JPH09153220A - 磁気記録媒体の製造方法及びこれによって製造された磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及びこれによって製造された磁気記録媒体

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JPH09153220A
JPH09153220A JP31333795A JP31333795A JPH09153220A JP H09153220 A JPH09153220 A JP H09153220A JP 31333795 A JP31333795 A JP 31333795A JP 31333795 A JP31333795 A JP 31333795A JP H09153220 A JPH09153220 A JP H09153220A
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magnetic
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metal
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Jota Ito
条太 伊藤
Tsutomu Takeda
勉 武田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着により非磁性支持体上に金属磁性薄
膜を蒸着するに際して、磁気特性、電磁変換特性に優
れ、かつ安価な磁気記録媒体を製造する方法とこれによ
って製造された磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 真空蒸着により非磁性支持体2上に金属
磁性薄膜を成膜するに際して、鉄が0.1〜3重量%含
まれる金属磁性材料9を使用する。これにより、鉄を
0.1〜3重量%含有する金属磁性薄膜が成膜された磁
気記録媒体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空蒸着により非
磁性支持体上に磁性層となる金属磁性薄膜を成膜する磁
気記録媒体の製造方法に関し、またこれによって製造さ
れる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末、或いは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等
の有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾
燥することにより作製される塗布型の磁気記録媒体が広
く使用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によってポリエステルフィルムやポリアミド、
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁
力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れる
ばかりでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くできるた
め、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、
磁性層中に非磁性材であるバインダーを混入する必要が
無いため、磁性材料の充填密度を高めることができるこ
となど、数々の利点を有している。
【0005】さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換
特性を向上させ、より大きな出力を得ることが出来るよ
うにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−1700
09号公報では、磁性層を形成するために用いられる金
属磁性材料として、鉄を5〜10重量%含有させたもの
が提案されている。ここでは、鉄を5〜10重量%含有
させることで合金加工性を向上させ、十分な磁気特性を
持たせることが出来ることが示されている。また、特開
平2−44517号公報では、磁性層が鉄窒素系と酸化
鉄系の混合合金から構成されることにより、十分な耐久
性が確保されることが開示されている。
【0007】しかしながら、Co、或いはCo−Ni系
合金よりなる金属磁性薄膜においては、鉄が不純物元素
となるため、上記の金属磁性薄膜では、近年の電磁変換
特性をはじめとする特性向上の要求に対して、十分に応
えられるものではない。
【0008】金属磁性薄膜中の鉄をはじめとする各種の
不純物元素の含有量を低減させることにより特性を向上
させることが可能になると考えられるが、純度が高い金
属磁性材料を用いれば、その分材料コストを増大させる
ことになる。
【0009】そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、真空蒸着により非磁性支持
体上に金属磁性磁性薄膜を形成するに際して、材料コス
トを低く抑え、かつ磁気特性、電磁変換特性に優れた磁
気記録媒体を製造する方法を提供することを目的とし、
これによって製造された磁気記録媒体を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体の製造方法は、上述の目的を達成するために提案され
たものであり、真空蒸着により非磁性支持体上に金属磁
性薄膜を成膜するに際して、鉄が0.1〜3重量%含ま
れる金属磁性材料を用いて蒸着を行うものである。
【0011】ここで金属磁性材料としては、Co、或い
はCo−Ni系合金を主体としたものが好適である。
【0012】また、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜が成膜されたも
のであって、該金属磁性薄膜中に、鉄が0.1〜3重量
%含まれるものである。
【0013】真空蒸着によって成膜された金属磁性薄膜
の組成は、その原料となる金属磁性材料の組成を反映す
る。即ち、本発明に係る磁気記録媒体は、上述した製造
方法によって得ることが出来る。
【0014】ここで、 金属磁性薄膜は、主にCo、或
いはCo−Ni系合金よりなるものが好適である。
【0015】本発明に係る製造方法によれば、鉄が0.
