JPH1090566A - 光ファイバ - Google Patents

光ファイバ

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JPH1090566A
JPH1090566A JP8245221A JP24522196A JPH1090566A JP H1090566 A JPH1090566 A JP H1090566A JP 8245221 A JP8245221 A JP 8245221A JP 24522196 A JP24522196 A JP 24522196A JP H1090566 A JPH1090566 A JP H1090566A
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JP
Japan
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refractive index
optical fiber
core material
protective film
silica
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Withdrawn
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JP8245221A
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Inventor
Kenji Tsubaki
健治 椿
Masaru Yokoyama
勝 横山
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Kenji Sonoda
健二 園田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光角が大きく、より多くの光を伝送するこ
とができ、しかもコア材の表面に傷が発生して透過光量
が減少することを防ぐことができる光ファイバを提供す
る。 【解決手段】 コア材2と、コア材2の外面を覆う、コ
ア材2より屈折率の低いクラッド材1とから形成される
光ファイバに関する。このような光ファイバにおいて、
前記コア材2を透明樹脂3の外面に透明樹脂3より屈折
率が小さく且つ耐擦傷性が高い透明の保護膜4を設けて
形成する。また前記クラッド材1をシリカの多孔質骨格
からなるシリカエアロゲルで形成する。屈折率が小さい
シリカエアロゲルのクラッド材1によってコア材2に対
する比屈折率差が大きくなり、受光角が大きくなってよ
り多くの光を伝送できる。またシリカエアロゲルのクラ
ッド材1との摩擦によって透明樹脂3に傷が発生するこ
とを保護膜4で防ぐことができ、透過光量の減少を防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア材とクラッド
材から形成される光ファイバに関するものであり、詳し
くは、太陽光の伝送、医療用機器照明や顕微鏡照射、自
動車部品等の照明関係、パンチカード読み取りやマーク
読み取り等の情報システム関係、遠隔モニター、自動検
査等のプロセスコントロール関係、その他装飾品や玩具
等におけるライトガイド、紫外線ファイバ、赤外線ファ
イバ、イメージファイバ、ウェーブガイド、アクティブ
ファイバ等に適用でき、高い伝送効率を得ることができ
る光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバのコア材としては、石
英系ガラスや多成分系ガラス等のガラス類、メチルメタ
クリレート等のアクリル系やスチロール系のプラスチッ
ク類、あるいはテトラクロールエチレン等の透明な液体
類が用いられている。また、クラツド材としては、コア
材よりも屈折率の低いソーダライム系やホウケイ酸ガラ
ス系等のガラス類、塩化ビニル、アリルジグリコールカ
ーボネートやフツ素を添加して屈折率を低下させたアク
リル系のプラスチック類等が用いられている。
【0003】光ファイバにおいて、クラツド材の屈折率
はコア材の屈折率よりも低くなるように構成されている
が、それらの屈折率の差の大小により光ファイバの受光
角及びコア材とクラツド材との境界面における光の全反
射角が異なってくる。一般的にコア材とクラツド材の屈
折率の差を表す指標として、次式で表される比屈折率差
が用いられている。
【0004】比屈折率差=(n1 −n2 )/n1 (式中、n1 はコア材の屈折率、n2 はクラツド材の屈
折率を示す。) また、光ファイバの開口数及び受光角θは次式で表され
る。 開口数=n・sinθ=(n1 2−n2 21/2 (式中、nは光ファイバの外界の屈折率であり、通常は
空気でn=1.0である。) これらの式にみられるように、光ファイバの受光角θは
コア材とクラツド材の屈折率の差が大きい程大きくな
り、すなわち比屈折率差が大きいほど大きくなる。つま
り多くの光を伝送するには、比屈折率差を大きくする必
要がある。このことは、コア材の屈折率を高くし、クラ
ツド材の屈折率を低くすることで達成され得るものであ
る。
【0005】ここで、ガラス光ファイバにおいて、純粋
な石英ガラスは光損失が小さく、耐熱性、耐薬品性に優
れていることからコア材として多用されている。しかし
ながら、石英ガラスの屈折率は1.46と低く、これよ
りも屈折率が低いクラツド材の選定が問題となる。そこ
でクラツド材にガラスを用いる場合には、純粋な石英ガ
ラスよりも屈折率を低下させるために、B2 3 やフツ
素等の屈折率低下成分を添加する方法等がとられてい
る。また、石英ガラスに屈折率上昇用ドーパントを添加
することにより、光損失を低く維持した状態で屈折率を
上昇させる方法もある。このようなドーパントとして
は、TiO2 、Ta2 5 、SnO2 、Nb 2 5 、Z
rO2 、Yb2 3 、La2 3 、Al2 3 等が挙げ
られる。この場合には、クラツド材として純粋な石英ガ
ラス、あるいはより低屈折率なドープト石英ガラスを用
いることができる。また、クラツド材としてプラスチッ
クを用いる場合には、ポリシロキサンやシリコンゴム等
のケイ素樹脂や、フツ化エチレンプロピレン、フツ化ビ
ニリデン等のフツ素含有樹脂等が使用されるが、これら
の屈折率は低いもので1.29〜1.33程度である。
【0006】前述したように、コア材とクラツド材の比
屈折率差により光ファイバの受光角は変化する。例え
ば、ライトガイドにおいて、コア材にフリント系のF2
ガラス(屈折率1.62)、クラツド材にソーダライム
系ガラス(屈折率1.52)を用いた場合、開口数が
0.56、受光角θが34°となる。また、プラスチッ
ク光ファイバにおいても、コア材にメタクリル樹脂(屈
折率1.49)、クラツド材にフツ素樹脂(屈折率1.
