JPH1182160A - シリンダヘッド及びその製造方法 - Google Patents

シリンダヘッド及びその製造方法

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JPH1182160A
JPH1182160A JP23947197A JP23947197A JPH1182160A JP H1182160 A JPH1182160 A JP H1182160A JP 23947197 A JP23947197 A JP 23947197A JP 23947197 A JP23947197 A JP 23947197A JP H1182160 A JPH1182160 A JP H1182160A
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Hiroyuki Ikuta
浩之 生田
Chikatoshi Maeda
千芳利 前田
Mitsuru Maeda
満 前田
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼室近傍の冷却性の向上を図ることのできる
シリンダヘッド及びその製造方法を提供する。 【解決手段】シリンダヘッド本体12のうち、吸・排気
ポート14、15で囲まれた中央部分には、上面と下面
とを貫通するプラグ孔16が形成され、そこにはプラグ
チューブ17が設けられる。このプラグチューブ17
は、シリンダヘッド本体12の鋳造時において中子とと
もに鋳ぐるむようにして固定され、結果的にその外周部
がウォータジャケット18に臨んでいる。プラグチュー
ブ17はチューブ本体21と螺旋状のフィン22とから
構成される。フィン22の存在により、プラグチューブ
17の表面積が大きくなり冷却水の接触面積が増大す
る。また、冷却水がプラグチューブ17の外周部に当た
った場合、一時的に螺旋状のフィン22に沿うようにし
て流れ、淀んでしまうことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダヘッド及
びその製造方法に係り、詳しくは、シリンダヘッド本体
の上面と下面とを貫通する点火プラグ用孔を構成するプ
ラグ孔壁を有し、該プラグ孔壁の周囲にウォータジャケ
ットを形成してなるシリンダヘッド及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリンダヘッドの点火プラグの
周囲は、燃焼室からの熱が伝達されやすく、熱的に厳し
い環境下にある。このため、燃焼室近傍の点火プラグ周
りの冷却性の向上を図る必要がある。かかる冷却性向上
を図るための技術として、シリンダヘッド本体の上面と
下面とを貫通する点火プラグ用の孔を構成するプラグ孔
壁の周囲に、ウォータジャケットを形成してなるシリン
ダヘッドが知られている。この種の技術としては、例え
ば実開平1−176732号公報や、特開平8−261
056号公報に開示されたものが挙げられる。これら公
報に開示された技術では、点火プラグ用の孔をその周囲
のウォータジャケットと連通させて形成し、このプラグ
用孔にプラグ孔壁を形成する別体のスリーブを嵌挿し、
このスリーブをシールリング或いはレーザービーム溶接
にてシリンダヘッド本体に固定するようにしている。
【0003】このように、スリーブを別体でシリンダヘ
ッド本体に固定することにより、スリーブ自体の肉厚を
薄く設定することができる。従って、スリーブの内側、
つまり、点火プラグ側が冷却されやすいものとなり、結
果的に燃焼室近傍が冷却されやすくなる。また、スリー
ブを薄肉とすることで、その分だけウォータジャケット
の容積を拡大することができ、冷却水の流量の増大を図
ることができる。このことからも冷却性の向上が図られ
る。
【0004】さらには、スリーブを剛性の高い材料によ
り形成することにより、プラグ孔壁の耐久性の向上が図
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、上述した作用効果は奏されるものの、冷却性の
点では未だ十分なものとはいえなかった。すなわち、上
記技術では、スリーブ自体の肉厚を薄くする分だけウォ
ータジャケットの容積を確保できるものの、ウォータジ
ャケットの途中において冷却水が流れにくい箇所が存在
