JP2000044288A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバの製造方法

Info

Publication number
JP2000044288A
JP2000044288A JP10209677A JP20967798A JP2000044288A JP 2000044288 A JP2000044288 A JP 2000044288A JP 10209677 A JP10209677 A JP 10209677A JP 20967798 A JP20967798 A JP 20967798A JP 2000044288 A JP2000044288 A JP 2000044288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
optical fiber
core material
refractive index
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10209677A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Tsubaki
健治 椿
Masaru Yokoyama
勝 横山
Mikio Sei
三喜男 清
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Kenji Sonoda
健二 園田
Nobuaki Yabunouchi
伸晃 薮ノ内
Keiji Kosaka
啓詞 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP10209677A priority Critical patent/JP2000044288A/ja
Publication of JP2000044288A publication Critical patent/JP2000044288A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光角が大きく、末端への光伝送効率が特に
優れ、作製時にコア材に傷が付いて光伝送効率が低下し
たり、曲げた場合にも光伝送効率が低下しないシリカエ
アロゲルをクラッド材とした光ファイバの製造法を提供
する 【解決手段】 コア材表面又はチューブ内面の少なくと
も一方にシリカエアロゲルを付着させ、コア材をチュー
ブに挿入し、コア材とチューブを両端部で一体化させる
ことからなる光ファイバの製造法。屈折率の小さいシリ
カエアロゲルをクラッド材として用いて、光ファイバへ
の入射光の受光角θを大きくすることができ、末端への
光伝送効果が特に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア材とクラッド
材から形成される光ファイバの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバのコア材としては、石
英系ガラスや多成分系ガラス等のガラス類、メチルメタ
クリレート等のアクリル系やスチロール系のプラスチッ
ク類、あるいはテトラクロールエチレン等の透明な液体
類が用いられている。また、クラッド材としては、コア
材よりも屈折率の低いソーダライム系やホウケイ酸ガラ
ス系等のガラス類、塩化ビニル、アリルジグリコールカ
ーボネートやフッ素を添加して屈折率を低下させたアク
リル系のプラスチック類等が用いられている。
【0003】そしてこのような光ファイバにおいて、側
面から発光させて照明等に利用する試みが一部において
なされている。例えばコア材とクラッド材の界面に凹凸
を付けることによって、コア材中を伝送される光をこの
凹凸で散乱させ、散乱させたこの光を光ファイバの側面
から発光させるようにすることができる。
【0004】しかし、従来の光ファイバでは集光量に限
度があり、従って末端あるいは側面からの発光量が不十
分であり、照明の主流を占めるに至るには程遠いのが現
状である。
【0005】すなわち、光ファイバにおいて、クラッド
材の屈折率はコア材の屈折率よりも低くなるように構成
されているが、それらの屈折率の差の大小により光ファ
イバの受光角及びコア材とクラッド材との境界面におけ
る光の全反射角が異なってくる。一般的にコア材とクラ
ッド材の屈折率の差を表す指標として、次式で表される
比屈折率差が用いられている。
【0006】比屈折率差=(n1 −n2 )/n1 (式中、n1 はコア材の屈折率、n2 はクラッド材の屈
折率を示す。) また、光ファイバの開口数及び受光角θは次式で表され
る。
【0007】 開口数=n・sinθ=(n1 2−n2 2)1/2 (式中、nは光ファイバの外界の屈折率であり、通常は
空気でn=1.0である。) これらの式にみられるように、光ファイバの受光角θは
コア材とクラッド材の屈折率の差が大きい程大きくな
り、すなわち比屈折率差が大きいほど大きくなる。つま
