JPH1184073A - 使用済核燃料の再処理方法及びその再処理装置 - Google Patents

使用済核燃料の再処理方法及びその再処理装置

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JPH1184073A
JPH1184073A JP24644597A JP24644597A JPH1184073A JP H1184073 A JPH1184073 A JP H1184073A JP 24644597 A JP24644597 A JP 24644597A JP 24644597 A JP24644597 A JP 24644597A JP H1184073 A JPH1184073 A JP H1184073A
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JP
Japan
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uranium
plutonium
extraction
extraction step
organic solvent
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JP24644597A
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English (en)
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Mamoru Kamoshita
守 鴨志田
Tetsuo Fukazawa
哲生 深澤
Akira Sasahira
朗 笹平
Fumio Kawamura
文雄 河村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

Abstract

(57)【要約】 【課題】抽出段数を減少し、設備をコンパクト化する。 【解決手段】燃料溶解液が直列に供給されるプルトニウ
ム・ウラン共抽出装置7及びウラン抽出装置11に対し
て並行に混合抽出剤6を供給しているので、プルトニウ
ム・ウラン共抽出装置7を通過した燃料溶解液は、ウラ
ン抽出装置11でも新たな混合抽出剤6と接触する。プ
ルトニウム・ウラン共抽出装置7及びウラン抽出装置1
1全体での核燃料物質の抽出効率が向上し、プルトニウ
ム・ウラン共抽出装置7及びウラン抽出装置11の合計
の抽出段数が低減できる。混合抽出剤6は、トリブチル
リン酸(TBP)及びトリ−n−オクチルアミン(TO
A)を含む。TBPへの核分裂生成核種の移行が抑制さ
れスクラブ操作が不要になる。このため、抽出段威が更
に低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済核燃料の再
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子カ発電所から発生する使用済核燃料
に含まれたウラン及びプルトニウムは、ピュレックス法
と呼ばれる化学分離プロセスにより分離回収される。こ
のピュレックス法は、マックグロー−ヒル〔McGraw−Hi
11〕社発行のエム・ベネディクト他2名による原子力化
学工学〔Nuclear Chemical Enginnering〕第2版466
〜514頁に記載されている。ピュレックス法は、使用
済核燃料を硝酸で溶解して、共除染工程においてウラン
及びプルトニウムを核分裂生成核種から分離する。その
後、分配工程でウランとプルトニウムとを分離して、そ
れぞれを別々に精製してウラン及びプルトニウムの製品
を得ている。
【0003】ピュレックス法は、共除染工程において、
有機溶媒であるトリブチルリン酸(TBP)を含む抽出
剤を用いた藩媒抽出操作によってウラン及びプルトニウ
ムを核分裂生成核種から分離し回収している。このと
き、ウランは6価で、プルトニウムは4価で存在する。
これらをTBPで抽出した場合、ウランはプルトニウム
よりも抽出され易く、かつウランがプルトニウムよりも
過剰に存在するので、TBPの大部分がウランと結合す
る。このため、プルトニウムの抽出効率が低下する。こ
の間題に対処するため、共除染工程において多段の抽出
操作を行い、ウラン及びプルトニウムの全量を回収して
いる。
【0004】回収されたプルトニウムは、ウランと共に
混合酸化物燃料(MOX燃料)として原子炉で燃焼され
る。再処理で回収されるプルトニウムは、ウランの高速
炉燃料の場合では10重量%程度、軽水炉燃料の場合で
は1重量%程度である。これに対して、MOX燃料で
は、プルトニウムはウランの20ないし30重量%が必
要である。このため、核燃料の再処理では、逆抽出であ
る分配工程で分離したウラン及びプルトニウムをそれぞ
れ別々の精製工程で精製した後、MOX燃料の仕様にな
るように、再度、精製されたウラン及びプルトニウムを
混合する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ピュレックス法では、
共除染工程でTBPを用いている関係上、プルトニウム
がウランよりも抽出されにくいので、TBP流量を減少
させるとプルトニウムを全量抽出できなくなる。このた
め、共除染工程に供給する硝酸を含む燃料溶解液の流量
に対して、TBP流量は、工学的には、プルトニウム及
びウランを共に全量抽出するのに必要な理論上の最低限
のTBP流量よりも多くする必要がある。これは、工学
的にはTBP流量のばらつきがあり、理論上のTBP流
量よりも少なくなる可能性があるからである。
【0006】しかしながら、共除染工程に供給するTB
P流量を理論上のTBP流量よりも多くした場合には、
燃料溶解液に含まれる核分裂生成核種が余剰のTBPで
抽出される。この抽出された核分裂生成核種は、プルト
ニウム及びウランと共にTBP相に同伴する。従って、核
分裂生成核種内のTBP相を洗浄除去するスクラブ操作
が必要になる。スクラブ操作は、抽出器、及びスクラブ
液として使用する試薬を必要とする。スクラブ操作のた
めの抽出器の設置は、共除染工程において、プルトニウ
ム及びウランの抽出用の抽出器と併せて抽出段数を増加
させる。また、スクラブ液は、プルトニウム及びウラン
が抽出された後の燃料溶解液と共に高レベル廃液処理系
に送られる。このため、高レベル廃液処理系での放射性
廃液の処理量が増加する。
【0007】本発明の目的は、設備をコンパクト化でき
る使用済核燃料の再処理方法及びその再処理装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
発明の特徴は、有機溶媒としてアミン系抽出剤とトリブ
チルリン酸とを含む混合抽出剤を用い、抽出工程でプル
トニウム及びウランを混合状態で抽出することにある。
【0009】アミン系抽出剤はウランよりもプルトニウ
ムを抽出しやすく、トリブチルリン酸の混合抽出剤への
添加量が減少できる。これは、抽出工程において、トリ
ブチルリン酸への核分裂生成核種の移行を抑制する。ま
た、アミン系抽出剤は、余裕を持って添加しても燃料溶
解液に含まれる核分裂生成核種を抽出しない。以上のこ
