JPH1178415A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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Publication number
JPH1178415A
JPH1178415A JP9250649A JP25064997A JPH1178415A JP H1178415 A JPH1178415 A JP H1178415A JP 9250649 A JP9250649 A JP 9250649A JP 25064997 A JP25064997 A JP 25064997A JP H1178415 A JPH1178415 A JP H1178415A
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JP
Japan
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tread
rubber
rubber composition
tire
fluorine
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Withdrawn
Application number
JP9250649A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Matsumoto
浩幸 松本
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Publication of JPH1178415A publication Critical patent/JPH1178415A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/13Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping
    • B60C11/1307Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove walls
    • B60C11/1346Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove walls covered by a rubber different from the tread rubber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/0041Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts comprising different tread rubber layers
    • B60C11/005Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts comprising different tread rubber layers with cap and base layers
    • B60C11/0058Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts comprising different tread rubber layers with cap and base layers with different cap rubber layers in the axial direction

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溝形状及び溝配列に左右されずに優れた排水
性を備え、耐偏摩耗性と耐ハイドロプレーニング性及び
ウエット操縦安定性との両者を優位に発揮し得る空気入
りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 異なる配合の2種類以上のゴム組成物か
らなる複合ゴムのトレッドゴムの少なくとも1種類のゴ
ム組成物がフッ素系添加剤を配合成分に有するタイヤ
の、最大負荷能力の70%の荷重負荷下でのフットプリン
トの接地幅の30%幅を接地幅中央の両側に等分に振り分
けた中央領域のトレッドゴムが中央領域の少なくとも一
部領域にフッ素系添加剤を配合成分に有するゴム組成物
を踏面周方向に備え、踏面中央領域の両側領域に位置す
るトレッドゴムが複合ゴムのうちフッ素系添加剤を配合
