布する。溶液状にする溶剤としては、
従来のナフトキノンジアジド系のポジ型レジスト組成物
で用いられている有機溶剤の多くが使用可能であるが、
(c)リン化合物の溶解性には選択性があり、事前の溶
解性試験を行うことで容易に知ることが出来る。従って
使用する際しては充分な溶解性を示す溶剤を選択するこ
とが好ましい。
【0033】溶剤の具体例としては、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールプロピルエーテル等のグリコールエーテル系
溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネ
ート等のグリコールエーテル系溶媒のアシル化物;アミ
ルアセテート、ブチルアセテート、プロピルアセテー
ト、メチルアセテート、エチルアセテート等の酢酸エス
テル溶媒;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチ
ルラクトン等のケトン溶媒;この他に、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチルピロリドン、乳酸エチル、乳酸ブチル、
ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、エチルエトキシ
プロピオネート、メチルメトキシプロピオネート、3−
メトキシブチルアセテート等を挙げることができる。
【0034】これらの溶剤は単独もしくは2種類以上の
混合物として使用することもできる。但し、塗布の方法
によっては所望の塗膜形成が良好に行うことができない
組み合わせの場合もある。しかしこの場合、当該業者は
簡単な塗布試験により、塗布適正を容易に知ることが可
能であるから、そうした組み合わせを事前に避けること
ができる。
【0035】さらに本発明のポジ型レジスト組成物に
は、上記主要3成分の他に塗布性能を向上させたり塗膜
性状の向上のために、界面活性剤、改質樹脂、可塑剤等
の各種の添加剤、低分子量ポリマーあるいは低分子化合
物を添加することもできる。また視認性の向上を目的と
して、あるいは定在波の防止のため目的にかなう染料や
着色剤を添加することもできる。さらに感度向上のた
め、増感効果を示す低分子化合物や低分子量の樹脂成分
を添加することも可能である。これらの添加助剤は、追
加成分として加えた化合物の効果を相互に損なわない程
度の量に制限される。
【0036】上記界面活性剤は、一般的にスピン塗布時
に発生するストリエーションの防止、塗布面のレベリン
グ性向上、濡れ拡がりの向上等塗布の際の成膜性の改良
効果、あるいはローラーコートの際のロールへのレジス
トなじみの改良の他、表面濡れ性改良による現像性の改
良等をもたらす機能を有している。このような界面活性
剤には陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、
両性界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤を用いるこ
とができる。この内、ノニオン系界面活性剤を好適に用
いることができる。ノニオン系界面活性剤の具体的な例
として、アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキ
ルアリルポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピルアルキルエーテル、アルキルポ
リオキシプロピレンエーテル、アルキルアリルポリオキ
シプロピレンエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキ
シプロピルアルキルエーテル等のエーテル型;グリセリ
ンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタン
エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトール
エステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエ
ステル型;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グ
リセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタ
ンエステル、プロピレングリコールエステル等のエステ
ル型;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ア
