JPH1180358A - ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液およびハロアセトアミドメチル化ポリスルホンの製造方法 - Google Patents

ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液およびハロアセトアミドメチル化ポリスルホンの製造方法

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JPH1180358A
JPH1180358A JP9240053A JP24005397A JPH1180358A JP H1180358 A JPH1180358 A JP H1180358A JP 9240053 A JP9240053 A JP 9240053A JP 24005397 A JP24005397 A JP 24005397A JP H1180358 A JPH1180358 A JP H1180358A
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haloacetamide
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善広 英加
Masaaki Shimagaki
昌明 島垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロアセトアミドメチル化ポリスルホンを、ポ
リスルホンおよび親水性高分子物質とともにそれらの良
溶媒に溶解したときに茶色に着色せず、原液の安定性を
高めることができるハロアセトアミドメチル化ポリスル
ホン溶液、およびそのハロアセトアミドメチル化ポリス
ルホン溶液に使用されるハロアセトアミドメチル化ポリ
スルホンの製造方法を提供する。 【解決手段】このハロアセトアミドメチル化ポリスルホ
ン溶液は、アミドメチル化ポリスルホンとその溶媒から
なり、そのハロアセトアミドメチル化ポリスルホンは、
その中の触媒由来の酸成分が0.01ppm未満であ
り、好ましくは次式(I) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2− (I) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
一でも異なっていてもよい。)で示される基を繰り返し
単位あたり0.001〜4個有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主鎖に芳香環、エ
ーテル基およびスルフォニル基を有するポリスルホンの
側鎖にハロアセトアミドメチル基を有するハロアセトア
ミドメチル化ポリスルホンを含む溶液、換言すれば、そ
の側鎖に種々の物質が結合可能なハロアセトアミドメチ
ル基を有するハロアセトアミドメチル化ポリスルホンを
含む溶液、およびそのハロアセトアミドメチル化ポリス
ルホンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホンは耐熱性に優れており、透
析膜をはじめとして種々の分離膜やフィルム等に用いら
れている。かかるポリスルホンとして、ハロアセトアミ
ドメチル化ポリスルホンは公知である(例えば、特許第
2509085号公報参照)。
【0003】このハロアセトアミドメチル化ポリスルホ
ンに関し、従来、合成されたハロアセトアミドメチル化
ポリスルホン中の不純物の影響については十分な検討は
されていない。そのため、これをポリビニルピロリドン
等の親水性高分子物質とともにそれらの良溶媒に溶解し
たとき、溶液が茶色に着色することがあった。この着色
については、膜、特に中空糸膜を製造する際に、紡糸性
や中空糸膜等の外観に影響を与えることが懸念されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を改良し、ハロアセトアミドメチル化
ポリスルホンをポリスルホンを親水性高分子物質ととも
にそれらの良溶媒に溶解したときに茶色に着色が起こら
ないようにし、その原液の安定性を高めることができる
ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液を提供する
ことにある。
【0005】本発明の他の目的は、かかるハロアセトア
ミドメチル化ポリスルホン溶液に使用されるハロアセト
アミドメチル化ポリスルホンの製造方法を提供すること
にある。
【0006】本発明のさらに他の目的は、上記ハロアセ
トアミドメチル化ポリスルホン溶液を成形してなる成型
品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は下記の構成からなる。
【0008】請求項1に記載の発明は、ハロアセトアミ
ドメチル化ポリスルホンとその溶媒からなり、該ハロア
セトアミドメチル化ポリスルホン中の触媒由来の酸成分
が0.01ppm未満であることを特徴とするハロアセ
トアミドメチル化ポリスルホン溶液である。。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記請求項1の
