JPH10251038A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバの製造方法

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JPH10251038A
JPH10251038A JP9061428A JP6142897A JPH10251038A JP H10251038 A JPH10251038 A JP H10251038A JP 9061428 A JP9061428 A JP 9061428A JP 6142897 A JP6142897 A JP 6142897A JP H10251038 A JPH10251038 A JP H10251038A
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JP
Japan
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core material
optical fiber
silica airgel
coating material
refractive index
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Withdrawn
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JP9061428A
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English (en)
Inventor
Kenji Tsubaki
健治 椿
Masaru Yokoyama
勝 横山
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Kenji Sonoda
健二 園田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Withdrawn legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/016Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD] by a liquid phase reaction process, e.g. through a gel phase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01205Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments
    • C03B37/01211Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments by inserting one or more rods or tubes into a tube

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光角が大きく、より多くの光を伝送するこ
とができ、しかもコア材の種類を選ぶことなく透明樹脂
等にも応用できる光ファイバの製造方法を提供する。 【解決手段】 コア材2とコア材2を覆うエアロゲル1
aからなるクラッド材1とから形成される光ファイバを
製造する方法に関する。コア材2とコア材2の外周部の
被覆材3との間にシリカエアロゲル1aを設けることを
特徴とする。シリカエアロゲル1aからなるクラッド材
1は屈折率が小さくコア材2とクラッド材1の比屈折率
差が大きい光ファイバに形成することができる。またシ
リカエアロゲル1aからなるクラッド材1を被覆材3で
保持してコア材2の外周に設けることができ、シリカエ
アロゲル1aを製造する際の疎水化処理や超臨界乾燥の
処理がコア材2に作用することがなくなって、コア材2
として透明樹脂等を用いても劣化が生じることがなくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア材とクラッド
材から形成される光ファイバの製造方法に関するもので
あり、詳しくは、太陽光の伝送、医療用機器照明や顕微
鏡照射、自動車部品等の照明関係、パンチカード読み取
りやマーク読み取り等の情報システム関係、遠隔モニタ
ー、自動検査等のプロセスコントロール関係、その他装
飾品や玩具等におけるライトガイド、紫外線ファイバ、
赤外線ファイバ、イメージファイバ、ウェーブガイド、
アクティブファイバ等に適用でき、高い伝送効率を得る
ことができる光ファイバの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバのコア材としては、石
英系ガラスや多成分系ガラス等のガラス類、メチルメタ
クリレート等のアクリル系やスチロール系のプラスチッ
