JPH1184136A - 側面発光光ファイバ - Google Patents

側面発光光ファイバ

Info

Publication number
JPH1184136A
JPH1184136A JP10196245A JP19624598A JPH1184136A JP H1184136 A JPH1184136 A JP H1184136A JP 10196245 A JP10196245 A JP 10196245A JP 19624598 A JP19624598 A JP 19624598A JP H1184136 A JPH1184136 A JP H1184136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core material
light
optical fiber
outer periphery
clad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10196245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2931298B2 (ja
Inventor
Nobuaki Yabunouchi
伸晃 薮ノ内
Masaru Yokoyama
勝 横山
Mikio Sei
三喜男 清
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Kenji Tsubaki
健治 椿
Kenji Sonoda
健二 園田
Keiji Kosaka
啓詞 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP10196245A priority Critical patent/JP2931298B2/ja
Publication of JPH1184136A publication Critical patent/JPH1184136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2931298B2 publication Critical patent/JP2931298B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02033Core or cladding made from organic material, e.g. polymeric material
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/0001Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems
    • G02B6/0005Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems the light guides being of the fibre type
    • G02B6/001Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems the light guides being of the fibre type the light being emitted along at least a portion of the lateral surface of the fibre
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02395Glass optical fibre with a protective coating, e.g. two layer polymer coating deposited directly on a silica cladding surface during fibre manufacture

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 集光量が多く、側面からの大きな発光量を得
ることができる側面発光光ファイバを提供する。 【解決手段】 光を伝送するコア材1と、コア材1の外
周に設けられたシリカエアロゲルからなるクラッド材2
と、クラッド材2の外周を覆う透明な被覆材3とから光
ファイバを形成する。そしてコア材1とクラッド材2の
接触界面の少なくとも一部に凹凸を設けて側面発光光フ
ァイバを形成する。クラッド材を構成するシリカエアロ
ゲルは屈折率が1.0008〜1.18と低く、コア材
とクラッド材の比屈折率が大きくて受光角が大きい光フ
ァイバを形成することができる。またコア材中を伝送さ
れる光をコア材とクラッド材の接触界面の凹凸で散乱さ
せて側面発光させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア材とクラッド
材から形成される光ファイバを応用した側面発光光ファ
イバに関するものであり、詳しくは、太陽光の伝送、自
動車部品等の照明、洗面化粧台、キッチン、浴室など水
回りでの照明、廊下、階段での手摺り照明など、バリア
フリー空間向けの照明、また美術館や博物館向けの熱線
や紫外線カット照明におけるライトガイドなどに適用す
ることができる側面発光光ファイバに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバのコア材としては、石
英系ガラスや多成分系ガラス等のガラス類、メチルメタ
クリレート等のアクリル系やスチロール系のプラスチッ
ク類、あるいはテトラクロールエチレン等の透明な液体
類が用いられている。また、クラッド材としては、コア
材よりも屈折率の低いソーダライム系やホウケイ酸ガラ
ス系等のガラス類やテトラフルオロエチレン/フッ化ビ
ニリデン共重合体等のフッ素樹脂が用いられている。
【0003】そしてこのような光ファイバにおいて、側
面から発光させて照明等に利用する試みが一部において
なされている。例えばコア材とクラッド材の界面に凹凸
を付けることによって、コア材中を伝送される光をこの
凹凸で散乱させ、散乱させたこの光を光ファイバの側面
から発光させるようにすることができる。
【0004】しかし、従来の光ファイバーでは集光量に
限度があり、従って側面からの発光量が不十分であり、
照明の主流を占めるに至るには程遠いのが現状である。
【0005】すなわち、光ファイバにおいて、クラッド
材の屈折率はコア材の屈折率よりも低くなるように構成
されているが、それらの屈折率の差の大小により光ファ
イバの受光角及びコア材とクラッド材との境界面におけ
る光の全反射角が異なってくる。一般的にコア材とクラ
ッド材の屈折率の差を表す指標として、次式で表される
比屈折率差が用いられている。
【0006】比屈折率差=(n1−n2)/n1 (式中、n1はコア材の屈折率、n2はクラッド材の屈折
率を示す。) また、光ファイバの開口数及び受光角θ(図10参照)
は次式で表される。
【0007】開口数=n・sinθ=(n1 2−n2 2
1/2 (式中、nは光ファイバの外界の屈折率であり、通常は
空気でn=1.0である。) これらの式にみられるように、光ファイバの受光角θは
コア材とクラッド材の屈折率の差が大きい程大きくな
り、すなわち比屈折率差が大きいほど大きくなる。つま
り多くの光を集光して伝送するには、比屈折率差を大き
くして光ファイバの受光角θを大きくする必要がある。
このことは、コア材の屈折率を高くし、クラッド材の屈
折率を低くすることで達成され得るものである。
【0008】ここで、ガラス光ファイバにおいて、純粋
な石英ガラスは光損失が小さく、耐熱性、耐薬品性に優
れていることからコア材として多用されている。しかし
ながら、石英ガラスの屈折率は1.46と低く、これよ
りも屈折率が低いクラッド材の選定が問題となる。そこ
でクラッド材にガラスを用いる場合には、純粋な石英ガ
ラスよりも屈折率を低下させるために、B23やフッ素
等の屈折率低下成分を添加する方法等がとられている。
また、石英ガラスに屈折率上昇用ドーパントを添加する
ことにより、光損失を低く維持した状態で屈折率を上昇
させる方法もある。このようなドーパントとしては、T
iO2、Ta25、SnO2、Nb25、ZrO2、Yb2
3、La23、Al23等が挙げられる。この場合に
は、クラッド材として純粋な石英ガラス、あるいはより
低屈折率なドープト石英ガラスを用いることができる。
また、クラッド材としてプラスチックを用いる場合に
は、ポリシロキサンやシリコンゴム等のケイ素樹脂や、
フツ化エチレンプロピレン、フツ化ビニリデン等のフッ
素含有樹脂等が使用されるが、これらの屈折率は低いも
ので1.29〜1.33程度である。
【0009】前述したように、コア材とクラッド材の比
屈折率差により光ファイバの受光角θは変化する。例え
ば、ライトガイドにおいて、コア材にフリント系のF2
ガラス(屈折率1.62)、クラッド材にソーダライム
系ガラス(屈折率1.52)を用いた場合、開口数は
0.56、受光角θは34°となる。また、プラスチッ
ク光ファイバにおいても、コア材にメタクリル樹脂(屈
折率1.49)、クラッド材にフッ素樹脂(屈折率1.
