JPH1180026A - 新規免疫抑制剤、その使用方法およびその同定方法 - Google Patents

新規免疫抑制剤、その使用方法およびその同定方法

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JPH1180026A
JPH1180026A JP9237273A JP23727397A JPH1180026A JP H1180026 A JPH1180026 A JP H1180026A JP 9237273 A JP9237273 A JP 9237273A JP 23727397 A JP23727397 A JP 23727397A JP H1180026 A JPH1180026 A JP H1180026A
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lymphocytes
alkyl
lymphocyte
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Kenji Chiba
健治 千葉
Kunitomo Adachi
邦知 安達
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Welfide Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパ
イエル板のいずれかへのリンパ球ホーミングを促進する
作用を有する化合物を有効成分とする免疫抑制剤。該化
合物が2−アミノプロパン−1,3−ジオール化合物ま
たはベンゼン化合物である該免疫抑制剤。特に該化合物
がFTY720である該免疫抑制剤。さらに他の免疫抑
制剤を含有する該免疫抑制剤。 【効果】 本発明の免疫抑制剤は、従来の免疫抑制剤と
は異なる作用機作を有し且つ毒性の副作用が小さいの
で、他の免疫抑制剤と併用することにより、副作用を生
じることなく高い免疫抑制効果を示す。したがって、移
植の拒絶反応、自己免疫疾患などの予防および治療にき
わめて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリンパ球ホーミング
促進作用を有する化合物を有効成分とする医薬組成物に
関する。より詳細には、本発明は該化合物を有効成分と
する免疫抑制剤およびリンパ球輸送制御剤に関する。ま
た、本発明はリンパ球ホーミング促進作用を有する化合
物を投与することを含む哺乳動物の免疫応答抑制方法お
よびリンパ球輸送制御方法に関する。さらに、本発明は
試料中のリンパ球ホーミング促進活性の同定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、免疫系はまず抗原提示細胞(A
PC)を通して抗原をプロセッシングして提示すること
により抗原に応答する。過去十年間にわたる精力的な研
究の結果、このプロセスに関する分子レベルでの詳細な
知識が得られた[Ann. R. Immunol., 12: 259 (1994); A
nn. R. cell Biol., 9: 207 (1993); Curr. Opin. Immu
nol., 7: 69 (1995)] 。抗原提示細胞の作用に続いてT
リンパ球(T細胞)が活性化され、種々のエフェクター
免疫細胞の増殖・分化を誘導する。すなわち、食細胞、
ナチュラルキラー細胞、細胞傷害性T細胞、B細胞およ
び他のエフェクター細胞の活性は、活性化されたT細胞
から分泌される化学的メッセンジャーであるサイトカイ
ンによってそれぞれ誘導される。
【0003】一方、免疫応答を抑制する方法の開発は、
臓器および細胞移植における拒絶反応を防いだり、種々
の自己免疫疾患を治療および予防する上できわめて重要
である。従来より免疫応答の抑制に使用されてきた化合
物は、(1) 特定の免疫細胞を攻撃してかかる細胞を免疫
系から除去するか、あるいは(2) 免疫細胞がサイトカイ
ンに応答する能力を阻害することによって、免疫応答に
関わる細胞数を減少させるという作用機作を有するもの
である。応答する細胞数が少なくなると、免疫系は通常
と同様の応答反応を起こすことができくなり、その結果
免疫応答抑制が起こる。
【0004】具体的には、第一の作用機作を有する化合
物群は、免疫細胞中でのヌクレオシド合成を阻害して該
細胞の代謝および免疫活性を停止させる。この群には、
アザチオプリン[Nature, 183: 1682 (1959) ] 、ミゾリ
ビン[J. Clin. Invest., 87:940 (1991)]、ミコフェノ
ール酸[Pharm. Res., 7: 161 (1990)]、ブレキナールナ
トリウム[Transplantation, 53: 303]が挙げられる。し
かしながら、これらの化合物には毒性の副作用を生じる
という問題点がある。
【0005】第二の作用機作を有する化合物群には、シ
クロスポリンA(CsA)、タクロリムス(TRL)お
よびラパマイシン[N. Eng. J. Med., 321: 1725 (198
9); Transplant. Proc., 23: 2977 (1991)] 等がある。
CsAは糸状菌トリコデルマ・ポリスポラム(Trichode
rma polysporum)から生産される環状ペプチドである[A
gents and Actions, 6: 468 (1976); Pharmacological
Rev., 41: 259 (1989)]。TRL(別名FK−506)
はストレプトマイセス・ツクバエンシス(Streptomyces
tsukubaensis )由来のマクロライドである[J. Antibi
otics, 40: 1249(1987); J. Antibiotics, 40: 1256 (1
987); Transplantation, 45: 206 (1988)] 。これらの
化合物は、サイトカインをその合成を妨げることにより
除去する。それ故、エフェクター細胞が誘導されず免疫
応答は完全に起こらない。一方、ラパマイシンはサイト
カインシグナルが免疫細胞に作用するのをブロックする
[Transplantation, 52: 185 (1991)] 。
【0006】より詳細には、CsAは抗原刺激を受けた
ヘルパーT細胞中でのインターロイキン2(IL−2)
の産生を阻害することにより免疫応答を抑制する。TR
LはヘルパーT細胞中でのIL−2産生を阻害すること
により抗原で誘導されるT細胞増殖を阻害する。CsA
とTRLはそれぞれシクロフィリンおよびFKBPとい
われる2つの異なるタンパク質に結合することによって
作用する。結合後、CsA/シクロフィリン複合体とT
RL/FKBP複合体はどちらも活性化T細胞中で核因
子(NF−AT)を活性化するカルシニューリンと呼ば
れるタンパク質のホスファターゼ活性を阻害する。NF
−ATはIL−2遺伝子の転写、したがってIL−2産
生を促進する。しかしながら、CsA/シクロフィリン
複合体およびTRL/FKBP複合体がNF−ATの活
性化を阻害すると、IL−2の産生もまた阻害される。
【0007】CsAおよびTRLはほとんど同じ作用機
作を有するので、これらの薬剤はまた腎臓および肝臓へ
の毒性などのきわめてよく似た副作用を示す[Lancet, 3
44:423 (1994)] 。そのため両薬剤の併用は避けなけれ
ばならない。個々の免疫抑制剤の副作用を軽減するため
に、CsAまたはTRLのいずれかとアザチオプリンや
ミゾリビン[Transplant. Proc., 17: 1222 (1985); Cli
n. Transplant., 4: 191 (1990)]のようなステロイド類
もしくは他の免疫抑制剤を併用した治療が広く用いられ
てきたが、必ずしも毒性の副作用を示すことなく十分な
免疫抑制効果を発揮するには至っていないのが現状であ
る。
【0008】
【発明が解決すべき課題】したがって、本発明の目的
は、それ自体毒性が低く安全に使用できるとともに、副
作用を生じることなく従来の免疫抑制化合物と併用でき
るような、従来の免疫抑制化合物とは全く異なる作用機
作を有する免疫抑制化合物を同定し、該化合物を有効成
分とする新規免疫抑制剤を提供することである。また、
本発明の別の目的は、該免疫抑制剤を免疫応答抑制を必
要とする哺乳動物に投与することによる哺乳動物の免疫
応答抑制方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、2−アミノプロパ
ン−1,3−ジオール化合物またはベンゼン化合物、特
に2−アミノ−2[2−(4−オクチルフェニル)エチ
ル]プロパン−1,3−ジオール塩酸塩(FTY72
0)が、ラットやイヌへの臓器(組織)移植において拒
絶反応を顕著に抑制し、移植片の生着率を増大させる効
果があることを見出した。さらに、本発明者らは、該化
合物が腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパイエル板
へのリンパ球ホーミングを促進することにより血中の循
環リンパ球や脾臓のリンパ球の数を特異的に減少させる
作用を有すること、並びに該リンパ球ホーミング促進作
用は、該化合物がリンパ節およびパイエル板中の高内皮
性細静脈(HEV)細胞に作用して、リンパ球のHEV
細胞への接着を促進することによるものであることを確
認して本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は以下に示す通りであ
る。 (1) 腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパイエル板の
いずれかへのリンパ球ホーミングを促進する作用を有す
る化合物、特に2−アミノプロパン−1,3−ジオール
