JPH1180938A - 薄膜形成方法および薄膜形成装置ならびに蒸発源ルツボ - Google Patents

薄膜形成方法および薄膜形成装置ならびに蒸発源ルツボ

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JPH1180938A
JPH1180938A JP23858397A JP23858397A JPH1180938A JP H1180938 A JPH1180938 A JP H1180938A JP 23858397 A JP23858397 A JP 23858397A JP 23858397 A JP23858397 A JP 23858397A JP H1180938 A JPH1180938 A JP H1180938A
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JP23858397A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着工程においてスプラッシュを抑制す
るとともに、スプラッシュに起因する薄膜の品質の劣化
を防止する薄膜形成方法および薄膜形成装置ならびに蒸
発源ルツボを提供することを課題とする。 【解決手段】 少なくとも不純物酸化物を含有する蒸発
源ルツボ10を用いて、蒸発源ルツボ10内にある磁性
材料等の薄膜形成材料9を真空中で溶解蒸発し、支持体
3aに薄膜を形成する工程/手段を有する磁気テープま
たは磁気ディスク等の薄膜の薄膜形成方法/形成装置に
おいて、蒸発源ルツボ10に含有する不純物酸化物の含
有率が0.5重量%以下である。不純物酸化物は、少な
くともSiO2 、Al2 3 およびCaOのうちのいず
れか1種であり、SiO2 およびAl2 3 の含有率は
いずれもCaO 以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜形成方法および
薄膜形成装置ならびに蒸発源ルツボに関し、さらに詳し
くは、蒸発源ルツボ内にある薄膜形成材料を真空中で溶
解蒸発させ、これを支持体に被着させる薄膜の形成に特
徴を有する薄膜形成方法および薄膜形成装置ならびに蒸
発源ルツボに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体としては、非磁性の
支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末などの
粉末磁性材料を用いた塗布型磁気記録媒体に代わり、高
密度磁気記録への要求の高まりとともに、Co−Ni合
金、Co−Cr合金、Co−O等の金属磁性材料を、メ
ッキや、真空蒸着、スパッタリングおよびイオンプレー
ティング等の真空成膜手段によりポリエステル、ポリア
ミドおよびポリイミドフィルムなどの非磁性の支持体上
に直接被着した、いわゆる金属薄膜型磁気記録媒体が注
目されている。この金属薄膜型磁気記録媒体は、抗磁力
や角形比に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れる
ばかりでなく、磁性層の厚みを薄くできるため、記録減
磁や、再生時の厚み損失が著しく小さいこと、磁性層中
に非磁性材料のバインダが不要であるため磁性材料の充
填密度を高めることができることなど様々な利点を有し
ている。
【0003】更に、この磁気記録媒体の電磁変換特性を
向上させ、より大きな出力を得るために、磁性層を斜め
に蒸着する斜方蒸着が提案され、実用化されている。こ
の斜方蒸着により磁性層が形成される磁気記録媒体は、
蒸着時に、蒸発源をシャッターやマスクで覆って、斜め
入射の蒸着成分のみを用いることで優れた磁気特性およ
び電磁変換特性を実現している。この斜方蒸着では、C
o、Ni、Feなどの磁性金属を溶解して蒸着するが、
連続して長時間成膜を行ったり、大きい成膜速度を確保
するなどの生産性の向上を図るため、電子銃を用いた電
子ビーム蒸着を行うのが一般的である。この電子ビーム
蒸着ではセラミックス製の蒸発源ルツボの中に磁性金属
等を収納し、この磁性金属などに電子ビームを照射して
溶解する。そして、例えば特公平5−19766号公報
記載のように、このセラミックス製の蒸発源ルツボの耐
久性の向上を図るために、これに使用するマグネシア材
の純度を向上する検討などが報告されている。ところ
で、蒸着時には、一般的にスプラッシュと呼ばれる現象
が見られる。これは、蒸発源ルツボに含有される酸化物
等の微少不純物が蒸発源ルツボ内で溶解した磁性材料に
混入し、飛び出す現象である。この高温状態の微小不純
物が勢いよく飛び出すと成膜中の薄膜や成膜直後の薄膜
を突き破り、非磁性の支持体にピンホールを明ける場合
がある。このピンホールが磁気記録媒体にあると、ドロ
ップアウト等の記録再生信号の欠落現象を引き起こす要
