JPH1180716A - 保冷剤組成物及び保冷剤 - Google Patents

保冷剤組成物及び保冷剤

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JPH1180716A
JPH1180716A JP9238546A JP23854697A JPH1180716A JP H1180716 A JPH1180716 A JP H1180716A JP 9238546 A JP9238546 A JP 9238546A JP 23854697 A JP23854697 A JP 23854697A JP H1180716 A JPH1180716 A JP H1180716A
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alcohol
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water
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JP9238546A
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English (en)
Inventor
Shinya Ishioka
信也 石岡
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
Otozou Kawamata
乙三 川俣
Hidenori Hayashi
秀則 林
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SHINWA ALCOHOL SANGYO KK
Katsuzai Chemical Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
SHINWA ALCOHOL SANGYO KK
Showa Denko KK
Katsuzai Chemical Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 凍結時においても柔らかさ保ち、自由自
在に曲げることができ、長期繰り返し使用も可能とする
保冷剤を提供する。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は、互いに独立して水素またはメ
チル基を表わすか、Rで示される単量体と架橋性単量体
とを用いて得られる(共)重合体架橋物、アルコール、
水、及び所望により無機塩を含有する保冷剤組成物、及
び前記組成物を特定の材料を用いて作製した袋に充填し
てなる保冷剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温柔軟性を有し、かつ
保冷能力の大きい保冷剤組成物およびそれを用いた保冷
剤に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】保冷剤としては、従来、保
冷時間が長く持続し、低温柔軟性に優れ、更に繰り返し
使用しても柔軟性が落ちないよう、その内用物である保
冷剤組成物に様々な試みがされてきた。例えば、特公昭
59-35944号公報には、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール等の水溶性高分子、グルセリン脂肪
酸エステル等の界面活性剤、エチレングリコール等の凝
固点降下剤を配合したもの、特開昭56-36538号公報に
は、ポリビニルアルコールと硼酸(塩)でアルコール溶
液をゲル化させたもの、特開昭56-79122号公報には、ポ
リアクリル酸ナトリウムを水溶性エポキシでゲル化させ
たもの、特開昭57-190072 号公報には、ポリビニルアル
コールに塩化マグネシウムを配合したもの、特開平1-22
3190号公報には、高分子吸水剤と多価アルコール水溶液
を配合したもの等、凝固点降下剤、ゲル化剤等を配合す
ることにより、使用感を改良する試みがなされてきた。
また、保冷袋にクッション材を貼ったり、不凍液との二
重構造にするなど、包材の面からの改良もされてきてい
る。
【0003】しかし、一般家庭用の冷蔵庫が次第に低温
化の傾向にあり、特に冷凍庫が普及されるにつれて、従
来の保冷剤組成物では凍結してしまい、柔らかさを保つ
ことができなかった。また、不凍液として、特公昭51-3
8105号公報にはエタノール水溶液に10重量%以下の食
塩を添加することにより凍結点を−30℃以下に保つこ
とができることが開示されている。このものを保冷剤組
成物に応用すれば、かなり低温まで柔軟性を持った保冷
剤が提供されるが、塩含有アルコール溶液をゲル状に保
ち、かつ柔軟な保持材(吸液剤)がなかった。また、凝
固点降下剤として一般的なエチレングリコールは、近年
その毒性、特に生殖毒性(経口、吸入暴露において催奇
形性がみられる)から使用を見合わせる傾向にある。
【0004】特開平8-243377号公報には、N−ビニルア
セトアミド/アクリル酸ソーダ共重合体を水溶性エポキ
シ化合物、多価金属イオンで架橋させゲル状物を得るこ
とが開示されているが、水溶性エポキシ化合物を用いた
架橋は低温では硬化しにくくエタノール等を配合すると
飛散する可能性があり、また保冷剤への応用の具体的な
例についての開示はない。従って、本発明の目的は、上
