JP2009024748A - スプール弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スプールには、流体力Fによる閉弁力が発生する。この流体力Fに抗する反力F’をスプール弁の内部に供給される油圧を用いて発生させ、流体力Fによる閉弁力を抑えることのできるスプール弁を提供する。
【解決手段】 第1、第2大径ランド21、22の中間位置に中間ランド27を設けて、分配室を第1、第2副室α、βに分ける。そして、第1、第2副室α、βを絞り機能を果たす連通手段28(環状隙間)によって連通する。この結果、第1副室αの圧力P1が高まり、第2副室βの圧力P2が相対的に下がる。これにより、第1大径ランド21の軸方向面積をA1、第2大径ランド22の軸方向面積をA2、中間ランド27の軸方向面積をA3とした場合、スプール4には、流体力Fとは逆向きの
反力F’=P1×(A1−A3)−P2×(A2−A3)
を発生させることができ、流体力Fを弱めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バルブボディの内部をスプールが軸方向へ移動して流体流路の開閉、切替、調圧、調量等を行うスプール弁に関し、特に流体(例えば、オイルなど)の調圧、調量に用いて好適な技術に関する。
(従来の技術)
オイルの調圧、調量に用いられるスプール弁の背景技術の一例として、車両用の自動変速機の油圧制御装置に搭載されるスプール弁が知られている。
自動変速機に搭載される油圧制御装置には、油圧制御を行うスプール弁が搭載されている。このスプール弁は、バルブボディに形成された中空円筒状の摺動穴の内部にスプールを配置したものである。なお、スプールは、電磁アクチュエータやパイロットバルブの発生する油圧により軸方向へ駆動されるものであり、スプールの軸方向位置に応じて出力油圧がコントロールされる(例えば、特許文献1、2参照)。
従来技術におけるスプール弁の具体例を図1(a)を参照して説明する。なお、後述する実施例と同一機能物には共通符号を付して説明する。
スプール弁1は、軸方向へ伸びる摺動穴6、この摺動穴6の中心軸に対して垂直方向に形成された入力ポート11、出力ポート12、排出ポート13を備えたバルブボディ3と、摺動穴6によって摺動自在に支持される第1、第2大径ランド21、22を少なくても有し、この第1、第2大径ランド21、22の間に小径部23が設けられたスプール4とを備える。
このスプール弁1は、入力ポート11にオイルが供給されて使用されるものであり、スプール4の軸方向位置に応じて第1大径ランド21が入力ポート11を閉塞可能に設けられ、第1大径ランド21が入力ポート11を開いた状態において、入力ポート11に供給されたオイルが、第1大径ランド21と第2大径ランド22の間の分配室を通って出力ポート12へ導かれる。
(従来技術の問題点)
入力ポート11から分配室へ流入するオイルは、入力ポート11と第1大径ランド21とによる絞りを成す通路形状、分配室の容積の拡大、オイルの流れ方向等により、入射角θが生じる。このオイルの入射角θによるオイルの流れにより、スプール4には流体力Fが作用することが知られている。この流体力Fは、次式で求められる。
F=ρ・Q・V・cosθ
なお、上記式中、
ρ:密度
Q:流量
V:流速
θ:入力ポート11から分配室へ流入するオイルの入射角
である。
上記流体力Fは、第1大径ランド21が入力ポート11を閉じる側(図中、L1を小さくする側)に作用する。
このため、入力ポート11が開かれた状態では、スプール4に入力ポート11の開度が小さくなる側へ移動する力(流体力F)が作用し、その結果、出力油圧の低下を招く不具合が生じる。
なお、上記では、自動変速機に用いられるスプール弁1を例に従来技術の問題点を説明したが、使用される流体の種類(気体、液体、気液混合ガス等)に関わらず、また圧力制御、流量制御に関わらず、上記と同様の不具合が生じてしまう。
