JPH1180188A - (メタ)アクリル酸系エステル、重合体及び製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸系エステル、重合体及び製造方法

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JPH1180188A
JPH1180188A JP24913897A JP24913897A JPH1180188A JP H1180188 A JPH1180188 A JP H1180188A JP 24913897 A JP24913897 A JP 24913897A JP 24913897 A JP24913897 A JP 24913897A JP H1180188 A JPH1180188 A JP H1180188A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糖類残基およびホスホリルコリン類似基含有
(メタ)アクリル酸系エステル、その重合体、該(メ
タ)アクリル酸系エステルの製造方法及び該重合体の製
造方法の提供。 【解決手段】(I)(1)水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルと環状有機リン化合物とを反応させた、環状
有機リン残基を有する(メタ)アクリル酸系エステルを
合成する。 (2)グルコノラクトンとN,N−ジアルキルアミノア
ルキルアミンとを付加反応させた単糖類残基を有するジ
アルキルアミノアルキルアミンを合成する。 (3)前記の(1)の環状有機リン残基を有する(メ
タ)アクリル酸系エステルと、(2)の単糖類残基を有
するジアルキルアミノアルキルアミンとを反応させて、
分子中に糖差類残基とホスホリルコリン基の両方を含有
する(メタ)アクリル酸系エステルを合成する。 (II)前記の(メタ)アクリル酸系エステルとその他の
ラジカル重合性単量体をラジカル重合させた重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の基を有する
(メタ)アクリル酸系エステル、該単量体を重合してな
る重合体、該単量体の製造方法、該重合体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】生体膜の主成分はタンパク質と脂質であ
り、脂質のなかにはリン脂質と糖脂質がある。リン脂質
は生体全体の生命維持において多くの機能をもつことが
知られている。そのため、リン脂質特性基を有する各種
の化合物が検討されている。リン脂質特性基であるホス
ホリルコリン基を有するモノマーおよびこれから得られ
る種々のポリマーは、人工臓器用等の医用材料、バイオ
センサー等のセンサー類などに応用する試みが数多くな
されている(例えば、特開昭59−43342号公報、
特開昭63−222183号公報など)。一方、天然界
において糖質のポリマーは、通常糖鎖のつながった多糖
類として存在している。近年、細胞への認識機構の研究
が進むに従って、種々の認識現象において糖タンパク質
や糖脂質などの糖鎖構造が極めて重要な働きをしている
ことが明らかとなってきた。細胞膜上で抗原抗体の接着
や、食作用等における細胞間相互作用において、細胞膜
上での抗原抗体反応、ウイルスなどの感染などに糖鎖部
分が大きく関与していることが分かってきている。その
一方で、細胞による認識を受けにくい糖鎖構造も知られ
ている。こうした特定の組織や細胞による糖鎖の認識機
構を薬物の吸収、分布、放出制御の各過程にうまく利用
することによって、効果的なDDS(ドラッグデリバリ
ーシステム)の構築が試みられている。
【0003】近年、側鎖に糖成分をもつ合成ポリマーが
各種検討されている。それらの糖鎖を有する化合物は、
分子生物学分野における糖鎖認識モデルとして、あるい
は認識機構をもった機能材料の開発の点から興味がもた
れている。さらに、自然界にはセルロース、デンプン、
ヘパリンなど様々な多糖類が存在する。これらの多糖類
の中には、特異的な細胞認識には関与しないものもあ
り、DDSの高分子キャリア型製剤用の素材としても有
用と考えられている。医療用材料として糖をみたときに
は、溶解性が低いため用途が限定される面や、新たな機
能を付与する場合、より強度を必要とするなどの多くの
問題点があり、天然物そのままでは用いることができな
い。このため、医用材料やセンサーなどの分野でいわゆ
る糖化合物(糖誘導体)を生体適合性材料として利用す
