JPH1180080A - グリコールエステル誘導体の製造方法 - Google Patents

グリコールエステル誘導体の製造方法

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JPH1180080A
JPH1180080A JP9247967A JP24796797A JPH1180080A JP H1180080 A JPH1180080 A JP H1180080A JP 9247967 A JP9247967 A JP 9247967A JP 24796797 A JP24796797 A JP 24796797A JP H1180080 A JPH1180080 A JP H1180080A
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JP
Japan
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group
formula
ester derivative
glycol ester
carbon atoms
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JP9247967A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Ishii
康敬 石井
Tatsuya Nakano
達也 中野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコールに対応する部位に分岐鎖を有する
グリコールエステル誘導体を簡易に且つ収率よく得る。 【解決手段】 サマリウム化合物などの金属触媒の存在
下、アジピン酸ジビニルなどのジカルボン酸ビニルエス
テル誘導体又はアセチルオキシイミノシクロヘキサンな
どのオキシムエステル化合物と、アルデヒドとを反応さ
せることにより、前記ジカルボン酸ビニルエステル誘導
体又はオキシムエステル化合物のエステル部位に3分子
のアルデヒドが結合して、アルコール部位に分岐鎖を有
するグリコールエステル誘導体が生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤、界面活性
剤、ポリマー原料、医薬・農薬の中間原料などとして有
用なグリコールエステル誘導体、特にアルコールに対応
する部分に分岐鎖を有するグリコールエステル誘導体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グリコールエステル誘導体は、通常、対
応するグリコールとカルボン酸のエステル化反応により
製造される。この方法では、アルコールに対応する部分
に分岐鎖を有するグリコールエステル誘導体を製造する
ためには、分岐鎖を有するグリコールが必要となる。し
かし、一般に、分岐鎖を有するグリコールを収率よく得
ることは困難である。例えば、アルデヒドを脱水縮合さ
せて得られるアルドール化合物を水添することにより分
岐鎖を有するグリコールを得る方法が知られている。し
かし、アルドール化合物は不安定であり、容易に脱水し
て不飽和アルデヒドに変化する。また、上記の方法で
は、アルデヒドの種類により反応性が大きく変動するた
め、汎用性に乏しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、アルコールに対応する部位に分岐鎖を有するグ
リコールエステル誘導体を簡易に且つ収率よく製造する
方法を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、汎用性に優れたグリコールエステル誘導体の製造法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、金属触媒の存在下、
ジカルボン酸ビニルエステル誘導体又はオキシムエステ
ル化合物とアルデヒドとを反応させると、対応するグリ
コールエステル誘導体が収率よく生成することを見出だ
し本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、金属触媒の存在下、
式(1)
【0006】
【化8】 (式中、Aは二価の有機基を示し、R1 、R2 、R
3 は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5の
アルキル基を示す。R1 、R2 、R3 は、互いに結合し
て、隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成して
いてもよい。各2つのR1 、R2 、R3 は、それぞれ、
同一分子内において、異なっていてもよい)で表される
ジカルボン酸ビニルエステル誘導体と、式(2)
【0007】
【化9】 (式中、R4 、R5 は非反応性原子又は非反応性有機基
を示す。R4 及びR5 は、互いに結合して、隣接する炭
素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるアル
デヒドとを反応させて、式(3)
【0008】
【化10】 [式中、A、R1 、R2 、R3 は前記に同じ。mは0又
は1、nは1又は2を示し、m+n=2である。Rは、