ク類、あるいはテトラクロールエチレン等の透明な液体
類が用いられている。また、クラツド材としては、コア
材よりも屈折率の低いソーダライム系やホウケイ酸ガラ
ス系等のガラス類、塩化ビニル、アリルジグリコールカ
ーボネートやフツ素を添加して屈折率を低下させたアク
リル系のプラスチック類等が用いられている。
【0003】光ファイバにおいて、クラツド材の屈折率
はコア材の屈折率よりも低くなるように構成されている
が、それらの屈折率の差の大小により光ファイバの受光
角及びコア材とクラツド材との境界面における光の全反
射角が異なってくる。一般的にコア材とクラツド材の屈
折率の差を表す指標として、次式で表される比屈折率差
が用いられている。
【0004】比屈折率差=(n1 −n2 )/n1 (式中、n1 はコア材の屈折率、n2 はクラツド材の屈
折率を示す。) また、光ファイバの開口数及び受光角θは次式で表され
る。 開口数=n・sinθ=(n1 2−n2 21/2 (式中、nは光ファイバの外界の屈折率であり、通常は
空気でn=1.0である。) これらの式にみられるように、光ファイバの受光角θは
コア材とクラツド材の屈折率の差が大きい程大きくな
り、すなわち比屈折率差が大きいほど大きくなる。つま
り多くの光を伝送するには、比屈折率差を大きくする必
要がある。このことは、コア材の屈折率を高くし、クラ
ツド材の屈折率を低くすることで達成され得るものであ
る。
【0005】ここで、ガラス光ファイバにおいて、純粋
な石英ガラスは光損失が小さく、耐熱性、耐薬品性に優
れていることからコア材として多用されている。しかし
ながら、石英ガラスの屈折率は1.46と低く、これよ
りも屈折率が低いクラツド材の選定が問題となる。そこ
でクラツド材にガラスを用いる場合には、純粋な石英ガ
ラスよりも屈折率を低下させるために、B2 3 やフツ
素等の屈折率低下成分を添加する方法等がとられてい
る。また、石英ガラスに屈折率上昇用ドーパントを添加
することにより、光損失を低く維持した状態で屈折率を
上昇させる方法もある。このようなドーパントとして
は、TiO2 、Ta2 5 、SnO2 、Nb 2 5 、Z
rO2 、Yb2 3 、La2 3 、Al2 3 等が挙げ
られる。この場合には、クラツド材として純粋な石英ガ
ラス、あるいはより低屈折率なドープト石英ガラスを用
いることができる。また、クラツド材としてプラスチッ
クを用いる場合には、ポリシロキサンやシリコンゴム等
のケイ素樹脂や、フツ化エチレンプロピレン、フツ化ビ
ニリデン等のフツ素含有樹脂等が使用されるが、これら
の屈折率は低いもので1.29〜1.33程度である。
【0006】前述したように、コア材とクラツド材の比
屈折率差により光ファイバの受光角は変化する。例え
ば、ライトガイドにおいて、コア材にフリント系のF2
ガラス(屈折率1.62)、クラツド材にソーダライム
系ガラス(屈折率1.52)を用いた場合、開口数は
0.56、受光角θは34°となる。また、プラスチッ
ク光ファイバにおいても、コア材にメタクリル樹脂(屈
折率1.49)、クラツド材にフツ素樹脂(屈折率1.
39)を用いた場合には、開口数は0.54、受光角θ
は32°となる。このように、従来のコア材及びクラッ
ド材を用いて光ファイバを製造した場合には、受光角θ
は30〜50°程度であり、多くの光を伝送することの
できる光ファイバを製造することは困難である。
【0007】そこで、本出願人によって、クラッド材と
してシリカエアロゲルを用いた光ファイバの製造方法が
特願平8ー245222号において提案されている。シ
リカエアロゲルは1.008〜1.18程度の低い屈折
率に形成することができるものであり、このように屈折
率の低いシリカエアロゲルをクラッド材として用いて作
製した光ファイバは、屈折率差が大きくなって、受光角
θを90°程度に大きくすることが可能になるものであ
り、多くの光を伝送することができるのである。
【0008】ここで、上記の特願平8ー245222号
においては、アルコキシシランを加水分解重合させてコ
ア材の外表面にゲル状化合物を形成する工程と、このゲ
ル状化合物を超臨界乾燥する工程を経て、コア材の外表
面にシリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルをク
ラッド材として形成するようにしている。そしてコア材
としては主として石英ガラス等のガラス類を用いるよう
にしているが、コア材として透明樹脂を用いることも検
討されるに至っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コア材として
透明樹脂を用いる場合、アルコキシシランを加水分解重
合させてコア材の外表面にゲル状化合物を形成する工程
や、これを超臨界乾燥する工程において、コア材に薬品
や高温等が作用し、透明樹脂が劣化して伝送光量が小さ
くなる等の問題が生じるおそれがあり、コア材として使
用することができるものの種類が制限されるものであっ
