JPH1180297A - スチレン系エラストマー成形体 - Google Patents

スチレン系エラストマー成形体

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JPH1180297A
JPH1180297A JP25761097A JP25761097A JPH1180297A JP H1180297 A JPH1180297 A JP H1180297A JP 25761097 A JP25761097 A JP 25761097A JP 25761097 A JP25761097 A JP 25761097A JP H1180297 A JPH1180297 A JP H1180297A
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ink
layer formed
weight
conjugated diene
vinyl aromatic
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JP25761097A
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Koichi Wada
功一 和田
Hiromitsu Sasaki
啓光 佐々木
Mizuho Maeda
瑞穂 前田
Masao Ishii
正雄 石井
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の少なくとも一部にインキから形成され
た層を有するスチレン系エラストマーからなる成形体で
あって、インキから形成された層が成形体の表面から容
易に剥がれ落ちることがなく、しかも成形体が変形して
もインキから形成された層にひびや割れを生じることの
ない、スチレン系エラストマーからなる成形体を提供す
る。 【解決手段】 ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロ
ックAを1個以上、および共役ジエン化合物からなる重
合体ブロックまたは共役ジエン化合物とビニル芳香族化
合物の混合物からなるランダム共重合体ブロックであっ
て、共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素二重結合の
35%以上が水素添加されてなる重合体ブロックBを1
個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有量が5〜75重
量%である水添ブロック共重合体をバインダーとするイ
ンキから形成される層を表面の少なくとも一部に有す
る、スチレン系エラストマーからなる成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の少なくとも
一部にインキから形成された層(文字や画像)を有する
スチレン系エラストマーからなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタ
ン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラ
ストマーなどの熱可塑性エラストマーは、加硫工程を必
要としないこと、成形が容易であること、軽量であるこ
と、そしてリサイクル性に優れることといった特徴を有
しており、近年、加硫ゴムやポリ塩化ビニル(PVC)
の代替として、工業用品、雑貨、スポーツ用品などの分
野で広く使用されている。これらの熱可塑性エラストマ
ーからなる成形体には、必要に応じ、表面の修飾を目的
としてインキを用いて印刷処理が施される。この際、イ
ンキの載りをよくし、インキから形成された層が成形体
の表面から容易に剥がれ落ちないようにするためには、
成形体を形成する熱可塑性エラストマーと馴染みのよい
インキを選定することが重要である。
【0003】印刷に使用されるインキは、一般に、高分
子化合物を主体とするバインダーに、顔料等の着色剤、
溶剤、さらに必要に応じて界面活性剤、ワックス等の添
加剤を添加してなる組成物であるが、例えば、ポリウレ
タン系熱可塑性エラストマーに対しては、ポリウレタン
系のバインダーを使用してなるインキといったように、
それぞれの熱可塑性エラストマーに対して馴染みがよい
とされているインキ組成物は限られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性エラストマー
の中でも、柔軟性および力学的強度に優れた材料とし
て、スチレン系熱可塑性エラストマーが知られている。
かかるスチレン系熱可塑性エラストマーからなる成形体
に対しても、表面に印刷処理を施すことが所望される場
合があるが、一般に市販されているインキの大部分は、
ポリウレタン系のバインダーやアクリル系のバインダー
を使用しており、スチレン系の熱可塑性エラストマーと
の馴染みが必ずしも良好ではないために、インキの載り
が十分ではなく、インキから形成された層が成形体の表
面から剥がれ落ちたり、また、成形体の変形に伴ってイ