39)を用いた場合には、開口数が0.54、受光角θ
が32°となる。
【0007】このように、従来のコア材及びクラッド材
を用いて光ファイバを作製した場合には、受光角θは3
0〜50°程度であり、多くの光を伝送することは困難
であった。そこで、本出願人によって、クラッド材とし
てシリカエアロゲルを用いることが特願平7−3206
1号として提案されている。シリカエアロゲルは1.0
08〜1.18程度の低い屈折率に形成することができ
るものであり、このように屈折率の低いシリカエアロゲ
ルをクラッド材として用いて作製した光ファイバーは、
屈折率差が大きくなって、受光角θを90°程度に大き
くすることが可能になるものであり、多くの光を伝送す
ることができるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記の特願平
7−32061号においては、コア材として主として石
英ガラス等のガラス類を用いるようにしているが、コア
材として透明樹脂を用いることも検討されるに至ってい
る。しかし、コア材として透明樹脂を用いる場合、樹脂
は表面硬度が一般に小さく、耐擦傷性が低いために、シ
リカエアロゲルのクラッド材との接触によってコア材の
表面に微細な傷が発生し易いという問題があった。すな
わち、このようにコア材の表面に傷が発生すると、傷の
部分で光が乱反射して光がコア材から漏れ易くなり、透
過光量が減少するという問題が生じるものである。特
に、光ファイバに曲げやねじれが繰り返して作用する
と、コア材とクラッド材との境界面で両材料が擦れ合っ
て傷が発生し、透過光量が大きく減少するという問題が
生じるものであった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、受光角が大きく、より多くの光を伝送することが
でき、しかもコア材の表面に傷が発生して透過光量が減
少することを防ぐことができる光ファイバを提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、コア材と、コ
ア材の外面を覆う、コア材より屈折率の低いクラッド材
とから形成される光ファイバに関するものであり、前記
コア材を透明樹脂の外面に透明樹脂より屈折率が小さく
且つ耐擦傷性が高い透明の保護膜を設けて形成し、前記
クラッド材をシリカの多孔質骨格からなるシリカエアロ
ゲルで形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明は、前記保護膜をSi
2 で形成するようにしたことを特徴とするものであ
る。また請求項3の発明は、前記保護膜をMgF2 で形
成するようにしたことを特徴とするものである。また請
求項4の発明は、前記保護膜をアクリル系架橋樹脂で形
成するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】また請求項5の発明は、前記保護膜をシリ
コーン系架橋樹脂で形成するようにしたことを特徴とす
るものである。また請求項6の発明は、前記シリカエア
ロゲルの屈折率は1.008〜1.18であることを特
徴とするものである。また請求項7の発明は、前記シリ
カエアロゲルとして、アルコキシシランを加水分解重合
させた後に、超臨界乾燥して得られたものを用いること
を特徴とするものである。
【0013】また請求項8の発明は、前記シリカエアロ
ゲルとして、疎水化処理されたものを用いることを特徴
とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明に係る光ファイバの一例を示すもの
であり、表面に保護膜4を設けた透明樹脂3のコア材2
と、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルのク
ラッド材1とで形成してある。
【0015】コア材2を構成する透明樹脂3としては、
ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル
系、ポリカーボネート、その他スチロール系などの光学
系透明プラスチック類を用いることができる。この透明
樹脂3の外面に被覆される保護膜4は、透明であって、
透明樹脂3より屈折率が小さく、且つ透明樹脂3よりも
耐擦傷性が高い材料で形成されるものであり、具体的に
は、SiO2 、MgF2 等の無機系被膜や、アクリル系
架橋樹脂、シリコーン系架橋樹脂等の有機系被膜を用い
ることができる。
【0016】ここで、SiO2 は屈折率が1.46、M
gF2 は屈折率が1.38であり、それぞれ真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物
理的方法で透明樹脂3の表面にコーティングすることに
よって、保護膜4として形成することができる。またア
クリル系架橋樹脂は、1分子中に複数個のアクリロイル
オキシ基〔CH 2 =CH−COO−〕またはメタクリロ