特開2002−181222号公報 特開2006−307977号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力ポートの開度が小さくなる側に作用する流体力Fに抗する反力F’を、流体を用いて発生させることのできるスプール弁の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用するスプール弁は、スプールの小径部に、第1大径ランドと第2大径ランドの間の空間を軸方向へ区画する中間ランドを備えている。この中間ランドは、第1大径ランドとの間に第1副室を形成し、第2大径ランドとの間に第2副室を形成する。そして、第1副室と第2副室は、流体流路の絞りとしての機能を果たす連通手段によって連通している。
これによって、第1大径ランドと第2大径ランドの間の空間のうち、第1大径ランド側の圧力(第1副室の圧力P1)を高め、第2大径ランド側の圧力(第2副室の圧力P2)を下げることができる(P1>P2)。
スプールには、圧力P1による軸力F1と、圧力P2による軸力F2とが発生する。
ここで、第1大径ランドの軸方向面積をA1、第2大径ランドの軸方向面積をA2、中間ランドの軸方向面積をA3とした場合、
軸力F1、軸力F2は、次式で求められる。
F1=P1×(A1−A3)
F2=P2×(A2−A3)
そして、スプールには、軸力F1と軸力F2との差による反力F’が発生する。
反力F’は、次式で求められる。
F’=F1−F2
=P1×(A1−A3)−P2×(A2−A3)
この反力F’は、入力ポートの開度を小さくする流体力Fとは逆方向の力(入力ポートの開度を大きくする力)である。
このように、請求項1を採用することにより、入力ポートから第1大径ランドと第2大径ランドの間の空間に供給される流体を用いて反力F’を生じさせることができ、入力ポートの開度を小さくさせる流体力Fを相殺、あるいは弱めることができる。この結果、流体力Fにより入力ポートの開度が小さくなる不具合を抑えることができ、スプール弁による流体のコントロール性能(例えば、出力圧制御性能、出力流量制御性能など)を高めることができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用するスプール弁の中間ランドは、入力ポートから第1副室へ流入する流体の最大入射角の直線上から外れた位置に設けられる。
これにより、入力ポートから第1副室へ流入する流体が直接的に中間ランドに当たる不具合を回避でき、流体が直接的に中間ランドに当たることにより生じる力(入力ポートの開度を小さくする力)の発生を回避することができる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用するスプール弁における中間ランドは、第1大径ランドおよび第2大径ランドより小径で、且つ小径部より大径のフランジであり、連通手段は、フランジの外周と摺動穴の内周との間に形成される環状隙間である。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用するスプール弁は、三方切替弁構造を有し、バルブボディは、入力ポートおよび出力ポートの他に、低圧側に通じる排出ポートを備え、第2大径ランドは、第1大径ランドが入力ポートを開いた状態で、排出ポートを閉塞可能に設けられているものである。
最良の形態で示すスプール弁は、三方切替弁構造を有した油圧制御弁であり、軸方向へ伸びる摺動穴、この摺動穴の中心軸に対して垂直方向に形成された入力ポート、出力ポート、排出ポートを備えたバルブボディと、摺動穴によって摺動自在に支持される第1、第2大径ランドを少なくても有し、この第1、第2大径ランドの間に小径部が設けられたスプールとを備える。
このスプール弁は、入力ポートにオイル(流体の一例)が供給されて使用されるものであり、スプールの軸方向位置に応じて第1大径ランドが入力ポートを閉塞可能に設けられ、第1大径ランドが入力ポートを開いた状態において、入力ポートに供給されたオイルが、第1大径ランドと第2大径ランドの間の分配室(空間の一例)を通って出力ポートへ導かれる。