成分に有するゴム組成物の残余ゴム組成物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、雨天時又はその
直後、水膜乃至それを超える深さの水に覆われた路面
(以下ウエット路面という)を車両が高速走行する際に
優れた排水性を発揮する空気入りラジアルタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年車両の高性能化、なかでも乗用車の
高性能化は著しく進み、この高性能化に対応して車両に
装着する空気入りラジアルに対しても格段の性能向上が
望まれるようになっている。特に乗用車用タイヤにおい
ては操縦安定性の格段の向上が必要不可欠である。なか
でもスポーツタイプ車や高級車に装着されるタイヤにお
いてはコーナリング時に大きな剛性が得やすく、これに
より高度に優れた操縦安定性の発揮に有利なより一層の
偏平タイヤ、すなわち偏平比の呼び(偏平率)で値がよ
り小さなタイヤの採用が一般化している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし偏平率がより小
いタイヤほど踏面の接地幅がより一層広がる一方、接地
長さはより短くなるため、踏面幅方向に均一な接地圧分
布が得難くなり、その結果ウエット路面を高速で転動す
るタイヤの接地面における、接地圧の依存度合いが高い
排水性は低下し、比較的低速域の車両速度でいわゆるハ
イドロプレーニング現象が発生し易くなり、このことは
ウエット操縦安定性の低下につながる。
【0004】このハイドロプレーニング現象の発生速度
を成るべく高速側にシフトさせるため、排水性向上に最
も寄与するトレッド部踏面の溝形状や溝配列に各種の工
夫が施されてきた結果、小偏平率のタイヤの耐ハイドロ
プレーニング性は或る程度まで改善されている。
【0005】しかるに溝形状や溝配列は一方で、トレッ
ド部踏面側のトレッドゴムの陸部形状及び陸部配列を規
定することに外ならず、このことは排水性以外の、例え
ばドライ路面での耐偏摩耗性や操縦安定性などの性能に
大きな影響をもたらす。すなわち排水性とそれ以外の必
要性能とが常に両立し得る溝形状や溝配列が得られると
は限らず、往々にして排水性の点で望ましい溝形状及び
溝配列と、耐偏摩耗性やドライ操縦安定性の点で必要と
する陸部の剛性分布との両立が得られない場合が生じ
る。よってこの場合、溝形状及び溝配列による排水性の
改善度合いに自ずと限界が生じる。
【0006】従ってこの発明の請求項1〜6に記載した
発明は、溝形状及び溝配列の設定に対し大きな自由度を
もたせて、優れた耐偏摩耗性や高度に高いドライ操縦安
定性などの性能と、排水性の大幅向上による優れた耐ハ
イドロプレーニング性及びウエット操縦安定性とを両立
させ得るトレッド部を備えた空気入りラジアルタイヤの
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明による空気入りラジアルタイヤは、一対のビー
ド部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール
部相互間にトロイド状をなして連なるトレッド部とから
なり、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該カ
ーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとを備える
空気入りラジアルタイヤにおいて、上記トレッド部のト
レッドゴムは異なる配合内容をもつ2種類以上のゴム組
成物からなる複合ゴム構成を有し、該複合ゴムの少なく
とも1種類のゴム組成物がフッ素系添加剤を配合成分に
有し、上記タイヤをその標準リムに組付けたタイヤ及び
リム組立体に、該タイヤの最大負荷能力に対応する空気
圧を充てんし、該空気圧を充てんしたタイヤ及びリム組
立体を上記最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷の
下で平板に垂直に押し当てて得られるフットプリントの
接地幅の30%幅を接地幅中央の両側に等分に振り分け
た踏面中央領域に位置するトレッドゴムが、該中央領域
の少なくとも一部領域に上記フッ素系添加剤を配合成分
に有するゴム組成物を踏面周方向に備え、上記踏面中央
領域の両側領域に位置するトレッドゴムが、上記複合ゴ
ムのうちフッ素系添加剤を配合成分に有するゴム組成物
の残余ゴム組成物からなることを特徴とする。
【0008】ここに上記標準リムとは、JATMA Y
EAR BOOK(1997年版、以下JATMA規格
という)に記載されたタイヤサイズと適用リムの表のう