り多くの光を集光して伝送するには、比屈折率差を大き
くして光ファイバの受光角θを大きくする必要がある。
このことは、コア材の屈折率を高くし、クラッド材の屈
折率を低くすることで達成され得るものである。
【0008】ここで、ガラス光ファイバにおいて、純粋
な石英ガラスは光損失が小さく、耐熱性、耐薬品性に優
れていることからコア材として多用されている。しかし
ながら、石英ガラスの屈折率は1.46と低く、これよ
りも屈折率が低いクラッド材の選定が問題となる。そこ
でクラッド材にガラスを用いる場合には、純粋な石英ガ
ラスよりも屈折率を低下させるために、B23やフッ素
等の屈折率低下成分を添加する方法等がとられている。
また、石英ガラスに屈折率上昇用ドーパントを添加する
ことにより、光損失を低く維持した状態で屈折率を上昇
させる方法もある。このようなドーパントとしては、T
iO2、Ta25、SnO2、Nb25、ZrO2、Yb2
3、La23、Al23 等が挙げられる。この場合に
は、クラッド材として純粋な石英ガラス、あるいはより
低屈折率なドープト石英ガラスを用いることができる。
また、クラッド材としてプラスチックを用いる場合に
は、ポリシロキサンやシリコンゴム等のケイ素樹脂や、
フッ化エチレンプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ
素含有樹脂等が使用されるが、これらの屈折率は低いも
ので1.29〜1.33程度である。
【0009】前述したように、コア材とクラッド材の比
屈折率差により光ファイバの受光角θは変化する。例え
ば、ライトガイドにおいて、コア材にフリント系のF2
ガラス(屈折率1.62)、クラッド材にソーダライム
系ガラス(屈折率1.52)を用いた場合、開口数は
0.56、受光角θは34°となる。また、プラスチッ
ク光ファイバにおいても、コア材にメタクリル樹脂(屈
折率1.49)、クラッド材にフッ素樹脂(屈折率1.
39)を用いた場合には、開口数は0.54、受光角θ
は32°となる。このように、従来のコア材及びクラッ
ド材を用いて光ファイバを製造した場合には、受光角θ
は30〜50°程度であり、多くの光を伝送することの
できる光ファイバを製造することは困難であった。
【0010】これに対し、本出願人は特願平9−014
384号においてシリカエアロゲルをクラッド材とした
光ファイバの製造法を提供しているが、被覆材としてス
テンレス管を用いた場合、ステンレス管を屈曲させた状
態でコア材をステンレス管に挿入しようとしたときに
は、作製時にコア材に傷がつくことがあり、伝送効率が
低下することがあった。また特願平9−108844号
では、樹脂フィルム上にシリカエアロゲルを固着させて
形成されるシリカエアロゲルフィルムをコア材に巻きつ
けて製造される光ファイバを提供しているが、光ファイ
バを曲率を大きくして曲半径を小さくして曲げた場合
に、シリカエアロゲルフィルムに皺が生じることがあ
り、伝送効率が低下することもあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、受光角が大きく、末端への光
伝送効率が特に優れ、作製時にコア材に傷が付いて光伝
送効率が低下したり、曲げた場合にも光伝送効率が低下
しないシリカエアロゲルをクラッド材とした光ファイバ
の製造法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
光ファイバの製造方法は、コア材2と、コア材2の外周
に設けられたシリカエアロゲルからなるクラッド材1か
ら形成され、 コア材2表面と樹脂製のチューブ3の内面の少なくと
も一方にシリカエアロゲルを付着させる工程、 上記コア材2をコア材2の径より内径の大きいチュー
ブ3に挿入する工程、及び コア材2とチューブ3を両端部で一体化させる工程、
からなることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項2に係る光ファイバの製造
方法は、前記チューブ3の両端部を一体化させる工程
が、チューブ3の外周に嵌め込んだスリーブ4でコア材
2にチューブ3を圧締する操作からなることを特徴とす
るものである。
【0014】本発明の請求項3に係る光ファイバの製造
方法は、前記チューブ3が揮発性および移行性を示す添
加剤を含まないことを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項4に係る光ファイバの製造
方法は、コア材2の少なくとも片側の端部に前記チュー
ブ3よりも耐熱性の高い耐熱チューブ5が被挿されてい
ることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項5に係る光ファイバの製造
方法は、前記チューブ3を被覆材6で覆うことを特徴と
するものである。
【0017】本発明の請求項6に係る光ファイバの製造
方法は、前記シリカエアロゲルの屈折率が1.0008〜1.18