していた。より詳しく説明すると、吸気ポートや排気ポ
ート並びに点火プラグの配置されている燃焼室近傍は、
ウォータジャケットの中でも空隙部が特に狭く、圧力損
失が大きい。そのため、冷却水の主流は、空隙面積の比
較的大きな吸気・排気ポートの上部、アッパデッキ下部
となり、最も冷却が必要な前記燃焼室近傍部分において
は冷却水が流れにくいものとなる。従って、上述したよ
うに、燃焼室近傍の冷却性が依然として十分でないとい
う問題があった。
【0006】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、燃焼室近傍の冷却性の向上を
図ることのできるシリンダヘッド及びその製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明においては、シリンダヘッド
本体の上面と下面とを貫通する点火プラグ用孔を構成す
るプラグ孔壁を有し、該プラグ孔壁の周囲にウォータジ
ャケットを形成してなるシリンダヘッドにおいて、前記
プラグ孔壁の外周部には、該外周部が前記ウォータジャ
ケットに臨む表面積を広げるための凹凸形状を設けたこ
とをその要旨としている。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載のシリンダヘッドにおいて、前記凹凸形状は、
筒状のプラグ孔壁の外周部に一体形成されたフィンによ
り構成されていることをその要旨としている。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項2に記載のシリンダヘッドにおいて、前記フィンは、
前記ウォータジャケットを流れる冷却水の主流方向を、
少なくとも前記プラグ孔壁近傍において、水平方向から
上下方向へと変更させる形状を有していることをその要
旨としている。
【0010】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1から3のいずれかに記載のシリンダヘッドにおい
て、前記プラグ孔壁は、前記シリンダヘッド本体とは別
体で設けられていることをその要旨としている。
【0011】加えて、請求項5に記載の発明において
は、シリンダヘッド本体の上面と下面とを貫通するプラ
グ孔を構成するとともに、自身の外周部にはウォータジ
ャケットに臨むフィンが形成されてなるプラグ孔壁を有
するシリンダヘッドの製造方法であって、前記フィンが
形成されてなるプラグ孔壁を作製する工程と、前記プラ
グ孔壁を一体化させた上でウォータジャケット用中子を
作製する工程と、前記プラグ孔壁の一体となった前記ウ
ォータジャケット用中子を型にセットして、シリンダヘ
ッド本体を鋳造成形するとともに、該成形に際し前記プ
ラグ孔壁の一部を前記シリンダヘッド本体に固定する工
程と、前記成形後に前記ウォータジャケット用中子を構
成していた中子砂を除去する工程とを備えたことをその
要旨としている。
【0012】(作用)上記請求項1に記載の発明によれ
ば、シリンダヘッド本体の上面と下面とを貫通する点火
プラグ用孔を構成するプラグ孔壁の外周部には、凹凸形
状が設けられている。このため、プラグ孔壁の外周部が
前記ウォータジャケットに臨む表面積が広げられること
となる。従って、ウォータジャケットを流れる冷却水が
プラグ孔壁の外周面に接触する面積が、比較的大きなも
のとなる。そのため、プラグ孔壁が冷却水によってより
冷却されやすいものとなり、プラグ孔壁の内周側、ひい
ては燃焼室近傍が冷却されやすいものとなる。
【0013】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、前記凹凸形状は、
筒状のプラグ孔壁の外周部に一体形成されたフィンによ
り構成されている。このため、冷却水がフィンに当たる
ことにより、熱が効果的に奪われることとなり、上記作
用がより確実に奏される。
【0014】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記フィンによ
り、ウォータジャケットを流れる冷却水の主流方向が、
少なくともプラグ孔壁近傍において、水平方向から上下
方向へと変更させられる。そのため、ウォータジャケッ
トのうち、空隙部が比較的小さい燃焼室の近傍部分にお
いて、冷却水が滞留して(淀んで)しまうことがない。
また、比較的高温となりやすいプラグ孔壁の近傍におい
