JPH1180394A - ポリマー基材の被覆法、被覆されたポリマー基材の使用及びそれからなる製品 - Google Patents

ポリマー基材の被覆法、被覆されたポリマー基材の使用及びそれからなる製品

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JPH1180394A
JPH1180394A JP10182329A JP18232998A JPH1180394A JP H1180394 A JPH1180394 A JP H1180394A JP 10182329 A JP10182329 A JP 10182329A JP 18232998 A JP18232998 A JP 18232998A JP H1180394 A JPH1180394 A JP H1180394A
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Roland Kunz
クンツ ローラント
Christine Dr Anders
アンダース クリスティーネ
Peter Dr Ottersbach
オッタースバッハ ペーター
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Huels AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー基材の被覆法、被覆されたポリマー
基材の使用及びそれからなる製品 【解決手段】 ポリマー基材の被覆法において、(A)
一般式: R−(A)のビニルモノマー(モノマー
A)少なくとも1種;及び(B) 少なくとも2つのオ
レフィン系二重結合を有する架橋性ビニルモノマー(モ
ノマーB)少なくとも1種又は(C) 少なくとも1種
のモノマーAを含むポリマー(ポリマーC)をポリマー
基材上の少なくとも1種のモノマーBとグラフトさせ、
その際、ポリマー基材をグラフト前に活性化させ、かつ
グラフトを電磁線又は熱により開始させるか、又は開始
剤を併用して、グラフトを電磁線又は熱により開始させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のモノマー又
はそれからなるポリマーを用いてグラフトすることによ
り、ポリマー基材の表面を生体活性被覆する方法に関す
る。本発明により施与された被覆の重要な特性は、その
細菌忌避特性並びに体液及び組織と接触する際のその良
好な相容性である。被覆モノマーの官能性もしくは、被
覆中の特定の官能基のモル比に応じて、表面は更に、細
胞増殖抑制性又は細胞増殖促進性に調節される。本発明
は更に、食品及び嗜好品工業、水処理技術、衛生備品の
バイオテクノロジー及び殊に医療技術の分野で使用する
ためのこのような被覆を有する製品に関する。
【0002】
【従来の技術】ドイツ特許出願第19723132.2
号明細書の目的は、(a) 一般式: R−(A) 式I [式中、Rは、a価を有する脂肪族不飽和有機基を表
し、Aは、カルボキシル基−COOH、硫酸基−OSO
2OH、スルホン酸基−SO3H、リン酸基−OPO(O
H)2、ホスホン酸基−PO(OH)2、亜リン酸基−OP
(OH)2、フェノール系ヒドロキシル基又は前記の基の
いずれかの塩を表し、かつaは、1、2又は3である
が、但し、式Iのモノマーがカルボキシル基−COOH
又はカルボキシレート基を有する場合は、このモノマー
がAの前記の意味とは別の意味を有する少なくとももう
1個の基Aを有するか、又はAが、Aの前記の意味とは
別の意味を有する少なくとももう1種の式Iのモノマー
が併用される]の少なくとも1種のモノマー;及び
(b) 他の脂肪族不飽和モノマー少なくとも1種のラ
ジカル重合により得られる水不溶性ポリマーAを細菌嫌
忌性材料として使用することである。
【0003】ドイツ特許出願第19723132.2号
明細書のもう1つの目的は、(c) 成分Iとしてのカ
ルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を含有する
脂肪族不飽和モノマー又は該モノマーの相応する官能化
誘導体1種以上を、(d) 成分IIとしてのスルホン
酸基及び/又はスルホネート基含有脂肪族不飽和モノマ
ー又は該モノマーの相応する官能化誘導体1種以上及び
(b) もう1つの脂肪族不飽和モノマー又はいくつか
の他の脂肪族不飽和モノマーを含有する成分IIIとラ
ジカル共重合させ、その際、場合により相応して官能化
された誘導体を共重合の後に少なくとも表面で、カルボ
キシル基又はカルボキシレート基もしくはスルホン酸基
又はスルホネート基に変えることにより得られる新規
の、ポリマーAとして挙げられる水不溶性細菌嫌忌性ポ
リマーBである。
【0004】更に、この発明の課題は、水不溶性細菌嫌
忌性ポリマーBの製法である。
【0005】モノマー(b)としてもしくは成分III
として併用できる他のモノマーには、ジオレフィンも挙
げられる。
【0006】ドイツ特許出願19723131.4号明
細書の目的は、同一のポリマーAの使用であり、かつ同
一のポリマーBであるが、その際、カルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基とスルホン酸基及び/又はス
ルホネート基との特定のモル比で特に著しい細胞増殖抑
制作用が該当する。
【0007】ドイツ特許19700078.9号明細書
はこれら両方の出願のポリマーBに関するが、その際、
カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基とスルホ
ン酸基及び/又はスルホネート基との特定のモル比で得
られる細胞増殖に有利な作用を目的としている。
【0008】ドイツ特許出願第19720370.1号
明細書は、基材、殊にポリマー基材の表面生体活性被覆
法に関し、その際、一般式: R−(A) 式I [式中、R、A及びaは、ドイツ特許出願第19723
132.2号明細書に記載の意味を有する]の少なくと
も1種のモノマーを放射線により、活性化された基材表
面上でグラフト重合させるが、但し、式中のAがカルボ
キシル基−COOH又はカルボキシル基の塩又はエステ
ルを表すモノマーIは、Aの前記の意味とは別の意味を
有する少なくとももう1個の基Aを有するか、又はA
が、Aの前記の意味とは別の意味を有する少なくともも
う1種のモノマーIと一緒に使用される。
【0009】その際、式Iのモノマーとして、一般式I
I又はIII: (C2n−q−x)(COOR1) II (C2n−q−x)(SO31) III の混合物を用いるのが有利である。一般式Iに含まれて
いるこれらの式中で、nはそれぞれ無関係に2〜6の整
数であり;xはそれぞれ無関係に1又は2であり;qは
それぞれ無関係に0又は2であり;かつ基R1はそれぞ
れ無関係に−H又は金属イオンの等価物、殊にアルカリ
金属イオン、脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族アルコー
ル、有利に1〜6個の、殊に1〜4個の炭素原子を有す
るアルカノール、5〜12個の炭素原子を有するシクロ
アルカノール、7〜10個の炭素原子を有するアリール
アルカノール又は鎖中に酸素原子及び/又は窒素原子及
び12個までの炭素原子を有するアルカノールのいずれ
かの基、例えば−(CH2−CH2−O)−H、−(CH2
−CH(CH)−O)−H、−(CH2−CH2−CH2