るためには、比較的高分子量で、かつ強固な膜または繊
維や安定な微粒子、ミセルなどに成形でき、しかも容易
に製造できる糖化合物が要望されていた。
【0004】これまでも糖構造を有するモノマーおよび
これを構成成分とするポリマーが合成されている。例え
ば、重合性の二重結合基を有する糖化合物としては、次
の(1)〜(5)の技術が知られている。 (1)W. A. P. Black, et al., J. Chem. Soc. 第4433
頁(1963年)にはグルコース残基をもつメタクリレート
モノマーとポリマーが示されている。 (2)T. Nakaya, et al., Makromol. Chem. 第175巻,
第3319頁(1974年)には、長鎖アルキル鎖を介した、イ
ソプロピリデングルコフラノースのメタクリレートモノ
マーとポリマーが示されている。 (3)Y. C. Lee, et al., Anal. Biochem., 第95巻, 第
260頁(1979年)、Methods Enzymol., 第83巻,第294頁
(1982年)にはグルコース残基をもつアクリルアミドモ
ノマーとポリマーが示されている。 (4)小林、住友、日本化学会誌、第406頁(1980年)に
はグルコース残基をもつスチリルモノマーとポリマーが
示されている。 (5)国際公開特許、WO90/04598号公報には
グルコース残基をもつメタクリレートモノマー(GEM
A)とそのポリマーが開示されている。 前記の(1)〜(4)の技術では、糖ポリマーはいずれ
もその合成にあたって多くのステップを必要とし、大量
に入手する事が困難であることから、応用検討が困難で
あった。前記の(5)のGEMAを重合して得られる重
合体は、物性及び生体適合性が必ずしも十分ではなかっ
た。以上のように、生体適合性、製膜性や繊維や他の単
量体との共重合体としたり、他の重合体、オリゴマーと
ブレンドしたり低分子物を添加、包含させ安定な微粒
子、ミセルなどへの成形性を有する化合物は得られてい
ないのが現状である。また、糖類残基含有重合体として
は、一部従来より知られているが、これらの糖残基含有
重合体は、製膜性等の成形性、生体適合性を兼ね備えた
十分に満足できるものではなかった。
【0005】またこれらを得るため糖類残基及びホスホ
リルコリン類似基の両方を含有する単量体は知られてい
なかった。また、なおかつ糖構造をポリマー中に組み込
むことができる化合物の高純度で簡便な合成法について
も知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、新規の糖類残基及びホスホリルコリン類似基含有
(メタ)アクリル酸系エステルを提供することにある。
本発明の第2の目的は、該単量体を重合してなる重合体
を提供することにある。本発明の第3の目的は、該単量
体の製造方法を提供することにある。さらに 本発明の
第4の目的は、該重合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に鑑み鋭意検討した結果、特定の糖類残基及びホスホリ
ルコリン類似基含有(メタ)アクリル酸系エステルを高
純度で製造し、この化合物をラジカル重合することによ
って重合体が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は次の(1)〜(4)であ
る。
【0008】(1)下記の一般式[1]
【化10】 [ただし、式中、R1は水素原子またはメチル基、R2
5は、−(BO)k-1B−基(ただし、Bは炭素数2〜
12のアルキレン基を示し、kはオキシアルキレン基の
平均付加モル数で1〜100の数を示す。)で示される
オリゴオキシアルキレン基、Bの繰り返し単位は同一物
の繰り返しでも異なったものの組み合わせでもよく、R
3及びR4は炭素数1〜18の炭化水素基、mは1〜6の
整数を表す。また、{Glula.は、下記の式
【化11】 で示されるグルコノラクトンの反応基}で表される(メ
タ)アクリル酸系エステル。
【0009】(2)下記の一般式[3]
【化12】 [ただし、式中、R1、R2、R3、R4、R5、Glul
a.は、前記に同じ。また、mは1〜6の整数を表す。
また、−M−は、一般式[1]で表される単量体以外の
ラジカル重合性単量体に由来する基であり、また、a
は、一般式[1]に基づく構成単位によるモル分率で
0.01〜1であり、bは前記のラジカル重合性単量体
に基づく構成単位のモル分率で0.99〜0であり、p
は重合体の繰り返し単位数で1〜1000の数を示
