JPH1176670A - 刺繍ミシン - Google Patents

刺繍ミシン

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JPH1176670A
JPH1176670A JP26096597A JP26096597A JPH1176670A JP H1176670 A JPH1176670 A JP H1176670A JP 26096597 A JP26096597 A JP 26096597A JP 26096597 A JP26096597 A JP 26096597A JP H1176670 A JPH1176670 A JP H1176670A
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JP
Japan
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thread
cassette
upper thread
needle
sewing machine
Prior art date
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Application number
JP26096597A
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English (en)
Inventor
Susumu Kuzutani
進 葛谷
Shuji Otsuka
修司 大塚
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上糸を収容する上糸カセットを小型化且つ軽
量化して複数の上糸カセット装着を可能にし、刺繍模様
をカラーで縫製する刺繍ミシンの小型化や低コスト化、
更には刺繍縫製の自動化を図ること。 【解決手段】 各上糸カセット30に、上糸ボビン32
と糸調子器34と上糸42を引き上げる糸取上げ体35
とを設けることで、上糸カセット30を小型化且つ軽量
化してカセット支持体21上に放射状に配置し、カセッ
ト支持体21を回転駆動するカセット切換え機構、糸取
上げ駆動機構、糸進退機構60、糸通し機構110、糸
切断機構、加工布移動機構などを設け、刺繍に供する上
糸カセット30を供給位置に移動させるとともに、その
上糸カセット30から延びる上糸42の糸通し動作、縫
製中における糸替え動作や縫製終了時の糸切断動作など
の全てを自動化でき、カラー刺繍模様の自動縫製を可能
にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数色の上糸を用
いて加工布に各種のカラー刺繍を施す刺繍ミシンに関
し、特に上糸を収容する上糸カセットを糸色毎に複数設
け、上糸を供給する特定の上糸カセットを所定の供給位
置に移動させることで、上糸の糸色を切換えながら刺繍
縫製するようにしたものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数色からなるカラフルな刺繍模
様を縫製する為に、複数の針棒を備えた針棒ケースをミ
シンアーム部の前端部に水平移動可能に支持した多針式
刺繍ミシンが実用に供されている。例えば、特開平6−
304368号公報には、多針式刺繍ミシンにおいて、
アーム部の前端部に、複数の針棒を支持する針棒ケース
を左右方向移動可能に支持し、針棒切換え用モータによ
り針棒ケースを左方又は右方に移動させることにより、
針棒ケース内に設けられた複数組みの針棒と天秤のうち
の1組の針棒と天秤とが駆動系に連結され、その針棒に
供給される上糸で刺繍するようにした多針ミシンが提案
されている。
【0003】また、特公昭63−30037号公報に
は、1対の脚部を有するカセット内に上糸を巻き付けた
糸供給源を設けるとともに、カセットケースに複数の窓
や開口部を形成し、糸の種類や糸色を変更するときに、
ミシン本体のアーム部に形成されたカセット適合室に着
脱可能に装着するようにしたミシン用カセット式糸供給
装置が提案されている。更に、特開平7−24173号
公報には、縫製用の刺繍糸を巻き付けた糸巻き、糸調子
装置、糸抱きホルダー、縫針、カートリッジホルダーな
どを組込んだカートリッジをミシン本体の側面に取付け
るときに、天秤の高さ位置が何れの位置であっても簡単
に取付けでき、カートリッジをミシン本体に装着するだ
けで、糸通し操作をすることなく、直ぐに縫製できるよ
うにしたミシンのカートリッジが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平6−304368号公報に記載の多針ミシンにおい
ては、針棒ケースは複数組みの針棒と天秤とを備えてい
るので大型化し、またそれを駆動する駆動系が大型化す
ることから刺繍ミシン全体が大型化し、コスト的に又ス
ペース的に不利になるという問題がある。また、特公昭
63−30037号公報に記載のミシン用カセット式糸
供給装置においては、カセットに糸供給源だけを収納し
たので、カセット化の効果があまり顕著ではなく、カラ
ーの刺繍模様を縫製するのに際して、糸色を変更すると
きには、その都度カセットを交換し、更に糸通し作業を
行うことになるので、操作性に劣る。更に、糸替えを含
む刺繍縫製を自動化することが不可能である。
【0005】更に、前記特開平7−24173号公報に
記載のミシンのカートリッジにおいては、カートリッジ
内に、カートリッジレバー、縫針などを組込んでいるの