ち下線を施したリムを指し、上記最大負荷能力も、JA
TMA規格に掲載されている「空気圧−負荷能力対応
表」のうち太線で記載した最大値(kg) を指し、この最
大負荷能力に対応する空気圧を用いるものである。
【0009】請求項1に記載した発明を実施するに当
り、好適には請求項2に記載した発明のように、上記ト
レッド部はその踏面中央領域に踏面周方向に直状に延び
る1本以上の主溝を備え、該主溝を上記フッ素系添加剤
を配合成分に有するゴム組成物の中に配置するものであ
る。
【0010】請求項2に記載したフッ素系添加剤を配合
成分に有するゴム組成物の配置の変形例として、請求項
3に記載した発明のように、上記主溝の両壁面及び底面
を上記フッ素系添加剤を配合成分に有するゴム組成物が
薄ゲージにて包囲する構成とすることも有効である。
【0011】また請求項1〜3に記載した発明全体にわ
たり、請求項4に記載した発明のように、上記フッ素系
添加剤が、パーフルオロアルキル基含有共重合体である
こと、さらに請求項5に記載した発明のように、上記フ
ッ素系添加剤がオリゴマー状をなすことが有利に適合す
る。
【0012】また請求項1〜5に記載した発明を通じ
て、好適には請求項6に記載した発明のように、上記ト
レッド部はその踏面に踏面周方向に直状に延びる複数本
の主溝と、踏面幅方向に延びる横溝及び傾斜溝の少なく
とも一方の溝とを備え、踏面周方向の溝配列ピッチにお
けるネガティブ比につき、上記踏面中央領域が踏面中央
領域の両側領域のネガティブ比に比しより大きなネガテ
ィブ比を有するものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態例を
図1〜図3に基づき詳細に説明する。図1は、タイヤ回
転軸心を含む平面による空気入りラジアルタイヤ(以下
タイヤという)の一実施形態例の左半断面図であり、図
2は、他の実施形態例タイヤの左半断面図であり、図3
は、図1、図2に示すタイヤのフットプリント輪郭線図
である。
【0014】図1、図2において、タイヤは一対のビー
ド部(片側のみ示す)1、一対のサイドウォール部(片
側のみ示す)2及び両サイドウォール部2相互間にトロ
イド状に連なるトレッド部3からなる。なおタイヤ赤道
面Eからの右半部も左半部同様である。
【0015】有機繊維コ─ド、例えばポリエステルコー
ド又はナイロンコードのラジアル配列になる1プライ以
上(図示例は2プライ)のラジアルカーカス5は、上記
各部1〜3をビード部1内に埋設した一対のビードコア
4(片側のみ示す)相互間にわたり補強し、カーカス5
の外周に配置したベルト6はトレッド部3を強化する。
ベルト6は慣例に従い2層以上(図示例は2層)のスチ
ールコード交差層と、その外周に配置した有機繊維コ─
ド、例えばナイロンコードの広幅螺旋巻回層(いわゆる
キャップ層)と、該層の端部外周に配置した狭幅の同様
螺旋巻回層(いわゆるレイヤ層)により構成する。
【0016】トレッド部3の踏面3t側にはトレッドゴ
ム7を配置し、該ゴム7とサイドウォールゴム8とはシ
ョルダ部近傍の重ね合せ面Sにて互いに接合する。符号
9は空気不透過性ゴムでチューブレスの役を担うインナ
ーライナである。
【0017】ここにトレッドゴム7は異なる配合内容を
もつ2種類以上のゴム組成物の複合ゴム構成を有し、こ
の複合ゴムの少なくとも1種類のゴム組成物はフッ素系
添加剤を配合成分に有するゴムであることを要する。こ
のゴム組成物と、その残余のゴム組成物、すなわちフッ
素系添加剤を配合成分にもたないゴム組成物に対するフ
ッ素系添加剤を配合成分に有するゴム組成物との特有の
配置関係を以下詳細に説明する。
【0018】図1及び図2に例示するトレッドゴム7は
踏面3t側に溝11、12、13を備え、図示例では4
本の主溝11、12が踏面3tの円周に沿って延びる直
状溝であり、溝13は直状主溝11、12に開口する傾
斜溝である。これら溝の形状及び配列をフットプリント
の輪郭図により図3に示す。なお直状主溝は以下に述べ
る踏面3t中央領域に1本以上設けるものとし、中央領
域の両側領域には存在の有無を問わない。
【0019】図3は、JATMA規格が定める適用リム
のうちの標準リムに図1、図2に示すタイヤを組付けた
タイヤ及びリム組立体に、JATMA規格が定める「空
気圧−負荷能力対応表」に基づく最大負荷能力に対応す
る空気圧を充てんし、最大負荷能力の70%に相当する
荷重を負荷して平板に垂直に押し当てたとき得られる、
いわゆる踏面3tのフットプリントの輪郭線図である。
ここに上記空気圧及び荷重は実際の車両における使用条
