JPH1178630A - 車両用回転座席 - Google Patents
車両用回転座席Info
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- JPH1178630A JPH1178630A JP23605397A JP23605397A JPH1178630A JP H1178630 A JPH1178630 A JP H1178630A JP 23605397 A JP23605397 A JP 23605397A JP 23605397 A JP23605397 A JP 23605397A JP H1178630 A JPH1178630 A JP H1178630A
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Abstract
れる車両用の回転座席において、従来は座席本体を前方
へスライドさせる操作とドア開口部側に回転させる操作
を行う必要があるため使い勝手がよくないという問題が
あり、座席をその場で回転できるようにするために座席
の位置を前寄りに設定すれば、乗員の足元のスペースが
犠牲になるという問題があった。そこで、本発明は、足
元スペースを犠牲にすることなく、使い勝手のよい車両
用回転座席を提供することを目的とする 【解決手段】 座面中心HPよりもドア開口部側に偏心
した位置に取り付けた回転リング13により座席本体2
を回転支持するとともに、ピニオンギヤ6と中間ギヤ3
6とラック38の噛合いにより座席本体2の回転動作と
前後方向の移動動作を連動させる構成とする。
Description
身体障害者等の乗員が楽に乗り降りできる車両用回転座
席に関する。
きるようにするため、乗員を着座姿勢のままドア開口部
側に回転させるよう構成したものであるが(例えば実開
昭61−57047号公報、特開昭62−173343
号公報)、一般に車両用の座席は乗員の足元を広くする
ために極力後部寄りに設定されるため、例えば4ドアセ
ダン型乗用車の座席のように、前列および後列の座席が
センターピラーあるいはリヤピラーの横に隠れるように
配置されている。
は、横に位置するピラー等が邪魔になって乗降口側まで
回転させることができない。そこで従来の回転座席は、
一旦前方へスライドさせてピラー等の干渉範囲外へ移動
させた後に、ドア開口部側に回転させる構成となってい
た。
転座席は、前方へスライドさせる操作とドア開口部側に
回転させる操作を行う必要があるため、その操作が面倒
で使い勝手がよくないという問題があった。なお、座席
をその場で回転できるようにするために座席の位置を前
寄りに設定すれば、乗員の足元のスペースが犠牲にな
り、窮屈な姿勢を強いられる。本発明は、この問題に鑑
みなされたもので、乗員の足元のスペースを犠牲にする
ことなく、使い勝手のよい車両用回転座席を提供するこ
とを目的とする。
の車両用回転座席は、座面中心よりもドア開口部側に偏
心した回転中心を中心として座席本体を回転支持する回
転支持台と、該回転支持台を車両前後方向に移動可能に
支持する前後方向支持台と、前記座席本体の下面側であ
って前記回転中心の室内側に取り付けたピニオンギヤ
と、前記前後方向支持台に前後方向に沿って取り付けら
れ、中間ギヤを介して前記ピニオンギヤが噛み合うラッ
クを備えた構成としたことを特徴とする。
を介して座席本体をドア開口部側に回転させると、中間
ギヤを経たピニオンギヤとラックとの噛合いを通じて座
席本体が回転しつつ前方へ移動する。従って、乗員の足
元スペースを確保するため座席本体を後方に位置させた
状態であっても、単に回転操作をするのみで、当該座席
本体をピラー等の他部材と干渉することなくドア開口部
側に回転させることができ、従来のように回転させる操
作と前方へ移動させる操作の2操作を行う必要はなくな
る。このことから請求項1記載の車両用回転座席によれ
ば、乗員の足元スペースを確保しつつその使い勝手を向
上させることができる。
心(HP:ヒップポイント)に対してドア開口部側に偏
心した位置に設定されているので、座席本体の下面側で
あって回転中心の室内側により大きな径のピニオンギヤ
を取付けることができる。ピニオンギヤの径が大きいほ
どその円周が長くなるので、座席本体の回転動作に連動
する前後方向の移動距離を長くすることができる。これ
によれば、例えば座席本体を約90°回転させる間によ
り長い距離をスライドさせることができ、従って、当該
回転座席の着座位置をより後ろ側に設定して着座者の足
元を一層広くすることができ、ひいては様々な形態の車
両に対して当該回転座席を無理なく適用することができ
る。
台)を座面中心よりも室内側に設定することによって
も、回転中心に対してドア開口部側により大径のピニオ
ンギヤを取付けることができるが、この場合には座席本