1〜3重量%含まれる金属磁性材料を蒸着に使用するこ
とにより、材料コストを低く抑えることが出来る。
【0016】また、本発明に係る製造方法による磁気記
録媒体は、磁気特性、電磁変換特性に優れたものとな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を適用した実施の形態につ
いて説明する。
【0018】先ず、この実施の形態において金属磁性薄
膜を蒸着するために使用した真空蒸着装置について説明
する。
【0019】図1に示すように、この製造装置において
は、頭部と底部にそれぞれ設けられた排気口15から排
気されて内部が真空状態とされた真空室1内に、図中の
時計回り方向に定速回転する送りロール3と、図中の時
計回りに定速回転する巻取りロール4とが設けられ、こ
れら送りロール3から巻取りロール4にテープ状の非磁
性支持体2が順次走行するようになされている。
【0020】これら送りロール3から巻取りロール4に
上記非磁性支持体2が走行する中途部には、上記各ロー
ル3、4の径よりも大径となされた冷却キャン5が設け
られている。この冷却キャン5は、非磁性支持体2を図
中下方に引き出すように設けられ、図中の時計回り方向
に定速回転する構成とされる。尚、上記送りロール3、
巻取りロール4、及び冷却キャン5は、それぞれ非磁性
支持体2の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすもので
ある。また上記冷却キャン5には、内部に図示しない冷
却装置が設けられ、非磁性支持体2の温度上昇による変
形などを抑制し得るようになされている。
【0021】従って、非磁性支持体2は、送りロール3
から順次送り出され、さらに冷却キャン5の周面を通過
し、巻取りロール4に巻取られていくようになされれて
いる。尚、送りロール3と冷却キャン5との間、及び冷
却キャン5と巻取りロール4との間にはそれぞれガイド
ロール6、7が配設され、送りロール3から冷却キャン
5及び冷却キャン5から巻取りロール4にわたって走行
する非磁性支持体2に所定のテンションをかけ、該非磁
性支持体2が円滑に走行するようになされている。また
上記真空室1内には、ルツボ8が冷却キャン5の下方に
設けられ、このルツボ8内に金属磁性材料9のインゴッ
トが充填されている。そして、この蒸着時には、ルツボ
8内の金属磁性材料9が消費されるため、順次、ルツボ
8内に金属磁性材料9を供給する必要がある。ここで
は、ルツボ8に、ペレット供給機構21から順次金属磁
性材料9のペレットが供給されている。ペレットの形状
は、例えば直径が10mmで長さが10mmの円筒状を
している。なお、供給される金属磁性材料9の形状やサ
イズは任意であり、ワイヤ状、丸棒状であっても良い。
【0022】また、この時、ルツボ容積は、熱容量が大
きくなることで後から供給されるペレットとの間で発生
される熱変化を出来るだけ小さくした方が良いといった
観点から、大きくした方が好ましい。
【0023】一方、上記真空室1の側壁部には、ルツボ
8内に充填された金属磁性材料9を加熱蒸発させるため
の電子銃10が取り付けられる。電子銃10は、この電
子銃10より放出される電子線Xがルツボ8内の金属磁
性材料9に照射出来るような位置に配設される。そし
て、この電子銃10によって蒸発した金属磁性材料9
が、上記冷却キャン5の周面を定速走行する非磁性支持
体2上に磁性層として被着形成されるようになってい
る。また、シャッター13は、冷却キャン5とルツボ8
との間にあって、冷却キャン5の周面を定速走行する非
磁性支持体2の所定領域を覆う形で形成される。このシ
ャッター13により蒸発せしめられた金属磁性材料9
は、非磁性支持体2に対して所定の角度範囲で斜めに蒸
着されるようになっている。更に、このような蒸着に際
し、上記真空室1内の側壁部を貫通して設けられる酸素
ガス導入口14を介して非磁性支持体2の表面に酸素ガ
スが供給され、磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が図
られている。
【0024】本実施の形態においては、金属磁性材料9