ては、プラグ孔壁に沿うようにして冷却水が流れること
となる。従って、上記の如く流れる冷却水によって、熱
がより効率的に奪われる。
【0015】併せて、請求項4に記載の発明によれば、
請求項1から3に記載の発明の作用に加えて、前記プラ
グ孔壁は、前記シリンダヘッド本体とは別体で設けられ
ている。そのため、既述したプラグ孔壁を別体で設けた
場合の作用(例えば、プラグ孔壁の肉厚を薄く設定する
ことにより、点火プラグ側が冷却されやすいものとな
り、結果的に燃焼室近傍が冷却されやすくなる。また、
薄肉とした分だけウォータジャケットの容積が拡大さ
れ、冷却水の流量の増大が図られる。さらには、プラグ
孔壁を剛性の高い材料により形成することにより、プラ
グ孔壁の耐久性の向上が図られる。)が奏される。
【0016】加えて、請求項5に記載の発明によれば、
フィンが形成されてなるプラグ孔壁が作製され、そのプ
ラグ孔壁が一体化させられた上でウォータジャケット用
中子が作製される。そして、そのウォータジャケット用
中子が型にセットされて、シリンダヘッド本体が鋳造成
形される。この成形に際し、プラグ孔壁の一部がシリン
ダヘッド本体に固定される。さらに、その成形後にウォ
ータジャケット用中子を構成していた中子砂が除去され
る。このようにして、シリンダヘッド本体の上面と下面
とを貫通する点火プラグ用孔を構成するとともに、自身
の外周部にウォータジャケットに臨むフィンが形成され
てなるプラグ孔壁を有するシリンダヘッドが容易に製造
される。
【0017】また、このように製造されたシリンダヘッ
ドによれば、前記フィンの存在により、上述した冷却作
用が奏される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるシリンダヘ
ッド及びその製造方法を具体化した一実施の形態を、図
1から図6に従って詳細に説明する。
【0019】図1は本実施の形態におけるシリンダヘッ
ド11を示す断面図であり、図2は図1のJ−J線断面
図である。これらの図に示すように、シリンダヘッド1
1のシリンダヘッド本体12には、燃焼室13に吸気を
導入するための吸気ポート14と、燃焼室13から排気
ガスを排出するための排気ポート15とが形成されてい
る。また、シリンダヘッド本体12のうち、吸気ポート
14及び排気ポート15で囲まれた中央部分には、シリ
ンダヘッド本体12の上面と下面(燃焼室13側)とを
貫通するプラグ孔16が形成されており、該プラグ孔1
6にはプラグ孔壁を構成するプラグチューブ17が設け
られている。このプラグチューブ17の内側には、図示
しない点火プラグが配設されるようになっている。
【0020】本実施の形態では、シリンダヘッド本体1
2の長手方向に沿ってウォータジャケット18が形成さ
れており、該ウォータジャケット18内を冷却水が流れ
るようになっている(原則として図2の矢印方向)。ウ
ォータジャケット18には、プラグチューブ17の外周
部が臨んでいる。従って、基本的にはウォータジャケッ
ト18内を流れる冷却水によって、プラグチューブ17
は冷却されるようになっている。また、本実施の形態に
おいて、プラグチューブ17は、シリンダヘッド本体1
2とは別体で構成されており、その肉厚は比較的薄く形
成されているとともに、シリンダヘッド本体12よりも
剛性が高く、かつ、熱伝導率の高い金属材料により構成
されている。
【0021】次に、本実施の形態における特徴的部分に
ついて説明する。図3に示すように、プラグチューブ1
7は、ほぼ円筒状のチューブ本体21と、該チューブ本
体21の外周に一体的に形成された、螺旋状のフィン2
2とから構成されている。このフィン22の存在によ
り、プラグチューブ17の表面積は、チューブ本体21
のみからなる場合の表面積に比べて大きいものとなって
いる。また、冷却水がプラグチューブ17の外周部に当
たった場合、一時的にではあるが前記螺旋状のフィン2
2に沿うようにして流れる。つまり、ウォータジャケッ
ト18内を水平方向(プラグチューブ17に対し直交方
向)に流れる冷却水は、プラグチューブ17の外周部に
当たることにより、プラグチューブ17に沿って、一時
的に下方に流れるようになっている。
【0022】次に上記のように構成されてなるシリンダ
ヘッド11の製造方法について説明する。まず、図3に