体をドア開口部側に回転させた場合に座面中心が後方へ
変位するので、回転中心を室内側に設定するほど、座面
中心を前方へ大きく移動させることが困難になる。この
点、請求項1記載の構成によれば、回転中心が座面中心
よりもドア開口部側に設定されているので、座面中心の
前方への移動距離は、座席本体の回転による前方への変
位分と、回転支持台の前方への移動距離の合計となり、
その結果座面中心を前方へ大きく移動させることができ
る。
1記載の車両用回転座席であって、回転支持台に取り付
けた移動側保持部材と、前後方向支持台に取り付けた固
定側保持部材との間に転動体を挟み込んでなる直線案内
機構を介して前記回転支持台を前記前後方向支持台に支
持する構成としたことを特徴とする。
ガタ付きなくスムーズに前後方向に移動させることがで
きる。ここで、直線案内機構として例えばコ字形のレー
ルの内側にローラを転動させる構成とした場合には、ス
ムーズに移動させるためにローラとレールとの間に適度
な隙間を設定する必要があり、この隙間は座席本体のガ
タ付きの原因となる。この点、請求項2記載の直線案内
機構によれば、移動側保持部材と固定側保持部材との間
に転動体を挟み込む構成であるので、ガタ付きを発生す
ることなく座席本体をスムーズに移動させることができ
る。
1記載の車両用回転座席であって、座席本体と回転支持
台との間に、四節リンク機構を主体とする昇降装置を備
え、前記四節リンク機構を伸長させて前記座席本体を車
室外へ移動させる構成としたことを特徴とする。
について限られたスペース内において、すなわち車両幅
方向の移動について少ない移動距離で、高いシートポジ
ションからより地面に近い低い位置にまで座席本体を昇
降させることができる。これに対して、座席本体を車両
幅方向に傾斜するレールに沿って単にスライドさせる構
成とした場合には、同じ昇降距離であっても車両幅方向
により広いスペースを必要とする問題がある。このよう
に、座席本体を車両幅方向に移動させるために、四節リ
ンク方式による昇降装置を用いることにより、例えばワ
ンボックスカーのような車高の高い車両であっても幅方
向に大きなスペースを必要とすることなく、座席本体を
車両フロアと地面との間で昇降させることができる。
図13に基づいて説明する。本実施形態に係る車両用回
転座席(以下、単に回転座席ともいう)1は、図1に示
すように運転席左側の助手席に設定した場合を例示す
る。従って、当該回転座席1の左側にドア開口部Dが設
けられており、回転座席1は左側(平面的に見て反時計
回り方向)にほぼ90°回転させることにより室外へ移
動可能となる。
は、座席本体2と、この座席本体2を車両幅方向(室内
と室外との間)に移動させるための昇降装置50と、座
席本体2および昇降装置50を回転支持するための回転
支持台10と、座席本体2と昇降装置50と回転支持台
10を車両前後方向に移動させるための前後方向支持台
30を備えている。座席本体2および昇降装置50の詳
細が図2および図3に示され、回転支持台10および前
後方向支持台30の詳細が図4に示されている。なお、
各図では、車両前方を矢印「前」で示し、ドア開口部側
を矢印「外」で示している。
トクッション2aとシートバック2bを有し、シートク
ッション2aの前部には着座者が足を載せておくための
フットレスト2cが取付けられている。この座席本体2
については本発明の実施にあたり特に変更を要しない。
ている。昇降装置50は、図3に示すように左右一対の
四節リンク機構を主体とし、この四節リンク機構を伸縮
作動することにより座席本体2を室内から室外へ、ある
いはその逆に移動させる機能を有している。図中53は
この昇降装置50のベースであり、このベース53は底
縁53bとその両側部に相互に平行に立ち上がる側縁5
3a,53aからなる略コ字形をなし、両側縁53a,
53aに四節リンク機構を構成する第1および第2リン
クアーム51,52がそれぞれ支点51a,52aを介
して車両前後方向に回動可能に取付けられている。後ろ
側の第2リンクアーム52,52間には連結バー54,
55が掛け渡されているため、両第2リンクアーム5
2,52は一体で回動する。下側の連結バー54の両端
部がベース53の両側縁53a,53aに対して回転可
能に支持されており、従ってこの連結バー54の軸心が
第2リンクアーム52の回動支点52aとなっている。
52の先端間は、左右それぞれ連結アーム56と振り出
しアーム57を介して連結されている。連結アーム56
と振り出しアーム57に対して両リンクアーム51,5
2はそれぞれ支点51b,52bを介して回動可能に連
結されている。ベース53の側縁53a、第1および第
2リンクアーム51,52および振り出しアーム57に
より一組の四節リンク機構が構成されている。
て前方へ延びており、図示するようにその先端部には相