下記式(4)又は(5)
【0009】
【化11】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は前記に同じ)
で表される基を示し、nが2であるとき、Rは同一又は
異なっていてもよい]で表されるグリコールエステル誘
導体を生成させるグリコールエステル誘導体の製造方法
(1)を提供する。R1 には水素原子又はメチル基など
が含まれ、R2 、R3 には水素原子などが含まれる。
【0010】本発明は、また、金属触媒の存在下、式
(6)
【0011】
【化12】 (式中、R6 、R7 、R8 は、同一又は異なって、非反
応性原子又は非反応性有機基を示す。R7 及びR8 は、
互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成して
いてもよい)で表されるオキシムエステル化合物と、前
記式(2)で表されるアルデヒドとを反応させて、式
(7)
【0012】
【化13】 で表されるグリコールエステル誘導体を生成させるグリ
コールエステル誘導体の製造方法(2)を提供する。前
記R6 には、水素原子、C1-6 アルキル基、C2-6 アル
ケニル基、C5-8 シクロアルキル基、C6-10アリール基
などが含まれる。R7 及びR8 には、C1-6アルキル
基、C5-8 シクロアルキル基、C6-10アリール基などが
含まれる。R7及びR8 は、隣接する炭素原子と共に5
〜10員のシクロアルカン環を形成していてもよい。前
記各方法において、金属触媒として、例えば遷移金属化
合物を使用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[金属触媒]金属触媒には、種々の金属元素の単体及び
化合物が含まれ、一種又は二種以上組合わせて使用でき
る。前記金属元素として、例えば、周期表2A族元素
(マグネシウムMg、カルシウムCa、ストロンチウム
Sr、バリウムBaなど)、遷移金属元素、周期表3B
族元素(ホウ素B、アルミニウムAlなど)などが挙げ
られる。なお、本明細書では、ホウ素Bも金属元素に含
めるものとする。前記遷移金属の元素としては、例え
ば、周期表3A族元素[希土類元素(例えば、スカンジ
ウムSc、イットリウムY、ランタノイド系列元素(ラ
ンタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジ
ムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピ
ウムEu、ガドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプ
ロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリ
ウムTm、イッテルビウムYb、ルテチウムLu)、ア
クチノイド系列元素(例えば、アクチニウムAcな
ど)]、4A族元素(チタンTi、ジルコニウムZr、
ハフニウムHfなど)、5A族元素(バナジウムV、ニ
オブNb、タンタルTaなど)、6A族元素(クロムC
r、モリブデンMo、タングステンWなど)、7A族元
素(マンガンMn、テクネチウムTc,レニウムReな
ど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムRu、オスミウム
Os、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIr、
ニッケルNi、パラジウムPd、白金Ptなど)、1B
族元素(銅Cu、銀Ag、金Auなど)、2B族元素
(亜鉛Zn,カドミウムCdなど)などが挙げられる。
好ましい金属触媒を構成する元素には、遷移金属の元素
(例えば、ランタノイド系列元素などの希土類元素、ア
クチノイド系列元素などの周期表3A族元素、4A族元
素、5A族元素、6A族元素、7A族元素、8族元素、
1B族元素、2B族元素)、3B族元素などが含まれ
る。特に好ましい金属触媒を構成する元素として、周期
表3A族元素などが挙げられる。金属元素の化合物に
は、水酸化物、金属酸化物(複酸化物又は酸素酸若しく
はその塩)、有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、前記
金属元素を含む配位化合物(錯体)やポリ酸(ヘテロポ
リ酸やイソポリ酸)又はその塩などが含まれる。金属化
合物において元素の原子価は特に制限されず、例えば2
〜6価程度であってもよい。
【0014】水酸化物には、例えば、Sm(OH)2
Sm(OH)3 、Mn(OH)2 、MnO(OH)、F
e(OH)2 、Fe(OH)3 、及び対応する他の金属
の水酸化物などが含まれる。金属酸化物には、例えば、
SmO2 、SmO3 、TiO 2 、ZrO2 、V2 3
2 5 、CrO、Cr2 3 、MoO3 、MnO、M
34 、Mn23 、MnO2 、Mn27 、Fe
O、Fe2 3 、Fe34 、RuO2 、RuO4 、C
oO、CoO2 、Co2 3 、RhO2 、Rh23
Cu2 3 、及び対応する他の金属の酸化物などが含ま
れる。複酸化物または酸素酸若しくはその塩としては、
例えば、MnAl24 、MnTiO3 、LaMnO
3 、K2 Mn25 、CaO・xMnO2 (x=0.
