JPH1177210A - 転造加工装置及びそれを用いた転造加工方法 - Google Patents

転造加工装置及びそれを用いた転造加工方法

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JPH1177210A
JPH1177210A JP25273297A JP25273297A JPH1177210A JP H1177210 A JPH1177210 A JP H1177210A JP 25273297 A JP25273297 A JP 25273297A JP 25273297 A JP25273297 A JP 25273297A JP H1177210 A JPH1177210 A JP H1177210A
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tool shaft
holding member
ball
ball holding
groove
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JP25273297A
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Motoki Usui
本基 臼井
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成によって、ボール保持部材5の初
期位置への戻し作業を省略し、複数の溝部を連続加工す
ることを可能とする。 【解決手段】 工具軸1に対して軸回りに回転自在かつ
軸方向に往復移動自在に設けたボール保持部材5を、工
具軸1の進行方向とは反対側の軸方向に向かって付勢す
る付勢手段9を設けることによって、溝部の加工が一旦
終了した時点で、ボール保持部材5を付勢手段によって
初期位置に戻すように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の転造ボール
を被加工物の周状壁面に圧接移動させることによって溝
加工を行うようにした転造加工装置及びそれを用いた転
造加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、転造ボールを用いた溝加工用
の装置及び方法が、特公平3−68768号公報や特公
平3−49648号公報等において種々提案されてい
る。これらの各公報記載のものでは、中空円筒状のガイ
ドピン(工具軸)に対して半径方向に貫通形成された複
数のガイド穴内に、転造ボールがそれぞれ装着されてい
るとともに、上記ガイドピン(工具軸)の中空内部に略
同心状に配置されたローラー又ピン(ボール保持部材)
によって、上記各転造ボールが、工具軸の外周面から外
方側に所定量突出するように保持されている。
【0003】そして、上記複数の転造ボールを被加工物
(スリーブ)の内周状壁面に圧接させた状態で、前記ガ
イドピン(工具軸)を軸回りに回転させながら軸方向に
進行させることによって、溝加工が行われるようになっ
ている。
【0004】しかしながら、このような従来の転造加工
装置及び方法は、転造ボールが回転しない状態で被加工
物の内周壁面上を摺動したり、転造ボールは回転して
も、ボール保持部材における特定の周上を転造ボールが
繰り返し回転移動するように構成されているものである
ため、転造ボール又はボール保持部材の摩耗が大きいと
いう問題がある。すなわち、摩耗のための工具寿命が短
く、工具交換を頻繁に行わねばならなかったり、溝の加
工深さにバラツキを生じ易く、加工表面の品質が不安定
になるという問題がある。
【0005】このような問題を解消するための装置が、
例えばUSP5520038に提案されている。このも
のでは、ボール保持部材が工具軸に対して軸回りに回転
自在かつ軸方向に往復移動自在に設けられており、溝加
工を行う際に、転造ボールがボール保持部材の外周面上
を回転しながら周状に回動するとともに、工具軸が軸方
向へ進行するに伴ってボール保持部材が軸方向に徐々に
移動していき、転造ボールの回動位置が軸方向にずらさ
れるようになっている。このような装置によれば、転造
ボール又はボール保持部材の摩耗を低減することがで
き、上述した従来装置の問題点を基本的には解消し得
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
提案装置においても以下のような問題がある。上述した
ように、溝加工を行うときには転造ボールに対してボー
ル保持部材が軸方向に徐々に移動していくため、一個所
の溝部の加工終了直前には、転造ボールがボール保持部
材の端部近傍を回動していることとなる。従って、次の