示すように、フィン22が形成されてなるプラグチュー
ブ17を作製する。続いて、プラグチューブ17の外周
に、ウォータジャケット用中子30(図4参照)を作製
する。この中子の作製には中子砂及びバインダが用いら
れる。すなわち、プラグチューブ17が図示しない型に
セットされた上で、中子砂及びバインダが所定形状に成
形され、これが固化させられることによって、ウォータ
ジャケット用中子30が得られる。そして、この成形に
より、プラグチューブ17がウォータジャケット用中子
30に対し一体化させられるとともに、プラグチューブ
17はその上下両端部のみにおいて露出した恰好とな
る。
【0023】さらに、プラグチューブ17の一体となっ
たウォータジャケット用中子30を、図4に示すよう
に、シリンダヘッド本体12を鋳造するための金型装置
31にセットする。ここで、この金型装置31について
簡単に説明する。金型装置31は、下型本体32、上型
本体33、両者32、33間に設けられた横型34、3
5、横型34に設けられ吸気ポート14を形成するため
の吸気ポート中子36、横型35に設けられ排気ポート
15を形成するための排気ポート中子37、チャンバー
入子38、冷却ピン39等を備えている。
【0024】チャンバー入子38は、下型本体32の孔
32a内に設けられているとともに、その中央部に冷却
媒体通路38aを有している。また、冷却ピン39は、
上型本体33に固定されており、その先端がテーパ状と
なっているとともに、その中央部に冷却媒体通路39a
を有している。そして、前記プラグチューブ17の一体
となったウォータジャケット用中子30は、冷却ピン3
9及びチャンバー入子38間にセットされる。このと
き、プラグチューブ17の下端部はチャンバー入子38
に当接しており、プラグチューブ17の上端部は冷却ピ
ン39のテーパ状の部分に当接している。これにより、
プラグチューブ17の内側は、外側のキャビティ(鋳造
空間)40とは隔絶され、プラグチューブ17内部には
湯口41から供給される溶融金属が導入されないように
なっている。また、これとともに、前記冷却媒体通路3
8a、39a及びプラグチューブ17の内周面により、
一本の通路が形成され、キャビティ40とは隔絶された
状態で、冷却媒体(例えば水)が該通路内を流れるよう
になっている。
【0025】さて、シリンダヘッド本体12の鋳造に際
しては、上述のように前記プラグチューブ17の一体と
なったウォータジャケット用中子30を金型装置31に
セットした上で、湯口41より、溶融状態にある金属を
キャビティ40内へと流し込む。さらに、溶融金属がキ
ャビティ40内へ流し込まれてから所定時間(例えば1
0秒)経過後に、図5に示すように、上記冷却媒体通路
38a、39a及びプラグチューブ17の内周面により
形成された一本の通路に水を流す。これにより、金属が
より速やかに冷却固化されやすいものとなり、固化した
金属によりシリンダヘッド本体12が形成される。この
際、プラグチューブ17のうち、キャビティ40内に露
出していた上下部分がシリンダヘッド本体12を構成す
る金属により鋳ぐるまれることとなり、プラグチューブ
17はシリンダヘッド本体12に固定される。
【0026】その後、金型装置31を型開きするととも
に、プラグチューブ17の固定されたシリンダヘッド本
体12を取り出す。そして、前記ウォータジャケット用
中子30を構成していた中子砂を除去する(バインダを
焼却せしめることにより中子砂は容易に除去可能とな
る)ことにより、シリンダヘッド本体12及びプラグチ
ューブ17を備えた上記シリンダヘッド11が得られ
る。
【0027】次に、本実施の形態の作用及び効果につい
て説明する。 ・本実施の形態によれば、プラグチューブ17を、シリ
ンダヘッド本体12とは別体で構成し、その肉厚を比較
的薄く形成することとした。このため、プラグチューブ
17の内側、つまり点火プラグがより冷却されやすいも
のとなり、結果的に燃焼室3近傍が冷却されやすくな
る。また、薄肉とした分だけウォータジャケット18の
容積が拡大され、冷却水の流量の増大が図られる。従っ
て、その容積拡大分だけ冷却性の向上が図られる。さら
に、プラグチューブ17を、シリンダヘッド本体12よ
りも剛性の高い金属材料により構成したため、プラグチ
ューブ17の耐久性の向上を図ることができる。併せ
て、プラグチューブ17を、シリンダヘッド本体12よ
