JPH104014A - 金属磁性材料とこれを用いた金属薄膜型磁気記録媒体 - Google Patents

金属磁性材料とこれを用いた金属薄膜型磁気記録媒体

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JPH104014A
JPH104014A JP15711896A JP15711896A JPH104014A JP H104014 A JPH104014 A JP H104014A JP 15711896 A JP15711896 A JP 15711896A JP 15711896 A JP15711896 A JP 15711896A JP H104014 A JPH104014 A JP H104014A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Tsutomu Takeda
勉 武田
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、磁気
特性の劣化が少なく、エラーレートが小さい磁気記録媒
体を得る。 【解決手段】 非磁性支持体上に、真空蒸着金属磁性薄
膜が形成された金属薄膜型磁気記録媒体の、金属磁性薄
膜を構成する金属磁性材料において、脱酸剤として使用
した材料の、金属磁性材料中の残存量を、0.06重量
%以下とし、また、この金属磁性材料を用いて金属薄膜
型磁気記録媒体を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属磁性材料とこ
れを用いた金属薄膜型磁気記録媒体に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機バインダー
中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥させることによっ
て作成した塗布型の磁気記録媒体が広く知られている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりとともに、Co−Ni系合金、Co−Cr系合
金、Co−O系等の金属磁性材料を、メッキや真空蒸着
法やスパッタリング法、イオンプレーティング法等の真
空薄膜形成手段により、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムやポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性支
持体上に直接被着した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気
記録媒体が提案され、注目を集めている。
【0004】この金属薄膜型の磁気記録媒体は、保磁
力、角形比等の磁気特性に優れ、また、短波長領域での
電磁変換特性に優れており、さらに磁性層の厚みを極め
て薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失を著し
く小さくすることができ、また、磁性層中に非磁性材料
であるバインダーを混入させる必要がないため、磁性材
料の充填密度を高めることができる等、数々の利点を有
している。
【0005】更に、このような金属薄膜型の磁気記録媒
体の電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得るこ
とができるようにするため、この金属薄膜型の磁気記録
媒体の磁性層を形成する際、金属磁性材料を斜めに蒸着
するいわゆる斜方蒸着が提案され、実用化されている。
【0006】この斜方蒸着により作成した金属薄膜型の
磁気記録媒体は、蒸着蒸気をシャッターやマスクにより
遮って斜めに入射する蒸着成分のみ使用することで、優
れた磁気特性、および電磁変換特性を実現している。
【0007】しかしながら、この斜方蒸着により作製す
る方法は、蒸着時の金属磁性材料の蒸気は、約10〜2
0%程度しか非磁性支持体上に被着せず、金属磁性材料
蒸気の利用率はかなり悪い状態である。また、特開昭6
3−195234号公報、特開平7−54069号公報
に示されるように、一般的に蒸着磁性金属は、その中に
含まれるカーボン、Al、Mn、酸素等の不純物の量に
より、磁性層成膜後の磁気特性、電磁変換特性等に影響
が出るためにその純度はかなり厳しい要求がなされてい
る。
【0008】例えば、Co系合金を使用した場合には、
Co系合金自体に含まれている酸素の含有量が多いた
め、蒸着時の磁気特性の安定性やドロップアウト等、磁
気記録媒体の特性に影響を与えることが知られており、
Co系合金中の酸素の含有量を極力低く抑えることが磁
気記録媒体の特性を確保するために必要である。
【0009】このため、Co系合金の溶融時に酸素を強
制的に取り除く手段として、真空溶解や、溶解時の脱酸
剤の添加等、種々の手法がとられてきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、脱酸剤