ハロアセトアミドメチル化ポリスルホンが、次式(I) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2− (I) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
一でも異なっていてもよい。)で示される基を繰り返し
単位あたり0.001〜4個有するハロアセトアミドメ
チル化ポリスルホンであることを特徴とするものであ
る。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明は、前記ハ
ロアセトアミドメチル化ポリスルホン1部を、主鎖に芳
香環、エーテル基およびスルフォニル基を有するポリス
ルホン0〜1000部および親水性高分子物質0.1〜
50部とともにそれらの良溶媒に溶解してなることを特
徴とするハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液で
ある。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明は、酸触媒
の存在下、主鎖に芳香環、エーテル基およびスルフォニ
ル基を有するポリスルホンと、次式(II) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2−O−Y (II) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
一でも異なっていてもよい。Yは水素原子、低級アルキ
ル基またはアシル基を示す。)で示されるハロアセトア
ミドメチル化剤とを反応せしめ、得られたハロアセトア
ミドメチル化ポリスルホンを、該ハロアセトアミドメチ
ル化ポリスルホン中の酸成分が0.01ppm未満にな
るまで、精製することを特徴とするハロアセトアミドメ
チル化ポリスルホンの製造方法である。
【0012】本発明の請求項5に記載の発明は、前記ハ
ロアセトアミドメチル化ポリスルホンを溶媒に溶解した
後、再沈して精製することを特徴とするものである。
【0013】そして本発明の請求項6に記載の発明は、
上記ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液からな
る成形品である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリスルホン
は、主鎖に芳香環、スルフォニル基およびエーテル基を
もつもので、例えば、次式(III)、(IV)の化学式で
示されるポリスルホンが好適に使用されるが、本発明で
はこれらに限定されない。式中のnは、例えば50〜8
0の如き整数である。
【0015】
【化1】
【化2】 ポリスルホンの具体例としては、ユーデルポリスルホン
Pー1700、Pー3500(テイジンアモコ社製)、
ウルトラソンS3010、S6010(BASF社
製)、ビクトレックス(住友化学)、レーデルA(テイ
ジンアモコ社製)、ウルトラソンE(BASF社製)等
のポリスルホンが挙げられる。
【0016】本発明で用いられるハロアセトアミドメチ
ル化ポリスルホンは、好ましくは、次式(I) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2− (I) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
一でも異なっていてもよい。)で示される基を繰り返し
単位あたり0.001〜4個有するものである。
【0017】かかる式(I)で示される基としては、2
−クロロアセトアミドメチル基、2−クロロプロピルア
ミドメチル基、2−クロロブチルアミドメチル基、2−
ヨードアセトアミドメチル基、2−フルオロアセトアミ
ドメチル基および2−ブロモアセトアミドメチル基など
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。し
かしながら、反応性の高さや取扱の容易さから、αーク
ロロアセトアミドメチル基、2−ヨードアセトアミドメ
チル基、2−フルオロアセトアミドメチル基および2−
ブロモアセトアミドメチル基などが好ましい。
【0018】本発明で使用されるハロアセトアミドメチ
ル化ポリスルホンは、基本的には、酸触媒の存在下に、
上述の主鎖に芳香環、エーテル基およびスルフォニル基
を有するポリスルホンと、次式(II) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2−O−Y (II) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
一でも異なっていてもよい。Yは水素原子、低級アルキ
ル基またはアシル基を示す。)で示されるハロアセトア
ミドメチル化剤とを反応せしめ製造することができる。
【0019】本発明で用いるハロアセトアミドメチル化
剤としては、N−メチロール−2−クロロアセトアミ
ド、N−メチロール−2−ブロモアセトアミド、N−メ
チロール−2−フルオロアセトアミド、N−メチロール
