JPH1180757A - 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物 - Google Patents

燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物

Info

Publication number
JPH1180757A
JPH1180757A JP24818597A JP24818597A JPH1180757A JP H1180757 A JPH1180757 A JP H1180757A JP 24818597 A JP24818597 A JP 24818597A JP 24818597 A JP24818597 A JP 24818597A JP H1180757 A JPH1180757 A JP H1180757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel oil
carbon atoms
acid
group
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24818597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3948070B2 (ja
Inventor
Koji Sawamura
孝司 沢村
Shinya Nishioka
伸也 西岡
Masahiro Fukumoto
雅弘 福本
Koji Ishizaki
孝治 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP24818597A priority Critical patent/JP3948070B2/ja
Publication of JPH1180757A publication Critical patent/JPH1180757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3948070B2 publication Critical patent/JP3948070B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料油の低温特性、すなわち目詰まり点や流
動点の改善及び徐冷下における析出ワックスの燃料油中
での分散性の改善をもたらすと共に、溶解性に優れた燃
料油用流動性向上剤、及びそれを含有する燃料油組成物
を提供する。 【解決手段】 (A)アミド化合物とアルキレンオキシ
ドとの反応生成物1〜99重量%と、(B)(イ)不飽
和多価カルボン酸又はその酸無水物とα−オレフィンと
の共重合体と第一級アミンとの反応生成物及び/又は
(ロ)特定の単量体から得られた数平均分子量1000
〜100000の重合体99〜1重量%とを含有する燃
料油用流動性向上剤、及び中間留出油又は中間留出油と
残渣油との混合物に対し、上記流動性向上剤0.0001
〜0.1重量%を含有させてなる燃料油組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油用流動性向
上剤及び燃料油組成物に関する。さらに詳しくは、本発
明は、燃料油の低温特性、すなわち目詰まり点や流動点
の改善及び徐冷下における析出ワックスの燃料油中での
分散性の改善をもたらすとともに、燃料油に対する溶解
性に優れた燃料油用流動性向上剤、及びそれを含有する
燃料油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、原油の重質化や灯油の需要増大な
どに伴い、燃料油の性状は、蒸留沸点範囲が狭く重質化
する傾向にある。その上、減圧蒸留残渣油など、重質油
の熱分解又は接触分解により得られた分解油留分の使用
により、燃料油基材が多様化し、燃料油の低温性状が大
きく変化してきている。このような燃料油基材は、一般
に長鎖のn−パラフィンを多量に含んでいるため、燃料
油中でのn−パラフィンの析出温度が高くなり、したが
って曇り点(Cloud Point)が高く、また、析出するワッ
クス量が多くなるので、燃料油系内のフィルターや配管
の目詰まりを起こしたり、送油パイプを閉塞させるなど
のトラブルが生じる可能性が高くなってきている。さら
には、タンカーなどでの輸送時あるいはタンク貯蔵時
に、高い温度でワックスが析出し、析出したワックスが
タンク底部に沈降して、圧密なワックス層を形成すると
いった問題も生じている。
【0003】したがって、このような問題点を解決する
ために、これまで多くの燃料油添加剤が提案されてい
る。例えばエチレン−プロピレンコポリマー(特公昭6
0−35396号公報,特開昭60−137997号公
報)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(米国特許第2
048479号明細書,特開昭55−137193号公
報)などのエチレン性単量体からなるポリマー型添加剤
が提案されている。しかしながら、これらのポリマー型
添加剤は、上述のような燃料油に対して、流動点(Pour
Point)を改善する効果を有するものの、目詰まり点
(Cold Filter Plugging Point)、あるいはワックスの
沈降性を改善することができない。また、目詰まり点を
改善するために、例えば芳香族ジカルボン酸のアミド・
アミン塩とエチレン−酢酸ビニルコポリマー又はエチレ
ン−プロピレンコポリマーとの組み合わせ(特開昭56
−92996号公報,同58−1792号公報)、芳香
族ジカルボン酸のアミド・アミン塩と特定のポリエステ
ル化合物との組み合わせ(特開平6−49464号公
報)など、併用タイプの添加剤が開示されている。しか