りも熱伝導率の高い材料により構成したため、さらなる
冷却性の向上を図ることができる。このように、プラグ
チューブ17を、シリンダヘッド本体12とは別体で構
成することにより、冷却性向上等の種々の効果が奏され
る。
【0028】・また、本実施の形態では、プラグチュー
ブ17を、チューブ本体21と螺旋状のフィン22とか
ら構成することとした。このため、プラグチューブ17
の表面積は、チューブ本体21のみからなる場合の表面
積に比べて大きいものとなる。従って、ウォータジャケ
ット18を流れる冷却水がプラグチューブ17の外周面
に接触する面積が、比較的大きなものとなる。そのた
め、プラグチューブ17が冷却水によってより冷却され
やすいものとなり、プラグチューブ17の内周側、ひい
ては燃焼室3近傍が冷却されやすいものとなる。その結
果、冷却性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0029】・さらに、プラグチューブ17の下側近傍
のウォータジャケット18内は、その空隙部が小さく、
冷却水も淀みやすい傾向にある(図1参照)。これに対
し、本実施の形態では、冷却水がプラグチューブ17の
外周部に当たった場合、図6に示すように、一時的にで
はあるが前記螺旋状のフィン22に沿うようにして流れ
る。つまり、ウォータジャケット18内を水平方向(プ
ラグチューブ17に対し直交方向)に流れる冷却水は、
プラグチューブ17の外周部に当たることにより、プラ
グチューブ17に沿って下方に流れる。従って、冷却水
が滞留して(淀んで)しまうことがなく、高温となりや
すいプラグチューブ17の近傍においては、該プラグチ
ューブ17に沿うようにして冷却水が流れることとな
る。その結果、かくの如き流れる冷却水によって、熱が
より効率的に奪われ、冷却性のさらなる向上を図ること
ができる。
【0030】・また、上記のように冷却性の向上を図る
ことができる分だけ、冷却水の流量を少なくしたとして
も支障は生じない。そのため、冷却水タンクやラジエー
タのコンパクト化を図ることができ、ひいては、エンジ
ンルームの省スペース化を図ることができる。
【0031】・併せて、本実施の形態では、フィン22
を有するプラグチューブ17をシリンダヘッド本体12
に一体化させているが、従来の如きプラグ孔に嵌挿させ
る方法を用いたのでは、フィン22の存在によりシリン
ダヘッド本体12に固定化させることができない。これ
に対し、本実施の形態では上記のような製造方法を用い
てシリンダヘッド11を製造することとした。すなわ
ち、プラグチューブ17を一体化させたウォータジャケ
ット用中子30を作製し、そのウォータジャケット用中
子30を金型装置31にセットしてシリンダヘッド本体
12を鋳造成形するようにした。従って、上述の作用効
果を奏し、フィン22を有するプラグチューブ17がシ
リンダヘッド本体12に一体化させられてなるシリンダ
ヘッド11を容易に製造することができる。
【0032】・加えて、本実施の形態では、シリンダヘ
ッド本体12の鋳造成形に際し、溶融金属がキャビティ
40内へ流し込まれてから所定時間後に、冷却媒体通路
38a、39a及びプラグチューブ17の内周面により
形成された一本の通路に水を流すこととした。そのた
め、金属がより速やかに冷却固化されやすいものとな
り、鋳造に要する時間を短縮させることができる。その
結果、作業性の向上及び製造コストの低減を図ることが
できる。また、特に、プラグチューブ17近傍を速やか
に固化させることができることから、燃焼室3近傍の鋳
造組織がより緻密なものとなり、少なくとも当該部分の
強度、耐久性の向上を図ることができる。
【0033】尚、本発明は前記実施の形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)上記実施の形態では、プラグチューブ17を、チ
ューブ本体21と螺旋状のフィン22とから構成するこ
ととしたが、外周部に凹凸を有し、かかる凹凸により、
ウォータジャケット18に臨む表面積が広げられるので
あれば、単なる筒状以外のいかなる形状を有していても
よい。例えば、図7に示すように、プラグチューブ51
を、ほぼ円筒状のチューブ本体52と、複数のリング状
のフィン53とから構成するようにしてもよい。
【0034】(2)上記実施の形態では、ウォータジャ
