JPH0446998B2 - - Google Patents

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JPH0446998B2
JPH0446998B2 JP12143085A JP12143085A JPH0446998B2 JP H0446998 B2 JPH0446998 B2 JP H0446998B2 JP 12143085 A JP12143085 A JP 12143085A JP 12143085 A JP12143085 A JP 12143085A JP H0446998 B2 JPH0446998 B2 JP H0446998B2
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acid
fuel oil
fatty acid
nitrogen
epoxide adduct
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JP12143085A
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Koji Ishizaki
Taizo Igarashi
Yumiko Nagahashi
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NOF Corp
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は炭化水素系燃料油用の低温流動性向上
剤に関する。 〔従来の技術〕 炭化水素系燃料油用の低温流動性向上剤として
は、従来よりエチレンと酢酸ビニルとの共重合物
(米国特許第3048479号明細書)などが開示され、
使用されてきている。 しかし、これらはいずれも欧米で開発されたも
のであり、燃料油の組成性状において欧米と異な
るわが国の燃料油に対しては効果を示さない場合
が多い。 燃料油、特に低温流動性が重要視される輸送用
などに用いる軽油やA重油などの中間留分燃料油
の留出温度範囲は、わが国においては欧米に比較
してかなり狭い範囲にある。これは、家庭暖房用
に灯油が大量に消費されるため、低留出温度の中
間留分が灯油用に振り向けられるというわが国特
有の燃料油需給構造による必然的なものである。 このような従来からの事情に加えて、輸入原油
の重質化、エネルギー多消費型産業の脱石油化に
よる重質燃料油の需要減少、ガソリンや軽油など
の自動車用燃料油の需要増大などの需給構造の変
化により、中間留分燃料油の留出温度範囲が更に
狭くなる傾向にある。 燃料油の低温流動性は含有される比較的高分子
量のn−パラフイン分の結晶析出によつて低下す
るため、低温流動性を向上させるには、この析出
結晶の形と大きさを制御しなければならない。留
出温度範囲の広い燃料油においては、温度が曇り
点以下で1℃降下する毎に析出してくるn−パラ
フイン量の割合が小さく、低温流動性向上剤によ
つて析出結晶の形と大きさを制御しなければなら
ないn−パラフイン分はかなり少ない。そのため
に比較的容易に低温流動性の向上をはかることが
できる。これに反して、留出温度範囲の狭い燃料
油の場合には温度が1℃降下する毎に析出するn
−パラフイン量の割合が極めて大きく、従来の低
温流動性向上剤では析出結晶の形と大きさを制御
することは困難であり、低温流動性の改善はみら
れない。 このような留出温度範囲の狭い燃料油の低温流
動性向上剤として、特開昭57−170993号および特
開昭58−138791号に水酸基を有する含窒素化合物
と直鎖状飽和脂肪酸とのエステルが開示されてい
るが、融点が高くて燃料油に溶解しにくい欠点が
ある。 これらの欠点を改善する目的で特開昭59−
149988号には、特定構造式で示れる化合物のアル
キレンオキシド、スチレンオキシドまたはグリシ
ドールの付加物と直鎖状飽和脂肪酸とのエステル
が開示されている。これにより溶解性などが著し
く向上したが、いまだ十分とは言えない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来から知られた低温流動性向上剤は、留出温
度範囲の狭い燃料油の低温流動性の一特性である
低温過性を改善できなかつたり、燃料油に対す
る溶解性が不十分であつたりして満足すべきもの
ではない。 本発明は、従来の低温流動性向上剤が効果を示
さない留出温度範囲の狭い燃料油の低温過性を
向上させ、流動点を低下させることができるとと
もに、低温下でも良好な溶解性を示す低温流動性
向上剤を目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは鋭意研究の結果、特定のエステル
が燃料油に対する溶解性にすぐれるとともに低温
過性を大きく改善し、さらに特定の化合物と併
用する流動点も大きく低下させることを見出し
て、本発明を完成した。 すなわち本発明は、(1)アルコール性水酸基を2
個以上有する含窒素化合物と(2)炭素数18以上の直