39)を用いた場合には、開口数は0.54、受光角θ
は32°となる。このように、従来のコア材及びクラッ
ド材を用いて光ファイバを製造した場合には、受光角θ
は30〜50°程度であり、多くの光を集光して伝送す
ることのできる光ファイバを製造することは困難であ
る。
【0010】このように従来の光ファイバでは集光量が
少なく、従って光ファイバの側面から発光させる発光量
も不十分になるものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、集光量が多く、側面からの大
きな発光量を得ることができる側面発光光ファイバを提
供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る側面発光光
ファイバは、光を伝送するコア材と、コア材の外周に設
けられたシリカエアロゲルからなるクラッド材と、クラ
ッド材の外周を覆う透明な被覆材とからなり、コア材と
クラッド材の接触界面の少なくとも一部に凹凸が形成さ
れて成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項2の発明は、被覆材として熱収
縮チューブを用い、熱収縮チューブの熱収縮によってコ
ア材の外周にクラッド材が一体化されていることを特徴
とするものである。
【0014】また請求項3の発明は、被覆材としてシリ
アカエアロゲルが片面に固着されたテープを用い、シリ
カエアロゲルの固着面でコア材の外周にテープを巻き付
けることによって、コア材の外周にクラッド材が一体化
されていることを特徴とするものである。
【0015】また請求項4の発明は、コア材とクラッド
材の間、クラッド材と被覆材の間、被覆材の外周のいず
れかに、コア材の外周の一部を覆うように光反射性を有
する光反射層を設けて成ることを特徴とするものであ
る。
【0016】また請求項5の発明は、コア材とクラッド
材の接触界面の少なくとも一部に形成される凹凸が、光
の入射端部から遠ざかるにつれて大きさと数の少なくと
も一方が増大しているものであることを特徴とするもの
である。
【0017】また請求項6の発明は、コア材とクラッド
材の接触界面の少なくとも一部に形成される凹凸が、外
周方向の少なくとも一部において、軸方向に連続するよ
うに設けられているものであることを特徴とするもので
ある。
【0018】また請求項7の発明は、コア材とクラッド
材の接触界面の少なくとも一部に形成される凹凸が、軸
方向の複数箇所に設けられているものであることを特徴
とするものである。
【0019】また請求項8の発明は、シリカエアロゲル
が、ケイ酸エステル含有溶液のゲル状化合物を疎水化処
理及び超臨界乾燥して得られたものであることを特徴と
するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】本発明に係る光ファイバは、コア材とコア
材の外周面を覆う、コア材より光の屈折率が低いクラッ
ド材から形成されるものであり、コア材としては、例え
ばポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル
系若しくはスチロール系等のプラスチック類、あるいは
テトラクロルエチレン等の透明な液体類を用いることが
できる。
【0022】一方、本発明においてクラッド材はシリカ
の多孔質骨格からなるシリカエアロゲルによって形成さ
れるものである。シリカエアロゲルは原料配合によって
屈折率を変化させることができるが、1.0008〜
1.18の低い屈折率を有する。このように屈折率が非
常に小さいので、種々のコア材に対して比屈折率を飛躍
的に大きくすることができるものであり、シリカエアロ
ゲルのクラッド材の屈折率が1.1で受光角θは最大9
0°にすることができる。従って広い受光角で集光する
ことが可能になり、入射端からの集光率が高く集光量の
多い光ファイバを形成することができるものである。ま
た出射端における出射角も大きくすることができる。
【0023】ここで、シリカエアロゲルは、アルコキシ
シランやケイ酸ナトリウムなどケイ酸エステル含有溶液
のゲル状化合物を疎水化処理及び超臨界乾燥して得るこ
とができる。すなわち、米国特許第4402827号公
報、同第4432956号公報、同第4610863号
公報等で提供されているように、アルコキシシラン(シ
リコンアルコキシド、アルキルシリケートとも称され
る)の加水分解、重合反応によって得られたシリカ骨格
からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコールあるい
は二酸化炭素等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒
の超臨界点以上の超臨界状態で乾燥することによって製
造することができる。また、米国特許第5137297
号公報、同第5124364号公報で提供されているよ
うに、ケイ酸ナトリウムを原料として同様に製造するこ
とができる。そして、特開平5−279011号公報、
特開平7−138375号公報に開示されているよう
に、上記のゲル状化合物を疎水化処理することによっ
て、シリカエアロゲルに疎水性を付与することができ
る。疎水化処理は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前
に、あるいはゲル状化合物を超臨界乾燥する時に、行な
うことができる。このように、疎水性を付与した疎水性
シリカエアロゲルは、湿気や水等が侵入し難くなり、屈
折率や光透過性等の性能が劣化し難くなるものである。
【0024】図1は本発明の請求項2に係る側面発光光
ファイバの実施形態の一例を示すものであり、コア材1
の外周にシリカエアロゲルからなるクラッド材2を設け
ると共にクラッド材2の外周を透明な被覆材3で覆うこ
とによって、コア材1の外周にクラッド材2を保持する
ようにしてある。そして図1の実施の形態では、この被
覆材3として透明な熱収縮チューブ3aを用いるように
してある。熱収縮チューブ3aとしては、加熱すること