因となり、短波長記録化に対応した電磁変換特性の向上
を図る上で解決しなければならない問題の一つであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑み、真空蒸着工程においてスプラッシュを抑制す
るとともに、スプラッシュに起因する薄膜の品質の劣化
を防止する薄膜形成方法および薄膜形成装置ならびに蒸
発源ルツボを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の薄膜形成方法は、少なくとも不純物酸化物
を含有する蒸発源ルツボを用いて、蒸発源ルツボ内にあ
る磁性金属、磁性合金あるいは磁性化合物等の薄膜形成
材料を減圧雰囲気中で溶解蒸発させ、溶解蒸発した薄膜
形成材料を支持体に被着し薄膜を形成する工程を有する
磁気テープまたは磁気ディスク等の薄膜形成方法におい
て、蒸発源ルツボに含有する不純物酸化物の含有率が
0.5重量%以下であることを特徴とする。ここで、減
圧雰囲気とは、真空および真空中に反応性ガスおよび不
活性ガス等を導入した状態の雰囲気のいずれか一方を示
す。
【0006】本発明の薄膜形成装置は、少なくとも不純
物酸化物を含有する蒸発源ルツボと、蒸発源ルツボ内に
ある磁性金属、磁性合金あるいは磁性化合物等の薄膜形
成材料を減圧雰囲気中で溶解蒸発させる加熱手段と、溶
解蒸発させた薄膜形成材料を支持体に被着させて薄膜を
形成する手段とを有する磁気テープまたは磁気ディスク
等の薄膜形成装置において、蒸発源ルツボに含有する不
純物酸化物の含有率が0.5重量%以下であることを特
徴とする。
【0007】本発明の薄膜形成方法および薄膜形成装置
において、蒸発源ルツボに含有する不純物酸化物は、少
なくともSiO2 、Al2 3 およびCaOのうちのい
ずれか1種であり、SiO2 およびAl2 3 の含有率
は、いずれもCaOの含有率以下であることが望まし
い。これは、蒸発源ルツボの主原料であるMgOの融点
約2800℃に比べて、不純物酸化物であるSiO2
よびAl2 3 は融点が、それぞれ約1700℃、約2
050℃と比較的低く、一方、不純物酸化物であるCa
Oの融点は約2600℃でMgOに近いので、SiO2
およびAl2 3の含有率をCaOの含有率に比べて抑
制することが効果的であるためである。薄膜を形成する
工程/手段は電子ビーム蒸着法/装置、誘導加熱蒸着法
/装置およびイオンプレーティング法/装置のうちの何
れか1種を用いると効果的である。
【0008】本発明の蒸発源ルツボは、蒸発源ルツボに
含有する不純物酸化物の含有率が0.5重量%以下であ
ることを特徴とする。蒸発源ルツボに含有する不純物酸
化物は、少なくともSiO2 、Al2 3 およびCaO
のうちのいずれか1種であり、SiO2 およびAl2
3 の含有率は、いずれもCaOの含有率以下であること
が望ましい。蒸発源ルツボにはSiO2 、Al2 3
よびCaOなどの不純物酸化物の含有が不可避である
が、これをなるべく0重量%とするのが望ましい。
【0009】上述した手段によれば、蒸発源ルツボに含
有する不純物酸化物であるSiO2、Al2 3 および
CaO等が低減し、これらが蒸発源ルツボ内で溶融した
薄膜形成材料中に溶けだして混入する量を極小とするこ
とができる。従って、これらが蒸発源ルツボの表面に浮
遊し、そこに電子銃からの電子ビームが照射されること
によるスプラッシュが防止され、薄膜に付着したり、キ
ズやピンホールを発生させることが防止され、高品位な
薄膜を形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜形成方法および薄膜
形成装置ならびに蒸発源ルツボは、非磁性材料よりなる
支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を形成した金属薄
膜型の磁気テープ(いわゆる蒸着テープ)または磁気デ
ィスクなどの磁気記録媒体の薄膜形成方法および薄膜形
成装置ならびに蒸発源ルツボに適用できる。本発明を磁
気記録媒体に適用した事例について説明する。磁気記録
媒体は、一般的に非磁性の支持体上に金属磁性薄膜など
の磁性層が形成されている。磁性層は、単層、多層の何
れでも良く、支持体と磁性層間、あるいは多層膜の場合
には、必要に応じて、各層間の付着力向上並びに抗磁力
の制御のため、下塗層または中間層を設けたものでも良
い。また、磁性層表面近傍が耐食性改善のため酸化物と
なっているものでも良く、磁性層上に保護膜層およびト
ップコート層を設けたものでも良く、あるいは支持体の
磁性層が形成された面の反対面にバックコート層を設け
たものでも良い。金属磁性薄膜を有する磁性層に供され
る薄膜形成材料の一例を挙げれば、Co−Ni合金、C
o−Cr合金、Co−Fe合金等の強磁性合金材料があ
る。金属磁性薄膜形成の手段は、真空中で磁性材料を電
子ビーム等で加熱蒸発させ、支持体上に蒸着させる電子