−O)−H又は−(CH2)−NH2−e(R2)[ここ
で、R2は−CH3又は−C25であり、dは1、2、3
又は4であり、かつeは0、1又は2である]を表す。
【0010】この方法では、一方でカルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基を、かつ他方でスルホン酸基
及び/又はスルホネート基を有する被覆をもたらすモノ
マーI及びIIからなる組合せが有利である。これらの
被覆は良好な血液相容性及び同様に良好な細菌忌避効果
を示す。前記の基の比が0.2〜3、有利に0.4〜
3、殊に0.4〜2である場合に、被覆は強力な細胞増
殖抑制特性を有する。これに対して、前記のモル比が2
〜10、有利に3〜10、かつ殊に3〜5である場合
に、被覆された表面は細胞増殖促進性を示す。
【0011】この場合にも、作用特定基を有するモノマ
ーI、II及びIIIの他に、ジオレフィンもそれに挙
げられる他のモノマーを使用することができる。
【0012】ドイツ特許出願第19700081.9号
明細書の目的は、基材、殊にポリマー基材の表面上に細
菌忌避性共有固定被覆の製造であり、その際、(i)一
般式: R−(A) 式I [式中、R、A及びaは、ドイツ特許出願第19723
132.2号明細書に記載の意味を有する]の少なくと
も1種のモノマー及び(ii)少なくとも1種のUV−
光線反応性モノマーを重合導入された形で含有する被覆
ポリマーを、放射線により活性化された基材表面上でグ
ラフトさせる。
【0013】グラフトされた被覆ポリマーにはここで
も、一般式II又はIII: (C2n−q−x)(COOR1) II (C2n−q−x)(SO31) III [式中、R1、n、q及びxはドイツ特許出願第197
20370.1号明細書中に記載の意味を有する]のモ
ノマーの混合物をモノマーIとして使用するものが挙げ
られる。
【0014】作用特定基を有するモノマーI、II及び
IIIの他にここでも、ジオレフィンも挙げられる他の
モノマーを併用することができる。
【0015】ドイツ特許出願第19700827号明細
書の目的は、ドイツ特許出願第19700081.9号
明細書中と同じ被覆ポリマーの製造であり、その際、カ
ルボキシル基及び/又はカルボキシレート基とスルホン
酸基及び/又はスルホネート基との特定のモル比で特に
著しい細胞増殖抑制作用が生ずる。
【0016】ドイツ特許出願第1970083.5号明
細書は、基材表面上での細菌忌避性で同時に細胞増殖に
有利な共有結合で固定された被覆の製法に関し、その
際、(i) 一般式I: R−(COOR1) 式I [式中、Rはa価を有するモノ又はジオレフィン系不飽
和有機基を表し、R1は、水素、金属等価物又は有機基
を表し、かつaは1、2又は3である]のモノマー少な
くとも1種、(ii) 一般式II: R−(SO31) 式II [式中、R、R1及びaは前記の意味を有する]のモノマ
ー少なくとも1種及び(iii) 少なくとも1種のU
V−光線反応性基を有するモノマーを重合導入した形で
含有する被覆ポリマーを、放射線により活性化基材表面
上でグラフトさせ、その際、基−COOR1と−SO3
1とのモル比は3〜10である。
【0017】この方法の場合も、モノマーI及びIIに
付加的に、再びジオレフィンが挙げられる作用特定基を
有しない他の基を併用することができる。
【0018】最後に、ドイツ特許出願第1971544
9.2号明細書は、光化学的に誘起されるグラフト重合
によるポリマー基材表面の変製法に関し、その際、ポリ
マー基材を先ず光開始剤及び少なくとも1種の脂肪族不
飽和モノマーで予め処理し、次いで、予め処理されたポ
リマー基材上で電磁線により誘起して少なくとも1種の
脂肪族不飽和モノマーを重合する。使用可能な脂肪族不
飽和モノマーには、前記の式I、II及びIIIに相応
するものが挙げられる。モノオレフィン系モノマーの他
に、式:CH2=CR1−R6−CR1=CH2[式中、R1
は水素又はメチル基であり、かつR6は2価の有機基を
表す]のジオレフィン系モノマーも重合導入されてよ
く、それにより架橋されたグラフトコポリマーが生じ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、先行
特許出願の方法よりもより強い細菌忌避性及びより良好
に付着する被覆を提供することであった。
【0020】
【課題を解決するための手段】意外にも、(A) 一般
式: R−(A) 式I [式中、Rは、a価を有するモノ又はジオレフィン系不
飽和有機基を表し、Aは、カルボキシル基−COOH、
硫酸基−OSO2OH、スルホン酸基−SO3H、リン酸
基−OPO(OH)2、ホスホン酸基−PO(OH)2、亜
リン酸基−OP(OH)2、フェノール系ヒドロキシル基
又は前記の基のいずれかの塩を表し、かつaは、1、2
又は3であるが、但し、式Iのモノマーがカルボキシル
基−COOH又はカルボキシレート基を有する場合は、
このモノマーが、Aの前記の意味とは別の意味を有する
少なくとももう1個の基Aを有するか、又はAが、Aの
前記の意味とは別の意味を有する少なくとももう1種の
式Iのモノマーが併用される]のビニルモノマー(モノ
マーA)少なくとも1種;及び(B) 少なくとも2つ
のオレフィン系二重結合を有する架橋性ビニルモノマー
(モノマーB)少なくとも1種又は(C) 少なくとも
1種のモノマーAを含むポリマー(ポリマーC)をポリ
マー基材上の少なくとも1種のモノマーBとグラフトさ
せ、その際、ポリマー基材をグラフト前に活性化させ、
かつグラフトを電磁線又は熱により開始させるか、又は
開始剤を併用し、かつグラフトを電磁線又は熱により開
始させる場合に、ポリマー基材は、モノマー又はポリマ
ーでグラフトすることにより、先行特許出願の方法に比
べてより強力に細菌忌避性で、かつより良好に付着する
被覆を有しうることが発見された。
【0021】選択的に、予め調製された未架橋のポリマ
ーを架橋剤と一緒にグラフトするか、又はモノマーから
出発し、そうして方法技術的に有利に重合をグラフトと
結び付ける。
【0022】式I中のAに挙げられている基の塩には、
アルカリ金属塩及び殊にナトリウム塩が有利である。
【0023】式Iのモノマー(モノマーA)の共通する
特徴は、これらが1又は2個のオレフィン系二重結合並
びに少なくとも1つの酸性基又は酸性基の塩を有するこ
とである。
【0024】本発明で被覆された表面は、有利な特性の
注目すべき組合せを示し、従って優れた生理学的相容性
を示す。これらは前記の特許出願による被覆の場合より
も殊に、より良好に血液相容性であり、かつ高い規模
で、しかもより長い期間、細菌の付着及び増殖を低減す
る。これらは殊に、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、
化膿性ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌及び大腸菌に有効
である。同時に多くの場合、細胞、例えばヒト臍の緒細
胞の増殖も抑制する。被覆が細菌は忌避するが、細胞増
殖は促進する特別な条件は、後記で説明する。本発明で
被覆された基材の表面は、場合により抽出の後に、移動
可能及び/又は抽出可能なモノマー成分及びオリゴマー
成分を含まない。遊離された体外物質又は殺菌された細
菌による不所望な副作用は観察されない。