で、カートリッジが大型化してコスト的に高価になると
ともに、カラーの刺繍縫製時には、糸替え毎にカートリ
ッジを交換するので、操作性に劣るのに加えて、糸替え
を含む刺繍縫製を自動化することが不可能である。本発
明は、上記問題点を解決するためになされたものであ
り、上糸を収容する上糸カセットを小型化且つ軽量化し
て、複数の上糸カセット装着を可能にし、刺繍模様をカ
ラーで縫製する刺繍ミシンの小型化や低コスト化、更に
は刺繍縫製の自動化を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の刺繍ミシンは、縫針を有する針棒と、縫
針と協働して縫目を形成する糸輪捕捉用釜と、加工布を
直交する2方向へ独立に移動駆動する加工布移動手段と
を備えた刺繍ミシンであって、相互に異なる色の上糸を
収容した複数の上糸カセットと、複数の上糸カセットが
着脱自在に装着されるカセット支持体を備え、複数の上
糸カセットのうちの縫製に供する1つの上糸カセットが
縫針に上糸を供給可能な供給位置となるように、カセッ
ト支持体の位置を切換えるカセット切換え手段とを備え
たものである。
【0007】カセット支持体上には、「赤」や「黄」や
「緑」などの相互に異なる色の上糸を収容した複数の上
糸カセットが着脱自在に装着されている。カセット切換
え手段により、複数の上糸カセットのうちの縫製に供す
る、例えば、赤色や黄色などの1つの上糸カセットが縫
針に上糸を供給可能な供給位置となるように、そのカセ
ット支持体の位置が切換えられる。その結果、その供給
位置に切換えられた上糸カセットから「赤」や「黄」の
上糸が縫針に供給され、縫針と糸輪捕捉用釜との協働に
より縫目が加工布に形成される。
【0008】また、請求項2の刺繍ミシンは、請求項1
の発明において、前記各上糸カセットに、糸調子器と縫
針の目孔へ延びる上糸を引き上げる為の糸取上げ体とを
設け、供給位置にある上糸カセットの糸取上げ体を縫針
の上下動作と調時して上糸カセットの外部から回動駆動
する糸取上げ駆動手段を設けたものである。
【0009】この場合、刺繍縫製に際しては、各上糸カ
セットにおいて、糸輪捕捉用釜で糸輪ループが形成され
るのに応じて、内部に収容されている上糸が繰り出され
るときに、糸調子器により抵抗が付加されて糸調子が調
節される。一方、形成された糸輪ループの引き締めに際
しては、外部の糸取上げ駆動手段により、供給位置にあ
る上糸カセットの糸取上げ体が縫針の上下動作と調時し
て回動駆動されるので、形成された糸輪ループが確実に
引き締められる。その他、請求項1と同様の作用を奏す
る。
【0010】更に、請求項3の刺繍ミシンは、請求項1
または2の発明において、前記カセット支持体は、中心
部に針棒通過穴を有する水平な円形板に形成され、複数
の上糸カセットはカセット支持体上に放射状に配置され
るものである。この場合には、複数の上糸カセットは、
水平な円形板に形成されたカセット支持体上に放射状に
配置されているので、複数の上糸カセットをコンパクト
に配置でき、しかもそのカセット支持体を回転させて位
置を切換えるだけで、縫製に供する特定の上糸カセット
を容易に供給位置に配置できる。その他、請求項1また
は2と同様の作用を奏する。
【0011】そしてまた、請求項4の刺繍ミシンは、請
求項1〜3の何れか1項の発明において、前記カセット
切換え手段は、カセット支持体を回転駆動するカセット
切換え駆動手段を含むものである。この場合、カセット
切換え手段はカセット切換え駆動手段を含むので、その
カセット切換え駆動手段により、カセット支持体を確実
に且つ簡単に回転駆動させることができる。その他、請
求項1〜3の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0012】更に、請求項5の刺繍ミシンは、請求項1
〜4の何れか1項の発明において、前記各上糸カセット
の上糸出口に遊転ローラを設け、供給位置にある上糸カ
セットの遊転ローラと協働して上糸を繰り出し巻き戻し
可能な糸進退手段を設けたものである。この場合には、
カセット支持体の位置が切換えられて、縫製に供する上
糸カセットが供給位置に移動されたとき、その供給位置
の上糸カセットの上糸出口に設けられた遊転ローラが糸
進退手段により回転されて、縫針の目孔への糸通しに際
しては上糸が繰り出される一方、上糸カセットの供給位
置外への移動に際しては目孔から上糸を抜く為に、上糸
が巻き戻される。その他、請求項1〜4の何れか1項と
同様の作用を奏する。
【0013】また、請求項6の刺繍ミシンは、請求項1
〜5の何れか1項の発明において、前記供給位置の上糸
カセットから延びる上糸を縫針の目孔に通す糸通し機構
を設けたものである。この場合には、供給位置へ上糸カ
セットが移動する毎に、その供給位置の上糸カセットか
ら延びる上糸は、糸通し機構により縫針の目孔に自動的
に通される。その他、請求項1〜5の何れか1項と同様
の作用を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。本実施形態は、8個の上
糸カセットを着脱可能に装着して、複数色からなるカラ
ーの刺繍模様を縫製可能な刺繍ミシンに本発明を適用し
た場合のものである。この刺繍ミシン1は、水平なカセ
ット支持体21上に装着された8つの上糸カセット30
と、そのカセット支持体21の位置を切換えるカセット
切換え機構20と、上糸42の糸引き締めを行う糸取上
げ駆動機構44と、供給位置の上糸カセット30からの
