JP2867945B2 - 光ファイバ - Google Patents

光ファイバ

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JP2867945B2
JP2867945B2 JP8040218A JP4021896A JP2867945B2 JP 2867945 B2 JP2867945 B2 JP 2867945B2 JP 8040218 A JP8040218 A JP 8040218A JP 4021896 A JP4021896 A JP 4021896A JP 2867945 B2 JP2867945 B2 JP 2867945B2
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silica airgel
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健二 園田
勝 横山
弘 横川
健治 椿
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Matsushita Electric Works Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最外層のクラッド
材として、シリカの多孔質骨格からなるエアロゲルを用
いた、複数層のクラッド材を備える光ファイバに関し、
詳しくは、太陽光の伝送、医療用機器照明、顕微鏡照
射、自動車部品等の照明関係、パンチカード読み取り、
マーク読み取り等の情報システム関係、遠隔モニター、
自動検査等のプロセスコントロール関係、その他装飾
品、玩具等におけるライトガイド、紫外線ファイバ、赤
外線ファイバ、イメージファイバ、ウェーブガイド、ア
クティブファイバ等に適用でき、高い伝送効率を得るこ
とができる光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバのコア材としては、石
英系ガラスや多成分系ガラス等のガラス類、メチルメタ
クリレート等のアクリル系やスチロール系のプラスチッ
ク類、あるいはテトラクロルエチレン等の透明な液体類
が用いられている。また、クラッド材としては、コア材
よりも屈折率の低いソーダライム系やホウケイ酸ガラス
系等のガラス類、塩化ビニル、アリルジグリコールカー
ボネートやフッ素を添加して屈折率を低下させたアクリ
ル系のプラスチック類等が用いられている。
【0003】ここで、クラッド材の屈折率はコア材の屈
折率よりも小さくなるように構成されているが、それら
の屈折率の差の大小により光ファイバの受光角及びコア
材とクラッド材との境界面における光の全反射角が異な
ってくる。
【0004】一般的にコア材とクラッド材の屈折率の差
を表す指標として比屈折率差が用いられており、次式で
表される。
【0005】比屈折率差=(n1 −n2 )/n1 ここで、 n1 はコア材の屈折率、 n2 はクラッド材
の屈折率を示している。
【0006】また、光ファイバの開口数及び受光角θa
[図7参照]は次式で表される。 開口数=n・sinθa =(n1 2−n2 21/2 ここで、nは光ファイバの外界の屈折率であり、通常は
空気でn=1.0である。また、コア材とクラッド材の
境界面における光の全反射角φa は次式で表される。
sinφa =n2 /n1 したがって、光ファイバの受光角θa は、コア材とクラ
ッド材との屈折率の差が大きいほど、すなわち、比屈折
率差が大きいほど大きくなる。つまり、光ファイバの集
光効率を高めるためには、比屈折率差を大きくする必要
がある。このことは、コア材の屈折率を高くし、クラッ
ド材の屈折率を低くすることで達成され得る。
【0007】ガラス光ファイバに用いられる純粋な石英
ガラスは光損失が小さく、耐熱性、耐薬品性に優れてい
ることから、コア材として多用されている。しかしなが
ら、石英ガラスの屈折率は1.49と低く、これよりも
屈折率が低いクラッド材の選定が問題となる。クラッド
材にガラスを用いる場合には、純粋な石英ガラスよりも