化合物、ベンゼン化合物、それらのホモログ、それらの
アナログおよびそれらの誘導体のいずれか、就中、FT
Y20を有効成分とする免疫抑制剤。 (2) 臓器、組織、細胞または骨髄移植における拒絶反応
を抑制するための上記(1) の免疫抑制剤。 (3) 移植片対宿主反応の予防および治療のための上記
(1) の免疫抑制剤。 (4) 自己免疫疾患、特に関節リウマチ、乾癬、アトピー
性皮膚炎、気管支喘息、花粉症、ベーチェット病、ブド
ウ膜炎、全身性エリテマトーデスおよび多発性硬化症か
らなる群より選択される少なくとも1つの自己免疫疾患
の予防および治療のための上記(1) の免疫抑制剤。 (5) T細胞におけるIL−2の産生を阻害しないことを
特徴とする上記(1) 〜(4) のいずれかの免疫抑制剤。 (6) 循環リンパ球を腸間膜もしくは末梢リンパ組織また
はパイエル板にホーミングさせることにより循環リンパ
球数を可逆的に減少させることを特徴とする上記(1) 〜
(5) の免疫抑制剤。 (7) 腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパイエル板中
の高内皮性細静脈細胞に作用して、循環リンパ球を該高
内皮性細静脈細胞に接着させることを特徴とする上記
(1) 〜(6) の免疫抑制剤。 (8) さらに少なくとも1つの他の免疫抑制作用を有する
化合物、特にシクロスポリン誘導体またはタクロリムス
を含有する上記(1) 〜(7) のいずれかの免疫抑制剤。 (9) 免疫応答を抑制するのに有効な量の上記(1) 〜(8)
のいずれかの免疫抑制剤を、免疫応答を抑制する必要の
ある哺乳動物に投与することを含む哺乳動物の免疫応答
抑制方法。 (10)組織または細胞、特に心臓、皮膚または腎臓組織を
移植した哺乳動物、特に齧歯類に試料を投与し、投与後
の移植組織または細胞の生存を調べるとともに、該哺乳
動物の腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパイエル板
中のリンパ球に対する血中の循環リンパ球の量比を測定
することを含む、該試料中のリンパ球ホーミング促進性
の免疫抑制活性の同定方法。 (11)予め標識されたリンパ球、特にカルセイン標識また
は遺伝子配列標識されたリンパ球を導入された哺乳動
物、特に齧歯類に試料を投与し、投与後の該哺乳動物の
組織および血液中の該標識リンパ球分布を、該試料を投
与していない同系統の哺乳動物の組織および血液中の該
標識リンパ球分布と比較することを含む、該試料中のリ
ンパ球ホーミング促進活性の同定方法。 (12)リンパ球の輸送を制御するのに有効な量の上記(1)
〜(8) のいずれかの免疫抑制剤を、リンパ球の輸送を制
御する必要のある哺乳動物に投与することを含む哺乳動
物のリンパ球輸送制御方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の免疫抑制剤の有効成分で
ある化合物は、腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパ
イエル板のいずれかへのリンパ球ホーミングを促進する
ことにより免疫応答抑制効果を示す。リンパ球の遊走は
通常ランダムと思われるが腸間膜および末梢リンパ節、
並びにパイエル板由来のリンパ球には由来器官への帰還
性(homing)がある。一般に、細胞接着および細胞表面
受容体への結合がリンパ球がどの特定の組織に帰還する
か、あるいは血液またはリンパ液中で循環するかを制御
している。あるリンパ球ホーミング受容体、例えばCD
62L、CD49d/β7、CD11aおよびそれらの
リガンド(GlyCAM−1、MAdCAM−1、IC
AM−1等)は、リンパ節の小さな血管である高内皮性
細静脈(HEV)の細胞表面上に発現する。CD62L
(L−セレクチン)[Immunity, 1: 247 (1994)] および
CD49d/β7(α4 β7 インテグリン)[J. Immuno
l., 152: 32839 (1994)]は、それぞれリンパ節およびパ
イエル板(腸のリンパ組織)中のHEV細胞表面に発現
されているGlyCAM−1およびMAdCAM−1に
結合する。動物細胞およびリンパ球上にこれらのまたは
他の受容体およびリガンドが存在することにより、リン
パ球ホーミング過程の基礎が形作られている。本発明の
免疫抑制化合物[以下、リンパ球ホーミング促進性(ac
cerlated lymphocytehoming)免疫抑制化合物またはA
LH免疫抑制化合物と称する場合もある]は、このリン
パ球ホーミングという生理学的過程を顕著に促進する活
性を有するのである。
【0012】構造的には、ALH免疫抑制化合物のクラ
スはイサリア・シンクライリイ(Isaria sinclairii )
の天然産物であるマイリオシン(化3)またはISP−
1から誘導される[J. Antibiotics, 47: 208 (1994)]。
【0013】
【化3】
【0014】これらの化合物の数多くのホモログ、アナ
ログまたは誘導体がここに引用される文献、特に藤田ら
[J. Antibiotics, 47: 216 (1994)]に記載されるような
当該技術分野で公知の方法によって調製され得る。本発
明においては、ALH免疫抑制化合物は化4で表される
2−アミノプロパン−1,3−ジオール化合物であるこ
とが好ましい。
【0015】
【化4】
【0016】[式中、Rは任意の置換直鎖または分枝炭
素鎖、任意の置換アリール、任意の置換シクロアルキル
等;R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なり、
各々水素、アルキル、アシル、またはアルコキシカルボ
ニルであるか、あるいはR4 およびR5 が結合してアル
キレン鎖(アルキル、アリールまたはアルコキシカルボ
ニルで置換されてもよい)を形成する]
【0017】また、本発明においては、ALH免疫抑制
化合物は化5で表されるベンゼン化合物であってもよ
い。
【0018】
【化5】
【0019】[式中、Wは水素、1〜6個の炭素原子を
有する直鎖または分枝鎖アルキル、2〜6個の炭素原子
を有する直鎖または分枝鎖アルケニル、2〜6個の炭素
原子を有する直鎖または分枝鎖アルキニル、フェニル
(ヒドロキシで置換されてもよい)、R4 (C
2 n 、またはハロゲン、シクロアルキルおよびフェ
ニル(ヒドロキシで置換されてもよい)からなる群より
選択される1〜3の置換基によって置換された直鎖また
は分枝鎖C1 〜C6 アルキル;Xは水素、p個の炭素原
子を有する直鎖アルキルまたは(p−1)個の炭素原子
を有する直鎖アルコキシ(式中、p個の炭素原子を有す
る直鎖アルキルおよび(p−1)個の炭素原子を有する
直鎖アルコキシは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキ
シ、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハ
ロアルキル、ハロゲンおよびフェニル(置換基を有して
もよく、置換基を有するフェニルはアルキル、ヒドロキ
シ、アシル、アルコキシ、アシロキシ、アミノ、アルキ
ルアミノ、アシルアミノ、ハロアルキルおよびハロゲン
からなる群より選択される1〜3の置換基を有してよ
い)からなる群より選択される1〜3の置換基を有して
よい)であり;Yは水素、アルキル、ヒドロキシ、アル
コキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミ
ノ、アシルアミノ、ハロアルキルまたはハロゲン;Zは
単結合またはq個の炭素原子を有する直鎖アルキレンで
あり;pとqは同一または異なり、各々1〜20の整数
(但し、6≦p+q≦23)であり;mは1,2または
3;nは2または3;R1およびR2 は同一または異な
り、各々水素、アルキルまたはアシル;R3 は水素、ア
ルキルまたはアシル;およびR4 は水素、アルキルまた
はアシルである]
【0020】本発明のALH免疫抑制化合物に含まれる
特定の化合物、置換基および変形は米国特許第5,604,22
9 号、ともに係属中の米国特許出願第08/801,390号(1
997年2月20日出願)およびPCT出願PCT/JP95/0
1654号(1995年8月22日出願)に記載される。こ
れらの特許明細書には、本発明に使用し得る特定の化合
物の製造および単離方法もまた記載されている。また、
ここで引用される文献、特に藤田ら(1995) [BioMed. Ch
em. Lett., 5: 847], 藤田ら(1996) [J. Med.Chem., 3
9: 4451]および安達ら(1995) [BioMed. Chem. Lett.,
5: 853]にはこれらの化合物の製造方法が記載されてい
る。これらの特許公報および引用文献の各々の全内容は
ここに引用することによって本明細書の開示に組み込ま
れる。調製されたホモログ、アナログまたは誘導体がA
LH免疫抑制活性を有することを確認するための試験方
法については後述する。さらに、該化合物は多くの医薬
上または生理学上許容され得る塩のいずれかとして調製
または単離することができ、あるいは記載されるいずれ
かの化合物の任意の異性体としても調製され得る。
【0021】本発明において使用されるALH免疫抑制
化合物の好ましい構造の一態様としては、化6に示され
る合成産物FTY720、すなわち、2−アミノ−2
[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−
1,3−ジオール塩酸塩が挙げられる。
【0022】
【化6】
【0023】ALH免疫抑制化合物は、CsAまたはT
RLと異なり、同種抗原刺激されたT細胞におけるIL
