JPH10283634A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JPH10283634A
JPH10283634A JP8701597A JP8701597A JPH10283634A JP H10283634 A JPH10283634 A JP H10283634A JP 8701597 A JP8701597 A JP 8701597A JP 8701597 A JP8701597 A JP 8701597A JP H10283634 A JPH10283634 A JP H10283634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
forming
vacuum chamber
support
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8701597A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunobu Chiba
一信 千葉
Hiroshi Yatagai
洋 谷田貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP8701597A priority Critical patent/JPH10283634A/ja
Publication of JPH10283634A publication Critical patent/JPH10283634A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属磁性粒子の配向性を良好にする磁性層形
成工程を提供し、高密度記録に対応した良好な電磁変換
特性を有する磁気記録媒体の製造方法の提供。 【解決手段】 少なくとも非磁性支持体3の表面上に磁
性層を形成する工程を有する磁気記録媒体の製造方法に
おいて、非磁性支持体3の表面上に磁性層を形成する工
程の前に、非磁性支持体3を真空槽2内に保持して非磁
性支持体3に含有する水分や吸着ガス等を除去する工程
を有し、非磁性支持体3を真空槽2内に保持する工程
が、例えばロール状に巻かれた非磁性支持体3の長手方
向に対する直角方向の幅Wと、非磁性支持体3を真空槽
2内に保持する時間tとの関係W/tの値が25以上2
50以下であることを特徴とする。そして、好ましい真
空槽2内の真空度は1×10-5Pa以上1.0Pa以下
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
方法に関し、さらに詳しくは、少なくとも非磁性支持体
の表面上に真空薄膜形成手段によって磁性層を形成する
磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体としては、非磁性支持体の
表面上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の金属
磁性粉末を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエ
ステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機
バインダ中に均一に分散させた磁性塗料を塗布し、その
後乾燥させて磁性層を形成する塗布型の磁気記録媒体が
多く使用されている。一方、高密度記録化の要求ととも
にCo−Ni合金、Co−Cr合金、Co−O等の金属
磁性材をメッキや真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等の真空薄膜形成手段によりポリエ
ステルフィルム、ポリアミド、ポリイミドフィルム等の
非磁性支持体の表面上に直接形成する、いわゆる金属磁
性薄膜型の磁気記録媒体が注目されている。この金属磁
性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁力や角形比等の磁気特性
が優れており、短波長記録における電磁変換特性も優れ
ている。また、非磁性支持体の表面上に形成される磁性
層の膜厚を極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の
厚み損失を極めて小にできる。さらに、磁性層形成時に
は上記した非磁性体の有機バインダは不要であり、磁性
層を金属磁性材のみで形成することができるので、磁性
層に占める金属磁性材の充填密度を大とすることができ
る等、高密度記録用の磁気記録媒体として多くの利点を
有している。
【0003】ところで近年、金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体の電磁変換特性をさらに向上させる手段として、非
磁性支持体の表面上に磁性層を斜めに形成する、いわゆ
る斜方蒸着が提案され実用化されている。この斜方蒸着
による磁気記録媒体は、CoやNi等の磁性体金属やこ
れらを主体とした合金を真空中で電子銃等で加熱溶解
し、その蒸気を使用して非磁性支持体の表面上に磁性層
を形成するが、このときの蒸気温度は1000℃以上で
あり、これに晒される非磁性支持体は瞬時に熱負けをす
る。これを防止するため、一般的にはマイナス数十℃以
下の低温に冷却された冷却キャンを使用して非磁性支持
体を接触させながら冷却し、蒸着を行う方法が採用され
ている。しかしながら、このような方法を用いても非磁
性支持体として用いられるポリエチレンテレフタレート
フィルムやアラミド等は吸湿性が大であるため、蒸着す
る際にこれらの非磁性支持体に含有する水分や吸着ガス
等を放出して磁性層の結晶成長を阻害し、磁性層を構成
する金属磁性粒子の配向性を悪化させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、金属
磁性粒子の配向性を良好にする磁性層形成工程を提供
し、高密度記録に対応した良好な電磁変換特性を有する