上糸42を繰り出し又は巻き戻しする糸進退機構60
と、針棒上下動機構75と、水平回転釜(以下、水平釜
と称す)92を回転駆動する釜駆動機構85と、刺繍す
る加工布を直交するX方向とY方向とに独立に移動駆動
する加工布移動機構120などの全ての駆動系を本体ケ
ース2内に収納したものであり、加工布を刺繍枠121
にセットするだけで、その加工布に自動的にカラーの刺
繍模様を縫製するようにしたものである。
【0015】前記本体ケース2は、図1及び図2に示す
ように、ファクシミリ装置やプリンタに似させた形状で
あり、その本体ケース2の前半部分には、制御ボックス
12などの制御系を収容する制御系収容室5が形成さ
れ、その本体ケース2の一段高くなった後半部分には、
針棒上下動機構75や釜駆動機構85などの駆動系を収
容する駆動系収容室6が形成されている。前記制御系収
容室5の上部には、刺繍枠121に加工布をセットする
為の開口部7が略全幅に亙って形成され、駆動系収容室
6の上部には、把っ手4を固着した蓋部材3が開閉可能
に枢着され、その蓋部材3の前端部分には幅広の液晶デ
ィスプレイ10が取付けられている。
【0016】また、図1に示すように、制御系収容室5
と駆動系収容室6の境界部分には、これら駆動系をリセ
ットするリセットキー、刺繍データを送受信する通信の
為の機能キー、刺繍縫製を開始する縫製開始キーなどを
含む複数のタッチ式キー、各種の表示ランプなどを設け
た操作パネル9が設けられている。更に、本体ケース2
の右側面には、後述する釜ユニット86を回動させて外
部に引き出す為の開口部8が形成されている。次に、複
数の上糸カセット30を装着したカセット支持体21を
回動させるカセット切換え機構20と、上糸カセット3
0とについて、図1〜図7に基づいて説明する。
【0017】前記駆動系収容室6の内部には、図2に示
すように、複数の台座2aにより本体ケース2に取付け
られた支持フレーム11が配設され、その支持フレーム
11の一部であって、中心部を円形に切り抜いた水平な
支持壁部11aには、図3及び図4に示すように、中心
部に針棒通過穴21aを形成した水平な円形板からなる
カセット支持体21が載置され、しかもカセット支持体
21の内周端部の下方に延びた係合縁部21bが支持壁
部11aの内周端に係合することで、カセット支持体2
1は、これら係合縁部21bと支持壁部11aとの係合
を介して回転可能に支持壁部11aに支持されている。
【0018】ところで、カセット支持体21の外周部に
は、図4、図5及び図7に示すように、ギヤ21cが形
成され、このギヤ21cには、2つの中間ギヤ22,2
3を介してカセット切換えモータ24の駆動ギヤ25が
噛合されている。即ち、カセット切換えモータ24が正
転駆動又は逆転駆動されることにより、中間ギヤ22,
23を介してカセット支持体21が平面視にて時計回り
方向又は反時計回り方向に回転される。ここで、カセッ
ト支持体21上には、8つのカセットホルダー21dが
所定角度毎に放射状に配置されており、各カセットホル
ダー21dに上糸カセット30が着脱自在に装着されて
おり、次にその上糸カセット30について説明する。
【0019】図5及び図7に示すように、上糸カセット
30は、幅を約10mmとする合成樹脂製の矩形枠ケース3
1の左右両側面を1対の側壁29でビス止めしたもので
ある。そして、上糸カセット30をカセット支持体21
に取付けるときには、上糸カセット30をカセットホル
ダー21d内に添わせながら下方へ押し下げて、上糸カ
セット30に形成した係合爪31aをカセットホルダー
21dの係合フック部21eに係合させることで装着さ
れる。
【0020】その上糸カセット30の内部には、図5及
び図6に示すように、例えば「赤」の上糸42を巻き付
けた上糸ボビン32が枢支軸33で回転可能に枢支さ
れ、図示外の圧縮コイルバネで弾性付勢された1対の糸
調子皿34a,34bからなる糸調子器34が設けら
れ、更に矩形枠ケース31の側面には略円筒状の糸取上
げ体35が回転可能に枢支されている。この糸取上げ体
35の外周部の一か所には、上糸42を引っ掛ける引っ
掛け爪36が形成されるとともに、上糸42が外れない
ように、鍔部37が形成されている。
【0021】更に、糸取上げ体35の矩形枠ケース31
から外部に突出した部分には、後述する糸取上げ駆動機
構44の係合部材46の係合爪48に係脱可能に係合す
る複数の係合爪38が形成されている。そして、上糸ボ
ビン32から延びる上糸42は、糸調子器34を経て、
糸取上げ体35の筒部を経由して引っ掛け爪36に引っ
掛けられた後、ガイドローラ39を経由して出口部に回
転可能に枢支された遊転ローラ40を経由して外部に繰
り出される。
【0022】次に、糸取上げ体35を駆動する糸取上げ
駆動機構(糸取上げ駆動手段に相当する)44について
図2〜図6を参照して説明する。図4及び図5に示すよ
うに、カセット支持体21に装着される8つの上糸カセ
ット30のうち、一番後方の位置を供給位置とするよう
にして、その供給位置に位置する上糸カセット30
(P)の後方の支持フレーム11に前後方向に延びる駆
動軸45の後端部が回転可能に枢支され、その駆動軸4
5の前端部が小径に形成されて円筒状の係合部材46が
前後移動可能に支持され且つ抜け止めされ、コイルバネ
47により前方に弾性付勢されている。その係合部材4
6には前方向きの複数の係合爪48が形成されている。
【0023】更に、駆動軸45の後端近傍部には、図4
に示すように、環状の係合溝49aを形成した円筒状の