た。
【0010】本発明はこの事実に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、受光角が大きく、より
多くの光を伝送することができ、しかもコア材の種類を
選ぶことなく透明樹脂等にも応用できる光ファイバの製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ
の製造方法は、コア材とコア材を覆うエアロゲルからな
るクラッド材とから形成される光ファイバを製造するに
あたって、コア材とコア材の外周部の被覆材との間にシ
リカエアロゲルを設けることを特徴とするものである。
【0012】また請求項2の発明は、コア材の外周部に
被覆材を配置し、コア材と被覆材の間の間隙にシリカエ
アロゲルを吸引して充填することによって、コア材とコ
ア材の外周部の被覆材との間にシリカエアロゲルを設け
ることを特徴とするものである。また請求項3の発明
は、上記の被覆材として熱収縮チューブを用い、コア材
とコア材の外周部の被覆材との間にシリカエアロゲルを
設けた後、加熱して熱収縮チューブの被覆材を収縮させ
ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項4の発明は、上記の被覆材とし
て接着テープを用い、接着テープの接着面にシリカエア
ロゲルを貼着させ、コア材の外周にシリカエアロゲルを
貼着させた面で接着テープを巻き付けることによって、
コア材とコア材の外周部の被覆材との間にシリカエアロ
ゲルを設けることを特徴とするものである。また請求項
5の発明は、接着テープの接着面の接着剤が、無溶剤性
の感圧接着剤であることを特徴とするものである。
【0014】また請求項6の発明は、上記のシリカエア
ロゲルは、屈折率が1.008〜1.18であることを
特徴とするものである。また請求項7の発明は、上記の
シリカエアロゲルは、アルコキシシランを加水分解重合
させた後に、超臨界乾燥して得られたシリカの多孔質骨
格であることを特徴とするものである。
【0015】また請求項8の発明は、上記のシリカエア
ロゲルは、疎水化処理されたものであることを特徴とす
るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明においてコア材としては、光ファイバのコ
ア材として一般に使用されているものであれば特に制限
されることなく用いることができるものであり、例え
ば、石英ガラスや多成分ガラス等のガラス類、ポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系、若しく
は他スチロール系等の透明樹脂などを用いることができ
る。
【0017】一方、クラッド材を構成するシリカの多孔
質骨格からなるシリカエアロゲルは、米国特許第440
2827号公報、同第4432956号公報、同第46
10863号公報等で提供されているように、アルコキ
シシラン(シリコンアルコキシド、アルキルシリケート
とも称される)の加水分解、重合反応によって得られた
シリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコ
ールあるいは二酸化炭素等の溶媒(分散媒)の存在下
で、この溶媒の超臨界点以上の超臨界状態で乾燥するこ
とによって製造することができる。また、米国特許第5
137297号公報、同第5124364号公報で提供
されているように、ケイ酸ナトリウムを原料として同様
に製造することができる。ここで、特開平5−2790
11号公報、特開平7−138375号公報に開示され
ているように、アルコキシシランの加水分解、重合反応
によって得られたゲル状化合物を疎水化処理することに
よって、シリカエアロゲルに疎水性を付与することが好
ましい。疎水化処理は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する
前に、あるいはゲル状化合物を超臨界乾燥する時に、行
なうことができる。このように、疎水性を付与した疎水
性シリカエアロゲルは、湿気や水等が侵入し難くなり、
屈折率や光透過性等の性能が劣化し難くなるものであ
る。
【0018】上記のシリカの多孔質骨格からなるシリカ
エアロゲルの屈折率は、原料配合比によって自由に変化
させることが可能であるが、コア材との屈折率の差を大
きく設定し、またシリカエアロゲルの透明性の性能を確
保するためには、1.008〜1.18の範囲に屈折率
を調整するのが好ましい。屈折率がこのように非常に小
さいので、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲ
ル1aをクラッド材1として用いることによって、種々
のコア材2に対して比屈折率差を飛躍的に大きくした光
ファイバを得ることができるものであり、受光角θを最
大の90°にまですることができるものである(図2参
照)。このため、広い受光角θで集光してより多くの光