磁気記録媒体の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の磁気記録媒体の製造方法では、少なくとも
非磁性支持体の表面上に磁性層を形成する工程を有する
磁気記録媒体の製造方法において、非磁性支持体の表面
上に磁性層を形成する工程の前に、非磁性支持体を真空
槽内に保持して非磁性支持体に含有する水分や吸着ガス
を除去する工程を有し、非磁性支持体を真空槽内に保持
する工程が、例えばロール状に巻かれた非磁性支持体の
長手方向に対する直角方向の幅Wと、非磁性支持体を真
空槽内に保持する時間tとの関係W/tの値が25以上
250以下であることを特徴とする。
【0006】非磁性支持体を真空槽内に保持する工程は
磁性層を形成するのと同じ真空槽内で行っても良いし、
別の真空槽内で行っても良い。但し、生産効率を考慮す
れば磁性層を形成するのと同じ真空蒸着装置で行うこと
が望ましい。そして、好ましい真空槽内の真空度は1×
10-5Pa以上1.0Pa以下である。真空度が1.0
Pa未満の低真空度であると非磁性支持体からの水分や
吸着ガスを放出する効果が得られず、1×10-5Pa超
の高真空度であると水分や吸着ガス等を放出する効果は
あるが、真空蒸着装置の真空槽内をその状態に維持管理
するのが非常に困難である。
【0007】真空槽内に非磁性支持体を保持する時間は
非磁性支持体の長手方向に対する直角方向の幅と密接な
関係があり、この幅が大である場合には、それに対応し
て十分な水分や吸着ガスを放出する効果を得るために、
真空槽内に非磁性支持体を保持する時間を大とする必要
がある。非磁性支持体の長手方向に対する直角方向の幅
Wと、非磁性支持体を真空槽内に保持する時間tとの関
係W/tの値が250超であると真空槽内に非磁性支持
体を保持する時間が過小であるために非磁性支持体から
水分や吸着ガス等を放出する効果が不十分であり、W/
tの値が25未満であると非磁性支持体から水分や吸着
ガス等を放出する効果は大となるが、真空槽内に非磁性
支持体を保持する時間も大となって多くの工数を必要と
し、製造上問題となる。
【0008】本発明に適用される金属磁性材の一例を挙
げればFe、Co、Ni等の強磁性金属、Fe−Co、
Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、Co−C
u、Co−Au、Co−Pt、Fe−Cr、Co−C
r、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Co−Ni−C
r、Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金等がある。
これらで形成される磁性層は単層、複数の層を積層した
多層の何れであっても良い。また、磁性層の表面近傍が
耐蝕性改善のために酸化物となっていても良い。さら
に、非磁性支持体の表面上に形成された磁性層の、その
表面上に保護層を形成しても良く、保護層の構成材の一
例を挙げればカーボン、CrO2 、Al2 3、BN、
Co酸化物、MgO、SiO2 、Si3 4 、Si
x 、SiC、SiNx −SiO2 、ZrO2 、TiO
2 、TiC等があり、これらは単層、多層の何れであっ
ても良く、金属と複合した層としても良い。もちろん、
本発明にかかる磁気記録媒体の構成はこれに限定される
ものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での変更、
例えば必要に応じてバックコート層を形成したり、非磁
性支持体上に下塗層を形成したり、潤滑剤、防錆剤等の
層を形成することはなんら差し支えない。この場合、バ
ックコート層に含有する非磁性顔料、樹脂結合剤あるい
は潤滑剤、防錆剤層に含有する材料としては従来公知の
ものが何れも使用することができる。
【0009】非磁性支持体の表面上に磁性層を形成する
手段の一例を挙げれば、真空下で金属磁性材を加熱蒸発
させて非磁性支持体の表面上に沈着させる真空蒸着法
や、金属磁性材の蒸発を放電中で行うイオンプレーティ
ング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電
させ、生じたアルゴンイオンでターゲット表面の原子を
たたき出すスパッタ法等の、いわゆるPVD(Phys
ical VaporDeposition)技術があ
る。
【0010】上述した手段によれば、非磁性支持体の表
面上に磁性層を形成する工程時には既に非磁性支持体に
含有している水分や吸着ガスが除去されているので、磁
性層を構成する金属磁性材粒子を配向性の良好な結晶に
成長させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本実施の形態例では非磁性支持体
を真空槽内に保持する工程と磁性層を形成する工程を同
じ真空蒸着装置で行う事例を一例として、真空蒸着装置
の概略断面図である図1を参照して以下に説明する。真
空蒸着装置1の上壁、下壁及び側壁に真空槽1内を真空
にする排気口4が設けられており、例えば真空槽2内の
真空度を1×10-3Paに保つ。サプライロール5には
非磁性支持体3の原反ロールがセットされており、非磁
性支持体3はガイド6aを経由して一定の回転数で回転
する冷却キャン7の外周側面に大角度に巻き付けられ、
ガイド6bを経由してテイクアップロール8に巻き取ら
れる。冷却キャン7には図示を省略するが非磁性支持体
3の温度上昇による変形等を抑止するために冷却装置が
設けられている。真空槽2内の冷却キャン7の下部に
は、例えばCo90重量部%、Ni10重量部%で構成
された合金の金属磁性材9を充填したルツボ10が配置
されており、このルツボ10に充填されている金属磁性
材9の幅は冷却キャン7の回転軸方向の幅とほぼ同一に
展開されている。真空槽2内の側壁にはルツボ10に充
填されている金属磁性材9に入射角度が、例えば45度
〜90度となるように電子銃11が配設されており、電
子線の照射により金属磁性材9を蒸発させ、この蒸気が
冷却キャン7の外周側面に巻き付いてる非磁性支持体3