切換え部材49が固着され、この係合溝49aには、連
結用ソレノイド50のプランジャー51に取付けた作動
ピン52の先端部が係合されている。一方、駆動軸45
の上側に糸取上げモータ53が固着され、その糸取上げ
モータ53に固定された駆動ギヤ54が、駆動軸45の
後端部に固定された従動ギヤ55に噛合されている。即
ち、連結用ソレノイド50が作動されてプランジャー5
1が後方に突出したときには駆動軸45が後方に移動し
て、これら両係合爪38,48が相互に離間する。
【0024】ところで、連結用ソレノイド50の作動が
停止されたときには、駆動軸45は図示外の付勢バネに
より前方に移動し、両係合爪38,48が係合される。
このとき、係合爪48はコイルバネ47により他方の係
合爪38の方へ弾性付勢され、両係合爪38,48は確
実に噛み合っている。そして、後述する水平釜92で形
成された糸輪ループが内釜97から外れた糸取上げタイ
ミングのときに、糸取上げモータ53が所定時間だけ駆
動され、糸取上げ体35が所定の取上げ方向(図6の矢
印Q方向)に回動され、引っ掛け爪36により上糸42
が上糸カセット30内に引き込まれることで、縫針15
の目孔15aへ延びる上糸42が引き上げられる。
【0025】次に、前記供給位置に位置する上糸カセッ
ト30の上糸42を繰り出し又は巻き戻す糸進退機構6
0について、図5に基づいて説明する。供給位置の上糸
カセット30の直ぐ上側に配設された揺動板61は、前
記支持フレーム11に枢支ピン62で上下揺動可能に枢
支され、その揺動板61には、糸繰り出しモータ63
と、その糸繰り出しモータ63の駆動ギヤ64に噛合す
る2つの中間ギヤ65,66と、その中間ギヤ66と同
軸状に連結された駆動ローラ67とが回転自在に枢支さ
れている。また、その揺動板61は、支持フレーム11
に取付けた上糸用ソレノイド68のプランジャー69に
連結されている。
【0026】即ち、上糸用ソレノイド68が作動されて
プランジャー69が退入駆動されたきには、揺動板61
は図5に実線で示す糸繰り出し位置に揺動され、駆動ロ
ーラ67と遊転ローラ40とが押圧接触される。このと
き、糸繰り出しモータ63が駆動されることにより、駆
動ギヤ64と両中間ギヤ65,66を介して駆動ローラ
67が回転するので、遊転ローラ40が同時に回転さ
れ、上糸ボビン32の上糸42が糸調子器34や糸取上
げ体35を介して繰り出されたり、或いは上糸カセット
30内に巻き戻される。一方、上糸用ソレノイド68の
作動が停止されたときには、図示外の付勢バネにより、
揺動板61が2点鎖線で示す上側の待機位置まで上昇さ
れ、駆動ローラ67は遊転ローラ40から離れる。
【0027】ところで、図2〜図5に示すように、放射
状に配設された8個の上糸カセット30で囲まれる中央
部には、上下方向に延びる側面視略コ字状の針棒支持体
13により上下動可能に針棒14が支持されており、次
にその針棒14を上下駆動させる針棒上下動機構75に
ついて説明する。図4に示すように、前記駆動軸45の
上側には前後方向向きの主軸76が配設され、その主軸
76は支持フレーム11に複数箇所で回転可能に枢支さ
れている。主軸76の前端部にはクランク77の一端部
が固着され、そのクランク77の他端部にクランクピン
を介して針棒クランク78が回転自在に連結され、針棒
クランク78の下端部が針棒14の中段部に針棒抱き7
9を介して連結されている。
【0028】一方、主軸76の後端近傍部の支持フレー
ム11には、ミシンモータ80が取付けられ、そのミシ
ンモータ80の駆動軸に固定された傘歯車81が、主軸
76に固着された傘歯車82に噛合されている。刺繍縫
製開始に際して、ミシンモータ80が駆動されたときに
は、主軸76が所定の回転方向に駆動され、針棒クラン
ク78や針棒抱き79を介して針棒14が上下動される
のと同時に、針棒14の下端に取付けられた縫針15も
上下動する。ここで、針棒14の下端部に、押え足17
の上端部が上下動可能に支持され且つ圧縮コイルバネ1
8で下方に弾性付勢されており、針棒14が下降したと
きには、加工布は圧縮コイルバネ18のバネ力により押
え足17で押えられるようになっている。
【0029】次に、針棒14の下側に設けられた釜駆動
機構85について、図2〜図4、図7に基づいて説明す
る。前記カセット支持体21の下側から前方に亙って、
略箱状の釜ユニット86が配設され、その釜ユニット8
6の支持板87の前端部が枢支ピン88により、カセッ
ト支持体21の下側に位置する作動位置と、本体ケース
2の右側方に回動した回動位置とに亙って位置切換え可
能に枢支され、その釜ユニット86が作動位置に切換え
られたときには、後端部が支持フレーム11に支持され
ることで、所定の高さ位置に保持されるようになってい
る。
【0030】前記釜ユニット86の上蓋が針板89とし
て構成され、ユニットケース90にその長さ方向にスラ
イド可能に支持されている。一方、釜ユニット86の内
部の略後半部分には、上方を開放した円筒状の釜収納ケ
ース91が取付けられ、その釜収納ケース91の内部に
は、水平釜(水平回転釜)92が収納されている。即
ち、水平釜92の外釜93はその鉛直向きの釜軸94を
介して釜収納ケース91に回転可能に枢支され、その釜
軸94の下端部には釜駆動ギヤ95が固定されている。
【0031】一方、作動位置のときの釜ユニット86の
下側の支持フレーム11には、釜駆動モータ96が取付
けられ、その釜駆動モータ96の駆動軸に固着された駆
動ギヤが釜駆動ギヤ95に対して左方から噛合可能にな