ケット18を流れる冷却水の主流方向を、少なくともプ
ラグチューブ17近傍において、水平方向から下方へと
変更させるべく、螺旋状のフィン22を設けるようにし
た。これに対し、他の形状を用いて冷却水の主流方向を
水平方向から下方へと変更させるようにしてもよい。例
えば、図8に示すように、プラグチューブ54を、ほぼ
円筒状のチューブ本体55と、その両側から延び、冷却
水の主流方向に対し斜め下方を向いた複数のフィン56
とから構成するようにしてもよい。
【0035】(3)また、図9に示すように、プラグチ
ューブ57を、ほぼ円筒状のチューブ本体58と、上側
に透孔59を有する上流側フィン60と、下側に透孔6
1を有する下流側フィン62とから構成するようにして
もよい。このような構成とすることにより、ウォータジ
ャケット18の上流側から流れる冷却水の一部は上流側
フィン60の透孔59を通った後、下流側フィン62の
透孔61を通ることから、冷却水の主流方向が、少なく
ともプラグチューブ57近傍において、水平方向から下
方へと変更させられることとなる。その結果、上記実施
の形態と同等の作用効果が奏される。
【0036】(4)さらに、フィンの形状としては、冷
却水の主流方向を水平方向から上方へと変えるものであ
ってもよい。また、流れ方向を変更させる機構を有して
いなくともよい。
【0037】(5)上記実施の形態では、冷却媒体通路
38a、39a及びプラグチューブ17の内周面により
形成された一本の通路に水を流すことにより、鋳造時の
冷却促進を図ることとしたが、水の代わりに他の冷却媒
体(例えば空気等)を用いてもよい。また、このような
冷却促進機構を省略することとしてもよい。
【0038】(6)上記実施の形態においては、特に言
及しなかったが、前記プラグチューブ17の形状、肉
厚、材質、或いは、フィン22の形状、数等を、各気筒
毎に可変としてもよい。このように、種々の冷却性に影
響を及ぼす諸条件を適宜変更調節することで、対応気筒
毎の冷却性をコントロールすることができる。その結
果、気筒間での冷却性のばらつきを抑制することがで
き、ひいてはトルクの安定化、燃費向上等のエンジン性
能の向上を図ることができる。
【0039】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施の形態から把握できる技術的思
想及び別途の思想について以下に記載する。 (a)請求項1から4に記載のシリンダヘッドにおい
て、前記プラグ孔壁の外周部に設けられた凹凸形状は、
冷却性をコントロールするべく気筒毎に異なっているこ
とを特徴とする。このような構成とすることにより、気
筒間での冷却性のばらつきを抑制することができ、ひい
てはエンジン性能の向上を図ることができる。
【0040】(b)請求項5に記載のシリンダヘッドの
製造方法において、前記シリンダヘッド本体を鋳造成形
する際に、プラグ孔壁の内側を冷却するための手段を設
けたことを特徴とする。このような構成とすることによ
り、鋳造に要する時間を短縮させることができ、作業性
の向上及び製造コストの低減を図ることができる。ま
た、少なくともプラグ孔壁近傍部分の組織の緻密化によ
り、強度、耐久性の向上を図ることができる。
【0041】(c)シリンダヘッド本体の上面と下面と
を貫通する点火プラグ用孔を構成するプラグ孔壁を有
し、該プラグ孔壁の周囲にウォータジャケットを形成し
てなるシリンダヘッドにおいて、前記プラグ孔壁近傍の
前記ウォータジャケットの壁面には、プラグ孔壁の冷却
を促進するための凸部を設けたことを特徴とする(但
し、この発明は、請求項に記載の発明の技術的範囲外で
ある)。
【0042】このような構成とすることによっても、燃
焼室近傍の冷却性の向上を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のシリンダ
ヘッドによれば、燃焼室近傍の冷却性の向上を図ること
ができるという優れた効果を奏する。
【0044】特に、請求項2〜4に記載の発明によれ
ば、上記冷却性のより一層の向上を図ることができる。
さらに、本発明(請求項5に記載の発明)のシリンダヘ
ッドの製造方法によれば、上記効果を奏するシリンダヘ
ッドを容易に製造することができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるシリンダヘッドを示す断