互に内方へ張り出すフランジ部57aが形成され、また
その先端部間には補強バー58が掛け渡されている。両
フランジ部57a,57a間および補強バー58に座席
本体2が載置され、図示省略したボルトにより固定され
ている。
には、L字形をなす2本の支持アーム59、59が固定
されており、両支持アーム59,59を介して四節リン
ク機構と車両フロア側との間に、当該昇降装置50の駆
動源としてのアクチュエータ60が取付けられている。
このアクチュエータ60は、図5に示すように電動モー
タ61とギヤボックス62とボールねじ63を主体とし
て構成されるもので、電動モータ61が起動するとギヤ
ボックス62により増幅されたトルクでねじ軸63aが
回転し、これによりこのねじ軸63aにねじ嵌合するブ
ロック体形状のナット63bがねじ軸63aの軸方向に
移動する構成となっている。
軸側に取り付けた筒体状のねじ軸ケース63cに回転可
能に支持されており、このねじ軸ケース63cは上記2
本の支持アーム59,59により回動支点59a,59
aを介して上下に回動可能に支持されている。一方、ナ
ット63bの両側面には板状のブラケット63d,63
dが取り付けられ、両ブラケット63d,63dの先端
は、支軸64を介してベース53の底縁53bの上面前
端付近に上下に回動可能に連結されている。このよう
に、本実施形態においてアクチュエータ60はそのねじ
軸63aを座席本体2の前側に位置させ、ギヤボックス
62を座席本体2の後側へ位置させる向きで組付けられ
ている。
0によれば、後述するように座席本体2をドア開口部側
に向けた状態で、電動モータ61を正転方向に起動する
と、ねじ軸63aが回転してナット63bが相対的にね
じ軸63aの先端側に移動する。しかしながら、ナット
63bは上下方向に回動するが前後方向(この段階では
車両幅方向)に移動できないので、ねじ軸63aひいて
は当該アクチュエータ60自体が座席本体2の後ろ側へ
移動する。この状態が図12に示されている。図示する
ようにアクチュエータ60(ナット63bを除く部分)
が後方へ移動すると、図3において支持アーム59,5
9および連結バー54が反時計回り方向に回転し、これ
により第2リンクアーム52が支点52aを中心にして
室外側(図示左方)へ回動する。
ことにより、連結アーム56を介して第1リンクアーム
51が前方へ回動し、この四節リンク機構の動作により
振り出しアーム57が所定の軌跡に沿って室外に向けて
振り出される。こうして振り出しアーム57が振り出さ
れると、座席本体2が室内の着座高さから室外の低い位
置(図12中実線で示す位置から二点鎖線で示す位置)
に移動する。電動モータ61を逆転させると、振り出し
アーム57が上記所定の軌跡を逆方向に移動して、座席
本体2が室外の低い位置から室内の着座高さに戻され
る。
縁53bには、以下説明する回転支持台10の動作をロ
ックするための回転ロック機構70が設けられている。
この回転ロック機構70については後述する。また、同
じく底縁53bの下面には、円弧形状のピニオンギヤ6
とスライドロック自動解除プレート7が取付けられてい
る。ピニオンギヤ6は後述する中間ギヤ36を介してラ
ック38に噛み合っており、座席本体2の回転動作と前
後方向移動動作を連動させる機能を有している。スライ
ドロック自動解除プレート7は後述するスライドロック
機構80を自動的に解除する機能を有している。これら
についても後述する。
図4に示すようにこの回転支持台10は、ベース12,
12の両端に相互に一定間隔で平行に2本の移動側保持
部材11,11を取り付けて構成したもので、両ベース
12,12の上面には回転リング13が取付けられてい
る。この回転リング13は、図示は省略したがその外輪
13aと内輪13bとの間に多数の鋼球を挟み込んで一
方に対して他方がガタ付きなく滑らかに回転する構成と
したもので、外輪13aがベース12,12側に固定さ
れ、内輪13bが前記昇降装置50の底縁53bの下面
に固定されており、これにより昇降装置50ひいては座
席本体2が回転支持台10の上面側に回転可能に支持さ
れている。図6から明らかなようにこの回転リング13
は、座席本体2の座面(シートクッション2a)の室外
側の端部に取付けられている。これにより、座席本体2
を室外側に約90°回転させると、座面のヒップポイン
トHPが回転中心(回転リング13)の前側に移動す
る。
右側部(室内側の側部)の2箇所には、昇降装置50側
に設けた回転ロック部材74のロックピン74cが係脱
するロックプレート71,72が取付けられている。両
ロックプレート71,72には、上記ロックピン74c
が嵌まり込み状に係合されるロック凹部71a,72a
が形成されている。昇降装置50に設けた回転ロック機
構70は、図7に示すように回転ロック解除レバー73
と回転ロック部材74を備えている。回転ロック解除レ