によって寸法収縮するものであれば特に制限されること
なく使用することができるものであり、例えばフッ素樹
脂系、シリコーン樹脂系、エチレンプロピレンゴム系等
のポリオレフィン系などを用いることができる。
【0025】被覆材3として熱収縮チューブ3aを用い
て側面発光光ファイバを製造するにあたっては、コア材
1の外周部に熱収縮チューブ3aを配置し、コア材1と
熱収縮チューブ3aの間の隙間に粉末状あるいは粒状の
シリカエアロゲルを挿入して充填した後に、熱収縮チュ
ーブ3aを加熱して熱収縮チューブ3aを収縮させるこ
とによって、シリカエアロゲルからなるクラッド材2を
コア材1の外周に固定して保持するようにして行なうこ
とができるものである。ここで、熱収縮チューブ3aを
熱収縮させることによって、コア材1の表面にはクラッ
ド材2を構成するシリカエアロゲルの粉粒体が押しつけ
られ、コア材1の表面がシリカエアロゲルの粉粒体によ
って変形されて微細な凹凸となり、コア材1とクラッド
材2の接触界面に凹凸が生じる。
【0026】そしてこのようにコア材1とクラッド材2
の接触界面に凹凸が形成された側面発光光ファイバにあ
って、コア材1中を伝送される光がコア材1とクラッド
材2の接触界面に入射されると、この界面の凹凸によっ
て図1(a)のように光が散乱され、散乱された光の一
部がクラッド材2及び被覆材3を通して光ファイバの外
周から射出されることによって、光ファイバの側面を発
光させることができるものである。クラッド材2として
シリカエアロゲルを用いて形成した光ファイバは受光角
θが大きく集光量が大きいので、側面からの発光量も大
きい側面発光光ファイバを得ることができるものであ
る。
【0027】図2は本発明の請求項3に係る側面発光光
ファイバの実施形態の一例を示すものであり、被覆材3
として片面に接着剤を塗布したテープ3bを用いるよう
にしてある。テープ3bは透明であれば、幅や厚み等の
形状は特に限定されないが、例えばポリエチレン、架橋
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンエラス
トマーなどのテープを用いることができる。また疎水性
のシリカエアロゲルはアルコールやアセトンなど有機溶
剤に接すると収縮して白濁するおそれがあるので、この
ような耐溶剤性を考慮すると、テープ3bの接着剤は無
溶剤性の感圧接着剤(粘着剤とも言われる)やホットメ
ルト接着剤であることが好ましい。
【0028】被覆材3としてテープ3bを用いて側面発
光光ファイバを製造するにあたっては、図2(b)に示
すようにテープ3bの接着剤を塗布した面に粉粒状のシ
リカエアロゲル2aを散布等して貼着させ、コア材2の
外周にシリカエアロゲル2aが接するようにテープ3b
を巻き付けることによって、図2(a)のようにシリカ
エアロゲル2aのクラッド材2をコア材1の外周に固定
して保持するようにして行なうことができるものであ
る。ここで、コア材1の外周にテープ3bを巻き付ける
ことによって、コア材1の表面にはクラッド材2を構成
するシリカエアロゲルの粉粒体が押しつけられ、コア材
1の表面がシリカエアロゲルの粉粒体によって変形され
て微細な凹凸となり、コア材1とクラッド材2の接触界
面に凹凸が生じる。
【0029】そしてこのようにコア材1とクラッド材2
の接触界面に凹凸が形成された側面発光光ファイバにあ
って、コア材1中を伝送される光がコア材1とクラッド
材2の接触界面に入射されると、この界面の凹凸によっ
て図2(a)に示すように光が散乱され、散乱された光
の一部がクラッド材2及び被覆材3を通して光ファイバ
の外周から射出されることによって、光ファイバの側面
を発光させることができるものである。クラッド材2と
してシリカエアロゲルを用いて形成した光ファイバは受
光角θが大きく集光量が大きいので、側面からの発光量
も大きい側面発光光ファイバを得ることができるもので
ある。
【0030】尚、コア材1とクラッド材2の接触界面の
凹凸を、上記のようにコア材1の表面にシリカエアロゲ
ルの粉粒体を押しつけることによって形成するために
は、コア材1としてクラッド材2を構成するシリカエア
ロゲルよりも硬度の低いものを用いるのが好ましい。ま
た、コア材1とクラッド材2の接触界面の凹凸を光ファ
イバの全長に設けるようにすると、光ファイバの全長に
亘って側面から発光させることができるが、光ファイバ
の一部にのみこの凹凸を設けるようにすると、このコア
材1とクラッド材2の接触界面の凹凸を設けた部分での
み光ファイバの側面から発光させることができるもので
ある。
【0031】上記の図1や図2の実施の形態の側面発光
光ファイバは、側面の全周から発光されるようになって
いるが、光反射層4をコア材1の外周の一部を覆うよう
に設けることよって、光反射層4で覆われていない部分
の側面からのみ発光させるようにして、照射の指向特性
を付与することができる(請求項4)。図3はコア材1
とクラッド材2の間に光反射性を有するフィルムを挿入
することによって、コア材1とクラッド材2の間に光反
射層4を設けるようにしたもの、図4はクラッド材2と
被覆材3の間に光反射性を有するフィルムを挿入するこ
とによって、クラッド材2と被覆材3の間に光反射層4
を設けるようにしたもの、図5は被覆材3の外周に光反
射性を有するフィルムを貼ることによって、被覆材3の
外周に光反射層4を設けるようにしたものである。光反
射性を有するフィルムは、形状、材質などは特に制限さ
れるものではないが、高反射率の表面を有し、一方向に
光を誘導するものであることが望ましい。被覆材3とし
ては図1の実施形態の熱収縮チューブや図2の実施形態
のテープを用いることができるものであり、図1の実施
形態や図2の実施形態の場合と同様に、コア材1の表面
がシリカエアロゲルの粉粒体によって変形されて微細な
凹凸となり、コア材1とクラッド材2の接触界面に凹凸
が形成されている。
【0032】上記のように光反射層4を設けて形成され
る側面発光光ファイバにあって、コア材1中を伝送され