屈折率を低下させるために、B2 3 やフッ素等の屈折
率低下成分を添加する方法等がある。また、石英ガラス
に屈折率上昇用ドーパントを添加することにより、光損
失を低く維持した状態で屈折率を上昇させる方法もあ
る。このようなドーパントとしては、TiO2 、Ta2
5 、SnO2 、Nb2 5 、ZrO2 、Yb2 3
La2 3 、Al2 3 等が挙げられる。この場合に
は、クラッド材として純粋な石英ガラス、あるいはより
低屈折率のドープト石英ガラスが用いられる。また、ク
ラッド材としてプラスチックを用いる場合には、ポリシ
ロキサンやシリコンゴム等のケイ素樹脂や、フッ化エチ
レンプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂
等が挙げられる。これらの屈折率は低いもので1.29
〜1.33程度である。
【0008】前述したように、コア材とクラッド材との
比屈折率差により光ファイバの受光角θa が変化する。
例えば、ライトガイドにおいて、コア材としてフリント
系のF2ガラス(屈折率1.62)、クラッド材として
ソーダライム系ガラス(屈折率1.52)を用いた場合
には、開口数が0.56、受光角θa が34度となる。
また、プラスチック光ファイバにおいても、コア材とし
てメタクリル樹脂(屈折率1.58)、クラッド材とし
てフッ素樹脂(屈折率1.39)を用いた場合には、開
口数が0.75、受光角θa が48.7度となる。この
ように、従来のコア材及びクラッド材を用いた光ファイ
バの場合には、受光角θa は30〜50度程度であり、
高効率で集光することが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、受光
角が大きく、集光効率の高い光ファイバを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
光ファイバは、コア材と、このコア材の外面を覆う、コ
ア材より屈折率の低いクラッド材とにより形成される光
ファイバにおいて、前記クラッド材が、複数層のクラッ
ド材から構成され、これらの複数層のクラッド材の最外
層のクラッド材が、1.008〜1.18の屈折率を有
する、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルで
あることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係る光ファイバは、前
記クラッド材が、コア材から離れるにしたがい屈折率が
低くなる、複数層のクラッド材から構成されていること
を特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る光ファイバは、前
記クラッド材が、2層のクラッド材から構成されている
ことを特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に係る光ファイバは、前
記シリカエアロゲルが、アルコキシシランを加水分解重
合させた後に、超臨界乾燥して得られることを特徴とす
る。
【0014】本発明の請求項5に係る光ファイバは、前
記シリカエアロゲルが疎水化処理されていることを特徴
とする。
【0015】本発明の請求項6に係る光ファイバは、前
記最外層のクラッド材であるシリカエアロゲルが、最外
層に最も近い内層のクラッド材の外面の一部を覆うこと
を特徴とする。
【0016】本発明の請求項7に係る光ファイバは、前
記最外層のクラッド材であるシリカエアロゲルの外面
が、被覆材によって被覆され、かつ、この被覆材と前記
内層のクラッド材とが離れていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明に係る光ファイバは、コア材と、こ
のコア材の外面を覆う、コア材より屈折率の低いクラッ
ド材とにより形成されている。このクラッド材は、複数
層のクラッド材から構成され、これらの複数層のクラッ
ド材の中で、最外層のクラッド材が、1.008〜1.