っている。そして、回転止めされた内釜97は外釜93
に相対回転可能に収容され、その内釜97の内部には下
糸を巻き付けた下糸ボビン98が装着されている。ここ
で、下糸ボビン98を交換する時には、図3に鎖線で示
すように、開口部8から指を差し込んで釜ユニット86
の後端部を引き出して回動位置に切換え、針板89をス
ライドさせることで水平釜92が露出するので、下糸ボ
ビン98を取り外すことができる。
【0032】次に、縫製終了時に、上糸42と下糸とを
切断する糸切断機構100について、図4、図7に基づ
いて説明する。前記針板89の下側には、図7に示すよ
うに、可動刃101がピン102で揺動可能に枢支さ
れ、その可動刃101と協働で糸切断する固定刃103
も針板89の下側に固定されている。一方、可動刃10
1には、針板89にピン結合された糸切りソレノイド1
04のプランジャー105が連結されている。そして、
糸切りタイミングのときに、糸切りソレノイド104が
所定時間だけ駆動されることで、プランジャー105が
進出した後に退入するときに、針板89の針穴89aを
挿通している上下両糸が可動刃101に係合されている
ので、これら上下両糸が可動刃101と固定刃103と
により同時に切断される。
【0033】次に、供給位置に位置する上糸カセット3
0から延びる上糸42を縫針15の目孔15aに通す糸
通し機構110について図5及び図8に基づいて説明す
る。但し、目孔15aの方向は前後方向向き、つまり供
給位置の上糸カセット30(P)方向向きとする。供給
位置の上糸カセット30(P)に対向する上糸カセット
30に対応する支持壁部11aの下面には、断面を矩形
枠状とする偏平で所定長さを有する治具保持部材111
が縫針15に向く状態でその基端部において固着されて
いる。ここで、その治具保持部材111の前端は縫針1
5の近傍に位置している。
【0034】細い弾性材からなり、先端部分が略菱形に
なるように屈曲形成された糸通し具112が、その菱形
を押し延ばしたような形状に拘束されて治具保持部材1
11の内部に引き込まれて収容されている。一方、その
糸通し具112の後端部は、カセット支持体21の下面
に固着した糸通しソレノイド113のプランジャー11
4に連結されている。糸通しに際しては、糸通しソレノ
イド113が進出駆動されてそのプランジャー114が
進出するので、糸通し具112はその先端部から順次治
具保持部材111よりも前方に押し出されるので、縫針
15の目孔15aを挿通してから形状保持の拘束が解除
されて、図8に示すように、略菱形状に開くことにな
る。このとき、糸進退機構60により上糸42が所定量
だけ繰り出され、上糸42の糸端部がその糸通し具11
2の菱形内部に侵入する。
【0035】その後、糸通しソレノイド113が退入駆
動されてプランジャー114が退入するときには、糸通
し具112の先端部が目孔15aを抜けて治具保持部材
111に収容されるときに、上糸42を目孔15aに通
すことができる。次に、加工布を移動駆動する加工布移
動機構120について図1、図3、図4及び図9に基づ
いて説明する。図3に示すように、カセット支持体21
と釜ユニット86との間には、刺繍に供する加工布を装
着する刺繍枠121が配設され、その刺繍枠121の左
右両側には、前後方向向きの円筒状の支持部材122が
夫々固着されている。
【0036】その刺繍枠121は、図9に示すように、
Y方向駆動機構125によりY方向(前後方向)に移動
されるとともに、X方向駆動機構135によりX方向
(左右方向)に移動されるようになっている。先ず、Y
方向駆動機構125について説明すると、本体ケース2
の左右両端側には、前後方向に延びるガイド軸126が
配設され、各ガイド軸126にはYキャリッジ127が
前後移動可能に夫々支持され、これら両Yキャリッジ1
27は連結板128で一体的に連結されている。
【0037】左側のガイド軸126の下側には、前後2
つのプーリ129,130が左右方向向きの水平軸で回
転可能に支持され、これら両プーリ129,130に亙
ってタイミングベルト131が掛け渡され、後側のプー
リ130はY軸駆動モータ132で駆動されるようにな
っており、タイミングベルト131の一端部がYキャリ
ッジ127に連結されている。X方向駆動機構135に
ついて説明すると、前記Yキャリッジ127から一体的
に後方に延びる拡張支持板136に、左右方向向きのガ
イド軸137の左右両端部が固定され、そのガイド軸1
37にはXキャリッジ138が左右移動可能に支持され
ている。
【0038】更に、そのガイド軸137の下側には、左
右2つのプーリ139,140が前後方向向きの水平軸
回りに回転可能に支持され、これら両プーリ139,1
40に亙ってタイミングベルト141が掛け渡され、左
側のプーリ139はX軸駆動モータ142(図10参
照)で駆動されるようになっている。一方、前記Xキャ
リッジ138の前端部には、左右1対の保持軸143a
を有する平面視略コ字状の保持枠143が固着され、こ
れら1対の保持軸143aを、刺繍枠121の左右1対
の円筒状の支持部材122に夫々対応させて挿入させる
ことで、刺繍枠121がXキャリッジ138に連結され
る。
【0039】ここで、その刺繍枠121は、図示外のロ
ック機構により1対の保持軸143aに確実に保持され
る一方、手動でそのロック機構を解除することで、刺繍
枠121を保持軸143aから簡単に取り外すことがで
きる。その刺繍枠121は加工布を装着する為に、図示
していないが、外枠と内枠とから構成されている。これ