ミンオキシド等の含窒素型界面活性剤を挙げることがで
きる。これらのノニオン系界面活性剤の多くが、市販さ
れている。
【0037】また、フッ素系のノニオン系界面活性剤も
好適に用いられ、例えばパーフルオロアルキル基もしく
はフルオロアルキル基を有する直鎖状フッ素界面活性剤
等を用いることができる。また珪素を含有するポリシロ
キサン系界面活性剤等も使用することができる。
【0038】界面活性剤は、固形分に対して、通常2重
量%以下の少量の使用で効果を発揮し、過剰の添加は、
ポジ型レジスト組成物全体の性能を損ねたり、経時安定
性を低下させる等好ましくない事態を引き起こす可能性
がある。
【0039】本発明のポジ型レジスト組成物の感度の改
良のために増感剤を使用することもできる。増感剤の例
として、特開昭58−37641号公報に記載されてい
るトリアゾール化合物、インダゾール系化合物、テトラ
ゾール化合物、特開昭61−172139号公報に記載
されているメルカプト−置換チアジアゾール系化合物、
特開昭58−149042号公報に記載されている化合
物、特開昭58−182633号公報に記載されている
化合物等含硫黄、含窒素のヘテロ環化合物等多くをを挙
げることができる。上記増感剤は、(a)アルカリ可溶
性樹脂に対して、通常0.1重量%〜20重量%程度の
範囲で用いられる。
【0040】また、本発明の組成物には溶解促進剤を添
加することができる。該溶解促進剤としては、カルボン
酸化合物又はポリヒドロキシ化合物であって、アルカリ
可溶性の低分子化合物を挙げることができる。具体的に
は、ポリヒドロキシベンゾフェノン、ポリヒドロキシト
リフェニルメタン、ポリヒドロキシジフェニルメタン、
ジ(ポリヒドロキシベンジル)フェノール等を挙げるこ
とができる。上記溶解促進剤は、他の添加剤同様に適性
添加量があり、(a)アルカリ可溶性樹脂に対して、1
〜40重量%程度の範囲で使用することができる。
【0041】また、本発明のポジ型レジスト組成物に染
料を添加する場合は、露光する光の波長に対し適切な吸
収を有し、使用する溶剤に溶解する染料が選択される。
アルカリ溶解姓を有するものが好ましいが、性能を損な
わない範囲で、アルカリ可溶性のない染料も数多く使用
可能である。染料の添加量は、通常0.1〜5重量%程
度である。
【0042】上記した各成分を含有する本発明のポジ型
レジスト組成物は、所望のパターン形成のために使用さ
れる。本発明の組成物は、基板上に塗布されて塗膜が形
成される。塗布の手段としては、回転塗布方式のスピン
ナー、ロールを用いた各種のロールコーター、バーを使
うバーコーター、スリットアンドスピン等種々の装置が
適用可能である。しかしながら使用する溶剤によっては
光沢のある平坦な塗膜が得られないこともあるので、塗
布方法に応じて塗布適性のある溶剤選択が適宜必要な場
合もある。
【0043】基板としては、各種金属膜が蒸着あるいは
スパッタリングされたシリコンウェーハー;ITO、C
r、Mo、Ta、Al、シリコン窒化膜等の金属あるい
は透明導電膜の形成されたガラス基板あるいはセラミッ
ク基板等を挙げることができる。本発明では、基板(被
エッチング体)が、Ni系金属基板である場合、即ち、
基板表面が、例えばNi、Ni/NiOx、Ni−Cu
合金、Ni−W合金等の膜が形成されている場合に特に
有効である。
【0044】これらの基板上に、前記手法により乾燥後
の厚みが0.5〜数μmの塗膜を形成する。塗布の条件
は、採用した塗布方法に応じたものである。例えば、プ
リベーク温度は、塗布方法にもよるが、通常80〜13
0℃程度が一般的で、時間は30秒から60分程度まで
乾燥方法に応じて適宜選択される。レジスト膜が形成さ
れた基板に、所望パターンを有するマスクを通して、ス
テッパー、プロジェクションアライナー、コンタクトア
ライナーあるいは超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、アーク灯、キセノンランプ等の光源が装着された露
光装置で光照射し潜像形成を行う。潜像形成後は、所定
の現像液で現像処理を行う。
【0045】上記現像液としては、有機系、無機系のど
ちらも使用が可能である。有機系現像液の例としては、
0.5〜5重量%程度、好適には0.5〜3重量%濃度
のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(以下「T
MAH」という)水溶液あるいはコリン系水溶液が挙げ
られる。無機系の現像液としては、例えば、0.1〜5
重量%程度、好ましくは0.3〜3重量%の苛性ソー