溝部を加工するにあたっては、ボール保持部材を一旦初
期位置に戻す必要があり、その戻し操作のために、複数
の溝部を連続加工することができない。
【0007】また、上述したようなボール保持部材を初
期位置へ戻す作業は、一回の溝加工終了毎に行わねばな
らないために作業能率が低下する上、ボール保持部材が
工具軸の内部に収容されていることから、ボール保持部
材の現位置を目視することができず、初期位置に戻さな
いままで次の加工を開始してしまう惧れもある。
【0008】そこで、本発明は、簡単な構成によって、
ボール保持部材の初期位置への戻し作業を省略すること
ができ、複数の溝部を連続加工することができるように
した転造加工装置及びそれを用いた転造加工方法を提供
することを目的とする。
【0009】上記目的を達成するために、請求項1記載
の発明では、略円筒状の工具軸に対して半径方向に貫通
形成された複数のガイド穴のそれぞれに転造ボールが装
着されているとともに、上記工具軸と略同心状に配置さ
れた略円筒状のボール保持部材によって、上記各転造ボ
ールが前記工具軸から半径方向内側又は外側に向かって
突出するように支持され、上記複数の転造ボールを被加
工物の周状壁面に圧接させた状態で、前記工具軸と被加
工物とを軸回りに相対的に回転移動させながら軸方向に
進行させることによって溝加工を行うようにした転造加
工装置において、上記ボール保持部材が、前記工具軸に
対して軸回りに回転自在かつ軸方向に往復移動自在に設
けられているとともに、上記ボール保持部材を工具軸の
進行方向と反対側の軸方向に向かって付勢する付勢手段
が設けられている。
【0010】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載のボール保持部材と工具軸との間における半径
方向の隙間γが、転造ボールによって被加工物に形成さ
れる溝の加工深さδよりも大きく設定されている。
【0011】さらに、請求項3記載の発明では、上記請
求項1記載のボール保持部材を、付勢手段及び工具軸に
対して軸方向に点接触させる点接触連結手段が設けられ
ている。
【0012】さらにまた、請求項4記載の発明では、上
記請求項3記載の点接触連結手段が、球体又は錘体から
構成されている。
【0013】さらに、請求項5記載の発明では、上記請
求項1記載の工具軸の進行方向先端側部分が、油案内用
の尖塔形状に形成されている。
【0014】さらにまた、請求項6記載の発明では、上
記請求項1記載のガイド穴における転造ボール突出側の
開口縁部分に、上記転造ボールを半径方向に保持する変
形保持部が、上記転造ボールの装着後に形成されてい
る。
【0015】さらに、請求項7記載の発明では、上記請
求項1記載の転造加工装置を用いて、被加工物の軸方向
に複数組の溝部を、所定の溝部非形成部分を介して連続
的に加工する方法であって、工具軸の進行方向手前側に
一組の溝部を形成した後、上記溝部非形成部分におい
て、ボール保持部材を付勢手段より工具軸の進行方向と
反対側に押圧移動させて初期位置に戻し、前記工具軸を
さらに軸方向に進行させて次の溝部を加工するようにし
ている。
【0016】このような構成を有する請求項1記載の発
明によれば、溝部の加工が一組終了した時点で、ボール
保持部材は、付勢手段によって工具軸の進行方向とは反
対側の初期位置に戻されることとなり、溝加工を行わな
い際にボール保持部材は常時初期位置に維持されるよう
になっている。
【0017】また、請求項2記載の発明によれば、工具
軸の配置中心と、ボール保持部材により決定される転造
ボールの配置中心とが、溝の加工深さδを維持し得る程
度に相対的な位置ずれを生じることができる。従って、
工具軸の中心位置が、被加工物の中心位置から多少ずれ
て配置された場合であっても、自動調心作用によって溝
の加工深さδが全周にわたって略均一に形成されること
となる。
【0018】さらに、請求項3記載の発明によれば、ボ
ール保持部材と、付勢手段及び工具軸とが、点接触連結
手段によって良好に軸回転されることから、溝加工が良
好に行われるようになっている。
【0019】さらにまた、請求項4記載の発明によれ
ば、上記請求項3記載の発明による作用が、球体又は錘
体によって実行されるようになっている。
【0020】さらに、請求項5記載の発明によれば、工
具軸先端側から転造加工用として導入される潤滑油等
が、工具軸の進行方向先端側部分の尖塔形状によって工
具軸の全体にわたって均一に案内され、転造加工が良好
に行われるようになっている。
【0021】さらにまた、請求項6記載の発明によれ
ば、転造ボールを工具軸の外側から挿入することが可能
となり、装置の生産性が向上されるようになっている。
【0022】さらに、請求項7記載の発明によれば、一