バー73は、左側の振り出しアーム57の先端部下面
に、ブラケット73bを介して上下に回動操作可能に設
けられている。図示は省略したがこの回転ロック解除レ
バー73は、引張りばね(捩りばねでもよい)によりそ
の先端部が上方へ移動する方向に付勢されている。
a(下端)は、ブラケット76を介して昇降装置50の
ベース53の前左角部付近に取り付けた中間部材75の
一端に当接されている。この中間部材75は、支点75
aを介して水平方向に回動可能に支持されている。この
ため、回転ロック解除レバー73を付勢力に抗して押し
下げ操作すると、その後端73aが後方へ変位し、これ
により中間部材75の一端が押されて反時計回り方向に
回転する。
一端が連結されており、この操作ワイヤ77は保護チュ
ーブ78の内周側を経てベース53の後左角部付近に至
っている。ベース53の後左角部にはブラケット79を
介して回転ロック部材74が支軸74aを介して水平方
向に回動可能に取付けられている。支軸74aに対して
室内側にロックピン74cが取付けられ、室外側の端部
に引掛け部74dが設けられている。回転ロック部材7
4の室内側の端部とブラケット79との間には引張りば
ね74bが取付けられているため、この回転ロック部材
74はロックピン74cを引き寄せる方向すなわちロッ
クプレート71,72のロック凹部71a,72aに嵌
め込む方向(ロック方向)に付勢されている。
部74dに引き掛けられている。このため、上記したよ
うに中間部材75が回転ロック解除レバー73の後端7
3aにより押されて回転すると、操作ワイヤ77が前方
へ引っ張られ、これにより回転ロック部材74が引張り
ばね74bに抗してアンロック方向(時計回り方向)に
回転し、これによりロックピン74cがロックプレート
71,72のロック凹部71a,72aから外れて回転
ロックが解除される。回転ロックが解除されると、昇降
装置50従って座席本体2が回転可能な状態になる。
除すると、回転ロック部材74は引張りばね74bによ
りロック方向に戻され、これによりロックピン74cが
ロックプレート71,72と係合可能な位置に戻され
る。この状態で、座席本体2を着座位置あるいはドア開
口部側に向いた横向き位置に回転させると、このロック
ピン74cが一方の回転ロックプレート71(72)の
ロック凹部71a(72a)に嵌まり込み、これにより
座席本体2がその位置で回転不能にロックされる。な
お、座席本体2を車両正面を向いた着座位置に位置させ
ると、後部側の回転ロックプレート71にロック部材7
4がロックされ、座席本体2をドア開口部側を向いた横
向き位置に位置させると、室内側のロックプレート72
にロック部材74がロックされる。
前側のベース12には、補助片81が前方へ張出し状に
取付けられており、この補助片81の上面にスライドロ
ック機構80が取付けられている。このスライドロック
機構80の詳細が図9に示されている。補助片81には
挿通孔81aが形成され、この挿通孔81aにはスリー
ブ82が嵌め込まれている。このスリーブ82の内周側
には保持体83の円柱体部83aが軸方向移動可能に挿
通されている。この保持体83のフランジ部83bと補
助片81との間には圧縮ばね84が介装されているた
め、保持体83は図示上方へ移動する方向すなわち円柱
体部83aをロック孔31aから抜き出す方向に付勢さ
れている。
かつ脱落しないように保持されている。鋼球85は圧縮
ばね84の付勢力によりスライドロック自動解除プレー
ト7(図8)またはピニオンギヤ6の下面に押し付けら
れている。スライドロック自動解除プレート7はピニオ
ンギヤ6の下面に取り付けている。このため、図9中
(イ)の相対位置で示すように鋼球85がスライドロッ
ク自動解除プレート7に押し付けられている状態すなわ
ち座席本体2が回転操作されることなく正面に向けられ
ている状態では、保持体83が圧縮ばね84に抗してス
ライドロック自動解除プレート7の板厚分だけ下方へ押
し下げられて、その下端部が前後方向支持台30(図
4)のベース31に形成したロック孔31aに差し込ま
れる。保持体83の円柱体部83aがロック孔31aに
差し込まれると、回転支持台10ひいては座席本体2が
前後方向支持台30に対して前後方向に移動不能にロッ
クされる。
作して、ピニオンギヤ6およびスライドロック自動解除
プレート7を回転リング13を中心にして反時計回り方
向に円弧移動させる過程において、図中(ロ)(ハ)の
相対位置で示すように鋼球85がスライドロック自動解
除プレート7から外れると、保持体83が圧縮ばね84
により同プレート7の板厚分だけ上方へ移動するので、
その下端部は上記ロック孔31aから抜き出され、これ
により座席本体2の前後方向のロックが自動解除され
る。なお、図9では、ピニオンギヤ6およびスライドロ