しながら、これらの添加剤は、目詰まり点や流動点に対
して効果はあるものの、曇り点が上昇したり、析出した
ワックスが沈降しやすいなどの欠点を有している。
【0004】さらに、このワックスの沈降性を改良する
ために、アルケニルコハク酸アミド(特開昭56−43
391号公報)やポリオキシアルキレンエステル(特開
昭57−177092号公報,米国特許第446418
2号明細書)などの界面活性剤型の燃料油添加剤やエチ
レン−酢酸ビニルコポリマーとアルケニルコハク酸アル
キルエステルとの組み合わせからなる併用タイプの添加
剤(英国特許第2129012号明細書)、さらには、
ポリアルキレンポリアミン−α,ω−ビス脂肪酸アミド
のアルキレンオキシド付加物と脂肪酸との反応によるア
ミドエステルと、エチレン−酢酸ビニルコポリマー又は
アルキル(メタ)アクリレートなどとの組み合わせ(特
公平7−47742号公報)などが提案されている。し
かしながら、これらは、目詰まり点,流動点及びワック
ス沈降性についてはある程度効果を有するものの、燃料
油に対する溶解性に劣り、例えば冬季燃料油タンクに添
加する際に析出物が生成するなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな沸点範囲の狭い燃料油に対して不充分であった低温
特性、すなわち目詰まり点や流動点の改善及び徐冷下に
おける析出ワックスの燃料油中での分散性の改善をもた
らすとともに、燃料油に対する溶解性に優れた燃料油用
流動性向上剤、及びそれを含有する燃料油組成物を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優
れた性能を有する燃料油用流動性向上剤を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、分子内に活性水素を少なくとも一
つ有するアミド化合物とアルキレンオキシドとの反応生
成物と特定の重合体とを、それぞれ所定の割合で含有す
るものが、燃料油用流動性向上剤として、その目的に適
合しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち、本発明は、(A)
分子内に活性水素を少なくとも一つ有するアミド化合物
とアルキレンオキシドとの反応生成物1〜99重量%
と、(B)(イ)不飽和多価カルボン酸又はその酸無水
物とα−オレフィンとを必須単量体成分とする共重合体
と第一級アミンとの反応生成物及び/又は(ロ)一般式
(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R
2 は水素原子,メチル基,ビニル基又はアルキル基の炭
素数が1〜30のアルキルカルボニルオキシ基を示
す。)で表される不飽和化合物及び一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R3 は水素原子,炭素数1〜30
のアルキル基又は炭素数2〜30のアルケニル基、R4
は水素原子又はメチル基、R5 は炭素数2〜30のアル
キル基,炭素数2〜30のアルケニル基,炭素数6〜5
0のアリール基又はアルキル基の炭素数が1〜30のア
ルコキシカルボニル基を示す。)で表される不飽和化合
物の中から選ばれた少なくとも一種の単量体から得られ
た数平均分子量1000〜100000の重合体99〜
1重量%とを含有することを特徴とする燃料油用流動性
向上剤を提供するものである。ここで、上記(A)成分
の好適なものの一例として、アミド化合物のアルキレン
オキシド付加物と架橋化剤との反応生成物を挙げること
ができる。また、本発明は、中間留出油又は中間留出油
と残渣油との混合物に対し、上記の燃料油用流動性向上
剤0.0001〜0.1重量%を含有させてなる燃料油組成
物をも提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の燃料油用流動性向上剤
(単に流動性向上剤ということがある。)においては、
(A)成分として、分子内に活性水素を少なくとも一つ
有するアミド化合物とアルキレンオキシドとの反応生成
物が用いられる。この反応生成物は、カルボン酸とアン
モニア又はアミン化合物との反応により得られるアミド
化合物に、アルキレンオキシドを付加させることにより
得られる化合物である。ここで、上記カルボン酸として
は特に制限はなく、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐
飽和脂肪酸,脂環式モノカルボン酸,芳香族モノカルボ
ン酸,多価カルボン酸,置換基を有するカルボン酸な
ど、様々なものを用いることができる。炭素数8〜30
の直鎖若しくは分岐飽和脂肪酸の例としては、カプリル
酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチ
ン酸,ステアリン酸,アラキン酸,ベヘン酸,モンタン
酸,メリシン酸及びこれらを含有する硬化牛脂脂肪酸,
硬化パーム油脂肪酸,硬化ナタネ油脂肪酸,硬化魚油脂
肪酸、これらを蒸留,分別して得られる脂肪酸、さらに
はα−オレフィンから誘導される合成脂肪酸などの直鎖
飽和脂肪酸、2−エチルヘキサン酸,ネオノナン酸,ネ
オデカン酸,イソノナン酸,イソトリデカン酸,イソパ
ルミチン酸,イソステアリン酸などの分岐飽和脂肪酸が
挙げられる。
【0012】脂環式モノカルボン酸の例としては、ヘキ
サヒドロ安息香酸,シクロヘキシルカプリン酸,ナフテ
ン酸などが挙げられ、芳香族モノカルボンの例として
は、安息香酸,メチル安息香酸,tert−ブチル安息
香酸,フェニルステアリン酸などが挙げられる。また、
多価カルボン酸の例としては、シュウ酸,マロン酸,マ
レイン酸,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,フタル