面図。
【図2】図1のJ−J線断面図。
【図3】プラグチューブを示す斜視図。
【図4】シリンダヘッド本体を鋳造する際に使用される
金型装置を示す断面図。
【図5】シリンダヘッド本体鋳造時の金型装置を示す断
面図。
【図6】本実施の形態の作用を説明する図であって、プ
ラグチューブ及び冷却水の流れを示す斜視図。
【図7】別の実施の形態におけるプラグチューブを示す
斜視図。
【図8】別の実施の形態におけるのプラグチューブ及び
冷却水の流れを示す斜視図。
【図9】別の実施の形態におけるのプラグチューブ及び
冷却水の流れを示す斜視図。
【符号の説明】
11…シリンダヘッド、12…シリンダヘッド本体、1
3…燃焼室、16…プラグ孔、17、51、54、57
…プラグ孔壁を構成するプラグチューブ、18…ウォー
タジャケット、21、52、55、58…チューブ本
体、22、53、56、60、62…フィン、30…ウ
ォータジャケット用中子、31…金型装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド本体の上面と下面とを貫
    通する点火プラグ用孔を構成するプラグ孔壁を有し、該
    プラグ孔壁の周囲にウォータジャケットを形成してなる
    シリンダヘッドにおいて、 前記プラグ孔壁の外周部には、該外周部が前記ウォータ
    ジャケットに臨む表面積を広げるための凹凸形状を設け
    たことを特徴とするシリンダヘッド。
  2. 【請求項2】 前記凹凸形状は、筒状のプラグ孔壁の外
    周部に一体形成されたフィンにより構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。
  3. 【請求項3】 前記フィンは、前記ウォータジャケット
    を流れる冷却水の主流方向を、少なくとも前記プラグ孔
    壁近傍において、水平方向から上下方向へと変更させる
    形状を有していることを特徴とする請求項2に記載のシ
    リンダヘッド。
  4. 【請求項4】 前記プラグ孔壁は、前記シリンダヘッド
    本体とは別体で設けられていることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載のシリンダヘッド。
  5. 【請求項5】 シリンダヘッド本体の上面と下面とを貫
    通する点火プラグ用孔を構成するとともに、自身の外周
    部にはウォータジャケットに臨むフィンが形成されてな
    るプラグ孔壁を有するシリンダヘッドの製造方法であっ
    て、 前記フィンが形成されてなるプラグ孔壁を作製する工程
    と、 前記プラグ孔壁を一体化させた上でウォータジャケット
    用中子を作製する工程と、 前記プラグ孔壁の一体となった前記ウォータジャケット
    用中子を型にセットして、シリンダヘッド本体を鋳造成
    形するとともに、該成形に際し前記プラグ孔壁の一部を
    前記シリンダヘッド本体に固定する工程と、 前記成形後に前記ウォータジャケット用中子を構成して
    いた中子砂を除去する工程とを備えたことを特徴とする
    シリンダヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100435702B1 (ko) * 2002-04-26 2004-06-12 현대자동차주식회사 실린더 헤드의 스파크 플러그 코어핀
US7777346B2 (en) 2001-10-04 2010-08-17 Renesas Electronics Corp. Semiconductor integrated circuit device and a method of manufacturing the same
CN103016190A (zh) * 2013-01-05 2013-04-03 安徽江淮汽车股份有限公司 一种涡轮增压柴油发动机用缸盖
WO2022061379A1 (en) * 2020-09-28 2022-03-31 Innio Jenbacher Gmbh & Co Og Cylinder head for an internal combustion engine

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