イルオキシ基〔CH2 =C(CH3 )COO−〕を有す
るモノマーあるいはオリゴマーを、ラジカル反応によっ
てC−C結合させ、高度な架橋構造としたものであり、
紫外線等の活性エネルギー線を照射して架橋硬化させる
ことによって、透明樹脂3の表面に保護膜4として形成
することができる。
【0017】さらにシリコーン系架橋樹脂は、アルコキ
シシランと、官能基の一部が−CH=CH2 、−CHC
2 O、一CH2 NH2 、−OCOC(CH3 )=CH
2 、−CH2 Cl、−CH2 OH、−CH2 SH等にな
っているカーボンファンクショナルシランのアルコキシ
基の加水分解によってシラノール基〔−SiOH〕を形
成し、ついでシラノール基の脱水自己縮合によってシロ
キサン結合〔Si−0−Si〕の高度な架橋構造体とし
たものであり、加熱硬化させることによって、透明樹脂
3の表面に保護膜4として形成することができる。
【0018】これらの保護膜4の膜厚は、保護膜4の材
料等に応じて設定されるものであって特に限定されるも
のではないが、1〜100μm程度の厚みで形成するの
が一般的に好ましい。一方、クラッド材1を構成するシ
リカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルは、米国特
許第4402827号公報、同第4432956号公
報、同第4610863号公報等で提供されているよう
に、アルコキシシラン(シリコンアルコキシド、アルキ
ルシリケートとも称される)の加水分解、重合反応によ
って得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合
物を、アルコールあるいは二酸化炭素等の溶媒(分散
媒)の存在下で、この溶媒の超臨界点以上の超臨界状態
で乾燥することによって製造することができる。また、
米国特許第5137297号公報、同第5124364
号公報のように、ケイ酸ナトリウムを原料として同様に
製造することができる。ここで、特開平5−27901
1号公報、特開平7−138375号公報に開示されて
いるように、アルコキシシランの加水分解、重合反応に
よって得られたゲル状化合物を疎水化処理することによ
って、シリカエアロゲルに疎水性を付与することが好ま
しい。このように、疎水性を付与した疎水性シリカエア
ロゲルは、湿気や水等が侵入し難くなり、屈折率や光透
過性等の性能が劣化し難くなるものである。
【0019】上記のシリカの多孔質骨格からなるシリカ
エアロゲルの屈折率は、原料配合比によって自由に変化
させることが可能であるが、コア材との屈折率の差を大
きく設定しまたシリアエアロゲルの透明性の性能を確保
するためには、1.008〜1.18の範囲に屈折率を
調整するのが好ましい。屈折率がこのように非常に小さ
いので、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲル
をクラッド材1として用いることによって、種々のコア
材2に対して比屈折率差を飛躍的に大きくした光ファイ
バを得ることができるものであり、受光角θを最大の9
0°にまですることが可能になるものである。このた
め、広い受光角θで集光してより多くの光を伝送するこ
とができ、出射端における光の出射角も大きくすること
ができるものである。尚、クラッド材1の外側には、ク
ラッド材1を保持するための被覆材を設けてもよい。こ
のような被覆材としては、例えば、ポリエチレン、架橋
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンエラス
トマー等の樹脂や、ステンレス等の金属類などを用いる
ことができる。
【0020】そして上記のように形成される光ファイバ
にあって、コア材2を構成する透明樹脂3の表面には耐
擦傷性の高い保護膜4が被覆してあるので、シリカの多
孔質骨格からなるシリカエアロゲルのクラッド材1との
摩擦によって傷が透明樹脂3に発生することを保護膜4
で防ぐことができる。このため、光ファイバに曲げやね
じれが繰り返して作用しても透明樹脂3に傷が発生する
ことを防止し、透過光量の減少を抑制することができる
ものである。尚、保護膜4の屈折率は上記のように透明
樹脂3よりも小さいので、透明樹脂3を通過した光が保
護膜4に入射する際の屈折角が大きくなり、この結果、
保護膜4からクラッド材1への入射角が大きくなって、
光が保護膜4からクラッド材1へと進入して漏れること
を防ぐことができるものである。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。 (実施例1)透明樹脂として直径3mm、長さ30cm
のポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)を用
い、その表面にSiO2 の保護膜をスパッタリング法に
よって2μmの厚みでコーティングしてコア材を作製し
た。SiO2 の保護膜は、無色透明な均一の膜であり、