組の溝部を形成した後にボール保持部材が初期位置に戻
されるため、複数組の溝部が連続的に形成されることと
なり、溝加工が効率的に実行されるようになっている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて詳細に説明する。図1に示されている実施形態で
は、略円筒状に形成された細長状の工具軸1の内部に、
先端側(図示右端側)から所定の長さにわたって中空部
が形成されているとともに、その中空部は、工具軸1の
先端側(図示右端側)に取り付けられた蓋状の先端ガイ
ド部材2により密閉されている。溝加工を行う際には、
図示を省略した駆動手段によって、上記工具軸1と被加
工物とが軸回りに相対的に回転移動させられつつ、上記
先端ガイド部材2から図示右側の軸方向に送り込まれ
る。
【0024】このとき、上記先端ガイド部材2は、その
進行方向(図示右方向)側の先端部分が、油案内用の尖
塔形状に形成されており、工具軸1の先端側ら導入され
る転造加工用の潤滑油が、当該先端ガイド部材2の尖塔
形状によって、工具軸1の全体にわたって良好に案内さ
れるようになっている。
【0025】また、上記工具軸1の中空部を画成してい
る周壁部には、半径方向に貫通するようにして複数のガ
イド穴3が形成されている。これらの各ガイド穴3は、
上記工具軸1の軸中心から放射状に延在しており、それ
らの各ガイド穴3内に溝形成用の転造ボール4がそれぞ
れ回転自在に挿入されている。
【0026】上記工具軸1は、鋼材から形成されてお
り、前記ガイド穴3の内周壁面に侵炭処理、窒化処理又
は熱処理等が施されて硬質化されている。これにより、
ガイド穴の摩耗が低減され、溝加工の軸方向の精度が維
持されるようになっている。
【0027】一方、上記工具軸1における中空部内に
は、所定の軸長さを有する略御円筒状のボール保持部材
5が、前記工具軸1に対して軸回りに回転自在かつ軸方
向に往復移動自在に挿入されている。このボール保持部
材5は、上記各転造ボール4を所定の半径方向位置に支
持するものであって、当該ボール保持部材5の外周面上
に各転造ボール4が当接することによって、所定の円周
上に複数の転造ボール4が配置され、上記工具軸1の外
周面から各転造ボール4が半径方向外側に向かって所定
量だけ突出するように構成されている。
【0028】このとき、上記ボール保持部材5と工具軸
1との間における半径方向の隙間γは、上記転造ボール
4によって被加工物に形成される溝の加工深さδ(図示
省略)よりも大きく設定されている(γ>δ)。これに
よって、工具軸1の配置中心が、ボール保持部材5によ
り決定される各転造ボール4の配置中心に対して、溝の
加工深さδを維持し得る程度に相対的な位置ずれを生じ
得るように構成されており、工具軸1の中心位置が、被
加工物の中心位置から多少ずれて配置された場合であっ
ても、各転造ボール4の配置中心が自動調心されるよう
になっている。
【0029】また、図2(a),(b)に示されている
ように、上記ガイド穴3の外側開口縁部には、かしめ処
理等によって変形保持部6が4個所十字状に形成されて
いる。これらの各変形保持部6は、ガイド穴3内に転造
ボール4を装着した後に、当該ガイド穴3の外側開口縁
部を中心側に縮小させるようにして形成されるものであ
り、これら変形保持部6によって、上記各転造ボール4
が半径方向外方に飛び出さないように保持されている。
このように変形保持部6は、ガイド穴3内に転造ボール
4を装着した後に形成されるものであるため、各転造ボ
ール4をガイド穴3に対して外方側から容易に装着する
ことができる。
【0030】図1に戻って、前記工具軸1における中空
部内には、上記ボール保持部材5の軸方向両側に、点接
触連結部材としての連結球7,8が2個配置されてい
る。これら両連結球7,8のうちの図示左側、すなわち
前記工具軸1の進行方向(図示右方向)における手前側
に配置された連結球8は、上記ボール保持部材5が図示
左端側に寄せられたときに、工具軸1の奥側壁面1aと
ボール保持部材5の端面との双方に点接触するように配
置されており、当該連結球8を介して、工具軸1とボー
ル保持部材5とが相対的に良好な回転可能状態になされ
ている。
【0031】一方、上記両連結球のうちの図示右側、す
なわち前記工具軸1の進行方向(図示右方向)において
前方側に配置された連結球7は、上記ボール保持部材5
の端面とコイルバネ9との間に挟まれるようにして装着
されている。上記コイルバネ9は、ボール保持部材5の
端面と前記先端ガイド部材2との間に圧縮状態で装着さ
れており、当該コイルバネ9の付勢力によって、前記ボ
ール保持部材5が、工具軸1の進行方向(図示右方向)
とは反対側の軸方向に向かって付勢されるようになって
いる。
【0032】このように、上記コイルバネ9の図示左側
端とボール保持部材5の端面との間に、連結球7が点接
触で介装されていることによって、前記コイルバネ9と
ボール保持部材5とが相対的に良好な回転可能状態にな
されている。
【0033】このような実施形態にかかる転造加工装置
を用いた本発明による転造加工方法の実施形態を次に説
明する。
【0034】被加工物としては、例えば動圧軸受装置の
軸受部材を採用することができるが、その軸受部材の内
周面に、複数組の溝部を軸方向に並設するように形成す
る場合について説明すると、まず、溝加工を行わないと
きの転造加工装置におけるボール保持部材5は、コイル
バネ9の付勢力によって図1のように図示左端位置であ
る初期位置に常時維持されている。そして、溝加工を行
う際には、上述した複数の転造ボール4を被加工物の内
周状壁面に圧接させた状態で、工具軸1と被加工物とを
軸回りに相対的に回転移動させながら工具軸1を図示右
側の軸方向に進行させる。
【0035】この溝加工を行う際には、上述した転造ボ
ール4がボール保持部材5の外周面上を回転しつつ周状
に移動するとともに、工具軸1が軸方向へ進行するに伴
って、ボール保持部材5が図示右側の軸方向に徐々に移
動していき、一個所の溝部の加工を終了する直前におい
ては、図1中の2点鎖線で示されているように、上記ボ
ール保持部材5の端部近傍上に転造ボール4が保持され
ることとなる。
【0036】そして、一個所の溝部の加工を終了して、
次の溝部を加工する前の非溝加工部に至ったときには、
非加工状態となることから、上記ボール保持部材5が開
放状態になされ、コイルバネ9の付勢力によって工具軸
1の進行方向とは反対側に押圧移動され、図1実線で示
された初期位置に戻される。
【0037】すなわち、次の溝部を加工する直前には、
溝加工を同様に行い得る状態になされることとなり、従
って、複数組の溝部に対して連続的な加工が可能とな
る。
【0038】また、上記実施形態にかかる装置によれ
ば、工具軸1の配置中心と、ボール保持部材5により決
定される転造ボールの配置中心とが、溝の加工深さδを
維持し得る程度に相対的な位置ずれを生じることができ
るため、上述したように、工具軸1の中心位置が、被加
工物の中心位置から多少ずれて配置された場合であって
も、各転造ボール4の配置中心が自動調心されることか
ら、溝の加工深さδが全周にわたって略均一に形成され
ることとなる。
【0039】また、このような自動調心作用を備えてい
ることから、1回転あたりの送りを小さくして隣接する
加工面どうしをラップさせるようにすれば、面仕上げ工
具として本装置を用いることもできる。
【0040】さらに、上記実施形態にかかる装置によれ
ば、ボール保持部材5と、コイルバネ9及び工具軸1と
が、点接触連結手段としての球体7,8の介在によって
良好に軸回転されることから、転造ボール4の回転が良
好に行われ、その結果、溝加工が良好に行われるように
なっている。
【0041】さらにまた、上記実施形態にかかる装置に
よれば、工具軸1先端側から導入される転造加工用の潤
滑油等が、先端ガイド部材2の尖塔形状によって工具軸
1の全体にわたって良好に流動案内されるため、転造加
工が好適に行われるようになっている。
【0042】さらにまた、上記実施形態にかかる装置に
よれば、転造ボール4を工具軸1の外側から挿入した後
にかしめ等による変形保持部6によって転造ボール4を
保持するようにしているので、転造ボール4の装着が外
側から容易に行われ、生産性が向上されるようになって
いる。
【0043】なお、上記転造ボール4を保持するにあた
っては、工具軸1の中空内部を負圧状態にしておくこと
によって一層確実な保持力を得ることができる。
【0044】次に、上述した実施形態と同一の構成物を
同一の符号で表した図3に示されている実施形態装置で
は、ボール保持部材15の軸方向両端部分に、点接触連
結手段としての錘体17,18が一体的に設けられてい
る。そして、図示左側の錘体18の先端部分が、工具軸
1の奥側壁面1aに点接触されているとともに、図示右
側の錘体17の先端部分が、コイルバネ9の一端を保持
している円筒状のバネ支持体9aの端面に対して点接触
されている。
【0045】このような実施形態装置においても、上述
した実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0046】一方、図4に示されている実施形態装置
は、被加工物としての軸部材Sの外周面に対して溝加工
を施すものであって、上述した実施形態装置に対して内
周側と外周側とが反対になされている。
【0047】すなわち、本実施形態においては、工具軸
21の外周側に、所定の軸長さを有する中空円筒状のボ