を伝送することができ、出射端における光の出射角も大
きくすることができるものである。
【0019】そして本発明において光ファイバは、コア
材2とコア材2の外周部の被覆材3との間に、上記のよ
うにして得られたシリカエアロゲル1aによるクラッド
材1を設けることによって製造することができる。図1
は光ファイバの製造方法の一例を示すものであり、コア
材1の外周部にコア材1の外径よりも内径が大きい筒状
の被覆材3を被せ、コア材1の外周面と被覆材3の内周
面との間に所定厚みの間隙が形成されるようにコア材1
と被覆材3を配置する。そして被覆材3の一方の開口端
に吸引ポンプ10の吸引ホース11を接続し、コア材1
と被覆材3の間の間隙を減圧しながら、被覆材3の一方
の開口端から粉末状のシリカエアロゲル1aを吸引し、
コア材1と被覆材3の間の間隙にシリカエアロゲル1a
を充填して、図2に示すような、コア材2と被覆材3と
の間にシリカエアロゲル1aによるクラッド材1を設け
た光ファイバを製造することができるものである。
【0020】このように、吸引ポンプ10で吸引してコ
ア材2と被覆材3の間の間隙にシリカエアロゲル1aを
充填するようにしているため、コア材2が長尺のもので
ある場合や、コア材2と被覆材3の間の間隙が小さい場
合においても、効率良くシリカエアロゲル1aを充填す
ることができ、コア材2の外周にシリカエアロゲル1a
からなるクラッド材1を形成した光ファイバを容易に製
造することができるものである。
【0021】ここで上記の被覆材3としては、例えば、
ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リオレフィンエラストマー等の樹脂や、ステンレス等の
金属類などを用いることができる。本発明の光ファイバ
は、シリカエアロゲル1aからなるクラッド材1をコア
材2の外周に保持するために、被覆材3で被覆したまま
使用されるので、被覆材3としては可撓性を有するもの
が好ましい。また、被覆材3として熱収縮チューブを用
い、シリカエアロゲル1aを充填した後に加熱して収縮
させると、シリカエアロゲル1aからなるクラッド材1
を強く固定することができるものである。
【0022】図3は光ファイバの製造方法の他例を示す
ものであり、被覆材3として熱収縮チューブ3aを用い
るようにしてある。そして図3(a)のようにコア材2
をシリカエアロゲル1a及び被覆材3で覆った後に、被
覆材3を加熱すると、熱収縮チューブ3aで形成される
被覆材3が収縮し、図3(b)のようにシリカエアロゲ
ル1aからなるクラッド材1を被覆材3とコア材2との
間に強く固定することができるものである。
【0023】コア材2をシリカエアロゲル1aと被覆材
3で覆う方法としては、特に限定されないが、コア材2
の外周部に熱収縮チューブ3aで形成される被覆材3を
配置し、コア材2と被覆材3の間隙に粉末状のシリカエ
アロゲル1aを挿入して充填させる方法や、コア材2の
表面にシリカエアロゲル1aを付着させた後にその外側
に被覆材3を被せる方法などを挙げることができる。ま
た図4に示すように、シリカエアロゲル1aをリング状
に形成し、これをコア材2の外周に嵌めた後に、その外
側に被覆材3を被せる方法を採用することもできる。こ
の場合、リング状のシリカエアロゲル1aは間隔をあけ
てコア材2の外周に嵌めるようにしてあり、シリカエア
ロゲル1aとシリカエアロゲル1a間の空気層とでクラ
ッド材1が形成されるようにしてある。
【0024】また、上記の熱収縮チューブ3aとして
は、加熱することによって寸法収縮するものであれば特
に制限されることなく使用することができるものであ
り、例えばフッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、エチレン
プロピレンゴム系等のポリオレフィン系などを用いるこ
とができる。この熱収縮チューブ3aの加熱は、80℃
以上の温度でヒーティングガン等を用いて行うことがで
きる。熱収縮チューブ3aの内径や肉厚等の寸法につい
ては、コア材2の直径や、熱収縮チューブ3aの加熱収
縮率に応じて設定されるものである。
【0025】図5は光ファイバの製造方法の他例を示す
ものであり、被覆材3として片面に接着剤を塗布した接
着テープ3bを用いるようにしたものであり、図5
(a)に示すように接着テープ3bの接着面に粉末状の
シリカエアロゲル1aを散布等して貼着させてある。そ
して、コア材2の外周にシリカエアロゲル1aが接する
ように接着テープ3bを巻き付けることによって、図5
(b)のようにシリカエアロゲル1aのクラッド材1を
コア材2と接着テープ3bで形成される被覆材3との間
に固定して設けた光ファイバを得ることができるもので
ある。
【0026】接着テープ3bの幅や厚み等の形状は特に
限定されないが、疎水性のシリカエアロゲルはアルコー
ルやアセトンなど有機溶剤に接すると収縮して白濁する
おそれがあるので、このような耐溶剤性を考慮すると、