る光が、光反射層4を設けていない箇所においてコア材
1とクラッド材2の接触界面に入射されると、コア材1
とクラッド材2の界面の凹凸によって光が散乱され、散
乱された光の一部がクラッド材2及び被覆材3を通して
光ファイバの光反射層4を設けていない箇所の外周から
射出されることによって、光ファイバの側面を発光させ
ることができるものである。そして図3のものでは、コ
ア材1中を伝送される光が光反射層4に入射されると、
図3(a)に示すように光反射層4で光が反射され、こ
の光反射層4で反射された光は光反射層4を設けていな
い箇所の外周から射出される。また図4のものでは、コ
ア材1中を伝送される光が光反射層4を設けた箇所にお
いてコア材1とクラッド材2の接触界面に入射される
と、コア材1とクラッド材2の界面の凹凸によって光が
散乱されるが、この散乱された光の一部がクラッド材2
を通過すると共に光反射層4で反射され、この光反射層
4で反射された光は光反射層4を設けていない箇所の外
周から射出される。さらに図5のものでは、コア材1中
を伝送される光が光反射層4を設けた箇所においてコア
材1とクラッド材2の接触界面に入射されると、コア材
1とクラッド材2の界面の凹凸によって光が散乱される
が、この散乱された光の一部がクラッド材2及び被覆材
3を通過すると共に光反射層4で反射され、この光反射
層4で反射された光は光反射層4を設けていない箇所の
外周から射出される。
【0033】このように、光反射層4を設けた箇所から
は側面発光光ファイバの側面に発光されず、光反射層4
を設けていない箇所の側面からのみ発光されるので、所
定の方向に高い照度で側面発光させることが可能になる
ものである。
【0034】図6は本発明の請求項5に係る側面発光光
ファイバの実施形態の一例を示すものであり、直径が軸
方向の全長に亘って一定のコア材1の外周にシリカエア
ロゲルからなるクラッド材2を設けるにあたって、コア
材1の光が入射する側の端部1aから遠ざかるにつれて
厚みが順次厚くなるようクラッド材2を形成するように
してある。そして被覆材3としては図1の実施形態と同
様な熱収縮チューブ3aを用いるものであり、クラッド
材2の外周を熱収縮チューブ3aで覆って、熱収縮チュ
ーブ3aを加熱収縮させることによって、コア材1の表
面がシリカエアロゲルの粉粒体によって変形されて微細
な凹凸となり、コア材1とクラッド材2の接触界面に凹
凸を形成することができるものである。このとき、シリ
カエアロゲルからなるクラッド材2はコア材1の入射端
部1aから遠ざかるにつれて順次厚くなるように形成し
てあるので、厚みの厚い部分程、熱収縮チューブ3aの
収縮の際の押圧力を強く受けるので、コア材1の表面が
シリカエアロゲルの粉粒体によって変形されることによ
ってコア材1とクラッド材2の接触界面に形成される凹
凸は、入射端部1aから遠ざかるにつれて大きさ(深さ
も含め)が大きくなるものである。
【0035】このような光の入射端部から遠ざかるにつ
れてコア材1とクラッド材2の接触界面の凹凸が大きく
なる側面発光光ファイバを製造するにあたっては、ま
ず、一端の径が小さく、他端の径が大きくなるようにテ
ーパの付いた心材5を用い、この心材5の外周に熱収縮
チューブ3aを図7(a)のように被せ、熱収縮チュー
ブ3aを加熱収縮させて心材5の外周に密着させること
によって、図7(b)のように熱収縮チューブ3aを長
手方向に内径が序々に大きくなるようにする。次にこの
熱収縮チューブ3aを直径が軸方向の全長に亘って一定
のコア材1の外周に図7(c)のように配置し、コア材
1と熱収縮チューブ3aの隙間に粉末状あるいは粒状の
シリカエアロゲルを充填した後に、熱収縮チューブ3a
を加熱して収縮させることによって、シリカエアロゲル
からなるクラッド材2をコア材1の外周に固定して保持
させることができるものであり、コア材1の光が入射す
る側の端部1aから遠ざかるにつれて厚みが順次厚くな
るようクラッド材2を形成することができるものであ
る。そしてこのとき、クラッド材2の厚みの増加に伴っ
て、熱収縮チューブ3aの収縮による圧力を大きく受け
てシリカエアロゲルがコア材1の表面に大きな圧力で押
し付けられることになり、コア材1とクラッド材2の接
触界面に形成される凹凸は入射端部1aから遠ざかるに
つれて序々に大きくなるものである。
【0036】上記のように光の入射端部から遠ざかるに
つれてコア材1とクラッド材2の接触界面の凹凸が大き
くなるように形成された側面発光光ファイバにあって、
コア材1中を伝送される光がコア材1とクラッド材2の
接触界面に入射されると、この界面の凹凸によって図6
のように光が散乱され、散乱された光の一部がクラッド
材2及び被覆材3を通して光ファイバの外周から射出さ
れることによって、光ファイバの側面を発光させること
ができる。このとき、コア材1中を伝送される光量は入
射端部1aから遠ざかるにつれて減少するが、コア材1
とクラッド材2の接触界面の凹凸は入射端部1aから遠
ざかるにつれて大きくなるようにしてあるので、入射端
部1aから近い個所の凹凸では光の散乱は小さく、入射
端部1aから遠い個所の凹凸では光の散乱は大きくな
り、入射端部1aから遠い個所においても光ファイバの
外周から出射される光の量は減少しない。この結果、光
ファイバの軸方向(長手方向)に亘って、均一に側面か
ら発光させることができるものである。尚、図6の実施
の形態では、コア材1とクラッド材2の接触界面の凹凸
を入射端部1aから遠ざかるにつれて大きくなるように
したが、この凹凸を入射端部1aから遠ざかるにつれて
数が多くなるようにしてもよい。
【0037】図8は本発明の請求項6に係る側面発光光
ファイバの実施形態の一例を示すものであり、所定の幅
寸法の圧着部材6をシリカエアルゲルからなるクラッド
材2の外側を覆うように配置した状態で、熱収縮チュー
ブ3aで形成される被覆材3を加熱収縮させることによ
って、シリカエアロゲルからなるクラッド材2をコア材
1の外周に固定して保持させるようにしてある。そして