す。]で表される(メタ)アクリル酸系エステル重合
体。
【0010】(3)次の工程〜からなる一般式
[1]で表される(メタ)アクリル酸系エステルの製造
方法。 工程;下記一般式[4]
【化13】 (ただし、式中、R1、R2は、前記に同じ。)で表され
る水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと下記の一般
式[5]
【化14】 (ただし、mは前記に同じ。)で表される環状有機リン
化合物を反応させて、下記式[6]
【化15】 (ただし、R1、R2は前記と同じ、mは前記と同じ整数
を示す)で表される環状有機リン化合物残基を有する
(メタ)アクリル酸系エステルを合成する。
【0011】工程;下記の式[7]または式[8]
【化16】 で示されるグルコノラクトンと下記の一般式[9]
【化17】 (ただし、R3、R4、R5は、前記に同じ。)で表され
るN,N−(ジアルキル)ジアミンとを反応して、下記
一般式[10]
【化18】 (ただし、R3、R4、R5は、前記に同じ。)で表され
るN’−グルコンアミドアルキル−N,N−(ジアルキ
ル)アミンを合成する。 工程;前記工程の環状有機リン化合物残基を有する
(メタ)アクリル酸エステルと前記工程のN’−グル
コンアミド−N,N−アルキル(ジアルキル)アミンを
反応させる。
【0012】(4)前記の一般式[1]の単量体と一般
式[1]の単量体以外のラジカル重合性単量体(M)を
ラジカル重合することからなる一般式[3]で表される
(メタ)アクリル酸系エステル重合体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】一般式[1]、[3]、[4]、
[6]において、R1は水素原子またはメチル基を示
す。また、一般式[1]、[3]、[4]、[10]に
おいて、R2、R5は、−(BO)k-1B−基(ただし、
Bは炭素数2〜12のアルキレン基を示し、kはオキシ
アルキレン基の平均付加モル数で1〜100の数を示
す。)で示されるオリゴオキシアルキレン基、Bの繰り
返し単位は同一物の繰り返しでも異なったものの組み合
わせでもよい。このような繰り返し単位基の具体的なも
のとしては、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオ
キシ基、トリメチレンオキシ基、ブチレンオキシ基、テ
トラメチレンオキシ基などのアルキレンオキシ基等の2
価の炭化水素基などが挙げられる。また例えば、テトラ
メチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オ
クタメチレン基、ヘキサデカメチレン基などが挙げられ
る。
【0014】一般式[1]、[3]、[9]、[10]
において、R3、R4は、炭素数1〜18の炭化水素基を
示す。炭素数が18より多いと反応性が低下すること、
入手が困難であることから好ましくない。これらの炭化
水素基は直鎖であっても分岐していてもよい。このよう
な基の具体的なものとしては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル
基などが挙げられる。また、一般式[1]、[3]、
[5]、[6]において、mは1〜6の整数を示す。m
が7以上の場合は原料の入手性、合成の困難性および目
的とする開環4級化反応が起きにくいことから好ましく
ない。より好ましくは、mは2〜4の数である。
【0015】一般式[1]、[3]において、Glul
a.はグルコノラクトンの反応した基を示す。その構造
としては、便宜的に式[2]で示される。
【化19】
【0016】一般式[3]において、−M−は、一般式
[1]で表される単量体以外のラジカル共重合可能な単
量体に基づく構成単位の残基である。その単量体として
は、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸エステル
基、スルホン酸エステル基、炭素数1〜16の脂肪族炭
化水素基または炭素数6〜16の芳香族炭化水素基ある
いは炭素数7〜16の2価の芳香族基置換炭化水素基を
有するものでもよく、これらの基は直鎖であっても分岐
していてもよい。具体的には、例えばメチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニルエステル;エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテ
ル;スチレン、クロルスチレン、クロルメチルスチレン