−2 mRNAの発現およびIL−2の産生を阻害しな
い。したがって、ALH免疫抑制化合物の使用によりI
L−2の産生阻害に起因する不都合な副作用を回避する
ことができる。
【0024】ALH免疫抑制化合物はリンパ球を特定の
位置、すなわち腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパ
イエル板にホーミングさせることにより、血液または特
定のリンパ組織中の特定のリンパ球、例えば、循環リン
パ球や脾臓リンパ球の数を選択的に減少させることがで
きる。このリンパ球ホーミング促進活性は可逆的である
ため、治療を一時的に中断すると通常のリンパ球分布に
戻る。リンパ球輸送の制御または循環リンパ球の減少に
よって特定の組織におけるリンパ球の数がコントロール
レベルに比べて変化する。後記実施例では、種々の組織
および循環血液中のリンパ球数の変化を示すが、実施例
における数値は必要とされるリンパ球数の変化の程度を
限定するものではない。変化の程度は、哺乳動物の免疫
応答において有意な変化を結果として生じるものであれ
ばよい。
【0025】リンパ球輸送の制御または特定組織におけ
るリンパ球レベルの減少は標識したリンパ球を追跡する
ことによって測定することができる。組織局在性、組織
へのリンパ球の巡回頻度または標識リンパ球投与後一定
期間でのリンパ球数の変化およびコントロールとの比較
から、リンパ球輸送制御またはリンパ球レベルの減少が
示される。
【0026】細胞表面受容体や遺伝的修飾を用いてリン
パ球ホーミングを制御する方法はこれまでにも論じられ
てきたが、リンパ球ホーミング過程と相互作用する化合
物については論じられてこなかった。本発明のALH免
疫抑制化合物は、腸間膜もしくは末梢リンパ組織または
パイエル板中のHEV細胞に作用して循環リンパ球や特
定のリンパ組織のリンパ球をHEV細胞表面上に存在す
るホーミング受容体と結合させることにより、それらを
腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパイエル板に帰還
させる。
【0027】ALH免疫抑制化合物は、医薬上許容され
得る担体とともに投与することができる。本発明は、A
LH免疫抑制化合物および医薬上許容され得る担体を含
む免疫抑制剤を提供する。
【0028】本発明の免疫抑制剤は、免疫抑制活性また
は抗菌活性のような薬理学的活性を有するので、例え
ば、器官または組織(例えば、心臓、腎臓、肝臓、肺、
骨髄、角膜、膵臓、小腸、肢、筋肉、神経、脂肪髄、十
二指腸、皮膚または膵島細胞等、異種移植を含む)の移
植に対する抵抗性または移植拒絶反応、骨髄移植による
移植片対宿主反応症(GVHD)、リウマチ性関節炎、
全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群、橋本甲状
腺腫、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、II型
成人発症型糖尿病、ブドウ膜炎、ステロイド依存性およ
びステロイド抵抗性ネフローゼ、手掌足底膿疱症、アレ
ルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎等のような自己免疫疾患
および病原微生物による感染症の予防または治療に有用
である。
【0029】また、本発明の免疫抑制剤は、乾癬、関節
症性乾癬、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、接触
性皮膚炎およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、
扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻
疹、血管浮腫、皮膚アレルギー性血管炎、紅斑、皮膚好
酸球増加症、ざ瘡、円形脱毛症、好酸球性筋膜炎、並び
に粥状硬化症のような炎症性、増殖性および高増殖性の
皮膚病および皮膚に現れる免疫原媒介性疾患の予防およ
び治療に有用である。
【0030】さらに、本発明の免疫抑制剤は、脱毛予
防、毛髪成長および/または毛髪の発生および成長促進
を提供することにより、女性型もしくは男性型脱毛症ま
たは老人性脱毛症の治療におけるような毛髪の活力付与
に有用である。
【0031】さらに本発明の免疫抑制剤は、呼吸疾患、
例えば、サルコイド症、肺線維症、特発性間質性肺炎お
よび可逆性閉塞性気道疾患(気管支喘息、小児喘息、ア
レルギー喘息、内因性喘息、外因性喘息、ダスト喘息な
どの喘息状態、特に慢性喘息、例えば遅発型喘息や気道
過敏症を含む)、気管支炎等の治療に有用である。
【0032】本発明の免疫抑制剤はまた、虚血に伴う肝
外傷の治療にも有用であろう。
【0033】さらに、本発明の免疫抑制剤は、結膜炎、
角結膜炎、角膜炎、春季カタル、ベーチェット病に伴う
ブドウ膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮ジ
ストロフィー、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強
膜炎、バセドゥ病による眼筋麻痺、重篤な眼内炎などの
眼病の治療にも有用であり得る。
【0034】本発明の免疫抑制剤はまた、粘膜または血
管の炎症(例えば、ロイコトリエンB4 媒介性疾患、胃
潰瘍、虚血性疾患および血栓症に起因する血管損傷、虚
血性腸疾患、炎症性腸疾患(例えばクローン病、潰瘍性
大腸炎)、壊死性腸炎)または熱傷に伴う腸障害の予防
および治療にも有用である。
【0035】さらに、本発明の免疫抑制剤は、腎疾患
(例えば間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性
尿毒症症候群および糖尿病性腎症など)、神経疾患(多
発性筋炎、ギラン・バレー症候群、メニエール病および
神経根症など)、内分泌性疾患(甲状腺機能亢進症およ
びバセドゥ病など)、血液疾患(赤芽球ろう、再生不良
性貧血、低形成貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己
免疫性溶血性貧血、顆粒球減少症、赤血球形成欠如な
ど)、骨疾患(骨粗鬆症など)、呼吸疾患(サルコイド
症、肺線維症、特発性間質性肺炎など)、皮膚病(皮膚
筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー性過敏
症、皮膚T細胞リンパ腫など)、循環器疾患(動脈硬化
症、大動脈炎、結節性多発動脈炎、心筋炎など)、コラ
ーゲン病(強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン
症候群など)、アジポーシス、好酸球性筋膜炎、歯周
病、ネフローゼ症候群、溶血性尿毒症症候群および筋ジ
ストロフィーの予防および治療にも有用である。
【0036】また、本発明の免疫抑制剤は、腸炎または
アレルギー症(セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸
炎、紅皮症、クローン病、潰瘍性大腸炎)、並びに胃腸
管から離れたところで症候性の病徴(例えば、偏頭痛、
鼻炎、湿疹)を示す食物関連アレルギー症の治療にも有
用であり得る。
【0037】本発明の免疫抑制剤はまた、肝臓再生作用
および/または肝細胞の肥大および過形成を促進する作
用を有する。それ故、免疫原性の疾患(例えば自己免疫
肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎のような慢性
自己免疫肝臓病など)、部分的な肝臓切除、急性肝臓壊
死(例えば毒素、ウイルス肝炎、ショックまたは酸欠に
起因する壊死)、B型肝炎、C型肝炎、並びに肝硬変な
どの肝臓病の予防および治療に有用である。
【0038】本発明の免疫抑制剤はまた、抗菌剤として
も利用できるので、病原微生物等に起因する疾患の治療
に有用であり得る。
【0039】さらに、本発明の免疫抑制剤は悪性関節リ
ウマチ、アミロイド症、劇症肝炎、シャイ・ドレーガー
症候群、膿疱性乾癬、ベーチェット病、全身性エリテマ
トーデス、内分泌性眼筋麻痺、進行性全身性硬化症、混
合結合組織病、大動脈炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、
活動性慢性肝炎、エヴァンス症候群、花粉症、特発性上
皮小体機能低下症、アジソン病(自己免疫副腎炎)、自
己免疫睾丸炎、自己免疫卵巣炎、寒冷赤血球凝集素、発
作性寒冷赤血球凝集素、悪性貧血、成人T細胞白血病、
自己免疫萎縮性胃炎、類狼瘡肝炎、尿細管間質性腎炎、
膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、リウマチ熱、心筋梗塞
後症候群および交感性眼炎の予防および治療にも有用で
あり得る。
【0040】本発明の組成物は抗真菌作用を有するので
抗真菌剤としても有用である。
【0041】本発明の免疫抑制剤に使用することができ
る医薬上許容され得る担体は当業者によく知られてい
る。担体の選択は、幾分は特定の化合物によって、また
幾分は該免疫抑制剤を投与するのに使用される特定の方
法によって決定される。したがって、本発明の免疫抑制
剤には、非常に多様な好適な処方がある。
【0042】経口投与に好適な製剤には(a)水あるい
は生理食塩水のような希釈液に有効量の化合物を溶解さ
せたような液状溶液剤、(b)各々、特定量の活性成分
を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、サッシェ剤
あるいは錠剤、(c)適当な液体での懸濁液剤および
(d)好適な乳剤が含まれる。錠剤にはラクトース、マ
ンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプ
ン、微晶性セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、コロ
イド性二酸化シリコン、クロスカルメロースナトリウ
ム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
およびその他の賦形剤、着色剤、希釈液、緩衝剤、給湿
剤、保存剤、芳香剤および医薬上適合し得る担体を1つ
あるいはそれ以上含めることができる。ロゼンジ剤は、
活性成分を通常シュクロースやアラビアゴムあるいはト
ラガカントといった香味料に含めることができ、また、
香錠剤は、ゼラチンやグリセリン、あるいはシュクロー
スやアラビアゴム乳剤、ゲル剤などのような不活性な基
剤に活性成分を含み、活性成分に加え、この分野で公知
の担体が含められる。
【0043】吸入による投与に好適な製剤には、ジクロ
ロジフロロメタン、プロパン、窒素等のような加圧され
た許容しうる噴射剤内に入れられるエアロゾル製剤が含
められる。活性薬は好適な賦形剤とともにエアロゾル化
してもよい。
【0044】静脈内あるいは腹腔内投与に投与に好適な
製剤としては、例えば水性および非水性の等張な無菌の
注射液剤があり、これには抗酸化剤、緩衝液、制菌剤お
よび予定された被投与者の血液と製剤を等張にするため
の溶質が含まれていても良く、また、水性および非水性
の無菌の懸濁液剤があり、これには懸濁剤、可溶化剤、
肥厚剤、安定化剤および保存剤が含まれていてもよい。
製剤はアンプルやバイアルのように単位投与量あるいは
多投与量で容器に封入され、フリーズドライ(凍結乾
燥)され、注射するためには使用直前に例えば水のよう
な注射用の無菌の液体の担体を添加するだけでよい状態
で保存され得る。前述の種類の無菌の粉末、顆粒および
錠剤の即席の注射液剤や懸濁液剤が調製され得る。
【0045】製剤中に使用されるALH免疫抑制化合物
の量は疾患の種類、重篤度、体重、性別、年齢等によっ
て変化するが、例えば、腎臓移植における拒絶反応を抑
制する場合、成人1日あたり0.01〜10mg(力
価)を1回でまたは複数回に分けて投与すればよい。
【0046】これらの製剤は、1以上の他の免疫抑制化
合物、例えばステロイド類(プレドニソロン、メチルプ
レドニソロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン等)
または非ステロイド抗炎症剤を含んでいてよい。好まし
くは、アザチオプリン、ブレキナールナトリウム、デオ
キシスペルグアリン、ミゾリビン、ミコフェノール酸2
−モルホリノエチル、シクロスポリン、ラパマイシン、
タクロリムス一水和物、レフルノマイドおよびOKT−
3などとの組み合わせである。ALH免疫抑制活性の作
用機作は、従来広く用いられている多くの免疫抑制化合
物と同様の副作用を生じないので、これらの化合物は新
規な相乗作用を示し、また治療に要する個々の化合物の
量を減少させることができる。
【0047】本発明はまた、試料中のALH免疫抑制活
性の有無を同定する方法を提供する。この方法は、組織
または細胞を移植された哺乳動物に同定すべき試料を投
与し、該哺乳動物中の移植組織または細胞の生存を調べ
ることをにより免疫抑制活性を評価するとともに、末梢
もしくは腸間膜リンパ組織またはパイエル板中のリンパ
球に対する血液中の循環リンパ球の割合を測定すること
によりリンパ球ホーミング促進活性を測定する工程を含
む。ALH免疫抑制活性を同定することができる。哺乳
動物として、好ましくはラットやマウスのような齧歯類
が使用でき、移植組織または細胞としては、好ましくは
心臓、腎臓または皮膚組織などが使用される。
【0048】また、組織または細胞移植された動物を用
いない方法として、予め標識されたリンパ球を哺乳動物
に導入して、同定すべき試料を投与後に種々の組織およ
び血液中の該標識リンパ球の分布パターンを検出する方
法がある。試料がALH免疫抑制活性を含有していれば
特徴的なリンパ球の分布パターンを示す。例えば、典型
的な結果が図13に示される。標識物質としてはカルセ
イン等が好ましく例示されるが元々レシピエント中に存
在したリンパ球とから区別されて検出され得るものであ
れば特に制限はない。図13の例において、雌性レシピ
エントに導入された雄性リンパ球の使用は予め標識され
たリンパ球の使用に相当する。雄性の予め標識されたリ
ンパ球はレシピエントのリンパ球とは検出可能に相違す
る。この場合の標識は遺伝子配列ラベルである。したが
って、本発明で使用される予め標識されたリンパ球は特
殊な化学的標識物質やリンパ球に結合、会合もしくは接
着した他のラベルに限定されない。
【0049】本発明はまた、リンパ球の輸送を制御する
のに有効な量の上記免疫抑制剤を、哺乳動物に投与する
ことを含む哺乳動物のリンパ球輸送制御方法を提供す
る。このような方法はリンパ球の再循環における指向性
のメカニズムやホーミング受容体の解明などの研究にお
いて有用な実験動物モデルを提供し得る。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。本実施例では、特にFTY720およびCs
AおよびTRLとそれとを組み合わせたALH免疫抑制
組成物について述べるが、本発明はこれら実施例によっ
て何ら限定されるものではない。
【0051】実施例1 主要組織適合性遺伝子複合体
(MHC)非適合ラット間の同種皮膚移植片の生着率に
及ぼすFTY720の効果 千葉ら[Transplant. Proc., 28: 1056 (1996)]に記載さ
れる方法に準じて、ドナーおよびレシピエントとしてM
HC非適合性ラット系統を用いて同種皮膚移植片の生着
アッセイを行った。MHC非適合性ラット系統としてW
KAHドナー(RT1k )およびF344レシピエント
(RT1IV1 )を選択した。全層植皮片(2.0×2.
0cm)をレシピエントの側胸郭に移植し、滅菌した殺
菌ガーゼで包帯した。ついで胸部を伸縮性の包帯で覆っ
た。移植5日後、包帯を取り除いて毎日拒絶を検査し
た。拒絶は移植片上皮の90%以上の壊死と定義した。
対照(媒体のみの処理)群は移植6〜7日後にすべての
移植片が拒絶反応を示した。FTY720を0.1mg
/kg体重以上の投与量で経口投与することにより、ド
ース依存的に移植片の生着が顕著に延長された(図
1)。FTY720を10mg/kg体重、14日間投
与した結果、移植片の生着は腎臓の毒性や他の毒性の兆
候なしに生着日数の中央値(MST)27.0日にまで
延長した。図1に示されるように、CsAおよびTRL
もこのモデルにおいてはそれぞれ3mg/kg体重以上
および0.3mg/kg体重以上の経口投与で有効であ
った。CsA100mg/kg体重またはTRL10m
g/kg体重を14日間繰り返し投与した結果、MST
はそれぞれ26.0日および22.5日に延長した。し
かしながら、CsA100mg/kg体重を投与したレ
シピエント8検体中1検体が投与期間中に死亡した。こ
れらの結果から、FTY720はMHCバリアーを越え
て皮膚同種移植片の生着を延長させ、CsAおよびTR
Lよりも高い効力を有することが判明した。
【0052】臨床臓器移植において、CsAとプレドニ
ソロンまたは他の免疫抑制剤との併用治療が個々の薬剤
の副作用を軽減するために広く用いられている(13-14)
。CsAと組み合わせたFTY720の使用が優れた
相乗効果を生じることを実証するために、実験的同種移
植モデルを用いた。MHC非適合性ラット同種皮膚移植
モデルにおいて、CsA3または10mg/kg体重と
ともにFTY720を投与して実験を行った。FTY7
20をCsA3または10mg/kg体重と組み合わせ
て投与した場合(図2)、FTY720またはCsAを
単独で用いた場合の治療効果(図1)と比較して同種皮
膚移植片の生着が延長した。CsA10mg/kg体重
と併用した場合、0.1mg/kg体重のFTY720
でさえ、8レシピエントラット中5検体においてMST
70日以上という顕著な同種移植片生着延長効果を示し
た(図2)。Kahan ら[Transplantation, 55: 894 (199
3)]の方法により計算される併用指数値(combination i
ndex )はCsAとFTY720の併用投与で0.1未
満であり、相乗効果を示した。これらの併用治療実験の
結果から、FTY720はCsAと相乗的に作用するこ
とが示された。同様の相乗効果は、このモデルにおける
FTY720とTRLとの併用治療でも得られた(図
2)。LEWドナーおよびF344レシピエントのMH
C適合性ラット系統[Transplant. Proc., 28: 1056 (19
96)]においても、0.03mg/kg体重以上のFTY
720が顕著な同種皮膚移植片の生着延長効果を示し、
3mg/kg体重のCsAとの併用投与により同種移植
片の生着延長に相乗効果が認められた。
【0053】実施例2 MHC非適合ラット間の異所性
同種心移植片の生着率に及ぼすFTY720の効果 異所性同種心移植片の生着率に及ぼすFTY720の効
果をWKAH心組織ドナー(RT1k )およびACIレ
シピエント(RT1av1 )ラットを用いてCsAおよび
TRLの効果と比較した。手順の詳細は文献[Transplan
t. Proc., 28:1060 (1996)]にしたがった。ドナーの心
臓はMillerらの技術によりレシピエントの頸部に移植し
た。ドナーの心臓の肺動脈をレシピエントの右外頸静脈
に端部と側部を繋ぐように吻合した。ドナーの腕頭動脈
をレシピエントの左総頸動脈に端部と端部を繋ぐように
吻合した。移植日を0日として心停止を移植片生着の最
終日と定義した。100日を越える移植心臓の生着を半