18の屈折率を有する、シリカの多孔質骨格からなるシ
リカエアロゲルであることが必要である。前記複数層の
クラッド材は、前記コア材から離れるにしたがい屈折率
が低くなることが好ましい。すなわち、複数層のクラッ
ド材の屈折率は、コア材の屈折率より低く、かつ、前記
複数層のクラッド材の中では、コア材の外面を覆う最内
層のクラッド材の屈折率が最大であり、最内層のクラッ
ド材から最外層のクラッド材に向かうにしたがい、屈折
率が次第に低くなり、最外層のクラッド材が、最小の屈
折率を有することが、好ましい。前記複数層のクラッド
材は、2層以上であればよく、限定されない。以下、主
に、2層のクラッド材を備える光ファイバについて説明
する。
【0019】図1(a)に示すように、本発明に係る光
ファイバは、例えば、屈折率n1 を有するコア材1と、
このコア材1の外面を覆う、コア材1より屈折率の低
い、屈折率n2aを有する第1のクラッド材2aと、この
第1のクラッド材2aの外面を覆う、この第1のクラッ
ド材2aより屈折率の低い、屈折率n2bを有する第2の
クラッド材2bとにより形成されている。前記コア材1
として、例えば、石英系ガラス若しくは多成分系ガラス
等のガラス類、ポリメチルメタクリレート(PMMA)
等のアクリル系若しくはスチロール系等のプラスチック
類、又は、テトラクロルエチレン等の透明な液体類等が
用いられる。第1のクラッド材2aとしては、コア材よ
りも屈折率の低い、例えば、ソーダライム系やホウケイ
酸ガラス系等のガラス類、塩化ビニル、アリルジグリコ
ールカーボネートやフッ素を添加して屈折率を低下させ
たアクリル系のプラスチック類等が用いられるが、限定
されない。本発明に係る光ファイバは、例えば、屈折率
1 のコア材1と、このコア材1の外面を覆う、コア材
1より屈折率の低い、屈折率n2aの第1のクラッド材2
aとにより構成される受光角の小さい従来の光ファイバ
ーを用いて、この従来の光ファイバーと、この従来の光
ファイバーの外面を覆う、前記第1のクラッド材2aよ
り屈折率の低い、屈折率n2bの第2のクラッド材2bと
により形成されていてもよい。
【0020】最外層のクラッド材である前記第2のクラ
ッド材2bとしては、屈折率n2bが1.008〜1.1
8である、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲ
ルを用いることが必須である。この第2のクラッド材2
bであるシリカエアロゲルは、空気の屈折率n=1.0
0に近い屈折率n2bを有しており、この屈折率n2bは、
シリカエアロゲルの原料配合比によってn2b=1.00
8〜1.18の範囲で変化させることができるため、例
えば、コア材1を第1のクラッド材2aで覆った形状を
有する、受光角の小さい従来の光ファイバを用いて、図
1に示すように、第1のクラッド材2aの周囲を最外層
のクラッド材である第2のクラッド材2bであるシリカ
エアロゲルで取り囲むことにより、受光角の小さい従来
の光ファイバの受光角θa を、θb まで増大させること
ができる。すなわち、受光角θaの従来の光ファイバで
は、コア材1と第1のクラッド材2aの各屈折率から得
られる受光角θa よりも広い角度でコア中に入射した光
は、コア材1と第1のクラッド材2aの境界面におい
て、全反射せず第1のクラッド材2a中に入射し、その
後、被覆材に吸収されて伝送されない(図7参照)。
【0021】しかしながら、本発明に係る光ファイバ
は、内層のクラッド材である第1のクラッド材2aの周
囲に、最外層のクラッド材である第2のクラッド材2b
として、原料配合比によって1.008〜1.18まで
変化させることができる極めて低い屈折率を有するシリ
カエアロゲルを用いているため、受光角θa よりも広い
受光角θb でコア材1中に入射し、第1のクラッド材2
a内に入射した光を、第1のクラッド材2aと第2のク
ラッド材2bとの境界面で、全反射させながら伝送する
ことができる。このことより、従来の光ファイバでは伝
送できなかった、受光角θa よりも広角で入射する光で
あっても、伝送することが可能となる。すなわち、広い
受光角で集光することが可能となり、集光効率が向上す
る。しかも、出射端における光の出射角も大きくするこ
とができる。
【0022】本発明に係る光ファイバに用いるシリカエ