としてCo,或いはCo−Ni系合金を主体として、不
純物元素として鉄が0.1〜3重量%含まれるものを用
いる。
【0025】また、非磁性支持体2上の金属磁性薄膜
は、金属磁性材料9と略同じ組成で蒸着される。つま
り、金属磁性薄膜中にも同様に鉄が0.1〜3重量%含
有される。
【0026】また、これら金属磁性材料9には、一度蒸
着材料として使用したものを回収し、再度溶融して蒸着
時に供給する形状に加工し直したものが使用できる。一
度蒸着したものを回収して再利用する場合、特に斜方蒸
着テープ用原料では、蒸着中に酸素ガスを導入しながら
連続蒸着を行うため、再利用する回収品は酸化した状態
となっており、この酸素濃度を実用上問題とならないレ
ベルまで低く抑える必要がある。この手法として、一般
的に真空中での溶融を行うとともに炭素やシリコン等の
脱酸剤を溶融中に投入し酸素を取り除く手法を取るが、
今回はこの材料として炭素とアルミニウムを用いた。金
属磁性材料の純度を上げるために、溶融時間を長くする
が、これら脱酸剤を使用することで溶融時間を短くする
ことが出来る。しかし、これら脱酸剤の使用はそれ自体
が不純物となるため、これらを少なくするために最適添
加量が決定される。
【0027】また、ルツボ周辺の蒸着機内壁や構造物に
付いた付着物をかき落とす際、蒸着機構造物からの若干
の脱落や剥離等により付着物に鉄や銅等が含まれる。こ
れが不純物の増加につながる。銅やアルミニウムは、再
溶融時にCoやNiとの分離が比較的容易であり、不純
物として存在する量は鉄に比べてかなり小さく抑えるこ
とが出来る。鉄は、再溶融時にCoやNiとの分離が困
難なため、再生金属材料中に不純物として存在すること
になる。しかし、本発明においては、再生金属磁性材料
中に規定量内の鉄が含有されても、テープ特性を損なわ
ず、再生金属磁性材料の利用効率が上げることが出来
る。
【0028】ところで、上述のインゴット及びペレット
を構成する材料は、通常、磁気記録媒体の磁性層を形成
するために使用されるものであれば如何なるものであっ
てもよい。例示すれば、Co,Niなどの強磁性金属材
料、Co−Ni,Co−Cu,Co−Au,Co−P
t,Co−Cr,Ni−Cr,Co−Ni−Cr等の強
磁性合金材料が挙げられる。なお、蒸着される金属磁性
薄膜は、このような金属磁性材料を用いて、単層膜を形
成してもよいし、多層膜を形成してもよい。
【0029】また、このような金属磁性薄膜が蒸着され
る非磁性支持体としては、ポリエステル類、ポリオレフ
ィン類、セルロース類、ビニル類、ポリイミド類、ポリ
カーボネート類に代表されるような高分子材料によって
形成される高分子基板や、アルミニウム合金、チタン合
金からなる金属基板、アルミガラス等のセラミックス基
板、ガラス基板等が挙げられ、その形状も何等限定され
ない。但し、本発明を適用して磁気テープを製造する場
合には、非磁性支持体として、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ア
ラミドフィルム等を用いて好適である。また、これらの
フィルムには、表面粗度を制御するためにフィラーが内
添されていてもよいし、表面に表面粗度を制御するため
の層が形成されていてもよい。
【0030】さらに、非磁性支持体と金属磁性薄膜間、
あるいは、金属磁性薄膜が多層膜よりなる場合には、各
層間の付着力向上、並びに抗磁力の制御等のため、下地
層または、中間層を設けてもよい。また、例えば、磁性
層表面近傍が耐蝕性改善等のために酸化物となっていて
もよい。
【0031】また、金属磁性薄膜上には保護膜層が形成
されてもよく、この材料としては、通常の金属磁性薄膜
用の保護膜として一般に使用されるものであれば如何な
るものであってもよい。例示すれば、カーボンの他、C
rO2 、Al23 、BN、Co酸化物、MgO、Si
2 、Si34 、SiNx 、SiC、SiNx −Si
2 、ZrO2 、TiO2 、TiC等があげられる。こ
れらの単層膜であってもよいし多層膜、あるいは複合膜
であってもよい。
【0032】もちろん、本発明を適用して製造される磁
気記録媒体の構成はこれに限定されるものではなく、必