−2−ヨードアセトアミドおよびN−メチロール−2−
クロロブチルアミドなどのほか、これらのメチルエーテ
ルやアセチルエステルなどが挙げられ、これらに限定さ
れるものではないが、製造が容易で反応性が高く、取扱
が容易なN−メチロール−2−クロロアセトアミド、N
−メチロール−2−ブロモアセトアミド、N−メチロー
ル−2−フルオロアセトアミドおよびN−メチロール−
2−ヨードアセトアミドなどが特に好ましい。
【0020】ハロアセトアミドメチル化剤使用量と導入
されるハロアセトアミドメチル基は正の相関にあるた
め、目標とするハロアセトアミドメチル基の量に応じ
て、その使用量を増減することができる。
【0021】導入されるハロアセトアミドメチル基の量
は繰り返し単位あたり0.01〜4まで可能である。し
かしながら、このハロアセトアミドメチル基の量は、溶
媒、ポリスルホンおよびポリビニルピロリドン等の親水
性高分子物質とともにブレンドしたときに、ポリスルホ
ンとの相溶性をよくするという観点から、好ましくは繰
り返し単位あたり0.01〜2であるが、ホリスルホン
の使用用途に応じて導入数を選択すればよい。
【0022】本発明で用いられるハロアセトアミドメチ
ル化反応のための触媒としては、塩化亜鉛、塩化アルミ
ニウム、四塩化銅、塩化第二鉄のごときフリーデル・ク
ラフツ触媒、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルなどのス
ルホン酸誘導体および硫酸などが挙げられるが、硫酸
は、N−メチロール−α−クロロアセトアミドを容易に
溶解する溶媒となり得るので特に好ましく用いられる。
【0023】本発明のハロアセトアミドメチル化反応で
使用され反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホル
ム、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、テ
トラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド等 が挙げら
れ、ポリスルホンの良溶媒であれば特に限定されない
が、ハロアセトアミドメチル化剤添加時に発熱の少ない
ニトロベンゼンが特に好ましく用いられる。
【0024】本発明のハロアセトアミドメチル化ポリス
ルホンの製造は、ハロアセトアミドメチル化剤、触媒お
よび溶媒からなる0.1〜20wt%のハロアセトアミ
ドメチル化溶液を、0.1〜50wt%のポリスルホン
の溶液に添加することにより達成される。ハロアセトア
ミドメチル化溶液の濃度は、ハロアセトアミドメチル化
剤をすばやく溶解させ、ハロアセトアミドメチル化溶液
の添加量を押さえるという観点から1〜10wt%が好
ましい。また、ポリスルホン溶液の濃度は、均一に撹拌
し、収量を上げるという観点から5〜20wt%が好ま
しい。
【0025】この反応の際、ハロアセトアミドメチル化
剤、触媒および溶媒からなるハロアセトアミドメチル化
溶液中にはホルムアルデヒドが副生するが、そのホルム
アルデヒドをハロアセトアミドメチル化剤に対し0.5
%以下に抑えることにより、製造時にゲル化を抑えるこ
とができる。ホルムアルデヒドの副生を抑えるには、ア
ミドメチル化剤の調製時の温度をコントロールすること
である。たとえば、0℃以下であれば、1時間以上ホル
ムアルデヒドの副生を抑えることができる。また、0〜
10℃で調製しても、30分以内に調製を終了して、反
応に供することで、ホルムアルデヒドの副生を0.5%
以下に抑えることができる。
【0026】ハロアセトアミドメチル化溶液の調製温度
は、−20〜10℃で可能であるが、ホルムアルデヒド
の副生を抑えるという観点から0℃以下にすることが好
ましい。反応温度は、ハロアセトアミドメチル化液中の
ホルムアルデヒドをハロアセトアミドメチル化剤に対し
0.5%以下に抑えられていれば、0℃〜50℃の範囲
でよいが、反応中でのホルムアルデヒドの発生を抑制
するという観点からは0℃〜15℃で製造することが好
ましい。溶媒の融点が高い場合は、あらかじめ硫酸など
を混合しておいて融点を下げてもよい。また、反応速度
は速く、10分以内に完了する。
【0027】本発明において、得られたハロアセトアミ
ドメチル化ポリスルホン中に触媒として用いた酸が残存
すると、これを親水性高分子物質とともにそれらの良溶
媒に溶解したときに、原液が着色する。例えば、ポリス
ルホンとポリビニルピロリドンをN,N−ジメチルアセ
トアミドに溶解したときの原液の色は、色相/彩度/明
度で表すとY/6/10であるが、この溶液に酸が混入
した場合はRY/10/10で表される茶色を呈する。
このように着色した溶液を用いて中空糸等を製膜した場
合、膜は黄色に着色する。残存する酸の量が、得られる
ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン中で0.01p
pm未満であれば、その溶液は茶色のように濃色には着
色しない。したがって、製膜用に溶液を調製する際は、
ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン中の酸成分が