であることを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項7に係る光ファイバの製造
方法は、前記シリカエアロゲルが疎水化処理されたもの
であることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0020】本発明に係る光ファイバAは、コア材2、
コア材2の外周面を覆うクラッド材1、及びクラッド材
1をさらに覆うチューブ3から形成されるものである。
【0021】本発明に用いられるコア材1としては、一
般に光ファイバに用いられるコア材であれば特に限定さ
れることはなく、例えば、石英系ガラス又は多成分系ガ
ラス等のガラス類、あるいはポリメチルメタクリレート
(PMMA)等のアクリル系樹脂またはスチレン系樹脂
等の透明性樹脂などを用いることができる。
【0022】また、本発明はクラッド材1としてシリカ
の多孔質骨格からなるシリカエアロゲルを用いるもので
ある。シリカエアロゲルは、アルコキシシランの加水分
解、重合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤
状態のゲル状化合物を、アルコール又は二酸化炭素等の
溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の超臨界点以上の
超臨界状態で乾燥することによって製造することができ
る(米国特許第4402827号公報、同第44329
56号公報、及び同第4610863号公報参照)。ま
た、シリカエアロゲルは、ケイ酸ナトリウムを原料とし
て製造することができる(米国特許第5137297号
公報及び同第5124364号公報参照)。ここで、特
開平5−379011号公報及び特開平7−13837
5号公報に開示されているように、アルコキシシランの
加水分解、重合反応によって得られたゲル状化合物を疎
水化処理することによりシリカエアロゲルに疎水性を付
与することが好ましい。この疎水化処理工程は、ゲル状
化合物を超臨界乾燥する前又は超臨界乾燥中に行うこと
ができる。このようにして得られる疎水性シリカエアロ
ゲルは、湿気や水分等が浸入しにくくなり、屈折率や光
透過性等の性能が劣化しにくくなる。
【0023】上記のシリカエアロゲルの屈折率は、原料
配合比により自由に変化させることができるが、コア材
との屈折率差を大きくし、また透明等の性能を確保する
ためにはシリカエアロゲルの屈折率は1.0008〜1.18の範
囲にあることが好ましい。このように屈折率が非常に小
さいので、種々のコア材に対して比屈折率を飛躍的に大
きくすることができるものであり、シリカエアロゲルの
クラッド材の屈折率が1.1で受光角θは最大90°に
することができる。従って、広い受光角で集光すること
が可能になり、入射角からの集光率が高く集光量の多い
光ファイバを形成することができるものである。また出
射端における出射角も大きくすることができる。本発明
において用いるシリカエアロゾルの形状は特に限定され
ないが、数μm〜数百μm程度の粉末形状で用いるのが
好ましい。
【0024】本発明で用いられるチューブ3は、例えば
ポリエチレン、無可塑塩化ビニル、ポリウレタン樹脂、
又はフッ素樹脂等の樹脂で形成される。チューブ3を形
成する樹脂に揮発性や移行性を示す可塑剤や加硫剤など
の添加剤が含まれていると、光ファイバAを形成した
後、これらの添加剤の作用によりクラッド材1であるシ
リカエアロゲルが収縮し白濁することがある。従って、
チューブ3は、揮発性や移行性を示す添加剤を含まない
軟質樹脂などで形成されるのが好ましい。チューブ3の
肉厚は可撓性を有する限り特に限定されないが、2mm
以下であることが好ましい。
【0025】以上のような構成部材を用いて、本発明の
光ファイバAを製造する方法の実施の形態の一例を図1
に示す。
【0026】図1(a)のようなコア材2やチューブ3
を用い、図1(b)に示すように、コア材2表面または
チューブ3内面にクラッド材1となるシリカエアロゲル
を付着させる。付着させる方法としては、コア材2又は
チューブ3をシリカエアロゲル粉末と接触させることで
静電気を利用して行うことが挙げられる。また、付着さ
せるシリカエアロゲル層の厚みは、数十μm以上であれ
ば特に限定されない。
【0027】次に、上記のコア材2をチューブ3に挿入
する。図1(c)では、シリカエアロゲルを付着させた
コア材2をチューブ3に挿入させる場合を示している
が、チューブ3の内面にシリカエアロゲルを付着させた
場合又はコア材2の表面とチューブ3の内面との両方に
シリカエアロゲルを付着させた場合も同様に実施するこ
とができる。挿入時にコア材2とシリカエアロゲルの摩
擦によってコア材2表面に傷が付くことを防ぐこと、及
び光ファイバAを曲げたときに応力が発生してシリカエ
アロゲルがコア材2を変形させることを防ぐために、チ
ューブ3の内径はコア材2の外径よりも少なくとも0.