永久的または長期生着と見なした。その結果を図3に示
す。対照(媒体のみの処理)群ではすべての同種心移植
片が移植後14日以内(MST:12.0日)に拒絶さ
れた。経口投与量0.1mg/kg体重以上のFTY7
20処理により同種心移植片の生着が顕著に延長され
た。FTY720を0.1,0.3,1,3および10
mg/kg体重14日間投与した場合のMSTはそれぞ
れ20.0,21.0,25.5,29.5および5
8.5日であった(図3)。10mg/kg体重のFT
Y720投与により8レシピエントラット中3匹で10
0日を越える移植片の長期(半永久的)生着が認められ
た。CsA(投与量10mg/kg体重以上)およびT
RL(投与量1mg/kg体重以上)もまた対照群に比
して有意に同種心移植片の生着を延長させた。しかしな
がら、これらの薬剤は試験した最高の投与量においても
移植片の長期生着をほとんど誘導しなかった(図3)。
これらの結果より、FTY720はラット同種心移植に
おいてCsAやTRLよりも効力が高く、該化合物が血
管新生した臓器移植において半永久的な免疫寛容状態を
誘導する能力を有することが示された。
【0054】この同種心移植モデル(WKAHドナーお
よびACIレシピエント)におけるCsAと組み合わせ
たFTY720の効果を調べた。経口投与量0.1mg
/kg体重以上のFTY720は、CsA3mg/kg
体重との併用において、FTY720またはCsA単独
で処理した場合に比べて顕著な同種移植片の生着延長効
果を示した(図4)。CsAと同時に投与すると、FT
Y720はレシピエントの50%以上において移植片の
長期生着を生じさせた。1mg/kg体重のTRLと組
み合わせた経口投与量1mg/kg体重のFTY720
もまた、このモデルにおける移植片の生着に相乗効果を
示した(図4)。これらの結果から、FTY720をC
sAまたはTRLとともに投与すると移植片の生着が相
乗的に延長され、FTY720単独の場合よりも高い頻
度で半永久的な免疫寛容状態を誘導することが示され
た。
【0055】実施例3 イヌ同種腎移植片の生着率に及
ぼすFTY720とCsAとの併用効効果 イヌ同種腎移植モデルにおいて、アザチオプリンまたは
ミゾリビンのいずれかをCsAと併用することによりい
ずれかの薬剤を単独で用いた場合に比べて移植片の生着
が顕著に延長したことが報告されている[Eur. Surg. Re
s., 21: 65 (1989); Transplantation, 46: 768 (198
8)] 。そこで、イヌ同種腎移植片の生着に及ぼすFTY
720とCsAとの併用効果を雑種犬ドナーおよびビー
グル犬レシピエント[Transplant. Proc., 28: 1062 (19
96); Transplantation, 61: 200 (1996); Transplant.
Proc., 28: 1375 (1996)] を用いて調べた。雑種犬ドナ
ーの腎臓を右腸骨窩にてビーグル犬に移植し、次いでレ
シピエントから両方の腎臓を摘出した。血清クレアチン
および血中尿素窒素レベルを測定して生着をモニターし
た。移植拒絶は血清クレアチンレベルが10.0mg/
dLを越えるまで増加するか、あるいは血中尿素窒素レ
ベルが200mg/dLを越えるまで上昇した日と定義
した。図5に示すように、対照(媒体のみの処理)群で
は血清クレアチンレベルは10日以内に不可逆的に上昇
し、すべての動物が17日以内に急性拒絶による腎不全
のために死亡した。血清クレアチンレベルは5mg/k
g体重のFTY720または10mg/kg体重のCs
A処理を行った群においても14日以内に上昇した。F
TY720とCsAを併用すると、5レシピエント中4
匹で血清クレアチンレベルは移植後少なくとも30日間
完全に正常レベルを維持した(図5)。生着率曲線を図
6に示す。対照群のMSTは9.0日であった。5mg
/kg体重のFTY720または10mg/kg体重の
CsAで処理した結果、移植片の生着はわずかに延長し
たが有意ではなかった(MSTはFTY720処理群が
12.0日,CsA処理群が11.0日であった)。し
かしながら、5mg/kg体重のFTY720および1
0mg/kg体重のCsAを併用して処理した結果、M
ST74.0日と顕著に移植片の生着日数が延長した。
10mg/kg体重のCsAと組み合わせると、より少
量のFTY720(0.1〜3mg/kg体重)でも同
種腎移植片の生着が顕著に延長され(図7)、しかも腎
機能および肝機能に重篤な毒性の徴候は見られなかっ
た。CsAとFTY720の併用処理によりクレアチン
の血中濃度は変化しなかった。これらの結果からFTY
720がCsAと相乗的に作用することが示唆された。
【0056】実施例4 ラットにおける移植片対宿主反
応(GvHR)に及ぼすFTY720の効果 LEWラット由来脾細胞(2.5×106 個)を(LE
W×BN)F1 (RT1I/n )ラットの足底に皮下注射
して膝嚆リンパ節の重量の増大を誘導した[Transplant.
Proc., 28: 1064 (1996)]。重量は7日後に最大となっ
た。FTY720およびCsAをそれぞれ0.1mg/
kg体重以上および3mg/kg体重以上の量で経口投
与すると用量依存的に膝嚆リンパ節の肥大が顕著に阻害
された(図8)。したがって、ラットの局所的GvHR
におけるFTY720の免疫抑制活性はCsAのそれよ
り30倍強力ことがわかった。致死的なGvHRの防止
におけるFTY720の効果を調べるために、LEWド
ナーラット由来の脾臓リンパ球(1×108 個)をシク
ロホスファミドで前処理した(LEW×BN)F1 レシ
ピエントに静脈内注射した。シクロホスファミド(塩野
義製薬)は200mg/kg体重の量で与えた。その結
果を図9に示す。対照(媒体のみの処理)群では、脾細
胞の注射後15日以内にすべてのラットで紅皮や脱毛な
どの重篤なGvHRの症状が進行し、MST22.0日
で死亡した。10mg/kg体重のCsAで30日間処
理すると、レシピエントラットの生存は顕著に延長し
た。しかしながら、CsA投与を停止すると重篤なGv
HRの症状を引き起こし、その結果すべてのレシピエン
トが42日以内に死亡した(MST:40日)。0.1
mg/kg体重のFTY720を30日間投与すると、
GvHRに付随する症状の進行は妨げられ、宿主の生存
が顕著に延長された(MST:50.0日)。0.3m
g/kg体重のFTY720で処理すると、5ラット中
4匹がGvHRに付随する症状を示すことなく60日を
越えて生存した。FTY720は致死的GvHRモデル
において少ない投与量(0.1〜3mg/kg体重)で
の処理により長期間続く不応答を誘導し、GvHRを完
全に防止した。
【0057】実施例5 同種抗原で刺激されたラット脾
臓T細胞におけるIL−2 mRNAの発現に及ぼすF
TY720の効果 CsAおよびTRLは抗原またはマイトジェンで刺激さ
れたヘルパーT細胞におけるIL−2の産生およびIL
−2 mRNAの発現を阻害することが報告されている
[J. Antibiotics, 40: 1256 (1987); Cell, 66: 807 (1
988)] 。そこで、F344ラットの脾臓T細胞を反応細
胞、WKAHラットの脾細胞をマイトマイシンCで前処
理したものを刺激細胞として用いた同種リンパ球混合培
養において、同種抗原により誘導されるIL−2 mR
NAの発現に及ぼすFTY720の効果をCsAおよび
TRLのそれと比較する実験を行った[Transplant. Pro
c., 28: 1056 (1996)]。各化合物、FTY720、Cs
AおよびTRLを、所望の濃度となるように培養(10
%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地中のF34
4ラット脾細胞(5×106 個/mL))に加えた。以
下に詳述するように、ハウスキーピング遺伝子であるH
PRTを内部標準として用いて、同じHPRT mRN
Aレベルに対するIL−2 mRNAレベルに換算して
比較した。
【0058】同種リンパ球混合培養を、ナイロン非付着
性のF344ラット(RT11V1 )脾細胞を反応細胞、
WKAHラット(RT1k )の脾細胞を40μg/ml
マイトマイシンCで30分間前処理したものを刺激細胞
として用いて行った。種々の濃度のFTY720、Cs
AおよびTRLの存在下で、反応細胞(5×105 個/
ウェル)を同数の刺激細胞とともに10%ウシ胎児血清
を含むRPMI1640培地2mL中、37℃、5%C
2 雰囲気下で培養した。48時間培養後、細胞を遠心
分離により回収した。細胞中のIL−2 mRNAの発
現はPCR法により測定した。
【0059】全RNAを10mmol/L Tris−
HCl(pH8.3)、50mMKCl、5mM Mg
Cl2 、1mM dNTPs(dATP、dTTP、d
CTPおよびdGTP)、60U RNase阻害剤
(宝酒造)、15U トリ骨髄球症ウイルス由来の逆転
写酵素(宝酒造)および150pmolランダムノナマ
ーを含む緩衝液中で30℃、10分および42℃、30
分インキュベートして逆転写反応を行った。IL−2お
よびHPRT mRNA(cDNA)増幅用プライマー
としてSieglingら[J. Immunol. Methods, 177: 23 (199
4)] 記載の配列を使用した。IL−2およびHPRTの
PCR産物の長さはそれぞれ351bpおよび608b
pである。100ngの全RNAから合成されたcDN
Aを10mM Tris−HCl(pH8.3)、50
mM KCl、2mM MgCl 2 、200mM dN
TPs(dATP、dTTP、dCTPおよびdGT
P)、 200nMの適切なプライマーペアおよび0.