屈折率は1.46であった。
【0022】このコア材を直径6mmの熟収縮チューブ
内に挿入し、コア材の外周と熱収縮チューブの内周の間
の隙間に粒径1mmのビーズ状シリカエアロゲル(屈折
率1.03)を充填した後、ドライヤーで加熱して熱収
縮チューブを収縮させ、シリカエアロゲルによるクラッ
ド材でコア材の外表面を被覆した光ファイバを作製し
た。
【0023】ここで、上記ビーズ状シリカエアロゲルは
次の方法で得たものを使用した。まずテトラメトキシシ
ランのオリゴマー(コルコート社製「メチルシリケート
51」:平均分子量=約470)、エタノール(ナカラ
イテスク社製特級試薬)、水、15Nアンモニア水をモ
ル比で1:43:20:0.20で混合してゾル溶液を
調製し、このゾル溶液を直径が1.0mm、高さが1.
0mmの円筒状の穴が開いた多孔板に流し込み、ゲル状
化合物を作製した。次に、このゲル状化合物を0.2m
ol/Lのヘキサメチルジシラザン(東レダウコーニン
グシリコーン社製試薬)のエタノール溶液中で40℃で
2時間程度加熱攪拌することによって、疎水化処理を行
った。次でこの疎水化処理したゲル状化合物を、18
℃、55気圧の二酸化炭素中に入れ、ゲル状化合物内の
エタノールを二酸化炭素に置換する操作を2時間程度行
い、系内を二酸化炭素の超臨界条件である、40℃、8
0気圧にして、超臨界乾操を約24時間行なうことによ
って、シリカの多孔質骨格からなるビーズ状のシリカエ
アロゲルを得た。
【0024】(実施例2)透明樹脂として、直径3m
m、長さ30cmのポリメチルメタクリレート(屈折率
1.49)を用い、その表面にMgF2 の保護膜を真空
蒸着法によって2μmの厚みでコーティングしてコア材
を作製した。MgF2 の保護膜は、無色透明な均一の膜
であり、屈折率は1.38であった。このコア材を用
い、後は上記実施例1と同様にして光ファイバを作製し
た。
【0025】(実施例3)透明樹脂として、直径3m
m、長さ30cmのポリカーボネート(屈折率1.5
9)を用い、その表面にSiO2 の保護膜をイオンプレ
ーティング法によって1μmの厚みでコーティングして
コア材を作製した。SiO2 の保護膜は、無色透明な均
一の膜であり、屈折率は1.46であった。このコア材
を用い、後は上記実施例1と同様にして光ファイバを作
製した。
【0026】(実施例4)透明樹脂として、直径3m
m、長さ30cmのポリメチルメタクリレート(屈折率
1.49)を用いた。そしてアクリル系の「Gafga
rd233」(GAF Corporation製)を
透明樹脂の表面にスプレーコーティングした後、UVラ
ンプで紫外線を1分間照射することによって、厚み20
μmのアクリル系架橋樹脂の保護膜を形成し、コア材を
得た。アクリル系架橋樹脂の保護膜は、無色透明な均一
の膜であり、屈折率は1.44であった。このコア材を
用い、後は上記実施例1と同様にして光ファイバを作製
した。
【0027】(実施例5)透明樹脂として、直径3m
m、長さ30cmのポリカーボネート(屈折率1.5
9)を用いた。そして透明樹脂の表面に「プライマーP
H91」(東芝シリコーン社製)を塗装した後、この上
にシリコーン系の「トスガード510」(東芝シリコー
ン社製)をディップコーティングし、120℃で60分
間加熱して硬化させることによって、厚み15μmのシ
リコーン系架橋樹脂の保護膜を形成し、コア材を得た。
シリコーン系架橋樹脂の保護膜は、無色透明な均一な膜
で屈折率は1.47であった。このコア材を用い、後は
実施例1と同様にして光ファイバを作製した。
【0028】(比較例1)コア材として直径3mm、長
さ30cmのポリメチルメタクリレート(屈折率1.4
9)を用い(保護膜なし)、この表面にクラツド材とし
て厚み50μmのフツ素樹脂(屈折率1.39)を被覆
した他は、実施例1と同様にして光ファイバを作製し
た。
【0029】(比較例2)コア材として直径3mm、長
さ30cmのポリメチルメタクリレート(屈折率1.4
9)を用い(保護膜なし)、この表面に実施例1と同じ
ようにシリカエアロゲルをクラツド材として被覆した他
は、実施例1と同様にして光ファイバを作製した。
【0030】上記の実施例1〜5及び比較例1〜2につ
いて、コア材の表面の耐擦傷性を測定した。耐擦傷性の
測定は、#0000のスチールウールでコア材(保護
膜)の表面を軽く擦りながら10往復させるスチールウ
ール試験法で行ない、コア材(保護膜)に付いた傷の程
度を、A:全く傷が付かない、B:若干傷が付く、C:
無数の傷が付く、の3段階で評価した。結果を表1に示
す。
【0031】また実施例1〜5及び比較例1〜2で作製
した光ファイバの一端にHe−Neレーザ(波長54
3.5nm)を照射し、受光角θを測定した。さらに、
光源として10Wタングステンランプを用い、光ファイ
バの一方の端部から光を入射すると共に他方の端部から
の出射光の照度を照度計(カスタムLX1330)で測
定して、伝送光量を求めた。また、直径50mmの円柱