接着テープ3bの接着剤は無溶剤性の感圧接着剤(粘着
剤とも言われる)であることが好ましい。ここで無溶剤
性の感圧接着剤としては、水溶性やエマルジョンタイプ
のような水性感圧接着剤や、接着テープ3bに塗布する
際には有機溶剤を含んでいても有機溶剤を乾燥除去した
状態で使用される感圧接着剤を用いることができるもの
であり、このような無溶剤性の感圧接着剤としては、ゴ
ム系、アクリル系、シリコーン系、ポリウレタン系等の
粘弾性ポリマーなどが挙げられる。
【0027】また、本発明において用いるシリカエアロ
ゲル1aの形状は特に限定されないが、作業性等の面か
ら10μm〜1mm程度の粒径の粉末形状で用いるのが
好ましい。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。 (実施例1)コア材2として直径3mm、長さ1mのポ
リメチルメタクリレート(屈折率1.49)を用い、被
覆材3として直径5mm、長さ1m、肉厚1mmのステ
ンレス製フレキシブル管を用い、被覆材3内にコア材2
を挿入した。そして被覆材3の一方の端部を吸引ポンプ
10から延びたホース11に接続し、被覆材3の他方の
端部から粒径100〜500μmの粉末状シリカエアロ
ゲル1a(屈折率1.03)を吸引し、シリカエアロゲ
ル1aをコア材2と被覆材3の間の間隙に充填して、光
ファイバを作製した。
【0029】ここで、上記の粉末状シリカエアロゲルは
次の方法で得たものを使用した。まず、テトラメトキシ
シランのオリゴマー(コルコート社製「メチルシリケー
ト51」:平均分子量=約470)、エタノール、水、
15Nアンモニア水をモル比で1:43:20:0.2
0の割合で混合してゾル溶液を調製し、これを放置して
ゲル化させることによってゲル状化合物を調製した。次
にこのゲル状化合物を0.2モル/リットルの濃度のへ
キサメチルジシラザン(東レダウコーニングシリコーン
社試薬)のエタノール溶液中で、40℃で2時間程度加
熱攪拌することによって、疎水化処理を行なった。次い
でこの疎水化処理したゲル状化合物を、18℃、55気
圧の二酸化炭素中に入れ、ゲル状化合物内のエタノール
を二酸化炭素に置換する操作を2時間程度行ない、この
後、系内を二酸化炭素の超臨界条件である、40℃、8
0気圧にして、超臨界乾燥を約24時間行なうことによ
って、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルを
得た。そしてこれを粉砕することによって粉末状のシリ
カエアロゲルを得た。
【0030】(実施例2)コア材2として直径3mm、
長さ1mのポリメチルメタクリレート(屈折率1.4
9)を用い、被覆材3として直径6mm、長さ1m、肉
厚0.2mmのフッ素化エチレンプロピレン(FEP)
製の熱収縮チューブを用い、被覆材3内にコア材2を挿
入した。そして実施例1と同様にして、実施例1と同じ
粉末状のシリカエアロゲル1aをコア材2と被覆材3の
間の間隙に吸引充填した後、ヒーティングガンで80℃
に加熱して熱収縮チューブの被覆材3を収縮させ、光フ
ァイバを作製した。
【0031】(実施例3)実施例1において、被覆材3
として直径5mm、長さ1m、肉厚0.5mmの軟質ポ
リ塩化ビニル系熱収縮チューブを用いるようにし、シリ
カエアロゲル1aを充填した後に、ヒーティングガンで
80℃に加熱して熱収縮チューブの被覆材3を収縮させ
るようにした他は、実施例1と同様にして光ファイバを
作製した。
【0032】(実施例4)被覆材3として、幅20m
m、厚み1mmのアクリル系接着テープ(住友スリーエ
ム(株)製「Y−4910J」:基材…発泡アクリル樹
脂、接着剤…無溶剤性アクリル系感圧接着剤)を用い、
その片面の接着面上に実施例1と同じ粉末状シリカエア
ロゲル1a(屈折率1.03)を散布して厚み約500
μmに貼着させた。そして実施例1と同じコア材2の外
周にシリカエアロゲル1aが接するように長手方向に向
かって螺旋状に接着テープの被覆材3を巻き付けること
によって、光ファイバを作製した。
【0033】(実施例5)実施例1と同様にして調製し
たゾル溶液を型に流し込んでゲル化させ、後は実施例1
と同様にして疎水化処理、超臨界乾燥を行なうことによ
って、内径3mm、外径4mm、幅3mmの大きさのリ
ング状のシリカエアロゲル1a(屈折率1.03)を得
た。このリング状のシリカエアロゲル1aを実施例1と
同じコア材2の外周に5cm間隔ではめ込み、さらにこ
の外周に実施例2と同じ熱収縮チューブで形成される被
覆材3を被せ、後はヒーティングガンで80℃に加熱し
て熱収縮チューブの被覆材3を収縮させ、光ファイバを
作製した。
【0034】(比較例1)コア材として実施例1と同じ
直径3mm、長さ1mのポリメチルメタクリレート(屈
折率1.49)を用い、このコア材をゾル溶液槽に5秒
間浸して引き上げて放置することによって、コア材の表
面に厚み20μmのゲル状化合物をディップコーティン