0.01ppm未満になるまで精製する必要がある。
【0028】本発明の実施において、ハロアセトアミド
メチル化ポリスルホンの精製には、反応後、回収された
ハロアセトアミドメチル化ポリスルホンを、ポリスルホ
ンの良溶媒でかつ低沸点の揮発性の良溶媒に溶解した
後、再沈することによって行なうことができる。再沈に
使用される溶媒は、その沸点が好ましくは室温(25
℃)〜100℃、乾燥除去の観点からは70℃以下の溶
媒が好ましく、具体的には、テトラヒドロフラン、クロ
ロホルムおよびジクロロメタンが挙げられる。N,N−
ジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミドのような
高沸点溶媒に溶解して精製しても、乾燥時に高沸点溶媒
とともに酸が残存してしまうので好ましくない。また、
本発明では、再沈の他、メタノールやアセトン等でソッ
クスレー抽出し精製することもできる。
【0029】本発明のポリスルホン溶液は、ハロアセト
アミドメチル化ポリスルホンをその溶媒に溶解せしめた
ものであり、その溶媒としては、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよ
びN−メチルピロリドンなどの沸点が80℃を超える溶
媒が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、
溶媒は2種類以上の溶媒を混合して使用することもでき
る。
【0030】本発明のハロアセトアミドメチル化ポリス
ルホン溶液には、本発明の効果を妨げない範囲で、他の
必要な添加物を配合することができる。本発明でいうポ
リスルホン溶液の添加物としては、ポリスルホンの貧溶
媒や親水性高分子化合物などが挙げられる。
【0031】溶媒は2種類以上のものを混合して使用し
てもよく、ハロアセトアミドメチル化ポリスルホンを含
めたポリスルホンの全濃度は、分離膜を形成する場合に
は5重量%以上50重量%以下が望ましい。これをはず
れる濃度では分離膜を形成しにくい。また全ポリスルホ
ンに対するハロアセトアミドメチル化ポリスルホンの割
合は特に制限されない。親水性高分子化合物の配合割合
は公知例に従うが、ポリビニルピロリドンの場合は30
重量%以下が望ましく、ポリエチレングリコールの場合
は、75重量%未満が好ましい。ハロアセトアミドメチ
ル化ポリスルホン溶液に原液の相分離状態を制御するた
めにポリスルホンに対する貧溶媒を添加することが多
い。例えば、水を添加する場合、ポリスルホン溶液中の
水の割合は、ポリスルホン自身が溶液中に析出しないと
いう観点から3%以下が好ましい。ただしポリスルホン
に対する凝固性が低い添加物の場合はさらに多く添加す
ることができる。
【0032】本発明で得られるハロアセトアミドメチル
化ポリスルホンは、そのまま、もしくはハロアセトアミ
ドメチル基をアミノ基を有する化合物、カルボン酸、水
酸基を有する化合物、チオール基を有する化合物などと
反応させて、別の官能基に変換後、ポリスルホンおよび
ポリビニルピロリドン等の親水性高分子物質とともに、
それらの良溶媒に溶解することにより原液を調製し、膜
状、繊維状および中空糸状など種々の形態に成形するこ
とにより用いられる。官能基の変換は、成形後でも可能
である。得られた成形品は、そのまま、もしくは、官能
基変換後、人工臓器、細胞培養器具、カテーテルおよび
抗菌剤などの用途に利用することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)7.13wt%に調製したユーデルポリス
ルホンP3500(アモコ社製)のニトロベンゼン溶液
17.53gを8℃に冷却し、これに、別に−5℃で3
0分間撹拌することにより調製した5.30wt%のN
−メチロール−2−クロロアセトアミドの硫酸溶液を
3.30g添加し反応させた。この反応溶液を10分後
に−20℃のメタノールに注入して、ポリマーを析出さ
せた。そのポリマーを低沸点(65〜67℃)の溶媒で
あるテトラヒドロフランに約8wt%で溶解して、それ
をメタノールに投入して再沈を行なうことにより精製を
行ない、乾燥した。得られたクロロアセトアミドメチル
化ポリスルホンをNMR(核磁気共鳴スペクトル)法で
残存硫酸を測定した。酸成分は、0.1ppmであっ
た。
【0034】次に、このクロロアセトアミドメチル化ポ
リスルホン2gを、ポリスルホン8g、ポリビニルピロ
リドン5gとともにジメチルアセトアミド35gに溶解
することにより原液を調製(クロロアセトアミドメチル
化ポリスルホン溶液中の酸濃度は0.005ppm)し
たところ、黄色透明(色相/彩度/明度で表すとY/6
/10)で曳糸性のある原液が得られた。この原液から
中空糸を作製することが可能であり、膜は白色であっ
た。
【0035】(比較例1)7.13wt%に調製したユ
ーデルポリスルホンP3500(アモコ社製)のニトロ
ベンゼン溶液17.53gを8℃に冷却し、これに、別
に−5℃で30分間撹拌することにより調製した5.3
0wt%のN−メチロール−2−クロロアセトアミドの