アロゲルの屈折率は、ゲルの原料配合比によって1.0
08〜1.18まで変化させることができるため、種々
のコア材及び第1のクラッド材等の内層のクラッド材に
応じて比屈折率差を飛躍的に大きくでき、特に、コア材
として純粋な石英ガラス(屈折率1.49)を用いる場
合には有効である。このように、シリカエアロゲルを第
2のクラッド材等の最外層のクラッド材として用いるこ
とにより、従来の光ファイバよりも広い受光角で集光す
ることが可能となり、集光効率が向上する。また、出射
端における光の出射角も大きくすることができる。
【0023】また、コア材を被覆している第1のクラッ
ド材の屈折率はコア材の屈折率よりも低く、かつ、第2
のクラッド材の屈折率よりも高いことが好ましい。第1
のクラッド材等の内層のクラッド材の材質としては、前
記したものが挙げられるが、透明性に優れ、光の吸収や
散乱を生じさせないものが好ましい。本発明に係る光フ
ァイバに用いるシリカエアロゲルは、USP44029
27号、同4432956号、同4610863号に開
示されているように、アルコキシシラン(シリコンアル
コキシド、アルキルシリケートとも称される)の加水分
解、重合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤
状態のゲル状化合物を、アルコールあるいは二酸化炭素
等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以上
の超臨界状態で乾燥することによって製造できる。ま
た、USP5137297号、同5124364号に開
示されているように、ケイ酸ナトリウムを原料として同
様に製造することができる。ここで、特開平5−279
011号公報、特開平7−138375号公報に開示さ
れているように、アルコキシシランの加水分解、重合反
応によって得られたゲル状化合物を疎水化処理すること
によりシリカエアロゲルに疎水性を付与することが好ま
しい。すなわち、疎水性を付与した疎水性シリカエアロ
ゲルは、湿気や水等が侵入し難く、屈折率や光透過性等
の性能が劣化し難い。
【0024】次に、本発明に係る光ファイバの形状につ
いて説明する。まず、図1(a)に示すように、例え
ば、屈折率n1 を有するコア材1と、このコア材1の外
面を覆う、コア材1より屈折率の低い、屈折率n2aを有
する第1のクラッド材2aと、この第1のクラッド材2
aの外面を覆う、この第1のクラッド材2aより屈折率
の低い、屈折率n2bを有するシリカエアロゲルである第
2のクラッド材2bとにより形成されている。図1
(a)に示すように、シリカエアロゲルの第2のクラッ
ド材2bが、第1のクラッド材2aを全て被覆した形状
のものが挙げられる。ここで、図1(b)に示すよう
に、第2のクラッド材2bの外側にシリカエアロゲルの
第2のクラッド材2bを保持するための被覆材3があっ
てもよい。この被覆材3としては、例えば、ポリエチレ
ン、架橋ポリエチレン、ポリ塩化ビニル若しくはポリオ
レフィンエラストマー等の樹脂又はステンレス等の金属
類等が挙げられる。なお、これらの被覆材3がアルコー
ルや疎水化処理剤を透過させることができるような膜状
のものであれば、第2のクラッド材2bを被覆材3と一
体化した状態で疎水化処理及び超臨界乾燥ができるた
め、生産性の面から好ましい。
【0025】また、図2又は図3に示すように、第2の
クラッド材2bであるシリカエアロゲルが第1のクラッ
ド材2aの外面の一部を覆う、すなわち、第2のクラッ
ド材2bが第1のクラッド材2aを部分的に被覆してい
てもよい。このような場合、第2のクラッド材2bが存
在しない部分には屈折率が1.0の空気層が存在するた
め、比屈折率差の点から好ましい。さらに、必要とする
シリカエアロゲルの量を削減でき、可撓性の面からも優
れている。すなわち、図2(a)に示すように、リング
状のシリカエアロゲルの第2のクラッド材2bが第1の
クラッド材2aの外面の一部を所定間隔をあけて覆って
もよく、図3に示すように、粒状のシリカエアロゲルの
第2のクラッド材2bが部分的に第1のクラッド材2a
の周囲に存在していてもよい。ここで、第2のクラッド
材2bの外側にシリカエアロゲルの第2のクラッド材2
bを保持するための被覆材3があってもよい。この被覆
材3は、例えば、図2(b)に示すように、第2のクラ