1mm、好ましくは0.5mm、より好ましくは1mm
以上大きいものを用いるのがよい。
【0028】次に、図1(d)に、光ファイバAの両端
部でコア材2とチューブ3とを一体化させる工程を示
す。図1(d)では、チューブ3の外周の両端部にスリ
ーブ4を嵌め込み、クリンパー等の用具を用いてスリー
ブ4を締めて光ファイバAの両端部でコア材2とチュー
ブ3とを図1(e)に示すように圧締することにより一
体化させるものである。これによってコア材2がチュー
ブ3内で移動するのを防ぐことができる。また、端部の
開口部を塞ぐことにもなるので、水などの異物の浸入を
防ぐことができる。
【0029】スリーブ4の材質に関しては、コア材2及
びチューブ3を外部から圧締するものであれば特に限定
されないが、アルミ、銅、ステンレス等の金属製品又は
樹脂製品などを用いることができる。また、スリーブ4
による光ファイバAの圧締部においては、チューブ3内
のコア材2が変形し、そのコア材2の変形部分で光の伝
送にロスが生じ易くなっている。この光の伝送ロスを最
小にするために、スリーブ4による光ファイバAの圧締
部の面積をなるべく狭くする必要があり、圧締部の幅は
2mm以下であることが好ましい。
【0030】また、図2に示すようにクラッド材2で覆
われたコア材1の少なくとも片側の端部が上記チューブ
3よりも熱に強い耐熱チューブ5で被覆されていてもよ
い。例えば、チューブ3としてポリエチレンや無可塑塩
化ビニル樹脂を用いる場合、光源からの熱によって光フ
ァイバの入射部の耐熱性が問題となる。その場合、耐熱
チューブ5を用いることでチューブ3が融解や軟化する
ことを防ぐことができるものである。耐熱チューブ5の
材質としては、フッ素樹脂を例示することができる。チ
ューブ3と耐熱チューブ5とは、その接面を接着するこ
とによって一体化するようにしてもよい。チューブ3と
耐熱チューブ5とを一体化しない場合は、チューブ3の
両端部と耐熱チューブ5をそれぞれスリーブ4により外
側から圧締する必要がある。クラッド材1で覆われたコ
ア材1が耐熱チューブ5で被覆される部分の長さは、光
源の種類等によって変わるものであるが、耐熱性が保証
できるのであれば特に限定はない。
【0031】さらに、図6に示すようにチューブ3の外
周を被覆材6で覆っても良い。被覆材としては、光ファ
イバAの機械的強度や耐候性等の品質を向上させるよう
な材質で形成されたものが好ましく、例えば、ポリエチ
レン、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル
樹脂、及びフッ素系樹脂等の樹脂、またはステンレス等
の金属類を用いることができる。
【0032】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。 (実施例1)テトラメトキシシランのオリゴマー(コル
コート社製「メチルシリケート51」:平均分子量=約
470)、エタノール、水、15Nアンモニア水を1:
43:20:0.20のモル比で混合してゾル溶液を調
製し、ゲル状化合物を作製した。次に、このゲル状化合
物を0.2mol/Lヘキサメチルジシラザン(東レダウコ
ーニングシリコーン社試薬)のエタノール溶液中で40
℃で2時間程度加熱攪拌することによって、疎水化処理
を行った。次いで疎水化処理したゲル状化合物を18
℃、55気圧の二酸化炭素中に入れ、ゲル状化合物内の
エタノールを二酸化炭素に置換する操作を2時間程度行
った。二酸化炭素への置換後、系内を二酸化炭素の超臨
界条件である、40℃、80気圧にして超臨界乾燥を約
24時間行うことによって、粉末状のシリカエアロゲル
を得た。得られたシリカエアロゲルを粉砕して更に細か
くし、平均粒径250μmの粉末状の屈折率1.03の
シリカエアロゲルを得た。
【0033】次に、以下の方法で光ファイバを作製し
た。
【0034】コア材として直径6mm、長さ1mのエラ
ストラマー系アクリル材(屈折率1.49)を上記シリ
カエアロゲル粉末の入った槽を通して、表面にシリカエ
アロゲルを約500μmの厚みで付着させた。次に、内
径7mm及び外径9mmの軟質ポリエチレンチューブに
上記のシリカエアロゲルが付着したコア材を挿入した。
最後に、内径9mm、厚み0.5mm、長さ10mmの
アルミニウムリングのスリーブをポリエチレンチューブ
の両端部に装着してクリンパーでかしめ、コア材2及び
チューブ3を一体化させて、光ファイバAを得た。 (比較例1)クラッド材としてシリカエアロゲルの代わ
りに屈折率が1.40のフッ素樹脂を20μmの厚みで
コア材に被覆した以外は、実施例1と同様にして光ファ
イバを得た。
【0035】上記の実施例1及び比較例1で作製した光
ファイバの一端にHe−Neレーザー(波長543.5
nm)を照射し、受光角θを測定した。また光源として
JCR12V20Wミニハロゲンランプと直径15mm
の半球レンズを組み合わせ、焦点部分に光ファイバの入
射端を設置して、出射光の全光束を積分球(FIMS−
400B、labsphere社製)で測定した。光ファイバか
らの出射光の全光束の測定は、光ファイバをまっすぐに