小径部は、第1大径ランドと第2大径ランドの間の分配室を軸方向へ区画して、第1大径ランドとの間に第1副室を形成し、第2大径ランドとの間に第2副室を形成する中間ランドを備える。この中間ランドは、例えば、第1大径ランドおよび第2大径ランドより小径で、且つ小径部より大径のフランジであり、フランジの外周と摺動穴の内周との間に形成される環状隙間(連通手段の一例)が、流体流路の絞りとしての機能を果たすとともに、第1副室と第2副室とを連通する。
本発明を自動変速機の油圧制御装置に搭載されるスプール弁に適用した実施例1を、図1、図2を参照して説明する。
先ず、油圧制御装置の要部を説明する。
自動変速機は、車両走行用の出力を発生するエンジンの出力回転比の変更、回転方向の変更、トルクコンバータのロックアップ、車種に応じて2輪と4輪の切換等を行うものであり、これらを行うために複数の摩擦係合装置(油圧クラッチ、油圧ブレーキ等)を搭載するとともに、各摩擦係合装置の係脱を車両走行状態(乗員の運転状況を含む)に応じてコントロールする油圧制御装置を搭載する。なお、各摩擦係合装置は、摩擦係合部(多板等)と、この摩擦係合部の係脱を行う油圧アクチュエータとから構成される。
油圧制御装置は、油圧回路と、この油圧回路を制御する図示しない電子制御装置(以下、AT−ECU)とから構成される。
油圧回路は、各油圧アクチュエータの供給油圧を制御するためにスプール弁1を搭載する。
スプール弁1は、電磁アクチュエータ2、あるいはパイロットバルブの発生する油圧により駆動されるものであり、以下では具体的な一例としてスプール弁1が電磁アクチュエータ2により駆動される電磁油圧制御弁を説明する。
(電磁油圧制御弁の説明)
電磁油圧制御弁の具体的な一例を、図2を参照して説明する。なお、以下では、電磁油圧制御弁の具体的な一例として、電磁アクチュエータ2の通電停止時に出力油圧が低下(もしくは停止)するN/L(ノーマリ・ロー、ノーマリ・クローズ)タイプを用いて説明する。
電磁油圧制御弁は、スプール弁1と、電磁アクチュエータ2とから構成される。
スプール弁1は、油圧回路を成すバルブボディ3(油圧サーキットを成す油路が形成されたサーキットハウジング)と、油圧ポートの切換を行うスプール4と、スプール4を閉弁方向(図2右側)へ付勢するリターンスプリング5とを備える。
なお、この実施例では、バルブボディ3の一例として、油圧回路を成すサーキットハウジングを例に示すが、サーキットハウジングに挿入配置される円筒状のスリーブであっても良い。
(バルブボディ3の説明)
バルブボディ3の内部には、スプール4を軸方向へ摺動自在に支持する中空円筒状の摺動穴6が形成されている。
バルブボディ3には、摺動穴6の他に、入力ポート11、出力ポート12、排出ポート13、F/B(フィードバック)ポート14、前方呼吸ポート15、後方呼吸ポート16が形成されている。これら入力ポート11、出力ポート12、排出ポート13、F/Bポート14、前方呼吸ポート15、後方呼吸ポート16は、バルブボディ3の径方向(摺動穴6の中心軸に対して垂直方向)より摺動穴6内に向けて形成された径方向に伸びる油路であり、図2の左側から右側へ向けて、前方呼吸ポート15、F/Bポート14、入力ポート11、出力ポート12、排出ポート13、後方呼吸ポート16の順序で形成されている。
入力ポート11の外側は、自動変速機内のオイルポンプの吐出口と油路、切替弁等を介して連通する。
出力ポート12の外側は、自動変速機内の摩擦係合装置(具体的には、油圧アクチュエータの油圧サーボ室)と油路を介して連通する。
排出ポート13の外側は、自動変速機の内部空間(オイルパン内など)に油路を介して連通する。
F/Bポート14の内側は、後述するF/B室25と連通する。F/Bポート14の外側は、バルブボディ3内に形成されたオリフィス(図示しない)を介して出力ポート12と連通する。これにより、出力油圧をF/B室25に発生させることができる。なお、バルブボディ3にF/Bポート14を形成するのを止め、代わりにスプール4に「後述する分配室とF/B室25とをオリフィスを介して連通する連通ポート」を形成しても良い。 前方呼吸ポート15の内側は、リターンスプリング5が配置されたバネ室(容積変動室)17と連通する。この前方呼吸ポート15の外側は、バルブボディ3内に形成された油路(図示しない)を介して排出ポート13と連通し、バネ室17の容積変動を可能にしている。
