JPH1182767A - スプール弁 - Google Patents

スプール弁

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JPH1182767A
JPH1182767A JP25212897A JP25212897A JPH1182767A JP H1182767 A JPH1182767 A JP H1182767A JP 25212897 A JP25212897 A JP 25212897A JP 25212897 A JP25212897 A JP 25212897A JP H1182767 A JPH1182767 A JP H1182767A
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英城 山形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプールに作用する流体力を使用状況によら
ずに低減させることができるスプール弁を提供する。 【解決手段】 バルブボディ1とスプール2の間にスリ
ーブ20を設け、このスリーブ20の負荷ポート4、5
の左右の端辺に沿った位置に、複数の矩形穴24、2
5、26、27を設けるとともに、スプール2のランド
部11、12の中間につば状のランド部19を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプール弁に作用
する流体力の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、スプール弁においてスプール
に作用する流体力をバランスさせる構造(補償効果を持
たせる構造)として、例えば、裳華房「油圧駆動とその
制御」上巻第262頁〜第277頁に説明されているよ
うな4方向流量制御弁が知られている。
【0003】図7に示すように、この4方向流量制御弁
は、バルブボディ1に形成されたシリンダ部1A内に、
スプール2を摺動自在に備えている。また、このシリン
ダ部1Aの内周には、複数の環状ポートが形成されてお
り、作動流体が供給される中央の供給ポート3の左右両
側には、一対の負荷ポート4、5が設けられ、これらの
負荷ポート4、5の間に負荷6が介装される。さらに、
これらの負荷ポート4、5の左右両外側には、一対の戻
りポート7、8が形成され、これらの戻りポート7、8
から作動流体がドレーン側に還流するようになってい
る。
【0004】スプール2外周には、負荷ポート4、5の
位置に対応して、シリンダ部1Aと略同径の一対の環状
のランド部11、12が形成され、スプール2が中立位
置にあるときには、これらのランド部11、12がちょ
うど負荷ポート4、5を閉鎖するようになっている。ま
た、これらのランド部11、12の間と左右両外側に
は、小径部13とバケット部14、15が、それぞれ形
成されている。これにより、スプール2が中立位置から
左右にずれると、供給ポート3からの作動流体は、小径
部13外周の隙間を通って負荷ポート4または5に流入
するとともに、負荷ポート4または5からの作動流体
は、バケット部14または15の外周を通って戻りポー
ト7または8に還流するようになっている。
【0005】この場合、ランド部11、12の両外側の
バケット部14、15は、スプール2に作用する作動流
体圧力のバランスをとるため、特有の形状となってい
る。すなわち、小径部13におけるスプール2は真っす
ぐな略円筒形状となっているのに対して、バケット部1
4、15には、その左右外側部分に、なだらかな傾斜部
14A、15Aが形成されている。さらに、戻りポート
7、8の内側(負荷ポート4、5側)側壁にも傾斜部7
A、8Aが形成され、負荷ポート4、5から戻りポート
7、8への流体通路の下流側が広げられている。
【0006】このような構成により、スプール2作用す
る流体力は、以下に説明するようなものとなる。
【0007】まず、供給ポート3から負荷ポート4、5
に流れる流体がスプール2に及ぼす流体力について説明
する。
【0008】図7に示すように、ランド部11、12が
負荷ポート4、5を閉鎖する中立の位置からスプール2
が右方向に動いた場合には、供給ポート3と右側の負荷
ポート5が連通し、供給ポート3からの作動流体が、図
に矢印で示したように負荷ポート5を通って負荷6側に
流れ込む。この場合、負荷ポート5とランド部12の間
の開口により流体の流れが絞られ、作動流体の圧力が低
下し、結果として、スプール2には図7の左方向に引き
戻そうとする軸方向の流体力が作用する。そして、この
流体力は、負荷ポート5とランド部12の間の流体通路
が広がり、流量が大きくなるにしたがって大きな力とな