ダ、苛性カリ、珪酸ソーダ等の水溶液を挙げることがで
きる。これらの現像液の温度は、使用するプロセス、目
標性能に応じて適宜選択される。一般的には、18〜2
5℃の温度で、30秒〜2分程度の現像時間が採用され
る。露光されたサンプル基板は、これらの現像液に浸漬
あるいはシャワー、パドル等の方式により、所定の時間
接触させ、その後水による洗浄を行うことにより、所望
のレジストパターンを得ることができる。
【0046】このようにして得られたレジストパターン
をエッチングマスクとして、使用基板に適切なエッチャ
ントを選択し、基板のウェットエッチングもしくはプラ
ズマ等を用いたドライエッチングを行う。液晶表示素子
の製造には、ウェットエッチング、ドライエッチングの
いずれもが使用することができる。ウェットエッチング
を行う場合は、エッチャントの基板界面浸透あるいはレ
ジスト膜内浸透によって生ずるアンダーカット、あるい
は基板表面荒れを防止するためにポストベークを行うこ
とが望ましい。通常このポストベークは、レジストの基
板密着性を多少なりとも上げることを目的として行わ
れ、装置による違いはあるものの、100〜140℃程
度の温度で、数分〜数10分間行われるが、これに制限
されない。
【0047】使用できるエッチャントとしては、従来公
知のものが使用できるが、代表的には、塩化第2鉄/塩
酸系、塩酸/硝酸系、HBr系、第2セリウムアンモン
系、フッ酸系等を挙げることができる。採用され得るウ
ェットエッチングの方法には、枚葉スプレー(あるいは
シャワー)、枚葉スプレーパドル、一括浸漬法等があ
る。エッチング条件は、被エッチング体により異なる。
一般的には室温付近から50℃前後の間のある一定温度
で、ジャストエッチの1.5〜3倍の時間で行われる。
液晶表示素子の製造では使用される基板が大きいことも
あり、エッチングのユニフォーミティ向上のため枚葉ス
プレー(あるいはシャワー)エッチングを採用すること
が好ましい。
【0048】エッチング処理に続き充分な水洗浄を行な
った後、NaOH、KOH等の2〜10重量%程度の濃
度を有する無機アルカリ水溶液、有機溶剤系、又は有機
溶剤/有機アルカリ系の剥離液を用いてレジストを湿式
剥離するか、酸素プラズマ等を利用したドライアッシン
グによりレジストを剥離除去する。このような一連の処
理を経て、所定の金属膜の回路パターンあるいはブラッ
クマトリクスパターンが形成される。
【0049】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんらの限定
を受けるものではない。
【0050】[評価レジストの準備]最初に、(c)リ
ン化合物の効果比較確認のために、ベースとなる処方の
レジストを次に示す組成で調合した。(c)リン化合物
の溶剤溶解性に応じて溶剤種だけが異なる、3種のレジ
ストをA,B,Cとする。A,B,Cには、リン化合物
は含まれず、(a)アルカリ可溶性樹脂(ノボラック樹
脂)、(b)キノンジアジド化合物及び溶剤だけから成
る。また、A,B,Cはいずれも同一の原料を使い、上
記(a)成分と(b)成分の処方比も同一とした。 総固形分濃度 30 重量% ・(a)ノボラック樹脂固形分 21.6重量% (m/p比=50/50、分子量=12000) ・(b)キノンジアジド化合物 8.4 重量% (a)/〔(a)+(b)〕=0.28 〔キノンジアジド化合物:2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンナフ トキノンジアジド−5−スルホニルエステル(完全置換体=36%)〕 ・溶剤 70 重量% A: ECA(エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート) B: PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテル アセテート) D: EL/EEP(80/20) (EL :エチルラクテート EEP:エチルエトキシプロピオネート)
【0051】この基本処方のレジストに対して、 1.添加剤の種類を変えた場合・・・この場合添加量を
3重量%固定とした。 2.幾つかの添加剤の関して、添加量を変化させた場合
について、処方調液し溶解させた後、0.2μmのポア
サイズのフィルターで濾過を行い塗布溶液とした。比較
例と共に、次に述べるような方法に従い評価を行った。
【0052】[評価の方法] 1.画像形成 まず、スパッタリング法により形成された厚みが約13
50ÅのNi−Cu膜のついた100mm角に切断した
ガラス基板を、所定の方法により洗浄乾燥し、吸着水の