記従来課題を解決し、保冷剤組成物が凍結時においても
柔らかさ保ち、曲げることも自由自在であり、長期の繰
り返し使用が可能な保冷剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、後記一般式(I)で示さ
れるN−ビニル基を持つ単量体と二重結合を2個有する
架橋性単量体とから得られる(共)重合体架橋物をゲル
成分とする保冷剤組成物を用いると、凍結時に柔軟性が
保たれること、またこれを樹脂積層体内に包み込んだ保
冷剤とすることで長期の繰り返し使用が可能となること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、以下の保冷剤組成物
及び保冷剤に関するものである。 1)一般式(I)
【化4】 (式中、R1およびR2は、互いに独立して水素またはメ
チル基を表わすか、R1とR2が一緒になって、炭素数3
または4のアルキレン基を表わす。)で示される単量体
と架橋性単量体とを用いて得られる(共)重合体架橋
物、アルコール及び水を含有する保冷剤組成物。 2)一般式(I)
【化5】 (式中、R1およびR2は、前記と同じ意味を表わす。)
で示される単量体と架橋性単量体とを用いて得られる
(共)重合体架橋物、アルコール、水及び無機塩を含有
する保冷剤組成物。 3)一般式(I)で示される単量体が、N−ビニルアセ
トアミドである前記1または2記載の保冷剤組成物。 4)アルコールがエタノールであることを特徴とする前
記1乃至3のいずれかに記載の保冷剤組成物。
【0007】5)一般式(I)
【化6】 (式中、R1およびR2は、前記と同じ意味を表わす。)
で示される単量体と架橋性単量体とを用いて得られる
(共)重合体架橋物1〜20重量部、アルコール15〜
55重量部、水45〜85重量部、及び無機塩0〜20
重量部を含有する前記1乃至4のいずれかに記載の保冷
剤組成物。 6)エタノールガス透過度(相対湿度(RH)50%,
40℃,24時間)が10g/m2以下である包装材料
を用いて作製した袋に、前記1乃至5のいずれかに記載
の保冷剤組成物を充填してなる保冷剤。 7)包装材料が、アルミニウム層を含む多層積層体であ
る前記6に記載の保冷剤。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の保冷剤組成物では、一般
式(I)
【化7】 で示される単量体と架橋性単量体とを用いて得られる
(共)重合体架橋物を使用する。一般式(I)中、R1
およびR2は、互いに独立して水素またはメチル基を表
わすか、あるいはR1とR2は一緒になって、炭素数3ま
たは4のアルキレン基(すなわち、プロピレン基または
ブチレン基)を表わす。
【0009】一般式(I)で示される単量体の具体例と
しては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニ
ル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリ
ドン、N−ビニル−2−ピペリドンが挙げられる。一般
式(I)で示される単量体は、重合性二重結合を2個以
上持つ架橋剤の存在下に重合架橋し、重合体架橋物とし
て使用される。
【0010】架橋性単量体としては、1分子内に重合性
不飽和基を2個以上有する化合物であり、テトラアリル
オキシエタン、ペンタエリスリトールテトラアリルエー
テル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペン
タエリスリトールジアリルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジ
アリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテ
ル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチ
レングリコールジアリルエーテル、ジアリルエーテル、
単糖類、二糖類、多糖類、セルロースなどの水酸基を1
分子内に2個以上有する化合物から誘導されるポリアリ
ルエーテル、ピロメリット酸テトラアリル、卜リメリッ
ト酸トリアリル、クエン酸トリアリル、シュウ酸ジアリ
ル、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マレイン
酸ジアリル、フマル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリ
ル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、1分子
中にカルボキシル基を2個以上有する化合物から誘導さ
れるポリアリルエステル、ジアリルアミン、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなどの1分
子内にアリル基を2個以上有する化合物、シュウ酸ジビ
ニル、マロン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタル
酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニ
ル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、クエン酸
トリビニル、トリメリット酸トリビニル、ピロメリット
酸テトラビニルなどの1分子内にビニルエステル構造を
2個以上有する化合物、Ν,N’−ブチレンビス(N−
ビニルアセトミド)、N,N’−ジアセチル−N,N’
−ジビニル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
などのビス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物、
N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレー卜、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート等の、複数個のアクリルアミド構造や(メ
タ)アクリル基を有する化合物、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルエーテル、(メタ)アクリル酸アリル等の、1分
子中に不飽和基を2個以上有する化合物などあらゆる公
知の化合物が使用可能である。また、これらの架橋剤は
1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用す
ることもできる。これらの架橋性単量体の使用量は、通
常全単量体を基準として、単量体:架橋性単量体の比が
重量比で90:10〜99.999:0.001の範囲である。
【0011】本発明組成物で使用する重合体架橋物とし
ては、経時での安定性、アルコール吸液性等から、特に
ポリN−ビニルアセトアミド架橋物が好ましい。また、
本発明組成物では上記目的を損なわない限りに応じて、
一般式(I)ので示される単量体(モノマー)と他のモ
ノマーとの共重合体を架橋したもの(共重合架橋物)も
使用することができる(なお、本明細書では、一般式
(I)で示される単量体の重合体架橋物及び一般式
(I)で示される単量体と他のモノマーとの共重合体と
の架橋物を併せて「(共)重合体架橋物」という。)。
他のモノマーとしては、具体的には、ヒドロキシエチル
(メタ)メタアクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、
ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸等が挙げられ
る。他のモノマーの割合は本発明の目的性能を損なわな
い程度であり、概ね30重量%以下の割合で共重合した
ものが使用できる。
【0012】これらポリN−ビニルアセトアミド系架橋
物は、既知の水溶液重合法、逆相懸濁重合法、沈殿析出
重合法等により製造される。上記(共)重合体架橋物の
製造において使用される重合開始剤は従来知られている
過酸化物、有機、無機過酸もしくはその塩、アゾビス系
化合物の単独、あるいは還元剤との組み合わせによるレ
ドックス系のものが用いられる。これらの中で特に好ま
しいものはアゾビスイソブチロニトリルやアゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾビス系開始剤
である。また、重合開始剤の使用量は(共)重合成分を
基準として5×10-4〜5モル%、特に好ましくは5×
10-3〜0.5モル%である。重合開始温度は通常−10
〜80℃程度であり、反応時間は0.5〜30時問程度で
ある。
【0013】さらには、一般式(I)で示される単量体
と(メタ)アクリル酸塩、または水酸基含有(メタ)ア
クリレートとの共重合体を、水酸化アルミニウムニウム
のような多価金属塩、あるいは水溶性多官能エポキシで
架橋したものも使用することができる。一般式(I)で
示される単量体の重合体(N−ビニルカルボン酸アミド
系重合体)の架橋物を用いることにより、塩類濃度が濃
く、アルコールを多量に含む水溶液を吸液することが容
易となる。(共)重合体架橋物は、保冷剤の要求される
固さにもよるが、組成物の全量(100重量部)に対し
て、概ね1重量部〜20重量部、好ましくは、3重量部
〜10重量部使用される。1重量部より少ないと経時で
ゲル体からの離水が認められ、20重量部より多いと、
袋への充填性が悪くなり、ゲルも固くなる。使用される
(共)重合体架橋物の粒径は、特に限定されないが、0.
5mm〜3mmの粉体が目的とする柔らかさ、袋への充
填作業のし易さなどからより好ましい。また、粉体の形
状には特に制限はなく、球状でも、不定形でもよい。
【0014】アルコールとしては、エチルアルコール
(エタノール)、イソプロピルアルコール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3ブタンジオー
ル、グリセリン、トリオキシイソブタン、エリトリッ
ト、ペンタエリトリット、ソルビトール、ソルビット
液、マンニトール等が挙げられるが、安全性の面からエ
タノールが好ましい。また、各種変性剤、例えば、八ア
セチル化しょ糖、安息香酸デナトニウム、ブルシン、フ
レーバーH−No.1、フレーバーH−No.3、フレ
ーバーH−No.4、フレーバーH−No.6、フレー
バーH−No.9、フレーバーH−No.10、フレー
バーH−No.11、フレーバーH−No.12、フレ
ーバーH−No.13、フレーバーT−No.100、
フレーバーT−No.101等を添加した変性アルコー
ルも使用することが可能である。エタノール水溶液の濃
度は、15重量%〜55重量%が好ましく、さらに20
重量%〜53重量%、25重量%〜50重量%が特に好