件に近い条件として設定した。図1及び図2に示すタイ
ヤ左半部は図3のA−A線に沿う断面であり、よってト
レッドゴム7は溝11、12、13の他に先端がブライ
ンドとなる傾斜溝14及び直状溝12とショルダ部とに
開口する横溝15を備える。なお符号WC は接地幅であ
りJATMA規格の「一般情報」にて規定する幅を指
す。符号LC は接地長さである。
【0020】接地幅WC の中央はタイヤ赤道面Eと一致
し、ここに接地幅WC の30%幅Rcをタイヤ赤道面E
に相当する接地幅WC 中央の両側に等分に振り分けた領
域をタイヤ踏面3tの中央領域と定め(図1、2参
照)、この中央領域に位置する、すなわち幅Rcにてタ
イヤ赤道面Eと平行な平面により区画するトレッドゴム
7が、中央領域Rcの少なくとも一部領域にフッ素系添
加剤を配合成分に有するゴム組成物7B又はゴム組成物
7Cを踏面3t周方向に備えるものとする(図1、2参
照)。このゴム組成物7B、7Cは踏面3t周方向に連
なることが望ましいが、間隔が僅かであれば踏面3t周
方向に断続しても可とする。
【0021】さらに中央領域Rcの両側領域Rsに位置
するトレッドゴム7には、複合ゴムのうちゴム組成物7
B、7Cの残余ゴム組成物7Aを適用し、この残余ゴム
組成物7Aはフッ素系添加剤を配合成分にもたないゴム
でなければならない。
【0022】図1に示すトレッドゴム7は、そのうちの
中央領域Rcのさらに中央部に1種類のゴム組成物7B
又はゴム組成物7Cを有し、2本の直状主溝11をゴム
組成物7B又はゴム組成物7Cの中に形成し、ゴム組成
物7B又はゴム組成物7Cの両側にはゴム組成物7Aを
配置する例である。
【0023】図2に示すトレッドゴム7は、そのうちの
中央領域Rcに1種類のゴム組成物7Cを有する点では
図1と同様であるが、直状主溝11、12の両壁面及び
底面を比較的薄ゲージのゴム組成物7Cにて包囲させる
構成を有する点で図1に示すトレッドゴム7とは相違
し、このゴム組成物7Cを除く全ての部分にゴム組成物
7Aを適用させる例である。
【0024】さて、ウエット路面走行時におけるハイド
ロプレーニング現象の発生速度をより高速度領域にシフ
トさせるためには、高速で転動するタイヤのトレッドゴ
ムの接地面内に楔状に食い込む水を可能な限り素早く、
高効率で接地面外に排水する能力を高めれば良い。この
水の排水効率に対して溝の寄与が高いのは言うまでもな
く、そこで従来は排水効率が最大となる、乃至はそれに
成るべく近い値となる溝形状や溝配列を見出して、これ
を採用してきたことは既に触れた通りである。
【0025】しかしハイドロプレーニング現象、すなわ
ち踏面3tへの水の侵入現象を詳細に調べたところ、偏
平率がより小さいタイヤほど踏面3tの接地幅WC がよ
り一層広がるため接地域におけるタイヤ側面への排水が
より一層困難となり、その結果、踏面3tの中央領域R
cに水が侵入し易くなりこと、しかも偏平率がより小さ
いタイヤ特有の比較的大きな曲げ剛性を有し、タイヤの
転動荷重を支持するサイドウォール部2に連なる踏面3
tの両側領域Rsの接地圧は中央領域Rcの接地圧に比
し相対的により高く、接地圧がより低い踏面3tの中央
領域Rcは水が侵入し易い条件を有しているので、中央
領域Rcにハイドロプレーニング現象が発生し易いこ
と、従ってハイドロプレーニング現象発生を阻止するに
は中央領域Rcの排水性能向上が有効である、という事
実を見出した。
【0026】また別の面から排水現象を詳細に調べたと
ころ、高速で転動するトレッドゴムの接地面内を流れる
水の流速が極めて高速であることから、流水が接触する
溝表面との間に生じる流水の摩擦抵抗が排水効率に多大
な影響を及ぼしていることが解明できた。すなわち溝表
面の流水に対する摩擦抵抗が小さいほど、溝内部を流れ
る水のエネルギ損失が減少して、水はより一層円滑に、
より速やかに接地面外に排水されるという事実を見出し
たのである。
【0027】さらに鋭意研究を進めた結果、流水に対す
る溝表面の摩擦抵抗と、溝表面の撥水性とに強い逆相関
が存在することを解明した。すなわち溝表面の撥水性を
高めれば流水の摩擦抵抗はより一層低減するという事実
である。このことが中央領域Rcの少なくとも一部領域
にフッ素系添加剤を配合成分にもつゴム組成物7B、7
Cをトレッドゴム7の踏面3t周方向に配置する所以で
あり、実際上好適には踏面3t周方向に直状に延びる1
本以上(この例では2本)の主溝それぞれをゴム組成物
7B、7Cの中に設け、又は該主溝の両壁面及び底面を
比較的薄ゲージのゴム組成物7B、7Cにより包囲させ
るものである。
【0028】なぜならこのフッ素系添加剤を配合成分に