625U Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造)を含
む反応用緩衝液25mL中でDNAサーマルサイクラー
(Gene Amp PCR system9600;
パーキン・エルマー・シータス)を用いて増幅させた。
最初の変性工程の後、IL−2については30サイク
ル、HPRTについては24サイクルそれぞれ増幅反応
を行った。各サイクルは変性:94℃、15秒、アニー
リング:72℃(IL−2)または65℃(HPR
T)、15秒および伸長:72℃、15秒からなる。P
CR産物10μLを2%アガロース電気泳動し、増幅D
NA断片をSYBR Green I(モレキュラー・
プローブズ)で染色した。特異的バンドの蛍光強度を蛍
光画像解析装置(Fluor Imager 575;
モレキュラー・ダイナミックス)により測定した。
【0060】10nM以上のCsAおよび1nM以上の
TRLは非刺激のコントロールに近いレベルまでIL−
2 mRNAの発現を阻害した。一方、FTY720は
1000nMの濃度でもIL−2 mRNAの発現を阻
害しなかった(図10)。同じ濃度範囲でFTY720
は同種抗原またはコンカナバリンAで刺激されたリンパ
球によるIL−2産生を阻害しなかった[Transplant. P
roc., 28: 1056 (1996)]。これらの結果から、FTY7
20はヘルパーT細胞からのIL−2産生を阻害するの
とは異なるメカニズムで同種抗原に対する免疫応答を抑
制することが明らかとなった。FTY720がCsAま
たはTRLとの組み合わせで同種移植片の生着に相乗効
果を示すのは、それがCsAやTRLとは異なる作用機
作を有するためである。
【0061】ALH免疫抑制組成物の効果または試料中
のALH免疫抑制活性の存在を検出するには他にも数多
くの方法がある。例えば、PCRまたはRT−PCRを
用いてmRNAレベルを検出し、IL−2のようなサイ
トカインの発現を測定することは直接的で強力な方法で
ある[Immunol. Rev., 119: 163 (1991); J. Exp. Med.,
174: 493 (1991)] 。
【0062】実施例6 ラットにおけるリンパ球ホーミ
ングに及ぼすFTY720の効果 FTY720処理した無傷または同種移植されたラット
における末梢血および脾臓のリンパ球の内容を、抗ラッ
トCD3モノクローナル抗体およびCD45RAorA
/Bモノクローナル抗体を用いて二色フローサイトメト
リーによって解析した[Transplant. Proc., 28: 1056
(1996)]。リンパ球をFITC標識した抗CD3(クロ
ーン:1F4;カルタグ ラボラトリーズ)[J. Immuno
l., 142: 2791 (1989)] およびフィコエリスリン標識し
た抗CD45RAorA/B(クローン:OX−33;
ファーミンジェン)[Eur. J. Immunol., 15: 168 (198
5)]モノクローナル抗体で染色し、フローサイトメータ
ー(EPICS−XL;コールター社)を用いて二色フ
ローサイトメトリーによりT細胞およびB細胞の内容を
測定した。
【0063】末梢血におけるCD3陽性T細胞およびC
D45RAorA/B陽性B細胞の数は、FTY720
を0.1〜10mg/kg体重の量で経口投与してから
6時間以内に劇的に減少した(図11)。FTY720
処理を中止すると2週間以内に末梢血中のリンパ球数は
正常レベルまで回復した。図12はFTY720を1m
g/kg体重経口投与されたラットの種々のリンパ様組
織における細胞数を示している。FTY720は末梢血
だけでなく、脾臓および胸管におけるT細胞およびB細
胞数の減少をも誘導した。これとは逆に、腸間膜および
末梢リンパ節におけるT細胞およびB細胞数はFTY7
20の投与によって顕著に増加した。FTY720は骨
髄細胞、胸腺細胞および多形核細胞数には影響しなかっ
た。
【0064】FTY720による循環リンパ球の減少は
腸間膜、末梢リンパ節およびパイエル板へのリンパ球ホ
ーミングが促進されるためである(図13)。本実験で
は、0.1mg/kg体重または1mg/kg体重のF
TY720を雌性F344ラットに投与してから2.5
時間後に雄性F344ラット由来のリンパ球を該ラット
の静脈内に注入した。注入30分後に末梢血、脾臓、腸
間膜リンパ節、腋窩リンパ節、パイエル板、肝臓、腎臓
および肺を摘出した。Y染色体特異的なSRY−1遺伝
子をPCRで増幅することにより、組織試料中の雄性リ
ンパ球を検出した。SRY遺伝子増幅用プライマーとし
てはMasakiら[Transplant. Proc., 27:148 (1995)] に
記載の配列を用いた。最初の変性工程の後、cDNA混
合物を32サイクルの増幅反応に供した。各サイクルは
変性:94℃、1分、アニーリング:65℃、30秒お
よび伸長72℃、1分からなる。反応はDNAサーマル
サイクラー(Gene Amp PCR system
9600;パーキン・エルマー・シータス)を用いて行
った。
【0065】PCR産物10μLを2.5%アガロース
ゲル電気泳動にかけ、増幅DNA断片をSYBR Gr
een I(モレキュラー・プローブズ)で染色した。
特異的バンドの蛍光強度を蛍光画像解析装置(Fluo
r Imager 575;モレキュラー・ダイナミッ
クス)により可視化して測定した。106 個の雌性リン
パ球から抽出された、標準雄性DNA由来のSRYコン
トロール増幅産物から作成した標準曲線を用いて計算さ
れた、106 個の雌性細胞中の雄性細胞数が図13に記
載される各組織について表示される。その結果、FTY
720は免疫学的に成熟したリンパ球をリンパ節および
パイエル板に隔離することによって免疫抑制活性を発現
することが明らかとなった。また、FTY720はリン
パ球のHEVへの接着にも影響する。
【0066】実施例7 インビトロでのラット高内皮性
細静脈(HEV)細胞へのラットリンパ球の接着 Ax細胞のようなラットまたはマウス細胞を、20%ウ
シ胎児血清含有RPMI1640培地100μLの入っ
た96穴平底マイクロタイタープレートに1×104
/ウェルとなるように播種した。該細胞を37℃、5%
CO2 /95%大気の雰囲気下で48時間培養した。7
週齢のF344ラットまたはC57BL/6マウスの腸
間膜リンパ節および腋窩リンパ節から調製したリンパ球
を、1μmol/Lのカルセイン−AMで氷上30分間
標識した。カルセイン−AMで標識後、リンパ球を氷冷
したRPMI1640培地で3回洗浄した。ついでHE
V単層を含む96穴マイクロタイタープレートに、1〜
1000nmol/LのFTY720の存在下または非
存在下、該リンパ球を106 個/ウェルとなるように加
えた。カルセイン標識したリンパ球とHEV単層を37
℃、5%CO2 /95%大気の雰囲気下で120分間培
養した。インキュベーション終了後、該プレートの上下
をひっくり返し、30分放置してHEV非接着細胞を除
去した。HEV単層に接着したカルセイン標識リンパ球
を、1%ノニデットP−40を含む蒸留水を加えて溶解
し、蛍光を蛍光マイクロプレートリーダー(CytoF
luor2350)を用いて485/530nmにて測
定した。その結果、表1に示すように、FTY720は
1nmol/L以上でカルセイン標識したリンパ球のイ
ンビトロでのHEVへの接着を亢進させた。
【0067】
【表1】
【0068】HEV細胞へのリンパ球の接着は、表2に
示すようにHEV細胞のみを1〜100nmol/Lの
FTY720で3時間前処理することによって増加し
た。対照的にラットリンパ球を100nmol/LのF
TY720で3時間前処理してもHEV細胞への接着は
促進されなかった。これらの結果から、FTY720は
周知の免疫抑制剤とは異なり、リンパ球ではなくリンパ
節およびパイエル板中のHEV細胞に作用することが示
唆された。
【0069】
【表2】
【0070】実施例8 インビボにおける末梢血、脾
臓、腸間膜リンパ節およびパイエル板中のリンパ球数に
及ぼすFTY720の効果 6週齢の雄性F344ラットにFTY720を0.1お
よび1mg/kg体重で経口投与した。投与3、12、
24時間後に末梢血、脾臓、腸間膜リンパ節およびパイ
エル板を切除し、これらの組織のリンパ球数を周知の方