このように熱収縮チューブ3aで形成される被覆材3を
収縮させると、シリカエアロゲルからなるクラッド材2
のうち圧着部材6を被覆した個所は圧着部材6の厚みに
よって大きな圧力でコア材1の表面に押し付けられ、こ
の個所においてコア材1とクラッド材2の接触界面に凹
凸が形成されるが、その他の個所では圧力が大きく作用
しないので、コア材1とクラッド材2の接触界面に凹凸
が形成されないか、形成されても光をあまり散乱させな
い程度の小さな凹凸になる。
【0038】図8の実施の形態では、圧着部材6を透明
な材料で形成し、さらに圧着部材6の幅をクラッド材2
の周長よりも小さい寸法で形成すると共にコア材1の長
手方向の寸法と同じ長さに形成することによって、コア
材1とクラッド材2の接触界面の凹凸は周方向の一部に
おいて長手方向の全長に連続して形成されるようにして
ある。このように圧着部材6を設けて形成される側面発
光光ファイバにあって、コア材1中を伝送される光がコ
ア材1とクラッド材2の接触界面に入射されると、圧着
部材6を設けていない個所では散乱が小さいが、圧着部
材6を設けている個所にはコア材1とクラッド材2の接
触界面に凹凸が形成されているので、この凹凸によって
光が大きく散乱され、散乱された光の一部がクラッド材
2及び圧着部材6及び被覆材3を通して光ファイバの外
周から出射されることによって、光ファイバの側面を発
光させることができる。コア材1とクラッド材2の接触
界面の凹凸は圧着部材6を設けた個所に形成されてお
り、側面発光は主としてこの個所から行なわれるので、
大きな発光量で側面発光させることができるものであ
る。
【0039】尚、図8の実施の形態では、被覆材3とし
て図1の実施形態と同様な熱収縮チューブ3aを用いる
ようにしたが、図2の実施形態のようなテープ3bを用
いるようにしてもよい。また図8の実施の形態では、被
覆材3を内側の透明な軟質樹脂チューブ7と外側の熱収
縮チューブ3aの二重に形成し、圧着部材6を樹脂チュ
ーブ7と熱収縮チューブ3aの間に挿入するようにして
ある。また、圧着部材6としては、シート状のポリエチ
レンやガラス棒など任意のものを用いることができるも
のであり、形状、材質、表面状態などは特に制限される
ものではない。圧着部材6の形状は側面発光させたい形
状に応じて任意に定まるものである。
【0040】さらに、圧着部材6は上記のように透明の
ものである他に、内面側が光を反射する反射面に形成さ
れたものでもよい。このような内面が反射面に形成され
た圧着部材6を用いると、圧着部材6を設けた個所にお
いてコア材1とクラッド材2の接触界面形成される凹凸
で散乱された光のうちクラッド材2を透過する光は圧着
部材6の反射面で反射され、圧着部材6の設けられてい
ない個所においてクラッド材2及び被覆材3を通して光
ファイバの外周から射出されることによって、光ファイ
バの側面を発光させることができる。
【0041】図9は本発明の請求項7に係る側面発光光
ファイバの実施形態の一例を示すものであり、このもの
では圧着部材6をスリーブ状(リング状)に形成し、こ
の圧着部材6をシリカエアルゲルからなるクラッド材2
の外側に長手方向の複数箇所に離間して配置した状態
で、熱収縮チューブ3aで形成される被覆材3を加熱収
縮させることによって、シリカエアロゲルからなるクラ
ッド材2をコア材1の外周に固定して保持させるように
してある。そしてこのように熱収縮チューブ3aで形成
される被覆材3を収縮させると、クラッド材2のうち圧
着部材6を被覆した個所は圧着部材6の厚みによって大
きな圧力でコア材1の表面に押し付けられ、この個所に
おいてコア材1とクラッド材2の接触界面に凹凸が形成
されるが、その他の個所では圧力が大きく作用しないの
で、コア材1とクラッド材2の接触界面に凹凸が形成さ
れないか、形成されても光をあまり散乱させない程度の
小さな凹凸になる。その他の構成は図8のものと同じで
ある。このように圧着部材6を長手方向の複数箇所に設
けることによって、コア材1とクラッド材2の接触界面
の凹凸を長手方向の複数箇所に離間して形成した側面発
光光ファイバにあって、コア材1中を伝送される光がコ
ア材1とクラッド材2の接触界面に入射されると、圧着
部材6を設けていない個所では散乱が小さいが、圧着部
材6を設けている個所にはコア材1とクラッド材2の接
触界面に凹凸が形成されているので、この凹凸によって
光が大きく散乱され、散乱された光の一部がクラッド材
2及び圧着部材6及び被覆材3を通して光ファイバの外
周から射出されることによって、光ファイバの側面を発
光させることができる。コア材1とクラッド材2の接触
界面の凹凸は圧着部材6を設けた個所に形成されてお
り、側面発光は主としてこの個所から行なわれるので、
光ファイバの長手方向(軸方向)の所定の個所において
大きな発光量で側面発光をさせることができるものであ
る。
【0042】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0043】(実施例1)テトラメトキシシランのオリ
ゴマー(コルコート社製「メチルシリケート51」:平
均分子量=約470)、水、エタノール、25%アンモ
ニア水を1:120:20:2.16のモル比で混合し
てゾル溶液を調製し、これを室温放置してゲル化させる
ことによって湿潤ゲル状化合物を得た。次にこのゲル状
化合物を粒径150〜500μmになるように粉砕した
後、へキサメチルジシラザンの0.6mol/リットル
濃度のエタノール溶液中で、60℃で3時間程度加熱攪
拌することによって、疎水化処理を行った。次いでこの
疎水化処理したゲル状化合物を、20℃、70気圧の二
酸化炭素中に入れ、ゲル状化合物内のエタノールを二酸
化炭素に置換する操作を2時間程度行い、この後、系内
を二酸化炭素の超臨界条件である、80℃、160気圧
にして、超臨界乾燥を約1時間行うことによって、屈折
率が1.008の粒状の疎水性シリカエアロゲルを得
た。
【0044】一方、コア材として断面円形の直径13m
m、長さ2mのエラストマー系アクリル材(屈折率1.