【0025】1.モノマーA モノマーのグラフト(共)重合の際に、例えばモノマー
Aとして一般式II又はIII: (C2n−q−x)(COOR1) II (C2n−q−x)(SO31) III [一般式Iに含まれているこれらの式中、nはそれぞれ
無関係に2〜6の整数であり;xはそれぞれ無関係に1
又は2であり;qはそれぞれ無関係に0又は2であり;
かつR1はそれぞれ無関係に−H又は金属イオンの等価
物、殊にアルカリ金属イオンを表す]のモノマーの混合
物を使用するのが有利である。
【0026】所定の定義に相応して、基:(C
2n−q−x)−はそれぞれ無関係に、直鎖又は分枝鎖の
一価アルケニル基(q=0、x=1)又はアルカジエニ
ル基(q=2、x=1)又は2価アルケニレン基(q=
0、x=2)又はアルカジエニレン基(q=2、x=
2)を意味する。
【0027】式II及びIIIを含む2種のモノマーA
の代わりに、それ自体の分子中に基−COOR1及び−
SO31を有するモノマー(II+III)のみを使用
することもできる。
【0028】ベンゼンから誘導された一般式IV: (C66−b−c−d)B3 (OH) IV [式中、Bは、それぞれ無関係に、式:(C
2n−1−q−y)(COOR1)又は(C
2n−1−q−y)(SO31)のモノ又はジ不飽和の直
鎖又は分枝鎖基を表し、ここでR1、n及びqは前記と
同様に規定され、かつyは0、1又は2であり;R3
それぞれ無関係に、C1〜C4−アルキル、−NH2、−
COOH、−SO 3H、−OSO3H、−OPO(O
H)2、−PO(OH)2、−OP(OH)2、−OPO(O)
OCH2−CH2−N(CH3)3、−PO(O)O−CH
2−CH2−N(CH3)3、−OP(O)OCH2−CH2
−N(CH3)3又は塩、殊に前記の基のアルカリ塩又は
エステルを表し;bは1、2又は3であり;cは0、
1、2又は3であり;かつdは0、1、2又は3である
が;但し、b+c+d≦6、有利に≦4である]のモノ
マーAも使用することができる。
【0029】勿論、一般式II及びIIIのモノマーA
の前記の組み合わせの他に、一般式I、II、III及
びIVのモノマーAの任意の混合物を本発明方法に使用
することもできる。
【0030】他の好適なビニルモノマーは、硫酸基又は
その基の塩(スルフェート基):スルホン酸基又はその
塩;ホスホン酸基、酸性ホスホン酸エステル基又はホス
ホン酸基の塩又は酸性ホスホン酸エステル基;リン酸
基、酸性リン酸エステル基又はリン酸基の塩又は酸性リ
ン酸エステル;亜リン酸基、酸性亜リン酸エステル基又
は亜リン酸基の塩又は酸性亜リン酸エステル基を有する
式Iに相当する化合物である。これらのモノマーも相互
に、かつ/又は一般式II、III及びIVのモノマー
Aと混合して、本発明の方法に使用することができる。
【0031】更に、式Iに相応する1〜3価(又は1〜
3塩基性)のフェノール並びにその塩も、好適なモノマ
ーとして述べることができる。これらも場合により、相
互に、かつ/又は前記のモノマーAと混合して使用す
る。
【0032】本発明の方法には、一方でカルボキシル基
及び/又はカルボキシレート基を、かつ他方でスルホン
酸基及び/又はスルホネート基を有する被覆をもたらす
モノマーI〜IVからの組合せが有利である。相容性も
しくは共存の観点では、前記の基からの3つの可能な2
成分系組合せ、即ちカルボキシル基及びスルホン酸基;
カルボキシル基及びスルホネート基;並びにカルボキシ
レート基及びスルホネート基、更に2つの3成分系組合
せ、即ちカルボキシル基、カルボキシレート基及びスル
ホネート基;並びにカルボキシル基、スルホン酸基及び
スルホネート基がある。これら全ての組合せが、本発明
方法の使用可能な実施形と同定される。勿論、グラフト
重合の後にその官能基が変化するモノマーを使用するこ
とも可能である。例えば、アクリルアミド−成分を後
に、酸性媒体中での加水分解によりアクリル酸成分に変
えることができる。更に、カルボキシル基及びスルホン
酸基は、中和(例えばホスフェート緩衝剤中での)によ
り、並びにカルボンエステル基及びスルホン酸エステル
基は加水分解によりカルボキシレート基もしくはスルホ
ネート基に変えることができる。前記の組合せで、被覆
中でのカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基と
スルホン酸基及び/又はスルホネート基とのモル比は、
広い範囲で変動可能である。前記の比が0.2〜3、有
利に0.4〜3、殊に0.4〜2である場合に、特に強
力な細胞増殖抑制特性が達成される。前記のモル比が2
〜10、有利に3〜10、かつ殊に3〜5である場合
に、被覆された表面は、注目に値する細菌忌避性、細胞
増殖促進性を示す。哺乳動物の細胞の付着及び増殖が、
被覆により、被覆されていない表面と比べて改善されて
いるか、少なくとも、細菌の付着及び増殖よりも少なく
阻害されている場合に、本発明では被覆が細胞増殖促進
性であるとしている。
【0033】好適なモノマーAとして例えば、次のもの
を挙げることができる:アクリル酸、4−ビニルサリチ
ル酸、イタコン酸、ビニル酢酸、ケイ皮酸、4−ビニル
安息香酸、2−ビニル安息香酸、ソルビン酸、カフェ
酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、フマル酸、ジメチルフマル酸、メチルフマ
ル酸、ジヒドロキシマレイン酸、アリル酢酸;並びにこ
れらの酸のナトリウム塩、ナトリウムアリルスルフェー
ト、ナトリウムアリルスルホネート、ナトリウムメタリ
ルスルフェート、ナトリウムスチレンスルホネート、ナ
トリウムビニルトルエンスルホネート、ブテン−(2)−
ジオール−(1,4)−二リン酸、ブテン−(2)−ジオー
ル−(1,4)−二ホスホン酸並びにこれら両方のリン酸
もしくはホスホン酸の二ナトリウム塩、モノアリルホス
フィット、2−ビニルフェノール、2−アリルヒドロキ
ノン、4−ビニルレソルシン、m−ヒドロキシスチレ
ン、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、カルボキシビニルベンゼンスルホン酸。
【0034】本発明方法のもう1つの実施形では、モノ
マーAとして、一般式V及びVI:
【0035】
【化2】
【0036】[式中、R1は水素又はメチル基を表し、R
2は2価の有機基、有利に10個までの炭素原子を有す
る脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基又はC−C−単
結合を表し、R3は−O−又は−NH−を表し、R4は水
素又は基−SO3−Naを表し、R5は水素、メチル基
又は基:−R2−COO−Naを表し、R6は水素又は
Naを表し、かつnは4又は5を表すが、但し、置換基
4の少なくとも1つが基:−SO3−Naである]の
モノマーからなる混合物を使用する。
【0037】式V及びVIの有利なモノマーA中では、
1は水素を表し、R2は1〜4個の炭素原子を有するア
ルキレン基、フェニレン基又はC−C−単結合を表し、
3は−O−又は−NH−を表し、R4は水素又は基−S
3−Naを表し、R5は水素又は基:−R2−COO
−Naを表し、R6は水素又はNaを表し、かつnは
4である。
【0038】式VのモノマーAには変性された、有利に
ペントース及び殊にアラビノースに由来している糖基が
含まれる。これらの糖基は、少なくとも1つの基:−O
−SO3−Na(O−スルフェート)又は−NH−S