ましい。エタノール濃度が低いと凍結点が高くなり、ま
た55重量%以上では、引火しやすくなり、日常使用す
るには危険である。エタノール水溶液濃度を調整するた
めに水は適時添加される。
【0015】さらに、エタノール水溶液に対して10重
量%以下の無機塩を添加することにより、凍結点を一層
低下させることができるばかりでなく、エタノールの濃
度を低下させることもできるため、引火の危険性をも下
げることができる。無機塩としては、塩化リチウム、塩
化ナトリウム、塩化マグネシム等が挙げられるが、塩化
ナトリウムが好ましい。無機塩を10重量%以上添加す
ると、さらに凍結点が下がる傾向を示すが、これ以上の
添加によりエタノール水溶液に対する塩の溶解度の関係
から塩が析出するため、実用上好ましくない。
【0016】また、本発明の組成物には、触感を改良す
るために、必要に応じてポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等の水溶性高
分子、ポリアクリル酸塩の架橋体、デンプンアクリル酸
塩グラフト体等の吸水性高分子、プルラン、カラギーナ
ン等の天然系増粘剤を添加することも可能である。
【0017】保冷剤組成物を包装する材料としては、ア
ルコールの蒸散を抑えるために、相対湿度(RH)50
%,40℃,24時間の条件下でのエタノールガス透過
度が10g/m2以下、好ましくは5g/m2以下、さら
に好ましくは2g/m2以下の包装材料を用いて作製し
た袋に充填する。このような材料としては、樹脂フィル
ムとアルミニウム箔(アルミ箔)の積層体が好ましい。
アルミ箔は内層でも、最外層でもよい。また、アルミ箔
の代わりにアルミニウム蒸着フィルムでもよい。使用す
る樹脂としては、低密度ポリエチレン、二軸延伸ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ナイロン等、さらには、ポリ
塩化ビニリデンをコーティングしたもの等が挙げられる
がこれらに限られない。例えば、ポリエチレン30〜7
0μm、ポリエチレンテレフタレート(PET)5〜2
0μm、アルミニウム箔3〜10μm、ポリエチレン1
0〜50μmの積層体であり、必要に応じて接着層を設
ける。また、ポリエチレン10〜50μm、アルミ箔3
〜10μm、ポリエチレン10〜50μmの積層体で、
特殊ポリエチレンを熱融着して接着してもよい。
【0018】また、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
リデン(PVDC)をコーティングしたナイロン(Kナ
イロン,商品名)、二軸延伸ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル(PVC)等の積層体で、上記透過度を満たす材
料ならば、透明包装も可能である。例えば、低密度ポリ
エチレン40〜100μm、PET10〜30μmの積
層体、低密度ポリエチレン20〜40μm、Kナイロン
10〜30μmの積層体、低密度ポリエチレン20〜4
0μm、PVDCコーティングポリプロピレン10〜3
0μmの積層体などが挙げられるが、この限りではな
い。
【0019】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例を挙げて本
発明を説明するが、下記の例に限定されるものでない。
【0020】参考例1 エタノール水溶液100gに対して、塩化ナトリウムを
無添加、5g、及び10g添加と変えた時に、凍結温度
が−30℃〜−40℃になるようなエタノール水溶液の
濃度を求めた。その結果を表1に示す。この表より、エ
タノール33.4重量%水溶液(100g)に塩化ナトリウ
ム5g添加したものは、凍結点が、−30℃から−40
℃に低下することが分かる。
【0021】
【表1】 表1:凍結温度とエタノール水溶液濃度の関係 エタノール水溶液100g エタノール水溶液濃度(重量%) に対する塩化ナトリウム 凍結温度 添加量(g) −30℃ −35℃ −40℃ 0 33.4 35.0 46.3 5 25.5 29.0 33.4 10 21.0 25.5 −
【0022】参考例2:N−ビニルアセトアミド系架橋
物粉末の製造例 30℃に保った浴中、窒素の導入管と温度計、排気管を
備えた三つ口(1リットル)セパラブルフラスコ中でN
−ビニルアセトアミド(250g)、ペンタエリスリト
ール・トリアリルエーテル(1.6g)を脱イオン水(7
40g)に溶解し、系内に窒素を1.0リットル/分で約
1時間導入して脱気した。その後、脱気水(10ml)
に溶解した2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩(600mg)を加え、断熱系で12時間
静置した。得られたゲルをミンサーで裁断して50℃で
12時間真空乾燥した後、機械粉砕して粒径1mm以下
の架橋物樹脂粉末を得た。このものの、脱イオン水の吸
液倍率は、自重の30倍、エタノールの吸液倍率は、自
重の30倍であった。
【0023】実施例1 33.4重量%エタノール水溶液(531g)にN−ビニル
アセトアミド架橋物(NA−010:昭和電工製)(1
9.3g)、食塩(26.5g)を加えゲル状組成物を得た。
このものを、ポリエチレン製の袋に入れ、−30℃に1
6時間、25℃に8時間を100回繰り返した。離水は
しておらず、N−ビニルアセトアミド架橋物が、33.4重
量%エタノール水溶液を十分保持することが分かった。