って行く。
【0009】一方、スプール2が中立の位置から図7の
左方向に動いた場合には、作動流体は供給ポート3から
左側の負荷ポート4へと流れる。この場合には、作動流
体が供給ポート3から負荷ポート5に流れる場合と同様
の原理で、図7の右方向に引き戻そうとする流体力が、
スプール2に作用する。
【0010】このようにして、供給ポート3から負荷ポ
ート4、5に流れる流体からスプール2に作用する流体
力は、図8の特性図に一点鎖線で示すような特性とな
り、スプール2を中立位置側に引き戻そうとする(負荷
ポート4、5の開口を狭めようとする)。なお、この図
8では、図7の右方向を正方向としている。
【0011】つぎに、負荷ポート4または5から戻りポ
ート7または8に還流する作動流体がスプール2に及ぼ
す流体力について説明する。
【0012】図7に示すように、スプール2が右方向
(正方向)に動いた場合には、負荷6からの作動流体
は、負荷ポート4から戻りポート7へと流れる。この場
合、バケット部14側に流れ出た流体の一部は、バケッ
ト部14の傾斜部14Aから戻りポートの傾斜部7Aへ
と導かれ、図に矢印で示したように、渦を巻くように流
れる。この結果、負荷ポート4から戻りポート7へと流
れる流体のスプール軸方向の流出運動量は流入運動量を
上回り、スプール2には、図8の右方向(正方向)に向
かう軸方向の流体力が作用する。この流体力は、スプー
ル2のストローク増大により、負荷ポート4または5が
大きく広がり、戻りポート7または8に還流する流量が
増大するにしたがって大きくなって行く。
【0013】一方、これとは逆にスプール2が左方向
(負方向)に動いた場合には、同様の原理により、傾斜
部15Aから傾斜部8Aへと渦を巻くように流れる流体
からの流体力は、スプール2を図の左方向(負方向)に
押し出すように作用する。
【0014】このように、負荷ポート4または5から戻
りポート7または8に還流する作動流体がスプール2に
及ぼす流体力は、図8の特性図に破線で示す特性とな
り、スプール2を中立位置側から押し出そうとする(負
荷ポート4、5の開口を広げようとする)。
【0015】そして、この4方向流量制御弁において
は、バケット部14および戻りポート7の形状を適当な
ものとすることにより、供給ポート3から負荷ポート
4、5に流れる流体がスプール2に及ぼす流体力と、負
荷ポート4または5から戻りポート7または8に還流す
る作動流体がスプール2に及ぼす流体力を、ちょうど釣
り合わせるようにしている。すなわち、スプール2に作
用するトータルの流体力は、図8に実線で示したよう
に、スプール2の変位によらずに略最小に押さえられる
ようになっている。
【0016】さて、このような4方向流量制御弁には、
図9に示すように、スプール2の左端から右方向(正方
向)への力を及ぼすスプリング16と、通電によりスプ
ール2の右端から左方向(負方向)への力を及ぼす比例
ソレノイド17が備えられる。なお、この図9において
は、バルブボディ1とスプール2の間にスリーブ20が
介装されているが、4方向流量制御弁の本質的構造は、
図7のものと変わりない。なお、このスリーブ20は、
バルブボディ1に固定されており、供給ポート3、負荷
ポート4、5、戻りポート7、8の位置に合わせて、作
動流体を流通させるための開口が形成されている。
【0017】スプール2の軸方向の変位は、これらスプ
リング16と比例ソレノイド17からの付勢力のバラン
スによって駆動される。すなわち、スプール2に作用す
る流体力とスプリング16からの力の総和は、図9にス
プリング16からの力を重ね合わせた特性図である図1
0に実線で示すような特性となるが、比例ソレノイド1
7への通電量を制御することにより、比例ソレノイド1
7からの付勢力を適当に調節して、スプール2を所望の
変位でバランスさせるようにしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、図7、図
9に示す流量制御弁は、4方向弁として使用する限り、
スプール2に作用する流体力はバランスしている。
【0019】しかしながら、この4方向流量制御弁を、
2方向弁または3方向弁として使用したいことがある。
このような場合には、スプール2に作用する流体力はバ
ランスすることはなく、最小に抑えられることがなくな
る。このため、スプール2に作用する軸方向の流体力
は、例えば図10に一点鎖線で示すような供給ポート3
から負荷ポート4、5に流れる流体からの流体力とスプ
リング力を合わせたものとなり、スプール2の変位位置
によっては大きな値となってしまう。
【0020】また、図7、図9に示す流量制御弁を4方
向弁として用いる場合でも、負荷6として片ロッドシリ
ンダを用いた場合などには、供給ポート3から負荷ポー
ト4または5に流入する流量と、負荷ポート4または5
から戻りポート7または8に還流する流量が同じとなら
ず、流体力のバランスが崩れ、スプール2に大きな軸方
向の流体力が作用することがある。
【0021】このような大きな流体力に対抗するために
は、比例ソレノイド17を大型化する必要があり、これ
は、コストアップや、比例ソレノイド17の動特性の低
下等の原因となってしまう。
【0022】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、スプールに作用する流体力を弁の使用状況
によらずに低減させることができるスプール弁を提供す
ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、中立位置
の左右で摺動可能なスプールと、供給ポートと、この供
給ポートの左右両側に設けられた一対の負荷ポートと、
これらの負荷ポートの両外側に設けられた一対の戻りポ
ートと、前記スプールを左右いずれか一方向に付勢する
バネ手段と、通電により前記スプールを左右いずれか他
方向に付勢する比例ソレノイドとを備え、前記スプール
が中立位置にあるときに前記スプールに形成された一対
のランド部が前記一対の負荷ポートをブロックするとと
もに、前記スプールが中立位置の左右に摺動すると前記
供給ポートと前記負荷ポートの一方および前記負荷ポー
トの他方と前記戻りポートとを連通するスプール弁にお
いて、前記スプールの一対のランド部の中間につば状の
ランド部を設けるとともに、前記一対の負荷ポートの流
体の流通は負荷ポートの左右の端部からスプール軸方向
に所定の長さで広がる少なくとも一対の開口を介してな
されるようにした。
【0024】第2の発明は、前記開口のスプール軸方向
に沿った長さをスプールの定格ストロークとほぼ等しく
した。
【0025】第3の発明は、バルブボディとスプールと
の間に介装されたスリーブを備えるとともに、前記開口
をこのスリーブの周方向に沿って形成された複数の穴と
した。
【0026】第4の発明は、前記スプールのランド部の
両外側に一対のバケット部を備え、このバケット部の形
状を、負荷ポートから戻りポートに流れる流体からの流
体力がスプールの摺動初期には負荷ポートを閉鎖する方
向に働き、その後スプールの摺動が進むと負荷ポートを
開放する方向に働くように調整した。
【0027】
【発明の作用および効果】第1〜第3の発明では、スプ
ール弁の作動時には、供給ポートから負荷ポートに流れ
る流体が負荷ポートで絞られてスプールに流体力を及ぼ
すが、負荷ポートに流れ出す流体には開口により大きな
流出角度が与えられるので、この流体力が負荷ポートを
閉じる方向にスプールを引き込む力は、スプールのスト
ロークが進んでもあまり大きくならない。さらに、スプ
ールのストロークがある程度進むと、つば状のランド部
が供給ポートから流入する流体に与える絞りの効果が効
いて来るので、この流体力が負荷ポートを開く方向にス
プールを押し出す力により、負荷ポートを閉じる方向に
スプールを引き込む流体力は頭打ちとなる。したがっ
て、供給ポートから負荷ポートに流れる流体がスプール
に及ぼす力の特性は、流体力ゼロの上下で波打つ形とな
り、流体力の絶対値は小さな値に抑制される。
【0028】また、負荷ポートから戻りポート側に流れ
出す流体にも開口により大きな流出角度が与えられるの
で、負荷ポートから戻りポートに流れる流体がスプール
に及ぼす力も、スプールのストロークが進んでもあまり
大きくならない。
【0029】このように、本発明では、供給ポートから
負荷ポートに流れる流体がスプールに及ぼす流体力も、
負荷ポートから戻りポートに流れる流体がスプールに及
ぼす流体力も、その絶対値が比較的小さな範囲に抑制さ
れるので、スプール弁はいかなる使用方法がされた場合
でも、流体力とバネ力の総和の絶対値が大きくなり過ぎ
ることはない。したがって、この流体力とバネ力に対抗
する付勢力を発生する比例ソレノイドの推力を大きくす
る必要もない。
【0030】また、第2の発明のように開口の長さをス
プールの定格ストロークの長さと略等しくすれば、スプ
ールが定格ストロークを超えて摺動した場合には、ラン
ド部開口の端部を超えたところまで動くことになり、負
荷ポートの有効通路面積はそれ以上に広がることはな
い。したがって、スプールが定格ストロークを超えて摺
動したとしても、流量が大きくなって制御不能の流体力
がスプールに作用してしまうようなことはない。
【0031】第4の発明では、戻りポート側にバケット
部の形状を調整することにより、負荷ポートから戻りポ
ートに流れる流体の流体力は、流体力ゼロの上下を波打
つ特性とできるので、この流体力の絶対値をさらに小さ
な範囲に抑制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0033】図1に示すように、本発明のスプール弁で
は、バルブボディ1に形成されたシリンダ部1Aにスリ
ーブ20が固定されており、このスリーブ20内にスプ
ール2が摺動自在に収容されている。
【0034】シリンダ部1Aの内周には複数の環状ポー
トが形成され、これらのうち供給ポート3はポンプ9と
連通している。この供給ポート3の左右両側には、一対
の負荷ポート4、5が設けられ、これらの負荷ポート
4、5の間に負荷6が介装される。さらに、これらの負
荷ポート4、5の左右両外側には、一対の戻りポート
7、8が形成され、これらの戻りポート7、8から作動
流体がタンク10側に還流するようになっている。
【0035】図2にも示すように、スプール2の外周に
は、スプール2が中立位置にあるときに負荷ポート4、
5にちょうど対応する位置に、スリーブ20内径と略同
径で、負荷ポート4、5の軸方向長さと略同長の一対の
環状のランド部11、12が形成されている。また、こ
れらのランド部11、12の間と左右両外側には、小径
部13とバケット部14、15が、それぞれ形成されて
いる。なお、バケット部14、15は、図7、図9に示
した従来例と同様に、負荷ポート4、5から戻りポート
7、8に流れる流体を導くために左右外側に傾斜部14
A、15Bを備えている。
【0036】さらに本発明の特徴となる構成として、小
径部13の略中央には、軸方向長さが短く、スリーブ2
0内径と略同径のつば状のランド部19が設けられてい
る。このランド部19は、スプール2がストロークする
のにしたがって、供給ポート3から流れ出す流体通路に
絞りを与えていくようになっている。
【0037】図3、図4にも示すように、スリーブ20
の供給ポート3、戻りポート7、8に対応する内周に
は、それぞれ、環状凹部21、22、23が形成され
る。そして、これらの環状凹部21、22、23には、
それぞれ、複数の円形穴31、32、33が開口する。
これらの円形穴31、32、33は、それぞれ環状凹部
21、22、23に沿って並んで設けられており、作動
流体はこれらの円形穴31、32、33を介して、供給
ポート3、戻りポート7、8とスリーブ20内側との間
で流通する。
【0038】また、スリーブ20の負荷ポート4および
5に対応する位置には、本発明の特徴となる構成とし
て、それぞれ、複数の矩形穴24、25および矩形穴2
6、27が、スリーブ20の周方向に沿って並んで形成
されている。
【0039】この場合、矩形穴24、25および矩形穴
26、27は、それぞれ負荷ポート4および5の左右の
端辺に沿って、少なくとも各一対となるように対称的
に、負荷ポート4および5の内側に形成される。そし
て、これらの矩形穴24〜27の長さ(軸方向に沿った
幅)は、スプール2の定格ストロークと略同長か、定格
ストロークよりわずかに長く設定されている。これによ
り、スプール2が定格ストローク内で摺動する間は、ス
プール2の右または左方向へのストロークにしたがっ
て、ランド部11、12により閉鎖されていた矩形穴2
4、26または矩形穴25、27が開口し、供給ポート
3から負荷ポート5または4への流体通路、および負荷
ポート4または5から戻りポート7または8への流体通
路が広がって行く。ところが、スプール2が定格ストロ
ークを超えて摺動したとしても、ランド部11または1
2は矩形穴24、25または26、27の端部を超えて
動くだけで、それ以上、これらの有効通路面積が広がる
ことはないようになっている。
【0040】なお、図1には示さないが、スプール2の
左右両端には、図9と同様に、スプリング16および比
例ソレノイド17が備えられ、スプール2の変位は、比
例ソレノイド17への通電により比例ソレノイド17か
らの付勢力を調整することにより制御される。
【0041】つぎに作用を説明する。
【0042】スプール弁を使用するときには、例えばフ
ィードバック制御により比例ソレノイド17へ適切な通
電を行い、スプール2の変位量、すなわち弁開度を制御
する。この場合、ポンプ9からの作動流体は、供給ポー
ト3から負荷ポート4、5を通って負荷6に至り、戻り
ポート7または8を介してタンク10に還流して行く
が、この作動流体の流れは、スプール2に流体力を及ぼ
す。
【0043】まず、供給ポート3から負荷ポート4また
は5に流れる流体がスプール2に及ぼす流体力について
説明する。
【0044】ランド部11、12が負荷ポート4、5を
閉鎖する中立位置から、スプール2が右方向(正方向)
に動いた場合には、作動流体は、供給ポート3とランド
部19の間の流体通路を通って、ランド部12により一
部が閉鎖された矩形穴26から負荷ポート5に流れ込
む。この場合、矩形穴26とランド部12の間の流体通
路を通る流体の圧力低下により、スプール2には左方向
(負方向)の流体力が作用し、図5の一点鎖線に示すよ
うに、この負方向の流体力はスプール2の正方向のスト
ロークにしたがって増大して行く。この場合、本発明で
は、矩形穴26の存在により、負荷ポート5への流体の
流出角度は大きくなり、この負方向の流体力の増大が抑
制される。
【0045】さらに、本発明では、このスプール2の正
方向のストロークがある程度進むと、今度は供給ポート
3とランド部19の間の流体通路で絞られた流体が、ラ
ンド部19(したがってスプール2)を右方向(正方
向)に引き込もうとする力が効いてくる。この正方向の
流体力は、スプール2の正方向のストロークが進み、供
給ポート3とランド部19間の流体通路が狭められるほ
ど優勢となって来るので、結局、供給ポート3から負荷
ポート5に流れる流体がスプール2に及ぼすトータルの
流体力は、図5の一点鎖線に示すように、負方向に頭打
ちとなり、逆に減って行く。
【0046】一方、スプール2が左方向(負方向)に動
いた場合には、作動流体は供給ポート3とランド部19
の間から、ランド部11と矩形穴25の間を通って、負
荷ポート4に流入するが、このときにスプール2に作用
する流体力は、スプール2が右方向(正方向)に動いた
ときと、左右(正負)に全く対称に発生する。
【0047】このように、供給ポート3から負荷ポート
4または5に流れる流体がスプール2に及ぼす流体力
は、図5に一点鎖線で示したように波状になり、流体力
ゼロの上下の比較的狭い範囲内に制限される。
【0048】つぎに、負荷ポート4または5から戻りポ
ート7または8に還流する作動流体がスプール2に及ぼ
す流体力について説明する。
【0049】スプール2が右方向(正方向)に動いた場
合には、負荷6からの作動流体は、負荷ポート4から矩
形穴24を通って、戻りポート7へと流れる。この場
合、本発明では、矩形穴24の存在により、負荷ポート
4からの流体の流入角度を大きくすることができ、これ
により、右方向(正方向)へ向かう流体力が、図7〜図
10に示した従来例のようには増大しないようになって
いる。また、バケット部14の傾斜部14Aの形状を調
整することにより、スプール2のストロークの初期にお
いては、いったん負方向の流体力が生じるようにし、そ
の後、流体力が正方向に転じるようにしてある。
【0050】一方、スプール2が左方向(負方向)に動
いた場合には、負荷6からの作動流体は、負荷ポート5
から矩形穴27を通って、戻りポート8へと流れるが、
この場合には、スプール2が右方向(正方向)に動いた
場合と、左右(正負)全く対称に流体力が作用する。
【0051】このように、負荷ポート4または5から戻
りポート7または8に還流する作動流体がスプール2に
及ぼす流体力も、図5に破線で示したように、流体力ゼ
ロの上下の比較的狭い範囲に制限される。
【0052】したがって、図5に実線で示したように、
供給ポート3から負荷ポート4または5に流れる流体
と、負荷ポート4または5から戻りポート7または8に
還流する作動流体が、スプール2に及ぼすトータルの流
体力も、流体力ゼロの上下の比較的狭い範囲に制限され
る。
【0053】図6には、図5に示した3種類の流体力
に、スプリング16のバネ力を加えた力の特性を示す。
このように、流体力とバネ力の総和の絶対値は、3種類
の流体力のいずれも、比較的小さな範囲に制限される。
すなわち、供給ポート3から負荷ポート4または5にの
み流体が流れる場合(図6の一点鎖線の場合)、負荷ポ
ート4または5から戻りポート7または8にのみ流体が
流れる場合(図6の破線の場合)、供給ポート3から戻
りポート7または8へと流体が流れる場合(図6の実線
の場合)のいずれの場合でも、要するに、本発明のスプ
ール弁はいかなる使用方法がされた場合でも、流体力と
バネ力の総和の絶対値が大きくなり過ぎることはない。
したがって、この流体力とバネ力に対抗する付勢力を発
生する比例ソレノイド17を大型化する必要もない。
【0054】さて、定格ストローク内でのスプール2の
摺動に伴う動作は以上の通りであるが、本発明では、ス
プール2が定格ストロークを超えて摺動した場合には、
ランド部11、12は矩形穴24〜27を超えたところ
まで動くことになり、負荷ポート4、5の開口は矩形穴
24〜27で制限される以上に広がることはない。した
がって、スプール2が定格ストロークを超えて摺動した
としても、流量が大きくなって制御不能の流体力がスプ
ール2に作用してしまうようなことはない。
【0055】定格ストロークを超えて、さらにスプール
2が摺動すると、ランド部19は、環状凹部21の右ま
たは左の端部を超え、供給ポート3の右側または左側を
ブロックする。このようにして、スプール2の摺動が所
定値を超えると、供給ポート3の左右は、ランド部19
と、ランド部11または12によってブロックされ、ポ
ンプ9側からの作動流体の流入が禁止されるフェールセ
ーフ機能が働くようになっている。
【0056】なお、本発明では、この実施の形態におけ
る矩形穴24〜27に代えて、異なる形状の穴(例えば
円形穴)を用いる他の実施の形態を採ることもできる。
この場合でも、これらの穴は、負荷ポート4および5の
左右の端辺に沿って、負荷ポート4および5の内側に形
成するようにするとともに、軸方向に沿った長さを、ス
プール2の定格ストロークと略同長か、定格ストローク
よりわずかに長くなるように設定するようにすればよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同じくスプールを示す側面図である。
【図3】同じくスリーブを示す断面図である。
【図4】同じく図3のA−A断面図である。
【図5】同じくスプールに作用する流体力の特性を示す
特性図である。
【図6】同じくスプールに作用する流体力とバネ力のト
ータルの特性を示す特性図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【図8】同じくスプールに作用する流体力の特性を示す
特性図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】同じくスプールに作用する流体力とバネ力の
トータルの特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ 2 スプール 3 供給ポート 4 負荷ポート 5 負荷ポート 6 負荷 7 戻りポート 8 戻りポート 9 ポンプ 10 タンク 11 ランド部 12 ランド部 13 小径部 14 バケット部 15 バケット部 19 ランド部 20 スリーブ 21 環状凹部 22 環状凹部 23 環状凹部 24 矩形穴 25 矩形穴 26 矩形穴 27 矩形穴 31 円形穴 32 円形穴 33 円形穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中立位置の左右で摺動可能なスプールと、 供給ポートと、 この供給ポートの左右両側に設けられた一対の負荷ポー
    トと、 これらの負荷ポートの両外側に設けられた一対の戻りポ
    ートと、 前記スプールを左右いずれか一方向に付勢するバネ手段
    と、 通電により前記スプールを左右いずれか他方向に付勢す
    る比例ソレノイドとを備え、 前記スプールが中立位置にあるときに前記スプールに形
    成された一対のランド部が前記一対の負荷ポートをブロ
    ックするとともに、前記スプールが中立位置の左右に摺
    動すると前記供給ポートと前記負荷ポートの一方および
    前記負荷ポートの他方と前記戻りポートとを連通するス
    プール弁において、 前記スプールの一対のランド部の中間につば状のランド
    部を設けるとともに、前記一対の負荷ポートの流体の流
    通は負荷ポートの左右の端部からスプール軸方向に所定
    の長さで広がる少なくとも一対の開口を介してなされる
    ようにしたことを特徴とするスプール弁。
  2. 【請求項2】前記開口のスプール軸方向に沿った長さを
    スプールの定格ストロークとほぼ等しくしたことを特徴
    とする請求項1に記載のスプール弁。
  3. 【請求項3】バルブボディとスプールとの間に介装され
    たスリーブを備えるとともに、前記開口をこのスリーブ
    の周方向に沿って形成された複数の穴としたことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のスプール弁。
  4. 【請求項4】前記スプールのランド部の両外側に一対の
    バケット部を備え、このバケット部の形状を、負荷ポー
    トから戻りポートに流れる流体からの流体力がスプール
    の摺動初期には負荷ポートを閉鎖する方向に働き、その
    後スプールの摺動が進むと負荷ポートを開放する方向に
    働くように調整したことを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれかひとつに記載のスプール弁。
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