要に応じて非磁性支持体上に下塗層が形成されたり、非
磁性支持体における金属磁性薄膜が蒸着された面とは反
対側の主面にバックコート層を設けたり、金属磁性薄膜
または保護膜表面に潤滑剤や防錆剤等よりなるトップコ
ート層を形成したりしてもよい。
【0033】
【実施例】以下、実際に上述した実施の形態を適用し
て、非磁性支持体2上に、Co、或いはCo−Ni系合
金を主体とする金属磁性薄膜を蒸着して磁気テープを作
製した例について説明する。
【0034】実施例1 まず、厚さ10μm、幅150mmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムを用意し、このフィルムの表面粗度
を調整するために、アクリル酸エステルを主成分とする
水溶性ラテックスを塗布して下塗り層を形成した。これ
によって、表面に1000万個/mm2なる突起密度が
形成された。これを非磁性支持体2とする。
【0035】そして、前述した真空蒸着室の真空室1を
真空度7×10-2Paに保ちながら、真空室1内にガス
導入口14により酸素ガスを250cc/minの割合
で導入し、上記の非磁性支持体2を25m/分なる速度
にて冷却キャン5の周面上を走行させた。
【0036】また、ルツボ8内では、表1に示されるよ
うな組成を有するCo−Ni系合金からなるインゴット
を十分に溶融させ、得られた金属磁性材料9を蒸発させ
た。
【0037】なお、ペレットとして供給する金属磁性材
料9の組成は、インゴットと同様である。
【0038】
【表1】
【0039】合金組成の測定は島津製作所製 ICP発
光分光式測定器、及び、燃焼赤外線吸収法等を用いて行
った。なお、Coの成分は、Ni及び他の微量な不純物
成分を差し引いた値である。
【0040】そして、この蒸気を入射角度が45°〜9
0°となるようにして非磁性支持体2に被着させ、金属
磁性薄膜を200nmなる厚さに蒸着した。
【0041】この蒸着に際しては、ルツボ8内の金属磁
性材料9が消費されるため、順次、ペレット供給手段2
1からペレットが補給されることとなる。
【0042】このようにして、非磁性支持体2上に金属
磁性薄膜の蒸着を行った後、非磁性支持体2の金属磁性
薄膜形成面とは反対側の面に、カーボンとウレタン系結
合剤を主体とするバックコート層を0.6μmなる厚さ
に形成した。さらに、金属磁性薄膜上には、パーフルオ
ロポリエーテルよりなるトップコート層を形成した。そ
して、これを8mm幅に裁断して磁気テープとし、実施
例1のサンプルテープを得た。
【0043】実施例2〜実施例5 表1に示されるような組成を示す、鉄の含有量が0.1
〜3重量%である金属磁性材料9を用いて、実施例1と
同様に蒸着を行い、サンプルテープを作製した。
【0044】比較例1〜比較例2 ここでは、比較のため、表1に示されるように非常に不
純物濃度が低く、鉄の含有量が0.1重量%未満と極め
て少ない金属磁性材料9を用いて、実施例1と同様に蒸
着を行い、サンプルテープを作製した。ここで用いた金
属磁性材料9に含まれる鉄及びその他不純物濃度が非常
に低いのは、該金属磁性材料9を作製するに際し、原料
にCo、Niの純度が高いものを使用しているためであ
る。なお、純度を上げるために、真空中での溶融を何度
も繰り返したり、溶融時間を非常に長くすることが行わ
れている。
【0045】比較例3〜比較例4 さらにここでは、比較のため、表1に示されるように不
純物濃度が高く、鉄の含有量が3重量%以上の金属磁性
材料9を用いて、実施例1と同様に蒸着を行い、サンプ
ルテープを作製した。
【0046】特性の評価 以上のようにして作製された実施例1〜実施例5と比較
例1〜比較例4のサンプルテープについて、それぞれ電
磁変換特性、及び磁気特性劣化の測定と、テープコスト
の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】電磁変換特性の測定は、ソニー製EVーS
900改造機を用いた。電磁変換特性は、一般的にCo
の組成比率が増加するに従い向上するが、その度合いは
Co80−Ni20重量%をリファレンスレベル(0d
B)とすると、Co90重量%で約1dB、Co99.