の金属磁性材料中の残存量の磁気記録媒体の特性への影
響についての着目と、その具体的残存量の特定によっ
て、磁気記録媒体の磁気特性、電磁変換特性の向上、更
に歩留りの向上を図ってコストの低減化を図ることにつ
いての着目は未だなされていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に、真空蒸着金属磁性薄膜が形成された金属薄膜型磁
気記録媒体の、金属磁性薄膜を構成する金属磁性材料に
おいて、脱酸剤として使用した材料の、金属磁性材料中
の残存量を、0.06重量%以下とする。
【0012】また、本発明は、非磁性支持体上に、真空
蒸着金属磁性薄膜が形成された金属薄膜型磁気記録媒体
において、金属磁性薄膜を形成する金属磁性材料の脱酸
剤として使用した材料の、金属磁性材料中の残存量を、
0.06重量%以下とする。
【0013】本発明によれば、金属磁性薄膜を形成する
金属磁性材料の脱酸剤として使用した材料の、金属磁性
材料中の残存量を、0.06重量%以下に調整して金属
磁性薄膜を形成したことにより、電磁変換特性に優れ、
ドロップアウトが少なく、エラーレートの小さい磁気記
録媒体を実現することができ、これに歩留りの向上を図
ることができ、コストの低減化を実現することができ
た。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明における実施の形態
について説明するが、本発明は、この例に限定されるも
のではない。
【0015】例えばポリエチレンテレフタレート等の非
磁性支持体上に蒸着する金属磁性薄膜を構成する金属磁
性材料は、精錬された未使用のCo等の磁性金属、ある
いはこれと例えば一度蒸着したCo等をリサイクルした
ものとの混合金属磁性材料を用いることができる。この
場合の精錬は、0.1Paの真空中に設置された高周波
誘導加熱による溶解精錬によることができる。まず、原
料となる金属磁性材料を高周波誘導コイルにより加熱溶
解し、この中に脱酸剤を添加する。本発明においては特
に、この脱酸剤を、上記原料となる金属磁性材料中の酸
素を除去した後に取り除く。例えば、AlやSi等を脱
酸剤として使用した場合には、脱酸剤が酸化物になって
原料となる金属磁性材料中から浮上してくるので、上澄
みとなったものをすくい取ることにより取り除くことが
できる。また、C等を脱酸剤として使用した場合には、
脱酸剤が酸化すると、気化するため、これを放出させる
ことにより取り除くことができる。また、金属磁性材料
の溶解法としては、真空中での高周波誘導加熱に限られ
るものではなく、アーク溶解やEB(電子ビーム衝撃)
溶解等の方法も使用することができる。
【0016】上述のように溶解した金属磁性材料を、熱
間圧延により例えば断面の直径が10mm、高さが10
mmの円筒形のペレット材に成形する。
【0017】このとき、脱酸剤として投入した材料が金
属磁性材料中に極力残らないようにするためには、使用
する脱酸剤に合わせた溶解時間の長さを設定するととも
に、投入を少量ずつ繰り返しながら磁性材料中の脱酸剤
の量を調整する。
【0018】次に、非磁性支持体上に金属薄膜を成膜す
る蒸着装置の一例を説明する。図1に示すように、この
装置においては、頭部および底部にそれぞれ設けられた
排気口15および16から排気されて内部が真空状態と
なされた真空室1内に、送りロール3と、巻き取りロー
ル4とが設けられ、これら送りロール3から巻き取りロ
ール4にテープ状の非磁性支持体2が順次走行するよう
になされている。
【0019】これら送りロール3から巻き取りロール4
に非磁性支持体2が走行する途中には、冷却キャン5が
設けられている、この冷却キャン5は、上記非磁性支持
体2を図1において下方に引き出すように設けられ、時
計回りに回転する構成とされている。
【0020】なお、送りロール3、巻き取りロール4、
および冷却キャン5は、それぞれ非磁性支持体2の幅と
ほぼ同じ幅からなる円筒状をなすものであり、また、こ
の冷却キャン5には冷却装置(図示せず)が設けられて
いて、非磁性支持体2の温度上昇による変形等を抑制し
ている。
【0021】非磁性支持体2は、送りロール3から順次
送り出され、冷却キャン5周面を通過し、巻き取りロー
ル4に巻き取られていくようになされている。なお、送
りロール3と冷却キャン5との間、および冷却キャン5
と巻き取りロール4との間には、それぞれガイドロール
6および7が配置され、送りロール3から冷却キャン5
および冷却キャン5から巻き取りロール4にわたって走
行する非磁性支持体2に所定のテンションをかけ、非磁
性支持体2が円滑に走行するようになされている。
【0022】また、真空室1内には、冷却キャン5の下
方にルツボ8が設けられ、このルツボ8内には金属磁性
薄膜を形成する上述した方法により精練された金属磁性
材料9が充填された蒸着源が配置されている。このルツ