グで形成した。この時のゾル溶液の組成は、実施例1と
同じ、テトラメトキシシランのオリゴマー(コルコート
社製「メチルシリケート51」:平均分子量=約47
0)、エタノール(ナカライテスク(株)製特級試
薬)、水、15Nアンモニア水をモル比で1:43:2
0:0.20の割合で混合したものを用いた。そしてゲ
ル状化合物を被覆したコア材を、0.2モル/リットル
の濃度のへキサメチルジシラザン(東レダウコーニング
シリコーン(株)製試薬)のエタノール溶液中で、70
℃で2時間程度加熱攪拌することによって疎水化処理を
行なった。さらにこのゲル状化合物を被覆したコア材
を、18℃、55気圧の二酸化炭素中に入れ、ゲル状化
合物内のエタノールを二酸化炭素に置換する操作を5分
程度行ない、系内を二酸化炭素の超臨界条件である、4
0℃、80気圧にして、15分間、超臨界乾燥を行なう
ことによって、シリカエアロゲルをクラッド材とした光
ファイバを作製した。
【0035】(比較例2)コア材として実施例1と同じ
直径3mm、長さ1mのポリメチルメタクリレート(屈
折率1.49)を用い、このコア材の表面に屈折率が
1.40のフッ素樹脂を20μmの厚みで被覆してクラ
ッド材を形成することによって、光ファイバを作製し
た。
【0036】上記の実施例1〜5及び比較例1〜2で作
製した光ファイバの一端にHe−Neレーザー(波長5
43.5nm)を照射し、受光角θを測定した。また光
源として10Wタングステンランプを用い、光ファイバ
の一方の端部から光を入射すると共に他方の端部からの
出射光の照度を照度計(カスタムLX1330)で測定
して、伝送光量を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1にみられるように、比較例1の光ファ
イバは、コア材が疎水化処理や超臨界乾燥の際の薬品や
高温の影響で劣化し、光伝送量が小さくなっているが、
実施例1〜実施例5の光ファイバは伝送光量が大きいこ
とが確認される。またコア材とクラッド材の比屈折率差
が小さい比較例2の光ファイバは、受光角θが小さい
が、実施例1〜実施例5の光ファイバは受光角θが大き
いことが確認される。
【0039】
【発明の効果】上記のように本発明は、コア材とコア材
を覆うエアロゲルからなるクラッド材とから形成される
光ファイバを製造するにあたって、コア材とコア材の外
周部の被覆材との間にシリカエアロゲルを設けるように
したので、シリカエアロゲルからなるクラッド材は屈折
率が小さくコア材とクラッド材の比屈折率差が大きい光
ファイバに形成することができ、受光角が大きい光ファ
イバを得ることができると共に、シリカエアロゲルから
なるクラッド材を被覆材で保持してコア材の外周に設け
ることができ、シリカエアロゲルを製造する際の疎水化
処理や超臨界乾燥の処理がコア材に作用することがなく
なって、コア材として透明樹脂等を用いても劣化が生じ
ることがなくなり、伝送光量の大きい光ファイバを得る
ことができるものである。
【0040】また請求項2の発明は、コア材の外周部に
被覆材を配置し、コア材と被覆材の間の間隙にシリカエ
アロゲルを吸引して充填することによって、コア材とコ
ア材の外周部の被覆材との間にシリカエアロゲルを設け
るようにしたので、コア材が長尺のものである場合や、
コア材と被覆材の間の間隙が小さい場合においても、効
率良くシリカエアロゲルを充填することができ、コア材
の外周にシリカエアロゲルからなるクラッド材を形成し
た光ファイバを容易に製造することができるものであ
る。
【0041】また請求項3の発明は、上記の被覆材とし
て熱収縮チューブを用い、コア材とコア材の外周部の被
覆材との間にシリカエアロゲルを設けた後、加熱して熱
収縮チューブの被覆材を収縮させるようにしたので、シ
リカエアロゲルからなるクラッド材を収縮させた被覆材
とコア材との間に強く固定することができるものであ
る。
【0042】また請求項4の発明は、上記の被覆材とし
て接着テープを用い、接着テープの接着面にシリカエア
ロゲルを貼着させ、コア材の外周にシリカエアロゲルを
貼着させた面で接着テープを巻き付けることによって、
コア材とコア材の外周部の被覆材との間にシリカエアロ
ゲルを設けるようにしたので、コア材に接着テープを巻
き付けるという簡易な工程で光ファイバを製造すること
ができるものである。
【0043】また請求項5の発明は、接着テープの接着
面の接着剤を、無溶剤性の感圧接着剤で形成するように
したので、シリカエアロゲルに有機溶剤が作用して白濁
するようなことを防ぐことができるものである。また請
求項6の発明は、上記のシリカエアロゲルは、屈折率が
1.008〜1.18であることを特徴とするものであ
り、コア材との屈折率の差を大きく設定することができ
ると共に、シリカエアロゲルの透明性を確保することが
できるものである。
【0044】また請求項7の発明は、上記のシリカエア
ロゲルは、アルコキシシランを加水分解重合させた後
に、超臨界乾燥して得られたシリカの多孔質骨格である