により、Y軸駆動モータ132が駆動されることで、タ
イミングベルト131やYキャリッジ127を介して刺
繍枠121がY方向に移動される一方、X軸駆動モータ
142が駆動されることで、タイミングベルト141や
Xキャリッジ138を介して刺繍枠121がX方向に移
動される。そして、刺繍枠121が図1に示すように
(図9に鎖線で示すように)、制御系収容室5の上側の
開口部7に移動したときに、加工布の取付け又は取り外
しが可能になる。
【0040】次に、前記制御ボックス12内に設けられ
た刺繍ミシン1の制御系について、図10に基づいて簡
単に説明する。制御ユニット150は、CPU152と
ROM153とRAM154とDMA(ダイレクト・メ
モリ・アクセス)コントローラ155などからなるマイ
クロコンピュータ151と、駆動回路156と、入出力
インターフェース(図示略)等で構成され、操作パネル
9と、特定の色(例えば、「赤」)の上糸カセット30
が供給位置に位置したことを検出するカセット位置検出
スイッチ157と、ミシンモータ80に設けた第1ロー
タリエンコーダ158と、釜駆動モータ96に設けた第
2ロータリエンコーダ159と、主軸原点センサ160
と、釜軸原点センサ161などから各種の信号が入力さ
れる。
【0041】一方、制御ユニット150からは駆動回路
156を介して、ミシンモータ80や釜駆動モータ96
等の各種モータ53,24,63,142,132と、
連結用ソレノイド50等の各種ソレノイド104,11
3,68と、液晶ディスプレイ(LCD)10の為のデ
ィスプレイコントローラ(DC)162に駆動信号や制
御信号が出力される。ところで、刺繍縫製の為のデータ
は、図示はしていない通信用インターフェースを介して
外部のパーソナルコンピュータなどの電子機器から供給
されるようになっている。
【0042】次に、このように構成された刺繍ミシン1
の作動について説明する。先ず、図2に示すように、把
っ手4を持って蓋部材3を開ける。そして、カセット支
持体21の各カセットホルダー21dには、図7に示す
ように、「赤」、「青」、「黄」・・・などの糸色が夫
々指定されているので、これら「赤」や「青」などの上
糸を有する上糸カセット30を同色のカセットホルダー
21dに装着する。このとき、各上糸カセット30の上
糸42を、図5に示すように、遊転ローラ40から所定
長さ分だけ繰り出しておく。その後、蓋部材3を閉じ
る。
【0043】このとき、カセット切換えモータ24によ
りカセット支持体21が初期化処理、つまり1番目の、
例えば「赤」の上糸カセット30が供給位置となるよう
に、カセット支持体21の位置が切換えられる。更に、
Y軸駆動モータ132の駆動により刺繍枠121が図1
に示すように、制御系収容室5の上側の開口部7に移動
するので、その刺繍枠121に加工布を取付ける。そし
て、操作パネル9の縫製開始キーが操作されたときに
は、そのデータに含まれる糸色データに基づいて、その
糸色の上糸カセット30が供給位置に位置するように、
カセット支持体21が回転される。その後、連結用ソレ
ノイド50の作動が停止されて、両係合爪38,48が
係合される。
【0044】次に、糸通しソレノイド113が駆動さ
れ、糸通し具112が前方に押し出されるので、縫針1
5の目孔15aを挿通してから略菱形状に開く。次に、
上糸用ソレノイド68が作動され、駆動ローラ67と遊
転ローラ40とが押圧接触された状態で糸繰り出しモー
タ63が駆動されることで、図8に示すように、上糸ボ
ビン32の上糸42が繰り出されるので、繰り出された
上糸42の糸端部がその菱形状に開いた糸通し具112
の内部に上方から侵入する。
【0045】続いて、糸通しソレノイド113が退入駆
動され、糸通し具112の先端部が目孔15aを抜けて
治具保持部材111に収容されるときに、上糸42を目
孔15aに通すことができる。ここで、上糸42の端部
が糸通し具112から抜けていないときには、ミシンモ
ータ80の駆動で縫針15を上昇させることで、上糸4
2の端部を糸通し具112から確実に抜くことができ
る。次に、上糸用ソレノイド68の作動停止により、駆
動ローラ67は遊転ローラ40から離れる一方、Y軸駆
動モータ132が駆動されて、刺繍枠121が図4に示
す所定の縫製開始位置に移動される。
【0046】そして、縫製開始の為の準備が完了したこ
とにより、ミシンモータ80や釜駆動モータ96、更に
はX軸駆動モータ142やY軸駆動モータ132が駆動
され、縫製データに基づいて刺繍縫製が開始される。こ
のとき、各ロータリエンコーダ158,159からのパ
ルス信号に基づいて、ミシンモータ80と釜駆動モータ
96とが同期するように駆動されるとともに、縫針15
の上下動と調時して、これらモータ53,142,13
2が同期するように駆動される。即ち、縫針15が上昇
する糸取上げタイミングのときには、糸取上げモータ5
3で糸取上げ体35が所定の取上げ方向に回動され、縫
針15の目孔15aへ延びる上糸42が引き上げられ
る。
【0047】ところで、縫製途中における糸替えのとき
には、各モータ80,96,53,142,132の駆
動が停止される一方、糸進退機構60により上糸42が
巻き戻されて縫針15の目孔15aから引き抜かれ、糸
進退機構60が上方に退避した後に、カセット切換え機
構20により次に使用する色の上糸42を有する上糸カ
セット30が供給位置に切換えられ、以下同様にして、
繰り出された上糸42の糸通しが実行されてから、縫製
が再開される。そして、刺繍縫製が終了したときには、
糸切りソレノイド104の駆動により可動刃101が往
復駆動され、針板89の針穴89aを挿通している上糸
42と下糸とが同時に切断される。
【0048】ここで、本発明のカセット切換え手段はカ
セット支持体21やカセット切換え機構20やその制御
系などで構成され、糸取上げ駆動手段は糸取上げ駆動機
構44やその制御系などで構成され、糸進退手段は糸進
退機構60やその制御系などで構成されている。このよ
うに、縫針15を有する針棒14と、縫針15と協働し
て縫目を形成する水平釜92と、加工布を直交する2方
向へ独立に移動駆動する加工布移動機構120とを備え
た刺繍ミシン1において、相互に異なる色の上糸42を
収容した複数の上糸カセット30と、複数の上糸カセッ
ト30が着脱自在に装着されるカセット支持体21の位
置を切換えるカセット切換え機構20とを備えたので、
各上糸カセット30を小型化且つ軽量化して、カラーの
刺繍縫製を容易に行うことができ、更に、刺繍ミシン1
の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0049】前記各上糸カセット30に、糸調子器34
と縫針15の目孔15aへ延びる上糸42を引き上げる
為の糸取上げ体35とを設け、供給位置にある上糸カセ
ット30の糸取上げ体を縫針15の上下動作と調時して
上糸カセット30の外部から回動駆動する糸取上げ駆動
機構44を設けたので、刺繍縫製に際して、各上糸カセ
ット30からは、糸調子が調節された上糸42を目孔1
5aに供給できる一方、糸輪ループの引き締めに際して
は、糸取上げ体35の回動駆動により確実に引き締めで
きる。
【0050】カセット支持体21は、中心部に針棒通過
穴21aを有する水平な円形板に形成され、複数の上糸
カセット30はカセット支持体21上に放射状に配置さ
れるので、複数の上糸カセット30をコンパクト化して
配置でき、しかもそのカセット支持体21を回転させて
位置を切換えるだけで、縫製に供する特定の上糸カセッ
ト30を容易に供給位置に配置できる。また、カセット
切換え機構20においては、カセット切換えモータ24
によりカセット支持体21が回転駆動されるので、カセ
ット支持体21を確実に且つ簡単に回転駆動させること
ができる。
【0051】また、各上糸カセット30の上糸出口に遊
転ローラ40を設け、供給位置にある上糸カセット30
(P)の遊転ローラ40と協働して上糸42を繰り出し
巻き戻し可能な糸進退機構60を設けたので、糸通しに
際しては上糸42を繰り出すことができ、また上糸カセ
ット30の交換に際して、目孔15aから上糸42を抜
くときには上糸が巻き戻される。更に、供給位置の上糸
カセット30(P)から延びる上糸42を縫針15の目
孔15aに通す糸通し機構110を設けたので、供給位
置へ上糸カセット30が移動する毎に、その供給位置の
上糸カセット30から延びる上糸42の糸通し動作を自
動化でき、更にはカラーの刺繍縫製の自動化が可能にな
る。
【0052】前記実施形態の変更形態として、次のよう
に構成してもよい。1) カセット切換え機構20Aと
して、図11に示すように、直線状のカセット支持体2
1Aを設け、そのカセット支持体21Aに複数の上糸カ
セット30を並列状に着脱可能に装着するようにし、カ
セット支持体21Aをガイド軸170とスクリューシャ
フト171とで移動可能に支持し、スクリューシャフト
171に連結したカセット切換えモータ24Aの駆動に
よりカセット支持体21Aの位置を切換えるようにして
もよい。2) 前記実施形態に関し、既存の技術や当業
者に自明の技術に基づいて種々の変更を加えることもあ
り得る。更に、主軸76や水平釜92をミシンモータで
駆動するように構成された刺繍ミシン等、各種の刺繍ミ
シンに本発明を適用し得ることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、縫針を有する針棒と、縫針と協働して縫目を形
成する糸輪捕捉用釜と、加工布を直交する2方向へ独立
に移動駆動する加工布移動手段とを備えた刺繍ミシンに
おいて、相互に異なる色の上糸を収容した複数の上糸カ
セットと、複数の上糸カセットが着脱自在に装着される
カセット支持体の位置を切換えるカセット切換え手段と
を備えたので、各上糸カセットを小型化且つ軽量化し
て、カラーの刺繍縫製を容易に行うことができ、更に、
刺繍ミシンの小型化や低コスト化を図ることができる。
【0054】また、請求項2の発明によれば、請求項1
と同様の効果を奏するが、前記各上糸カセットに、糸調
子器と縫針の目孔へ延びる上糸を引き上げる為の糸取上
げ体とを設け、供給位置にある上糸カセットの糸取上げ
体を縫針の上下動作と調時して上糸カセットの外部から
回動駆動する糸取上げ駆動手段を設けたので、刺繍縫製
に際して、各上糸カセットからは、糸調子が調節された
上糸を縫針の目孔に供給できる一方、糸輪ループの引き
締めに際しては、糸取上げ体の回動駆動により確実に引
き締めできる。
【0055】更に、請求項3の発明によれば、請求項1
または2と同様の効果を奏するが、前記カセット支持体
は、中心部に針棒通過穴を有する水平な円形板に形成さ
れ、複数の上糸カセットはカセット支持体上に放射状に
配置されるので、複数の上糸カセットをコンパクト化し
て配置でき、しかもそのカセット支持体を回転させて位
置を切換えるだけで、縫製に供する特定の上糸カセット
を容易に供給位置に配置できる。そしてまた、請求項4
の発明によれば、請求項1〜3の何れか1項と同様の効