ボ8には、蒸着に伴う金属磁性材料9の減少を補給する
磁性材料供給機構21から、ペレット状の金属磁性材料
9が供給されている。このペレット状金属磁性材料9の
形状は、例えば直径10mm、高さ10mmの円筒形と
する。
【0023】一方、真空室1の側壁部には、蒸着源、す
なわちルツボ8内に充填された金属磁性材料9を加熱蒸
発させるための電子銃10が取り付けられている。電子
銃10は、これにより放出される電子線Bがルツボ8内
の金属磁性材料9に照射されるような位置に配置され
る。
【0024】次に、更に金属磁性材料9に電子線Bを照
射し、蒸発した金属磁性材料9が冷却キャン5の周面を
定速で走行する非磁性支持体2上に蒸着し、磁性層とし
て被着形成される。
【0025】また、冷却キャン5の近傍には、シャッタ
ー13が配置されている。このシャッター13は、冷却
キャン5の周面を定速で走行する非磁性支持体2の所定
領域を覆う形に形成され、このシャッター13により金
属磁性材料9の蒸気が、非磁性支持体2に対して所定の
角度範囲で斜めに蒸着されるようになっている。
【0026】さらにこのような蒸着に際し、真空室1の
側壁部を貫通して設けられている酸素ガス導入管14を
介して非磁性支持体2の表面に酸素ガスが供給され、磁
気特性、耐久性、耐候性の向上が図られている。
【0027】次に、〔実施例1〜6〕、〔比較例1〜
4〕を挙げて説明する。これらは、上述したような構成
を有する蒸着装置を用いて、以下に示す条件で非磁性支
持体2上に酸素雰囲気中で斜め蒸着を行って作製する。
【0028】 非磁性支持体 ポリエチレンテレフタレート (10μm厚、150mm幅) 下塗り アクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテ ックスを約1000万個/mm2 塗布 金属磁性材料 Co99重量% 入射角 45°〜90° 非磁性支持体の送り速度 25m/分 磁性層の厚さ 200nm 導入酸素量 250cc/分 蒸着真空度 7×10-2Pa バックコート カーボンおよびポリウレタンバインダーの混合 系 厚さ0.6μmに塗布。 トップコート パーフルオロポリエーテルを塗布 裁断幅 6.35mm
【0029】以下に〔実施例1〜6〕、〔比較例1〜
4〕において金属磁性材料のペレットを作成する際に使
用した脱酸剤を示す。 〔実施例1〕 カーボン 〔実施例2〕 Al 〔実施例3〕 Mn、Al 〔実施例4〕 カーボン、Al 〔実施例5〕 カーボン、Si 〔実施例6〕 カーボン
【0030】〔比較例1〕 カーボン 〔比較例2〕 Al 〔比較例3〕 Mn、Al 〔比較例4〕 カーボン、Si
【0031】以下に、〔実施例1〜6〕、〔比較例1〜
4〕のサンプルテープの磁性層形成の際に使用した金属
磁性材料中の成分の種類と量について(表1)に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(表1)中の上記に示したそれぞれの脱酸
剤とCo以外の成分は、金属磁性材料中に含まれている
不純物である。
【0034】また、〔実施例1〜6〕においては、脱酸
剤として使用した材料が、金属磁性材料中に極力残らな
いようにするため、それぞれの脱酸剤に合わせた溶解時
間の長さを設定するとともに、投入を少量ずつ繰り返し
ながら、金属磁性材料中の脱酸剤の量を調整した。
【0035】一方、〔比較例1〜4〕においては、上記
調整は行わず、脱酸剤を溶解した金属磁性材料中に投入
し、一定時間後に溶解を終了させた。
【0036】ここで、金属磁性材料の組成の測定は、島
津製作所製IPC発光分光式測定器、および燃焼赤外線
吸収法等を用いて行った。なお、(表1)中のCoの成
分量は、金属磁性材料中の他の微量な不純物成分を差し
引いた値である。
【0037】上述のようにして作製した磁気記録媒体の
ドロップアウト、磁気特性の劣化、、エラーレート、お
よび電磁変換特性を測定する。
【0038】ドロップアウトの測定は、ソニー製DCR
−VX1000改造機を用い、再生出力レベルから、−
16dB20μsec以上の出力落ちをドロップアウト
として、30分間測定を行い、1分間当たりのドロップ
アウト数を求めた。この値は、磁気記録媒体の磁性層の
欠落や、大きな付着物等の有無を確認するのに有意な値
となる。また、一般的には、測定時間は10分間程度と
してその平均値を求めるが、本発明の実施例および比較
例においては、より広い面積での測定値をとることとし
たため、30分間の測定を行った。
【0039】また、磁気特性の劣化の測定は、ガス腐食
試験機を用いてSO2 ガス0.6ppmを含む35℃9
0%RH(相対湿度)雰囲気中で24時間保存後の磁気
特性(φs )の劣化量(Δφs )を、次式によって求め
た。ここで、φs1は、保存テスト前の測定値、φs2は、
保存テスト後の測定値を示す。 Δφs ={(φs1−φs2)/φs1}×100(%)
【0040】また、エラーレートの測定もソニー製DC