硫酸溶液を3.30g添加し反応させた。この反応溶液
を10分後に−20℃のメタノールに注入して、ポリマ
ーを析出させた。そのポリマーを高沸点溶媒であるN,
N−ジメチルアセトアミドに約8wt%で溶解して、そ
れをメタノールに投入して再沈を行なうことにより精製
を行ない、乾燥した。
【0036】得られたクロロアセトアミドメチル化ポリ
スルホンの内部には反応溶媒であるニトロベンゼン
(1.0wt%)および硫酸(1.25ppm)を含む
ジメチルアセトアミド15wt%が残存していた。
【0037】得られたクロロアセトアミドメチル化ポリ
スルホン2gを、ポリスルホン8g、ポリビニルピロリ
ドン5gとともにN,N−ジメチルアセトアミド35g
に溶解することにより原液を調製(クロロアセトアミド
メチル化ポリスルホン溶液中の酸濃度は0.05pp
m)したところ、透明で曳糸性はあるが、茶色に着色
(色相/彩度/明度で表すと、RY/10/10)した
原液が得られた。この原液から膜を作製すると膜は黄色
に着色した。
【0038】(比較例2)実施例1で得られたクロロア
セトアミドメチル化ポリスルホン2g、ポリスルホン8
g、ポリビニルピロリドン5gとともにジメチルアセト
アミド35gに溶解する際、硫酸を全体にして0.01
ppm添加した。溶解後の原液(クロロアセトアミドメ
チル化ポリスルホン溶液中の酸濃度は0.015pp
m)は、茶色に着色(色相/彩度/明度で表すと、RY
/10/10)した。
【0039】
【発明の効果】本発明により得られるハロアセトアミド
メチル化ポリスルホンは、ポリスルホンおよびポリビニ
ルピロリドン等とともにその溶媒にブレンドしたとき
に、茶色に着色しない安定な原液が得られるため、その
原液から容易に高品質な膜、特に中空糸に成形できる点
で有用である。この成形品は、特に人工臓器、細胞培養
器具、カテーテルおよび抗菌剤などの用途に好適に利用
することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン
    とその溶媒からなり、該ハロアセトアミドメチル化ポリ
    スルホン中の酸成分が0.01ppm未満であることを
    特徴とするハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶
    液。
  2. 【請求項2】 前記ハロアセトアミドメチル化ポリスル
    ホンが、次式(I) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2− (I) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
    低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
    一でも異なっていてもよい。)で示される基を繰り返し
    単位あたり0.001〜4個有するハロアセトアミドメ
    チル化ポリスルホンであることを特徴とする請求項1記
    載のハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液。
  3. 【請求項3】 前記ハロアセトアミドメチル化ポリスル
    ホン1部を、主鎖に芳香環、エーテル基およびスルフォ
    ニル基を有するポリスルホン0〜1000部および親水
    性高分子物質0.1〜50部とともにそれらの良溶媒に
    溶解してなることを特徴とする請求項1または2記載の
    ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン溶液。
  4. 【請求項4】 酸触媒の存在下、主鎖に芳香環、エーテ
    ル基およびスルフォニル基を有するポリスルホンと、次
    式(II) X−CH(R1)−CO−N(R2)−CH2−O−Y (II) (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は水素原子、
    低級アルキル基またはベンジル基を示し、R1とR2は同
    一でも異なっていてもよい。Yは水素原子、低級アルキ
    ル基またはアシル基を示す。)で示されるハロアセトア
    ミドメチル化剤とを反応せしめ、得られたハロアセトア
    ミドメチル化ポリスルホンを、該ハロアセトアミドメチ
    ル化ポリスルホン中の酸成分が0.01ppm未満にな
    るまで、精製することを特徴とするハロアセトアミドメ
    チル化ポリスルホンの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ハロアセトアミドメチル化ポリスル
    ホンを溶媒に溶解した後、再沈して精製することを特徴
    とする請求項4記載のハロアセトアミドメチル化ポリス
    ルホンの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のハロア
    セトアミドメチル化ポリスルホン溶液からなる成形品。
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