後方呼吸ポート16の内側は、スプール4と電磁アクチュエータ2の間のドレン空間(容積変動室)18と連通する。この後方呼吸ポート16の外側は、前方呼吸ポート15の外側と同様、バルブボディ3内に形成された油路(図示しない)を介して排出ポート13と連通し、ドレン空間18の容積変動(電磁アクチュエータ2内の呼吸を含む)を可能にしている。
(スプール4の説明)
スプール4は、摺動穴6の内部において軸方向へ摺動自在に配置されるものであり、入力ポート11を閉塞(シール)可能な第1大径ランド21、排出ポート13を閉塞(シール)可能な第2大径ランド22を有する。そして、第1大径ランド21と第2大径ランド22の間の小径部(軸部)23の周囲の空間(第1大径ランド21と第2大径ランド22の間の空間)により、出力ポート12と常時連通する分配室が形成される。
また、スプール4は、第1大径ランド21の図2左側に、第1大径ランド21より小径のF/Bランド24を備え、第1大径ランド21とF/Bランド24の間の軸周囲の空間によりF/B室25が形成される。
F/B室25は、上述したように、図示しないオリフィスを介して出力ポート12に連通しており、出力圧に応じたF/B油圧をスプール4に発生させる。
出力圧が上昇すると、出力圧の上昇に伴ってF/B室25に印加されるF/B油圧が大きくなり、第1大径ランド21とF/Bランド24のランド差による差圧が大きくなるに従って、スプール4に「F/B閉弁力(閉弁方向の力)」が発生する。これによって、出力圧の発生時においてスプール4の変位が安定し、入力圧の変動により出力圧が変動するのを防ぐことができる。
(リターンスプリング5の説明)
リターンスプリング5は、スプール4に閉弁方向(入力ポート11を閉塞させる方向)の力(バネ閉弁力)を与える筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、摺動穴6の図2左側のバネ室17内に圧縮された状態で配置される。このリターンスプリング5は、一端が摺動穴6の図2左端を閉塞する調整ネジ26の下面に当接し、他端がスプール4の端部に当接するものであり、調整ネジ26の螺合量(ねじ込み量)により「バネ閉弁力」が調整できるようになっている。
(電磁アクチュエータ2の説明)
電磁アクチュエータ2は、通電による磁力の発生によって、スプール4を開弁方向(入力ポート11が開く方向)へ駆動する力(駆動開弁力)を発生する周知のリニアソレノイドであり、この「駆動開弁力」はAT−ECUから与えられる駆動電流が増加するに従い大きくなる。
AT−ECUは、デューティ制御によって電磁アクチュエータ2へ与える駆動電流を制御するものであり、電磁アクチュエータ2へ与える駆動電流を制御することによって、リターンスプリング5の「バネ閉弁力」およびF/B室25による「F/B閉弁力」に抗する「駆動開弁力」をスプール4に与え、スプール4の軸方向の位置を変位させることで、出力ポート12の出力油圧をコントロールする。
(電磁油圧制御弁の作動)
摩擦係合装置の係合時は、AT−ECUから電磁アクチュエータ2に与えられる駆動電流がデューティ制御により増加し、スプール4を開弁方向へ変位させる。スプール4の開弁方向のストローク量が増加するに伴い、第1大径ランド21が入力ポート11を閉塞する軸方向の入力シール長が短くなるとともに、第2大径ランド22が排出ポート13を閉塞する軸方向の排出シール長が長くなり、出力ポート12の出力油圧が上昇して摩擦係合装置(具体的には摩擦係合部)の係合がなされる。
AT−ECUは、摩擦係合装置の係合が完了したタイミングで、電磁アクチュエータ2に与える駆動電流を急増して、スプール4の移動速度を速めることで、出力ポート12の出力油圧を高め、係合が完了した摩擦係合装置の係合を強固にする。
摩擦係合装置の係合解除時は、上記と逆の作動により、摩擦係合装置の係合の解除を行う。
〔実施例1の特徴〕