ンキから形成された層にひびや割れを生じたりする。一
方、成形体の表面をコロナ放電処理、サンドブラスト処
理することによってインキの載りを向上させる方法が従
来から知られているが、スチレン系熱可塑性エラストマ
ーからなる成形体については、かかる方法を利用しても
上記の問題が根本的に解決されるわけではない。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであって、表面の少なくとも一部に
インキから形成された層を有するスチレン系エラストマ
ーからなる成形体であって、該インキから形成された層
が成形体表面から容易に剥がれ落ちることがなく、しか
も成形体が変形してもインキから形成された層にひびや
割れを生じることのない、スチレン系エラストマーから
なる成形体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックA
を1個以上、および共役ジエン化合物からなる重合体ブ
ロックであるかまたは共役ジエン化合物とビニル芳香族
化合物の混合物からなるランダム共重合体ブロックであ
って、共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素二重結合
の35%以上が水素添加されてなる重合体ブロックBを
1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有量が5〜75
重量%である水添ブロック共重合体(以下、これをバイ
ンダー用水添ブロック共重合体と略称することがある)
をバインダーとするインキから形成された層を表面の少
なくとも一部に有する、スチレン系エラストマーからな
る成形体を提供することによって解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するインキにおける
バインダー用水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化
合物からなる重合体ブロックAを1個以上、および共役
ジエン化合物からなる重合体ブロックであるかまたは共
役ジエン化合物とビニル芳香族化合物の混合物からなる
ランダム共重合体ブロックであって、該共役ジエン化合
物に由来する炭素−炭素二重結合の35%以上が水素添
加されてなる重合体ブロックBを1個以上有するもので
あり、ビニル芳香族化合物の含有量が5〜75重量%の
範囲のものである。
【0008】バインダー用水添ブロック共重合体中のビ
ニル芳香族化合物の含有量は5〜75重量%の範囲であ
ることが必要である。ビニル芳香族化合物の含有量が5
重量%未満の場合には、インキから形成された層の接着
強度が十分ではない。また、ビニル芳香族化合物の含有
量が75重量%を超えると、インキから形成された層は
柔軟性に欠け、ひびや割れを生じやすくなるなどの問題
を生じやすい。ビニル芳香族化合物の含有量は、10〜
65重量%の範囲内であることが好ましい。
【0009】上記において重合体ブロックAおよび重合
体ブロックBを構成するビニル芳香族化合物としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニル
アントラセンなどが挙げられるが、スチレン、α−メチ
ルスチレンが好ましい。
【0010】また、重合体ブロックBを構成する共役ジ
エン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げ
られるが、1,3−ブタジエン、イソプレンが好まし
い。
【0011】重合体ブロックBのミクロ構造について
は、特に制限はないが、例えばブタジエン単独からなる
重合体ブロックである場合には、バインダー用水添ブロ
ック共重合体を後述の溶剤へ容易に溶解させ得ることな
どの理由から1,2−結合含有量が20モル%以上であ
ることが好ましい。また、バインダー用水添ブロック共
重合体における重合体ブロックBにおいては、共役ジエ
ン化合物に由来する炭素−炭素二重結合の35%以上が
水素添加されていることが必要である。共役ジエン化合
物に由来する炭素−炭素二重結合の水素添加率が35%
未満の場合には、インキから形成された層は耐熱、耐侯
性に劣り、耐久性が十分でない。
【0012】バインダー用水添ブロック共重合体の数平
均分子量には特に制限はないが、インキから形成された
層の接着強度や該層を形成する際の作業性の観点から4
0,000〜150,000の範囲であることが好まし
い。
【0013】本発明で使用するインキにおいては、上記
のバインダー用水添ブロック共重合体に加えて、ニトロ
セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミド、アクリル酸エステル系ポリ
マー等の、従来から印刷用インキにおいてバインダーと
して用いられている高分子化合物を併用してもよい。
【0014】本発明で使用するインキは、上記のバイン
ダー用水添ブロック共重合体の他に、顔料および溶剤を
含有する。顔料としては、一般に商品化されている無機
系顔料、有機系顔料、無機系艶消粉末顔料、有機系艶消
粉末顔料、蛍光顔料など、従来のインキにおいて用いら
れているものが使用可能である。顔料は1種類のものを
使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。顔料
は、上記のバインダー用水添ブロック共重合体に対し、
通常、1〜100重量%の範囲内で使用される。
【0015】また、溶剤としては、従来のインキにおい
て溶剤として用いられているものを使用することがで
き、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられ
るが、芳香族炭化水素類が好ましく、その中でも炭素数
が8〜12のものがより好ましい。溶剤は1種類のもの
を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶剤
の使用量は、特に限定されるものではなく、インキの使
用形態に応じた適切な粘度となる範囲の量とすればよ
い。
【0016】また、本発明で使用するインキは、必要に
応じ、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤、分
散剤、酸化防止剤、ワックスなどの添加剤を含有してい
てもよい。
【0017】さらに本発明で使用するインキは、ベンゾ
フェノン類、ベンジルジメチルケタール等のカルボニル
化合物類;チオキサントン類;2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィ
ンオキシド類などの光重合開始剤や4−ジメチルアミノ
安息香酸エステル等の光増感剤を含有した光硬化型のイ
ンキであってもよい。
【0018】本発明で使用するインキは、バインダー用
水添ブロック共重合体、顔料、溶剤および必要に応じて
上記の他の成分を配合し、ボールミル、アトライター、
サンドミルなどの通常のインキ製造装置を用いて調製す
ることができる。また、本発明で使用するインキとして
は、上記のバインダー用水添ブロック共重合体を用いた
ものであれば、例えば、「TECインキ7600−1」
(商品名、十条加工(株)社製)などの市販品を使用す
ることも可能である。
【0019】本発明において、表面の少なくとも一部に
上記のインキから形成された層を有する成形体を構成す
るスチレン系エラストマーとしては、従来から公知のも
のを特に制限なく使用することができ、その具体例とし
ては、例えば、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物
からなるブロック共重合体またはかかるブロック共重合
体とポリオレフィン系樹脂、さらに所望により可塑剤か
らなる組成物などが挙げられる。
【0020】上記のブロック共重合体としては、必要に
応じて水素添加したもの、不飽和カルボン酸またはその
誘導体によって変性したもの、あるいは、有機過酸化物
などの架橋剤の存在下、溶融状態において動的に処理
(動的加硫)したものを使用することができる。また、
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、4
−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、エチレン/ア
クリル酸エステル共重合体などが挙げられるが、中でも
ポリプロピレンが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の使
用量は上記のブロック共重合体100重量部に対して1
00重量部以下であることが好ましい。ポリオレフィン
系樹脂の使用量が上記の範囲を超えるとインキから形成
された層が成形体の表面から剥がれ落ちやすくなる。
【0021】また、可塑剤としては、非芳香族系ゴム用
軟化剤が好適に用いられ、その具体例としては、パラフ
ィン系またはナフテン系のプロセスオイル、ホワイトオ
イル、ミネラルオイル、エチレンとα−オレフィンのオ
リゴマー、パラフィンワックスおよび流動パラフィンな
どが挙げられるが、中でもパラフィン系プロセスオイル
が好ましい。可塑剤の使用量は、上記のブロック共重合
体100重量部に対して400重量部以下であることが
好ましい。可塑剤の使用量が上記の範囲を超えると上記
と同様にインキから形成された層が成形体の表面から剥
がれ落ちやすくなる。
【0022】また、スチレン系エラストマーには、本発
明の主旨を損なわない範囲で、ポリオレフィン系樹脂の
他にエチレン−プロピレン共重合ゴム;ポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS等のスチ
レン系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリエス
テル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;
ポリアセタール樹脂;アクリル系樹脂等を添加すること
ができる。さらに、必要に応じてカーボンブラック、シ