ビーム蒸着法や誘導加熱蒸着法等の真空蒸着法、および
プラズマ放電中で薄膜形成材料を蒸発させるイオンプレ
ーティング法等のPVD(Physical Vapo
r Deposition)法を用いることができる。
【0011】保護膜層の材料としては、通常の金属磁性
薄膜用保護膜として一般に使用されるものであればいか
なるものであっても良い。例えば、カーボン、Cr
2 、Al23、BN、Co酸化物、MgO、Si
2 、Si34、SiNx 、SiC、SiNx −SiO
2 、ZrO2 、TiO2 、TiCのうち少なくとも1種
を含む単層膜および多層膜のいずれか一方が挙げられ
る。蒸発源ルツボの主材料は、高融点セラミックスを主
原料としたもので、マグネシア、ジルコニア、BN等が
挙げられる。トップコート層あるいはバックコート層に
含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤、潤滑剤および防錆剤
としては従来公知の材料がいずれも使用できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の薄膜形成方法および薄膜形成
装置ならびに蒸発源ルツボについて、磁気記録媒体の薄
膜に適用した一例であり、薄膜形成装置の一例である真
空蒸着装置の概略断面図である図1及び磁気記録媒体の
概略断面図である図2を参照して説明する。なお、本発
明は以下に示した実施例に限定されるものではない。
【0013】先ず、磁気記録媒体の概略構成について、
図2を参照して説明する。磁気記録媒体3は、非磁性の
支持体3a上に、必要に応じて、下塗層3bが形成さ
れ、下塗層3b上に金属磁性薄膜などの磁性層3cが形
成され、また必要に応じて保護膜層3dおよびトップコ
ート層3eが形成されている。そして、支持体3aの磁
性層3cが形成された面の反対面には、必要に応じて、
バックコート層3fが形成されている。
【0014】真空蒸着装置1の上壁、下壁に真空槽2を
真空にする排気口4が設けられている。サプライロール
5には、非磁性の支持体3aの原反ロールがセットされ
ており、支持体3aはガイド6aを経由して一定の回転
数で回転する冷却キャン7の外周側面に大角度に巻き付
けられ、ガイド6bを経由してテイクアップロール8に
巻き取られる。冷却キャン7には、図示を省略するが支
持体3aの温度上昇による変形等を抑止するために冷却
装置が設けられている。冷却キャン7の下部には、例え
ばCo95Ni5重量%で構成された合金の磁性材料で
ある薄膜形成材料9を充填した蒸発源ルツボ10が配設
されており、この蒸発源ルツボ10に充填されている薄
膜形成材料9の幅は冷却キャン7の回転軸方向の幅とほ
ぼ同一に展開されている。この蒸発源ルツボ10には、
図示を省略する材料供給機構から例えば材料供給ペレッ
トが供給されている。材料供給ペレットの形状は、例え
ば直径が10mmで長さが10mmの円筒状をしてい
る。
【0015】真空槽2内の側壁には蒸発源ルツボ10に
充填されている薄膜形成材料9に入射角度が、例えば4
5度〜90度となるように電子銃11が配設されてお
り、電子線の照射により薄膜形成材料9を蒸発させ、こ
の蒸気が冷却キャン7の外周側面に巻き付いている支持
体3aの表面に蒸着する。冷却キャン7と蒸発源ルツボ
10との間の冷却キャン7近傍にはシャッタ12が、冷
却キャン7の外周側面を一定の速度で回転する支持体3
aの所定領域を覆うように設けられている。このシャッ
タ12により、蒸発した薄膜形成材料9の蒸気が支持体
3aの表面に、所定の角度範囲で斜めに蒸着するように
構成されている。また、バルブ13を介した配管からは
支持体3aの表面に、例えば280cc/分の割合で酸
素ガスが供給され、磁気特性、耐久性及び耐候性の向上
が図られる。なお、符号14は真空槽2内を蒸着室と支
持体3aの供給と巻き取りを行う部屋とに分断する隔壁
である。
【0016】上記のような構成の薄膜形成装置を用い
て、支持体3aに下塗層3bを形成した後、酸素雰囲気
中でCoを斜方蒸着して磁性層3cを形成した後、磁性
層3c上にカーボン等で構成された保護膜層3dを形成
し、さらにその上にトップコート層3eおよび支持体3
aの磁性層3cが形成された面の反対面にバックコート
層3fを施す。次に、所定のテープ幅に裁断して、カセ
ットに180分長組み込んで比較例1〜4および実施例
1〜8の磁気テープのサンプルを作成した。これらのサ
ンプルの詳細な材質および作成条件は[表1]に示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】上記のサンプルを作成する場合、実施例と
比較例における蒸着工程では、蒸発源ルツボ10の不純
物酸化物の含有率を変えたものを用いて作製した。実施
例1〜4は、蒸発源ルツボ10中の不純物酸化物のSi
2 、Al2 3およびCaOの含有率がそれぞれ0.