鎖飽和脂肪酸を20〜90モル%含むカルボン酸混合
物とのエステルからなる燃料油用流動性向上剤で
あり、さらに上記エステルと(イ)オレフイン、エチ
レン性不飽和カルボン酸アルキル、および飽和脂
肪酸ビニルから選ばれる1種または2種以上の単
量体の重合物、(ロ)ハロゲン化ポリオレフイン、(ハ)
塩素化パラフインとナフタレンとの縮合物、およ
び(ニ)アルケニルコハク酸の含窒素誘導体からなる
群より選ばれる化合物とを併用する燃料油用流動
性向上剤である。 本発明のエステルを構成するアルコール性水酸
基を2個以上有する含窒素化合物としては、アル
キロールアミン、アルキロールアミンエポキシド
付加物、アルキルアミンエポキシド付加物、ポリ
アミンエポキシド付加物、脂肪酸アルキロールア
ミド、脂肪酸アルキロールアミドエポキシド付加
物などがあげられる。 アルキロールアミンとしては、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、ジヒド
ロキシプロピルアミン、ビス(ジヒドロキシプロ
ピル)アミン、トリス(ジヒドロキシプロピル)
アミンなどがある。 アルキロールアミンエポキシド付加物は、エタ
ノールアミン、イソプロパノールアミンなどのモ
ノヒドロキシアルキルアミンおよび前記アルキロ
ールアミンにアルキレンオキシド、スチレンオキ
シド、グリシドールなどのエポキシド化合物を付
加したものである。ここに用いるアルキレンオキ
シドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、ブチレンオキシドなどがある。 アルキルアミンエポキシド付加物は、メチルア
ミン、エチルアミン、ブチルアミン、オクチルア
ミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ベヘ
ニルアミンなどのモノアルキルアミンに前記エポ
キシド化合物を付加したもの、およびジメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオク
チルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルア
ミン、ジベヘニルアミンなどのジアルキルアミン
にグリシドールを付加したものである。 ポリアミンエポキシド付加物は、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、キシリレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチ
レンイミン、前記モノおよびジアルキルアミンの
エチレンイミン付加物などのポリアミンに前記エ
ポキシド化合物を付加したもの、あるいはポリア
ミンを酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など
の脂肪酸で一部アミド化したものに前記エポキシ
ド化合物を付加したものである。 脂肪酸アルキロールアミドは、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴ
ン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘ
ン酸、リグノセリン酸などの脂肪酸でアミド化し
たジエタノールアミド、ジイソプロパノールアミ
ド、ジヒドロキシプロピルアミド、ビス(ジヒド
ロキシプロピル)アミドなどである。 脂肪酸アルキロールアミドエポキシド付加物
は、前記脂肪酸アルキロールアミドに前記エポキ
シド化合物を付加したもの、および前記の脂肪酸
でアミド化したエタノールアミド、イソプロパノ
ールアミドなどのモノヒドロキシアルキルアミド
にグリシドールを付加したものである。 エポキシド化合物の付加物は1種のエポキシド
化合物を単独で付加する、2種以上のエポキシド
化合物を混合してランダムに付加する、あるいは
2種以上のエポキシド化合物を1種ずつ単独に順
に反応させてブロツク状に付加することによつて
得られる。 エポキシド化合物の付加モル数は水酸基を有す
る含窒素化合物1モルに対して1〜100モルであ
り、好ましくは1〜30モルである。100モルを越
えて付加すると低温過性の改善度合が小さくな
り実用的ではなくなる。 本発明のエステルを構成するカルボン酸混合物
中における炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸の含有
率は20〜90モル%、好ましくは30〜80モル%であ
る。90モル%を越えるとエステルの燃料油への溶
解性が悪くなり、逆に20モル%より少ないとエス
テルが燃料油の低温過性を改善する効果が弱く
なる。 炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸としては、炭素
数18〜30の直鎖飽和脂肪酸が好ましく、例えば、
ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセ
リン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸な
どがあり、これらを含有する硬化牛脂肪酸、硬化
パーム油脂肪酸、硬化ナタネ油脂肪酸、硬化魚油
脂肪酸、あるいはこれらを蒸留、分別して得られ
る脂肪酸、またはα−オレフインから誘導した合
成脂肪酸などを用いることができる。 炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸とともに用いる
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸な
どの炭素数17以下の直鎖飽和脂肪酸;オレイン
酸、リノール酸、アラキドン酸、エルカ酸などの
不飽和脂肪酸;イソ酪酸、ネオペンタン酸、2−
エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン
酸、イソトリデカン酸、イソパルミチン酸、イソ
ステアリン酸などの分枝脂肪酸;ヘキサヒドロ安
息香酸、シクロヘキシル酢酸、シクロヘキシルカ
プリン酸、ナフテン酸などの脂環式モノカルボン
酸;安息香酸、メチル安息香酸、t−ブチル安息
香酸、フエニル酢酸、フエニルカプリン酸、フエ
ニルステアリン酸、ヒドノカルピン酸などの芳香
族モノカルボン酸;シユウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、フタール酸、メチ
ルコハク酸、アゼライン酸、トルエンジカルボン
酸、ベンゼンテトラカルボン酸、アルキルまたは
アルケニルコハク酸、オレイン酸二量化物などの
多塩基カルボン酸;ヒドロキシプロピオン酸、ヒ
ドロキシステアリン酸、エポキシステアリン酸、
ジケトステアリン酸などのオキシ酸;などがあ
り、これらカルボン酸に各種の置換基を導入した
カルボン酸も用いることができる。 本発明のエステルは、(1)アルコール性水酸基を
2個以上有する含窒素化合物と(2)炭素数18以上の
直鎖飽和脂肪酸を含むカルボン酸混合物とをエス
テル化触媒の存在下あるいは無触媒で、常圧また
は減圧下に加熱して脱水縮合することにより得ら
れる。この反応に際しては水と共沸する溶媒を用
いて反応の促進をはかることもできる。このよう
にして得られるエステルが流動性向上の面で優れ
た効果を発揮するように含窒素化合物とカルボン
酸混合物の種類と比率を適宜選択することが望ま
しい。 本発明においてエステルとともに用いる(イ)オレ
フイン、エチレン性不飽和カルボン酸アルキル、
および飽和脂肪酸ビニルから選ばれる1種または
2種以上の単量体の重合物を構成するオレフイン
は炭素数2〜30のオレフインであり、とくにα−
オレフインが好ましく、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ジイソブ
テン、ドデセン−1、オクタデセン−1、アイコ
セン−1、テトラコセン−1、トリアコンテン−
1などがある。 重合物(イ)を構成するエチレン性不飽和カルボン
酸アルキルは、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸など
のエチレン性二重結合を有するモノカルボン酸ま
たはジカルボン酸と炭素数1〜30の飽和アルコー
ルとのエステルである。 また、重合物(イ)を構成する飽和脂肪酸ビニル
は、炭素数1〜30の飽和脂肪酸とビニルアルコー
ルとのエステルで、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニ
ル、オクタン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリ
ン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル、アラキン酸ビニ
ル、ベヘン酸ビニル、リグノセリン酸ビニル、メ
リシン酸ビニルなどがある。 本発明で使用する重合物(イ)は、前記の単量体の
1種または2種以上の混合物を通常の方法で重合
する、重合後さらに他の単量体をグラフト重合す
る、エステル型単量体の場合には重合後エステル
部位のエステル交換を行う、エチレン性不飽和カ
ルボン酸を重合後アルコールとエステル化する、
重合後化学的または物理的に変成する、などの方
法により得られ、燃料油用添加剤として市販され
ているものもある。重合物(イ)の数平均分子量は
500〜50000が好適である。 本発明においてエステルとともに用いる(ロ)ハロ
ゲン化ポリオレフインは、前記重合物(イ)の構成要
素であるオレフインの重合物のハロゲン化物であ
り、ハロゲン含有量5〜50重量%、分子量500〜
20000、ハロゲンとして塩素、臭素、フツ素など
のものがあり、好ましくは分子量1000〜5000、塩
素含有量10〜30重量%の塩素化ポリエチレンであ
る。 本発明において用いる(ハ)塩素化パラフインとナ
フタレンの縮合物としては、炭素数10〜50のパラ
フインの塩素化物(塩素含有量5〜25重量%)と
ナフタレンとのフリーデルクラフト縮合物で、分