3−Na(N−スルフェート)を有利には基R2の隣
に含む。これらは、1〜4個のこれらの基を有するのが
有利である。糖基中に、O−スルフェート基及びN−ス
ルフェート基が同時に存在してよく、その際、N−スル
フェート基は基R2の隣に位置するのが有利である。場
合により、糖基は、専らこれらの基の1種のみを、例え
ばO−スルフェート基のみを有していても良い。前記の
種類(O−スルフェートを含有し、並びにN−スルフェ
ートのみを含有する基)のそれぞれは、単独で、又は他
の種と共に式VのモノマーAとして好適である。混合比
はほぼ0:100〜100:0である。
【0039】2.架橋性ビニルモノマーB 架橋性ビニルモノマー(モノマーB)は少なくとも2
個、有利に3〜6個のオレフィン系二重結合を有し、一
般に生体学的効果を被覆にもたらす基を有しない。その
併用は、より厚くかつより耐層剥離な層をもたらし、か
つ他の点で同じ条件下に細菌付着及び増殖をもう一度か
なり低下させる。2個以上、殊に3〜6個のオレフィン
系二重結合を有する架橋剤はその限りで、ジオレフィン
系架橋剤に比べてかなり効果的である。この併用は、モ
ノマーAが1個以上のオレフィン系二重結合を有し、従
って単独でネットワークを形成しうる場合にも有用であ
る。勿論、2つ以上の異なるモノマーBで処理すること
もできる。モノマーBはそのオレフィン系二重結合の他
に例えば、親水基、例えばヒドロキシル基及び/又はア
ルキレンオキシド基を含有してもよく、その場合同時に
親水性で、かつ架橋性のモノマーBである。モノマーB
を、モノマーAに対して好適に0.01〜50モル%、
有利に0.1〜20モル%の量で使用する。
【0040】好適なモノマーBは例えば、オレフィン系
二重結合を2つ有するもの、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン及びクロロプレン;(メタ)アクリル酸
エステル、例えばエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート及びポリエチレ
ングリコール−1000−ジメタクリレート;及びビニ
ル化合物、例えば1,4−ブタンジオールジビニルエー
テル、エチレングリコールジビニルエーテル及び1,4
−ジビニルベンゼンである。3個以上のオレフィン系二
重結合を有する架橋剤のうち例えば、アクリル酸エステ
ル、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート及びペ
ンタエリトリットテトラアクリレート;ポリビニルエー
テル、例えばグリセリン−12EO−トリビニルエーテ
ル及びペンタエリトリット−64EO−テトラビニルエ
ーテル;炭水化物誘導体、例えば1分子当たり2個以上
のアクリロイル基を有するアクリロイル化ヒドロキシプ
ロピルセルロース;及びアリル化合物、例えばペンタエ
リトリットテトラアリルエーテルを挙げることができ
る。
【0041】3.場合により併用可能な他のモノマーD 前記の血液相容性を生じさせ、かつ細菌忌避性で並びに
細胞増殖抑制性又は促進性に作用する基を有する前記の
モノマーA及び架橋剤Bの他に、中性であるか、若干作
用するのみの他のモノオレフィン系不飽和モノマー(後
にはモノマーDと記載)を併用することができる。これ
は例えば、(メタ)アクリル酸誘導体、例えばエチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−(2’−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルアクリレート、
2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、n−
プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−(2’−ヒドロキシエトキシ)エチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルメタクリレー
ト、2−N,N−ジ−メチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチレングリコールモノメタクリレート、(メ
タ)アクリルニトリル;ビニルケトン、例えばビニルエ
チルケトン;オレフィン及びジオレフィン、例えば1−
ブテン及び1−ヘキセン;ビニル芳香族、例えばスチレ
ン、ビニルトルエン及びジビニルベンゼン;及びビニル
シロキサンであってよい。このモノマーは、優勢な量で
存在してよく、例えば90モル%までであってよい。
【0042】4.モノマーA及び場合によりDからなる
ポリマーC モノマーA、B及び場合によりDをそのままグラフトす
る代わりに、モノマーA及び場合によりDを予め重合
し、そうして得られたポリマー(C)を架橋性モノマー
Bと一緒にグラフト(又はグラフト重合)させることも
できる。ポリマーCを常法で、ラジカル重合により、有
利に溶液又はエマルジョン重合により製造する。好適な
溶剤は例えば、水;ケトン、例えばアセトン、メチルエ
チルケトン及びシクロヘキサノン;エーテル例えばジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン;ア
ルコール、例えばメタノール、エタノール、n−及びイ
ソ−プロパノール、n−及びイソ−ブタノール及びシク
ロヘキサノール;強極性溶剤、例えばジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシ
ド;炭化水素、例えばヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン及びトルエン;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロ
ロメタン及びトリクロロメタン;エステル、例えば酢酸
エチル、酢酸プロピル及び酢酸アミル;並びにニトリ
ル、例えばアセトニトリル;又はこれらの溶剤からなる
混合物である。
【0043】好適な重合開始剤は例えば、アゾニトリ
ル、アルキルペルオキシド、アシルペルオキシド、ヒド
ロペルオキシド、ペルオキシケトン、ペルオキシエステ
ル及びペルカーボネート、並びに通常の光開始剤の全て
である。重合を熱により、例えば60〜100℃に加熱
することにより、又は適当な波長での照射により行う。
発熱重合反応の終了後に、ポリマーCを慣用の方法で溶
剤から、例えば水溶液の重合を実施した場合にはエタノ
ールでの沈殿により分離する。エマルジョン中で製造さ
れたポリマーは、噴霧乾燥により収得することができ
る。好適な溶剤を用いての抽出により、モノマー又はオ
リゴマー成分を除去できる。
【0044】5.ポリマー基材 ポリマー基材として、全てのポリマープラスチック、例
えばポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル及びポリ
エーテル、ポリエーテルブロックアミド及びポリオルガ
ノシロキサンが好適である。更に例えば、放射線反応性
基を有する、又は有さないポリスチレン、ポリビニルク
ロリド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスル
ホン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリテトラ
フルオルエチレン(PTFE)、ポリアクリレート、ポ
リメタクリレート、相応するコポリマー及びブレンド並
びに天然及び合成ゴムが好適である。本発明の方法は、
塗装又は別の方法でプラスチック被覆された金属体、ガ
ラス体又は木材の表面にも適用することができる。
【0045】6.ポリマー基材のグラフト 6.1 活性化された基材表面上で 基材の表面を本発明により一連の方法で活性化すること
ができる。これらから公知の方法で、溶剤を用いてオイ
ル、脂肪又は他の不純物を除去することができる。
【0046】6.1.1 UV光線反応基を有しない通
常のポリマーの活性化は有利にUV光線、例えば波長範
囲100〜400nm、有利に125〜310nmで行
うことができる。好適な光源は例えばUV−エキシマ−
装置(HERAEUS Noblelight,Hanau, ドイツ)である。し
かし、水銀ランプも、それが前記の範囲でかなりの照射
成分を照射するならば基材活性化に好適である。露出時
間は通常、0.1秒〜20分、有利に1秒〜10分であ
る。酸素の存在が有利であると判明している。有利な酸
素圧は、2×10−5〜2×10−2である。例えば、1
−4〜10 −1バールの真空中、又は不活性ガス、例え
ば酸素含有率0.02〜20パーミルを有するヘリウ
ム、窒素又はアルゴンの使用下に処理する。
【0047】6.1.2 活性化を本発明では、高周波
数プラズマ又はマイクロウェーブプラズマ(Hexagon, T
echnics Plasma社、85551Kirchheim、ドイツ)に
より、空気、窒素又はアルゴン雰囲気中で達成すること
ができる。露出時間は通常、30秒〜30分、有利に2
〜10分である。エネルギー使用は、実験装置で通常、
100〜2000W、有利に200〜1800Wであ
る。
【0048】6.1.3 更に、コロナ−装置(SOFTAL
社、Hamburg、ドイツ)も活性化のために使用すること
ができる。露出時間はこの場合通常、1秒〜10分、有
利に1〜60秒である。
【0049】6.1.4 電子又はガンマ−線(例えば
コバルト−60−源からの)による活性化は、通常0.
1〜60秒の短時間の露出時間を可能にする。
【0050】6.1.5 表面の燃焼も同様に表面の活
性化をもたらす。好適な装置は、殊に、バリアフレーム
フロントを有するものは簡単な方法で作ることができる
か、又は例えばARCOTEC社(71297Moensheim、ドイ
ツ)から購入することができる。これは、燃焼ガスとし
て炭化水素又は水素を用いて操作することができる。い
ずれの場合にも、基材の有害な過熱を回避する必要があ
り、このことは、燃焼面に向いていない基材表面上での
冷却された金属表面との密接な接触により容易に達成す
ることができる。燃焼による活性化はこれに相応して、
かなり薄く、平滑な基材に限られる。露出時間は通常、
0.1秒〜1分、有利に0.5〜2秒で、その際、例外
なく発光しない炎が該当し、かつ基材表面と外側燃焼面
との距離は0.2〜5cm、有利に0.5〜2cmであ
る。
【0051】6.1.6 最後に、ポリマー基材表面
は、強酸又は強塩基を用いての処理によっても活性化す
ることができる。好適な強酸には、硫酸、硝酸及び塩酸
が挙げられる。例えば、ポリアミドを室温で濃硫酸を用
いて5秒〜1分処理できる。強塩基としては、特に水又
は有機溶剤中のアルカリ金属水酸化物が好適である。そ
の場合、例えば、希水酸化ナトリウム水溶液を基材上で
20〜80℃で1〜60分作用させることができる。も
しくは例えば、テトラヒドロフラン中の2%KOHを表
面上で1分〜30分作用させて、ポリアミドを活性化す
ることができる。
【0052】多くの場合、例えば高親水性ポリマーで
は、ポリマー基材の表面を2つ以上の方法の組み合わせ
で活性化するのが望ましい。有利な活性化方法は、6.
1.1及び6.1.2に記載されている方法である。
【0053】ポリマー基材を6.1.1〜6.1.6に
記載の方法で予備処理した後に、活性化された表面を1
〜20分、有利に1〜5分、酸素、例えば空気の形の酸
素にさらし得る。引き続き、活性化された表面に公知の
方法で、例えば浸漬、噴霧又は刷け塗りで、被覆溶液を
施与する。これは、モノマーA、B及び場合によりDの
溶液であってよい。もしくは、活性化基材上にポリマー
C及び架橋性モノマーBの溶液を施与する。溶剤として
は、殊に親水性モノマーもしくはポリマーでは、水及び
水−エタノール混合物が有利であるが、モノマーもしく
はポリマーに関して十分な溶解特性を有し、かつ基材表
面をよく湿らせるならば、他の溶剤も使用可能である。
モノマーの溶解性及びできる被覆の所望の層厚に応じ
て、溶液のモノマーもしくはポリマーの濃度は、0.1
〜50重量%であってよい。モノマーもしくはポリマー
含有率3〜10重量%、約5重量%を有する溶液が実際
に有利である。
【0054】グラフトは、被覆溶液中に浸漬された基材
の照射により行うことができる。しかし基材を、先ず被
覆溶液から出すことも(又は他の慣用の方法、例えば噴
霧、ドクター、刷け塗り又はスピン−コーティングによ
り被覆することも)できるし、溶剤の蒸発の後に、又は
既に蒸発の間に照射することもできる。可視光線の短波
セグメントの、また電磁線のUV範囲の長波セグメント
の放射線で処理するのが有利である。250〜500n
m、有利に290〜320nmの波長のUV−エキシマ
ーの照射が特に好適である。この場合も、前記の領域で
かなりの照射成分を有する水銀灯も好適である。露出時
間は通常、10秒〜30分、有利に2〜15分である。
【0055】もしくは、グラフトを熱により開始させる
こともできる。このために、被覆溶液で被覆した後に、
活性化基材を通常の方法で、50〜100℃であってよ
い温度に5分〜4時間加熱する。
【0056】場合により、このような多段階工程によ
り、気密なかつ/又は厚い被覆を生じさせるために、記
載の処理工程を活性化工程を含めて繰り返すのが有利で
ある。もしくは、活性化ポリマー基材を、場合により記
載の酸素処理の後に、モノマーA、B及び場合によりD
に、もしくは相応するポリマーCの溶液に浸漬し、かつ
浸漬された状態で照射することも可能である。予備実験
により、所定の光源でどれほどの照射時間が、かつどれ
ほどの、場合によりより長い基材と溶液との接触時間で
所望の層厚が達成できるかを難なく確めることができ
る。
【0057】6.2 低分子量の開始剤でのグラフト この被覆変法で使用される開始剤は、電磁線又は熱の作
用により、ラジカル形成下に分解する基を有する低分子
量化合物(つまり高分子開始剤は含まない)である。い
ずれの種類の開始剤も重合技術ではよく知られている。
【0058】熱によりラジカル形成をしながら分解する
好適な開始剤には、例えばアゾニトリル;アルキルぺル
オキシド、アシルぺルオキシド、ヒドロぺルオキシド、
ペルオキソジスルフェート、ペルオキシケトン、ペルオ
キシエステル及びペルカーボネートが挙げられる。
【0059】電磁線により開始されるグラフトのための
好適な開始剤は、全ての慣用の光開始剤、例えばベンゾ
イン、ベンジルケタール、α−ヒドロキシケトン、ぺル
オキシド、アゾ化合物、アゾキシ化合物、ジアゾスルホ
ネート、ジアゾスルホン、ジアゾチオエーテル、ジアシ
ルジアゾメタン、ジアリールスルフィド、ヘテロ芳香族
置換ジスルフィド、ジアロイルスルフィド、テトラアル
キルチウラムジスルフィド、ジチオカルボネート又はジ
チオカルバメートである。詳細には、ベンゾフェノン、