の表面に蒸着する。冷却キャン7とルツボ10との間の
冷却キャン7近傍にはシャッタ12が、冷却キャン7の
外周側面を一定の速度で回転する非磁性支持体3の所定
領域を覆うように設けられている。このシャッタ12に
より、蒸発した金属磁性材9の蒸気が非磁性支持体3の
表面に、所定の角度範囲で斜めに蒸着するように構成さ
れている。また、バルブ13を介した配管からは非磁性
支持体3の表面に、例えば250cc/分の割合で酸素
ガスが供給され、磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が
図られる。なお、符号14は真空槽2内を蒸着室と非磁
性支持体3の供給と巻き取りを行う部屋とに分断する隔
壁である。以下、本発明を適用した具体的な実施例と、
この実施例と対比する比較例を挙げて説明する。
【0012】実施例1 先ず、非磁性支持体3の一例として、アクリル酸エステ
ルを主成分とする水溶性ラテックスを密度1000万個
/mm2 下塗りした長さ5000m、幅500mm、厚
さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの原
反ロールを図1に示したサプライロール5にセットし、
真空槽2内の真空度を1×10-2Paに維持して、非磁
性支持体3であるポリエチレンテレフタレートフィルム
の幅W、サプライロール5に保持する時間tとの関係W
/tの値が250mm/時間となる2時間保持した。
【0013】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムをガイド6a、冷却キャン7、ガイド6bを順次介し
てテイクアップロール8に一端を巻き込んだ後、下記条
件でポリエチレンテレフタレートフィルムの表面上に層
厚が200nmの磁性層を形成した。 金属磁性材 Co90重量部%、Ni10重量部%の合金 入射角 45度〜90度 非磁性支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)送り速度 25m/分 導入酸素量 250cc/分 蒸着真空度 蒸着室7×10-2 Pa 供給巻き取り部屋9×10-1 Pa
【0014】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの磁性層が形成された面の反対面にカーボンをバイン
ダのウレタンに混合したバックコート層塗料を塗布、乾
燥させてバックコート層を形成し、磁性層表面にパーフ
ルオロポリエーテルを塗布してトップコート層を形成し
た後、裁断して8mm幅の磁気テープの作製を完成し
た。
【0015】実施例2 本実施例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の2倍であ
る4時間(W/t=125mm/時間)とした以外は、
実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バックコ
ート層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程を経
て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0016】実施例3 本実施例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の4倍であ
る8時間(W/t=62.5mm/時間)とした以外
は、実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バッ
クコート層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程
を経て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0017】実施例4 本実施例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の5倍であ
る10時間(W/t=50mm/時間)とした以外は、
実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バックコ
ート層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程を経
て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0018】実施例5 本実施例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の7.5倍
である15時間(W/t=33.3mm/時間)とした
以外は、実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、
バックコート層の形成、トップコート層の形成及び裁断
工程を経て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0019】実施例6 本実施例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の10倍で
ある20時間(W/t=25mm/時間)とした以外
は、実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バッ
クコート層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程
を経て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0020】実施例7 本実施例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の12.5
倍である25時間(W/t=20mm/時間)とした以
外は、実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バ
ックコート層の形成、トップコート層の形成及び裁断工