等のスチレン系単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル;エチレン、プロピレン等の炭化水素系単量体、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エス
テル等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
ル酸エステル;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル
酸アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリル酸アミド
等のアミド系単量体;トリメトキシビニルシラン、トリ
エトキシビニルシラン等のビニルシラン系単量体;ジエ
チルフマレート、ジエチルマレエート等の二塩基酸エス
テル単量体等を挙げることができる。
【0017】一般式[3]において、a、bはそれぞれ
単量体に基づく構成単位のモル分率を表し、a=0.0
1〜1の数、b=0.99〜0の数を示す。より好まし
くは、a=0.3〜1、b=0.7〜0の数である。一
般式[3]において、pは重合体の繰り返し単位数を示
し、1〜1000の整数を示す。好ましくは、pは3〜
500の数である。
【0018】次の(a)に本発明の一般式[1]の単量
体および(b)に本発明の一般式[3]の重合体の製造
方法を示す。 (a)(メタ)アクリル酸系エステルの製造;一般式
[1]で表わされる(メタ)アクリル酸系エステルは、
次のような工程〜からなる方法によって製造するこ
とができる。まず、各工程を次式の反応式によって示
す。
【0019】
【化20】
【0020】
【化21】
【0021】次に各工程について詳細に述べる。 工程;前記一般式[4]で表される水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルと前記一般式[5]で表される
環状有機リン化合物を反応させて前記一般式[6]で表
される環状有機リン化合物残基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルを合成する。工程;グルコノラクトンを
前記の一般式[9]で表されるN,N−(ジアルキル)
ジアミンとを反応させて、前記の一般式[10]で表さ
れる化合物を合成する。 工程;前記工程の環状有機リン化合物残基を有する
(メタ)アクリル酸エステルと前記工程のN’−グル
コンアミドアルキル−N,N−(ジアルキル)アミンを
反応させて一般式[1]で表される(メタ)アクリル酸
系エステルを合成する。
【0022】工程において、原料として用いる一般式
[4]で示される水酸基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルは、分子中に(メタ)アクリル酸部分と水酸基を含有
しているばよいが、具体的には、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリル酸エステル、炭素数2〜4のポリオキ
シアルキレンモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げ
られる。一般式[5]で表される環状有機リン化合物と
しては、従来公知の方法により、合成することができ
る。例えば、三塩化リンと対応するジオールを反応させ
環状亜リン酸クロリドを合成し、これを酸化するか、あ
るいはオキシ塩化リンと対応するジオールを反応させ
る。例えば、ジオールとして、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコール、分
岐のブチレングリコール等が挙げられる。前記の一般式
[4]で示される水酸基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルと一般式[5]で表される環状有機リン化合物を反応
させて、一般式[6]で表される環状有機リン化合物残
基を有する(メタ)アクリル酸エステルを合成する。
【0023】工程において、用いる一方の原料として
は、グルコノラクトンであり、γ−体、δ−体のどちら
でもよい。また、市販品でも合成品でも用いてよい。市
販品としては、例えば、協和発酵株式会社、あるいは藤
沢薬品株式会社のグルコノデルタラクトンが挙げられ
る。さらにもう一方の原料としては、前記の一般式
[9]で示されるN,N−(ジアルキル)ジアミンであ