リカ、クレー、炭酸カルシウムなどの補強材、充填材、
酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、抗菌剤、防カ
ビ剤等を添加することができる。
【0023】上記のスチレン系エラストマーは、例え
ば、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダ
ーなど通常の混練機を用いて、押出成形、射出成形、中
空成形、圧縮成形、カレンダー成形など従来公知の成形
法によって成形体とすることができる。得られる成形体
の形状については特に制限はないが、インキから形成さ
れる層を形成させやすい形状であることが望ましい。
【0024】また、スチレン系エラストマーは発泡体と
して使用することも可能である。発泡体とする際には、
一般に熱可塑性樹脂、ゴム等に対して用いられている熱
分解型の無機および/または有機系の発泡剤;炭酸ガ
ス、窒素などの不活性ガスなどを使用することができ
る。
【0025】このようにして得られるスチレン系熱可塑
性エラストマーからなる成形体は、その表面の少なくと
も一部に、前記のバインダー用水添ブロック共重合体を
使用したインキを用いて印刷を行い、溶剤を蒸発させる
ことによってインキから形成された層(文字や画像な
ど)を形成することができる。また、手書きによってイ
ンキから形成された層を形成することもできる。印刷方
法としては、パッド印刷、スクリーン印刷、カレンダー
印刷、グラビア印刷などの公知の方法が利用可能であ
る。
【0026】本発明によって提供される成形体は、各種
ガスケット類;ホース類;ウェザーストリップ;ワイヤ
ーケーブル類;冷蔵庫、洗濯機、扇風機などの家庭用電
気製品の部品;テレビ、ビデオ、ステレオ、スピーカー
などの音響製品の部品およびドアパネル、フロントパネ
ルなどの自動車部品等の工業用品;チューブ、ベルトな
どの用途;スポーツシューズ、レジャーシューズ、ファ
ッションサンダルなどの履物用途;その他日用品、レジ
ャー用品;テニスラケット、ゴルフのグリップ、水中眼
鏡などのスポーツ用品;玩具、文具、医療用具などの幅
広い用途に用いることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、得られた成形体において、インキから形成さ
れた層(以下、印刷層と略記することがある)の評価方
法は以下のとおりである。 (1)印刷層の接着強度 印刷層に粘着テープ〔ニチバンセロテープ#300(商
品名)〕を貼り付け、次いでこの粘着テープを引き剥が
した時の印刷層の状態を観察し、次の基準に従って判定
した。 印刷層が全く粘着テープ側に移行しない…◎ 印刷層の一部が粘着テープ側に移行する…○ 印刷層の全部が粘着テープ側に移行する…× (2)印刷層の耐ひび割れ性 成形体から幅1cm×長さ7cmの試験片を切り出し、10
0%伸長を3回繰り返した後、印刷層の様子を目視で観
察し、次の基準に従って判定した。 印刷層に全く変化のないもの…◎ 印刷層の一部に亀裂が発生したもの…○ 印刷層の全面に亀裂が発生したもの…× (3)印刷層の耐引っ掻き強さ 印刷層を爪で強く引っ掻いた後、印刷層の様子を目視で
観察し、次の基準に従って判定した。 印刷層が全く剥がれない…◎ 印刷層の一部が剥がれる…○ 印刷層の全面が剥がれる…×
【0028】参考例 (a)スチレンとブタジエンからなる水添ブロック共重
合体の製造 撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充
分に脱水したスチレン1750gおよびsec−ブチル
リチウムのシクロヘキサン溶液(10重量%)210g
を加え、60℃で60分間重合し、次いでテトラヒドロ
フランを250g添加し、ブタジエン6500gを加え
て60分間、さらにスチレンを1750g加えて60分
間重合した後、メタノールを加えて反応を停止してスチ
レン−ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体を合
成した。得られたブロック共重合体をシクロヘキサン
中、チーグラー系触媒を用い、50kg/cm2 の水素
雰囲気下で水素添加して水添ブロック共重合体(以下、
これをSEBSと略記する)を得た。得られたSEBS
は数平均分子量が76,100であり、スチレン含有量
が35重量%、水素添加率が98.9%であった。
【0029】(b)インキの調製 上記(a)で得られたSEBS100重量部、酸化チタ
ン〔タイペークR−50(商品名)、石原産業(株)社
製〕75重量部およびトルエン250重量部を小型ボー
ルミルに入れて24時間混練し、インキ(以下、これを
SEBS系インキと略称する)を得た。
【0030】実施例1 スチレンとイソプレンからなる水添ブロック共重合体
〔セプトン2063(商品名)、(株)クラレ製〕を、
射出成形機にて、縦11cm×横11cm×厚さ2mmのシー
ト状に成形した。参考例で得られたSEBS系インキ1
00重量部を希釈剤であるイソプロピルベンゼン30重
量部で希釈し、この希釈したインキを用いて上記で得ら