R−VX1000改造機を用いて測定した。エラーレー
トには、一般的に電磁変換特性の大小等に依存するラン
ダムエラーと呼ばれる1バイト(1バイト=8ビット)
以下の信号の欠落で発生するものがある。〔実施例1〜
6〕、〔比較例1〜4〕のサンプルテープにおいては、
使用した金属磁性材料の組成、非磁性支持体等、電磁変
換特性に影響を与えるものは同じものを使用しており、
ランダムエラーレートは、各比較例、実施例ともに同レ
ベルであると判断できる。さらに、磁性層の欠落や、付
着物のように比較的大きなものは、バーストエラーと呼
ばれるエラーで代表される。これは数バイト長のデータ
の欠落により発生するものと定義されるが、本発明にお
いては、このバーストエラーを含んだトータルエラー
(ランダムエラー+バーストエラー)として測定した。
【0041】電磁変換特性についてもソニー製DCR−
VX1000改造機を用いて測定した。電磁変換特性の
値は、〔比較例1〕での再生出力(1/2T:λ=0.
5μm)を0dBとした相対値として表す。
【0042】上述のようにして測定したドロップアウ
ト、磁気特性の劣化、エラーレートおよび電磁変換特性
の測定結果を、以下の(表2)に示す。
【0043】
【表2】
【0044】これによれば、〔実施例1〜6〕は、(表
1)に示したように磁性薄膜を形成する金属磁性材料の
脱酸剤として使用した材料の、金属磁性材料中の残存量
を0.06重量%以下とした場合であるが、これらにお
いては、電磁変換特性、ドロップアウト、磁気特性およ
びエラーレートのそれぞれについて、良好な値が得られ
た。
【0045】また、脱酸剤として使用した材料の金属磁
性材料中の含有量の総量が各実施例に見られるように、
より小さいほどエラーレートが良好な値となる傾向があ
る。これは金属磁性材料中の不純物量が小さいため、蒸
着時に発生するスプラッシュやドロップアウトが少なく
なることに起因しているものである。これらの結果か
ら、脱酸剤として使用した材料の金属磁性材料中の残存
量は、0.06重量%以下であることが良く、さらには
0.03重量%以下であることが望ましいことがわか
る。
【0046】一方、〔比較例1〜4〕においては、磁性
薄膜を形成する磁性材料の脱酸剤として使用した材料
の、金属磁性材料中の残存量を0.06重量%より多く
した場合であるが、これらにおいては、ドロップアウ
ト、磁気特性およびエラーレートのそれぞれについて、
良好な値が得られないことがわかる。
【0047】これは、脱酸剤として使用した材料の金属
磁性材料中の残存量が多いと、蒸着時にスプラッシュを
引き起こす原因となるため、ドロップアウトの増加やエ
ラーレートの劣化を発生させるからである。特に〔比較
例2〕においては、上述したように脱酸剤としてAlを
使用したため、金属磁性材料中に酸化物として存在する
Alが、金属磁性材料を溶解したときに表面に浮遊し、
蒸着時にルツボの表面にAl酸化物が表面に膜をはった
ように存在し、EBガンのビームパワーを通常よりも多
く投入しないと蒸着ができないという不都合が生じる。
【0048】さらに〔比較例3〕においては、脱酸剤と
して使用した材料の金属磁性材料中の残存量が多いた
め、蒸着を開始するためにルツボの中の金属磁性材料を
溶解する際、スプラッシュが頻発し、安定状態になるま
でに時間がかかった。また、蒸着中の金属磁性材料を供
給する際にスプラッシュが発生する頻度が高く、磁性層
に微小な欠落等を生じる原因となり、磁気記録媒体の特
性に問題がある。
【0049】上述したように、本発明においては、非磁
性支持体上に、真空蒸着により磁性薄膜を形成する金属
薄膜型磁気記録媒体において、磁性薄膜を形成する金属
磁性材料の脱酸剤として使用した材料の、金属磁性材料
中の残存量を0.06重量%以下としたことにより、電
磁変換特性に優れ、ドロップアウト、磁気特性の劣化が
少なく、エラーレートの小さな磁気記録媒体を実現する
ことができた。
【0050】本発明に用いられる金属磁性材料として
は、通常の蒸着テープに使用されるCoが99%以上の
ものであればいかなるものであってもよい。Coはより
純度が高い方が磁気特性、電磁変換特性に優れた値を示
す。Coの他の成分はMn、Mo、Cr、Cu、Ti、
Ta、Al等が挙げられる。これらの組成の単層膜であ
ってもよいし、多層膜であっても良い。さらには、非磁
性支持体と金属磁性薄膜間、あるいは多層膜の場合に
は、各層間の付着力の向上、ならびに保磁力の制御のた
め、下地層または中間層を設けてもよい。また、例えば
磁性層表面近傍の耐蝕性改善のため、酸化物となるよう
にしてもよい。
【0051】金属磁性薄膜の形成手段としては、真空下
で強磁性金属材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体上に被
着させる真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中