とにより、スクラブ操作のための抽出器の設置が不要と
なり、抽出段数が減少する。従って、抽出工程が簡素化
でき、再処理設備がコンパクトになる。
【0010】アミン系抽出剤がトリブチルリン酸に混合
されることにより、MOX燃料に用いられるプルトニウ
ムとウランとの混合物を直接抽出できる。
【0011】アミン系抽出剤の例としては、トリ−ノル
マル−オクチルアミン,トリ−イソ−オクチルアミン,
トリカプリルアミン,トリラウリルアミン,硝酸トリカ
プリルメチルアンモニウム、及び硝酸ベンジルジメチル
ドデシルアンモニウム等がある。これらのうち、硝酸ト
リカプリルメチルアンモニウム、及び硝酸ベンジルジメ
チルドデシルアンモニウムは、4級アミン系抽出剤であ
る。
【0012】プルトニウムとウランとの混合物を直接得
ることができる原理を、アミン系抽出剤としてトリ−n
−オクチルアミン(TOA)を用いた場合を例に取り、
以下に具体的に説明する。TOAを用いた場合、ウラン
の分配比は1程度であるのに対して、プルトニウムの分
配比は100程度の値を示す。このためTOAを用いる
ことにより、プルトニウムはウランよりも優先的に抽出
される。一方、アミン系抽出剤単独ではウランの抽出に
は適さない。このため、トリブチルリン酸をアミン系抽
出剤に混合した抽出剤を用いることによって、プルトニ
ウムとウランを抽出できる。混合抽出剤を用いた場合で
も、アミン系抽出剤のプルトニウム抽出への寄与が大き
いために、プルトニウムの分配比はウランよりも大きく
なる。このためプルトニウム/ウラン比が高いプルトニ
ウムとウランとの混合物が得られる。
【0013】上記目的を達成する第2発明の特徴は、有
機溶媒としてアミン系抽出剤とトリブチルリン酸とを含
む混合抽出剤を用いて、燃料溶解液に含まれる実質的に
全量のプルトニウム、及びウランの一部を抽出し、その
後、前記燃料溶解液からウランを抽出することにある。
【0014】第2発明は、前段のプルトニウム及びウラ
ンの混合抽出工程でプルトニウムの全量を抽出するの
で、その混合抽出工程よりも下流側でのプルトニウムの
計量管理が不要になる。このため、再処理設備のシステ
ム構成が単純になる。更に、MOX燃料に使用するプル
トニウム及びウランの混合物を直接得ることができる。
また、ウラン燃料に用いられる実質的にプルトニウムを
含まないウランも直接得ることができる。
【0015】上記目的を達成する第3発明の特徴は、抽
出工程が、燃料溶解液から有機溶媒を用いてプルトニウ
ム及びウランを混合状態で抽出するプルトニウム・ウラ
ン共抽出工程と、前記プルトニウム・ウラン共抽出工程
から排出された前記燃料溶解液から有機溶媒を用いてウ
ランを抽出するウラン抽出工程とを含み、前記プルトニ
ウム・ウラン共抽出工程及び前記ウラン抽出工程へのそ
れぞれの有機溶媒の供給は並行して行うことにある。
【0016】燃料溶解液が直列に供給されるプルトニウ
ム・ウラン共抽出工程及びウラン抽出工程に対して並行
に有機溶媒を供給しているので、燃料溶解液は、プルト
ニウム・ウラン共抽出工程以外にウラン抽出工程でも新
たな有機溶媒と接触することになる。このため、核燃料
物質の抽出効率が向上し、プルトニウム・ウラン共抽出
工程とウラン抽出工程との合計の抽出段数が従来技術で
述べた簡素化ピユーレックス法での抽出洗浄工程の抽出
段数よりも少なくなる。従って、抽出工程が簡素化で
き、再処理設備がコンパクトになる。
【0017】この理由を以下に具体的に述べる。従来の
ピユーレックス法は、前述したように、共除染工程にお
いて有機溶媒を含む抽出剤と燃料溶解液とを接触させて
所定量のプルトニウム及びウランを抽出している。抽出
剤は、共除染工程の第一段に供給され、その工程の最終
段に向かって流れる。なお、抽出剤は、共除染工程にお
いて燃料溶解液と向流接触される。有機溶媒は、燃料溶
解液と接触されながら共除染工程の最終段まで流れる間
に燃料溶解液と接触されながらウラン及びプルトニウム
を抽出する。このため、最終段に近くなるほど、抽出剤
中の抽出に寄与する有効有機溶媒濃度が低下し、核燃料
物質の抽出効率が低下する。従って、所定量の核燃料物
質を抽出するためには、抽出段数を多くし、第一段に供
給する抽出剤中の有機溶媒濃度を大きくしなければなら
ない。
【0018】これに対して、第3発明は、プルトニウム
・ウラン共抽出工程及びウラン抽出工程のそれぞれの第
一段に有機溶媒を含む新たな抽出剤を供給している。後
段のウラン抽出工程に新だな抽出剤を供給するので、前
段のプルトニウム・ウラン共抽出工程の最終段で低下し
た核燃料物質の抽出効率がウラン抽出工程で再度高くな
る。第3発明ではプルトニウム・ウラン共抽出工程及び
ウラン抽出工程が核燃料の抽出工程である。同じ量の核
燃料物質を抽出するときには、抽出工程の2箇所に新た
な抽出剤を供給する場合のほうが、従来のピユーレック
ス法のように抽出工程の1箇所に抽出剤を供給する場合
よりも全体的な核燃料物質の抽出効率が高くなる。従っ
て、第3発明におけるプルトニウム・ウラン共抽出工程
とウラン抽出工程との抽出段数の和は、従来のピユーレ
ックス法における共除染工程の抽出段数よりも少なくで
きる。また核燃料物質の抽出効率が高いと、燃料溶解液
に対する抽出剤の流量比が小さくてすむ。
【0019】更に、第3発明は第2発明と同様に、MO
X燃料に使用するプルトニウム及びウランの混合物を直
接得ることができる。ウラン燃料に用いられる実質的に
プルトニウムを含まないウランも直接得ることができ
る。
【0020】上記目的を達成する第4発明の特徴は、プ
ルトニウム・ウラン共抽出工程で用いる有機溶媒はアミ
ン系抽出剤とトリブチルリン酸とを含む混合抽出剤であ
り、ウラン抽出工程で用いる有機溶媒は少なくともトリ
ブチルリン酸を含む抽出剤であることにある。
【0021】第4発明は混合抽出剤を用いているので第
1発明と同じ作用効果を生じる。
【0022】上記目的を達成する第5発明の特徴は、混
合抽出剤が高級アルコールを含んでいることにある。
【0023】高級アルコールを添加することによって、
有機相が、ウランとトリブチルリン酸との錯体を主に含
む相と、プルトニウムとアミン系抽出剤との錯体を主に
含む相とに分離することを防止できる。このため、アミ
ン系抽出剤を用いた場合でも、プルトニウム及びウラン
の連続抽出操作が可能になる。高級アルコールの例とし
ては、イソオクチルアルコール、及びノルマルオクチル
アルコール等がある。上記目的を達成する第6発明の特
徴は、プルトニウム・ウラン共抽出工程で抽出したプル
トニウム及びウランを含む有機溶媒から、硝酸溶液を用
いて、全量のプルトニウム、及びウランの一部を抽出す
るプルトニウム・ウラン逆抽出工程と、ウラン抽出工程
で抽出したウランを含む有機溶媒、及び前記プルトニウ
ム・ウラン逆抽出工程から排出されたウランを含む有機
溶媒を混合し、混合された有機溶媒から、硝酸溶液を用
いて、ウランを抽出するウラン逆抽出工程とを含み、こ
れらの有機溶媒が前記混合抽出剤であることにある。
【0024】プルトニウム・ウラン逆抽出工程ですべて
のウランを逆抽出せずに、ウランの一部を有機溶媒側に
残すことによって、プルトニウム・ウラン逆抽出工程の