法でフローサイトメーター(EPICS−XL)を用い
て測定した。表3に投与24時間後の典型的結果を示
す。末梢血および脾臓のリンパ球数はFTY720投与
後、投与量依存的に減少した。これとは逆に、腸間膜リ
ンパ節およびパイエル板のリンパ球数はインビボでのF
TY720の投与後顕著に増加した。これらの結果か
ら、FTY720による末梢血および脾臓のリンパ球数
の減少は、腸間膜リンパ節、末梢リンパ節またはパイエ
ル板へのリンパ球ホーミングまたはリンパ球移行が促進
されるためであることが示された。
【0071】
【表3】
【0072】実施例9 種々のリンパ系組織におけるカ
ルセイン標識リンパ球のリンパ球ホーミングに及ぼすF
TY720の効果 6週齢のF344ラットの腸間膜リンパ節および腋窩リ
ンパ節から調製されたリンパ球を、1μmol/Lのカ
ルセイン−AM(モレキュラー・プローブズ)で氷上3
0分間インキュベートして標識した。カルセイン−AM
標識後、リンパ球を氷冷した生理食塩水で3回洗浄し
た。その後、5×107 個のカルセイン標識リンパ球を
性別および齢が一致するF344ラットに尾静脈注射し
た。リンパ球注射2.5時間前に予め該ラットに0.1
または1mg/kg体重のFTY720を経口投与して
おいた。注射の30分後、腸間膜リンパ節、腋窩リンパ
節、パイエル板および脾臓を摘出し、カルセイン標識さ
れたリンパ球数をフローサイトメーター(EPICS−
XL)を用いて測定した。リンパ球ホーミング受容体に
対する抗体の影響を調べるために、カルセイン標識リン
パ球を60μg/mlのマウス抗ラットCD49dモノ
クローナル抗体(クローン:TA−2)[Eur.J. Immuno
l., 23: 2181 (1993)] 、ハムスター抗ラットCD62
Lモノクローナル抗体(クローン:HRL3)[J. Immu
nol., 147: 4178 (1991)] またはマウス抗ラットCD1
1aモノクローナル抗体(クローン:WT.1)[Eur.
J. Immunol., 21: 627 (1991)](以上、生化学工業)の
いずれか、あるいはそれらの組み合わせで4℃、30分
間処理した。対照として非特異免疫グロブリン(ファー
ミンジェン)で同様に処理したものを用いた。その結果
を表4〜7に示す。1mg/kg体重のFTY720の
経口投与によりカルセイン標識されたリンパ球の腸間膜
リンパ節およびパイエル板へのリンパ球ホーミングが誘
導された。抗CD62L(L−セレクチン)、抗CD4
9d(α4 −インテグリン)または抗CD11a(αL
−インテグリン)抗体はFTY720によるリンパ球ホ
ーミングを顕著に阻害した。さらに、FTY720によ
り誘導されるリンパ球ホーミングは抗CD62L、抗C
D49dおよび抗CD11a抗体で同時に処理すること
によりほぼ完全に阻害された。
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【表7】
【0077】これらの結果から、FTY720は末梢循
環リンパ球のリンパ節およびパイエル板へのリンパ球ホ
ーミングを促進すること、並びにこのリンパ球ホーミン
グ促進作用は、CD62L、CD49d/β−7、CD
11a/CD18(LFA−1)などのリンパ球ホーミ
ング受容体と、HEV細胞表面上に発現するそれらのリ
ガンド(GlyCAM−1、MAdCAM−1、ICA
M−1など)との接着に関連することが示された。
【0078】
【発明の効果】本発明のALH免疫抑制化合物を有効成
分とする免疫抑制剤は、従来の免疫抑制剤とは異なる作
用機作を有し且つ毒性の副作用が小さいので、単独投与
の他、例えば、CsAやTRLなどの他の免疫抑制剤と
併用することにより、副作用を生じることなく高い免疫
抑制効果を示す。したがって、移植の拒絶反応、自己免
疫疾患などの予防および治療にきわめて有用である。ま
た、本発明のALH免疫抑制活性の同定方法は、新規な
ALH免疫抑制化合物のスクリーニングに有用である。
さらに、本発明のリンパ球輸送制御方法によれば、リン
パ球の再循環メカニズムやホーミング受容体の解明など
の分子レベルでの研究において有用な研究手段となり得
る実験動物モデルを作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】MHC非適合ラット間の同種皮膚移植片の生着
率に及ぼすFTY720,CsAおよびTRLの効果を
示す図である。[*:p<0.05,媒体投与群を対照
とした一般化ウィルコクソン検定およびホンメルの多重
比較,n:動物の匹数]
【図2】MHC非適合ラット間の同種皮膚移植片の生着
率に及ぼすFTY720とCsAあるいはTRLとの併
用効果を示す図である。[*:p<0.05,CsAあ
るいはTRL単独投与群を対照とした、一般化ウィルコ
クソン検定およびホンメルの多重比較,n:動物の匹
数]
【図3】MHC非適合ラット間の異所性の同種心移植片
の生着率に及ぼすFTY720,CsAおよびTRLの
効果を示す図である。[*:p<0.05,媒体投与群
を対照とした一般化ウィルコクソン検定およびホンメル
の多重比較,n:動物の匹数]
【図4】MHC非適合ラット間の異所性の同種心移植片
の生着率に及ぼすFTY720とCsAあるいはTRL
との併用効果を示す図である。[*:p<0.05,C
sAあるいはTRL単独投与群を対照とした、一般化ウ
ィルコクソン検定およびホンメルの多重比較,n:動物
の匹数]
【図5】雑種犬の同種腎移植片を移植したビーグル犬レ
シピエントにおける血清クレアチンレベルに及ぼすFT
Y720,CsAの単独投与およびそれらの併用の効果
を示す図である。各曲線は個々の動物における結果を示
す。(n:動物匹数)
【図6】イヌ(雑種ドナー:ビーグル犬レシピエント)
における同種腎移植片の生着率に及ぼすFTY720,
CsAの単独投与およびそれらの併用の効果を示す図で
ある。[*:p<0.05,媒体投与群を対照とした一
般化ウィルコクソン検定およびホンメルの多重比較,
n:動物の匹数]
【図7】イヌ(雑種ドナー:ビーグル犬レシピエント)
における同種腎移植片の生着率に及ぼすFTY720と
CsAとの併用効果を示す図である。[*:p<0.0
5,CsA単独投与群を対照とした一般化ウィルコクソ
ン検定およびホンメルの多重比較,n:動物の匹数]
【図8】ラットにおけるGvHRに起因する膝嚆リンパ
節肥大に及ぼすFTY720およびCsAの経口投与に
よる効果を示す図である。[*:p<0.05,**:
p<0.01,媒体投与群を対照としたダネット法,
n:動物の匹数]
【図9】致死性GvHRラットに及ぼすFTY720お
よびCsAの効果を示す図である。[*:p<0.0
5,媒体投与群を対照とした一般化ウィルコクソン検定
およびホンメルの多重比較,n:動物の匹数]
【図10】同種抗原刺激されたラット脾臓T細胞におけ
るIL−2 mRNAレベルに及ぼすFTY720,C
sAおよびTRLの効果を示す図である。[レーンM:
分子量マーカー;レーン1:非刺激T細胞;レーン2:
同種抗原刺激T細胞;レーン3:100nM FTY7
20処理;レーン4:1000nM FTY720処
理;レーン5:10nM CsA処理;レーン6:10
0nM CsA処理;レーン7:0.1nM TRL処
理;レーン8:1nM TRL処理;内部標準としてハ
ウスキーピング遺伝子であるヒポキサンチン−グアニン
ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を用い
た]
【図11】FTY720を投与されたLEWラット末梢
血中の白血球細胞の構成を示す図である。末梢血はFT
Y720投与から6時間後に採取した。結果は6匹の動
物からのサンプルの平均値で示している。
【図12】ラットの種々のリンパ系組織におけるリンパ
球の分布に及ぼすFTY720の効果を示す図である。
[結果は1mg/kgのFTY720を投与してから6
時間後の数値を非投与群(−)に対する百分率(4〜6
サンプルの平均値)で示している。]
【図13】ラットの種々のリンパ系組織へのリンパ球移
行に及ぼすFTY720の効果を示す図である。雄性F
344ラットリンパ球を雌性F344ラットレシピエン
トに静脈内注射してから30分後のレシピエントリンパ