もつゴム組成物7B、7Cは撥水性が極めて高い特有な
性質を有し、それ故、ゴム組成物7B、7C中に形成さ
れている直状主溝11、12及び両壁面及び底面を薄ゲ
ージゴム組成物7B、7C(図2ではゴム組成物7C)
で包囲した直状主溝11、12それぞれの表面は流水に
対しより低い摩擦抵抗の性質を発揮し、トレッドゴム7
の使用開始から摩耗限界(残溝深さ1.6mm)まで一
貫して高度に高い排水性が得られる。その結果、従来な
ら不満足な耐ハイドロプレーニング性を示すに止まって
いた溝形状及び溝配列であっても、上記ゴム組成物を適
用することで要求を十分満たす耐ハイドロプレーニング
性を得ることができる。
【0029】このことは、主溝11、12表面特有の効
果に止まらず、図1を参照して、主溝11、12を除く
中央領域Rcに位置する陸部にゴム組成物7B、7Cを
配置することによっても、タイヤの新品時からトレッド
ゴム7の摩耗限界までの間にわたり中央領域Rcにて直
接路面に接触する陸部の流水に対する摩擦抵抗低減効果
は著しく、これにより踏面3tの中央領域Rcにおける
陸部の排水性が大幅に向上し、上記同様に優れた耐ハイ
ドロプレーニング性を実現することができる。
【0030】ここで偏平率がより小さなタイヤほど車両
のコーナリング時により高い剛性を発揮するので操縦安
定性に優れることは先に述べた通りであるが、コーナリ
ング時にタイヤは横力(コーナリングフォースによる求
心力)を発生し、この横力発生に基づく接地踏面3tの
変形とその復元は踏面3tの両側領域Rsにおいて著し
く、よってこの両側領域Rsの摩耗度合いは中央領域R
cの摩耗度合いより大きく、また発生する横力が大きい
ほど生する摩耗度合いも大きい。
【0031】そこで図1に示す例のようにトレッドゴム
7を踏面3t幅方向にゴム組成物7A〜ゴム組成物7B
又はゴム組成物7C〜ゴム組成物7Aに3分割し、中央
領域Rcの少なくとも一部領域にフッ素系添加剤を配合
成分にもつゴム組成物を適用する一方、両側領域Rsに
適用するゴム組成物7Aには耐摩耗性に優れるゴムを適
用するのが良く、この場合は特に踏面3tの両側領域R
sの摩耗が著しく進むタイヤに適合する。
【0032】また主溝11、12の溝面周りに比較的薄
ゲージのフッ素系添加剤を配合成分にもつゴム組成物7
Cを適用した図2に示す例のトレッドゴム7はゴム組成
物7C部分を除く領域に耐摩耗性に優れるゴム組成物7
Aを適用するのが良く、この場合は踏面3tの陸部全領
域の摩耗が一様であるタイヤに適合し、耐ハイドロプレ
ーニング性の向上と優れた耐摩耗性の保持との双方を同
時に満たすことができるタイヤを提供することができ
る。
【0033】またこれまで述べてきたフッ素系添加剤は
パーフルオロアルキル基含有共重合体からなること、そ
してフッ素系添加剤はオリゴマー状をなすことが有利に
適合し、これであれば上記の効果を一層高めることに寄
与する。
【0034】ゴム組成物に配合するパーフルオロアルキ
ル基共重合体からなるフッ素系添加剤としては、パーフ
ルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体と、アセ
トアセチル基含有エチレン性不飽和単量体とを反応させ
て得られるフッ素系共重合体が好適に適合する。これら
フッ素系添加剤の配合量はゴム100重量部に対し1〜
20重量部の範囲内が望ましい。
【0035】ここにフッ素系添加剤がパーフルオロアル
キル基共重合体からなることを要するのは、少量添加で
効果を発揮し、かつゴムマトリックス成分の硬化などの
力学的特性変化、乃至物性低下を伴うことなく撥水性効
果を発揮するからである。一般的なフッ素系樹脂を単に
配合した場合、撥水性と物性との両立は困難である。
【0036】またフッ素系添加剤はオリゴマー状をな
し、分子量が7000〜9000の範囲内にあるのが好
適に適合する。それは添加剤をこの範囲内の分子量状態
とすることで、ゴム組成物のポリマー(一般に分子量が
数十万)に比しより低重合体となり、その結果添加剤の
ゴム組成物内での分散度合いを向上させることができる
と同時に、共重合したオリゴマー体がゴム中のポリマー
と絡み合うことで強力な結合力を介しフッ素系添加剤と
ゴム組成物との間の結合力を強固なものとすることがで
き、撥水性効果の持続性を向上させることができるから
である。
【0037】また上記ゴム組成物に珪素酸化物、例えば
シリカを添加配合することにより、シリカのフッ素系添
加剤に対する強力な吸着力作用を利用し、さらにシラン
・カップリング剤を加えることによりシリカを介してフ
ッ素添加剤とゴム組成物との結合力をさらに一層高める