5重量%以下であり、実施例5〜8は、蒸発源ルツボ1
0中の不純物酸化物のSiO2 、Al2 3 およびCa
Oの含有率がそれぞれ0.5重量%以下で、かつ、Si
2 およびAl2 3 の含有率はいずれもCaO以下で
ある。比較例1〜4は、蒸発源ルツボ10中のいずれか
の不純物酸化物の含有率が0.5重量%以上であり、比
較例1、3および4は、SiO2 あるいはAl2 3
含有率がCaO以下である。また、比較例および実施例
のサンプルを作成するために使用した蒸発源ルツボ10
の耐久性(繰り返し使用回数)を比較するために[表
1]に示した蒸着条件で、全長2000mの支持体3a
を繰り返し何回蒸着できるか検討を行った。
【0019】次に、比較例1〜4および実施例1〜8で
使用した磁性材料の合金の不純物含有率を[表2]に示
す。合金組成の測定は島津製作所製ICP発光分光式測
定器及び、燃焼赤外線吸収法等を用いて行った。なお、
Coの成分は他の微量な不純物成分を差し引いた値であ
る。
【0020】
【表2】
【0021】さらに比較例1〜4および実施例1〜8で
使用した蒸発源ルツボ10の組成表を[表3]に示し
た。[表3]における、その他はFe2 3 、Na2
およびK2 O等である。
【0022】
【表3】
【0023】実施例1〜4および比較例1〜8で完成さ
せた8mm幅の磁気テープを下記項目で評価した。その
結果を[表4]で示す。
【0024】ドロップアウト数の測定 サンプルの8mm幅の磁気テープにソニー社製の8mm
ビデオテープレコーダであるEV−S900を用いて、
再生出力レベルから−10dB50μsec以下の出力
低下をドロップアウトとして、カセットの巻き始めから
30分長送ったところから、120分間測定を行い、3
0分間あたりのドロップアウト数を測定した。さらに、
これらのドロップアウトになったと推定される部分のピ
ンホールの表面観察を行い、全ドロップアウト数に対す
るスプラッシュに起因するピンホール数の割合を測定し
た。
【0025】磁気特性の劣化 ガス腐食試験器を用いてSO2 ガス0.6ppmを含む
35℃90%RH雰囲気中で24時間放置後の劣化量Δ
Φs=100×(Φs−Φs’)/Φsの値で評価し
た。なお、Φsは初期値であり、Φs’は24時間放置
後の値である。
【0026】
【表4】
【0027】比較例1〜4では蒸発源ルツボ10中に含
まれる不純物酸化物等の含有率が0.5重量%程度と実
施例1〜8と比べて大であるが、これに起因すると考え
られるスプラッシュも磁気テープのドロップアウト数か
ら推定できる。スプラッシュ以外のドロップアウトの原
因は、支持体3a中のフィラーの凝集物や磁気テープ表
面に付着したゴミやその寝押しとなった突起等である。
【0028】実施例1〜8の磁気テープのドロップアウ
ト数が比較例1〜4に比べて小であるが、これは蒸着時
のスプラッシュによるピンホール数が小である効果が現
れているためであり、全ドロップアウト数中のスプラッ
シュに起因するピンホール数の割合が小であるためと推
定される。また、実施例5〜8は、実施例1〜4に比べ
て、比較的ドロップアウト数が小である。これは、蒸発
源ルツボ10中のSiO2 およびAl2 3 の含有率が
CaOの含有率に対して小であるためと推定できる。さ
らに、磁気特性の劣化については、比較例、実施例とも
に大きく差がないことから、本発明のように蒸発源ルツ
ボ10中のSiO2 、Al23 およびCaO等の不純
物含有率を変化させても悪影響はない。また、蒸発源ル
ツボ10の寿命について、蒸発源ルツボ10の繰り返し
使用可能回数という観点で検討してみても、繰り返し使
用回数が比較例、実施例で差がないことから問題はない
と推察される。
【0029】上記した事例の実施例は、磁気記録媒体3
として磁気テープに適用した例であるが、磁気ディスク
にも適用することができる。また、薄膜形成工程で、電
子ビーム蒸着法の他に誘導加熱蒸着法あるいはイオンプ
レーティング法等を用いることも可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明の薄膜形成方法および薄膜形成装
置ならびに蒸発源ルツボによれば、薄膜形成工程におい
てスプラッシュを抑制し、これに起因する薄膜の劣化を
低減し、高品質な薄膜の形成が可能な薄膜形成方法およ
び薄膜形成装置ならびに蒸発源ルツボを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜形成装置の一例である真空蒸着
装置の概略構成断面図を示す。
【図2】 磁気記録媒体の概略構成断面図を示す。
【符号の説明】
1…真空蒸着装置、2…真空槽、3…磁気記録媒体、3