また、触感も柔らかく、曲げることも可能であった。
【0024】実施例2 42.6重量%エタノール水溶液(526g)にN−ビニル
アセトアミド架橋物(NA−010:昭和電工製)(2
7.5g)、食塩(16.5g)を加えゲル状組成物を得た。
このものを、ポリエチレン製の袋に入れ、−30℃に1
6時間、25℃に8時間を100回繰り返した。離水は
しておらず、N−ビニルアセトアミド架橋体が、42.6重
量%エタノール水溶液を十分保持することが分かった。
また、触感も柔らかく、曲げることも可能であった。
【0025】比較例1 N−ビニルアセトアミド架橋体の替わりにアクリル酸ナ
トリウム架橋体(19.3g)を用いた以外は、実施例1と
同様にして繰り返し試験を行なった。初期ゲル状物が得
られたが、繰り返し試験終了時には、離水が見られた。
【0026】実施例3〜6 以下の表2に示す組成物を調製し、ポリエチレン(50
μm)/ポリエステル(12μm)/アルミ箔(7μ
m)/ポリエチレン(12μm)積層体を用いて作製し
た袋(RH50%,40℃,24時間のエタノールガス
透過度0.7g/m2)に組成物を充填し、40℃での重量
減少量を測定し、アルコールの飛散量を求めた。その結
果、上記袋で包装したものは、重量変化が殆どなくアル
コールの飛散がほとんど見られなかった。また、測定終
了後、−30℃の冷凍庫へ24時間入れ冷却したが、凍
結せず柔らかい保冷剤であった。
【0027】
【表2】 吸水剤(NA-010) 33.4重量%エタノール 食塩 実施例3 27.5g 523g − 実施例4 11g 539g − 実施例5 19.3g 531g − 実施例6 22g 528g 26.4g
【0028】
【表3】 表3:配合液の重量残存率(重量%) 経過日数 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 開始日 100 100 100 100 2週間 99.98 99.99 99.98 99.98 1ヶ月 99.97 99.97 99.99 99.97 2ヶ月 99.96 99.98 99.99 99.97 3ヶ月 99.97 99.97 99.99 99.97
【0029】
【発明の効果】
一般式(I)
【化1】 (式中、R1およびR2は、互いに独立して水素またはメ
チル基を表わすか、R1とR2が一緒になって、炭素数3
または4のアルキレン基を表わす。)で示される単量体
と架橋性単量体とを用いて得られる(共)重合体架橋
物、アルコール、水、さらには無機塩を含有する組成物
を保冷剤用ゲルとして用いると、凍結点が低いために、
冷却効果が大きく、冷却後の使用時に柔らかさが保持で
き、人体や冷却対象物に密着しやすい、保冷剤を提供で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 哲彦 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和電 工株式会社化学品研究所内 (72)発明者 川俣 乙三 東京都新宿区西新宿2丁目4番1号 信和 アルコール産業株式会社内 (72)発明者 林 秀則 東京都港区虎ノ門3丁目8番21号 活材ケ ミカル株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は、互いに独立して水素またはメ
    チル基を表わすか、R1とR2が一緒になって、炭素数3
    または4のアルキレン基を表わす。)で示される単量体
    と架橋性単量体とを用いて得られる(共)重合体架橋
    物、アルコール及び水を含有する保冷剤組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化2】 (式中、R1およびR2は、請求項1と同じ意味を表わ
    す。)で示される単量体と架橋性単量体とを用いて得ら
    れる(共)重合体架橋物、アルコール、水及び無機塩を
    含有する保冷剤組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される単量体が、N−
    ビニルアセトアミドである請求項1または2記載の保冷
    剤組成物。
  4. 【請求項4】 アルコールがエタノールである請求項1
    乃至3のいずれかに記載の保冷剤組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化3】 (式中、R1およびR2は、請求項1と同じ意味を表わ
    す。)で示される単量体と架橋性単量体とを用いて得ら
    れる(共)重合体架橋物1〜20重量部、アルコール1
    5〜55重量部、水45〜85重量部、及び無機塩0〜
    20重量部を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載
    の保冷剤組成物。
  6. 【請求項6】 エタノールガス透過度(相対湿度(R
    H)50%,40℃,24時間)が、10g/m2以下
    である包装材料を用いて作製した袋に、請求項1乃至5
    のいずれかに記載の保冷剤組成物を充填してなる保冷
    剤。
  7. 【請求項7】 包装材料が、アルミニウム層を含む多層
    積層体である請求項6に記載の保冷剤。
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