子量1000〜10000のものがあげられる。 本発明において用いる(ニ)アルケニルコハク酸の
含窒素誘導体としては、炭素数10〜30のアルケニ
ル基をもつアルケニルコハク酸またはその無水物
と、モノまたはジアルキルアミン、ポリアルキレ
ンポリアミン、ポリエチレンイミン、アルキルポ
リアミンなどとを反応させて得られるものがあげ
られ、そのうち炭素数12〜24のアルケニル基をも
つアルケニルコハク酸またはその無水物と炭素数
12〜24のアルキル基を2個もつジアルキルアミン
との反応生成物が好ましい。 本発明のエステルは単独で流動性向上剤として
用いて低温過性の向上をはかることができる
し、また前記の化合物と併用して低温過性と流
動点を顕著に改善することができる。併用する場
合、両者の比率は1:9〜9:1(重量)が好ま
しい。 本発明の流動性向上剤の燃料油に対する添加量
は重量で10〜5000ppm、好ましくは20〜1000ppm
であり、10ppm未満では十分な効果が得られず、
5000ppmを越えても効果の向上はみられず、経済
的に不利である。 本発明の流動性向上剤は、一般の燃料油に添加
される酸化防止剤、腐食防止剤、セタン価向上
剤、他の流動性向上剤などと併用することもでき
る。 〔作用〕 本発明の流動性向上剤の作用は、現在のところ
十分に解明されていないが、次のように考えるこ
とができる。 燃料油が徐々に冷却されて燃料油中に存するn
−パラフイン分が析出しはじめる際に、本発明の
エステルが析出するn−パラフインの結晶核にな
り、n−パラフインの結晶数を顕著に増加させる
結果、n−パラフイン結晶が微細化して低温過
性が著しく向上して、低温流動性が改善される。
また、併用する化合物は微細化したn−パラフイ
ン結晶の形状を制御する作用を持ち、結晶を粒状
化する結果、結晶相互間の距離を最大限に大きく
保持して燃料油のマクロ的な流れ性を向上させる
と考えられる。 〔発明の効果〕 本発明の流動性向上剤は燃料油に対する溶解性
にすぐれているとともに燃料油の低温過性と流
動点を大巾に改善することができるので、留出温
度範囲の狭い燃料油についても貯蔵時や輸送時の
低温流動性に関する諸問題の解決を可能とするも
のである。更に、本発明の流動性向上剤の利用に
よつて留出温度範囲の狭い留分でも燃料油として
問題なく使用できるので、各石油製品や得率や配
合設計の自由度を飛躍的に高めうるという大きな
利点がある。 〔実施例〕 つぎに本発明を実施例により説明する。 実施例 1 本発明のエステルを表1記載の原料物質を用い
て合成した。合成法は特開昭59−149988号公報記
載の方法に準じて行つた。なお、比較品の組成も
表1に合せて示す。 本発明品と比較品を軽油留分燃料油に添加して
低温溶解性および低温過性を評価した。 低温溶解性は、5℃に冷却した燃料油を撹拌し
ながら、これに本発明品と比較品の10%キシレン
溶液を所定の添加量となるように添加したときの
溶解状態を観察し、10秒未満で溶解するものを溶
解性良好(〇)、10〜60秒で溶解するものを溶解
性やや不良(△)、60秒を越えても不溶物が残つ
ているものを溶解性不良(×)と評価した。 低温過性は、IP309に規定されているコール
ドフイルタープラツキングポイント(CFPP)法
により評価した。 用いた軽油留分燃料油の性状はつぎのとおりで
ある。 軽油留分燃料油の性状 (1)沸点範囲 初留点 203℃ 10%留出点 253℃ 50%留出点 295℃ 90%留出点 335℃ 終 点 355℃ (2)流動点 −5℃ (3)CEPP −4℃ 低温溶解性と低温過性の試験結果を表2に示
す。表−2の結果から、本発明品の流動性向上剤
は低温時にも溶解性が良好で、CEPPを大きく低
下させることがわかる。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 2 本発明のエステルと化合物を併用したときの流
動点と低温過性を評価した。 実施例で用いる化合物について説明する。 化合物1はエチレンと酢酸ビニルの共重合物で
あり、Amoco−547D(米国アモコケミカル社製、
共重合物の数平均分子量2600、酢酸ビニルの割合
43重量%)より溶剤分(約50重量%)を除去
(100℃、30mmHg、20時間)して得た。 化合物2はエチレンとアクリル酸の共重合物で
あるACP−5120(米国アライドケミカル社製、数
平均分子量3500、酸価120)47g、ラウリルアル
コール45g、パラトルエンスルホン酸0.2gおよ
びキシレン100gの混合物を、窒素気流下でキシ
レンを環流させて水を留去しながら10時間エステ
ル化反応させたのち、これを大過剰のメタノール
中へ徐々に投入し、析出物を別後乾燥させたも
のである。 化合物3は炭素数20〜28のα−オレフイン339
g(1.0モル)、無水マレイン酸98g(1.0モル)
およびキシレン500gの混合物を、窒素気流下で
キシレンが環流するように加熱しながらジ−t−
ブチルペルオキシド4gをキシレン50gに溶解し
た溶液を徐々に加え、ついでこの状態で10時間重
合反応を続けた後、2−エチルヘキシルアルコー