酸,メチルコハク酸,アゼライン酸,トルエンジカルボ
ン酸,ベンゼンテトラカルボン酸,アルキル又はアルケ
ニルコハク酸,オレイン酸二量化物などが挙げられ、置
換基を有するカルボン酸の例としては、ヒドロキシステ
アリン酸やエポキシ化ステアリン酸などのオキシカルボ
ン酸などが挙げられる。これらのカルボン酸は単独で用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、
特に炭素数12〜24の直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
【0013】また、このカルボン酸と反応させるアミン
化合物としては特に制限はなく、モノアルキルアミン,
アミノアルコール,ポリアミンなど様々な化合物を用い
ることができる。モノアルキルアミンの例としては、オ
クチルアミン,デシルアミン,ドデシルアミン,ヘキサ
デシルアミン,オクタデシルアミン,エイコシルアミ
ン,ドコシルアミン,牛脂硬化アルキルアミンなどが、
アミノアルコールの例としては、モノエタノールアミ
ン,ジエタノールアミン,モノイソプロパノールアミ
ン,ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。ま
た、ポリアミンの例としては、エチレンジアミン,ジエ
チレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエ
チレンペンタミン,ペンタエチレンヘキサミン,プロピ
レンジアミン,イソプロピレンジアミン,ジプロピレン
トリアミン,ジイソプロピレントリアミン,ブチレンジ
アミン,ジブチレントリアミン,ジイソブチレントリア
ミン,ジペンチレントリアミン,テトラメチレンジアミ
ン,ヘキサメチレンジアミン,オレイルアミノプロピル
アミン,ベヘニルアミノプロピルアミン,ポリエチレン
イミンなどが挙げられる。これらのアミン化合物は単独
で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい
が、特にジエタノールアミン,ジイソプロパノールアミ
ンなどのアミノアルコールやエチレンジアミン,ジエチ
レントリアミン,トリエチレンテトラミンなどのポリア
ミンが好ましい。
【0014】本発明においては、分子内に活性水素を少
なくも一つ有するアミド化合物として、前述のカルボン
酸とアンモニア又は上記アミン化合物とを反応させたも
のが用いられるが、その反応の際に尿素などの架橋化剤
を用いて得られた架橋アミド化合物も用いることができ
る。一方、上記アミド化合物に付加反応させるアルキレ
ンオキシドとしては、炭素数2〜4のもの、例えばエチ
レンオキシド;プロピレンオキシド;1,2−ブチレン
オキシド;2,3−ブチレンオキシド;テトラヒドロフ
ラン;グリシドールなどが好ましく挙げられる。これら
のアルキレンオキシドは単独で用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよいが、特にエチレンオキシ
ド;プロピレンオキシド;1,2−ブチレンオキシド及
び2,3−ブチレンオキシドが好ましい。このアルキレ
ンオキシドの前記アミド化合物に対する付加モル数は、
通常1〜50モルの範囲で選定される。この付加モル数
が1モル未満では得られる流動性向上剤の燃料油に対す
る溶解性が低下し、燃料油に添加した際に析出物が生成
するおそれがあり、一方、50モルを超えると低温特
性、すなわち目詰まり点や流動点の改善効果が充分に発
揮されにくくなる。燃料油に対する溶解性及び低温特性
の改善効果などを考慮すると、アルキレンオキシドの好
ましい付加モル数は、1〜20モルの範囲である。ま
た、低温特性、すなわち目詰まり点(CFPP)をさら
に改善させることを目的とした場合、アミド化合物のア
ルキレンオキシド付加物と架橋化剤との反応生成物が特
に優れた効果を発現する。ここで架橋化剤としては、水
酸基と結合する反応基を2個以上有する化合物、例えば
エポキシ基,イソシアネート基,カルボキシル基を2個
以上有する化合物が挙げられる。具体的な架橋化剤の例
としては、トリレンジイソシアネート,キシリレンジイ
ソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,トリ
ジンジイソシアネートなどの多価イソシアネート化合
物、エチレングリコールジグリシジルエーテル,プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル,ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル,ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル,ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテルなどの多価エポキシ化合物、コハク酸,アジピン
酸,セバシン酸,オレイン酸二量体,マレイン酸,フタ
ール酸,テレフタール酸,トリメリット酸などの多価カ
ルボン酸、あるいは酸無水物が挙げられ、さらに架橋化
反応時の反応性を考慮した場合、これら多価カルボン酸
の酸ハライド、多価カルボン酸メチルエステルなどの低
級アルコールエステルなどを用いることができる。好ま
しい架橋化剤としては、炭素数2〜20の多価カルボン
酸あるいは酸無水物が挙げられ、さらに反応性を考慮し
た場合、そのメチルエステルが好ましい。
【0015】この(A)成分には、上記アルキレンオキ
シド付加アミド化合物の溶解性をさらに向上させる目的
で、所望により、炭素数8〜30程度の分岐脂肪酸や脂
肪族アミン塩などを添加することができる。この(A)