程を経て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0021】比較例1 本比較例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持する時間を実施例1に示した事例の1/2倍
である1時間(W/t=500mm/時間)とした以外
は、実施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バッ
クコート層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程
を経て8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0022】比較例2 本比較例は真空蒸着装置1のサプライロール5に非磁性
支持体3の一例であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを保持することなく、実施例1に示した事例と同様
に磁性層の形成、バックコート層の形成、トップコート
層の形成及び裁断工程を経て8mm幅の磁気テープの作
製を完成した。
【0023】実施例8 本実施例は非磁性支持体3の一例として、アクリル酸エ
ステルを主成分とする水溶性ラテックスを密度1000
万個/mm2 下塗りした長さ5000m、幅800m
m、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムの原反ロールを用いた。そして、真空蒸着装置1のサ
プライロール5に非磁性支持体3であるポリエチレンテ
レフタレートフィルムを保持する時間を3.2時間(W
/t=250mm/時間)とした以外は、実施例1に示
した事例と同様に磁性層の形成、バックコート層の形
成、トップコート層の形成及び裁断工程を経て8mm幅
の磁気テープの作製を完成した。
【0024】実施例9 本実施例は実施例8と同様に非磁性支持体3の一例とし
て、アクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテック
スを密度1000万個/mm2 下塗りした長さ5000
m、幅800mm、厚さ10μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムの原反ロールを用いた。そして、真空
蒸着装置1のサプライロール5に非磁性支持体3である
ポリエチレンテレフタレートフィルムを保持する時間を
16時間(W/t=50mm/時間)とした以外は、実
施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バックコー
ト層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程を経て
8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0025】実施例10 本実施例は実施例8と同様に非磁性支持体3の一例とし
て、アクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテック
スを密度1000万個/mm2 下塗りした長さ5000
m、幅800mm、厚さ10μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムの原反ロールを用いた。そして、真空
蒸着装置1のサプライロール5に非磁性支持体3である
ポリエチレンテレフタレートフィルムを保持する時間を
32時間(W/t=25mm/時間)とした以外は、実
施例1に示した事例と同様に磁性層の形成、バックコー
ト層の形成、トップコート層の形成及び裁断工程を経て
8mm幅の磁気テープの作製を完成した。
【0026】上記した実施例1〜10、比較例1〜2で
完成させた8mm幅の磁気テープを下記項目で評価し
た。その結果を実施例1〜7と比較例1〜2は表1に、
実施例8〜10は表2に示す。
【0027】磁気特性 試料振動式磁気特性測定器を用いて保持力Hc、残留磁
束密度Br、S=残留磁束密度Br/飽和磁束密度Bm
を測定した。
【0028】電磁変換特性 サンプルの8mm幅の磁気テープにソニー社製の8mm
ビデオテープレコーダであるEV−S900を用いて7
MHzの正弦波を記録し、比較例2のサンプルの再生出
力レベルを基準の0dBとして他のサンプルの出力差を
測定した。
【0029】磁気特性の劣化 ガス腐蝕試験器を用いてSO2 ガス0.6ppmを含む
35℃90%RH雰囲気中で20時間放置後の劣化量Δ
Φs=100×(Φs−Φs’)/Φsの値で評価し
た。なお、Φsは初期値であり、Φs’は20時間放置
後の値である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】非磁性支持体3の一例であるポリエチレン
テレフタレートフィルムの表面上に磁性層を形成する工
程の前に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを真空
槽2内のサプライロール5に保持してポリエチレンテレ
フタレートフィルムに含有する水分や吸着ガス等を放出
させ、この保持状態としてポリエチレンテレフタレート
フィルムの幅W、サプライロール5に保持する時間tと
の関係W/tの値が25以上250以下であった実施例
1〜10は、磁性層の形成工程において良好な配向性を
有する磁性層を形成することができた。従って、表1及
び表2から明らかなように磁気特性、電磁変換特性及び
磁気特性の劣化の何れの値も良好であった。しかしなが
ら、真空蒸着装置1のサプライロール5にポリエチレン
テレフタレートフィルムを保持する時間が1時間(W/
t=500mm/時間)であった比較例1、真空蒸着装
置1のサプライロール5にポリエチレンテレフタレート
フィルムを保持しなかった比較例2は磁気特性、電磁変
換特性及び磁気特性の劣化の何れも満足しなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体の製造方法によれ