ことができ、撥水効果の持続性をさらに向上させること
ができる。
【0038】またトレッド部3の踏面3tは、一例を図
3に示すように、踏面3t周方向に直状に延びる複数
本、図示例は4本の主溝11、12と、踏面3t幅方向
に延びる傾斜溝13、14及び横溝15の少なくとも一
方、図示例は両溝を備えるものとし、踏面3t周方向の
溝配列ピッチ、図示例では傾斜溝14を両側で挟む傾斜
溝13相互間の溝配列ピッチにおけるネガティブ比につ
いて、踏面3tの中央領域Rcのネガティブ比が両側領
域Rsのネガティブ比より大きいパターンがこの発明に
適合する。なおネガティブ比とは一つの溝配列ピッチに
含まれる踏面3tの全表面積に対する全溝表面積の比の
値乃至比の値の百分率である。
【0039】
【実施例】乗用車用ラジアルプライタイヤで、サイズが
225/50R16であり、構成は実施例1及び実施例
2が図1に、実施例3が図2に、比較例1及び比較例2
は図4にそれぞれ従い、溝形状及び溝配列はいずれも図
3に従う。いずれの例における踏面3tの接地幅WC
176mm、接地長さLC は122mmであり、カーカ
ス5は1000D/2のポリエステルコードの2プライ
からなり、ベルト6は2層の1×5構造のスチールコー
ド交差層と、1260D/2のナイロンコードのキャッ
プ層と、同じコードのレイヤ層とからなる。
【0040】表1に実施例1、2、3及び比較例1、2
におけるトレッドゴム7のゴム組成物7A、7B、7C
の配合内容上段に示す。数値は重量部数である。なお中
段にはこれらトレッドゴムの物性値を示した。トレッド
ゴム7に適用したゴム組成物について、実施例1はゴム
組成物7A、7Bであり、実施例2、3ではゴム組成物
7A、7Cであり、比較例1はゴム組成物7Aのみ、比
較例2はゴム組成物7Cのみである。
【0041】
【表1】
【0042】表1の項目に記載した、スチレンブタジエ
ンゴムは、スチレン成分の含有率が35%、シリカは、
日本シリカ社製のニップシールVN3 AQ、シランカ
ップリング剤は、DEGUSSA 社製のSi−69、加硫促進
剤NSは、大内新興化学工業社製のノクセラーNS−
F、加硫促進剤CZは、大内新興化学工業社製のノクセ
ラーCZ−G、フッ素系添加剤は、パーフルオロアルキ
ル基含有オリゴマーであり、大日本インキ化学工業社製
ディフェンサMCF−323SF、M104、である。
【0043】また表1の項目に記載したトレッドゴムの
物性値に関して、JIS硬度は、JIS K6301に
規定した方法に従い、スプリング式硬さ試験機A型によ
り温度25℃下での測定値、破壊強度(MPa)及び1
00%モジュラス(MPa)は、JIS3号試験片を用
い、採取し得るサンプルにより試験片をダンベル形状と
して、JIS K6301に従い温度25℃にて測定し
た値、接触角(度)は、水平なゴム表面に重力の影響を
受けにくい程度の大きさ(直径1mm程度)をもつ水滴
を滴下し、そのときのゴム表面における水滴表面の接線
と、水滴と接触している側のゴム表面とがなす角度θを
接触角度計により測定した値の比較例との角度差(角度
θが大なるほど撥水性が高いことを示す)で、ある。
【0044】実施例1、2、3及び比較例1、2のタイ
ヤを供試タイヤとし、これらタイヤを2500ccの後
輪駆動車(国産乗用車)のテスト車両に装着し、テスト
ドライバを含む乗員2名で以下の2種類のテストを実施
した。 (1)ハイドロプレーニング(H.P)発生速度;水深
10mmの試験路面を走行した際のH.P発生の初期速
度を操舵応答による体感で測定。速度は大なるほど良
い。 (2)ウエット操縦安定性;テストコースのウエット路
面を速度60〜120km/hの範囲で、直進走行、レーン
チェンジ走行及び円旋回走行を実施し、それぞれの走行
結果を纏めてフィーリング評価した。性能評価は、比較
例1のタイヤをコントロールタイヤとして10点満点で
評点付けを行い、実施例1〜3のタイヤ及び比較例2の
タイヤは比較例1のタイヤとの対比で±10段階の数値
によった。もちろんプラス側で値が大なるほど良い。こ
れらのテスト結果を表2に示す。 (3)耐偏摩耗性能;各供試タイヤを高速道路40%、
一般道路60%の割合で、走行距離が2万kmに達するま
で走行させ、踏面3t中央領域Rcの摩耗量に対する両
側領域Rsの摩耗量の比の値をとった。値は小なるほど
良い。以上のテスト結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から、実施例1、2、3のタイ
ヤはいずれも、トレッドゴム7の撥水性が比較例1のタ
イヤのトレッドゴム7対比優れていることにより、H.