抽出段数を少なくすることができる。量が少なくなった
ウランを完全に逆抽出するためには、更に抽出段を増加
する必要がある。プルトニウム・ウラン逆抽出工程から
排出されるウランを含む有機溶媒と、ウラン抽出工程で
抽出したウランを含む有機溶媒とを混合することによっ
て、量が少なくなったウランを完全に逆抽出する負荷が
係る工程を減らすことができる。例えば、その工程はウ
ラン逆抽出工程だけになる。
【0025】上記目的を達成する第7発明の特徴は、ウ
ラン抽出工程から排出された燃料溶解液にウランが一部
残っていることにある。
【0026】ウラン抽出工程から排出された燃料溶解液
にウランが一部残ることにより、ウラン抽出工程におい
て核分裂生成核種の有機溶媒側への移行を防止できる。
このため、ウラン抽出工程で有機溶媒側に抽出されたウ
ランは、精製工程を経ることなく高純度化ができる。ウ
ラン抽出工程で抽出されたウランに対する精製工程が不
要となる。
【0027】上記目的を達成する第8発明の特徴は、硝
酸溶液に還元剤を混合し、プルトニウム・ウラン逆抽出
工程においてプルトニウムを3価に還元して逆抽出する
ことにある。
【0028】3価のプルトニウムは分配係数が小さく混
合抽出剤から硝酸溶液に移行しやすいので、プルトニウ
ムの逆抽出が簡単に行える。
【0029】上記目的を達成する第9発明の特徴は、硝
酸溶液に揮発性の酸化剤を混合し、プルトニウム・ウラ
ン逆抽出工程においてプルトニウムを6個に酸化して逆
抽出することにある。
【0030】プルトニウムの逆抽出のために不揮発性物
質を用いないので、放射性廃棄物量の増加を防止でき
る。
【0031】上記目的を達成する第10発明の特徴は、
硝酸溶液に酢酸を混合し、プルトニウム・ウラン逆拙出
工程においてプルトニウムを4価のまま逆抽出すること
にある。
【0032】酢酸の回収を簡単に行うことができ、プル
トニウムの原子価調整用物質の回収システムを単純化で
きる。
【0033】上記目的を達成する第11発明の特徴は、
使用された混合抽出剤を、6規定以上の硝酸と接触させ
た後、有機溶媒洗浄液で洗浄し、プルトニウム及びウラ
ンの抽出に再利用することにある。
【0034】各抽出工程を通過した混合抽出剤に含まれ
ているテクネチウムは、その混合抽出剤を6規定以上の
硝酸と接触させることによって、硝酸側に抽出される。
その後、硝酸及び水を蒸発させることによって、テクネ
チウムを固体廃棄物として処分できる。有機溶媒洗浄液
による混合抽出剤の洗浄工程で、テクネチムが炭酸アル
カリがわに移行しなくなる。従って、混合抽出剤の洗浄
に伴って発生する放射性廃棄物量を低減できる。有機溶
媒洗浄液の例としては炭酸アルカリ及び炭酸ヒドラジン
がある。
【0035】
【発明の実施の形態】
(実施例1)種々の濃度のTOAとピュレックス法で使
用される30体積%のTBPとを混合した混合抽出剤を
用いて、燃料溶解液柑当の濃度のウランを含む水溶液か
ら4価のネプツニウム及び6価のウランを抽出したとき
の分配比を図2に示す。プルトニウムは4価のネプツニ
ウムで模擬できる。燃料溶解液のようにプルトニウムに
対して過剰のウランが共存する場合、ウランが抽出剤と
結合して有効抽出剤濃度を低下させる。この結果、TB
P単独ではネブツニウムの分配比は高々0.2程度であ
る。一方、TOAを添加することによって4価のイオン
を選択的に抽出できるので、ネプツニウムはウランの値
よりも十分高い分配比で抽出される。
【0036】しかしながら、希釈剤としてn−ドデカン
等の脂肪族有機液体を用いる場合、TOAを含む混合抽
出剤と高濃度のウランを含む水溶液と接触させると、混
合抽出剤側にウランとTBPとの錯体を主に含む相と、
ネプツニウムとTOAとの錯体を主に含む相とが形成さ
れる。これらの相は互いに分離する。このように混合抽
出剤側に分離する2つの相が形成されると、燃料溶解液
と混合抽出液とを向流接触させることによるウラン及び
ネプツニウムの連続抽出操作が困難になる。従って、上
記の分離する2つの相の形成を抑制するために緩衝剤を
添加する必要がある。ちなみに、図2の特性は、緩衝剤
が添加されていない場合のものである。緩衝剤として種
々の濃度のイソオクチルアルコールを混合抽出剤に添加
したときの、4価のネプツニウムと6価のウランの分配
係数を図3に示す。イソオクチルアルコール濃度が8体
積%以上の範囲で、混合抽出剤側での分離する2つの相
の形成がなくなる。図3において、ネプツニウム(VI)
は、プルトニウム(VI)を模擬している。イソオクチル
アルコールの添加にともない、ネプツニウムの分配係数
は低下するが、なおウランよりも高い値を示している。
以上の結果から、TBPとTOAとをイソオクチルアル
コール及び脂肪族有機液体であるn−ドデカンで希釈し
て得られる混合抽出剤が、再処理に適用できることが分
かる。
【0037】本発明の好適な一実施例である実施例1の
使用済核燃料の再処理方法を、図1に示す使用済核燃料
の再処理装置を用いて以下に説明する。
【0038】剪断装置2から清澄装置5までは従来のピ
ュレックス法で用いられている装置が使用される。使用
済燃料集合体は、剪断装置2によって機械的に剪断さ
れ、次の溶解槽3内で溶解しやすくする。剪断された使
用済燃料集合体は、溶解槽3内で数規定の硝酸を用いて
加熱条件下で溶解される。このとき、剪断片のうちウラ
ン及びプルトニウム等は硝酸に溶解するのに対して、燃
料被覆管等の金属材は硝酸に溶けずに固体の放射性廃棄
物(ハル)となる。ウラン及びプルトニウムを溶解した
燃料溶解液は、燃料被覆管等の金属材と分離後、清澄装
置(具体的には遠心清澄器を使用)5に送られる。清澄
装置5は、燃料溶解液から上記金属材等の不溶解残渣を
除去する。清澄装置5から排出された燃料溶解液は、プ
ルトニウム・ウラン共抽出装置7に導かれ、ここで混合
抽出剤と向流接触される。燃料溶解液は、ラウン濃度が
0.67M、プルトニウム濃度が0.17M、及び硝酸濃
度が3Mである。また、混合抽出剤6の組成は、TBP
30%,TOA15%,イソオクチルアルコール15%
及びn−ドデカン40%である。
【0039】上記の組成を有する燃料溶解液を1とした
とき混合抽出剤が0.9 となる割合の混合抽出剤/燃料
溶解液流量比で、燃料溶解液及び混合抽出剤がプルトニ
ウム・ウラン共抽出装置7に供給される。混合抽出剤/
燃料溶解液流量比の調節は、例えば流量調節弁の開度を
制御して混合抽出剤の供給量を調節することによって行
われる。上記の流量比で燃料溶解液及び混合抽出剤を向
流接触させることにより、プルトニウム・ウラン共抽出
装置7において、燃料溶解液に含まれるプルトニウムの
全量と30乃至60%のウランが抽出されて混合抽出剤
側に移行する。プルトニウム及びウランを抽出してプル
トニウム・ウラン共抽出装置7から排出された混合抽出
剤は、プルトニウムと結合していないTOAを1体積%
を含んでいる。このようにプルトニウムと結合していな
いTOAが存在することは、燃料溶解液に含まれたプル
トニウムが全量抽出されたことになる。TOAの有効利
用を図るためには、プルトニウム・ウラン共抽出装置7
から排出された混合抽出剤中のTOAの濃度を0体積%
より大きくかつ1体積%以下の範囲にすることが望まし