成分は、例えば前記カルボン酸とアンモニア又はアミン
化合物とを、従来公知の方法で脱水反応させて分子内に
活性水素を少なくとも一つ有するアミド化合物を生成さ
せたのち、水酸化カリウムなどの触媒の存在下、このア
ミド化合物に前記アルキレンオキシドを、100〜20
0℃程度の温度で付加反応させることにより、容易に製
造することができる。本発明の流動性向上剤において
は、この(A)成分は一種用いてもよく、二種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0016】一方、本発明の流動性向上剤において用い
られる(B)成分のうちの(イ)成分は、不飽和多価カ
ルボン酸又はその酸無水物とα−オレフィンとを必須単
量体成分とする共重合体と第一級アミンとの反応生成物
である。上記不飽和多価カルボン酸やその酸無水物とし
ては、炭素数4〜50、特に4〜30のものが好まし
く、その具体例としては、マレイン酸,イタコン酸,フ
マル酸,アコニット酸及びこれらの酸無水物などが挙げ
られる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよいが、特に無水マレイン酸が好適で
ある。また、α−オレフィンとしては、炭素数3〜5
0、特に4〜30の直鎖状又は分岐状のものが好まし
く、その具体例としては、プロピレン,1−ブテン,イ
ソブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,4−メチル−
1−ペンテン,1−ヘプテン,1−オクテン,1−ドデ
セン,1−オクタデセン,1−ノナデセン,1−エイコ
センなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独
で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。上記の不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物とα
−オレフィンとを必須単量体成分とする共重合体におい
ては、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物単位とα
−オレフィン単位とのモル比は、好ましくは1:9〜
8:2、より好ましくは2:8〜6:4の範囲である。
また、数平均分子量は500〜50000の範囲が好ま
しい。この数平均分子量が500未満では得られる流動
性向上剤を燃料油に添加した場合に、低温特性の改善効
果が充分に発揮されないおそれがあり、50000を超
えると低温特性の改善効果が低下するとともに、粘度上
昇によりハンドリング性が悪くなる傾向がみられる。低
温特性の改善効果及びハンドリング性などを考慮する
と、この数平均分子量のより好ましい範囲は、1000
〜30000である。
【0017】さらに、この共重合体には、上記不飽和多
価カルボン酸又その酸無水物単位とα−オレフィン単位
以外に、他の重合性モノマー単位、例えばアルキル(メ
タ)アクリレートやスチレン系化合物などの単量体単位
を、60モル%以下、好ましくは10〜50モル%の割
合で導入してもよい。上記アルキル(メタ)アクリレー
トは、アルキル基の炭素数が4〜30のものが好まし
く、その具体例としては、ブチル(メタ)アクリレー
ト,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート,デシル
(メタ)アクリレート,ドデシル(メタ)アクリレート
〔例えば、ラウリル(メタ)アクリレート〕,ヘキサデ
シル(メタ)アクリレート,オクタデシル(メタ)アク
リレート〔例えば、ステアリル(メタ)アクリレー
ト〕,エイコシル(メタ)アクリレート,ベヘニル(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。また、スチレン系
化合物としては、例えばスチレン;2−メチルスチレ
ン;4−メチルスチレン;2,5−ジメチルスチレン;
2−メトキシスチレン;4−メトキシスチレン;2,5
−ジメトキシスチレン;4−ブロモスチレン;4−クロ
ロスチレン;2,5−ジクロロスチレンなどが挙げられ
る。これらのモノマーは単独で用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよいが、特にアルキル基の炭素
数が12〜24のアルキル(メタ)アクリレートが好ま
しい。
【0018】本発明の流動性向上剤における(B)成分
のうちの(イ)成分は、上記共重合体と第一級アミンと
の反応物であり、分子内にイミド基を含有する重合体と
して得られる。この第一級アミンとしては、特に制限は
ないが、例えばメチルアミン,プロピルアミン,ブチル
アミン,オクチルアミン,ドデシルアミン,テトラデシ
ルアミン,ヘキサデシルアミン,オクタデシルアミン,
エイコシルアミン,ドコシルアミン,テトラトリアコン
チルアミン,ヘキサトリアコンチルアミンなどの炭素数
1〜50の第一級アルキルアミンを好ましいものとして
挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてよいが、特にドデシルアミ
ン,テトラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オクタ
デシルアミン,エイコシルアミンなどの炭素数10〜3
0の第一級アルキルアミンが好ましい。この(イ)成分
の製造方法については特に制限はなく、例えば、炭化水
素系などの適当な溶媒の存在下に、前記の不飽和多価カ
ルボン酸又はその酸無水物とα−オレフィンと所望によ
り用いられる他の単量体とをラジカル重合させて共重合
体を得たのち、これに、不飽和多価カルボン酸又はその
酸無水物1モル当たり、第一級アミンを、好ましくは0.