AT−ECUから電磁アクチュエータ2に駆動電流が与えられて、第1大径ランド21が入力ポート11を開くと、図1(a)に示すように、入力ポート11から分配室へオイルが流入する。入力ポート11から分配室へ流入するオイルは、入力ポート11と第1大径ランド21とによる絞り通路形状、分配室の容積の拡大、オイルの流れ方向等により、入射角θが生じる。このオイルの入射角θによるオイルの流れによって、スプール4には流体力Fが作用する(F=ρ・Q・V・cosθ:「背景技術」参照)。
この流体力Fは、第1大径ランド21が入力ポート11を閉じる側(図中、L1を小さくする側)に作用する。このため、入力ポート11が開かれた状態では、スプール4に入力ポート11の開度が小さくなる側へ移動する力(流体力F)が作用することになり、出力油圧の低下を招く不具合が生じる。
そこで、この実施例1のスプール弁1は、上記の不具合を回避するために、次に示す技術的手段を採用している。
第1大径ランド21と第2大径ランド22を結合する小径部23には、図1(b)に示すように、第1大径ランド21と第2大径ランド22の間の分配室を軸方向へ区画して、第1大径ランド21との間に第1副室αを形成し、第2大径ランド22との間に第2副室βを形成する中間ランド27が設けられている。
また、第1副室αと第2副室βとは、流体流路の絞りとしての機能を果たす連通手段28によって連通して設けられている。これにより、入力ポート11から第1副室αへ供給されたオイルが、連通手段28を介して第2副室βへ導かれるとともに、入力ポート11から第1副室αへオイルが供給された際に、第1副室αの圧力P1が、第2副室βの圧力P2より高まる。
上記を具体的に説明する。
この実施例における中間ランド27は、第1大径ランド21および第2大径ランド22より小径で、且つ小径部23より大径の円盤形状のフランジであり、切削加工等によりスプール4と一体に設けられている。
流体流路の絞りとしての機能を果たす連通手段28は、中間ランド27の外周と摺動穴6の内周との間に形成される環状隙間である。
なお、この実施例では、中間ランド27の外周と摺動穴6の内周との間の環状隙間を連通手段28として用いるが、中間ランド27の外形寸法を第1、第2大径ランド21、22と同一径に設け、中間ランド27に軸方向に貫通するスリットや穴を設けて、スリットや穴を絞り機能を果たす連通手段28として用いても良い。また、スリットや穴を斜めに形成することで、オイルが通過する際にスプール4に回転力が与えられることを利用して、スプール4の摺動性を向上させても良い。
ここで、連通手段28は、第1副室αと第2副室βの圧力差(P1−P2)を大きくする「絞り機能」と、入力ポート11から第1副室αへ流入したオイルを第2副室β、出力ポート12へ導く「流路機能」とを果たすものであり、「絞り機能」と「流路機能」とは相反するものである。具体的に、第1、第2大径ランド21、22の外径寸法と中間ランド27の外径寸法との径差L3を小さくすると、第1副室αと第2副室βの圧力差(P1−P2)を大きくできるが、小さい径差L3によってオイルの流れが抑制されて、出力ポート12へ供給されるオイルの流速が遅くなってしまう。逆に、径差L3を大きくすると、出力ポート12へ供給されるオイルの流速を速めることはできるが、大きな径差L3によって第1副室αと第2副室βの圧力差(P1−P2)が小さくなってしまう。
そこで、連通手段28は、「絞り機能」と「流路機能」の両立を図るべく、出力ポート12へ供給されるオイルの流速が実用上問題が生じない範囲で、極力径差L3を小さくするように設けている。
具体的な一例を示すと、連通手段28を成す環状隙間の面積と、出力ポート12から摩擦係合部の油圧アクチュエータに通じるオイル油路における最小流路面積とが、略同じとなるように径差L3を設定している。さらに具体的に示すと、出力ポート12から自動変速機の摩擦係合部の油圧アクチュエータへ係合油圧を供給するオイル通路の最小内径寸法が6mmの場合(φ6mm)、径差L3を1mm程に設けている(L3≒1mm)。
また、この実施例では、入力ポート11の最大開度時(使用範囲においてスプール4が最も図示左側に駆動されている状態の時)に、中間ランド27の位置が、入力ポート11から第1副室αへ流入するオイルの最大入射角の直線上から外れた位置に設けられている。