ッド材2bのみを被覆していても良く、図2(c)に示
すように、光ファイバ全体を被覆していても良い。
【0026】図1乃至図3に示したものは、コア材1
と、このコア材1の外面を覆う第1のクラッド材2aと
からなるファイバ又は従来の光ファイバ等の単線の核フ
ァイバ4に対するものであるが、例えば、図4又は図5
に示すように、この核ファイバ4を複数本束ねて使用す
ることもできる。すなわち、図4(a)又は図5(a)
に示すように、予め、前記核ファイバ4の所定本数の穴
があいた円盤状の第2のクラッド材2bを用いてもよ
く、前記核ファイバ4・・4の隙間に第2のクラッド材
2bとしてシリカエアロゲルを充填してもよい。この製
法としては、図4(c)に示すように、被覆材3中に核
ファイバ4の所定本数を、所定間隔をあけて設置し、第
2のクラッド材2bとして、例えば、予め乾燥した粒状
のシリカエアロゲルを充填する方法が挙げられる。ある
いは、図4(d)に示すように、ゾル5を加水分解、重
合させるための容器内に、核ファイバ4の所定本数を、
所定間隔をあけて設置した状態で、核ファイバ4・・4
の隙間にゾル5を流し込み、ゲル化させ、第2のクラッ
ド材2bとしてシリカエアロゲルを備えた光ファイバを
得る。なお、この際、容器内に上記被覆材3を敷いてお
き、シリカエアロゲルと一体化させてもよい。
【0027】さらに、図5(b)に示すように、各核フ
ァイバ4に第2のクラッド材2bとして、リング状のシ
リカエアロゲルを所定間隔をあけて取り付けたものを、
所定本数だけ束ねる方法等が挙げられる。ここで、図5
(c)又は図5(d)に示すように、第2のクラッド材
2bの外側に、シリカエアロゲルの第2のクラッド材2
bを保持するための被覆材3があってもよい。図5
(c)に示すように、この被覆材3がシリカエアロゲル
からなる第2のクラッド材2bのみを被覆していてもよ
いし、また、図5(d)に示すように、光ファイバ全体
を被覆していてもよい。
【0028】あるいは、図6に示すように、核ファイバ
4の所定本数を、所定間隔をあけて設置した状態で、例
えば、ゾルを部分的に核ファイバ4上に塗布し、ゲル化
させた後に、核ファイバ4と一体化した状態で超臨界乾
燥して、第2のクラッド材2bとしてシリカエアロゲル
を部分的に備えた光ファイバを得るという方法が挙げら
れる。
【0029】ここで、シリカエアロゲルからなる第2の
クラッド材2bの厚み、幅、粒径等については、核ファ
イバ4同士あるいは、核ファイバ4と被覆材3とが接す
ることがない範囲で適宜選択されるものであり、特に限
定されない。なお、複数の核ファイバ4・・4を束ねて
用いる場合には、核ファイバ4・・4同志は接していて
もよい。
【0030】また、光ファイバの端面の形状について
は、平面状、ドーム状、凹凸面状、磨りガラス状等が挙
げられる。ここで、本発明に係る光ファイバように、受
光角が大きい場合については、入射面での光の反射率を
低減させるために、例えば、端面をドーム状にする等の
方策が挙げられる。
【0031】本発明に係る光ファイバの最外層のクラッ
ド材として用いるシリカエアロゲルは、シリカの多孔質
骨格から形成されているので、優れた耐熱性を有してお
り、このため、集光レンズや放物鏡等により高密度化さ
れた光エネルギーによってコア材及びクラッド材が高温
になった場合であっても劣化し難い。さらにシリカエア
ロゲルの極めて低い熱伝導率により、光ファイバの外部
に熱が伝達されにくいため、被覆材への熱的な損傷を低
減できる。
【0032】本発明に係る光ファイバは、最外層のクラ
ッド材として、非常に微細なシリカ粒子からなるシリカ
エアロゲルを使用している。その粒子径及び粒子間空隙
は光の波長よりもはるかに小さいために、多孔体である
にもかかわらず透光性を有し、かつ空気に近い屈折率を
有する。このシリカエアロゲルの屈折率を原料配合比に
より、適宜変化させることができるため、種々の屈折率
を有するコア材及び第1のクラッド材等の内層のクラッ
ド材からなる従来の光ファイバ等の核ファイバに対して
適用可能であり、その受光角及び出射角を増大させるこ
とが可能となる。その結果、高い集光効率を実現でき
る。特に、紫外線伝送や太陽光の伝送、内視鏡等におけ
るライトガイド等において、光損失の少ない石英ガラス
をコア材として用いることが多いが、このような屈折率