る。具体的には、例えば、N,N−ジメチルプロピルジ
アミン、N,N−ジエチルプロピルジアミン、N,N−
ジプロピルプロピルジアミン、N,N−ジメチルブチル
ジアミン、N,N−ジエチルブチルジアミン、N,N−
ジプロピルブチルジアミン、N,N−ジメチルアミノエ
チルオキシエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルオキシプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプ
ロピルオキシプロピルアミン、N,N−ジプロピルアミ
ノプロピルオキシプロピルアミン等が挙げられる。
【0024】工程;前記工程の環状有機リン化合物
残基を有する(メタ)アクリル酸エステルと前記工程
のN’−グルコンアミドアルキル−N、N−(ジアルキ
ル)アミンを反応させる。
【0025】これらの化合物の精製条件としては、洗
浄、再結晶、再沈殿、クロマト分離が好ましく挙げられ
る。
【0026】前記一般式[1]で表される化合物を製造
する際の溶媒としては、反応物および生成物を溶解し得
るものであればよい。例えば、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロ
ホルム、ジクロルメタン等の溶媒が挙げられる。
【0027】(b)一般式[3]で表される重合体の製
造;(メタ)アクリル酸系エステルの重合体は次のよう
にして製造できる。 (b)前記一般式[1]で示される(メタ)アクリル酸
系エステルと一般式[1]で示される(メタ)アクリル
酸系エステル以外のラジカル重合性単量体とを従来公知
の方法で重合して製造できる。重合方法としては、通常
のラジカル重合が用いられる。重合開始剤としては、特
に限定されないが、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビスバレロニトリル等のアゾ化合物;過酸化ラウロイ
ル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカ
ノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、コハク酸
ジアシルペルオキシド等の有機化酸化物;過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物等が挙げられ
る。その使用量は、0.001〜10重量%(対単量
体)である。
【0028】重合に用いる溶媒としては、重合体が溶解
する極性溶媒、例えば、DMF、DMAc、DMSO、
トルエン、キシレン、メタノール等の単独溶媒、あるい
はこれらの適当な比率による混合溶媒が好ましく挙げら
れる。重合反応終了後、反応溶液をエタノール等の有機
溶媒に投入し、再沈殿精製を繰り返して得られた固体分
を室温〜35℃で1〜20時間程度減圧乾燥して精製し
て本発明の重合体を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の糖類残基およびホスホリルコリ
ン類似基含有(メタ)アクリル酸系エステルは、生体適
合性を付与する単量体原料として有用である。特に、該
単量体を重合してなる糖類残基およびホスホリルコリン
類似基含有重合体は、生体適合性のある重合体として有
用である。また、本発明の(メタ)アクリル酸系エステ
ルの製造方法はグルコノラクトンを使用するので糖類残
基の水酸基を保護する必要がなく、工程が少なくて、容
易に合成することができる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説
明する。なお各実施例で製造した重合体の数平均分子量
は、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)を展開
溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(G
PC)法でポリスチレンカラムによって標準ポリスチレ
ンを基準に測定した。
【0031】実施例1;2−[(3−D−グルコンアミ
ドプロピル)ジメチルアンモニオ]エチル−2’−(メ
タクリロイルオキシ)エチルホスフェート(MPcG=
Ic)の合成 合成1;2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホリル
エチルメタクリレート(=OPEMA;Ia)の合成 2−ヒドロキシメタクリレート(=2−HEMA)6.