分配室に流入するオイルの入射角θは、理論上最大69°であるが、例えばこの実施例のスプール弁1におけるオイルの入射角θは、50〜63°の範囲内であった。
一方、電磁油圧制御弁の使用範囲におけるスプール4の移動範囲は、予めわかっている。
そこで、スプール4の移動範囲において、入力ポート11から入射するオイルが直接当たらない位置を求めることができ、そのオイルが直接当たらない位置に中間ランド27を設けている。
具体的に、この実施例では、第1、第2大径ランド21、22の外径寸法と小径部23の外径寸法との径差をL2、第1副室αが形成される第1大径ランド21と中間ランド27との間の軸方向距離をL4とした場合に、L2≦L4の関係を満足するように設けられている。
さらに、中間ランド27の軸方向寸法L5は、オイルの流れの抵抗として作用するため、薄く設けることが望ましい。そこで、中間ランド27の軸方向寸法L5は、中間ランド27に加わる力(応力等)、使用される材料強度等を考慮して、製造可能な範囲で薄く設けられるものである。
(実施例1の効果)
自動変速機の油圧制御に用いられるスプール弁1は、上述したように、スプール4の小径部23に中間ランド27を設けて、第1大径ランド21と第2大径ランド22の間の分配室を軸方向に区画し、第1大径ランド21との間に第1副室αを形成し、第2大径ランド22との間に第2副室βを形成している。そして、第1副室αと第2副室βは、流体流路の絞りとしての機能を果たす連通手段28(環状隙間)によって連通している。
このように設けられることにより、入力ポート11が開かれて、入力ポート11から第1副室αへオイルが供給されることと、連通手段28による絞り効果とにより、第1副室αの圧力P1を高め、第2副室βの圧力P2を相対的に下げることができる(P1>P2)。
これによって、スプール4には、圧力P1による軸力F1と、圧力P2による軸力F2とが発生する。
ここで、第1大径ランド21の軸方向面積(軸方向へ油圧が加わる面積)をA1、第2大径ランド22の軸方向面積をA2、中間ランド27の軸方向面積をA3とした場合、
軸力F1、軸力F2は、次式で求められる。
F1=P1×(A1−A3)
F2=P2×(A2−A3)
そして、スプール4には、軸力F1と軸力F2との差による反力F’が発生する。
反力F’は、次式で求められる。
F’=F1−F2
=P1×(A1−A3)−P2×(A2−A3)
この反力F’は、入力ポート11の開度を小さくする流体力Fとは逆方向の力(入力ポート11の開度を大きくする力)である。
このように、第1、第2大径ランド21、22の中間部位に中間ランド27を設けることにより、第1副室αと第2副室βに生じる油圧差(P1−P2)を利用して反力F’を生じさせることができ、入力ポート11の開度を小さくする流体力Fを反力F’で打ち消して弱めることができる。この結果、流体力Fにより入力ポート11の開度が小さくなる不具合を抑えることができ、スプール弁1による油圧のコントロール性能を高めることができる。即ち、自動変速機における油圧制御の精度を高めることができる。
また、この実施例における中間ランド27は、入力ポート11の最大開度時(スプール4が最も図示左側に駆動されている状態)であっても、入力ポート11から第1副室αへ流入するオイルの最大入射角の直線上から外れた位置に設けられる。
これにより、スプール4の全使用範囲内において入力ポート11から第1副室αへ流入するオイルが直接的に中間ランド27に当たる不具合を回避でき、オイルが直接的に中間ランド27に当たることにより生じる力(入力ポート11の開度を小さくする方向へ移動させる力)の発生を回避することができる。
即ち、オイルが直接的に中間ランド27に当たることによる油圧のコントロール性能の劣化を回避することができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、N/Lタイプの電磁油圧制御弁を示したが、電磁アクチュエータ2の通電停止時に出力油圧が高まるN/H(ノーマリ・ハイ、ノーマル・オープン)タイプの電磁油圧制御弁を用いても良い。