した場合と曲げ半径60mmRで曲げた場合について測
定した。
【0036】これらの結果を表1に表す。
【0037】
【表1】 表1に示されるように、実施例1の光ファイバは、比較
例1の光ファイバに比べて、受光角が広くて伝送光量が
大きく、曲げた場合も伝送光量が低下しないことが確認
できた。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る光ファイバの製
造方法は、コア材と、コア材の外周に設けられたシリカ
エアロゲルからなるクラッド材から形成され、 コア材表面と樹脂製のチューブの内面の少なくとも一
方にシリカエアロゲルを付着させる工程、 上記コア材をコア材の径より内径の大きいチューブに
挿入する工程、及び コア材とチューブを両端部で一体化させる工程からな
るため、屈折率の小さシリカエアロゲルをクラッド材と
して用いて、本発明の光ファイバへの入射光の受光角θ
を大きくすることができ、末端への光伝送効果が特に優
れるものである。また、シリカエアロゲルからなるグラ
ッド材の外周はチューブで被覆されているものであり、
シリカエアロゲルフィルムをコア材に巻きつけてクラッ
ド材を形成する場合のように光ファイバーを曲げた場合
に皺が発生するということも起こらず、曲げた場合にも
光伝送効率が低下しないものである。さらに、チューブ
は樹脂で形成され、ステンレス管等に比べて、コア材を
挿入する際にコア材に傷がつかず、光伝送効率が低下し
ないものである。
【0039】本発明の請求項2に係る光ファイバの製造
方法は、前記チューブの両端部を一体化させる工程が、
チューブの外周に嵌め込んだスリーブでコア材にチュー
ブを圧締する操作からなるため、コア材がチューブ内で
移動するのを防ぐと共に、光ファイバの端部を塞ぐこと
ができ、水などの異物の浸入を防ぐことができるもので
ある。
【0040】本発明の請求項3に係る光ファイバの製造
方法は、前記チューブが揮発性および移行性を示す添加
剤を含まないため、揮発性や移行性を示す添加剤が原因
となるクラッド材であるシリカエアロゲルの白濁や収縮
を防ぐことができるものである。
【0041】本発明の請求項4に係る光ファイバの製造
方法は、コア材の少なくとも片側の端部に前記チューブ
よりも耐熱性の高い耐熱チューブが被挿されているた
め、光源等の高温部に近いほうの端部に耐熱チューブを
設けることによって、光ファイバの表面が融解や軟化す
ることを防ぐことができるものである。
【0042】本発明の請求項5に係る光ファイバの製造
方法は、前記チューブを被覆材で覆うため、機械的強度
や耐候性等の良好な材質を被覆材として用いることによ
って光ファイバの品質を向上することができるものであ
る。
【0043】本発明の請求項6に係る光ファイバの製造
方法は、前記シリカエアロゲルの屈折率が1.0008〜1.18
であるため、このシリカエアロゲルで形成されるクラッ
ド材とコア材との比屈折率差が十分大きくなり、光ファ
イバへの入射光の受光角θを十分に大きくすることがで
きるものである。
【0044】本発明の請求項7に係る光ファイバの製造
方法は、前記シリカエアロゲルが疎水化処理されたもの
であるため、シリカエアロゲルが吸湿や吸水して、屈折
率や光透過性等の性能が劣化することを防ぐことができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)〜(e)は断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 クラッド材 2 コア材 3 チューブ 4 スリーブ 5 耐熱チューブ 6 被覆材
フロントページの続き (72)発明者 清 三喜男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 横川 弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 園田 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 薮ノ内 伸晃 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 高坂 啓詞 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4G060 AA01 AA02 AA03 AC01 AC07 AD25 CA21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材と、コア材の外周に設けられたシ
    リカエアロゲルからなるクラッド材から形成される光フ
    ァイバの製造方法であって、 コア材表面と樹脂製のチューブ内面の少なくとも一方
    にシリカエアロゲルを付着させる工程、 上記コア材をコア材の径より内径の大きい上記チュー
    ブに挿入する工程、及び コア材とチューブを両端部で一体化させる工程、 からなることを特徴とする光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記チューブの両端部を一体化させる工