ック自動解除プレート7に対して複数箇所にスライドロ
ック機構80を配置した状態を示したが、座席本体2の
回転動作に関してスライドロック機構80が固定側であ
り、ピニオンギヤ6およびスライドロック自動解除プレ
ート7が回転側であるので、実際にはスライドロック機
構80に対してピニオンギヤ6およびスライドロック自
動解除プレート7が移動する。
部材11,11の外側面には、図10に示すようにV字
状の溝部11aが形成されている。一方、前後方向支持
台30のベース31の両側部には、固定側保持部材3
2,32が相互に一定間隔をおいて平行に配置されてい
る。両固定側保持部材32,32は、上記移動側保持部
材11,11の外側に沿って配置されており、その移動
側保持部材11に対向する側面にも上記溝部11aと同
様の溝部32aが対向して形成されている。このように
配置した移動側保持部材11と固定側保持部材32との
間には、溝部11a,32aに嵌め込む状態で多数の鋼
球33〜33が挟み込まれており、これにより左右一対
の直線案内機構34,34が構成されている。両直線案
内機構34,34により回転支持台10ひいては昇降装
置50および座席本体2が車両の前後方向に沿ってガタ
付きなく滑らかに移動可能となっている。なお、上記鋼
球33が特許請求の範囲に記載した転動体に該当するの
であるが、この転動体は鋼球33に限らず円柱体をなす
ローラであってもよい。図示は省略したが前後方向支持
台31は車両フロアにボルトによって固定され、これに
より当該回転座席1が車両室内の所定位置(助手席位
置)に設置されている。
移動動作を連動させるための手段について説明する。図
4および図8に示すように室内側の固定側保持部材32
の側面にはラック38が取付けられている。一方、室内
側の移動側保持部材11の上面には支持プレート35を
介して中間ギヤ36が回転可能に取付けられている。こ
の中間ギヤ36はラック38に噛み合わされており、こ
の噛合い状態が座席本体2の前後方向の全移動範囲で維
持されるようラック38の位置および長さが設定されて
いる。
図6および図8に示すようにほぼ90°の範囲の円弧形
状を有し、その噛合い当初側(反時計回り方向の端部
側、以下同じ)の一定角度範囲(本実施形態では約26
°)には噛合い歯が形成されていない。このため、座席
本体2をその着座位置(車両前方に向いた位置、図6中
実線で示す位置)からドア開口部側(反時計回り方向)
へ回転させ始めた当初約26°の範囲はピニオンギヤ6
と中間ギヤ36は噛み合わず、従って座席本体2は回転
するのみで車両前方へは移動しない(非連動範囲)。
せると、ピニオンギヤ6が中間ギヤ36に噛合うため、
座席本体2の回転操作に連動して中間ギヤ36が回転す
る。中間ギヤ36はラック38に噛み合っているので、
回転するとともに車両前方へ移動し、これにより回転支
持台10が車両前方へ移動し、ひいては座席本体2がド
ア開口部側へ回転しつつ車両前方へ移動する(連動範
囲)。
において、鋼球85がスライドロック解除プレート7か
ら外れてスライドロックが解除されるタイミング(図9
中、相対位置(ロ)となるタイミング)は、座席本体2
が回転操作されてピニオンギヤ6の歯が中間ギヤ36に
噛み合う直前に設定されている。すなわち、座席本体2
を着座位置からドア開口部側へ回転させ始めた当初約2
6°の範囲では、鋼球85がスライドロック自動解除プ
レート7に当接して保持体83の円柱体部83aがロッ
ク孔31aに差し込まれた状態(図9中、相対位置
(イ)の状態)に維持され、これにより座席本体2が前
後方向移動不能にロックされた状態に維持される。
で、スライドロック自動解除プレート7から鋼球85が
外れる(図9中、相対位置(ロ)の状態)。すると、保
持体83が圧縮ばね84により上方へ変位して、その円
柱体部83aがロック孔31aから抜き出され(図9
中、相対位置(ハ)の状態)、これにより座席本体2が
前後方向へ移動可能な状態になる(スライドロックの自
動解除)。以後、座席本体2がドア開口部側に向いた横
向き位置に至るまで、鋼球85はピニオンギヤ6の下面
に押し当てられた状態に維持され、スライドロックの解
除状態が維持される。
横向き位置から着座位置に向けて約64°回転操作する
間は、スライドロック機構80の保持体83が上方へ変
位した状態に維持されて、スライドロックが解除された
状態に保持されるので、座席本体2は着座位置に向けて
(時計回りに)回転しつつ、後方へ移動する。座席本体
2は横向き位置から約64°回転操作した時点で、車両
前後方向に関して後方位置に戻されるとともに、鋼球8
5がスライドロック自動解除プレート7に乗り上げて保
持体83が圧縮ばね84に抗して押し下げられ、これに
よりその円柱体部83aがロック孔31aに再び差し込
まれ、従って当該座席本体2が後方位置で前後方向移動
不能にロックされる(図9中、相対位置(ロ)の状