ル273g(2.1モル)およびパラトルエンスルホン
酸2gを加えて10時間エステル化反応を行い、そ
の後キシレンを留去したものである。 化合物4は分枝ポリエチレンであるACP−
1702(米国アライドケミカル社製、数平均分子量
1100、軟化点85℃)である。 化合物5はポリアルキルメタクリレートである
アクリロイド152(米国ロームアンドハース社製、
ポリアルキルメタクリレートの数平均分子量
17000、アルキル基の炭素数12〜20)である。 化合物6は4のオートクレーブを用い、連続
的に合成したエチレンプロピレン共重合物(エチ
レン含量79モル%、数平均分子量4800)である。
すなわち反応器上部からヘキサン2/時、三塩
化バナジルのヘキサン溶液(4ミリモル/)1
/時、セスキエチルアルミニウムセスキクロリ
ドのヘキサン溶液(32ミリモル/)1/時の
割合で各々を反応器中へ連続的に供給し、一方反
応器下部から、反応器中の反応液が常に2にな
るように連続的に反応液を抜き出しながら、反応
器上部からエチレン、プロピレンおよび水素の混
合ガス(エチレン140/時、プロピレン40/
時、水素120/時)を供給し、35℃で連続的に
反応させた。抜き出した反応液は、少量のメタノ
ールを添加して反応を停止させた後、水洗を3回
行い、ヘキサンを留去してエチレンプロピレン共
重合物を得た。 化合物7は塩素化ポリエチレンであり、
Tolad35(米国ペトロライト社製、塩素化ポリエ
チレンの数平均分子量2000、塩素含量23重量%)
より化合物1と同様に溶剤分(約50重量%)を除
去して得た。 化合物8は塩素化パラフインとナフタレンとの
フリーデルクラフト反応縮合物であるルブラン
AD(東邦化学工業(株)製)である。 化合物9はアルケニルコハク酸とジアルキルア
ミンのアミド化物であり、オロナイトOFA−414
(米国シエブロン社製、アミド化物のアルケニル
基の炭素数15〜21、アルキル基の炭素数16〜18)
より化合物1と同様に溶剤分(約40重量%)を除
去して得た。 実施例1で用いた軽油留分燃料油に、流動性向
上剤として本発明で用いるエステルと化合物を併
用したものの流動点とCFPPを表3に示す。 流動点(PP)は、マクロ的な流れ性の評価法
としてJIS K 2269に規定された方法に準じて測
定した。 表3の結果から、本発明の流動性向上剤である
エステルと化合物を併用したもの(No.24〜No.32)
はPPとCFPPがともに低く、流動性向上剤とし
てすぐれていることがわかる。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (1)アルコール性水酸基を2個以上有する含窒
    素化合物と、(2)炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸を
    20〜90モル%含むカルボン酸混合物とのエステル
    からなる燃料油用流動性向上剤。 2 アルコール性水酸基を2個以上有する含窒素
    化合物が、アルキロールアミン、アルキロールア
    ミンエポキシド付加物、アルキルアミンエポキシ
    ド付加物、ポリアミンエポキシド付加物、脂肪酸
    アルキロールアミド、または脂肪酸アルキロール
    アミドエポキシド付加物である特許請求の範囲第
    1項記載の燃料油用流動性向上剤。 3(A) (1)アルコール性水酸基を2個以上有する含
    窒素化合物と、(2)炭素数18以上の直鎖飽和脂
    肪酸を20〜90モル%含むカルボン酸混合物と
    のエステル、および (B) (イ)オレフイン、エチレン性不飽和カルボン
    酸アルキル、および飽和脂肪酸ビニルから選
    ばれる1種または2種以上の単量体の重合
    物、(ロ)ハロゲン化ポリオレフイン、(ハ)塩素化
    パラフインとナフタレンとの縮合物、および
    (ニ)アルケニルコハク酸の含窒素誘導体からな
    る群より選ばれる化合物からなる燃料油用流
    動性向上剤。 4 アルコール性水酸基を2個以上有する含窒素
    化合物が、アルキロールアミン、アルキロールア
    ミンエポキシド付加物、アルキルアミンエポキシ
    ド付加物、ポリアミンエポキシド付加物、脂肪酸
    アルキロールアミド、または脂肪酸アルキロール
    アミドエポキシド付加物である特許請求の範囲第
    3項記載の燃料油用流動性向上剤。
JP12143085A 1985-06-06 1985-06-06 燃料油用流動性向上剤 Granted JPS61281198A (ja)

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JPS61281198A JPS61281198A (ja) 1986-12-11
JPH0446998B2 true JPH0446998B2 (ja) 1992-07-31

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