9重量%で約2dBの向上となることが確認されてお
り、この結果を踏まえて検討する必要がある。今回は、
各Co−Niの組成比が略等しい比較例をリファレンス
(0dB)として比較を行った。また、テープコストの
比較も同様にして行った。(例えばCoの組成が約90
重量%である実施例1のサンプルテープについては、C
oの組成が約90重量%である比較例2のサンプルテー
プと比較した。)磁気特性の劣化の測定は、ガス腐食試
験器を用い、SO2ガス0.6ppmを含む、温度35
℃、相対湿度90%RH雰囲気中で24時間保存後の磁
気特性(φs)の劣化量(Δφs)を測定し、次式
(1)より求めた。
【0049】 Δφs=(φs−φs’)/φs×100 (%) ・・・(1) φs :保存テスト前測定値 φs’:保存テスト後測定値 表2に示されるように、比較例1と比較例2では、電磁
変換特性、及び磁気変換特性に優れるが、純度が高いた
めテープコストが高いものとなっている。比較例3と比
較例4では、金属磁性材料9に不純物濃度が高いものを
使用しているため、テープコストは低いものの、電磁変
換特性、及び磁気特性の劣化を見ると、他に比べ問題と
なるレベルである。実施例1〜実施例5では、それぞれ
のCo−Ni組成比で比較すると電磁変換特性、及び電
磁変換特性の劣化もほとんどなく、問題ないレベルと判
断でき、テープコストも低い。このことから、金属磁性
薄膜中、及び金属磁性薄膜中に含まれる鉄は、0.1〜
3重量%の範囲が好ましく、0.1〜1重量%の範囲が
より好ましいことがわかる。
【0050】上述した製造方法によれば、鉄が0.1〜
3重量%含まれる金属磁性材料9を蒸着に使用すること
により、テープコストを低く抑えることが出来る。
【0051】また、上述した製造方法により作製された
磁気テープは、テープコストが低く、かつ磁気特性、電
磁変換特性に優れたものとなる。
【0052】
【発明の効果】本発明を適用した製造方法によれば、鉄
が0.1〜3重量%含まれる金属磁性材料を蒸着に使用
することにより、材料コストを低く抑えることが出来
る。
【0053】また、本発明に係る製造方法を適用して製
造された磁気記録媒体は、材料コストが低く、かつ磁気
特性、電磁変換特性に優れたものとなる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性薄膜を形成するための蒸着装置の構成を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 真空室 2 非磁性支持体 3 送りロール 4 巻取りロール 5 冷却キャン 6 ガイドロール 7 ガイドロール 8 ルツボ 9 金属磁性材料 10 電子銃 13 シャッター 14 酸素ガス導入口 15 排気口 21 ペレット供給機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 10/16 H01F 10/16 41/20 41/20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空蒸着により非磁性支持体上に金属磁
    性薄膜を成膜するに際して、蒸着に使用する金属磁性材
    料に鉄が0.1〜3重量%含まれることを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属磁性材料がCo、或いはCo−Ni
    系合金を主体とすることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に、磁性層として金属磁
    性薄膜が成膜されてなる磁気記録媒体において、 前記金属磁性薄膜中に鉄が0.1〜3重量%含まれるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 金属磁性薄膜が主にCo、或いはCo−
    Ni系合金よりなることを特徴とする請求項3記載の磁
    気記録媒体。
JP31333795A 1995-11-30 1995-11-30 磁気記録媒体の製造方法及びこれによって製造された磁気記録媒体 Pending JPH09153220A (ja)

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