ール保持部材25が、回転自在かつ軸方向に往復移動自
在に装着されており、このボール保持部材25の内周側
に複数の転造ボール24が当接することによって、所定
の円周上に複数の転造ボール24が配置され、上記工具
軸21の内周面から各転造ボール24が半径方向内側に
向かって所定量だけ突出する位置関係になされている。
【0048】このような実施形態装置によれば、上述し
た各実施形態装置と同様にして、軸部材Sの外周面上に
対して溝加工を連続的に行うことができる。
【0049】以上、本発明者によってなされた発明の実
施の形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変形可能であるというのは言うまでもない。
【0050】例えば、ボール保持部材を工具軸の進行方
向とは反対側の軸方向に向かって付勢する付勢手段とし
ては、上述した各実施形態のようなバネ手段に限定され
ることはなく、エアの圧縮反発力等を始めとして多種多
様な弾性手段等を採用することができる。
【0051】また、本発明は、上述した動圧軸受装置の
溝加工に限らず、種々の溝加工に対しても同様に適用す
ることができるものである。
【0052】
【発明の効果】以上、述べたように、請求項1にかかる
発明は、工具軸に対して軸回りに回転自在かつ軸方向に
往復移動自在に設けたボール保持部材を、工具軸の進行
方向とは反対側の軸方向に向かって付勢する付勢手段を
設けることによって、溝部の加工が一旦終了した時点
で、ボール保持部材を付勢手段によって初期位置に戻す
ように構成したものであるから、簡単な構成によって、
ボール保持部材の初期位置への戻し作業を省略すること
ができ、複数の溝部を連続加工することが可能となり、
溝加工の生産性を飛躍的に向上させることができる。
【0053】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のボール保持部材と工具軸との間における半径方向の
隙間γを溝加工の深さδよりも大きく設定することによ
って、工具軸の配置中心と、ボール保持部材により決定
される転造ボールの配置中心とを、溝の加工深さδを維
持し得る程度に相対的な位置ずれを可能としたものであ
るから、工具軸の中心位置が被加工物の中心位置から多
少ずれて配置された場合であっても、自動調心作用によ
って溝の加工深さδを全周にわたって略均一に形成する
ことができ、上述した請求項1記載の発明の効果をさら
に向上させることができる。
【0054】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
記載のボール保持部材を、点接触連結手段を介して付勢
手段及び工具軸に対して回転接触させることにより、良
好な回転状態を得るように構成したものであるから、転
造ボールの回転を良好に行わせて溝加工を好適に行わせ
ることができ、上述した請求項1記載の発明の効果をさ
らに向上させることができる。
【0055】さらにまた、請求項4記載の発明は、上記
請求項3記載の点接触連結手段を、球体又は錘体から構
成することによって上記請求項3記載の作用・効果を得
るようにしたものであるから、点接触連結手段を簡易な
構成で実現することができる。
【0056】さらに、請求項5記載の発明は、請求項1
記載の工具軸の進行方向先端側部分を、油案内用の尖塔
形状に形成することによって、工具軸先端側から導入さ
れる転造加工用の潤滑油を工具軸の全体にわたって良好
に流動させるものであるから、生産性をさらに向上させ
ることができ、上述した請求項1記載の発明の効果を一
層向上させることができる。
【0057】さらにまた、請求項6記載の発明は、請求
項1記載のガイド穴における転造ボールの突出側の開口
縁部分に、転造ボールを保持する変形保持部を転造ボー
ルの装着後に形成することによって、転造加工装置転造
ボールを工具軸の外側から挿入することを可能としたも
のであるから、装置自体の生産性を向上させることがで
き、上述した請求1記載の発明の効果を一層向上させる
ことができる。
【0058】さらに、請求項7記載の発明は、請求項1
記載の転造加工装置を用いて、工具軸の進行方向手前側
に一組の溝部を形成した後、上記溝部非形成部分におい
て、ボール保持部材を付勢手段より工具軸の進行方向と
は反対側の初期位置に押し戻し、工具軸をさらに軸方向
に進行させて次の溝部を加工することによって、被加工
物に対して軸方向に複数組の溝部を、所定の溝部非形成
部分を介して連続的に加工するものであるから、複数の
溝部を効率的に加工することが可能となり、溝加工の生
産性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における転造加工装置を表