アセトフェノン、フルオレノン、ベンゾアルデヒド、プ
ロピオフェノン、アントラキノン、カルバゾール、3−
又は4−メチルアセトフェノン、4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン、アリルアセトフェノン、2,2’−ジ
フェノキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエ
ーテル、ベンゾインアセテート、ベンゾインフェニルカ
ルバメート、ベンゾインアクリレート、ベンゾインフェ
ニルエーテル、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルジス
ルフィド、アシルホスファンオキシド又はクロルメチル
アントラキノン並びにこれらの組み合わせを挙げること
ができる。有利な特に短い照射時間を可能にする光開始
剤は、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、ベンジルケター
ル及びα−ヒドロキシケトンである。
【0060】グラフトの前に、ポリマー基材を開始剤で
予備処理する。開始剤の溶液をポリマー基材上に施与
し、溶剤を蒸発させることによりこれを行う。好適な溶
剤は基材及び開始剤に応じて、例えば水、アセトン、メ
チルエチルケトン、ブタノン、シクロヘキサノン、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シク
ロヘキサノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘプタン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、トリク
ロロメタン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸アミル又
はアセトニトリルである。溶剤は、ポリマー基材と開始
剤とが密に接触しないように、ポリマー基材を膨潤させ
るべきであるが、溶かすべきでない。
【0061】ポリマー基材への生体活性被覆の良好な付
着の点ではしかし、ポリマー基材をドイツ特許出願第1
9715449.2号明細書の教示に従い、先ず開始剤
及び少なくとも1種のモノマーで予め処理し、次いで、
モノマーA、B及び場合によりDもしくはポリマーC及
びモノマーBを予備処理されたポリマー基材上でグラフ
トさせるのが有利である。開始剤及びモノマーの選択は
特に、ポリマー基材の化学的性質による。モノマーは、
ポリマー基材を膨潤させなければならなく、そうしてポ
リマー基材の表面付近の帯域への開始剤の浸透を可能に
しなければならない。予備処理のためのモノマーが所望
の生体特性を仲介するかどうかは、これに対して何ら関
連がない。更に、ポリマー基材を十分に膨潤させ、かつ
開始剤を良好に溶かし、かつ浸透しうるが、最後に望ま
れる生体学的特性を示さないモノマーで予備処理し、か
つグラフト相で初めて、生体学的に作用する基を有する
所望のモノマーを使用することもできる。ポリマー基
材、予備処理のための開始剤及びモノマーの最適な組み
合わせは、予備実験で難なく知ることができる。例え
ば、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルが、前
記の有利な光開始剤と結びつくと、ポリアミド−、ポリ
ウレタン−、ポリエーテルブロックアミド−又はポリエ
ステルアミド−又は−イミド−基材の予備処理に良好に
好適である。
【0062】ポリマー基材を予備処理するための混合物
は少なくとも優勢に、開始剤及び少なくとも1種のモノ
マーからなるのが有利である。この混合物はもっぱら前
記の成分からだけからなっていてもよいか、又はいずれ
の場合にも、副次的な量、例えば溶剤40、有利に20
重量%までを含有する。後者は、モノマー及び開始剤
が、均一混合物又は溶剤に混合しないか、よく混合しな
い場合か、又は基材がモノマーだけでは著しく膨張する
場合に該当する。好適な溶剤は、例えば前記で開始剤の
ための溶剤として挙げたものである。本発明の方法のよ
り短い照射時間は主に、溶剤を、ポリマー基材の予備処
理のための混合物中に副次的な量で添加していることに
由来する。
【0063】開始剤及びモノマーを用いてのポリマー基
材の処理を、ポリマー基材の表面がやや膨潤するように
行う。処理時間は、ポリマー基材、開始剤及びモノマー
のそれぞれの組み合わせ並びに温度に依存している。こ
れは1〜10秒のみを要し、かつ有利に1〜5秒であ
る。最適な温度及び処理時間は難なく予備実験で知るこ
とができる。ポリマー基材の開始剤及び脂肪族不飽和モ
ノマーでの処理を、温度10〜200℃、特に有利に温
度20〜80℃及び殊に30〜60℃で行うのが有利で
ある。
【0064】ポリマー基材を処理するための開始剤を含
有する混合物は、通常の施与技術、例えば噴霧、刷け塗
り又は浸漬によりポリマー基材上に施与することができ
る。
【0065】開始剤を備えたポリマー基材上に、本発明
により光化学的に又は熱により誘起させてモノマーA、
B及び場合によりDを、又はポリマーC及び架橋剤をグ
ラフトさせる。モノマーもしくはポリマーCはグラフト
の際に物質で、又は有利には溶剤に溶かして、ポリマー
基材に接触させることができる。溶剤としては、モノマ
ーもしくはポリマーCの種類に応じて、予備処理の際に
好適であったものが好適である。通常、モノマーもしく
はポリマーC2〜50重量%を含有する溶液を用いて処
理する。ポリマー基材は浸漬するか、又は前記の施与方
法により、モノマーもしくはポリマーの溶液を用いて被
覆することができる。
【0066】光開始グラフトは、波長領域180〜12
00nm、有利に200〜800nm、殊に200〜4
00nmの電磁線により誘起することができる。これら
の波長範囲での照射は、比較的穏やかで、かつ通常ポリ
マー基材を侵さない。例えば、連続的な照射を伴う、例
えば照射媒体としてXeCl又はXeFを用いるエキシ
マー−UV−エミッタ(Heraeus 社、D−63801、
Neuostheim)を用いて処理する。原則的に、可視領域も
しくは前記の領域で広いUVのスペクトル及び照射成分
を有する水銀灯を使用することもできる。露出時間は通
常、60秒〜300秒である。露出時間は特に、照射さ
れる基材の形状大きさに依存している。著しい三次元特
性を有する物品は回転させなければならず、かつより長
い照射を要する。
【0067】もしくは、グラフトを熱により誘起させる
こともできる。このために、モノマーA、B及び場合に
よりCで、もしくはポリマーC及びモノマーBで被覆さ
れたポリマー基材を、使用された開始剤がラジカル形成
下に分解し、かつグラフトが開始される温度に加熱す
る。これは、開始剤及びモノマーA、B及び場合により
D、もしくはポリマーC及びモノマーBでは通常、ポリ
マー基材を50〜100℃の温度に5〜240分加熱す
ることに該当する。
【0068】グラフト(6.1及び6.2)の後に導入
された基を通常の方法で完全に又は部分的に誘導体に変
えることができる。例えば、カルボキシル基をカルボキ
シレート基に、又はスルホン酸基をスルホネート基に中
和すること、カルボンエステル基をヒドロキシル−又は
カルボン酸基に、並びにカルボンアミド基又はニトリル
基をカルボキシル基にけん化することがきる。本発明で
変成されたポリマー基材の他の誘導体化は、通常の方法