い。TOA濃度を常に0体積%にすることが最も望まし
い。しかし、この濃度調節は非常に困難である。
【0040】プルトニウム・ウラン共抽出装置7は、多
段に配列された遠心抽出器を有する。高速に回転してい
る遠心抽出器の回転中心側から燃料溶解液を供給し、遠
心抽出器の周辺部から混合抽出剤を供給する。相対的に
比重の大きな燃料溶解液は遠心抽出器の周辺部に向かっ
て流れ、相対的に比重の小さい混合抽出剤は遠心抽出器
の回転中心側に向かって流れる。このような流れによっ
て、燃料溶解液と混合抽出剤とが遠心抽出器内で向流接
触される。向流接触の間で、燃料溶解液に含まれるプル
トニウム及びウランが混合抽出剤の方へ移行する。遠心
抽出器の周辺部から取り出された燃料溶解液は、燃料溶
解液の流れ方向で次の段の遠心抽出器の回転中心側に供
給される。これに対して、遠心抽出器の回転中心から取
り出された混合抽出剤は、燃料溶解液の流れ方向で前段
の遠心抽出器の周辺部に供給される。
【0041】プルトニウム・ウラン共抽出装置7では、
MOX燃料のプルトニウム/ウラン比に対してウランが
余剰になるように、プルトニウム及びウランが抽出され
る。プルトニウム・ウラン共抽出装置7は、高い除染係
数でプルトニウム及びウランを混合状態で抽出できる。
この原理は以下の通りである。
【0042】前述したピュレックス法の共除染工程で
は、前述したように、TBP量がウラン及びプルトニウ
ムの量に対して余裕がある分、核分裂生成核種が抽出さ
れる。このため、ピュレックス法は、スクラブ操作、及
び精製操作を行って高い除染係数を得ている。
【0043】これに対して、本実施例は、プルトニウム
量に対して混合抽出剤内のTOA量は余裕があるので、
プルトニウム・ウラン共抽出装置7で全プルトニウムを
抽出する。しかし、ウランは一部が抽出されるだけであ
るのでTBP量には余裕がない。このため、混合抽出剤
内のTBPはウランと結合する。この結果、TBPはプ
ルトニウム・ウラン共抽出装置7において核分裂生成核
種を抽出しない。また大部分の核分裂生成核種はTOA
によってほとんど抽出されない。プルトニウム及びウラ
ンの混合物への核分裂生成核種の混入が抑制される。更
に、前述のように、プルトニウムと結合していないTO
A濃度が1体積%以下になるような混合抽出剤/燃料溶
解液流量比にしているので、抽出されたプルトニウム及
びウラン混合物への核分裂生成核種の混入は十分抑制さ
れる。
【0044】プルトニウム及びウランを含む混合抽出剤
は、プルトニウム・ウラン共抽出装置7からプルトニウ
ム・ウラン逆抽出装置8に送られる。この混合抽出剤
は、抽出されたプルトニウム及びウランを含んでいる。
プルトニウム・ウラン共抽出装置7から排出された燃料
溶解液は、ウラン抽出装置11に供給される。プルトニ
ウム・ウラン逆抽出装置8は、プルトニウム・ウラン共
抽出装置7と同様に多段の遠心抽出器が配列されてい
る。還元剤である2価の鉄イオンを溶解した希薄硝酸水
溶液(逆抽出液)9が、プルドニウム・ウラン逆抽出装
置8に供給される。希薄硝酸水溶液9と混合抽出剤が、
プルトニウム・ウラン逆抽出装置8内で向流接触され
る。混合抽出剤に含まれているプルトニウムは、2価の
鉄イオンによる還元作用により4価から3価に還元され
る。
【0045】図4は、ウラン,ネプツニウム及び代表的
な核分裂生成核種のそれぞれの分配比の硝酸濃度に対す
る依存性を示している。ウラン及びネプツニウムは、硝
酸濃度の増加により分配比が増加する。逆抽出剤として
希簿硝酸水溶液を用いた場合、3価のプルトニウムは、
6価のウランよりも分配比が小さいので、混合抽出剤か
ら希薄硝酸へ移行しやすい。本実施例は、不揮発性物質
である2価の鉄を逆抽出液に混合しているので、不揮発
性物質を混合しない逆抽出液を用いる後述の実施例3よ
りもプルトニウムの逆抽出効率が高い。
【0046】プルトニウム・ウラン逆抽出装置8におけ
る混合抽出剤/希薄硝酸水溶液流量比は、1.0 であ
る。この流量比は、プルトニウム/ウラン比がMOX燃
料の組成になるように設定したものである。混合抽出剤
に含まれているプルトニウム及びウランが、希薄硝酸水
溶液側に移行する。プルトニウム・ウラン逆抽出装置8
から排出される希薄硝酸水溶液は、MOX燃料のプルト
ニウム/ウラン比になる量のプルトニウム及びウランを
含んでいる。プルトニウム・ウラン逆抽出装置8に供給
される混合抽出剤はウランを余剰に含む関係上、プルト
ニウム・ウラン逆抽出装置8から排出される混合抽出剤
には、ウランが一部残存する。
【0047】もし、残存する程度の少量のウランを抽出
するとなると、更に多くの段数の遠心抽出器の設置が必
要になる。これでは、プルトニウム・ウラン逆抽出装置
8が大型化する。本実施例は、排出させる混合抽出剤に
ウランを一部残存させることによって、プルトニウム・
ウラン逆抽出装置8における遠心抽出器の段数を低減し
ている。当然のことながら、プルトニウム・ウラン逆抽
出装置8のコンパクト化が図れる。また、排出させる混
合抽出剤にウランを一部残存させることは、プルトニウ
ム・ウラン逆抽出装置8に供給する希薄硝酸水溶液の量
を少なくできる。プルトニウム・ウラン逆抽出装置8か
ら排出された、プルトニウムを含まなくウランが残存す
る混合抽出剤は、ウラン逆抽出装置12に導かれる。
【0048】プルトニウム・ウラン逆抽出装置8から排
出された希薄硝酸水溶液は、プルトニウムとウランの組
成比を分析される。この組成比がMOX燃料の組成比で
あることを確認された後、希薄硝酸水溶液にマイクロ波
を照射して脱硝する。得られたプルトニウム及びウラン
を酸化物に転換する。これらの混合酸化物を用いてMO
X燃料が製造される。
【0049】ウラン抽出装置11も、遠心抽出器を多数
段配列して構成される。プルトニウム・ウラン共抽出装
置7から排出された燃料溶解液は、ウラン抽出装置11
で混合抽出剤6と向流接触される。燃料溶解液が1に対
して混合抽出剤6が0.45となる割合でそれぞれの液
体がウラン抽出装置11に供給される。ウラン抽出装置
11に供給される混合抽出剤6の組成は、プルトニウム
・ウラン共抽出装置7に供給される混合抽出剤6のそれ
と同じである。ウラン抽出装置11から排出される燃料
溶解液は、廃液であり、1体積%のウランを含んでい
る。この燃料溶解液は、廃液処理装置14に供給する。
廃液処理装置14は、その燃料溶解液をガラス固化体1
5にする。
【0050】ウラン抽出装置12で供給される燃料溶解
液に含まれるウランの全量を抽出するとき、ウラン量に
対してTBP量に余裕がある場合には、核分裂生成核種
が抽出される。この結果、抽出されたウランの除染係数
が低下する。燃料製造装置の遮蔽及び回収されたウラン
の取り扱いを容易にするためには、ウランヘの核分裂生
成核種の混入を抑制することが望ましい。本実施例は、
ウラン抽出装置11でのTBPに対するウランの飽和度
を95%よりも大きくすることにより、核分裂生成核種
がTBPと結合しウランに混入することを抑制する。具
体的には、ウラン抽出装置11では、ウランの一部(好
ましくは1体積%)が燃料溶解液中に残るような混合抽
出剤/燃料溶解液流量比(0.45 )で、抽出操作が行