a…支持体、3b…下塗層、3c…磁性層、3d…保護
膜層、3e…トップコート層、3f…バックコート層、
4…排気口、5…サプライロール、6a,6b…ガイ
ド、7…冷却キャン、8…テイクアップロール、9…薄
膜形成材料、10…蒸発源ルツボ、11…電子銃、12
…シャッタ、13…バルブ、14…隔壁

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも不純物酸化物を含有する蒸発
    源ルツボを用いて、前記蒸発源ルツボ内にある薄膜形成
    材料を減圧雰囲気中で溶解蒸発させ、前記溶解蒸発した
    前記薄膜形成材料を支持体に被着して薄膜を形成する工
    程を有する薄膜形成方法において、 前記不純物酸化物の含有率が0.5重量%以下であるこ
    とを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記不純物酸化物は、少なくともSiO
    2 、Al2 3 およびCaOのうちのいずれか1種であ
    るとともに、 SiO2 およびAl2 3 の含有率が、いずれもCaO
    の含有率以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記薄膜形成材料は少なくとも磁性金
    属、磁性合金および磁性化合物のうちのいずれか1種で
    あることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜を形成する工程は磁気テープお
    よび磁気ディスクのうちのいずれか1種の薄膜を形成す
    る工程であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形
    成方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜を形成する工程は電子ビーム蒸
    着法、誘導加熱蒸着法およびイオンプレーティング法の
    うちの何れか1種を用いることを特徴とする請求項1に
    記載の薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも不純物酸化物を含有する蒸発
    源ルツボと、 前記蒸発源ルツボ内にある薄膜形成材料と、 減圧雰囲気中で前記薄膜形成材料を溶解蒸発させる加熱
    手段と、 前記溶解蒸発させた前記薄膜形成材料を支持体に被着さ
    せて薄膜を形成する手段とを有する薄膜形成装置におい
    て、 前記不純物酸化物の含有率が0.5重量%以下であるこ
    とを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】 前記不純物酸化物は、少なくともSiO
    2 、Al2 3 およびCaOのうちのいずれか1種であ
    るとともに、 SiO2 およびAl2 3 の含有率は、いずれもCaO
    の含有率以下であることを特徴とする請求項6に記載の
    薄膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記薄膜形成材料は少なくとも磁性金
    属、磁性合金および磁性化合物のうちのいずれか1種で
    あることを特徴とする請求項6に記載の薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記薄膜を形成する手段は磁気テープお
    よび磁気ディスクのうちのいずれか1種の薄膜を形成す
    る手段であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜形
    成装置。
  10. 【請求項10】 前記薄膜を形成する手段が、電子ビー
    ム蒸着装置、誘導加熱蒸着装置およびイオンプレーティ
    ング装置のうちの何れか1種であることを特徴とする請
    求項6に記載の薄膜形成装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも不純物酸化物を含有する蒸
    発源ルツボにおいて、 前記不純物酸化物の含有率が0.5重量%以下であるこ
    とを特徴とする蒸発源ルツボ。
  12. 【請求項12】 前記不純物酸化物は、少なくともSi
    2 、Al2 3 およびCaOのうちのいずれか1種で
    あるとともに、 SiO2 およびAl2 3 の含有率が、いずれもCaO
    の含有率以下であることを特徴とする請求項11に記載
    の蒸発源ルツボ。
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