509g(50mmol)トリエチルアミン(=TE
A)6.073g(60mmol)2−クロロ−1,
3,2−ジオキソホスホラン7.126g(50mmo
l)をTHF200mlに溶解し、窒素雰囲気下で−2
0〜−10℃、20分間かき混ぜて反応した。粗生成物
をろ過してTEA・HCl塩を除去し、エバポレーター
で濃縮して粘稠な液状のIaの化合物を11g得た(収
率;93%)。その化合物Iaの1H−NMR、IR分
析を行った。
【0032】結果は、次のとおり。1 H−NMR(δ(ppm):TMS/CDCl3) 1.90−2.00;S×3;C=C(CH3)COO
− 1.70−2.50;m ;−O−C−CH2−CO 4.20−4.70;b ;C=C(C)COOCH
2CH2OPOCH2−CH2−O 4.82−4.86;tri;−CH2(C)− 5.60、6.20;s×2;CH2−C(C)−CO
O− IR分析の結果;(液セル;cm-1) 2900cm-1;−CH 1200 ;−OCOCH3 以上の結果から得られたIaの化合物の構造が次式のも
のであることを確認した。
【0033】
【化22】
【0034】合成2;N−[3−(ジメチルアミノ)プ
ロピル]−D−グルコンアミド(Ib)の合成 N,N−ジメチルプロピレンジアミン、92.4g
(0.9mol)D−グルコノラクトン、104.6g
(0.6mol)、メタノール200mlを反応容器に
採り、窒素雰囲気下で、80℃、24時間かき混ぜて反
応した。粗生成物をろ過して、ろ液を減圧乾燥して未反
応の原料、溶媒を取り除いた後、エタノールに溶解し、
アセトンで沈澱させる操作を2回繰り返し生成物Ibの
化合物を86.0g得た(収率;76.7%)。その化
合物Ibの1H−NMR、IR分析を行った。結果は、
次のとおり。
【0035】1 H−NMR(δ(ppm):TMS/CD3OD) 1.9 ;m;>N−C−CH2−CN< 2.3 ;s;−N(CH32 2.5 ;t;>N−CH2−C 3.4 ;t;−CH2−NH−CO 3.8−4.3;m;−CH2−OH、>CH−OH IR分析の結果;(KBrタブレット;cm-1) 3300cm-1;−OH 2900 ;−CH 1650 ;−CONH− 以上の結果から得られたIaの化合物の構造が次式のも
のであることを確認した。
【0036】
【化23】
【0037】合成3;MPcG(Ic)の合成 前記の合成1で得られたIaの化合物(OPEMA)1
1.81g(50.01mmol)と前記の合成2で得
られたIbの化合物14.02g(50.01mmo
l)を溶媒DMF、300mlに溶解し、窒素雰囲気下
で、60℃、15時間かき混ぜて反応した。粗生成物を
減圧加熱した後、メタノールに溶解し、エーテルで1
回、エタノールで2回再沈澱を行って生成物Icを1
2.25g得た(収率;47.4%)。その化合物Ic
1H−NMR、IR分析を行った。結果は、次のとお
り。
【0038】1 H−NMR(δ(ppm):TMS/CD3OD) 2.0 ;s;CH3−C=C− 2.9 ;s;−N+(CH32 3.1−3.5;t;−CH2−NHCO− 3.4 ;t;−CH2−NH−CO 3.8−4.4;m;−CH2−OH、>CH−OH、
−P−OCH2−、−COOCH2− 5.7 ;s;H(cis)−C=C− 6.2 ;s;H(trans)−C=C− IR分析の結果;(液セル;cm-1) 3300cm-1;−OH 2950 ;−CH 1720 ;−C=O 1650 ;−CONH− 1630 ;−C=C− 1200 ;−O−P=O 1050−1080;−P−O−C 以上の結果から得られたIcの化合物の構造が次式のも
のであることを確認した。
【0039】
【化24】
【0040】実施例2;MPcGのホモ重合体(重合体
II−A)の合成 実施例1の合成3で得られたIcの化合物1.03g
(1.99mmol)、またラジカル重合開始剤とし
て、AIBN、4mg、溶媒メタノール、7mlを重合
容器に採り、溶かして、窒素置換した後、70℃、15
時間反応した。さらに反応溶液をエタノール100ml
中に投入して、沈殿精製を2回繰り返し行い、減圧乾燥
して重合体(II−A)、0.36g得た(収率;34.