上記の実施例では、スプール4に駆動力を与える手段として電磁アクチュエータ2を用いる例を示したが、ピエゾアクチュエータ、モータなど他の電動アクチュエータを用いても良いし、流体圧アクチュエータを用いても良い。
上記の実施例では、スプール弁1を電磁アクチュエータ2で駆動する電磁油圧制御弁を示したが、スプール弁1をパイロット弁(電磁三方弁)の出力油圧により駆動するものであっても良い。
上記の実施例では、自動変速機に搭載されるスプール弁1に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外のスプール弁に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、三方弁構造のスプール弁1を示したが、二方弁(開閉弁)や四方弁構造など、他の構造のスプール弁であっても良い。
上記の実施例では、油圧の制御を行う電磁油圧制御弁を示したが、油量をコントロールするオイルフローコントロールバルブであっても良い。
上記の実施例では、流体の一例としてオイルが用いられる例を示したが、オイル以外の流体(気体、液体、気液混合ガス等)の圧力制御、流量制御に用いられるスプール弁に本発明を適用しても良い。
スプール弁の要部断面図である。 電磁アクチュエータが設けられたスプール弁の断面図である。
符号の説明
1 スプール弁
3 バルブボディ
4 スプール
6 摺動穴
11 入力ポート
12 出力ポート
13 排出ポート
21 第1大径ランド
22 第2大径ランド
23 小径部
27 中間ランド(フランジ)
28 連通手段(環状隙間)
α 第1副室
β 第2副室

Claims (4)

  1. 軸方向へ伸びる摺動穴、この摺動穴の中心軸に対して垂直方向に形成された入力ポートおよび出力ポートを備えたバルブボディと、
    前記摺動穴によって摺動自在に支持される第1、第2大径ランドを少なくても有し、この第1、第2大径ランドの間に小径部が設けられたスプールとを備え、
    前記入力ポートに流体が供給されて使用され、
    前記スプールの軸方向位置に応じて前記第1大径ランドが前記入力ポートを閉塞可能に設けられ、
    前記第1大径ランドが前記入力ポートを開いた状態で、前記入力ポートに供給された流体が、前記第1大径ランドと前記第2大径ランドの間の空間を通って前記出力ポートへ導かれるスプール弁において、
    前記小径部は、前記第1大径ランドと前記第2大径ランドの間の空間を軸方向へ区画して、前記第1大径ランドとの間に第1副室を形成し、前記第2大径ランドとの間に第2副室を形成する中間ランドを備え、
    前記第1副室と前記第2副室とは、流体流路の絞りとしての機能を果たす連通手段によって連通して設けられることを特徴とするスプール弁。
  2. 請求項1に記載のスプール弁において、
    前記中間ランドは、前記入力ポートから前記第1副室へ流入する流体の最大入射角の直線上から外れた位置に設けられることを特徴とするスプール弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスプール弁において、
    前記中間ランドは、前記第1大径ランドおよび前記第2大径ランドより小径で、且つ前記小径部より大径のフランジであり、
    前記連通手段は、前記フランジの外周と前記摺動穴の内周との間に形成される環状隙間であることを特徴とするスプール弁。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスプール弁において、
    このスプール弁は、三方切替弁構造を有し、
    前記バルブボディは、前記入力ポートおよび前記出力ポートの他に、低圧側に通じる排出ポートを備え、
    前記第2大径ランドは、前記第1大径ランドが前記入力ポートを開いた状態で、前記排出ポートを閉塞可能に設けられていることを特徴とするスプール弁。
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