ことを特徴とするものであり、透明性が高く屈折率の小
さいシリカエアロゲルを得ることができるものである。
また請求項8の発明は、上記のシリカエアロゲルは、疎
水化処理されたものであることを特徴とするものであ
り、シリカエアロゲルが吸湿や吸水して、屈折率や光透
過性等の性能が劣化することを防止することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略構成の断
面図である。
【図2】本発明で製造された光ファイバの実施の形態の
一例を示すものであり,(a)は正面断面図、(b)は
側面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の他例を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 クラッド材 1a シリカエアロゲル 2 コア材 3 被覆材 3a 熱収縮チューブ 3b 接着テープ
フロントページの続き (72)発明者 園田 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材とコア材を覆うエアロゲルからな
    るクラッド材とから形成される光ファイバを製造するに
    あたって、コア材とコア材の外周部の被覆材との間にシ
    リカエアロゲルを設けることを特徴とする光ファイバの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 コア材の外周部に被覆材を配置し、コア
    材と被覆材の間の間隙にシリカエアロゲルを吸引して充
    填することによって、コア材とコア材の外周部の被覆材
    との間にシリカエアロゲルを設けることを特徴とする請
    求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記の被覆材として熱収縮チューブを用
    い、コア材とコア材の外周部の被覆材との間にシリカエ
    アロゲルを設けた後、加熱して熱収縮チューブの被覆材
    を収縮させることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記の被覆材として接着テープを用い、
    接着テープの接着面にシリカエアロゲルを貼着させ、コ
    ア材の外周にシリカエアロゲルを貼着させた面で接着テ
    ープを巻き付けることによって、コア材とコア材の外周
    部の被覆材との間にシリカエアロゲルを設けることを特
    徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 接着テープの接着面の接着剤が、無溶剤
    性の感圧接着剤であることを特徴とする請求項4に記載
    の光ファイバの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記のシリカエアロゲルは、屈折率が
    1.008〜1.18であることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記のシリカエアロゲルは、アルコキシ
    シランを加水分解重合させた後に、超臨界乾燥して得ら
    れたシリカの多孔質骨格であることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記のシリカエアロゲルは、疎水化処理
    されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の光ファイバの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8934743B2 (en) 2011-11-08 2015-01-13 Panasonic Corporation Light-receiving device having light-trapping sheet
US9103978B2 (en) 2011-11-08 2015-08-11 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light-trapping sheet, and light-receiving device and light-emitting device using the same
US9316786B2 (en) 2011-11-08 2016-04-19 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light-trapping sheet and rod, and light-receiving device and light-emitting device using the same

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