態)。その後、座席本体2は約26°回転動作のみし
て、車両前方を向いた着座位置に戻される。
席本体2の回転動作と前後方向への移動動作とが連動さ
れるタイミングに合わせて自動的にロック・アンロック
されるようになっており、上記スライドロック自動解除
プレート7はこれを実現できる寸法および形状に設定さ
れ、またその取付け位置が設定されている。
はカバー41、42、43により覆われて、異物の噛み
込みによる作動不良が防止され、またその見栄えの向上
が図られている。
最も一般的な操作手順を図11に基づいて説明する。図
では、座席本体2の回転中心(回転リング13の回転中
心)を基準にして、車両前後方向移動範囲の後方位置を
符号L0 で示し、前方位置を符号L1 で示し、また、車
両幅方向移動範囲の室内側位置を符号W0 で示し、室外
側位置を符号W1 で示している。
置に位置する状態を示している。この着座位置におい
て、操作者が回転ロック解除レバー73を押し下げ操作
して回転ロック機構70を解除した後、座席本体2をド
ア開口部D側(図示反時計回り方向)へ回転操作する。
図11(B)は、同方向へ約26°回転させた状態を示
している。この間は、ピニオンギヤ6と中間ギヤ36は
噛み合わないので、座席本体2は回転動作のみする。こ
の段階で、座席本体2は、そのシートクッション2aが
ドア開口部Dの後部すなわちリヤピラーPに干渉する手
前の位置にまで至っているため、このままさらに回転さ
せたのではピラーPに干渉して座席本体2をドア開口部
Dに向けた横向き位置まで回転させることができない。
で、スライドロック解除プレート7がスライドロック機
構80の鋼球85から外れて保持体83が上動し、これ
により円柱体部83aがロック孔31aから抜き出され
て前方へ移動可能な状態(スライドロックの自動解除状
態)になるとともに、ピニオンギヤ6が中間ギヤ36に
噛み合い始める。
せると、この回転動作に連動して座席本体2は、ピニオ
ンギヤ6と中間ギヤ36との噛合い作用および中間ギヤ
36とラック38の噛合い作用により前方へ移動する。
こうして座席本体2は残り約64°回転しつつ前方へ移
動し、これにより図11(C)に示すようにドア開口部
D側に向いた横向き姿勢になるとともに、前方位置L1
に至る。このように、座席本体2が回転しつつ前方へ移
動することにより、その回転途中において着座者の足あ
るいはフットレストがドア開口部Dの前端に干渉するこ
とが回避される。この点、従来のように一旦座席本体を
前方位置にまで移動させた後、回転させると着座者の足
等がドア開口部(ボディ)の前端に干渉する問題があっ
たが、本実施形態のように回転させつつ前方へ移動させ
ることによりこのような問題を回避することができる。
た時点で、ロックピン74cが回転支持台10の室内側
の回転ロックプレート72にロックされ、これにより座
席本体2が当該横向き姿勢で回転不能にロックされる。
座席本体2が回転不能にロックされるので、車両前後方
向の移動動作もロックされる。何故なら、ピニオンギヤ
6と中間ギヤ36および中間ギヤ36とラック38がそ
れぞれ噛合い状態にあるため、座席本体2の回転動作と
前後方向の移動動作が連動されているからである。
正転させて振り出しアーム57,57を室外側に振り出
し、これにより座席本体2を、図11(C)の室内側位
置W0 から図11(D)の室外側位置W1 にまで移動さ
せつつ、所定の高さにまで下降させる。座席本体2が室
外の所定高さにまで下降した後、電動モータ61が停止
して昇降装置50が停止し、この状態で着座者は席を離
れることができる。このように座席本体2はドア開口部
Dを経て車外に移動しつつ徐々に低い位置(例えば車椅
子と同じ程度の高さ)に変位するので、この室外側位置
W1 において着座者が例えば車椅子に直接乗り移る場合
であっても座席本体2との間を楽に移動することができ
る。しかも、本実施形態では、四節リンク機構の作用に
より座席本体2を車両幅方向に移動させる構成であるの
で、例えばスライド機構により移動させる構成に比し
て、幅方向に少ないスペースでより大きく昇降動させる
ことができる。このため、比較的室内床面が高いワンボ
ックスカーであっても十分に低い高さにまで座席本体2
を移動させることができる。
置50の作動により座席本体2が車外に移動する過程に
おいて、開けたドアDrが例えば風により閉じ方向に力
を受けても、座席本体2のシートクッション2aにより
開き方向に保持されるため、乗降動作中にドアが支障に
なることがない。
させた座席本体2を元の着座位置に戻すには、電動モー
ター61を逆転させて昇降装置50を逆方向に作動させ
ることにより、座席本体2を上昇させつつ図11(C)
に示す室内側位置W0 にまで戻す。この時点で、電動モ
ータ61が停止して昇降装置50は停止する。然る後、