49)を用い、直径15mm、長さ2m、肉厚0.5m
mの円筒状の透明フッ素系熱収縮チューブにコア材を挿
入し、コア材と熱収縮チューブとの間にシリカエアロゲ
ル粒子を充填した後、ヒーティングガンで80℃に加熱
して熱収縮チューブを収縮させることによって、図1の
ような側面発光光ファイバを作製した。
【0045】(実施例2)熱収縮チューブとして直径1
5mm、長さ2m、肉厚0.5mmの円筒状の透明エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)を用いるよう
にした他は、実施例1と同様にして図1のような側面発
光光ファイバを作製した。
【0046】(実施例3)幅30mm、厚み100μm
の透明ウレタン樹脂からなるテープの片面にウレタン系
ホットメルト樹脂(日本マタイ株式会社製「エルファン
UH−203」、厚み50μm)がラミネートされた2
層構造の接着フィルムを用い、この接着フィルムのホッ
トメルト樹脂をラミネートした面に、実施例1で得たシ
リカエアロゲル粒子を100μmの厚みで散布し、これ
を120℃、10kg/cm2の条件で熱プレスするこ
とによって、テープの片面にシリカエアロゲルを固着し
た。そして実施例1と同じコア材の外周にシリカエアロ
ゲルが接するようにテープを螺旋状に巻き付けることに
よって、図2のような側面発光光ファイバを作製した。
【0047】(実施例4)実施例3で得た側面発光光フ
ァイバの外周に、幅20mm、長さ2mに切断した光反
射シート(東レ株式会社製「ルミラーE60L」)を、
側面発光光ファイバの長手方向と平行に透明ビニール粘
着テープで貼ることによって、照射指向特性を有する図
5のような側面発光光ファイバを作製した。
【0048】(実施例5)ケイ酸ナトリウム水溶液(日
本化学工業(株)製「ケイ酸ソーダJ3号」)を水と重
量比で1:3に混合した後、イオン交換樹脂(オルガノ
(株)製「IR−120B)を通してシリカゾルを調製
し、これを室温放置してゲル化させることによって湿潤
ゲル状化合物を得た。次にこのゲル状化合物を粒径15
0μm未満になるように粉砕した後、これをジメチルジ
メトキシシランの1.2mol/リットルの濃度のイソ
プロパノール溶液中で、40℃で6時間加熱攪拌するこ
とによって、疎水化処理を行った。次いでこの疎水化処
理したゲル状化合物を、20℃、70気圧の二酸化炭素
中に入れ、ゲル状化合物内のエタノールを二酸化炭素に
置換する操作を2時間行ない、この後、系内を二酸化炭
素の超臨界条件である、40℃、80気圧に加熱加圧し
て、超臨界乾燥を2時間行なうことによって、屈折率が
1.03の粒状の疎水性シリカエアロゲルを得た。この
シリカエアロゲル粒子を用い、後は実施例1と同様にし
て図1のような側面発光光ファイバを作製した。
【0049】(実施例6)直径15mm、長さ2m、肉
厚0.5mmの円筒状の透明軟質ポリエチレン樹脂チュ
ーブに実施例1と同様なコア材を挿入し、コア材と透明
樹脂チューブとの間に実施例1で得たシリカエアロゲル
粒子を充填した。次に、幅5.0mm、厚さ2.0mm
の透明ポリエチレンシートを圧着部材として用い、軟質
樹脂チューブの外周面に長手方向と平行に全長に亘って
粘着テープで圧着部材を貼り付けた。さらにこれを直径
18mm、長さ2m、肉厚0.5mmの円筒状の透明フ
ッ素系熱収縮チューブに挿入した後、ヒーティングガン
で80℃に加熱して熱収縮チューブを収縮させることに
よって、図8のような側面発光光ファイバを作製した。
【0050】(実施例7)直径15mm、長さ2m、肉
厚0.5mmの円筒状の透明軟質ポリエチレン樹脂チュ
ーブに実施例1と同様なコア材を挿入し、コア材と透明
樹脂チューブとの間に実施例1で得たシリカエアロゲル
粒子を充填した。次に、幅200mmに切断した肉厚
2.0mmの透明軟質ポリエチレンチューブを圧着部材
として用い、透明樹脂チューブの外周に、コア材の一端
から20cmの個所を起点にして30cm置きに6本装
着した。さらにこれを直径20mm、長さ2m、肉厚
0.5mmの円筒状の透明フッ素系熱収縮チューブに挿
入した後、ヒーティングガンで80℃に加熱して熱収縮
チューブを収縮させることによって、図9のような側面
発光光ファイバを作製した。
【0051】(比較例)コア材として実施例1と同じ直
径13mm、長さ2mのエラストマー系アクリル材(屈
折率1.49)を用い、その周囲に透明フッ素樹脂(屈
折率1.4、厚み0.5mm)をクラッド材として形成
した光ファイバを作製した。
【0052】上記の実施例1〜7及び比較例で得た側面
発光光ファイバを床面から20cmの高さに水平に配置
し、メタルハライド照明装置(株式会社住田ガラス製
「LS−M160」)を光源としてその一端から光を入
射させ、この光源の位置から30cm置きに床面に設置
した照度計によって照度を測定した。尚、実施例4のも
のは光反射シートを貼った部分が上方を向くように配置
し、実施例6のものでは圧着部材を設けた部分が下方を
向くように配置した。測定結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 表1にみられるように、各実施例のものは側面発光の照
度が高く、また光の入射端から遠ざかっても側面発光の
照度が低下しないことが確認される。
【0054】(実施例8)直径15mm、長さ4m、肉
厚0.5mmの円筒状のフッ素系熱収縮チューブを用
い、一端の直径13.5mm、他端の直径15mmで直
径が連続的に変化するテーパの付いた長さ4mの金属棒
を熱収縮チューブに挿入し、ヒーティングガンで熱収縮
チューブを80℃に加熱して収縮させることによって、
一端の内径が13.5mm、他端の内径が15mmで内
径が連続的に変化するテーパの付いた形状に熱収縮チュ
ーブを成形した。次に、コア材として断面円形の直径1
3mm(全長に亘って同一径)、長さ4mのエラストマ
ー系アクリル材(屈折率1.49)を用い、上記の熱収
縮チューブにコア材を挿入し、コア材と熱収縮チューブ
との間に実施例1で得たシリカエアロゲル粒子を充填し
た後、再びヒーティングガンで80℃に加熱して熱収縮
チューブを収縮させることによって、図6のような側面
発光光ファイバを作製した。
【0055】(参考例)実施例6と同じ直径15mm、
長さ4m、肉厚0.5mmの円筒状のフッ素系熱収縮チ
ューブを用い、この熱収縮チューブに実施例8と同じコ
ア材を挿入し、コア材と熱収縮チューブとの間に実施例
1で得たシリカエアロゲル粒子を充填した後、再びヒー
ティングガンで80℃に加熱して熱収縮チューブを収縮
させることによって、実施例8の性能と比較するための
図1のような側面発光光ファイバを作製した。上記の実
施例8及び参考例で得た側面発光光ファイバを床面から
20cmの高さに水平に配置し、メタルハライド照明装
置(株式会社住田ガラス製「LS−M160」)を光源
としてその一端から光を入射させ、この光源の位置から
50cm置きに床面に設置した照度計によって照度を測
定した。測定結果を表2に示す。
【0056】
【表2】 表2にみられるように、実施例8のものは光の入射端か
ら遠ざかっても側面発光の照度が低下しないことが確認
される。
【0057】
【発明の効果】上記のように本発明は、光を伝送するコ
ア材と、コア材の外周に設けられたシリカエアロゲルか
らなるクラッド材と、クラッド材の外周を覆う透明な被
覆材とからなり、コア材とクラッド材の接触界面の少な
くとも一部に凹凸を形成するようにしたので、クラッド
材を構成するシリカエアロゲルは屈折率が1.0008
〜1.18と低く、コア材とクラッド材の比屈折率が大
きくて受光角が大きい光ファイバを形成することがで
き、広い受光角で集光して集光量の大きい光ファイバを
形成することができるものであり、コア材中を伝送され
る光をコア材とクラッド材の接触界面の凹凸で散乱させ
て側面発光させるにあたって、大きな発光量で側面から
光を照射させることができるものである。
【0058】また請求項2の発明は、被覆材として熱収
縮チューブを用い、熱収縮チューブの熱収縮によってコ
ア材の外周にクラッド材を一体化させるようにしたの
で、熱収縮チューブを熱収縮させることによって、シリ
カエアロゲルからなるクラッド材をコア材の外周に強固
に保持することができると共に、コア材の表面にクラッ
ド材を構成するシリカエアロゲルの粉粒体を押圧させ
て、コア材とクラッド材の接触界面に側面発光のための
凹凸を容易に形成することができるものである。
【0059】また請求項3の発明は、被覆材としてシリ
アカエアロゲルが片面に固着されたテープを用い、シリ
カエアロゲルの固着面でコア材の外周にテープを巻き付
けることによって、コア材の外周にクラッド材を一体化
させるようにしたので、コア材にテープを巻き付けると
いう簡易な工程でシリカエアロゲルからなるクラッド材
をコア材の外周に強固に保持することができると共に、