形の屈曲バーを用い、光ファイバをこの屈曲バーの外周
に沿わせるようにして屈曲角度±90°で100回の繰
り返し曲げを行った後の伝送光量を同様にして測定し
た。これらの結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果、実施例1〜実施例5の光ファ
イバは、クラッド材としてシリカエアロゲルを用いない
比較例1に比べて、受光角θ及び透過光量が大きくなる
ことが確認できた。また、保護膜で保護しないコア材を
用いた比較例2に比べて、初期の性能は同じであるが、
繰り返し曲げ試験後の透過光量が低下せず、性能の劣化
を防止できることが確認できた。
【0034】
【発明の効果】本発明の請求項1及至請求項7に係る光
ファイバは、コア材を透明樹脂の外面に透明樹脂より屈
折率が小さく且つ耐擦傷性が高い透明の保護膜を設けて
形成し、前記クラッド材をシリカの多孔質骨格からなる
シリカエアロゲルで形成するようにしたので、屈折率が
小さいシリカエアロゲルのクラッド材によってコア材に
対する比屈折率差を大きくすることができ、受光角が大
きくなってより多くの光を伝送することができるもので
あり、しかもコア材を構成する透明樹脂の表面を耐擦傷
性が高い保護膜で保護することができ、シリカエアロゲ
ルのクラッド材との摩擦によって透明樹脂に傷が発生す
ることを保護膜で防いで、透過光量が減少することを防
止することができるものである。
【0035】また請求項8の発明は、シリカエアロゲル
として疎水化処理されたものを用いるようにしたので、
シリカエアロゲルのクラッド材に湿気や水等が侵入する
ことを防ぐことができ、屈折率や光透過性等の性能が劣
化することを防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
1 クラッド材 2 コア材 3 透明樹脂 4 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材と、コア材の外面を覆う、コア材
    より屈折率の低いクラッド材とから形成される光ファイ
    バにおいて、前記コア材を透明樹脂の外面に透明樹脂よ
    り屈折率が小さく且つ耐擦傷性が高い透明の保護膜を設
    けて形成し、前記クラッド材をシリカの多孔質骨格から
    なるシリカエアロゲルで形成して成ることを特徴とする
    光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記保護膜はSiO2 で形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記保護膜はMgF2 で形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記保護膜はアクリル系架橋樹脂で形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイ
    バ。
  5. 【請求項5】 前記保護膜はシリコーン系架橋樹脂で形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファ
    イバ。
  6. 【請求項6】 前記シリカエアロゲルは、屈折率が1.
    008〜1.18であることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の光ファイバ。
  7. 【請求項7】 前記シリカエアロゲルは、アルコキシシ
    ランを加水分解重合させた後に、超臨界乾燥して得られ
    たものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の光ファイバ。
  8. 【請求項8】 前記シリカエアロゲルは、疎水化処理さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに
    記載の光ファイバ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021029855A1 (en) * 2019-08-09 2021-02-18 Halliburton Energy Services, Inc. Light pipe for logging-while-drilling communications

Cited By (1)

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WO2021029855A1 (en) * 2019-08-09 2021-02-18 Halliburton Energy Services, Inc. Light pipe for logging-while-drilling communications

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