5,1,2,3,5)、マンガン酸塩[例えば、Na3
MnO4 、Ba3 [MnO42 などのマンガン(V)
酸塩、K2 MnO4 、Na2 MnO4 、BaMnO4
どのマンガン(VI)酸塩、KMnO4 、NaMnO4
LiMnO4 、NH4 MnO4 、CsMnO4 、AgM
nO4 、Ca(MnO42 、Zn(MnO42 、B
a(MnO42 、Mg(MnO42 、Cd(MnO
42 などの過マンガン酸塩]、モリブデン酸、タング
ステン酸、及び対応する他の金属の複酸化物または酸素
酸若しくはその塩などが含まれる。有機酸塩としては、
例えば、有機カルボン酸(ギ酸、酢酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、
ナフテン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸、シュ
ウ酸、マレイン酸などの多価カルボン酸)、オキシカル
ボン酸(グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸など)、チオシアン酸、スルホン酸(メタンスルホ
ン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリフルロメタン
スルホン酸、エタンスルホン酸などのアルキルスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など
のアリールスルホン酸など)などの有機酸との塩が例示
され、無機酸塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩,リ
ン酸塩、炭酸塩、過塩素酸塩など挙げられる。有機酸塩
又は無機酸塩の具体例としては、例えば、酢酸サマリウ
ム(II)、酢酸サマリウム(III)、酢酸コバルト、酢
酸マンガン、プロピオン酸コバルト、プロピオン酸マン
ガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ステ
アリン酸コバルト、ステアリン酸マンガン、チオシアン
酸マンガン、トリクロロ酢酸サマリウム(II)、トリク
ロロ酢酸サマリウム(III)、トリフルオロ酢酸サマリ
ウム(II)、トリフルオロ酢酸サマリウム(III)、ト
リフルオロメタンスルホン酸サマリウム(II)(すなわ
ち、サマリウム(II)トリフラート)、トリフルオロメ
タンスルホン酸サマリウム(III)(すなわち、サマリ
ウム(III)トリフラート)、硝酸サマリウム(II)、
硝酸コバルト、硝酸鉄、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、
硝酸銅、硫酸サマリウム(II)、硫酸コバルト、硫酸
鉄、硫酸マンガン、リン酸サマリウム(II)、リン酸コ
バルト、リン酸鉄、リン酸マンガン、炭酸サマリウム
(II)、炭酸鉄、炭酸マンガン、過塩素酸鉄、及び対応
する他の金属の有機酸塩または無機酸塩などが挙げられ
る。ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物
およびヨウ化物が含まれ、例えば、SmCl2 、SmC
3 、TiCl2 、TiCl4 、ZrCl2 、ZrOC
2 、VCl3 、VOCl2 、MoCl3 、MnCl
2 ,MnCl3 、FeCl2 、FeCl3 、RuC
3 、CoCl2 、RhCl2 、RhCl3 、NiCl
2 、PdCl2 、PtCl2 、CuCl、CuCl2
AlCl3 などの塩化物や、これらに対応するフッ化
物,臭化物やヨウ化物(例えば、SmF2 、SmF3
SmBr2 、SmBr3 、SmI2 、SmI3 、MnF
2 、MnBr2、MnF3 、FeF2 、FeF3 、Fe
Br2 、FeBr3 、FeI2 、CuBr、CuBr2
など)などのハロゲン化物、M1 MnCl3 、M1 2Mn
Cl4 、M1 2MnCl5 、M1 2MnCl6 (M1 は一価
金属を示す)などの複ハロゲン化物、及び対応する他の
金属のハロゲン化物などが挙げられる。
【0015】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル、C1-4 アルキル置
換シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジ
エニルなど)、塩素、臭素などハロゲン原子、CO、C
N、酸素原子、H2 O(アコ)、ホスフィン(例えば、
トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィ
ン)などのリン化合物、テトラヒドロフランなどの酸素
含有化合物、NH3 (アンミン)、NO、NO2 (ニト
ロ)、NO3 (ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒
素含有化合物などが挙げられる。錯体又は錯塩におい
て、同種又は異種の配位子は一種又は二種以上配位して
いてもよい。好ましい錯体における配位子は、例えば、
OH、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル、C
1-2 アルキル置換シクロペンタジエニル、ハロゲン原
子、CO、CN、H2 O(アコ)、トリフェニルホスフ
ィンなどのリン化合物や、テトラヒドロフラン(TH
F)などの酸素含有化合物、NH3 、NO2 、NO3
含めて窒素含有化合物である場合が多い。錯体として、
例えば、アセチルアセトナト錯体(Ce,Ti,Zr,
V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ru,Co,Ni,C
u,Znなどのアセチルアセトナト錯体や、チタニルア
セチルアセトナト錯体TiO(AA)2 、ジルコニルア
セチルアセトナト錯体ZrO(AA)2 、バナジルアセ
チルアセトナト錯体VO(AA)2 、ジアセチルアセト
ナトサマリウム(II)、トリアセチルアセトナトサマリ
ウム(III)など)、シアノ錯体(ヘキサシアノマンガ
ン(I)酸塩,ヘキサシアノ鉄(II)酸塩など)、カル
ボニル錯体やシクロペンタジエニル錯体(ジシクロペン
タジエニルサマリウム(II)、トリシクロペンタジエニ
ルサマリウム(III)、ジペンタメチルシクロペンタジ
エニルサマリウム(II)、トリペンタメチルシクロペン
タジエニルサマリウム(III)などのサマロセン型錯
体、トリカルボニルシクロペンタジエニルマンガン
(I)、ビスシクロペンダジエニルマンガン(II)、ビ
スシクロペンタジエニル鉄(II)、Fe(CO)5 、F
2 (CO)9 、Fe3 (CO)12など)、ニトロシル
化合物(Fe(NO) 4 、Fe(CO)2 (NO)2
ど)、チオシアナト錯体(コバルトチオシアナト、マン
ガンチオシアナト、鉄チオシアナトなど)、アセチル錯
体(酢酸ジルコニルZrO(OAc)2 、酢酸チタニル
TiO(OAc)2 、酢酸バナジルVO(OAc)2
ど)、及び対応する他の金属の錯体などが挙げられる。
【0016】ポリ酸(イソポリ酸やヘテロポリ酸)は、
例えば、周期表5A族又は6A族元素、例えば、V(バ
ナジン酸)、Mo(モリブデン酸)およびW(タングス
テン酸)の少なくとも一種である場合が多く、中心原子
は特に制限されず、例えば、Cu、Be、B、Al、S
i、Ge、Sn、Ti、Th、N、P、As、Sb、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、S、Se、Te、M
n、I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、Ir、Pt、
Cuなどであってもよい。ヘテロポリ酸またはその塩の
具体例としては、例えば、リンモリブデン酸、リンタン
グステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、
コバルトモリブデン酸、コバルトタングステン酸、モリ
ブデンタングステン酸、マンガンモリブデン酸、マンガ
ンタングステン酸、マンガンモリブデンタングステン
酸、バナドモリブドリン酸、リンバナドモリブデン酸,
マンガンバナジウムモリブデン酸、マンガンバナドモリ
ブドリン酸、及びこれらの塩などが挙げられる。また、
ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸(オルトホウ
酸、メタホウ酸、四ホウ酸など)、ホウ酸塩(例えば、
ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸マンガン
など)、B2 3 などのホウ素酸化物、ボラザン、ボラ
ゼン、ボラジン、ホウ素アミド、ホウ素イミドなどの窒
素化合物、BF3 、BCl3 、テトラフルオロホウ酸塩
などのハロゲン化物、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸
メチル、ホウ酸フェニルなど)などが挙げられる。
【0017】前記金属触媒は、均一系であってもよく、
不均一系であってもよい。また、触媒は、担体に触媒成
分が担持された固体触媒であってもよい。担体として
は、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミナ、
ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多い。固
体触媒における触媒成分の担持量は、担体100重量部
に対して、触媒成分0.1〜50重量部、好ましくは
0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部
程度である。
【0018】上記触媒は、前記式(1)で表されるジカ
ルボン酸ビニルエステル誘導体又は式(6)で表される
オキシムエステル化合物と、式(2)で表されるアルデ
ヒドとの反応により、式(3)又は式(7)で表される
グリコールエステル誘導体を生成させる上で有用であ
る。
【0019】[ジカルボン酸ビニルエステル誘導体]式
(1)で表されるジカルボン酸ビニルエステル誘導体に
おいて、Aは二価の有機基を示す。二価の有機基として
は、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、トリ
メチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、デカメチ
レン基などの炭素数1〜10程度のアルキレン基な
ど)、アルケニレン基(例えば、ビニレン、プロペニレ
ン、ヘキセニレン基などの炭素数2〜10程度のアルケ
ニレン基など)、アルキニレン基(例えば、エチニレ
ン、プロピニレンなどの炭素数2〜10程度のアルキニ
レン基など)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペ
ンチレン、シクロヘキシレン基などの炭素数3〜8程度
のシクロアルキレン基など)、アリーレン基(例えば、
フェニレン、ナフチレン基などの炭素数6〜14程度の
アリーレン基など)などが挙げられる。これらの有機基
は、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ
基、アルキル基(例えば、炭素数1〜5程度のアルキル
基)、アルケニル基(例えば、炭素数2〜5程度のアル
ケニル基)、アルキニル基(例えば、炭素数2〜5程度
のアルキニル基)、シクロアルキル基(例えば、炭素数
3〜8程度のシクロアルキル基)、アリール基(例え
ば、置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル
基など)、アルコキシ基(例えば、炭素数1〜5程度の
アルコキシ基など)、カルボキシル基、置換又は無置換
カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、
アシルオキシ基、置換アミノ基、シアノ基などの置換基
を有していてもよい。また、前記有機基の2以上が鎖状
に結合して二価の有機基を構成していてもよく、この場
合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を
介して結合していてもよい。好ましい二価の有機基Aに
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、及びこれらの基の複数個(例えば、2〜4個)が、
酸素原子などのヘテロ原子を介して又は介することなく
鎖状に結合した二価の有機基などが含まれる。特に好ま
しい二価の有機基Aとして、C1-10アルキレン基などが
挙げられる。
【0020】R1 、R2 、R3 における炭素数1〜5の
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル基などが挙げ
られる。R1 、R2 、R3 のうち少なくとも2つの基
は、互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子と
共に環を形成してもよい。このような環には、シクロプ
ロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロ
ヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環など
のシクロアルカン環またはシクロアルケン環などが挙げ
られる。前記環の員数は、例えば3〜10程度である。
1 として、好ましくは水素原子又はメチル基であり、
2 、R3 として、好ましくは水素原子である。前記式
(1)で表されるジカルボン酸ビニルエステル誘導体
は、対応するジカルボン酸とアルコールとを慣用のエス
テル化反応に供することにより得ることができる。
【0021】[アルデヒド]式(2)で表されるアルデ
ヒドにおいて、R4 、R5 は非反応性原子または非反応
性有機基を示す。非反応性原子又は非反応性有機基に
は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、シクロアルケニル基、複素環基などが含まれる。
前記ハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ
素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラ
デシル、オクタデシル基などの炭素数1〜20程度の直
鎖状又は分岐鎖状アルキル基(好ましくは炭素数1〜1
0程度のアルキル基)が含まれる。好ましいアルキル基
としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜
4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0022】アルケニル基には、ビニル、プロペニル、
2−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、オクテニル、
ドデシル基などの炭素数2〜20程度のアルケニル基
(好ましくは炭素数2〜10、特に2〜6程度のアルケ
ニル基)が含まれる。アルキニル基には、エチニル、プ
ロピニル、オクチニル基などの炭素数2〜20程度のア
ルキニル基(好ましくは炭素数2〜10、特に2〜6程
度のアルキニル基)が含まれる。
【0023】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などの炭素数6〜14程度のアリール基が含まれ、シク
ロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル基などの炭素数3〜1
0程度のシクロアルキル基が含まれる。シクロアルケニ
ル基には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル基など
の炭素数3〜10程度のシクロヘキセニル基などが含ま
れる。複素環基に対応する複素環には、例えば、ヘテロ
原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、オ
キサゾール、イソオキサゾール、テトラヒドロフランな
どの5員環、ピランなどの6員環、ベンゾフラン、イソ
ベンゾフラン、ジベンゾフラン、キサントン、キサンテ
ン、クロマン、イソクロマン、クロメンなどの縮合
環)、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環(例え
ば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジ
アゾール、ベンゾチオフェンなど)、ヘテロ原子として
窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピラゾー
ル、イミダゾール、トリアゾール、ピロリジンなどの5
員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、
ピペリジン、モルホリンなどの6員環、インドール、イ
ンドレン、イソインドール、インダゾール、インドリ
ン、イソインドリン、キノリン、イソキノリン、キノリ
ンキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、
プリン、カルバゾール、アクリジン、ナフトキノリン、
フェナントロジン、フェナントロリン、ナフチリジン、
ベンゾキノリン、フェノキサジン、フタロシアニン、ア
ントラシアニンなどの縮合環)などが含まれる。
【0024】R4 及びR5 は、互いに結合して、隣接す
る炭素原子と共に環を形成していてもよい。このような
環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シク
ロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、
シクルヘプタン環、シクロオクタン環、シクロデカン
環、シクロドデカン環などのシクロアルカン環またはシ
クロアルケン環;ヘテロ原子として、酸素原子、イオウ
原子、窒素原子を1〜3個含む非芳香族性複素環などが
挙げられる。前記環の員数は、例えば3〜20、好まし
くは3〜16、さらに好ましくは3〜12、特に5〜1
0程度である。
【0025】R4 、R5 における上記アルキル基、アリ
ール基、シクロアルキル基、複素環基、及びR4 及びR
5 が、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に形成す
る環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、
例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル
基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオ
キシ基など)、置換チオ基(例えば、アルキルチオ基、
アリールチオ基)、置換オキシカルボニル基(例えば、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基
など)、オキソ基、カルバモイル基、置換カルバモイル
基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、ス
ルホ基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基
などが例示される。
【0026】好ましいR4 、R5 には、C1-10 アルキ
ル基(例えば、C1-6 アルキル基など)、C6-10 アリ
ール基(例えば、フェニル基など)、C3-10 シクロア
ルキル基(例えば、C5-8 シクロアルキル基など)など
が含まれる。また、R4 及びR 5 が、互いに結合して、
隣接する炭素原子と共に環(例えば3〜20員環、好ま
しくは3〜16員環、さらに好ましくは3〜12員環、
特に5〜10員環)を形成するのも好ましい。R4 及び
5 を変化させることにより、対応する種々のグリコー
ルエステル誘導体を生成させることができる。
【0027】[グリコールエステル誘導体の製造方法
(1)]本発明のグリコールエステル誘導体の製造方法
(1)では、前記金属触媒の存在下で、式(1)で表さ
れるジカルボン酸ビニルエステル誘導体と式(2)で表
されるアルデヒドとを反応させる。反応は、溶媒の非存
在下で行ってもよいが、通常、溶媒中で行われる。溶媒
としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、ク
ロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン
などのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル
などのエステル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ア
セトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げ
られる。
【0028】前記アルデヒドの使用量は、ジカルボン酸
ビニルエステル誘導体1モルに対して、例えば、0.8
モル以上(例えば、0.8〜30モル程度)、好ましく
は1〜20モル、さらに好ましくは1.5〜15モル程
度である。金属触媒の使用量は、ジカルボン酸ビニルエ
ステル誘導体式1モルに対して、例えば、0.001〜
1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ま
しくは0.05〜0.2モル程度である。反応温度は、
例えば、0〜100℃、好ましくは10〜60℃、さら
に好ましくは10〜40℃程度である。
【0029】上記反応により、対応する式(3)で表さ
れるグリコールエステル誘導体が生成する。なお、前記
Rが式(4)で表される基である化合物は、式(1)の
化合物のビニルエステル部位のビニル基に、式(2)の
アルデヒドが2分子付加することにより生成し、一方、
前記Rが式(5)で表される基である化合物は、式
(1)の化合物のビニルエステル部位が式(2)のアル
デヒド(ビニルアルコールの互変異性体)とエステル交
換され、新たに生成したビニル基に、式(2)のアルデ
ヒドが2分子付加することにより生成するものと考えら
れる。式(2)で表されるアルデヒドがアセトアルデヒ
ドの場合には、アルデヒドのジカルボン酸ビニルエステ
ル誘導体に対する使用割合が大きいほど、m=0、n=
2の化合物の選択率が向上する。また、式(2)で表さ
れるアルデヒドがアセトアルデヒド以外のアルデヒドの
場合には、主に、m=n=1の化合物が生成する。この
場合、アルデヒドのジカルボン酸ビニルエステル誘導体
に対する使用割合が大きいほど、Rが式(5)で表され
る基である化合物の選択性が向上する。
【0030】反応終了後、慣用の分離精製手段、例え
ば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマト
グラフィーなどにより、前記式(3)で表される化合物
を分離精製することができる。
【0031】[式(6)で表されるオキシムエステル化
合物]前記式(6)中、R6 、R7 、R8 における非反
応性原子又は非反応性有機基としては、前記R4 、R5
における非反応性原子又は非反応性有機基として例示し
た原子又は有機基などが挙げられる。また、R7 及びR
8 が、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に形成す
る環としては、前記R4 とR5 とが隣接する炭素原子と
ともに形成する環として例示したものが挙げられる。
【0032】好ましいR6 には、水素原子、C1-10アル
キル基(例えば、C1-6 アルキル基、特にC1-4 アルキ
ル基など)、C2-6 アルケニル基、、C6-10 アリール
基(例えば、フェニル基など)、C3-10 シクロアルキ
ル基(例えば、C5-8 シクロアルキル基など)などが含
まれる。なかでも、R6 として、水素原子、メチル基、
エチル基、ビニル基、2−プロペニル基、フェニル基な
どが好ましい。好ましいR7 、R8 には、C1-10アルキ
ル基(例えば、C1-6 アルキル基など)、C6-10 アリ
ール基(例えば、フェニル基など)、C3-10 シクロア
ルキル基(例えば、C5-8 シクロアルキル基など)など
が含まれる。また、R7 及びR8が、互いに結合して、
隣接する炭素原子と共に環(例えば3〜20員環、好ま
しくは3〜16員環、さらに好ましくは3〜12員環、
特に5〜10員環)を形成するのも好ましい。
【0033】前記式(6)で表されるオキシムエステル
化合物は、例えば、下記式(8)
【0034】
【化14】 (式中、R6 は前記に同じ)で表されるエノールエステ
ル化合物と、下記式(9)
【0035】
【化15】 (式中、R7 、R8 は前記に同じ)で表されるオキシム
化合物とを、前記金属触媒(例えば、サマリウム化合物
などの周期表3族元素化合物など)の存在下で反応させ
ることにより得ることができる。式(9)で表されるオ
キシム化合物として、例えば、2−ヘキサノンオキシム
などの脂肪族オキシム、シクロヘキサノンオキシム、シ
クロペンタノンオキシムなどの脂環式オキシム、アセト
フェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、ベンジル
ジオキシムなどの芳香族オキシムなどが例示できる。式
(8)で表される化合物と式(9)で表される化合物と
の反応は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒として
は、前記例示の溶媒などを使用できる。上記反応におい
て、式(8)で表される化合物と式(9)で表される化
合物との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/
5〜5/1、好ましくは1/2〜2/1、さらに好まし
くは1/1.5〜1.5/1程度である。また、前記金
属触媒の使用量は、式(8)で表される化合物1モルに
対して、例えば、0.001〜1モル、好ましくは0.
01〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.2
モル程度である。反応温度は、例えば、0〜100℃、
好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは10〜40
℃程度である。反応終了後、慣用の分離精製手段、例え
ば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマト
グラフィーなどにより、前記式(6)で表される化合物
を分離精製することができる。
【0036】[グリコールエステル誘導体の製造方法
(2)]本発明のグリコールエステル誘導体の製造方法
(2)では、前記金属触媒の存在下で、式(6)で表さ
れるオキシムエステル化合物と前記式(2)で表される
アルデヒドとを反応させる。
【0037】反応は、溶媒の非存在下で行ってもよい
が、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、前記例示
の溶媒などを使用できる。前記アルデヒドの使用量は、
ジカルボン酸ビニルエステル誘導体1モルに対して、例
えば、1.5モル以上(例えば、1.5〜20モル程
度)、好ましくは1.8〜10モル、さらに好ましくは
2〜5モル程度である。金属触媒の使用量は、グリコー
ルエステル誘導体1モルに対して、例えば、0.001
〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好
ましくは0.05〜0.2モル程度である。反応温度
は、例えば、0〜150℃、好ましくは10〜120
℃、さらに好ましくは20〜80℃程度である。
【0038】上記反応により、対応する式(7)で表さ
れるグリコールエステル誘導体が生成する。このグリコ
ールエステル誘導体は、式(6)で表されるオキシムエ
ステル化合物のエステル部位が、式(2)のアルデヒド
(ビニルアルコールの互変異性体)によってエステル交
換されてビニルエステルとなり、このビニル基に、さら
に式(2)のアルデヒド2分子が付加することにより生
成するものと考えられる。反応終了後、慣用の分離精製
手段、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどにより、前記式(7)で表さ
れる化合物を分離精製することができる。本発明の方法
により得られるグリコールエステル誘導体(3)、
(7)は、溶剤、界面活性剤、ポリマー原料、医薬・農
薬の中間原料などとして有用である。なお、得られたグ
リコールエステル誘導体を慣用の方法により加水分解し
て、分岐鎖を有するグリコール類を得ることもできる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ジカルボン酸ビニルエ
ステル誘導体又はオキシムエステル誘導体とアルデヒド
とにより、アルコールに対応する部位に分岐鎖を有する
グリコールエステル誘導体を簡易に且つ収率よく製造で
きる。また、広範なグリコールエステル誘導体を得るこ
とができ、汎用性に優れる。
【0040】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 調製例1 シクロヘキサノンオキシム2.3g(20ミリモル)、
酢酸イソプロペニル2.0g(20ミリモル)、ジ(η
5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム
[Cp* 2Sm(THF)2 ]0.9g(2ミリモル)、
及びトルエン20mlの混合物を室温で1時間撹拌し、
析出した結晶を濾過することにより、3.1gのアセチ
ルオキシイミノシクロヘキサン(シクロヘキサノンオキ
シム アセテート)が得られた(収率100%)。
【0041】実施例1 アジピン酸ジビニル 1ミリモル、アセトアルデヒド
4ミリモル、ジ(η5−ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]0.1ミ
リモル、及びトルエン1mlの混合物を、25℃で3時
間撹拌した。ガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、反応混合液中に、アジピン酸(3−アセチルオキシ
ブチル)ビニルが収率21%で生成していた。なお、ア
ジピン酸ビス(3−アセチルオキシブチル)の収率は1
%未満であった。
【0042】実施例2 アセトアルデヒドを10ミリモル使用した以外は、実施
例1と同様にして反応を行ったところ、反応混合液中
に、アジピン酸(3−アセチルオキシブチル)ビニルが
収率47%、アジピン酸ビス(3−アセチルオキシブチ
ル)が収率20%で生成していた。
【0043】実施例3 アセトアルデヒドに代えて、プロピオンアルデヒドを2
ミリモル使用した以外は実施例1と同様にして反応を行
ったところ、アジピン酸(3−プロピオニルオキシペン
チル)ビニルが収率30%、アジピン酸(2−メチル−
3−プロピオニルオキシペンチル)ビニルが収率40%
で生成していた。なお、アジピン酸ビス(3−プロピオ
ニルオキシペンチル)の収率は1%未満であった。
【0044】実施例4 プロピオンアルデヒドを4ミリモル使用した以外は、実
施例3と同様にして反応を行ったところ、アジピン酸
(3−プロピオニルオキシペンチル)ビニルが収率25
%、アジピン酸(2−メチル−3−プロピオニルオキシ
ペンチル)ビニルが収率55%で生成していた。なお、
アジピン酸ビス(3−プロピオニルオキシペンチル)の
収率は1%未満であった。
【0045】実施例5 調製例1で得られたアセチルオキシイミノシクロヘキサ
ン 1ミリモル、ブチルアルデヒド 3ミリモル、ジ
(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウ
ム[Cp* 2Sm(THF)2 ] 0.1ミリモル、及び