した縦断面説明図である。
【図2】図1に表した装置の転造ボール保持部分を拡大
して示したものであって、(a)は部分縦断面説明図、
(b)は部分平面説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態における転造加工装置を
表した縦断面説明図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態における転造加工
装置を表した縦断面説明図である。
【符号の説明】
1,21 工具軸 2 先端ガイド部材 3 ガイド穴 4 転造ボール 5,15,25 ボール保持部材 6 変形保持部 7,8 点接触連結球 9 コイルバネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状の工具軸に対して半径方向に貫
    通形成された複数のガイド穴のそれぞれに転造ボールが
    装着されているとともに、上記工具軸と略同心状に配置
    された略円筒状のボール保持部材によって、上記各転造
    ボールが前記工具軸から半径方向内側又は外側に向かっ
    て突出するように支持され、 上記複数の転造ボールを被加工物の周状壁面に圧接させ
    た状態で、前記工具軸と被加工物とを軸回りに相対的に
    回転移動させながら軸方向に進行させることによって溝
    加工を行うようにした転造加工装置において、 上記ボール保持部材が、前記工具軸に対して軸回りに回
    転自在かつ軸方向に往復移動自在に設けられているとと
    もに、 上記ボール保持部材を工具軸の進行方向と反対側の軸方
    向に向かって付勢する付勢手段が設けられていることを
    特徴とする転造加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のボール保持部材と工具軸
    との間における半径方向の隙間γが、転造ボールによっ
    て被加工物に形成される溝の加工深さδよりも大きく設
    定されていることを特徴とする転造加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のボール保持部材を、付勢
    手段及び工具軸に対して軸方向に点接触させる点接触連
    結手段が設けられていることを特徴とする転造加工装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の点接触連結手段が、球体
    又は錘体から構成されていることを特徴とする転造加工
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の工具軸の進行方向先端側
    部分が、油案内用の尖塔形状に形成されていることを特
    徴とする転造加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のガイド穴における転造ボ
    ール突出側の開口縁部分に、上記転造ボールを半径方向
    に保持する変形保持部が、上記転造ボールの装着後に形
    成されていることを特徴とする転造加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の転造加工装置を用いて、
    被加工物の軸方向に複数組の溝部を、所定の溝部非形成
    部分を介して連続的に加工する方法であって、 工具軸の進行方向手前側に一組の溝部を形成した後、上
    記溝部非形成部分において、ボール保持部材を付勢手段
    より工具軸の進行方向と反対側に押圧移動させて初期位
    置に戻し、前記工具軸をさらに軸方向に進行させて次の
    溝部を加工するようにしたことを特徴とする転造加工方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6502443B2 (en) 2000-07-07 2003-01-07 Olympus Optical Co., Ltd. Component rolling tool of dynamic pressure groove and component rolling method
JP2007098457A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Comco Corp 金属管の溝加工装置、および金属管の溝加工方法
JP2013166173A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Nsk Ltd ボールねじの製造方法

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