が低いコア材を使用する場合であっても、比屈折率を大
きくすることができるため、高い集光効率及び光伝送効
率を実現することができる。また、1本又は複数本の光
ファイバで光ファイバ出射端の半球面全体をほぼ一様に
照明することが可能となる。さらに、疎水化処理を施し
ているため、シリカエアロゲルの収縮がなく、さらに水
分吸着による性能劣化が起こり難い。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例により、具体的に説明す
る。
【0034】(実施例1)図1(a)に示すように、ポ
リメチルメタクリレートから成るコア材1を、予め特殊
フッ素樹脂からなる第1のクラッド材2aで被覆したプ
ラスチックファイバー(三菱レイヨン株式会社製;商品
名エスカ、品番CK−120C、直径3mm、長さ55
0mm)を核フィルタ4として用い、疎水化処理を施し
たシリカエアロゲルを第2のクラッド材2bとして用い
て、この第2のクラッド材2bの厚みが2mmになるよ
うに被覆した光ファイバを作製した。ここで、コア材1
の屈折率は1.495、第1のクラッド材2aである特
殊フッ素樹脂の屈折率は1.402及び第2のクラッド
材2bであるシリカエアロゲルの屈折率は1.03であ
った。また、光ファイバの両端面を0.3μmのアルミ
ナスラリーを用いて鏡面処理を施した。 この光ファイ
バの一端にHe−Neレーザ(波長543.5nm)を
照射し、受光角を測定した。その結果を表1に示した。
【0035】(実施例2)図2(a)に示すように、第
2のクラッド材2bとして、厚みが2mm、幅が5mm
のリング状の疎水化処理を施したシリカエアロゲルを、
間隔が10mmになるように核フィルタ4に被覆したこ
と以外は、実施例1と同様にして、光ファイバを作製
し、受光角を測定した。その結果を表1に示した。
【0036】(実施例3)図3に示すように、第2のク
ラッド材2bとして、疎水化処理を施した粒状のシリカ
エアロゲルを用い、この粒状のシリカエアロゲルの粒子
の直径が2〜3mm、粒子間の隙間が10mmとなるよ
うにして、第2のクラッド材2bの周囲を黒色のポリエ
チレンの被覆材3で被覆した以外は、実施例1と同様に
して、光ファイバを作製し、受光角を測定した。その結
果を表1に示した。
【0037】(実施例4)実施例1において、第2のク
ラッド材2bとして、屈折率が1.18のシリカエアロ
ゲルを用いた以外は、実施例1と同様にして、光ファイ
バを作製し、受光角を測定した。その結果を表1に示し
た。
【0038】(実施例5)図2(a)に示すように、実
施例1において、第2のクラッド材2bの周囲を黒色の
ポリエチレンの被覆材3で被覆した以外は、実施例1と
同様にして、光ファイバを作製し、受光角を測定した。
その結果を表1に示した。
【0039】(比較例1)図7に示すように、実施例1
において、第2のクラッド材2bであるシリカエアロゲ
ルに代えて、核フィルタ4の周囲を黒色のポリエチレン
の被覆材3で被覆した以外は、実施例1と同様にして、
光ファイバを作製し、受光角を測定した。その結果を表
1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果、実施例1〜実施例5は、比較
例1に比べて、受光角が大きくなり、高効率で集光可能
であることが確認できた。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至請求項7に係る光
ファイバは、コア材と、このコア材の外面を覆う、コア
材より屈折率の低いクラッド材とにより形成される光フ
ァイバにおいて、前記クラッド材が、複数層のクラッド
材から構成され、これらの複数層のクラッド材の最外層
のクラッド材が、1.008〜1.18の屈折率を有す
る、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルであ
るので、本発明の請求項1乃至請求項7に係る光ファイ
バによると、広い受光角で集光することが可能となり、
集光効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る最外層のクラッド材が、
コア材及び内層のクラッド材からなる核ファイバを、全
て被覆した光ファイバの概略説明断面図であり、(a)
は被覆材がない場合、(b)は被覆材がある場合であ