果を奏するが、前記カセット切換え手段は、カセット支
持体を回転駆動するカセット切換え駆動手段を含むの
で、そのカセット切換え駆動手段により、カセット支持
体を確実に且つ簡単に回転駆動させることができる。
【0056】また、請求項5の発明によれば、請求項1
〜4の何れか1項と同様の効果を奏するが、前記各上糸
カセットの上糸出口に遊転ローラを設け、供給位置にあ
る上糸カセットの遊転ローラと協働して上糸を繰り出し
巻き戻し可能な糸進退手段を設けたので、供給位置に移
動された上糸カセットだけに関して、糸通しするときな
どには上糸を繰り出すことができ、また目孔から上糸を
抜くときには上糸が巻き戻される。更に、請求項6の発
明によれば、請求項1〜5の何れか1項と同様の効果を
奏するが、前記供給位置の上糸カセットから延びる上糸
を縫針の目孔に通す糸通し機構を設けたので、供給位置
へ上糸カセットが移動する毎に、その供給位置の上糸カ
セットから延びる上糸の糸通し動作を自動化でき、更に
はカラーの刺繍縫製の自動化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る刺繍ミシンの斜視図で
ある。
【図2】刺繍ミシンの内部機構を示す側面図である。
【図3】図2C−C線横断平面図である。
【図4】内部機構を示す要部拡大正面図である。
【図5】針棒及び上糸カセットの拡大正面図である。
【図6】糸調子器と糸取上げ体とガイドローラとの概略
斜視図である。
【図7】カセット支持体と釜駆動機構の斜視図である。
【図8】糸通し機構の概略斜視図である。
【図9】加工布移動機構の概略斜視図である。
【図10】刺繍ミシンの制御系のブロック図である。
【図11】変更形態に係るカセット支持体とその駆動機
構の斜視図である。
【符号の説明】
1 刺繍ミシン 14 針棒 15 縫針 20 カセット切換え機構 21 カセット支持体 24 カセット切換えモータ 30 上糸カセット 32 上糸ボビン 34 糸調子器 35 糸取上げ体 40 遊転ローラ 42 上糸 44 糸取上げ駆動機構 45 駆動軸 48 係合爪 60 糸進退機構 63 糸繰り出しモータ 68 上糸用ソレノイド 92 水平釜 110 糸通し機構 111 治具保持部材 112 糸通し具 113 糸通しソレノイド 120 加工布移動機構 121 刺繍枠 125 Y方向駆動機構 135 X方向駆動機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫針を有する針棒と、縫針と協働して縫
    目を形成する糸輪捕捉用釜と、加工布を直交する2方向
    へ独立に移動駆動する加工布移動手段とを備えた刺繍ミ
    シンにおいて、 相互に異なる色の上糸を収容した複数の上糸カセット
    と、 前記複数の上糸カセットが着脱自在に装着されるカセッ
    ト支持体を備え、複数の上糸カセットのうちの縫製に供
    する1つの上糸カセットが縫針に上糸を供給可能な供給
    位置となるように、カセット支持体の位置を切換えるカ
    セット切換え手段と、 を備えたことを特徴とする刺繍ミシン。
  2. 【請求項2】 前記各上糸カセットに、糸調子器と縫針
    の目孔へ延びる上糸を引き上げる為の糸取上げ体とを設
    け、前記供給位置にある上糸カセットの糸取上げ体を縫
    針の上下動作と調時して上糸カセットの外部から回動駆
    動する糸取上げ駆動手段を設けたことを特徴とする請求
    項1に記載の刺繍ミシン。
  3. 【請求項3】 前記カセット支持体は、中心部に針棒通
    過穴を有する水平な円形板に形成され、複数の上糸カセ
    ットはカセット支持体上に放射状に配置されることを特
    徴とする請求項1または2に記載の刺繍ミシン。
  4. 【請求項4】 前記カセット切換え手段は、カセット支
    持体を回転駆動するカセット切換え駆動手段を含むこと
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の刺繍ミ
    シン。
  5. 【請求項5】 前記各上糸カセットの上糸出口に遊転ロ
    ーラを設け、供給位置にある上糸カセットの遊転ローラ
    と協働して上糸を繰り出し巻き戻し可能な糸進退手段を
    設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記
    載の刺繍ミシン。
  6. 【請求項6】 前記供給位置の上糸カセットから延びる
    上糸を縫針の目孔に通す糸通し機構を設けたことを特徴
    とする請求項1〜5の何れか1項に記載の刺繍ミシン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7210418B2 (en) 2002-06-28 2007-05-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing apparatus, thread cassette therefor and control program therefor
CN104178942A (zh) * 2013-05-22 2014-12-03 启翔股份有限公司 可换针式缝纫机的线道机构
CN113308812A (zh) * 2021-05-18 2021-08-27 温州大学 一种可进行身份识别的多工位平缝机

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