ば、非磁性支持体の表面上に磁性層を形成する際、非磁
性支持体に含有する水分や吸着ガス等が予め放出されて
いるので、良好な配向性を有する磁性層を形成すること
ができる。従って、高密度記録に対応した電磁変換特性
を有する磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の工程で用いられる真空蒸着装置の概
略断面図である。
【符号の説明】
1…真空蒸着装置、2…真空槽、3…非磁性支持体、4
…排気口、5…サプライロール、6a,6b…ガイド、
7…冷却キャン、8…テイクアップロール、9…金属磁
性材、10…ルツボ、11…電子銃、12…シャッタ、
13…バルブ、14…隔壁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも非磁性支持体の表面上に磁性
    層を形成する工程を有する磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、 前記磁性層を形成する工程の前に前記非磁性支持体を真
    空槽内に保持する工程を有し、 前記保持する工程における前記非磁性支持体の長手方向
    に対する直角方向の幅Wと、前記真空槽内に放置する時
    間tとの関係W/t(mm/時間)の値が25以上25
    0以下であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記真空槽内の真空度が1×10-5Pa
    以上1.0Pa以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP8701597A 1997-04-04 1997-04-04 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH10283634A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8701597A JPH10283634A (ja) 1997-04-04 1997-04-04 磁気記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8701597A JPH10283634A (ja) 1997-04-04 1997-04-04 磁気記録媒体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10283634A true JPH10283634A (ja) 1998-10-23

Family

ID=13903149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8701597A Pending JPH10283634A (ja) 1997-04-04 1997-04-04 磁気記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10283634A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10283634A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10283633A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH01319119A (ja) 磁気記録媒体
JPH01303623A (ja) 磁気記録媒体
JPH0916959A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10320771A (ja) 磁気記録媒体の製造装置および製造方法
JP2003051111A (ja) 磁気記録媒体
JP2003085742A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH1064035A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH103650A (ja) 磁気記録媒体
JPH0237525A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10105943A (ja) 磁気記録媒体
JPH0836750A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH09153219A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2003346329A (ja) 磁気記録媒体とその製造方法
JPH05266473A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及びその磁気記録媒体を製造する真空蒸着装置
JP2002100026A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JPH10308019A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JPH05266469A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10105942A (ja) 磁気記録媒体
JPH09143601A (ja) 金属磁性材およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法
JPH02141928A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH1129853A (ja) 磁気記録媒体の製造装置及び製造方法
JPH09293238A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10255263A (ja) 磁気記録媒体