7〜1.2モルの割合で加えて70〜170℃程度の温度
において反応させ、共重合体内にイミド基を形成させる
ことにより、製造することができる。この不飽和多価カ
ルボン酸由来のカルボキシル基又は酸無水物基を含有す
る共重合体と第一級アミンとの反応では、通常はイミド
基が形成されるが、条件によってはイミド基と共にアミ
ド結合が形成されることもあるが、なんら差し支えな
い。
【0019】また、別の方法として、不飽和多価カルボ
ン酸又はその酸無水物と第一級アミンとを上記のモル比
で反応させて、まず、不飽和イミド化合物を形成させた
のち、これとα−オレフィン及び所望により用いられる
他の単量体とを共重合させてもよい。次に、本発明の流
動性向上剤における(B)成分のうちの(ロ)成分は、
一般式(I)
【0020】
【化5】
【0021】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R
2 は水素原子,メチル基,ビニル基又はアルキル基の炭
素数が1〜30のアルキルカルボニルオキシ基を示
す。)で表される不飽和化合物及び一般式(II)
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R3 は水素原子,炭素数1〜30
のアルキル基又は炭数2〜30のアルケニル基、R4
水素原子又はメチル基、R5 は炭素数2〜30のアルキ
ル基,炭素数2〜30のアルケニル基.炭素数6〜50
のアリール基又はアルキル基の炭素数が1〜30のアル
コキシカルボニル基を示す。)で表される不飽和化合物
の中から選ばれる少なくとも一種の単量体から得られた
数平均分子量1000〜100000の重合体である。
上記一般式(I)において、R2 のうちのアルキルカル
ボニルオキシ基(アシルオキシ基と同じ)(−OCO
R;Rはアルキル基)としては、アルキル基の炭素数が
1〜14のものが好ましい。このアルキル基にはハロゲ
ンなどの適当な置換基が導入されていてもよい。上記一
般式(I)で表される不飽和化合物の例としては、エチ
レン,プロピレン及びイソブチレンから選ばれたオレフ
ィン類、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,カプロン酸
ビニル,ネオノナン酸ビニル,ネオデカン酸ビニル,ヘ
キサデカン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ミリスチン酸
ビニル,ステアリン酸ビニル,モノクロロ酢酸ビニルな
どの飽和カルボン酸ビニル、イソプレン及びブタジエン
から選ばれたジエン類が挙げられる。これらの中で、特
にエチレン,プロピレン,炭素数2〜15の飽和カルボ
ン酸のビニルエステル,イソプレン及びブタジエンが好
ましい。
【0024】一方、一般式(II)において、R3 のうち
のアルキル基としては、炭素数1〜24のものが好まし
く、アルケニル基としては、炭素数2〜24のものが好
ましい。また、R5 のうちのアルキル基又はアルケニル
基としては、炭素数2〜24のものが、アリール基とし
ては、炭素数6〜20のものが好ましい。このアリール
基には、アルキル基,アルコキシル基,ハロゲンなどの
適当な置換基が導入されていてもよい。また、R5 のう
ちのアルキル基の炭素数が1〜30のアルコキシカルボ
ニル基(−COOR';R' はアルキル基)としては、ア
ルキル基の炭素数が8〜21のものが好ましい。この一
般式(II)で表される不飽和化合物の例としては、ブテ
ン,ペンテン,ヘキセン,メチルペンテン,ドデセン,
オクタデセン,ノナデセン,エイコセンなどのモノオレ
フィン類、ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート,デシル(メタ)アクリレ
ート,ドデシル(メタ)アクリレート〔例えば、ラウリ
ル(メタ)アクリレート〕,ヘキサデシル(メタ)アク
リレート,オクタデシル(メタ)アクリレート〔例え
ば、ステアリル(メタ)アクリレート〕、ミリスチル
(メタ)アクリレート,ベヘニル(メタ)アクリレート
などのアルキル(メタ)アクリレート類、スチレン;α
−メチルスチレン;2−メチルスチレン;4−メチルス
チレン;2,5−ジメチルスチレン;2−メトキシスチ
レン;4−メトキシスチレン;2,5−ジメトキシスチ
レン;4−ブロモスチレン;4−クロロスチレン;2,
5−ジクロロスチレンなどのスチレン系化合物などが挙
げられる。これらの中で、特にアルキル基の炭素数が1
2〜24のアルキル(メタ)アクリレート及びスチレン
が好適である。
【0025】本発明においては、前記一般式(I)や
(II)で表される単量体は、単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。この(ロ)成分の重
合体は、数平均分子量が1000〜100000の範囲
の重合体であり、この数平均分子量が1000未満で
は、得られる流動性向上剤を燃料油に添加した場合に低
温特性の改善効果が乏しく、また100000を超える
と低温特性の改善効果が低下するとともに、製品粘度の
上昇により、ハンドリング性が悪くなる。低温特性の改
善効果及びハンドリング性などの点から、この数平均分
子量の好ましい範囲は、1000〜60000である。
本発明で用いる(ロ)成分の重合体は、前記一般式
(I)及び(II)から選ばれた単量体一種からなるホモ
ポリマー、単量体二種以上からなるランダム,ブロック
又はグラフト共重合体、さらには、重合体中の不飽和基
を水素添加などの処理を行って得られた重合体などであ
る。このような重合体の例としては、エチレン−炭素数
3以上のオレフィン共重合体,エチレン−飽和カルボン
酸ビニル共重合体,エチレン−アルキル(メタ)アクリ
レート共重合体,エチレン−炭素数3以上のオレフィン
−アルキル(メタ)アクリレート共重合体,エチレン−
スチレン系化合物共重合体,エチレン−炭素数3以上の
オレフィン−スチレン系化合物共重合体,イソプレン−
ブタジエン−スチレン系化合物共重合体の水添物,飽和
カルボン酸ビニル−アルキル(メタ)アクリレート共重
合体,アルキル(メタ)アクリレート単独重合体などが
挙げられる。
【0026】本発明においては、(B)成分として、前
記(イ)成分及び(ロ)成分の中から選ばれた一種を用
いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。本発明の流動性向上剤においては、前記(A)成分
と(B)成分の含有割合は、(A)成分が1〜99重量
%、(B)成分が99〜1重量%であり、対象となる燃
料油(例えば軽油)の性状及び流動性向上剤添加後の要
求品質に応じて、上記範囲で適宜選択されるが、特に
(A)成分10〜90重量%及び(B)成分90〜10
重量%の割合が好ましい。
【0027】本発明の燃料油組成物においては、燃料油
として中間留出油又は中間留出油に残渣油を混合したも
のが用いられる。この燃料油の沸点範囲は、通常120
〜500℃の範囲、好ましくは150〜450℃の範囲
である。ここで中間留出油とは、一般に灯油留分ないし
軽油留分を指称し、例えば直留軽油,直接脱硫軽油,間
接脱硫軽油,分解軽油,脱硫軽質軽油,直留軽油を水添
脱硫処理してなる水素化脱硫軽油,重質軽油,減圧軽
油、あるいはこれらの混合油を触媒の存在下に水素化分
解して得られる水素化分解軽油,脱硫灯油、これらの基
材を混合調製したものなどが挙げられる。本発明の燃料
油組成物においては、上記燃料油に対して、前述の本発
明の流動性向上剤を0.0001〜0.1重量%の割合で含
有させる。この流動性向上剤の量が0.0001重量%未
満では低温特性の改善効果が充分に発揮されず、0.1重
量%を超えるとその量の割には効果の向上が認められ
ず、むしろ経済的に不利となる。低温特性の改善効果及
び経済性などを考慮すると、該流動性向上剤の好ましい
配合量は0.001〜0.05重量%の範囲である。本発明
の燃料油組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲
で、所望により、従来燃料油に慣用されている各種添加
剤、例えば潤滑性付与剤,セタン価向上剤,酸化防止
剤,金属不活性化剤,清浄分散剤などを配合することが
できる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。 製造例1 (A)成分の製造 攪拌装置,冷却管及び不活性ガス導入口を備えた反応器
の中に、ベヘン酸345g(1モル)を仕込み150℃
に昇温後、アンモニアガスを導入し、生成する縮合水を
連続的に系外に留去した。その後、170℃で40時間
熟成を行い、目的とするベヘン酸アミドを得た。次い
で、オートクレーブに、このベヘン酸アミド341g
(1モル)と水酸化カリウム10重量%水溶液10.2g
を仕込み、150℃でエチレンオキシド229g(5.2
モル)を徐々に加えたのち、さらに150℃で5時間加
熱し、目的とする化合物A−1(アミン価:5)を得
た。
【0029】製造例2 (A)成分の製造 攪拌装置,冷却管及び不活性ガス導入口を備えた反応器
の中に、ベヘン酸345g(1モル)を仕込み70℃に
昇温後、エチレンジアミン60g(1モル)をを徐々に
加えた。その後、200℃に昇温し、生成する縮合水を
連続的に系外へ留去しながら、同温度で約5時間熟成を
行い、目的とするアミド化合物(エチレンジアミンモノ
ベヘン酸アミド)を得た。次いで、オートクレーブに、
このエチレンジアミンモノベヘン酸アミド387g(1
モル)と水酸化カリウム10重量%水溶液10.2gを仕
込み、150℃でプロピレンオキシド116g(2モ
ル)を徐々に加えたのち、さらに150℃で5時間加熱
し、目的とする化合物A−2(アミン価:11)を得
た。以下、カルボン酸,アミン化合物及びアルキレンオ
キシドの種類と使用割合を第1表に示すようにしたこと
以外は上記と同様にして、第1表に示す化合物A−3〜
A−6を製造した。
【0030】製造例3 (A)成分の製造 攪拌装置,冷却管及び不活性ガス導入口を備えた反応器
の中に、ベヘン酸690g(2モル)を仕込み70℃に
昇温後、ジエチレントリアミン103g(1モル)を徐
々に加えた。その後、200℃に昇温し、生成する縮合
水を連続的に系外へ留去した。その後、同温度で約5時
間熟成を行い、目的とするアミド化合物(ジエチレント
リアミンベヘン酸ジアミド)を得た。次いで、オートク
レーブに、このジエチレントリアミンベヘン酸ジアミド
757g(1モル)と水酸化カリウム10重量%水溶液
10.2gを仕込み、150℃でプロピレンオキシド17
4g(3モル)を徐々に加えたのち、さらに150℃で
5時間付加反応を行った。反応終了後、攪拌装置,冷却
管及び不活性ガス導入口を備えた反応器に、ジエチレン
トリアミンベヘン酸ジアミドのPO3モル付加物(P
O:プロピレンオキシド)745g(0.8モル)及びジ
メチルテレフタレート97g(0.4モル)を仕込み、2
00℃に昇温し、生成するメタノールを連続的に系外へ
留去した。その後、同温度で約5時間熟成を行い、目的
とする架橋物(化合物A−7)(アミン価:54)を得
た。これらについても、併せて第1表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】製造例4 (B)(イ)成分の製造 攪拌装置,冷却管及び不活性ガス導入口を備えた反応器
の中に、トルエン200ミリリットル、無水マレイン酸
98g(1モル)及びC22オレフィン1重量%とC24
レフィン30重量%とC26オレフィン39重量%とC28
オレフィン20重量%とC30オレフィン10重量%とか
らなるα−オレフィン243g(0.67モル)を仕込
み、攪拌しながら80℃まで昇温した。次いで、テトラ
デシルメタクリレート141.5g(0.53モル)にベン
ゾイルペルオキシド3.4g(0.014モル)を室温で溶
解させてなるアクリレート溶液を滴下管に仕込んだ。反
応系を80℃に保持したまま、このアクリレート溶液を
8時間かけて滴下し、滴下後4時間熟成を行って、淡黄
色のランダムコポリマー溶液を得た。次に、系内の温度
を一旦40℃まで下げたのち、これに、1モル%の
14,28モル%のC16及び71モル%のC18を含むア
ルキル鎖を有する第一級アルキルモノアミン210g
(0.75モル)を攪拌しながら添加した。次いで90℃
まで昇温したのち、2時間その温度に保持してイミド化
を完了させ、薄黄色のランダムコポリマー〔B(イ)−
1〕の50重量%のトルエン溶液を得た。上記と同様に
して、第2表に示す条件で、重合体B(イ)−2及びB