われる。ウラン抽出装置11に供給される燃料溶解液は
プルトニウムを含んでいないので、ウラン抽出装置11
から排出され廃液となる燃料溶解液はウランの一部を含
んでいてもプルトニウムを含まない。従って、プルトニ
ウムは廃液処理装置14に供給されない。
【0051】ウラン抽出装置11から排出される燃料溶
解液に1体積%のウランを残存させることによって、プ
ルトニウム・ウラン逆抽出装置8と同様に遠心抽出器の
段数を低減できる。更に、上記のように燃料溶解液に1
体積%のウランを残存させることは、混合抽出剤6に含
まれるTBPはすべてウランと結合し、燃料溶解液に含
まれる核分裂生成核種がTBP側に移行することを防止
することになる。このため、ウラン抽出装置11で抽出
されたウランヘの核分裂生成核種の混入が防止され、高
純度のウランが得られる。本実施例は、ウランの精製装
置が不要である。
【0052】ウラン逆抽出装置12は、ウラン抽出装置
11から排出されたウランを含む混合抽出剤とプルトニ
ウム・ウラン逆抽出装置8から排出された混合抽出剤と
を混合し、希薄硝酸水溶液9と混合された混合抽出剤と
を向流接触させる。ウラン逆抽出装置12も、多段に配
列された遠心抽出器を備える。プルトニウム・ウラン逆
抽出装置8から排出されたウランを含む混合抽出剤をウ
ラン逆抽出装置12に供給することにより、ウラン逆抽
出装置12だけで、量が少なくなったウランを完全に逆
抽出できる。
【0053】逆抽出されたウランを含む希薄硝酸水溶液
9は脱硝処理される。その後、回収されたウランは、酸
化物に再転換され、例えば高速炉のブランケット燃料の
材料として利用される。
【0054】ウラン逆抽出装置12から排出された混合
抽出剤は、溶媒洗浄装置16で洗浄される。溶媒洗浄装
置16は、多段に配置された遠心抽出器(またはミキサ
セトラ)を備え、混合抽出剤と炭酸アルカリ水溶液とを
向流接触させる。抽出されて混合抽出剤に含まれている
テクネチウム及び放射線劣化生成物(例えばTBPへの
核分裂生成核種からの放射線照射によって生成されるジ
ブチルリン酸及びモノブチルリン酸等)炭酸アルカリ水
溶液側に移行する。溶媒洗浄液として炭酸アルカリの替
りに炭酸ヒドラジンを用いてもよい。テクネチウム及び
放射線劣化生成物を除去された混含抽出剤は、組成分析
され、必要に応じて組成調整を行い前述した混合抽出剤
6の組成になるように調整され、再度プルトニウム・ウ
ラン共抽出装置7及びウラン抽出装置11にて再使用さ
れる。
【0055】プルトニウム・ウラン共抽出装置7に供給
される混合抽出剤6に含まれるアミン系抽出剤であるT
OAは、ウランよりもプルトニウムを抽出しやすい。こ
のため、本実施例は、TBPの大部分がウランと結合し
た状態にしてもプルトニウムの抽出ロスを避けることが
できる。TBPの大部分がウランと結合した状態では、
プルトニウム・ウラン共抽出装置7において、TBPへ
の核分裂生成核種の移行を抑制する。また、TOAは、
余裕を持って添加しても燃料溶解液に含まれる核分裂生
成核種をほとんど抽出しない。以上のことにより、プル
トニウム・ウラン共抽出装置7は、スクラブ操作のため
の抽出器の設置が不要となり、抽出段数が減少する。従
って、プルトニウム・ウラン共抽出装置7が簡素化で
は、再処理設備がコンパクトになる。混合抽出剤6を用
いることにより、MOX燃料に用いられるプルトニウム
とウランとの混合物を直接抽出できる。
【0056】核燃料の再処理においてはプルトニウムの
管理が重要であり、その所在を明確にする必要がある。
本実施例は、プルトニウム・ウラン共抽出装置7でプル
トニウムの全量を抽出し、プルトニウム・ウラン逆抽出
装置8でプルトニウムの全量を逆抽出する。このため、
プルトニウムは、ウラン抽出装置11,廃液処理装置1
4,ウラン逆抽出装置12,溶媒洗浄装置16、及び図
1に示すようにこれらを接続する管路内に存在しない。
これらの場所でのプルトニウムの管理が不要になる。こ
のため、再処理設備のシステム構成が単純になる。本実
施例は、プルトニウム・ウラン共抽出装置7に接続され
る燃料溶解液排出管20、及びプルトニウム・ウラン逆
抽出装置8に接続される希薄硝酸水溶液排出管21に別
々にプルトニウム計測器(図示せず)を設置し、それぞ
れからのプルトニウムの流出を監視するばよい。もし、
それぞれからプルトニウムが検出された場合は、それぞ
れの排出管に設けられた弁(図示せず)を閉鎖すること
により、ウラン抽出装置11及びウラン逆抽出装置12
へのプルトニウムの流入を阻止できる。
【0057】本実施例は、燃料溶解液が直列に供給され
るプルトニウム・ウラン共抽出装置7及びウラン抽出装
置11に対して並行に混合抽出剤6を供給しているの
で、プルトニウム・ウラン共抽出装置7を通過した燃料
溶解液は、ウラン抽出装置11でも新たな混合抽出剤6
と接触する。このため、プルトニウム・ウラン共抽出装
置7及びウラン抽出装置11全体での核燃料物質の抽出
効率が向上する。これは、プルトニウム・ウラン共抽出
装置7及びウラン抽出装置11の合計の抽出段数が従来
技術で述べたピューレックス法での共除染工程の抽出段
数よりも少なくなる。従って、プルトニウム・ウラン共
抽出装置7及びウラン抽出装置11が簡素化でき、再処
理設備がコンパクトになる。また核燃料物質の抽出効率
が高いと、燃料溶解液に対する混合抽出剤の流量比が小
さくてすむ。
【0058】本実施例の混合抽出剤がイソオクチルアル
コールを含んでいるので、プルトニウム及びウランの連
続抽出操作が可能になる。
【0059】希薄硝酸水溶液9は還元剤である2価の鉄
イオンを含んでおり、プルトニウム・ウラン逆抽出装置
8で4価のプルトニウムが3価に還元されて逆抽出され
る。3価のプルトニウムは混合抽出剤に含まれる6価の
ウランよりも分配比が小さく混合抽出剤から希薄硝酸水
溶液に移行しやすい。このため、プルトニウム・ウラン
逆抽出装置8においてプルトニウムの逆抽出が簡単に行
える。
【0060】本実施例は、プルトニウムの抽出ロスを避
けるための余剰の混合抽出剤が不要になるため、混合抽
出剤/燃料溶解液流量比を小さくすることができる。具
体的には、プルトニウム・ウラン共抽出装置7の混合抽
出剤/燃料溶解液流量比はピューレックス法の共除染工
程の抽出剤/燃料溶解液流量比の40%となり、ウラン
抽出装置11のその比はピューレックス法の共除染工程
のそれの29%となる。ちなみに、プルトニウム・ウラ
ン共抽出装置7及びウラン抽出装置11に供給される混
合抽出剤の合計量は、ピューレックス法の共除染工程に
供給される抽出剤量の69%となる。
【0061】前述のようなプルトニウム・ウラン共抽出
装置7及びウラン抽出装置11の抽出段数の低減によ
り、プルトニウム・ウラン共抽出装置7及びウラン抽出
装置11の合計の抽出段数は、ピューレックス法の共除
染工程の抽出段数の約60%となる。
【0062】なお、プルトニウム/ウラン比は、本実施
例のようにプルトニウム・ウラン共抽出装置7及びプル
トニウム・ウラン逆抽出装置8で調整する以外に、プル
トニウム・ウラン共抽出装置7だけで調整することもで
きる。この場合は、プルトニウム・ウラン共抽出装置7
における混合抽出剤/燃料溶解液流量比は、プルトニウ