回転ロック機構70を解除操作して手操作で座席本体2
を室内側に向けて回転させる。この段階においてもピニ
オンギヤ6と中間ギヤ36および中間ギヤ36とラック
38が噛合い状態に保持されているので、座席本体2は
前記とは逆に室内側に回転しつつ前方位置L1 から後方
位置L0 へ向けて移動する。
た段階で、座席本体2は後方位置L0 に戻されて図11
(B)に示す位置に至る。その後、座席本体2をさらに
約26°回転させることにより、図11(A)に示す着
座位置に戻すことができる。この26°の回転範囲で
は、ピニオンギヤ6と中間ギヤ36の噛合いが外れ、か
つ前記したようにスライドロック解除プレート7がスラ
イドロック機構80の鋼球85の上側に戻され、これに
よりスライドロック機構80がロック状態に復帰するの
で、座席本体2は回転動作のみし、前後方向には移動し
ない。
回転座席1によれば、座席本体2は昇降装置50、回転
支持台10および前後方向支持台30に支持され、昇降
装置50と前後方向支持台30との間には、中間ギヤ3
6を介して相互に噛み合うピニオンギヤ6とラック38
が介装されているため、座席本体2の回転動作と前後方
向の移動動作が連動される構成となっている。このた
め、例えばセダン型乗用車の場合のように狭いドア開口
部Dであっても、回転操作のみで座席本体2をピラー等
の他部位に干渉することなく、かつ着座者の足をドア開
口部Dの端部に干渉させることなくドア開口部D側へ向
けることができるので従来よりもその使い勝手を大幅に
向上させることができる。
に取付けられているので、座面の室内側下面に大きなス
ペースを確保することができ、これにより大きな径のピ
ニオンギヤ6を取付けることができる。ピニオンギヤ6
の径が大きいほど、座席本体2の前後方向の移動距離を
大きく設定することができるので、当該回転座席1は、
前後方向の移動距離が比較的大きいことが要求されるワ
ンボックスカーに特に好適に適用することができる。さ
らに、回転中心が、ヒップポイントHPの室外側に設定
されているので、座席本体2を室外側に回転させるだけ
で、座席本体2を車両前方へ移動させることができ、こ
の点でも前後方向に大きな移動距離を確保することがで
きる。
せるための直線案内機構として、移動側保持部材11と
固定側保持部材32と、両者の溝部11a,32a間に
挟み込まれた多数の鋼球33〜33から構成される直線
案内機構34を用いているので、座席本体2をガタ付き
なくスムーズに前後方向に移動させることができる。こ
の点、直線案内機構として例えばコ字形のレールの内側
にローラを転動させる構成とした場合には、スムーズに
移動させるためにローラとレールとの間に適度な隙間を
設定する必要があり、この隙間は座席本体のガタ付きの
原因となるが、上記直線案内機構34によれば、このよ
うな問題はなく、極めて支持剛性の高い(ガタ付きのな
い)回転座席1を提供することができる。
せるための機構として、四節リンク機構を用いているの
で、車両幅方向について限られたスペース内において、
すなわち車両幅方向の移動について少ない移動距離で、
高いシートポジションからより地面に近い低い位置にま
で座席本体2を昇降させることができる。これに対し
て、例えば座席本体を車両幅方向に傾斜するレールに沿
って単にスライドさせる構成とした場合には、同じ昇降
距離であっても車両幅方向により広いスペースを必要と
する問題がある。このように、座席本体2を車両幅方向
に移動させるために、四節リンク機構を主体とする昇降
装置50を用いることにより、本実施形態のようにワン
ボックスカーのような比較的車高の高い車両であっても
幅方向に大きなスペースを必要とすることなく、座席本
体2を車両フロアと地面との間で大きく昇降動させるこ
とができる。
ることが可能である。例えば、昇降装置50のみを電動
式としたが、回転支持台10および前後方向支持台30
についても電動式とすることが可能である。また、逆に
昇降装置50を、回転支持台10および前後方向支持台
30と同様に手動式としてもよい。
なければ、昇降装置50の四節リンク機構およびアクチ
ュエータ60を省略することができる。
転座席を例示したが、本発明に係る回転座席はその他の
位置、例えば後部席、運転席にも適用可能である。
図である。
る。
動するための機構を示す平面図である。
動するための機構およびスライドロック機構を示す斜視
図である。
はスライドロック状態、(ロ)は保持体が移動する状
態、(ハ)はスライドロック解除状態を示す。
内機構の断面図である。
面図であって、(A)は着座位置の座席本体、(B)は
約26°ドア開口部側に回転した座席本体、(C)は横
向き位置の座席本体、(D)は室外に振り出された座席
本体を示す。
図は、ギヤボックスを後ろ側に位置させてアクチュエー
タを配置した場合を示している。
図は、ねじ軸を後ろ側に位置させてアクチュエータを配