(イ)−3を製造した。第2表にB(イ)−1〜B
(イ)−3の製造条件及びその数平均分子量を示す。
【0034】
【表3】
【0035】〔注〕 C14MA : テトラデシルメタクリレート C22〜C30 : 炭素数22〜30のα−オレフィン混
合物〔三菱化学(株)製、商品名:ダイアレン208〕 C14〜C18 : 炭素数14〜18の第一級モノアルキ
ルアミン〔日本油脂(株)製、商品名:アミンABT〕 BPO : ベンゾイルペルオキシド 数平均分子量: ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法(GPC法)により測定したポリスチレン換算の
値 なお、第3表に、実施例及び比較例で用いた(B)
(ロ)成分を示す。
【0036】
【表4】
【0037】 〔注〕 数平均分子量: GPC法により測定したポリスチレン換算の値 C12〜C16 : 炭素数12〜16のアルキル基の混合物 C12〜C14 : 炭素数12〜14のアルキル基の混合物 実施例1〜15 第4表に示す性状を有する燃料油I又は燃料油IIに、第
5表に示すように第1表の(A)成分及び第2表,第3
表の(B)成分を組み合わせて添加し、目詰まり点(J
IS K−2288に基づいて測定)、曇り点(JIS
K−2269に基づいて測定)及び流動点(JIS
K−2269に基づいて、1℃間隔で測定)を求めた。
その結果を第5表に示す。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】比較例1〜14 第4表に示す性状を有する燃料油I又は燃料油IIに、第
6表に示すように第1表の(A)成分、第2表,第3表
の(B)成分及び市販の流動性向上剤の中から選ばれた
ものを添加し、あるいは何も添加せずに、実施例1〜1
4と同様にして、目詰まり点,曇り点及び流動点を求め
た。結果を第6表に示す。
【0041】
【表7】
【0042】〔注〕 C−1: ジエチレントリアミンベヘン酸アミド・エチ
レンオキシド2モル付加物のベヘン酸エステル C−2: ポリエチレングリコール(重量平均分子量4
00)ジベヘネート D−1: エチレン/酢酸ビニル共重合体(数平均分子
量4000、エチレン単位含有量65モル%) 実施例16〜22及び比較例15〜21 第4表に示す性状を有する燃料油I又は燃料油IIに、第
7表に示すように第1表の(A)成分、第2表,第3表
の(B)成分及び市販の流動性向上剤の中から選ばれた
ものを添加し、下記の方法に従ってワックス分散性を評
価した。結果を第7表に示す。
【0043】<ワックス分散性>100ミリリットルの
メスシリンダーに燃料油を入れ、低温恒温槽で室温から
1℃/時間の速度にて、−8℃まで冷却を行い、−8℃
で保持したまま1週間放置する。その際のワックス分散
性を次に示す基準に従って評価した。 ◎: ワックス分散層が80%以上である。 ○: ワックス分散層が60%以上80%未満である。 △: ワックス分散層が30%以上60%未満である。 ×: ワックス分散層が30%未満である。
【0044】
【表8】
【0045】〔注〕C−1,C−2及びD−1は第6表
の脚注と同じである。 実施例23〜28及び比較例22〜25 第4表に示す性状を有する燃料油I又は燃料油IIに、第
8表に示すように第1表の(A)成分、第2表,第3表
の(B)成分及び市販の流動性向上剤の中から選ばれた
ものを添加し、下記の方法に従って溶解性を評価した。
結果を第8表に示す。<溶解性>100ミリリットルの
ビーカーに燃料油50ミリリットルを入れ、低温恒温槽
にて+10℃に冷却する。この燃料油に、あらかじめ5
0℃に保温しておいた第8表に示すサンプル1ミリリッ
トルを添加し、添加した際の析出物の有無を目視観察
し、以下に示す基準に従って溶解性を評価した。 ○: 析出物なし △: 白濁あり ×: 析出物あり
【0046】
【表9】
【0047】〔注〕C−1,C−2及びD−1は第6表
の脚注と同じである。
【0048】
【発明の効果】本発明の燃料油用流動性向上剤は、燃料
油の低温特性、すなわち目詰まり点や流動点を改善する
とともに、徐冷下における析出ワックスの燃料油中での
分散性を改善するうえに、燃料油に対する溶解性に優れ
ている。また、上記流動性向上剤を含有する本発明の燃
料油組成物は、低温特性及び徐冷下における析出ワック
スの分散性に優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に活性水素を少なくとも一
    つ有するアミド化合物とアルキレンオキシドとの反応生
    成物1〜99重量%と、(B)(イ)不飽和多価カルボ
    ン酸又はその酸無水物とα−オレフィンとを必須単量体
    成分とする共重合体と第一級アミンとの反応生成物及び
    /又は(ロ)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原
    子,メチル基,ビニル基又はアルキル基の炭素数が1〜
    30のアルキルカルボニルオキシ基を示す。)で表され
    る不飽和化合物及び一般式(II) 【化2】 (式中、R3 は水素原子,炭素数1〜30のアルキル基
    又は炭素数2〜30のアルケニル基、R4 は水素原子又
    はメチル基、R5 は炭素数2〜30のアルキル基,炭素
    数2〜30のアルケニル基,炭素数6〜50のアリール
    基又はアルキル基の炭素数が1〜30のアルコキシカル
    ボニル基を示す。)で表される不飽和化合物の中から選
    ばれた少なくとも一種の単量体から得られた数平均分子
    量1000〜100000の重合体99〜1重量%とを
    含有することを特徴とする燃料油用流動性向上剤。
  2. 【請求項2】(A)成分が、アミド化合物のアルキレン
    オキシド付加物と架橋化剤との反応生成物である請求項
    1記載の燃料油用流動性向上剤。
  3. 【請求項3】 中間留出油又は中間留出油と残渣油との
    混合物に対し、請求項1記載の燃料油用流動性向上剤0.
    0001〜0.1重量%を含有させてなる燃料油組成物。