脱水のため200℃のクリーンオーブンで15分の加熱
処理を行った。冷却後この基板を用いて準備したレジス
トをスピンコーターにより塗布した。プリベークは吸着
型のホットプレートを使用し、90℃/90秒の加熱処
理を行った。なお、塗膜の厚さを1.3±0.01μm
に揃えるために、各サンプルに関し事前に回転数を調べ
ておくことが必要である。ついで、このNi−Cu基板
を所定のマスクパターンがついたテストレチクルを通し
て、キャノン製のマスクアライナ−PLA−501Fを
使い、超高圧水銀灯から発せられるghi−ミックスの
ブロードな紫外線光に曝し、プロキシミティモードで露
光した。各サンプルについて20μmのパターンに注目
し、ラインアンドスペースが得られる露光量Eoptを
顕微鏡下の寸法比較により確認した後、別に用意したレ
ジスト塗布基板に一括露光した。露光後は0.6%に調
整された苛性ソーダ水溶液を現像液として、23℃で6
0秒間緩やかな揺動浸漬法により現像処理を行った。所
定時間の後、DIWで30秒間流水洗浄を行い、N2
スブローにより水滴を取り除いて所望レジストパターン
を得た。
【0053】2.エッチングテスト ここまで処理の終わったNi−Cu基板を、吸着型ホッ
トプレートを使い、120℃に保持された加温プレート
上で240秒のポストベーク処理を行った。ポストベー
ク処理終了後ウェットエッチング処理を行った。評価の
ために使用したエッチャンの組成は次に示すものであ
る。HCl:FeCl3 :H2O=22.5:0.5:
77.0(重量%)エッチングは40±1℃の温度条件
下、静止浸漬法で行なった。エッチングテストに先立
ち、Ni−Cu基板のジャストエッチタイムを測定し、
これに基づきテストエッチングタイムを決めた。ジャス
トエッチに対し、通常生産ラインで行われている1.5
〜3倍のオーバーエッチングタイムと、比較のため過剰
のオーバーエッチングによる強制評価とを考慮した。所
定のエッチング時間を経過した後、流水で十分に洗浄し
N2ブローにより水滴を除いた。
【0054】3.寸法測定 エッチング終了後、マニュアル型寸法測定機を使いレジ
ストパターンの寸法を測定した後、5%の苛性ソーダ水
溶液を剥離液としてレジストを溶解除去してNi−Cu
パターンを得た。このNi−Cuパターンの寸法をレジ
ストと同様にして測定した。レジスト寸法とNi−Cu
寸法の差からNi−Cu膜のアンダーカット量を見積も
り、その大きさを比較することで各種添加剤の密着向上
効果を比較した。一般的にはジャストエッチ付近では性
能差が小さいため比較しにくいので、オーバーエッチン
グのところで比較した。基板面内でエッチングばらつき
があるので、対角方向に5点測定を行い平均値を評価値
とした。
【0055】〔実施例1〜18〕表1は種類の異なる添
加剤の効果を比較したものである。表1に示すような添
加剤をレジストに一律3%添加しサンプルを前述の方法
で準備した。比較のために 1.全く添加剤を入れないベースレジスト 2.添加剤を含まないベースのレジスト及び有機リン酸
化合物の代表として、特開平5−181281号公報記
載の代表例としてフェニルホスホン酸を選び添加したサ
ンプル、 3.特開平7−36180号公報記載の亜リン酸トリエ
チルを実施例の記載量だけ添加したサンプル、 4.従来レジストでの密着助剤の比較例として特公平8
−27535号公報記載の化合物のうち、テトラメチル
チウラムスルフィドを選びこれを実施例の記載量だけ添
加したサンプル を用意し比較した。評価は先に述べた方法に従った。こ
の実験では、ITOのエッチング時間はジャストエッチ
70秒の6倍のエッチング時間で比較した。また、Ni
−Cu基板の場合、ジャストエッチ時間は205秒であ
り、実際のエッチング時間を2.5倍の510秒として
エッチング処理した。添加剤を入れない場合はITOの
場合もNi−Cuの場合も、両方最も密着性が悪いこと
が判る(比較例1)。一方従来ITO、Cr等の密着助
剤として効果があるとされている比較例(2〜4)の場
合、ITOに対しては密着向上効果が認められた。しか
しNi−Cu基板に対しては必ずしも効果は見いだせな
かった。これに対し本発明で開示したリン含有化合物を
添加した実施例1〜18では、Ni−Cu基板に対して
密着向上効果を持つことが判る。
【0056】
【表1】
【0057】〔実施例19〜34〕次に、表1に示した
リン含有化合物のうち表2に示すものを例として選び、
添加量の効果に関して評価した。添加量は表2に示すよ
うに0.1〜1.5重量%とした。前記実施例に記載さ
れたような手順で画像形成を行い、エッチングテストを
行った。この実験ではジャストエッチ時間が195秒で