コア材の表面にクラッド材を構成するシリカエアロゲル
の粉粒体を押圧させて、コア材とクラッド材の接触界面
に側面発光のための凹凸を容易に形成することができる
ものである。
【0060】また請求項4の発明は、コア材とクラッド
材の間、クラッド材と被覆材の間、被覆材の外周のいず
れかに、コア材の外周の一部を覆うように光反射性を有
する光反射層を設けるようにしたので、光反射層を設け
た箇所の側面からは発光されず、光反射層を設けていな
い箇所の側面からのみ発光されるものであり、所定の方
向に高い照度で側面発光させることができるものであ
る。
【0061】また請求項5の発明は、コア材とクラッド
材の接触界面の少なくとも一部に形成される凹凸が、光
の入射端部から遠ざかるにつれて大きさと数の少なくと
も一方が増大するようにしたので、コア材中を伝送され
る光量は入射端部から遠ざかるにつれて減少するが、入
射端部から近い個所の凹凸では光の散乱は小さく、入射
端部から遠い個所の凹凸では光の散乱は大きくなって、
入射端部から遠い個所において光ファイバの外周から出
射される光の量は減少しないものであり、光ファイバの
軸方向に亘って均一に側面から発光させることができる
ものである。
【0062】また請求項6の発明は、コア材とクラッド
材の接触界面の少なくとも一部に形成される凹凸が、外
周方向の少なくとも一部において、軸方向に連続するよ
うに設けられるようにしたので、コア材中を伝送される
光を側面発光させるにあたって、側面発光はコア材とク
ラッド材の接触界面に凹凸を形成した個所からのみ行な
われるものであり、光ファイバの側面から所定の方向に
高い照度で側面発光させることができるものである。
【0063】また請求項7の発明は、コア材とクラッド
材の接触界面の少なくとも一部に形成される凹凸が、軸
方向の複数箇所に設けられるようにしたので、コア材中
を伝送される光を側面発光させるにあたって、側面発光
はコア材とクラッド材の接触界面に凹凸を形成した個所
からのみ行なわれるものであり、光ファイバの軸方向の
所定の個所において高い照度で側面発光させることがで
きるものである。
【0064】また請求項8の発明は、シリカエアロゲル
として、ケイ酸エステル含有溶液のゲル状化合物を疎水
化処理及び超臨界乾燥して得られたものを用いるように
したので、シリカエアロゲルが吸湿や吸水して、屈折率
や光透過性等の性能が劣化することを防止することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、
(a)は正面断面図、(b)はテープの正面断面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態のさらに他例を示すもので
あり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態のさらに他例を示すもので
あり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態のさらに他例を示すもので
あり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態のさらに他例を示す正面断
面図である。
【図7】同上の実施の形態における製造の工程を示す正
面断面図である。
【図8】本発明の実施の形態のさらに他例を示すもので
あり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態のさらに他例を示すもので
あり、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A線
断面図である。
【図10】光ファイバの受光角θを示す断面図である。
【符号の説明】
1 コア材 2 クラッド材 3 被覆材 4 光反射層
フロントページの続き (72)発明者 横川 弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 椿 健治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 園田 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 高坂 啓詞 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を伝送するコア材と、コア材の外周に
    設けられたシリカエアロゲルからなるクラッド材と、ク
    ラッド材の外周を覆う透明な被覆材とからなり、コア材
    とクラッド材の接触界面の少なくとも一部に凹凸が形成
    されて成ることを特徴とする側面発光光ファイバ。
  2. 【請求項2】 被覆材として熱収縮チューブを用い、熱
    収縮チューブの熱収縮によってコア材の外周にクラッド
    材が一体化されていることを特徴とする請求項1に記載
    の側面発光光ファイバ。
  3. 【請求項3】 被覆材としてシリアカエアロゲルが片面
    に固着されたテープを用い、シリカエアロゲルの固着面
    でコア材の外周にテープを巻き付けることによって、コ
    ア材の外周にクラッド材が一体化されていることを特徴
    とする請求項1に記載の側面発光光ファイバ。
  4. 【請求項4】 コア材とクラッド材の間、クラッド材と
    被覆材の間、被覆材の外周のいずれかに、コア材の外周
    の一部を覆うように光反射性を有する光反射層を設けて
    成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の側面発光光ファイバ。
  5. 【請求項5】 コア材とクラッド材の接触界面の少なく
    とも一部に形成される凹凸が、光の入射端部から遠ざか
    るにつれて大きさと数の少なくとも一方が増大している
    ものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の側面発光光ファイバ。
  6. 【請求項6】 コア材とクラッド材の接触界面の少なく
    とも一部に形成される凹凸が、外周方向の少なくとも一
    部において、軸方向に連続するように設けられているも
    のであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載の側面発光光ファイバ。
  7. 【請求項7】 コア材とクラッド材の接触界面の少なく
    とも一部に形成される凹凸が、軸方向の複数箇所に設け
    られているものであることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の側面発光光ファイバ。
  8. 【請求項8】 シリカエアロゲルが、ケイ酸エステル含
    有溶液のゲル状化合物を疎水化処理及び超臨界乾燥して
    得られたものであることを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載の側面発光光ファイバ。
JP10196245A 1997-07-14 1998-07-10 側面発光光ファイバ Expired - Lifetime JP2931298B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10196245A JP2931298B2 (ja) 1997-07-14 1998-07-10 側面発光光ファイバ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18814997 1997-07-14
JP9-188149 1997-07-14
JP10196245A JP2931298B2 (ja) 1997-07-14 1998-07-10 側面発光光ファイバ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1184136A true JPH1184136A (ja) 1999-03-26
JP2931298B2 JP2931298B2 (ja) 1999-08-09

Family

ID=26504749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10196245A Expired - Lifetime JP2931298B2 (ja) 1997-07-14 1998-07-10 側面発光光ファイバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2931298B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001202827A (ja) * 1999-11-10 2001-07-27 Matsushita Electric Works Ltd 透明導電性基板、発光素子、平面発光板、平面発光板の製造方法、平面蛍光ランプ、プラズマディスプレイ