9%)。その重合体(II−A)の1H−NMR、IR分
析、分子量測定を行った。結果は、次のとおり。1 H−NMR(δ(ppm):TMA/CD3OD) 2.0 ;CH3−C− 2.9 ;−N+(CH32 3.1−3.5;−CH2−NHCO−、−CH2−N+
−CH2− 3.8−4.4;−CH2−OH、>CH−O−、−P
−O−CH2−、−COO−CH2− IR分析の結果;(KBrタブレット;cm-1) 3300cm-1 ;−OH 2950 ;−CH 1720 ;−C=O 1650 ;−CONH− 1220 ;−O−P=O 1050−1080;−P−O−C 以上の結果から得られた重合体(II−A)の構造が次式
のものであることを確認した。
【0041】
【化25】 数平均分子量;42,000 P=81
【0042】以上の結果から、本発明の実施例1で単量
体が得られた。また、実施例2で重合体が得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[1] 【化1】 [ただし、式中、R1は水素原子またはメチル基、R2
    5は、−(BO)k-1B−基(ただし、Bは炭素数2〜
    12のアルキレン基を示し、kはオキシアルキレン基の
    平均付加モル数で1〜100の数を示す。)で示される
    オリゴオキシアルキレン基、Bの繰り返し単位は同一物
    の繰り返しでも異なったものの組み合わせでもよく、R
    3及びR4は炭素数1〜18の炭化水素基、mは1〜6の
    整数を表す。また、{Glula.は、下記の式 【化2】 で示されるグルコノラクトンの反応基}で表される(メ
    タ)アクリル酸系エステル。
  2. 【請求項2】下記の一般式[3] 【化3】 [ただし、式中、R1、R2、R3、R4、R5、Glul
    a.は、前記に同じ。また、mは1〜6の整数の整数を
    表す。また、−M−は、前記一般式[1]で表される単
    量体以外のラジカル重合性単量体に由来する基であり、
    また、aは、一般式[1]で表される単量体に基づく構
    成単位によるモル分率で0.01〜1であり、bは前記
    ラジカル重合性単量体に基づく構成単位のモル分率で
    0.99〜0であり、pは重合体の繰り返し単位数で1
    〜1000の数を示す。]で表される(メタ)アクリル
    酸系エステル重合体。
  3. 【請求項3】次の工程〜からなる一般式[1]で表
    される(メタ)アクリル酸系エステルの製造方法。 工程;下記一般式[4] 【化4】 (ただし、式中、R1、R2は、前記に同じ。)で表され
    る水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと下記の一般
    式[5] 【化5】 (ただし、mは前記に同じ)で表される環状有機リン化
    合物を反応させて、下記の一般式[6] 【化6】 (ただし、R1、R2、mは前記と同じ。)で表される環
    状有機リン化合物残基を有する(メタ)アクリル酸エス
    エルを合成する。 工程;下記の式[7]または式[8] 【化7】 で表されるグルコノラクトンと下記の一般式[9] 【化8】 {ただし、R3、R4は、炭素数1〜18のアルキル基を
    示し、R5は−(BO)k -1B−基(ただし、Bは炭素数
    2〜12のアルキレン基を示し、kはオキシアルキレン
    基の平均付加モル数で1〜100の数を示す。)で示さ
    れるオリゴオキシアルキレン基、Bの繰り返し単位は同
    一物の繰り返しでも異なったものの組み合わせでもよ
    い。}で表されるN,N−(ジアルキル)ジアミンとを
    反応して、下記一般式下記式[10] 【化9】 (ただし、R3、R4、R5は、前記に同じ。)で表され
    るN’−グルコンアミドアルキル−N,N−(ジアルキ
    ル)アミンを合成する。 工程;前記工程の環状有機リン化合物残基を有する
    (メタ)アクリル酸エステルと前記工程のN−グルコ
    ンアミドアルキル(ジアルキル)アミンを反応させる。
  4. 【請求項4】請求項1記載の一般式[1]で表される単
    量体と前記一般式[1]で表される単量体以外のラジカ
    ル重合性単量体(M)をラジカル重合することからなる
    一般式[3]で表される(メタ)アクリル酸系エステル
    重合体の製造方法。
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