ムの全量とウランの30%を抽出するように調節する必
要がある。この流量比は、燃料溶解液及び混合抽出剤の
各組成が図1の実施例におけるそれぞれの組成と同じで
あるとしたとき、燃料溶解液が1に対して混合抽出剤が
0.55 の割合となる比率である。
【0063】更に本実施例は、ピューレックス法で用い
られているプルトニウム及びウランの各精製工程が不要
となる。
【0064】(実施例2)本発明の他の実施例である実
施例2の使用済核燃料の再処理方法を、図5に示す使用
済核燃料の再処理装置を用いて以下に説明する。
【0065】実施例2の使用済核燃料の再処理装置は、
実施例1の使用済核燃料の再処理装置と以下の点で異な
っている。まず、実施例1の使用済核燃料の再処理装置
は、同じ組成の混合抽出剤をプルトニウム・ウラン共抽
出装置7及びウラン抽出装置11に供給する構成を有す
るが、本実施例は、このような構成を備えておらず混合
抽出剤6(実施例1と同じ組成)がプルトニウム・ウラ
ン共抽出装置7,プルトニウム・ウラン逆抽出装置8及
び溶媒洗浄装置16を循環する構成となっている。ウラ
ン抽出装置11,ウラン逆抽出装置12及び溶媒洗浄装
置19には、抽出剤17が循環される。抽出剤17はT
BPをn−ドデカンで希釈したものであり、30体積%
のTBPを含んでいる。本実施例では、プルトニウム・
ウラン逆抽出装置8から排出された混合抽出剤はウラン
逆抽出装置12に供給されない。更に、本実施例は、プ
ルトニウム及びウランの逆抽出のために、逆抽出液9で
ある2価の鉄イオンを含む希薄硝酸水溶液をプルトニウ
ム・ウラン逆抽出装置8に供給する。2価の鉄イオンを
含まない希薄硝酸水溶液18が、ウランを逆抽出するた
めに、ウラン逆抽出装置12に供給される。
【0066】剪断装置2,溶解槽3,清澄装置5,プル
トニウム・ウラン共抽出装置7,プルトニウム・ウラン
逆抽出装置8及び溶媒洗浄装置16で実施される処理
は、実施例1と同じである。
【0067】プルトニウム・ウラン共抽出装置7から排
出された燃料溶解液は、ウラン抽出装置11に送られ、
抽出剤17と向流接触される。燃料溶解液(プルトニウ
ムを含まない)に含まれるウランは抽出剤17に含まれ
るTBPと結合し、抽出剤側に移行する。ウラン抽出装
置11から排出され廃液となる燃料溶解液は、実施例1
と同様に、1体積%のウランを含んでいる。ウラン抽出
装置11に供給された残りのウランは、抽出剤17側に
移行している。
【0068】ウラン逆抽出装置12から排出された抽出
剤は、溶媒洗浄装置19において溶媒洗浄装置16と同
様に炭酸アルカリで洗浄され、抽出剤に含まれている不
純物を除去される。その後、抽出剤は、分析及び濃度調
整され、抽出剤17として再利用される。炭酸アルカリ
の替りに炭酸ヒドラジンを用いてもよい。
【0069】なお、混合抽出剤に含まれるTOAを4級
アミン抽出剤に置き換えてもよい。4級アミン抽出剤と
しては硝酸トリカプリルメチルアンモニウムあるいは硝
酸ベンジルジメチルドデシルアンモニウムが使用でき
る。
【0070】本実施例では、プルトニウム計測器は、燃
料溶解液排出管20、及びプルトニウム・ウラン逆抽出
装置8に接続される混合抽出剤排出管22にそれぞれ設
置される。
【0071】本実施例は、実施例1において得られる効
果のうち、プルトニウム・ウラン逆抽出装置8からウラ
ン逆抽出装置12に混合抽出剤を供給することによって
得られる効果を除いた残りの効果を得ることができる。
プルトニウム・ウラン共抽出装置7およびウラン抽出装
置11に混合抽出剤6を並列に供給することによって得
られる実施例1の効果は、プルトニウム・ウラン共抽出
装置7に混合抽出剤6を、ウラン抽出装置8に抽出剤1
7を別々に供給する本実施例においても生じる。
【0072】本実施例は、実施例1でウラン抽出装置8
でウランの抽出にほとんど寄与しないTOAをウラン抽
出装置8に供給する抽出剤17に含有していない。この
ため、TOAの使用量を低減できる。
【0073】(実施例3)本発明の他の実施例である実
施例3の使用済核燃料の再処理方法を、図6に示す使用
済核燃料の再処理装置を用いて以下に説明する。
【0074】本実施例の使用済核燃料の再処理装置は、
プルトニウム・ウラン逆抽出装置8で、プルトニウムを
4価から6価へ酸化して逆抽出するために、プルトニウ
ム・ウラン逆抽出装置8に揮発性の酸化剤であるオゾン
20を供給する。この構成を除いて、本実施例の使用済
核燃料の再処理装置は、実施例1の使用済核燃料の再処
理装置の構成と同じである。
【0075】プルトニウム・ウラン逆抽出装置8は、オ
ゾン20を吹き込みながら希薄硝酸水溶液を用いてプル
トニウム及びウランを逆抽出する。オゾンによりプルト
ニウムは6価に酸化される。6価のプルトニウムの分配
比は図4に示した6個のウランよりも小さいので、6価
のプルトニウムを希薄硝酸水溶液と接触させることによ
り、ウランの一部を抽出剤相に残したままプルトニウム
を全量逆抽出できる。本実施例は、プルトニウムの逆抽
出のために不揮発性物質(例えば、2価の鉄及び鉄化合
物、4価のウラン等)を添加しないので、放射性廃棄物
の発生量を抑制できる。更に、本実施例は、実施例1で
得られる効果を生じる。
【0076】(実施例4)本発明の他の実施例である実
施例4の使用済核燃料の再処理方法を、図7に示す使用
済核燃料の再処理装置を用いて以下に説明する。
【0077】実施例4は、プルトニウム・ウラン逆抽出
装置8においてプルトニウムを4価のまま逆抽出するも
のである。このため、本実施例は、酢酸を添加した逆抽
出剤である希薄硝酸水溶液24をプルトニウム・ウラン
逆抽出装置8に供給する構成、及び蒸留装置25を設け
た点が、実施例1の使用済核燃料の再処理装置と異なる
部分である。本実施例の実施例1と同じ部分では、実施
例1と同じ処理が行われる。
【0078】本実施例のプルトニウム・ウラン逆抽出装
置8で実施される処理について説明する。希薄硝酸水溶
液24がプルトニウム(4価)及びウラン(6価)を含
む混合抽出剤と向流接触される。4価のプルトニウムは
酢酸イオンと電気的に中性の錯体を形成する。このた
め、TOAから解離して希薄硝酸水溶液に逆抽出され
る。また、プルトニウムは酢酸を含む希薄硝酸水溶液か
ら混合抽出剤に含まれるTBPと結合しない。一方、6
価のウランも、酢酸を含む希簿硝酸水溶液からTOA及
びTBPによって抽出されない。これらの結果、プルト
ニウムをウランとともに逆抽出することができる。
【0079】プルトニウム・ウラン逆抽出装置8から排
出されたプルトニウム及びウランを含む希薄硝酸水溶液
は、蒸留装置25で蒸発濃縮される。このとき蒸留操作
を行うことにより希薄硝酸水溶液に含まれる硝酸及び酢
酸を別々に回収できる。蒸発濃縮後に更に脱硝操作が行
われ、プルトニウム及びウランの混合物を得る。この混
合物を酸化してプルトニウム及びウランのそれぞれの酸
化物を生成する。これらの酸化物は、MOX燃料に用い
られる。
【0080】分離された酢酸は酢酸精製される。また、
分離された硝酸も、酢酸精製系とは別の硝酸精製系で精
製される。精製された酢酸及び硝酸は混合されて希薄硝
酸水溶液24として再利用される。廃液処理装置14で