る。
【図2】本発明の実施例に係る最外層のクラッド材が核
ファイバを部分的に被覆した光ファイバの概略説明断面
図であり、(a)は被覆材がない場合、(b)は被覆材
が最外層のクラッド材のみを被覆する場合、(c)は被
覆材が光ファイバ全体を被覆する場合である。
【図3】本発明の実施例に係る粒状のシリカエアロゲル
が核ファイバを部分的に被覆した光ファイバの概略説明
図である。
【図4】本発明の実施例に係る核ファイバを複数本束ね
て使用する光ファイバの概略説明断面図であり、(a)
は被覆材がない場合、(b)は被覆材がある場合、
(c)は粒状シリカエアロゲルを最外層のクラッド材と
して用いる場合、(d)は、ゾルを核ファイバの隙間に
流し込み、シリカエアロゲルを備えた光ファイバを得る
方法の概略説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る核ファイバを複数本束ね
て使用する核ファイバをシリカエアロゲルが部分的に被
覆した光ファイバの概略説明断面図であり、(a)及び
(b)は被覆材がない場合、(c)は被覆材が最外層の
クラッド材のみを被覆する場合、(d)は被覆材が光フ
ァイバ全体を被覆する場合である。
【図6】本発明の実施例に係る核ファイバを複数本束ね
て使用する粒状のシリカエアロゲルが核ファイバを部分
的に被覆した光ファイバの概略説明断面図である。
【図7】比較例に係る光ファイバの概略説明図である。
【符号の説明】
1 コア材 2a 第1のクラッド材 2b 第2のクラッド材 3 被覆材 4 核ファイバ 5 ゾル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椿 健治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/22 C03C 13/04 G02B 6/00 391

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材と、このコア材の外面を覆う、コ
    ア材より屈折率の低いクラッド材とにより形成される光
    ファイバにおいて、前記クラッド材が、複数層のクラッ
    ド材から構成され、これらの複数層のクラッド材の最外
    層のクラッド材が、1.008〜1.18の屈折率を有
    する、シリカの多孔質骨格からなるシリカエアロゲルで
    あることを特徴とする光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記クラッド材が、コア材から離れるに
    したがい屈折率が低くなる、複数層のクラッド材から構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイ
    バ。
  3. 【請求項3】 前記クラッド材が、2層のクラッド材か
    ら構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記シリカエアロゲルが、アルコキシシ
    ランを加水分解重合させた後に、超臨界乾燥して得られ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記
    載の光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記シリカエアロゲルが疎水化処理され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか
    に記載の光ファイバ。
  6. 【請求項6】 前記最外層のクラッド材であるシリカエ
    アロゲルが、最外層に最も近い内層のクラッド材の外面
    の一部を覆うことを特徴とする請求項1乃至請求項5い
    ずれかに記載の光ファイバ。
  7. 【請求項7】 前記最外層のクラッド材であるシリカエ
    アロゲルの外面が、被覆材によって被覆され、かつ、こ
    の被覆材と前記内層のクラッド材とが離れていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項6いずれかに記載の光フ
    ァイバ。
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