US6810184B2 (en) * 2002-01-09 2004-10-26 Ceram Optec Industries Inc. Device and method to scatter optical fiber output
JP2005345518A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Fujikura Ltd 表面漏光光導波路及び光触媒モジュール
JP2007165763A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Central Glass Co Ltd 表示装置の照明方法および画素形成方法
JP2007180037A (ja) * 1999-11-10 2007-07-12 Matsushita Electric Works Ltd 発光素子、平面発光板、平面発光板の製造方法、平面蛍光ランプ、プラズマディスプレイ
JP2007304121A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Three M Innovative Properties Co 固定部位付き照明用プラスチック光ファイバー及びその製造方法
WO2009100834A1 (de) * 2008-02-14 2009-08-20 Schott Ag Seitenemittierende stufenindexfaser
JP2016526709A (ja) * 2013-07-15 2016-09-05 エル イー エス エス・リミテッド スペックル雑音低減器を有するコヒーレント光導波路照明システム
EP3078904A1 (en) * 2015-04-08 2016-10-12 Furukawa Electric Co., Ltd. Linear light guide, linear light guide structure, planar light guide structure, and illuminating device
JP2018060719A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 古河電気工業株式会社 線状ライトガイド、照明装置、線状ライトガイドの取り付け構造
US20180106943A1 (en) * 2016-10-14 2018-04-19 Nichia Corporation Illumination device
JP2020106596A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 三菱電線工業株式会社 側面発光型光ファイバ

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001202827A (ja) * 1999-11-10 2001-07-27 Matsushita Electric Works Ltd 透明導電性基板、発光素子、平面発光板、平面発光板の製造方法、平面蛍光ランプ、プラズマディスプレイ
JP2007180037A (ja) * 1999-11-10 2007-07-12 Matsushita Electric Works Ltd 発光素子、平面発光板、平面発光板の製造方法、平面蛍光ランプ、プラズマディスプレイ
US6810184B2 (en) * 2002-01-09 2004-10-26 Ceram Optec Industries Inc. Device and method to scatter optical fiber output
JP2005345518A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Fujikura Ltd 表面漏光光導波路及び光触媒モジュール
JP2007165763A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Central Glass Co Ltd 表示装置の照明方法および画素形成方法
JP2007304121A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Three M Innovative Properties Co 固定部位付き照明用プラスチック光ファイバー及びその製造方法
WO2009100834A1 (de) * 2008-02-14 2009-08-20 Schott Ag Seitenemittierende stufenindexfaser
JP2016526709A (ja) * 2013-07-15 2016-09-05 エル イー エス エス・リミテッド スペックル雑音低減器を有するコヒーレント光導波路照明システム
EP3078904A1 (en) * 2015-04-08 2016-10-12 Furukawa Electric Co., Ltd. Linear light guide, linear light guide structure, planar light guide structure, and illuminating device
JP2018060719A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 古河電気工業株式会社 線状ライトガイド、照明装置、線状ライトガイドの取り付け構造
US20180106943A1 (en) * 2016-10-14 2018-04-19 Nichia Corporation Illumination device
US10120115B2 (en) * 2016-10-14 2018-11-06 Nichia Corporation Illumination device
JP2020106596A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 三菱電線工業株式会社 側面発光型光ファイバ
JP2022017558A (ja) * 2018-12-26 2022-01-25 三菱電線工業株式会社 側面発光型光ファイバ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2931298B2 (ja) 1999-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100338985B1 (ko) 측면발광광파이버
JP2931298B2 (ja) 側面発光光ファイバ
US5790742A (en) Optical fiber
US5857761A (en) Illumination device
JP4339517B2 (ja) 流体光導体
JP4194957B2 (ja) 複合重合体/金属外装を有する光ファイバケーブル
JP2019074744A (ja) 光拡散性光ファイバ束、光拡散性光ファイバ束を含む照明システム及び光拡散性光ファイバ束をポリマー光ファイバに取り付ける方法
US8953914B2 (en) Light diffusing fibers with integrated mode shaping lenses
US20100110719A1 (en) Illumination fiber optic ribbon
NO166255B (no) Fiberoptisk kabel som reagerer paa mikroboeyekrefter.
CA2175336A1 (en) Liquid core optical waveguide
NL8000905A (nl) Optische vezel.
JP2665664B2 (ja) 散光管およびその製造方法
JPH10251038A (ja) 光ファイバの製造方法
JPH05341125A (ja) 側面発光用ケーブル及び構造体
JPH09258053A (ja) 光ファイバ
JPH10300995A (ja) シリカエアロゲルフィルム及びその製造方法、光ファイバ
JPH1068845A (ja) 光搬送システム
JP2000214343A (ja) 空気クラッド光ファイバの製造方法
JP2000044288A (ja) 光ファイバの製造方法
KR101134939B1 (ko) 태양광 전달용 광섬유와 그 제조방법 및 이를 이용한 광케이블
JPH09156958A (ja) 光ファイバ
JP2000221356A (ja) 光ファイバ
JPH1095629A (ja) 光ファイバの製造方法
JP2597094B2 (ja) 線状照明具

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990511