により行うことができる(H.Beyer, Lehrbuchder organ
ischen Chemie、S.Hirzel Verlag、Stuttgart、198
8、p.260〜)。
【0069】殊に医療技術で使用する場合、グラフトさ
れた被覆は溶解性モノマー又はオリゴマーを有してはな
らない場合、これらの不所望な成分を例えば熱水を用い
て抽出することができる。被覆はポリマー基材に共有結
合しているので、これにより、被覆は剥離せず、傷まな
いか、又はその生体学的作用に影響を及ぼされない。
【0070】7.被覆された基材の使用 本発明で製造される被覆されたポリマー基材は、食品及
び嗜好品工業、水処理技術、バイオテクノロジー、衛生
用品及び殊に医療技術の分野で使用するための製品の製
造に好適であるか、又はそれらの製品と定められる。全
体的に、又は部分的に本発明により被覆されうるような
製品も、同様に本発明の目的である。このための例
は、、テキスタイル、室内備品及び器具、管及びチュー
ブ、床材、壁面及び天井材、貯蔵容器、包装、窓枠、受
話器、便座、ドアノブ、公共交通機関の手すり及び吊革
及び医療用具である。医療用具は例えば、インプラント
又は補助材、例えば、ドレナージ、誘導線、カニュー
レ、眼内レンズ、コンタクトレンズ、ステント、形成外
科用血管プロテーゼ、義関節、義骨、靭帯プロテーゼ、
義歯、血液バッグ、透析膜、縫合材料、包帯用ガーゼ、
フリース製品及び手術用器具である。本発明の材料の有
利な使用はカテーテルの製造のための使用である。
【0071】
【実施例】次の例で本発明を詳述するが、しかし請求項
中に記載されているように、これは本発明の使用分野を
限定するものではない。
【0072】例1〜6 例1及び2ではポリマーを、例3〜6ではモノマーをグ
ラフトさせた。
【0073】被覆実験のための溶液を次のように製造し
た: 例1 ナトリウム−4−スチレンスルホネート(NaSS)、
マレイン酸(MS)及びポリエチレングリコール−10
00−モノメチルエーテルモノアクリレート(PEG−
1000−MeO−MA;Polyscience Europe GmbH
社、Heidelberg)の1モル溶液をモル比5:5:1で合
わせ、かつモノマー全量に対して1モル%のK228
を添加した。このバッチを攪拌下に60℃に4時間加熱
し、冷却し、かつ徐々に、かつ攪拌下に5倍容量のエタ
ノール中に注いだ。沈殿したコポリマーを濾別し、かつ
エタノールで洗浄し、かつ空気循環キャビネット中、5
5℃で10時間乾燥させた。被覆実験のために、コポリ
マーの10重量%水溶液を製造した。この溶液に濃度が
20重量%であるような量のジエチレングリコールジメ
タクリレート(DEGDMA;Polyscience Europe Gmb
H社、Heidelberg)を架橋剤として添加した。
【0074】例2 例1と同様に処理したが、溶液の容量比は50:50:
1であり、製造された溶液は1重量%であり、かつ架橋
剤は再び20重量%の濃度のポリエチレングリコール−
1000−ジメタクリレート(PEG1000DMA;
Polyscience Europe GmbH社、Heidelberg)であった。
【0075】例3〜6 モノマーNaSS及びマレイン酸(MS)もしくはアク
リル酸(AS)を表に記載の濃度で水中に溶かした。架
橋剤の種類及び濃度は同様に、表に記載している(PE
TAE=ペンタエリトリットトリアリルエーテル、PE
TA=ペンタエリトリットテトラアクリレート;Polysc
ience Europe GmbH社、Heidelberg)。
【0076】ポリマー基材及びその活性化 基材材料として、全ての場合に0.1mm厚のポリアミ
ド12−シート(Typ L2101、Huels AG)を使
用した。シートを被覆する前に次のように活性化した: 例1 ポリアミド−シートを、70℃に温められた2,2’−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(”UV−開
始剤”)40gの溶液中に5秒浸漬し、かつ空気中で乾
燥させた。
【0077】例2〜6 ポリアミドシートをそれぞれ、1ミリバールの圧力で波
長172nmのエキシマーザーで5分、照射した。照射
は、出力1.7kW、試料までの距離4cmのエキシマ
ー−UV−レーザー(Heraeus、Kleinostheim、ドイ
ツ)による。
【0078】グラフト重合 例1〜6 活性化されたPA12−シートを被覆溶液中に浸漬し、
かつ浸漬した状態で、表に記載の時間、波長308nm
エキシマー−UV−照射した。照射はここでも、出力
1.7kW、試料までの距離4cmのエキシマー−UV
−レーザー(Heraeus、Kleinostheim、ドイツ)によ
る。
【0079】ATPを介しての被覆された基準シートの
細菌付着測定(静止) 技術的に慣用の生体発光法を使用する。株肺炎桿菌の細
菌細胞を、本発明で被覆された、もしくは未被覆のPA
12−シートに吸着させた後に、付着しなかった細菌
を、無菌PBS−緩衝液で流す。シートに付着する細菌
から、細菌内容物アデノシントリホスフェートを抽出
し、かつ市販の試験コンビネーションを用いて、生体発
光試験で測定した。測定された光周波数の数は、付着し
た細菌の数に比例する。
【0080】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/04 C08J 7/04 Z

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー基材の被覆法において、 (A) 一般式: R−(A) 式I [式中、Rは、a価を有するモノ又はジ脂肪族不飽和有
    機基を表し、 Aは、カルボキシル基−COOH、硫酸基−OSO2
    H、スルホン酸基−SO3H、リン酸基−OPO(O
    H)2、ホスホン酸基−PO(OH)2、亜リン酸基−OP
    (OH)2、フェノール系ヒドロキシル基又は前記の基の
    いずれかの塩を表し、かつaは、1、2又は3である
    が、但し、 式Iのモノマーがカルボキシル基−COOH又はカルボ
    キシレート基を有する場合は、このモノマーがAの前記
    の意味とは別の意味を有する少なくとももう1個の基A
    を有するか、又はAが、Aの前記の意味とは別の意味を
    有する少なくとももう1種の式Iのモノマーが併用され
    る]のビニルモノマー(モノマーA)少なくとも1種;
    及び (B) 少なくとも2つのオレフィン系二重結合を有す
    る架橋性ビニルモノマー(モノマーB)少なくとも1種
    又は (C) 少なくとも1種のモノマーAを含むポリマー
    (ポリマーC)をポリマー基材上の少なくとも1種のモ
    ノマーBとグラフトさせ、その際、ポリマー基材をグラ
    フト前に活性化させ、かつグラフトを電磁線又は熱によ
    り開始させるか、又は開始剤を併用し、かつグラフトを
    電磁線又は熱により開始させることを特徴とする、ポリ
    マー基材の被覆法。
  2. 【請求項2】 モノマーA及びBの他に、生体学的効果
    に関して中性か、又は多少の弱い効果しか有しない他の
    モノオレフィン系不飽和モノマーDを併用する、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 モノマーAとして一般式II又はII