トルエン1mlの混合物を、25℃で3時間撹拌した。
ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応混合
液中に、酢酸(3−ブチリルオキシ−2−エチルヘキシ
ル)が収率50%、シクロヘキサノンオキシムが収率4
4%で生成していた。
【0046】実施例6 反応温度を50℃とした以外は実施例5と同様にして反
応を行ったところ、酢酸(3−ブチリルオキシ−2−エ
チルヘキシル)が収率68%、シクロヘキサノンオキシ
ムが収率57%で生成していた。
【0047】実施例7 ブチルアルデヒドに代えて、アセトアルデヒドを3ミリ
モル使用した以外は実施例6と同様にして反応を行った
ところ、酢酸(3−アセチルオキシブチル)が収率80
%で得られた。
【0048】実施例8 ブチルアルデヒドに代えて、プロピオンアルデヒドを3
ミリモル使用した以外は実施例6と同様にして反応を行
ったところ、酢酸(3−プロピオニルオキシ−2−メチ
ルペンチル)が収率70%で得られた。
【0049】実施例9 ブチルアルデヒドに代えて、イソブチルアルデヒドを3
ミリモル使用した以外は実施例6と同様にして反応を行
ったところ、酢酸(3−イソブチリルオキシ−2,2,
4−トリメチルペンチル)が収率76%で得られた。
【0050】実施例10 ブチルアルデヒドに代えて、シクロヘキサンカルバルデ
ヒドを3ミリモル使用した以外は実施例6と同様にして
反応を行ったところ、酢酸(3−シクロヘキシル−3−
シクロヘキシルカルボニルオキシ−2−シクロヘキシリ
デンプロピル)が収率19%で得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 67/44 C07C 67/44 69/28 69/28 69/44 69/44 69/75 69/75 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属触媒の存在下、式(1) 【化1】 (式中、Aは二価の有機基を示し、R1 、R2 、R
    3 は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5の
    アルキル基を示す。R1 、R2 、R3 は、互いに結合し
    て、隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成して
    いてもよい。各2つのR1 、R2 、R3 は、それぞれ、
    同一分子内において、異なっていてもよい)で表される
    ジカルボン酸ビニルエステル誘導体と、式(2) 【化2】 (式中、R4 、R5 は非反応性原子又は非反応性有機基
    を示す。R4 及びR5 は、互いに結合して、隣接する炭
    素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるアル
    デヒドとを反応させて、式(3) 【化3】 [式中、A、R1 、R2 、R3 は前記に同じ。mは0又
    は1、nは1又は2を示し、m+n=2である。Rは、
    下記式(4)又は(5) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は前記に同じ)
    で表される基を示し、nが2であるとき、Rは同一又は
    異なっていてもよい]で表されるグリコールエステル誘
    導体を生成させるグリコールエステル誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 R1 が水素原子又はメチル基であり、R
    2 、R3 が水素原子である請求項1記載のグリコールエ
    ステル誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属触媒の存在下、式(6) 【化5】 (式中、R6 、R7 、R8 は、同一又は異なって、非反
    応性原子又は非反応性有機基を示す。R7 及びR8 は、
    互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成して
    いてもよい)で表されるオキシムエステル化合物と、式
    (2) 【化6】 (式中、R4 、R5 は非反応性原子又は非反応性有機基
    を示す。R4 及びR5 は、互いに結合して、隣接する炭
    素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるアル
    デヒドとを反応させて、式(7) 【化7】 で表されるグリコールエステル誘導体を生成させるグリ
    コールエステル誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 R6 が、水素原子、C1-6 アルキル基、
    2-6 アルケニル基、C5-8 シクロアルキル基、及びC
    6-10アリール基から選択された基である請求項3記載の
    グリコールエステル誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 R7 及びR8 が、同一又は異なって、C
    1-6 アルキル基、C 5-8 シクロアルキル基、及びC6-10
    アリール基から選択された基であるか、又はR7 及びR
    8 が、隣接する炭素原子と共に5〜10員のシクロアル
    カン環を形成している請求項1記載のグリコールエステ
    ル誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属触媒として遷移金属化合物を用いる
    請求項1又は3記載のグリコールエステル誘導体の製造
    方法。
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