あったので、この2.5倍の480秒でエッチング処理
した。添加量が増えると密着性も向上する傾向が見られ
る。しかし0.1%添加するだけで効果が発現し、添加
量を増加させても格段の向上効果が見られるわけではな
く、あるレベルから効果は飽和傾向になることが予想さ
れる。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明のポジ型レジスト組成物を用いる
ことにより、露光、現像後のレジストと金属基板、特に
Ni系金属基板との密着性が良好となった。その結果、
エッチング処理の作業性の改善され、アンダーカットが
少なくなり、加工精度の改善向上が計られ、精密フォト
エッチングが可能となった。即ち、基板への密着性を上
げることで、大型基板におけるオーバーエッチングで発
生する、基板の周辺部と中心部における仕上がり寸法の
ばらつきを小さくすることができる。また加工精度の向
上は、歩留まりの向上にも貢献する。ウェットエッチン
グの際、サイドエッチング量が小さいので、エッチャン
トを強いものにしてエッチング時間を短縮することがで
きる等、エッチング工程の改良を行うことにより、スル
ープットの向上が期待できる。さらにNi系金属基板に
おいては、本発明のポジ型レジスト組成物を用いること
により、従来のレジストでは達成が困難であった、より
微細なパターンの形成を行うことが出来ようになるた
め、高精細の液晶表示素子の提供が可能になる。それと
共に脱Cr化、非Cr化を一層進め易くし、Crが原因
の環境汚染に関連する問題の解消にも繋がる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)キノン
    ジアジド化合物、及び(c)下記式(I)〜(VIII)で表さ
    れる化合物群から選択される少なくとも1種のリン化合
    物、を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成
    物。 【化1】 【化2】 ここで、X1、X3、X4、X5及びX6は、同一又は異な
    って、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素
    数1〜3のアルコキシ基を示し;X2は、炭素数1〜3
    のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数6
    〜9の置換もしくは未置換のフェニル基、又は炭素数7
    〜10の置換もしくは未置換のベンジル基を示し;
    7、X8及びX9は、同一又は異なって、炭素数1〜3
    のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アミノ
    基、炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフェニル基、
    炭素数7〜10の置換もしくは未置換のベンジル基、又
    は炭素数6〜9の置換もしくは未置換のフェノキシ基を
    示し;X10、X11、及びX13は、同一又は異なって、炭
    素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ
    基、アミノ基、又は炭素数6〜9の置換もしくは未置換
    のフェニル基を示す。
  2. 【請求項2】(c)上記リン化合物を、(a)アルカリ
    可溶性樹脂と(b)キノンジアジド化合物の総固形分量
    に対して0.001重量%〜10重量%含有する請求項
    1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポジ型レジスト
    組成物の塗膜を基板上に形成し、露光及び現像により形
    成されたレジストパターンをエッチングマスクとして基
    板をエッチングすることを特徴とする基板上に所定パタ
    ーンを形成する方法。
  4. 【請求項4】 基板が、ウエーハー上又はガラス板上に
    Ni系膜が形成されている請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 Ni系膜が、Ni金属、Ni−Cu合
    金、Ni−W合金、Ni−Fe合金又はこれらの酸化物
    からなる請求項4に記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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