P発生速度が比較例1対比高速側にシフトしていて耐ハ
イドロプレーニング性が向上していること、それゆえウ
エット操縦安定性の大幅向上が得られている上、耐偏摩
耗性能は同等以上であることがわかる。これに対し比較
例2のタイヤは比較例1対比H.P発生速度が高速側に
シフトしている反面、耐偏摩耗性能が著しく低下してい
て実用に供し得ないこともわかる。。
【0047】
【発明の効果】この発明の請求項1〜6に記載した発明
によれば、踏面の中央領域の少なくとも一部領域のトレ
ッドゴムにフッ素系添加剤を配合成分にもつゴム組成物
を踏面周方向に配置することにより、ドライ路面での操
縦安定性や耐偏摩耗性などの性能を高度に発揮させるた
めに必要な溝形状及び溝配列を不本意に変更する必要は
なく、溝形状及び溝配列の設定に対し大幅な自由度をも
たせた上で、優れた耐偏摩耗性と、排水性の大幅向上に
よる優れた耐ハイドロプレーニング性及びウエット操縦
安定性とを両立させ得るトレッド部を備えた空気入りラ
ジアルタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態例タイヤの左半断面図
である。
【図2】この発明の実施の他の形態例タイヤの左半断面
図である。
【図3】図1、図2に示すタイヤのフットプリント輪郭
図である。
【図4】従来タイヤの左半断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 サイドウォール部 3 トレッド部 3t 踏面 4 ビードコア 5 ラジアルカーカス 6 ベルト 7 トレッドゴム 7A、7B、7C ゴム組成物 8 サイドウォールゴム 9 インナーライナゴム 11、12 直状溝 13、14 傾斜溝 15 横溝 WC 接地幅 LC 接地長さ Rc 中央領域 Rs 両側領域 E タイヤ赤道面
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27:12)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部と、両サイドウォール部相互間にトロイド状をなし
    て連なるトレッド部とからなり、これら各部を補強する
    ラジアルカーカスと、該カーカスの外周でトレッド部を
    強化するベルトとを備える空気入りラジアルタイヤにお
    いて、 上記トレッド部のトレッドゴムは異なる配合内容をもつ
    2種類以上のゴム組成物からなる複合ゴム構成を有し、
    該複合ゴムの少なくとも1種類のゴム組成物がフッ素系
    添加剤を配合成分に有し、 上記タイヤをその標準リムに組付けたタイヤ及びリム組
    立体に、該タイヤの最大負荷能力に対応する空気圧を充
    てんし、該空気圧を充てんしたタイヤ及びリム組立体を
    上記最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷の下で平
    板に垂直に押し当てて得られるフットプリントの接地幅
    の30%幅を接地幅中央の両側に等分に振り分けた踏面
    中央領域に位置するトレッドゴムが、該中央領域の少な
    くとも一部領域に上記フッ素系添加剤を配合成分に有す
    るゴム組成物を踏面周方向に備え、 上記踏面中央領域の両側領域に位置するトレッドゴム
    が、上記複合ゴムのうちフッ素系添加剤を配合成分に有
    するゴム組成物の残余ゴム組成物からなることを特徴と
    する空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記トレッド部はその踏面中央領域に踏
    面周方向に直状に延びる1本以上の主溝を備え、該主溝
    を上記フッ素系添加剤を配合成分に有するゴム組成物の
    中に配置してなる請求項1に記載したタイヤ。
  3. 【請求項3】 上記主溝の両壁面及び底面を上記フッ素
    系添加剤を配合成分に有するゴム組成物が薄ゲージにて
    包囲してなる請求項2に記載したタイヤ。
  4. 【請求項4】 上記フッ素系添加剤が、パーフルオロア
    ルキル基含有共重合体である請求項1〜3に記載したタ
    イヤ。
  5. 【請求項5】 上記フッ素系添加剤がオリゴマー状をな
    す請求項4に記載したタイヤ。
  6. 【請求項6】 上記トレッド部はその踏面に踏面周方向
    に直状に延びる複数本の主溝と、踏面幅方向に延びる横
    溝及び傾斜溝の少なくとも一方の溝とを備え、踏面周方
    向の溝配列ピッチにおけるネガティブ比につき、上記踏
    面中央領域が踏面中央領域の両側領域のネガティブ比に
    比しより大きなネガティブ比を有する請求項1〜3に記
    載したタイヤ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290453A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りラジアルタイヤ
JP2008273436A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
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WO2021260995A1 (ja) * 2020-06-25 2021-12-30 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

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