系組織中の雄性F344ラットリンパ球数を、レシピエ
ントの細胞に対する百分率で示している。細胞はFTY
720の投与から2.5時間後に注射された。[*:p
<0.05,**:p<0.01,媒体投与群を対照と
したダネット法]

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腸間膜もしくは末梢リンパ組織またはパ
    イエル板のいずれかへのリンパ球ホーミングを促進する
    作用を有する化合物を有効成分とする免疫抑制剤。
  2. 【請求項2】 該化合物が2−アミノプロパン−1,3
    −ジオール化合物、そのホモログ、そのアナログまたは
    その誘導体である請求項1記載の免疫抑制剤。
  3. 【請求項3】 該化合物が下式で表される請求項2記載
    の免疫抑制剤。 【化1】 [式中、Rは任意の置換直鎖または分枝炭素鎖、任意の
    置換アリール、任意の置換シクロアルキル等;R2 、R
    3 、R4 およびR5 は同一または異なり、各々水素、ア
    ルキル、アシル、またはアルコキシカルボニルである
    か、あるいはR4 およびR5 が結合してアルキレン鎖
    (アルキル、アリールまたはアルコキシカルボニルで置
    換されてもよい)を形成する]
  4. 【請求項4】 該化合物がベンゼン化合物、そのホモロ
    グ、そのアナログまたはその誘導体である請求項1記載
    の免疫抑制剤。
  5. 【請求項5】 該化合物が下式で表される請求項4記載
    の免疫抑制剤。 【化2】 [式中、Wは水素、1〜6個の炭素原子を有する直鎖ま
    たは分枝鎖アルキル、2〜6個の炭素原子を有する直鎖
    または分枝鎖アルケニル、2〜6個の炭素原子を有する
    直鎖または分枝鎖アルキニル、フェニル(ヒドロキシで
    置換されてもよい)、R4 (CH2 n 、またはハロゲ
    ン、シクロアルキルおよびフェニル(ヒドロキシで置換
    されてもよい)からなる群より選択される1〜3の置換
    基によって置換された直鎖または分枝鎖C1 〜C6 アル
    キル;Xは水素、p個の炭素原子を有する直鎖アルキル
    または(p−1)個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ
    (式中、p個の炭素原子を有する直鎖アルキルおよび
    (p−1)個の炭素原子を有する直鎖アルコキシは、ア
    ルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシロキシ、アミ
    ノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロアルキル、ハロゲン
    およびフェニル(置換基を有してもよく、置換基を有す
    るフェニルはアルキル、ヒドロキシ、アシル、アルコキ
    シ、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミ
    ノ、ハロアルキルおよびハロゲンからなる群より選択さ
    れる1〜3の置換基を有してよい)からなる群より選択
    される1〜3の置換基を有してよい)であり;Yは水
    素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アシ
    ロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロ
    アルキルまたはハロゲン;Zは単結合またはq個の炭素
    原子を有する直鎖アルキレンであり;pとqは同一また
    は異なり、各々1〜20の整数(但し、6≦p+q≦2
    3)であり;mは1,2または3;nは2または3;R
    1およびR2 は同一または異なり、各々水素、アルキル
    またはアシル;R3 は水素、アルキルまたはアシル;お
    よびR4 は水素、アルキルまたはアシルである]
  6. 【請求項6】 該化合物が2−アミノ−2[2−(4−
    オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオー
    ル塩酸塩である請求項3記載の免疫抑制剤。
  7. 【請求項7】 臓器、組織、細胞または骨髄移植におけ
    る拒絶反応を抑制するための請求項1〜6のいずれかに
    記載の免疫抑制剤。
  8. 【請求項8】 移植片対宿主反応の予防および治療のた
    めの請求項1〜6のいずれかに記載の免疫抑制剤。
  9. 【請求項9】 自己免疫疾患の予防および治療のための
    請求項1〜6のいずれかに記載の免疫抑制剤。
  10. 【請求項10】 該自己免疫疾患が、関節リウマチ、乾
    癬、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症、ベーチェ
    ット病、ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデスおよび多
    発性硬化症からなる群より選択される少なくとも1つの
    ものである請求項9記載の免疫抑制剤。
  11. 【請求項11】 T細胞におけるインターロイキン−2
    の産生を阻害しないことを特徴とする請求項1〜10の
    いずれかに記載の免疫抑制剤。
  12. 【請求項12】 循環リンパ球を腸間膜もしくは末梢リ
    ンパ組織またはパイエル板にホーミングさせることによ
    り循環リンパ球数を可逆的に減少させることを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれかに記載の免疫抑制剤。
  13. 【請求項13】 腸間膜もしくは末梢リンパ組織または
    パイエル板中の高内皮性細静脈細胞に作用して、循環リ
    ンパ球を該高内皮性細静脈細胞に接着させることを特徴
    とする請求項1〜12のいずれかに記載の免疫抑制剤。
  14. 【請求項14】 さらに少なくとも1つの他の免疫抑制
    作用を有する化合物を含有する請求項1〜13のいずれ
    かに記載の免疫抑制剤。
  15. 【請求項15】 他の免疫抑制作用を有する化合物がシ
    クロスポリン誘導体またはタクロリムスである請求項1
    4記載の免疫抑制剤。
  16. 【請求項16】 免疫応答を抑制するのに有効な量の請
    求項1〜15記載のいずれかの免疫抑制剤を、免疫応答
    を抑制する必要のある非ヒト哺乳動物に投与することを
    含む非ヒト哺乳動物の免疫応答抑制方法。
  17. 【請求項17】 組織または細胞、特に心臓、皮膚また
    は腎臓組織を移植した非ヒト哺乳動物に試料を投与し、
    投与後の移植組織または細胞の生存を調べるとともに、
    該非ヒト哺乳動物の腸間膜もしくは末梢リンパ組織また
    はパイエル板中のリンパ球に対する血中の循環リンパ球
    の量比を測定することを含む、該試料中のリンパ球ホー
    ミング促進性の免疫抑制活性の同定方法。
  18. 【請求項18】 該非ヒト哺乳動物が齧歯類である請求
    項17記載の同定方法。
  19. 【請求項19】 予め標識されたリンパ球、非ヒト哺乳
    動物に試料を投与し、投与後の該非ヒト哺乳動物の組織
    および血液中の該標識リンパ球分布を、該試料を投与し
    ていない同系統の非ヒト哺乳動物の組織および血液中の
    該標識リンパ球分布と比較することを含む、該試料中の
    リンパ球ホーミング促進活性の同定方法。
  20. 【請求項20】 該標識リンパ球がカルセイン標識また
    は遺伝子配列標識されたリンパ球である請求項19記載
    の同定方法。
  21. 【請求項21】 該非ヒト哺乳動物が齧歯類である請求
    項19または20記載の同定方法。
  22. 【請求項22】 リンパ球の輸送を制御するのに有効な
    量の請求項1〜15記載のいずれかの免疫抑制剤を、リ
    ンパ球の輸送を制御する必要のある非ヒト哺乳動物に投
    与することを含む非ヒト哺乳動物のリンパ球輸送制御方
    法。
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