    I: (C2n−q−x)(COOR1) II (C2n−q−x)(SO31) III [式中、 nはそれぞれ無関係に2〜6の整数であり;xはそれぞ
    れ無関係に1又は2であり;qはそれぞれ無関係に0又
    は2であり;かつR1はそれぞれ無関係に−H、金属イ
    オンの等価物、脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族アルコー
    ルの基を表す]のモノマーの混合物を使用する、請求項
    1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 モノマーAとして、式IV: (C66−b−c−d)B3 (OH) IV [式中、Bは、それぞれ無関係に、式:(C
    2n−1−q−y)(COOR1)又は(C
    2n−1−q−y)(SO31)のモノ又はジ不飽和の直
    鎖又は分枝鎖基を表し、ここでR1、n及びqは請求項
    3中と同様に規定され、かつyは0、1又は2であり;
    3はそれぞれ無関係に、C1〜C4−アルキル、−N
    2、−COOH、−SO 3H、−OSO3H、−OPO
    (OH)2、−PO(OH)2、−OP(OH)2、−OPO(O
    )OCH2−CH2−N(CH3)3、−PO(O)O−
    CH2−CH2−N(CH3)3、−OP(O)OCH2
    CH2−N(CH3)3、前記の基の塩又はエステルを表
    し;bは1、2又は3であり;cは0、1、2又は3で
    あり;かつdは0、1、2又は3であるが;但し、 b+c+d≦6、有利に≦4である]のベンゼン化合物
    を使用する、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 モノマーAとして一般式V及びVI: 【化1】 [式V及びVI中、 R1は水素又はメチル基を表し、 R2は2価の有機基又はC−C−単結合を表し、 R3は−O−又は−NH−を表し、 R4は水素又は基−SO3 Naを表し、 R5は水素、メチル基又は基:−R2−COOR6を表
    し、 R6は水素又はNaを表し、かつnは4又は5を表す
    が、但し、置換基R4の少なくとも1つが基:−SO3
    Naである]のモノマーからなる混合物を使用する,
    請求項1又は2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 グラフトされたポリマー層が、カルボキ
    シル−及びスルホン酸基、カルボキシル−及びスルホネ
    ート基、カルボキシレート−及びスルホネート基、カル
    ボキシル−、カルボキシレート−及びスルホネート基又
    はカルボキシル−、スルホン酸−及びスルホネート基を
    有するように、式II及びIIIのモノマーAを選択す
    る、請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 カルボキシル基及び/又はカルボキシレ
    ート基とスルホン酸基及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が0.2〜3である、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 カルボキシル基及び/又はカルボキシレ
    ート基とスルホン酸基及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が2〜10である、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 カルボキシル基及び/又はカルボキシレ
    ート基とスルホン酸基及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が3〜5である、請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 架橋性ビニルモノマー(モノマーB)
    が3〜6個のオレフィン系二重結合を有する、請求項1
    から9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 モノマーBが被覆の生体学的効果に寄
    与する基を有しない、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ポリマーCを少なくとも1種のモノマ
    ーA及び場合により少なくとも1種のモノマーDから製
    造し、かつこれを少なくとも1種のモノマーBと一緒に
    ポリマー基材上にグラフトさせる、請求項1から11の
    いずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 モノマーA、B及び場合によりDを、
    又はポリマーC及びモノマーBを、ポリマー基材の活性
    化された表面上に熱又は放射線によりグラフトさせ、か
    つ基材表面の活性化をUV−光線、プラズマ処理、強酸
    又は強塩基を用いてのコロナベ(Coronabe)処理により行
    う、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 グラフトを250〜500nmの範囲
    の放射線により生じさせる、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 電磁線又は熱の作用下にラジカル形成
    しながら分解し、かつグラフト前にポリマー基材をそれ
    で処理する開始剤を用いて、モノマーA、B及び場合に
    よりDを、又はポリマーC及びモノマーBをグラフトさ
    せる、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 ポリマー基材上で、開始剤をモノマー
    と一緒に作用させて処理する、請求項15に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 食品及び嗜好品工業、水処理技術、バ
    イオテクノロジー、衛生用品及び殊に医療技術の分野で
    使用するための製品を製造するための、請求項1から1
    6の記載により被覆されたポリマー基材の使用。
  18. 【請求項18】 食品及び嗜好品工業、水処理技術、バ
    イオテクノロジー、衛生用品及び殊に医療技術の分野で
    使用するための、請求項1から16の記載により全体的
    に又は部分的に被覆された製品。
  19. 【請求項19】 製品が、テキスタイル、室内備品及び
    器具、管及びチューブ、床材、壁面及び天井材、貯蔵容
    器、包装、窓枠、受話器、便座、ドアノブ、公共交通機
    関の手すり及び吊革及び医療用具である、請求項18に
    記載の製品。
  20. 【請求項20】 医療用具が、ドレナージ、血管プロテ
    ーゼ、カニューレ、眼内レンズ、コンタクトレンズ、ス
    テント、形成外科用の血管プロテーゼ、義関節、義骨、
    靭帯プロテーゼ、義歯、血液バッグ、透析膜、縫合材
    料、包帯用ガーゼ、フリース製品、手術用器具又はカテ
    ーテルである、請求項19に記載の製品。
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