で行うイオンプレーティング法、物理的気相成長法、い
わゆるPVD法が挙げられる。
【0052】また、強磁性金属薄膜上には保護膜を形成
することができる。この保護膜の材料としては、通常用
いられている例えばカーボン、CrO2 、Al2 3
BN、Co酸化物、MgO、SiO2 、Si3 4 、S
iNx 、SiC、SiNx −SiO2 、ZrO2 、Ti
2 、TiC等が挙げられる。また、この保護膜は、単
層膜とすることも多層膜や金属との複合膜とすることも
できる。
【0053】また、非磁性支持体としては、従来公知の
ものがいずれも使用することができるが、例えばポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースジアセテート、セルロース
アセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド等のプラスチック、紙、アルミニウム、銅等に金属、
アルミニウム合金、チタン合金等の軽金属、セラミック
ス単結晶シリコン等によって構成することができる。
【0054】なお、非磁性支持体の形態としては、フィ
ルム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等と
することができる。
【0055】本発明にかかる上述した例の磁気テープの
構成は、これに限定されるものではなく、種々の変更が
可能である。例えばバックコート層を形成したり、非磁
性支持体上に下塗層を形成したり、潤滑剤、防錆剤等の
層を形成することができる。この場合、バックコート層
に含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤、あるいは潤滑剤、
防錆剤に含まれる材料としては、従来公知のものをいず
れも使用することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、非磁性支持体上に、真
空蒸着により磁性薄膜を形成する金属薄膜型磁気記録媒
体において、磁性薄膜を形成する金属磁性材料の脱酸剤
として使用した材料の、金属磁性材料中の残存量を0.
06重量%以下としたことにより、電磁変換特性に優
れ、ドロップアウト、磁気特性の劣化が少なく、エラー
レートの低減化が図られる。従って磁気記録媒体の歩留
りの向上を図ることができて、コストの低減化を実現す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の作製に用いる連続巻き取り式真
空蒸着装置の一例の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1 真空室、2 非磁性支持体、3 送りロール、4
巻き取りロール、5 冷却キャン、6、7 ガイドロー
ル、8 ルツボ、9 金属磁性材料、10 電子銃、1
3 シャッター、14 酸素ガス導入管、15、16
排気口、21 磁性材料供給機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、真空蒸着金属磁性薄
    膜が形成された金属薄膜型磁気記録媒体の、上記金属磁
    性薄膜を構成する金属磁性材料において、 脱酸剤として使用した材料の、上記金属磁性材料中の残
    存量を、0.06重量%以下としたことを特徴とする金
    属薄膜型磁気記録媒体用の金属磁性材料。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に、真空蒸着金属磁性薄
    膜が形成された金属薄膜型磁気記録媒体において、 上記金属磁性薄膜を形成する金属磁性材料の脱酸剤とし
    て使用した材料の、金属磁性材料中の残存量を、0.0
    6重量%以下としたことを特徴とする金属薄膜型磁気記
    録媒体。
JP15711896A 1996-06-18 1996-06-18 金属磁性材料とこれを用いた金属薄膜型磁気記録媒体 Pending JPH104014A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4701110A (en) * 1985-05-20 1987-10-20 Diesel Kiki Co., Ltd. Swash-plate type rotary compressor with drive shaft, lubrication

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4701110A (en) * 1985-05-20 1987-10-20 Diesel Kiki Co., Ltd. Swash-plate type rotary compressor with drive shaft, lubrication

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