行われる廃液である燃料溶解液の脱硝処理で回収される
硝酸は、硝酸精製系で精製されて再利用される。蒸留装
置25で酢酸と硝酸とを分離して回収し、これらを別々
に精製する埋由は、廃液処理装置14での処理対象であ
る燃料溶解液から回収された硝酸を精製する際に酢酸が
混入するのを防ぐためである。
【0081】本実施例は、実施例1のように2価の鉄等
の還元剤を回収するのに必要な複雑な回収システムでは
なく、簡単なシステムで酢酸を回収できる。このため、
再処理設備が簡素化できる。尚、本実施例は、実施例1
で生じる効果を得ることができる。
【0082】(実施例5)本発明の他の実施例である使
用済核燃料の再処理方法を、以下に説明する。本実施例
は、図1の再処理装置に適用するものであり、ウラン逆
抽出装置12から排出される混合抽出剤を、溶媒洗浄装
置16において濃い硝酸と接触させた後に炭酸アルカリ
で洗浄する。
【0083】混合抽出剤を用いてプルトニウム及びウラ
ンを抽出する場合、核分裂生成核種のうち7価のテクネ
チウムが混合抽出剤に比較的抽出されやすい。図4に示
した分配係数の硝酸濃度依存性からも分かるように、プ
ルトニウム及びウランは希薄硝酸水溶液で逆抽出するこ
とによりテクネチウムから分離できる。テクネチウムは
混合抽出剤中に残っている。
【0084】前述の各実施例のように、テクネチウムは
炭酸アルカリで洗浄することにより除去することができ
る。この場合、テクネチウムは炭酸アルカリ(例えば炭
酸ナトリウム)中へ移行するのでアルカリ(例えばナト
リウム)とテクネチウムが混合した放射性固体廃棄物が
発生する。これでは、放射性固体廃棄物の発生量が多く
なる。
【0085】本実施例は、混合抽出剤を炭酸アルカリで
洗浄する前に、ミキサセトラ等の抽出器を用いて混合抽
出剤を6規定以上の硝酸水溶液と接触させてテクネチウ
ムを逆抽出する。この後、混合抽出剤を必要に応じて水
で洗浄してから炭酸アルカリと接触させて、混合抽出剤
から放射線劣化生成物を除去する。この混合抽出剤を分
析し組成調整後にプルトニウム・ウラン共抽出装置7に
戻して再利用する。テクネチウムを含む硝酸水溶液は、
蒸発操作により硝酸及び水が取り除かれる。これによ
り、放射性固体廃棄物の量をテクネチウムの体積と同程
度まで減少できる。本実施例は、実施例2,3,4及び
5にも適用できる。
【0086】本実施例は、実施例1によって得られる効
果を生じると共に、炭酸アルカリ水溶液中に長寿命のテ
クネチウムを移行させないので、溶媒洗浄にともなう放
射性固体廃棄物の発生量を低減できる。
【0087】混合抽出剤に含まれるTOAは、単独では
なくTOA・HNO3 の形態でプルトニウムの抽出性を
発揮する。混合抽出剤をプルトニウム・ウラン共抽出装
置7内で硝酸を含む燃料溶解液と接触させることによっ
てTOA・HNO3 が形成され、プルトニウムの抽出が
可能になる。
【0088】本実施例において、炭酸アルカリとの接触
により放射線劣化生成物を除去された混合抽出剤を、分
析し組成調整後に3規定の硝酸水溶液と接触させ、その
後にプルトニウム・ウラン共抽出装置7に戻すことが可
能である。このように、プルトニウム・ウラン共抽出装
置7に戻す前に、混合抽出剤を3規定の硝酸水溶液と接
触させることにより、混合抽出剤の化学形態を調整す
る。このため、プルトニウム・ウラン共抽出装置7での
硝酸濃度を一定にできるので、種々のイオンの抽出挙動
の把握が簡単にできる。
【0089】(実施例6)本発明の他の実施例である使
用済核燃料の再処理方法を、以下に説明する。本実施例
は、実施例1に適用した例を用いて説明するが、実施例
2,3,4,5及び6にも適用できる。本実施例は、図
1の構成において清澄装置5とプルトニウム・ウラン共
抽出装置7との間に晶析装置を配置したものである。晶
析装置は、供給される燃料溶解液に含まれるウランの一
部を晶析させる。このウランを含む燃料溶解液がプルト
ニウム・ウラン共抽出装置7に供給される。
【0090】上記の晶析処理を具体的に説明する。燃料
溶解液に含まれる核燃料物質を数規定の硝酸で溶解しな
がら濃縮し、その後冷却して硝酸ウラニルを晶析させ
る。この後、上澄み液を、硝酸濃度を約3規定、ウラン
濃度を約1モル/Lになるように調整してからプルトニ
ウム・ウラン共抽出装置7に供給する。
【0091】プルトニウム・ウラン共抽出装置7以降の
処理は、実施例1と同様に行われる。ただし、晶析装置
によって晶析されたウランはウラン逆抽出装置12から
排出された希薄硝酸水溶液と混合される。この希薄硝酸
水溶液からウランが取り出される。
【0092】本実施例によれば、晶析によりウランの一
部を燃料溶解液から取り除かれるので、プルトニウム・
ウラン共抽出装置7,ウラン抽出装置11及びウラン逆
抽出装置12に供給されるウラン量が少なくなる。核燃
料物質の単位体積当りに必要な燃料溶解液及び混合抽出
剤の流量を低滅でき、かつ抽出段数を低減できる。更に
本実施例は、実施例lで生じる効果を得ることができ
る。
【0093】
【発明の効果】第1発明によれば、スクラブ操作のため
の抽出器の設置が不要となり抽出段数が減少するので、
抽出工程が簡素化でき、再処理設備がコンパクトにな
る。また、MOX燃料に用いられるプルトニウムとウラ
ンとの混合物を直接抽出できる。第2発明によれば、プ
ルトニウム及びウランの混合物を抽出する前段工程より
下流側でのプルトニウムの管理が不要になるので、再処
理設備のシステム構成が単純化される。また、MOX燃
料に用いられるプルトニウムとウランとの混合物を直接
抽出できる。ウラン燃料に用いられる実質的にプルトニ
ウムを含まないウランも直接得ることができる。
【0094】第3発明によれば、核燃料物質の抽出効率
が向上して、プルトニウム・ウラン共抽出工程とウラン
抽出工程との合計の抽出段数が従来よりも低減できる。
このため、抽出工程が簡素化でき、再処理設備がコンパ
クトになる。
【0095】第4発明によれば、第1発明と同じ効果を
生じる。
【0096】第5発明によれば、アミン系抽出剤を用い
た場合でも、プルトニウム及びウランの連続抽出操作が
可能になる。
【0097】第6発明によれば、プルトニウム・ウラン
逆抽出工程の抽出段数を少なくすることができる。更
に、ウラン逆抽出工程でウラン抽出効率を向上でき、ウ
ラン抽出量が増加する。
【0098】第7発明によれば、ウラン抽出工程で有機
溶媒側に抽出されたウランは、精製工程を経ることなく
高純度化ができる。ウラン抽出工程で抽出されたウラン
に対する精製工程が不要となる。
【0099】第8発明によれば、プルトニウムの逆抽出
が簡単に行える。
【0100】第9発明によれば、プルトニウムの逆抽出
のために不揮発性物質を用いないので、放射性廃棄物量
の増加を防止できる。
【0101】第10発明によれば、酢酸の回収を簡単に
行うことができ、プルトニウムの原子価調整用物質の回
収システムを単純化できる。
【0102】第11発明によれば、混合抽出剤の洗浄に
伴って発生する放射性廃棄物量を低滅できる。
【図面の簡単な説明】
【図l】本発明の好適な一実施例である使用済核燃料の
再処理方法が適用される使用済核燃料の再処理装置の構