置した場合を示している。
Claims (3)
- 【請求項1】 座面中心よりもドア開口部側に偏心した
回転中心を中心として座席本体を回転支持する回転支持
台と、該回転支持台を車両前後方向に移動可能に支持す
る前後方向支持台と、前記座席本体の下面側であって前
記回転中心の室内側に取り付けたピニオンギヤと、前記
前後方向支持台に前後方向に沿って取り付けられ、中間
ギヤを介して前記ピニオンギヤが噛み合うラックを備え
た構成としたことを特徴とする車両用回転座席。 - 【請求項2】 請求項1記載の車両用回転座席であっ
て、回転支持台に取り付けた移動側保持部材と、前後方
向支持台に取り付けた固定側保持部材との間に転動体を
挟み込んでなる直線案内機構を介して前記回転支持台を
前記前後方向支持台に支持する構成としたことを特徴と
する車両用回転座席。 - 【請求項3】 請求項1記載の車両用回転座席であっ
て、座席本体と回転支持台との間に、四節リンク機構を
主体とする昇降装置を備え、前記四節リンク機構を伸長
させて前記座席本体を車室外へ移動させる構成としたこ
とを特徴とする車両用回転座席。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23605397A JP3374714B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 車両用回転座席 |
KR1020007002188A KR100336165B1 (ko) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | 차량용 회전좌석 |
PCT/JP1998/003872 WO1999011488A1 (fr) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | Siege pivotant pour vehicule |
EP98940631A EP1008485B1 (en) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | Vehicular turning seat |
CA002302170A CA2302170C (en) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | Vehicular turning seat |
CN 98808657 CN1125739C (zh) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | 车辆用旋转座位 |
AU88876/98A AU734240B2 (en) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | Rotating vehicle seat |
DE69835019T DE69835019T2 (de) | 1997-09-01 | 1998-08-28 | Drehbarer fahrzeugsitz |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23605397A JP3374714B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 車両用回転座席 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1178630A true JPH1178630A (ja) | 1999-03-23 |
JP3374714B2 JP3374714B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=16995052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23605397A Expired - Lifetime JP3374714B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 車両用回転座席 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3374714B2 (ja) |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP23605397A patent/JP3374714B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3374714B2 (ja) | 2003-02-10 |
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