    程が、チューブの外周に嵌め込んだスリーブでコア材に
    チューブを圧締する操作からなることを特徴とする請求
    項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チューブが揮発性および移行性を示
    す添加剤を含まないことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 コア材の少なくとも片側の端部に前記チ
    ューブよりも耐熱性の高い耐熱チューブが被挿されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光
    ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記チューブを被覆材で覆うことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリカエアロゲルの屈折率が1.0008
    〜1.18であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の光ファイバの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリカエアロゲルが疎水化処理され
    たものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の光ファイバの製造方法。
JP10209677A 1998-07-24 1998-07-24 光ファイバの製造方法 Withdrawn JP2000044288A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10209677A JP2000044288A (ja) 1998-07-24 1998-07-24 光ファイバの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10209677A JP2000044288A (ja) 1998-07-24 1998-07-24 光ファイバの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000044288A true JP2000044288A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16576794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10209677A Withdrawn JP2000044288A (ja) 1998-07-24 1998-07-24 光ファイバの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000044288A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2314187C (en) Uvc liquid light guide
KR100338985B1 (ko) 측면발광광파이버
TWI410683B (zh) 容許三頻帶曲波之光學波導
US5790742A (en) Optical fiber
KR960706094A (ko) 광대역 광섬유, 광섬유 심선 및 광섬유 코드
WO2010020139A1 (zh) 弯曲损耗不敏感的单模光纤
EP0310293A2 (en) Coated optical waveguide fibers
SE429902B (sv) Sett att framstella ett kopplingselement
EP0883001A1 (en) Wideband plastic-clad optical fiber
JP2017505451A (ja) 溶融温度が低いガラスを有する光拡散ファイバ
CN100570416C (zh) 光纤、光纤的连接方法以及光连接器
GB2104241A (en) Single polarization optical fibres
JP2931298B2 (ja) 側面発光光ファイバ
JP2000044288A (ja) 光ファイバの製造方法
CN105676344B (zh) 光纤、光缆、通信设备及照明器具
CN114966959B (zh) 一种细径单模光纤
JPH10251038A (ja) 光ファイバの製造方法
JP2867945B2 (ja) 光ファイバ
JP3518089B2 (ja) 広帯域光ファイバ、その心線、コード、及び、コネクタ付き光ファイバ心線、コード
JPH09258053A (ja) 光ファイバ
JP2998619B2 (ja) 光ファイバ
JPH11314940A (ja) 光ファイバ
EP0223466A2 (en) Improved optical fiber
JP2000214343A (ja) 空気クラッド光ファイバの製造方法
JPH1090566A (ja) 光ファイバ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051004