JP24818597A 1997-09-12 1997-09-12 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物 Expired - Fee Related JP3948070B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24818597A JP3948070B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24818597A JP3948070B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1180757A true JPH1180757A (ja) 1999-03-26
JP3948070B2 JP3948070B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=17174476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24818597A Expired - Fee Related JP3948070B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3948070B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102234551A (zh) * 2010-04-22 2011-11-09 日油株式会社 生物柴油燃料用流动性改善剂
WO2012133502A1 (ja) 2011-03-29 2012-10-04 日油株式会社 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102234551A (zh) * 2010-04-22 2011-11-09 日油株式会社 生物柴油燃料用流动性改善剂
CN102234551B (zh) * 2010-04-22 2014-11-05 日油株式会社 生物柴油燃料用流动性改善剂
WO2012133502A1 (ja) 2011-03-29 2012-10-04 日油株式会社 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物
JP5293906B2 (ja) * 2011-03-29 2013-09-18 日油株式会社 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物
US8920523B2 (en) 2011-03-29 2014-12-30 Nof Corporation Fuel oil flow improver and fuel oil composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP3948070B2 (ja) 2007-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2508783B2 (ja) 燃料油用流動性向上剤
AU2015212854B2 (en) Corrosion inhibitors for fuels and lubricants
KR100295920B1 (ko) 오일첨가제및조성물
RU2337116C2 (ru) Полиалкенаминовая композиция, предназначенная в качестве присадки для топлива или смазочного материала, способ ее получения, состав топлива, состав смазочного материала и набор присадок, содержащий композицию, и применение композиции в качестве присадки для топливных составов или составов смазочных материалов
CN110088253B (zh) 作为燃料添加剂的聚合物
JP2006083391A (ja) 燃料油の導電特性向上用添加剤組成物
KR100599016B1 (ko) 미네랄오일및미네랄오일증류물의유동성증진용첨가제
RU2114155C1 (ru) Композиция жидкого топлива
US11078418B2 (en) Corrosion inhibitors for fuels and lubricants
CN107849478A (zh) 用于燃料和润滑油的腐蚀抑制剂
JP5317380B2 (ja) パラフィン系分散剤と脂肪酸の混合物及び潤滑改良添加剤からなる、向上された潤滑性を有する燃料油
JP3960637B2 (ja) 潤滑油組成物用の分散剤−粘度改良剤
JP2001192681A (ja) 組成物
US10844308B2 (en) Corrosion inhibitors for fuels and lubricants
KR20180089477A (ko) 짧은 탄화수소 꼬리를 지니는 초저분자량 아미드/에스테르 함유 사차 암모늄 염
JP2005509085A (ja) アルコキシル化ポリオールのエステルおよびエチレンと不飽和エステルとのコポリマーを含有する向上した冷間流動性を有する低硫黄鉱油留分
JP3948070B2 (ja) 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物
JPS59126496A (ja) 燃料油組成物
US20010056164A1 (en) Inhibitors and their uses in oils
JPH10130666A (ja) 潤滑性能が改善された軽油組成物
JPS60137998A (ja) 燃料油用流動性向上剤
JPH0446998B2 (ja)
JP2773318B2 (ja) 石油用添加剤組成物
JPH08165480A (ja) 燃料油用流動性向上剤
JPS61296090A (ja) 燃料油添加剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070320

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees