JP3155291B2 - 流量調整弁 - Google Patents

流量調整弁

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JP3155291B2 JP10982391A JP10982391A JP3155291B2 JP 3155291 B2 JP3155291 B2 JP 3155291B2 JP 10982391 A JP10982391 A JP 10982391A JP 10982391 A JP10982391 A JP 10982391A JP 3155291 B2 JP3155291 B2 JP 3155291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、フォークリフ
ト用リフトシリンダに、最大下降速度制御のために使用
される流量調整弁に係り、特に、高圧時における騒音を
低減させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、フォークリフト用リフトシリン
ダの構成は、概略、図19に示すような構成になってい
る。油圧ポンプ1とタンク3が設けられているととも
に、リフトシリンダ5が設置されている。上記油圧ポン
プ1及びタンク3と、リフトシリンダ5との間には、切
換弁7と、流量調整弁9が介挿されている。リフトシリ
ンダ5上には積載重量物11が積載されている。
【0003】上記切換弁7の切換レバー13を上昇側に
切換えた場合には、油圧ポンプ1からの圧油が、流量調
整弁9を介してフリーフローの状態で、リフトシリンダ
5に供給される。これに対して、上記切換レバー13を
下降側に切換えた場合には、リフトシリンダ5の圧油
は、流量調整弁9を介して、制御流れの状態でタンク3
に戻っていく。つまり、リフトシリンダ5が急激に下降
することによる不具合を防止しているものである。
【0004】ところで、上記流量調整弁9は、図20に
示すような構成になっている。まず、ケース15があ
り、このケース15には別のケース17がねじ込みによ
って固定されている。上記ケース15には、作動流体流
入流出口16が形成されており、又、ケース17には別
の作動流体流入流出口18が形成されている。上記ケー
ス15、17内には、ボディ19が収容されている。ボ
ディ19は軸方向略中間位置に鍔部21を備えていて、
この鍔部21が、上記ケース15、17の間に挟まれた
状態にあり、それによって、その位置を固定されてい
る。
【0005】上記ボディ19の上記鍔部21の図中左側
には、メータリングオリフィス23が形成されている。
又、鍔部21の図中右側には別のオリフィス25が形成
されている。ボディ19内には、スプール27が図中左
右方向に移動可能に収容されている。このスプール27
は、コイルスプリング29によって、常時図中右側に付
勢されている。スプール27にはオリフィス31が形成
されていて、このオリフィス31と既に述べたオリフィ
ス25とによって、制御オリフィス33を構成してい
る。上記スプール27の図中右側には、ダンパ35が装
着されている。このダンパ35には穴39が形成されて
いて、この穴39の図中左側のダンパ室41内には、チ
ェック弁43が設けられている。又、図中符号37、4
5はOリングである。
【0006】そして、図中左側から圧油が流通してくる
場合には、ケース15内を通るとともに、メータリング
オリフィス23を介して、ボディ19内に流入する。そ
こから、制御オリフィス33を介してケース17内に流
入しさらに流出していく。その際、スプール27はコイ
ルスプリング29によって図中右側に付勢されているの
で、メータリングオリフィス23は最大に開放された状
態にある。つまり、既に述べたように、フリーフローの
状態にある。
【0007】これに対して、図中右側から圧油が流通す
る場合には、チェック弁43が開くので、穴39を介し
てスプール27にその圧力が作用して、スプール27を
コイルスプリング29のスプリング力に抗して図中左側
に移動させる。それによって、図21に示すように、メ
ータリングオリフィス23が絞られることになるので、
メータリングオリフィス23を介して流通する圧油の流
量が制御される。これが、既に述べた制御流れの状態で
ある。尚、その際の入口圧力と出口圧力との関係を図2
2に示す。この図22からわかるように、メータリング
オリフィス23を境にして、大きな圧力差が生じてい
る。これは、積載重量物11の重量が重い程顕著であ
る。尚、この場合には、チェック弁43が閉じてダンパ
室41によるダンパ効果が発揮されるので、スプール2
7の作動が安定したものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と次のような問題があった。すなわち、リフトシリンダ
5を下降させる場合に、流量調整弁9から大きな騒音が
発生するという問題があった。これは、既に述べたよう
にメータリングオリフィス23の前後で大きな圧力差が
発生し、それに起因してある種のキャビテーション現象
が生じるからであり、これは、積載重量物11の重量が
重くなる程顕著である。
【0009】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、制御流れ状態における
騒音の発生を効果的に規制することを可能とする流量調
整弁を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本願発明による流量調整弁は、作動流体流入・流出口を
両端に備えたケースと、上記ケース内に収容されメータ
リングオリフィス及び別のオリフィスを備えたボディ
と、上記ボディ内に移動可能に収容され上記オリフィス
と供に制御オリフィスを構成するオリフィスを備え一方
の作動流体流入・流出口から他方の作動流体流入・流出
口に向かって作動流体が流通する場合にはコイルスプリ
ングによって他方の作動流体流入・流出口側に付勢され
ていて上記メータリングオリフィスを開放状態とし他方
の作動流体流入・流出口から一方の作動流体流入・流出
口に向かって作動流体が流通する場合にはコイルスプリ
ングのスプリング力に抗して一方の作動流体流入・流出
口方向に移動して上記メータリングオリフィスを適宜絞
るスプールと、上記ボディに取付けられ上記メータリン
グオリフィスを上記一方の作動流体流入・流出口側から
一部分だけ覆うように配置されたカバーと、を具備した
ことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】他方の作動流体流入・流出口から一方の作動流
体流入・流出口に向かって作動流体が流通する場合に
は、スプールがコイルスプリングのスプリング力に抗し
て一方の作動流体流入・流出口方向に移動する。それに
よって、メータリングオリフィスの一部がスプールによ
って閉塞されて、制御流れの状態となる。つまり、作動
流体は、メータリングオリフィスの開放された部分のみ
を介してその流量を制御された状態で流通する。
【0012】その際、メータリングオリフィスは、一方
の作動流体流入・流出口側の一部が開放されており、そ
開放された部分の一部分がカバーによって覆われてい
る。つまり、作動流体は、メータリングオリフィスから
直接ケース内に流出するのではなく、カバーによって緩
衝された後流出する。それによって、高圧の作動流体が
急激に低圧側に開放されることを防止して、キャビテー
ション現象ひいては騒音の発生を抑制するものである。
【0013】
【実施例】以下、図1ないし図8を参照して本発明の第
1実施例を説明する。尚、従来と同一部分には同一符号
を付して示しその説明は省略する。まず、この実施例の
場合には、メータリングオリフィスを、大径オリフィス
101と小径オリフィス103とから構成している。す
なわち、図2に示すように、ボディ19の鍔部21側
に、複数個の大径オリフィス101が、周方向に所定の
ピッチで形成されている。又、大径オリフィス101の
反鍔部21側には、複数個の小径オリフィス103が、
大径オリフィス101とは異なる周方向位置であって、
周方向に所定ピッチで形成されている。
【0014】一方、ボディ19の外周部には、カバー1
05が取付けられている。カバー105は、図3に示す
ような形状になっていて、既に述べた小径オリフィス1
03を覆うような状態で、隙間を存して配置されてい
る。このカバー105によって、小径オリフィス103
より流出してくる作動流体を緩衝して騒音を低減させる
ものである。なお、上記小径オリフィス103が、この
発明においてカバーによって覆われたメータリングオリ
フィスの一部分に相当するものである。
【0015】以上の構成を基にその作用を説明する。フ
リーフローの状態の作用は従来と同じであるのでその説
明は省略する。制御流れの状態であるが、比較的一次側
の圧力が高い場合(積載重量物11の重量が比較的重い
場合)には、図4に示すように、スプール27が図中左
側に移動して、大径オリフィス101と小径オリフイス
103の一部を閉塞する。よって、作動流体は、小径オ
リフィス103の図中左側の一部を介してのみ流通す
る。
【0016】その際、小径オリフィス103より流出す
る作動流体は、急激に低圧側に開放されるのではなく、
一旦、カバー105に衝突して緩衝されてから開放され
る。よって、従来懸念されていたキャビテーション現象
の発生は効果的に規制されて、騒音が大幅に低減するこ
とになる。その時の圧力変化を図5に示す。図5に示す
ように、圧力は急激に低下することはなく、キャビテー
ション現象の発生ひいては騒音の発生が効果的に抑制さ
れていることが理解できる。
【0017】これに対して、一次側の圧力が比較的低い
場合には、図6に示すように、小径オリフィス103は
もとより、大径オリフィス101の一部も開放された状
態にある。よって、この場合には、作動流体が急激に低
圧側に開放されることになる。しかしながら、この場合
には、一次側の圧力が元々低いので、キャビテーション
現象は発生するけれど騒音には到らず、それほどの問題
とはならない。尚、シリンダ内の圧力変化を図7に示し
た。
【0018】以上本実施例によると次のような効果を奏
することができる。まず、制御流れの状態における騒音
の発生を効果的に規制することができる。これを図8に
示す。従来の場合には、圧力の上昇に伴って、図中破線
で示すように大きな騒音が発生していたが、本実施例の
場合には、図中実線で示すように、騒音が大幅に低減さ
れている。これは、カバー105によって、流出してく
る作動流体の急激な低圧側への開放を防止しているから
である。因に、流量が55l /min、圧力が150k
g/cm2で、略10dB程度低減させることができ
る。
【0019】又、構成としても、単にカバー105を取
付けるという極めて簡単な構成であるので、製作も簡単
であるとともに、コストも低いものである。
【0020】次に、図9ないし図11を参照して第2実
施例を説明する。前記第1実施例では、メータリングオ
リフィスを、大径オリフィス101と小径オリフィス1
03とによって構成したが、図に示すように、これを一
個のメータリングオリフィス107としてもよい。この
場合には、各図中左側の一部分を、カバー105によっ
て覆う構成にする。そして、このカバー105によって
覆われた一部分が、この発明におけるメータリングオリ
フィスの一部分に相当する。この実施例の場合にも、前
記第1実施例の場合と同様の効果を奏することができ
る。
【0021】次に、図12ないし図17を参照して第3
実施例を説明する。この場合には、メータリングオリフ
ィス109を円形にしたものであり、その他の構成は前
記各実施例と同じである。図12に示すように、カバー
105によって、メータリングオリフィス109の図中
左側の一部分を覆っている。 この第3実施例によれば、
制御流れの状態では、図15に示すような状態となり、
カバー105によって、キャビテーション現象の発生ひ
いては騒音の発生が効果的に規制される。その際の圧力
変化は図16に示すようなものであり、又、騒音は図1
7に示すように効果的に規制される。因に、流量が55
l/min、圧力が150kg/cmで、略5dB程
度低減させることができる。
【0022】次に図18を参照して第4実施例を説明す
る。これば、カートリッジ式の流量調整弁に本発明を適
用したものである。この場合にも、図示するように、カ
バー105によって、メータリングオリフィス109の
図中左側の一部分を覆っている。図中符号111はバッ
クアップリングであり、113、115はOリングであ
る。このような構成の流量調整弁を図示していないケー
ス内に挿入・固定するものである。よって、前記各実施
例の場合と同様の効果を奏することができる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による流量調
整弁によると、カバーによって、ボディに取付けられメ
ータリングオリフィスを一方の作動流体流入・流出口側
から適当量だけ覆うようにしたので、メータリングオリ
フィスより流出する作動流体が急激に低圧側に開放され
ることを防止して、キャビテーション現象ひいては騒音
の発生を効果的に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す流量調整弁の半裁断
面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す図でボディの側面図
である。
【図3】本発明の第1実施例を示す図でカバーの断面図
である。
【図4】本発明の第1実施例を示す図で作用を示す断面
図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す図で圧力変化を示す
図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す図で作用を示す断面
図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す図で圧力変化を示す
図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す図で効果を示す図で
ある。
【図9】本発明の第2実施例を示す図でメータリングオ
リフィスを示す図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す図でメータリング
オリフィスを示す図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す図でメータリング
オリフィスを示す図である。
【図12】本発明の第3実施例を示す図で流量調整弁の
半裁断面図である。
【図13】本発明の第3実施例を示す図でボディの側面
図である。
【図14】本発明の第3実施例を示す図でカバーの断面
図である。
【図15】本発明の第3実施例を示す図で作用を示す断
面図である。
【図16】本発明の第3実施例を示す図で圧力変化を示
す図である。
【図17】本発明の第3実施例を示す図で効果を示す図
である。
【図18】本発明の第4実施例を示す図で流量調整弁の
半裁断面図である。
【図19】従来例を示す図でフォークリフト用リフトシ
リンダの概略構成を示す図である。
【図20】従来例を示す図で流量調整弁の半裁断面図で
ある。
【図21】従来例をを示す図で作用を示す断面図であ
る。
【図22】従来例を示す図で圧力変化を示す図である。
【符号の説明】
15 ケース 16 作動流体流入・流出口 17 ケース 18 作動流体流入・流出口 19 ボディ 33 制御オリフィス 27 スプール 101 大径オリフィス 103 小径オリフィス 105 カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−14672(JP,A) 特開 昭53−130527(JP,A) 実開 昭64−50299(JP,U) 実開 昭60−18371(JP,U) 実開 昭57−130063(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 47/00 - 47/16 F16K 17/00 - 17/168

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体流入・流出口を両端に備えたケ
    ースと、上記ケース内に収容されメータリングオリフィ
    ス及び別のオリフィスを備えたボディと、上記ボディ内
    に移動可能に収容され上記オリフィスと供に制御オリフ
    ィスを構成するオリフィスを備え一方の作動流体流入・
    流出口から他方の作動流体流入・流出口に向かって作動
    流体が流通する場合にはコイルスプリングによって他方
    の作動流体流入・流出口側に付勢されていて上記メータ
    リングオリフィスを開放状態とし他方の作動流体流入・
    流出口から一方の作動流体流入・流出口に向かって作動
    流体が流通する場合にはコイルスプリングのスプリング
    力に抗して一方の作動流体流入・流出口方向に移動して
    上記メータリングオリフィスを適宜絞るスプールと、上
    記ボディに取付けられ上記メータリングオリフィスを上
    記一方の作動流体流入・流出口側から一部分だけ覆うよ
    うに配置されたカバーと、を具備したことを特徴とする
    流量調整弁。
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