れたシート状の成形体の表面にパッド印刷を行い、イン
キから形成された層を形成(“KURARAY”という
文字列を印字)した。得られた成形体について前記の方
法により印刷層の評価を行った。結果を表1に示す。
【0031】実施例2 スチレンとイソプレンからなる水添ブロック共重合体
〔セプトン4055(商品名)、(株)クラレ製〕10
0重量部と、ポリプロピレン〔MA3(商品名)、日本
ポリケム(株)社製〕45重量部およびパラフィン系プ
ロセスオイル〔PW−380(商品名)、出光興産
(株)社製〕120重量部を二軸押出機で混練した後、
実施例1と同様にして射出成形機にて、シート状に成形
した。このシート状の成形体に参考例で得られたSEB
S系インキを用いて実施例1と同様の操作により印字を
行ないインキから形成された層を有する成形体を得た。
得られた成形体について前記の方法により印刷層の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0032】実施例3 スチレンとブタジエンからなる水添ブロック共重合体
〔TR1000(商品名)、日本合成ゴム(株)社製〕
100重量部、ポリスチレン〔スタイロン679(商品
名)、旭化成工業(株)社製〕40重量部、ナフテン系
プロセスオイル〔ダイアナNR68(商品名)、出光興
産(株)社製〕27重量部および軽質炭酸カルシウム
(丸尾カルシウム(株)社製)37重量部を、130℃
に加熱したオープンロールで混練した後、縦15cm×横
15cm×厚さ2mmの金型を用いて射出成形法により14
0℃でシート状に成形した。このシート状の成形体に参
考例で得られたSEBS系インキを用いて実施例1と同
様の操作により印字を行いインキから形成された層を有
する成形体を得た。得られた成形体について前記の方法
により印刷層の評価を行った。結果を表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1において、SEBS系インキに代えてポリウレ
タンをバインダーとするインキ〔SG410(商品
名)、セイコーアドバンス(株)社製〕を使用したこと
以外は実施例1と同様の操作を行い、インキから形成さ
れた層を有する成形体を得た。得られた成形体について
前記の方法により印刷層の評価を行った。結果を表1に
示す。
【0034】比較例2 実施例2において、SEBS系インキに代えてポリエス
テルをバインダーとするインキ〔EGR(商品名)、帝
国インキ(株)社製〕を使用したこと以外は実施例2と
同様の操作を行い、インキから形成された層を有する成
形体を得た。得られた成形体について前記の方法により
印刷層の評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】比較例3 実施例1において、SEBS系インキに代えてポリ塩化
ビニルをバインダーとするインキ〔SG700(商品
名)、セイコーアドバンス(株)社製〕を使用したこと
以外は実施例1と同様の操作を行い、インキから形成さ
れた層を有する成形体を得た。得られた成形体について
前記の方法により印刷層の評価を行った。結果を表1に
示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、表面の少なくとも一部
にインキから形成された層を有するスチレン系熱可塑性
エラストマーからなる成形体であって、該インキから形
成された層は成形体の表面から容易に剥がれ落ちること
がなく、しかも成形体が変形しても該インキから形成さ
れた層にひびや割れを生じることのない、スチレン系エ
ラストマーからなる成形体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 正雄 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロ
    ックAを1個以上、および共役ジエン化合物からなる重
    合体ブロックであるかまたは共役ジエン化合物とビニル
    芳香族化合物の混合物からなるランダム共重合体ブロッ
    クであって、共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素二
    重結合の35%以上が水素添加されてなる重合体ブロッ
    クBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有量が5
    〜75重量%である水添ブロック共重合体をバインダー
    とするインキから形成された層を表面の少なくとも一部
    に有する、スチレン系エラストマーからなる成形体。
  2. 【請求項2】 スチレン系エラストマーが、(a)ビニ
    ル芳香族化合物と共役ジエン化合物からなる共重合体1
    00重量部、(b)ポリオレフィン系樹脂0〜100重
    量部および(c)可塑剤0〜400重量部からなる請求
    項1記載の成形体。
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