成図である。
【図2】30体積%のTBPに種々の濃度のTOAを添
加した場合でのTOA濃度に対する6価のウランと4価
のネプツニウムの分配係数の変化を示す特性図である。
【図3】30体積%のTBPと10体積%のTOAの混
合物に種々の濃度のイソオクチルアルコールを添加した
場合での、イソオクチルアルコール濃度に対する6価の
ウラン及び4価のネプツニウムの分配比の変化を示す特
性図である。
【図4】硝酸濃度に対する、ウラン,プルトニウム及び
代表的な核分裂生成核種のそれぞれの分配比の変化を示
す特性図である。
【図5】本発明の他の実施例である使用済核燃料の再処
理方法が適用される使用済核燃料の再処理装置の他の実
施例の構成図である。
【図6】本発明の他の実施例である使用済核燃料の再処
理方法が適用される使用済核燃料の再処理装置の他の実
施例の構成図である。
【図7】本発明の他の実施例である使用済核燃料の再処
理方法が適用される使用済核燃料の再処理装置の他の実
施例の構成図である。
【符号の説明】
2…剪断装置、3…溶解槽、5…清澄装置、7…プルト
ニウム・ウラン共抽出装置、8…プルトニウム・ウラン
逆抽出装置、11…ウラン抽出装置、12…ウラン逆抽
出装置、14…廃液処理装置、16,19…溶媒洗浄装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 文雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核燃料物質を溶解している燃料溶解液から
    有機溶媒を用いて核燃料物質を抽出する抽出工程を含む
    使用剤核燃料の再処理方法において、 前記有機溶媒としてアミン系抽出剤とトリブチルリン酸
    とを含む混合抽出剤を用い、前記抽出工程でプルトニウ
    ム及びウランを混合状態で抽出することを特微とする使
    用済核燃料の再処理方法。
  2. 【請求項2】核燃料物質を溶解している燃料溶解液から
    有機溶媒を用いて核燃料物質を抽出する抽出工程を含む
    使用剤核燃料の再処理方法において、 前記有機溶媒としてアミン系抽出剤とトリブチルリン酸
    とを含む混合抽出剤を用いて、前記燃料溶解液に含まれ
    る実質的に全量のプルトニウム、及びウランの一部を抽
    出し、その後、前記燃料溶解液からウラン抽出すること
    を特徴とする使用済核燃料の再処理方法。
  3. 【請求項3】核燃料物質を溶解している燃料溶解液から
    有機溶媒を用いて核燃料物質を抽出する抽出工程を含む
    使用剤核燃料の再処理方法において、 前記抽出工程が、前記燃料溶解液から有機溶媒を用いて
    プルトニウム及びウランを混合状態で抽出するプルトニ
    ウム・ウラン共抽出工程と、前記プルトニウム・ウラン
    共抽出工程から排出された前記燃料溶解液から有機溶媒
    を用いてウランを抽出するウラン抽出工程とを含み、前
    記プルトニウム・ウラン共抽出工程及び前記ウラン抽出
    工程へのそれぞれの有機溶媒の供給は並行して行うこと
    を特徴とする使用剤核燃料の再処理方法。
  4. 【請求項4】前記プルトニウム・ウラン共抽出工程で用
    いる前記有機溶媒はアミン系抽出剤とトリブチルリン酸
    とを含む混合抽出剤であり、前記ウラン抽出工程で用い
    る前記有機溶媒は少なくともトリブチルリン酸を含む抽
    出剤である請求項3の使用済核燃料の再処理方法。
  5. 【請求項5】前記混合抽出剤が高級アルコールを含んで
    いる請求項4の使用済核燃料の再処理方法。
  6. 【請求項6】前記プルトニウム・ウラン共抽出工程で抽
    出したプルトニウム及びウランを含む有機溶媒から、硝
    酸溶液を用いて、プルトニウム及びウランを抽出するプ
    ルトニウム・ウラン逆抽出工程と、前記ウラン抽出工程
    で抽出したウランを含む有機溶媒から、硝酸溶液を用い
    て、ウランを抽出するウラン逆抽出工程とを含む請求項
    1,請求項4または請求項5の使用済核燃料の再処理方
    法。
  7. 【請求項7】前記プルトニウム・ウラン共抽出工程で抽
    出したプルトニウム及びウランを含む有機溶媒から、硝
    酸溶液を用いて、全量のプルトニウム、及びウランの一
    部を抽出するプルトニウム・ウラン逆抽出工程と、前記
    ウラン抽出工程で抽出したウランを含む有機溶媒、及び
    前記プルトニウム・ウラン逆抽出工程から排出されたウ
    ランを含む有機溶媒を混合し、混合された有機溶媒か
    ら、硝酸溶液を用いて、ウランを抽出するウラン逆抽出
    工程とを含み、これらの有機溶媒が前記混合抽出剤であ
    る請求項4または請求項6の使用済核燃料の再処理方
    法。
  8. 【請求項8】前記ウラン抽出工程から排出された前記燃
    料溶解液にウランが一部残っている請求項3の使用済核
    燃料の再処理方法。
  9. 【請求項9】前記硝酸溶液に還元剤を混合し、プルトニ
    ウム・ウラン逆抽出工程においてプルトニウムを3価に
    還元して逆抽出する請求項6または請求項7の使用剤核
    燃料の再処理方法。
  10. 【請求項10】前記硝酸溶液に揮発性の酸化剤を混合
    し、プルトニウム・ウラン逆抽出工程においてプルトニ
    ウムを6価に酸化して逆抽出する請求項6または請求項
    7の使用済核燃料の再処理方法。
  11. 【請求項11】前記硝酸溶液に酵酸を混合し、プルトニ
    ウム・ウラン逆抽出工程においてプルトニウムを4価の
    まま逆抽出する請求項6または請求項7の使用済核燃料
    の再処理方法。
  12. 【請求項12】使用された前記混合抽出剤を、6規定以
    上の硝酸と接触させた後、有機溶媒洗浄液で洗浄し、前
    記プルトニウム及びウランの抽出に再利用する請求項
    1,請求項2,請求項3,請求項6または請求項7の使
    用済核燃料の再処理方法。
  13. 【請求項13】核燃料物質を溶解している燃料溶解液か
    ら有機溶媒を用いてプルトニウム及びウランを混合状態
    で抽出するプルトニウム・ウラン共抽出手段と、前記プ
    ルトニウム・ウラン共抽出手段から排出された前記燃料
    溶解液から有機溶媒を用いてウランを抽出するウラン抽
    出手段と、前記プルトニウム・ウラン共抽出手段及び前
    記ウラン抽出手段に別々に有機溶媒を供給する手段とを
    備えたことを特徴とする使用剤核燃料の再処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009288178A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Toshiba Corp 使用済み燃料再処理方法
JP2015152554A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 三菱重工業株式会社 放射性廃液処理方法

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